説明

遠隔会議システム

【課題】 本発明は、発言権限を適切に制御することができる遠隔会議システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、複数の端末が互いに接続される遠隔会議システムであって、複数の端末のうちの1つの端末が司会者端末になり、司会者端末のみが遠隔会議に参加しているその他の端末の発言権を制御することができる、遠隔会議システムを提供する。さらに、本発明は、コンピュータを、複数の端末が互いに接続される遠隔会議システムとして機能させるための遠隔会議プログラムであって、コンピュータを、複数の端末のうちの1つの端末が司会者端末になり、司会者端末のみが遠隔会議に参加しているその他の端末の発言権を制御することができる、遠隔会議システムとして機能させるための、遠隔会議プログラムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔会議システムに関する。より詳細には、本発明は、複数の端末間で通信することができ、かつ発言権を制御することができる遠隔会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信ネットワークの発達に伴い、インターネットなどの通信技術を利用して、互いに遠隔地にいる者が会議に参加できる遠隔会議システムが開発されている。遠隔会議は、たとえばテレビ会議およびウェブ会議などのように、会議を行う際に、参加者が実際に一箇所に集まって直接話し合う形態の会議ではなく、参加者がそれぞれ遠隔地にいながらにして、互いに接続された端末を使用して動画を介して話し合いを進める形態の会議である。遠隔会議システムを導入することにより、離島および僻地などであっても、参加者がどこにいるかにかかわらず、端末を介して容易に会議を行うことができる。
【0003】
このような遠隔会議システムを利用した遠隔会議では、2箇所の参加者が会議を行うだけでなく、複数の参加者が遠隔会議に参加する場合も多い。複数の参加者が遠隔会議を行う場合、会議の進行に伴って発言者が発言する際に、一度に複数の参加者が発言したのでは混乱してしまう。そこで、遠隔会議における発言者を制御する技術が開発されている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、同時会話可能な遠隔会議において、会議参加者の発言機会を均等化することにより多くの意見を吸い上げ、会議時間内での討議をより活発化することができる発言管理システムを提供することを目的とした遠隔会議システムが開示されている。しかし、特許文献1に記載された技術では、会議の進行に伴って発言者を切換える中で、一度に発言できる発言者の数が限られている。また、会議において、発言は均等になされるものではない。
【0005】
これに対して、特許文献2には、予め定められた順序にしたがってクライアント端末に発言権限を与えると共に、一定の規則に則って他のクライアント端末にも発言権限を与えることにより、発言者切換えに伴う同時発言可能な発言者数の制約を緩和できる遠隔会議システムが記載されている。しかし、特許文献1に記載された技術では、一定の規則に則って発言権限を与えているため、会議の進行に伴って、適切な発言者に対して発言権限を与えることができない。
【0006】
上記のように、従来の遠隔会議システムでは、会議の進行に伴って、適切な発言者に発言権限を与えることが困難であった。したがって、単に発言権限を均等化したり、一定の規則に則って発言権限を与えたりするだけでなく、参加者が実際に一箇所に集まって直接話し合う形態の会議に近い形態の会議を行うことができる遠隔会議システムが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-304337号公報
【特許文献2】特開2009-33594号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のとおり、従来の遠隔会議システムでは、単に発言権限を均等化したり、一定の規則に則って発言権限を与えたりしているため、会議の進行に伴って、適切な発言者に対して発言権限を与えることができなかった。そこで、本発明は、発言権限を適切に制御することができる遠隔会議システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、参加者が実際に一箇所に集まって直接話し合う形態の通常の会議の場合、司会者が発言権限を制御することにより、適切な発言者に対して発言権限を与えていることに着目し、本発明に想到した。
【0010】
本発明は、複数の端末が互いに接続される遠隔会議システムであって、前記複数の端末のうちの1つの端末が司会者端末になり、前記司会者端末のみが遠隔会議に参加しているその他の端末の発言権を制御することができる、遠隔会議システムを提供する。
【0011】
また、本発明は、司会者端末以外の端末は、前記司会者端末に対して発言意志を通知するする手段を備え、前記司会者端末以外の端末は、前記司会者端末から発言が許可された場合のみに発言することができる、上記遠隔会議システムを提供する。
【0012】
また、本発明は、複数の端末は、賛成、反対および/または異議の意志を通知する手段を備える、上記遠隔会議システムを提供する。
【0013】
また、本発明は、司会者端末は、前記司会者端末以外の全ての端末を遠隔会議から退席させることができる、上記遠隔会議システムを提供する。
【0014】
また、本発明は、複数の端末は、サーバを介して互いに接続される、上記遠隔会議システムを提供する。
【0015】
さらに、本発明は、コンピュータを、複数の端末が互いに接続される遠隔会議システムとして機能させるための遠隔会議プログラムであって、
前記コンピュータを、前記複数の端末のうちの1つの端末が司会者端末になり、前記司会者端末のみが遠隔会議に参加しているその他の端末の発言権を制御することができる、遠隔会議システムとして機能させるための、遠隔会議プログラムを提供する。
【0016】
また、本発明は、コンピュータを、前記司会者端末以外の端末が前記司会者端末に対して発言意志を通知する遠隔会議システムとしてさらに機能させるための、上記遠隔会議プログラムを提供する。
【0017】
また、本発明は、コンピュータを、前記複数の端末が賛成、反対および/または異議の意志を通知する遠隔会議システムとしてさらに機能させるための、上記遠隔会議プログラムを提供する。
【0018】
また、本発明は、コンピュータを、コンピュータを、前記司会者端末が前記司会者端末以外の全ての端末を遠隔会議から退席させることができる遠隔会議システムとしてさらに機能させるための、上記遠隔会議プログラムを提供する。
【0019】
さらに、本発明は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、上記のプログラムを格納した記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の遠隔会議システムによれば、遠隔会議において、会議の進行に伴って、適切な発言者に対して発言権限を与えることにより、従来の遠隔会議システムと比較して、遠隔会議を円滑に進行させることができる。また、本発明の遠隔会議システムによれば、遠隔会議において、採決の場合などの際に各参加者の意志を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の遠隔会議システムの構成の一例を示す図。
【図2】本発明の遠隔会議システムにおいてサーバを介して接続される構成の一例を示す図。
【図3】本発明の遠隔会議システムの動作のフローチャートの一例を示す図。
【図4】本発明の遠隔会議システムに動作のフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本発明の遠隔会議システムの構成の一例を示す図である。図1では、本発明の遠隔会議システム1において、各端末間がサーバを介さずに接続されている例を示す。
【0023】
遠隔会議システム1は、互いに接続された複数の端末を使用して遠隔会議を行うことができる。遠隔会議システム1では、互いに接続された複数の端末で構成される。図1では、遠隔会議システム1が司会者端末2と参加者端末3で構成されている例を示してあるが、端末の数は限定されない。
【0024】
本発明の遠隔会議システムでは、会議に参加する端末のうちのいずれか1つの端末を司会者端末2として指定する。司会者端末2は、会議に参加する複数の端末のうちのいずれの端末であることもできる。会議を行う際に、司会者としての役割を担う参加者の端末を司会者端末2として指定すればよい。
【0025】
司会者端末2として指定された端末は、遠隔会議に参加しているその他の参加者端末3および端末4の発言権を制御することができる。一方、参加者端末3は、司会者端末2によって発言が許可されたときにのみ発言をすることができるように制御される。すなわち、遠隔会議において、司会者端末2のユーザは、会議においていつでも発言することができ、司会者の発言は、その他の端末に送信される。
【0026】
一方、参加者端末3のユーザは、会議においていつでも発言できるのではない。通常は、その他の端末のユーザの発言を受信することができるだけである。しかし、司会者端末2によって発言が許可されたときは、参加者端末3のユーザも、その発言が他の端末に送信される。
【0027】
また、遠隔会議システム1の各端末には、どのユーザの発言が許可されているのか、およびどのユーザが発言しているのかを容易に判断することができるように、これらのユーザの顔を他の端末に送信する機能を有していてもよい。
【0028】
また、本発明の遠隔会議システム1において、参加者端末3は、そのユーザが発言をしたい場合に、発現意志を通知する手段を備えていてもよい。本発明の遠隔会議システム1において、参加者端末3および端末4は、そのユーザが発言をしたい場合であっても、司会者端末2によって発言が許可されない限り、発言が他の端末に送信されることはない。しかし、発現意志を通知する手段を設けることにより、発言の許可を受けたいことを司会者端末2のユーザに知らせることができる。発現意志の通知手段としては、たとえば、操作画面上に通知ボタンを設け、この通知ボタンをマウスでクリックした場合に司会者端末2に対して、発現意志が通知されるように構成してもよい。その他、キーボードの特定のキーを通知ボタンとして指定して、このキーを押すことにより通知することもできる。また、発現意志は、司会者端末2のみに対して通知されるのではなく、会議に参加しているいずれの端末にも通知されるようにすることもできる。
【0029】
また、通常の会議においては、多数決などにおいて意見の賛否を問うことがある。このような場合に対応できるように、本発明の遠隔会議システムにおいて、各端末には、賛成、反対および/または異議の意志情報を通知する手段を備えていてもよい。本明細書において、意志情報とは、通常の会議における多数決の際の挙手など、会議の参加者の賛否などの意志をいう。たとえば、意志情報は、遠隔会議において、参加者に対して多数決などの採決を行う場合、遠隔会議システムに予め備えられた機能として、それぞれの参加者が賛否の意志を通知することができる手段を含む。賛否の意志の通知手段としては、たとえば、操作画面上に賛成、反対および/または異議の各ボタンを設け、それぞれのボタンをマウスでクリックすることにより、賛否の意志が通知されるように構成してもよい。その他、キーボードの特定のキーに、賛成、反対および/または異議などのそれぞれの意志を割り当てておき、これらのキーを押すことによりそれぞれの意志を通知することもできる。また、賛成、反対および/または異議の数を計数することができる機能を有していてもよい。これにより、遠隔会議において多数決などの採決を容易に行うことができる。
【0030】
また、通常の会議において、会議を強制的に閉会させたい場合もある。このような場合に対応できるように、本発明の遠隔会議システムにおいて、遠隔会議システムから強制的に退席させる機能を有していてもよい。たとえば、遠隔会議に参加している各端末の参加者を強制的に退席させるために、全ての端末を遠隔会議システムからログアウトさせる機能を、司会者端末2に設けることができる。
【0031】
本発明の遠隔会議システムについて、各構成の詳細を説明する。各端末は、遠隔会議を行うために必要とされる機能を備える。たとえば、各端末は、それぞれCPU(Central Processing Unit)等のマイクロホンロプロセッサ、RAM(Random
Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段を含んで構成される。また、これらのCPUなどが、ROMやHDDにあらかじめ記憶されたプログラムをRAM上に展開することにより、それぞれの手段において、遠隔会議を行うために必要とされる処理が行われる。各端末は、映像および音声を端末間で共有し、テレビ会議機能によるリアルタイムカンファレンスを行うための機能を有する。たとえば、各端末は、遠隔会議を行うために必要とされるカメラおよびマイクロホンなどの入力部、スピーカなどの出力部を備える。コンピュータをこのような遠隔会議をおこなうための端末として機能させる方法は、当該技術分野において公知であり、任意の装置および方法を使用することができる。たとえば、各端末は、たとえばキーボードなどの入力部、CPUなどの制御装置、モニタなどの表示装置、メモリなどの記憶装置、モデムなどの通信装置およびプリンタなどの印刷装置などを備えた一般のコンピュータシステムであることができる。
【0032】
また、各端末は、端末間を互いに接続可能な接続手段を有する。本明細書において、接続とは、各端末が、データを送受信することができる状態でつながれていることを意味する。各端末の間の接続は、当該技術分野において通常使用される任意の接続手段を介して接続することができる。たとえば、接続手段は、ISDN、衛星回線、PHS、ADSL、FTTH、LANなどの様々な通信インフラを使用した接続であることができる。各端末を互いに接続するとは、図1に示したように複数の端末間が直接接続されるだけではなく、図2に示したように端末間がサーバを介して間接的に接続されていることを意味する。たとえば、図1の遠隔会議システムのように、司会者端末2および参加者端末3は、各端末が他の全ての端末と接続される。また、図2の遠隔会議システムのように、司会者端末2、参加者端末3およびサーバ4は、各端末が他の全ての端末と接続される。
【0033】
また、各端末は、遠隔会議において使用される資料などの情報を互いに閲覧および送受信することができる機能を有していてもよい。ここで、送受信とは、本明細書において、端末およびサーバなどに保存されたデータを別の端末などに送信および受信することを意味し、別の端末で読み込むこと、コピーすること、保存すること、印刷することなどを含む。閲覧とは、本明細書において、端末およびサーバなどに保存されたデータを別の端末で読み込んで、該端末のモニタなどで読み込んだデータを見ることができるが、該データをコピーすること、および保存することはできないことを意味する。本発明の遠隔会議システムにおいて、各端末は、各端末からデータを閲覧しかできないように設定しておくことにより、データを自由にコピーすることができず、高セキュリティーに保つことができる。上記のような各端末による情報の閲覧および送受信は、サーバを介して閲覧および送受信することもできるが端末間で直接データを閲覧および送受信してもよい。
【0034】
以下、図2に示したようなサーバを介して各端末が接続される場合を例にして、各端末の動作例を示す。以下の説明では、音声データの処理について説明しているが、映像データについても同様に処理される。
【0035】
各端末は、それぞれ入力部21、端末処理部22および出力部22を有する。たとえば、端末として使用する一般のコンピュータシステムにおいて、端末処理部(CPUなど)、入力部(マイクロホンおよびキーボードなど)および出力部(スピーカおよびモニタなど)として機能させることができる。司会者端末2の司会者が発言すると、入力部21から入力された音声データ各端末処理部22からサーバ4へ送信される。送信された音声データは、サーバ処理部41で受信された後、参加者端末3へ送信される。音声データは、参加者端末3の端末処理部32で受信され、出力部33へ出力される。
【0036】
一方、参加者端末3の参加者が発言したい場合、入力部31から発現意志を示す通知情報を入力する。入力部31から入力された通知データは、端末処理部31からサーバ4へ送信される。送信された通知データは、サーバ処理部41で受信された後、司会者端末2へ送信される。通知データは、司会者端末2の端末処理部22で受信され、出力部23へ出力される。
【0037】
司会者は、参加者端末3の参加者の発言を許可する場合には、入力部21から発現許可を示す許可情報を入力する。入力部21から入力された許可データは、端末処理部21からサーバ4へ送信される。送信された許可データは、サーバ処理部41で受信された後、参加者端末3へ送信される。参加者端末3は、許可データを受信した後は、発言が許可された状態になる。そして、参加者端末3の参加者が発言すると、入力部31から入力された音声データが端末処理部32からサーバ4へ送信される。送信された音声データは、サーバ処理部41で受信された後、他の端末3へ送信される。音声データは、各端末の端末処理部31で受信され、出力部33へ出力される。
【0038】
また、司会者は、参加者端末3の参加者の発言を許可したのちに、発言権を停止する場合には、入力部21から発現許可を停止する停止情報を入力する。入力部21から入力された停止データが端末処理部21からサーバ4へ送信される。送信された停止データは、サーバ処理部41で受信された後、参加者端末3へ送信される。参加者端末3は、停止データを受信した後は、発言が許可されない状態になり、音声データは、他の端末へ送信されない。
【0039】
発言権は、一旦、司会者端末から発言許可がされた後、次に司会者端末から発言権の停止がなされるまで許可され続けることもできる、発言許可された端末に対して一定時間発言を許可することもできる、または一定回数の発言を許可することができるように設定することもできる。
【0040】
次に、遠隔会議において、多数決などの採決を行う場合、以下のように処理される。司会者などから各参加者に採決を行う旨が伝えられると、各参加者は、参加者端末3の入力部31から賛成、反対および/または異議などの意志を示す賛否情報を入力する。入力部31から入力された賛否データが端末処理部31からサーバ4へ送信される。送信された賛否データは、サーバ処理部41で受信され、賛成、反対および/または異議などの計数を行う。この計数結果は、司会者端末2および参加者端末3へ送信されて、各端末の端末処理部21および31で受信され、出力部23および33へ出力される。その結果、各端末のユーザは、採決の結果を知ることができる。
【0041】
上記の処理手順は、サーバ4を介する処理について説明したが、サーバ4を介さずに各端末間で直接処理を行うこともできる。たとえば、多数決などの採決を行う場合、各ユーザは、端末3の入力部31から賛成、反対および/または異議などの意志を示す賛否情報を入力する。入力部31から入力された賛否データが端末処理部31から他の端末へ送信される。送信された賛否データは、各端末の端末処理部21および31で受信され、出力部23および33へ出力される。また、各端末の端末処理部21および31において、賛成、反対および/または異議などの計数を行うなどの処理を行うこともできる。
【0042】
また、遠隔会議に参加している各端末の参加者を強制的に退席させる場合、以下のように処理される。司会者は、遠隔会議を終了する旨を伝えると、司会者端末2の入力部21から退席情報を入力する。入力部21から入力された退席データが端末処理部21からサーバ4へ送信される。送信された退席データは、サーバ処理部41で受信された後、各端末3へ送信される。退席データは、各端末3の端末処理部32で受信され、出力部33へ出力させる。その後、各端末3の端末処理部31が遠隔会議からログアウトする処理を行い、強制的に退席される。
【0043】
次に、フローチャートを参照しながら、各端末における処理の一例を説明する。図3は、司会者端末3においてなされる処理のフローチャートを示す。本発明を用いて会議に参加すると(ステップS1)、端末処理部22では、入力部21または接続手段5からの各種データを受信する(ステップS2)。次いで、受信データが入力部21からの入力データであるか否かを判別する(ステップS3)。受信データが入力部21からの入力データであると判断した場合は、そのデータが音声データであるか否かを判別する(ステップS4)。ステップS4において、入力データが、音声データであると判断した場合は、遠隔会議に参加している各参加者端末3またはサーバ4宛てに、接続手段5を介して音声データが送信される(ステップS5)。
【0044】
入力データが、音声データではないと判断した場合は、入力データが、他の参加者に対して発言許可する旨の許可データであるか否かを判別する(ステップS6)。ステップS6において、入力データが、許可データであると判断した場合は、発言意志を示した参加者端末宛てに、接続手段5を介して許可データが送信される(ステップS7)。入力データが、許可データではないと判断した場合は、サーバ4または他の参加者端末3宛てに、接続手段5を介して各種意志データが送信される(ステップS8)。
【0045】
一方、ステップS3において、入力部ではなく、接続手段5を介して他の端末またはサーバからの受信データであると判断した場合は、さらにその受信データが、音声データであるか否かを判別する(ステップS9)。ステップS9において、受信データが、音声データであると判断した場合は、受信した音声データを出力部23で再生する(ステップS10)。
【0046】
ステップS9において、受信データが、音声データではないと判断した場合は、受信したデータが他の参加者からの発言意志を示す発言意志データであるか否かを判別する(ステップS11)。ステップS11において、受信データが、発言意志データであると判断した場合は、発言意志データを出力部23により表示する。
【0047】
受信データが、発言意志データではないと判断した場合は、参加者からの意志情報である意志データと判断して、各種意志データを出力部23により表示する。
【0048】
ステップS2〜ステップS13における処理が完了すると、会議を退席するのか否かの判断をする(ステップS14)。会議を継続する場合は、再度ステップS2へ遷移する。一方、会議を退席する場合は、端末処理部22におけるデータの送受信処理を終了する。
【0049】
次に、図4は、参加者端末3においてなされる処理のフローチャートを示す。本発明を用いて会議に参加すると(ステップS1)、端末処理部32では、入力部31または接続手段5からの各種データを受信する(ステップS2)。次いで、受信データが入力部31からの入力データであるか否かを判別する(ステップS3)。受信データが入力部31からの入力データであると判断した場合は、そのデータが音声データであるか否かを判別する(ステップS4)。ステップS4において、入力データが、音声データであると判断した場合は、司会者によって発言が許可されたことを確認するために、司会者端末2からのこの参加者端末3宛てに送信された許可データを受信しているか否かを判断する(ステップS5)。司会者端末2からの許可データを受信している場合、遠隔会議に参加している司会者端末2、各参加者端末3またはサーバ4宛てに、接続手段5を介して音声データが送信される(ステップS6)。ステップS5において、司会者端末2からの許可データを受信していない場合、音声データは送信されない。
【0050】
一方、ステップS4において、入力データが、音声データではないと判断した場合は、入力データが、司会者に対して発言許可を求める発言意志データであるか否かを判別する(ステップS7)。ステップS7において、入力データが、発言意志データであると判断した場合は、司会者端末2宛てに、接続手段5を介して発言意志データが送信される(ステップS8)。入力データが、発言意志データではないと判断した場合は、司会者端末2、サーバ4または他の参加者端末3宛てに、接続手段5を介して各種意志データが送信される(ステップS9)。
【0051】
一方、ステップS3において、入力部ではなく、接続手段5を介して他の端末またはサーバからの受信データであると判断した場合は、さらにその受信データが、許可データであるか否かを判別する(ステップS10)。ステップS10において、受信データが、許可データであると判断した場合は、受信した許可データを出力部33により表示するとともに、端末処理部32に保存する(ステップS11)。
【0052】
ステップS10において、受信データが、許可データではないと判断した場合は、受信したデータが他の端末からの発言意志を示す発言意志データであると判断して、各種意志データを出力部33により表示する(ステップS12)。
【0053】
ステップS2〜ステップS12における処理が完了すると、会議を退席するのか否かの判断をする(ステップS13)。会議を継続する場合は、再度ステップS2へ遷移する。一方、会議を退席する場合は、端末処理部32におけるデータの送受信処理を終了する。
【0054】
上記フローチャートでは、司会者端末2および参加者端末3における処理を示した。サーバ4における処理についてのフローチャートは示していないが、サーバ4を有するシステムの場合、サーバ4を介して司会者端末2および参加者端末3が上記のとおりに作動するように処理がなされる。当業者であれば、サーバ4における処理は、容易に想定することができる。たとえば、司会者端末2および参加者端末3のそれぞれから各種データが送信された後、一旦サーバ4に各種データが送信され、次いでサーバ4が受信した各種データを宛先の端末に送信される用に処理することができる。このとき、サーバ1は、受信した情報を一時的にサーバ内に格納してもよい。
【0055】
上記のように処理される各端末およびサーバを使用することにより、司会者が、会議の進行に伴って適切な発言者に対して発言権限を与えることができる遠隔会議システムとして作動させることができる。また、本発明の遠隔会議システムによれば、遠隔会議において、会議の進行に伴って、適切な発言者に対して発言権限を与えることができるため、従来の遠隔会議システムと比較して、遠隔会議を円滑に進行させることができる。また、本発明の遠隔会議システムによれば、遠隔会議において、採決の場合などの際に各参加者の意志を容易に確認することができる。
【0056】
一方、上記遠隔会議システムは、コンピュータを上記の会議システムとして機能させることによってシステムを構成することができる。たとえば、コンピュータを上記遠隔会議システムとして機能させるための遠隔会議プログラムを提供して、当該プログラムを各端末またはサーバとして使用するコンピュータにインストールすることにより、遠隔会議システムを提供することができる。
【0057】
したがって、本発明は、コンピュータを、上記遠隔会議システムとして機能させるための遠隔会議プログラムを提供する。具体的には、コンピュータを、複数の端末が互いに接続される遠隔会議システムとして機能させるための遠隔会議プログラムであって、コンピュータを、複数の端末のうちの1つの端末が司会者端末になり、司会者端末のみが遠隔会議に参加しているその他の端末の発言権を制御することができる、遠隔会議システムとして機能させるための、遠隔会議プログラムとして提供することができる。
【0058】
さらに、本発明のプログラムは、コンピュータを、司会者端末以外の端末が司会者端末に対して発言意志を通知する遠隔会議システムとしてさらに機能させるためのプログラムをさらに含む。
【0059】
さらに、本発明のプログラムは、コンピュータを、複数の端末が賛成、反対および/または異議の意志を通知する遠隔会議システムとしてさらに機能させるためのプログラムをさらに含む。
【0060】
さらに、本発明のプログラムは、コンピュータを、司会者端末が司会者端末以外の全ての端末を遠隔会議から退席させることができる遠隔会議システムとしてさらに機能させるための遠隔会議プログラムをさらに含む。
【0061】
また、上記プログラムは、任意の形態で提供することができる。たとえば、サーバおよびハードディスクに記録された形態で提供することもできる。また、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として提供することもできる。
【0062】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを記録(記憶)する記録媒体は、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-ReadOnly Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disc)を含む)、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディアまたは、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROMおよび記憶部を構成するハードディスク等により構成されるものを含む。記録媒体へのプログラムの記録は、必要に応じてルータ、モデム等のインタフェースである通信部を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われてもよい。
【0063】
なお、記録媒体に記録されるプログラムは、上述した一連の処理をコンピュータに実行させるものであれば、どのようなプログラミング言語で記述されていてもよい。すなわち、たとえば、記録媒体に記録されるプログラムは、JAVA(登録商標)言語、C言語、C++、C#、Visual Basic、アセンブリ言語等の様々なプログラミング言語により記述されたものであってもよい。
【0064】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0065】
さらに、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すが、その構成に必要とされるそれぞれの装置も意味する。
【0066】
本発明の遠隔会議プログラムによれば、各端末およびサーバとして機能するコンピュータを、本発明の遠隔会議システムの端末として機能させることができる。
【符号の説明】
【0067】
1・・・遠隔会議システム
2・・・司会者端末
21・・・入力部
22・・・端末処理部
23・・・出力部
3・・・参加者端末
31・・・入力部
32・・・端末処理部
33・・・出力部
4・・・サーバ
41・・・サーバ処理部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末が互いに接続される遠隔会議システムであって、
前記複数の端末のうちの1つの端末が司会者端末になり、前記司会者端末のみが遠隔会議に参加しているその他の端末の発言権を制御することができる、遠隔会議システム。
【請求項2】
前記司会者端末以外の端末は、前記司会者端末に対して発言意志を通知するする手段を備え、
前記司会者端末以外の端末は、前記司会者端末から発言が許可された場合のみに発言することができる、請求項1に記載の遠隔会議システム。
【請求項3】
前記複数の端末は、該端末のユーザの意志を通知する手段を備える、請求項1または2に記載の遠隔会議システム。
【請求項4】
前記司会者端末は、前記司会者端末以外の全ての端末を遠隔会議から退席させることができる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遠隔会議システム。
【請求項5】
前記複数の端末は、サーバを介して互いに接続される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遠隔会議システム。
【請求項6】
コンピュータを、複数の端末が互いに接続される遠隔会議システムとして機能させるための遠隔会議プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数の端末のうちの1つの端末が司会者端末になり、前記司会者端末のみが遠隔会議に参加しているその他の端末の発言権を制御することができる、遠隔会議システムとして機能させるための、遠隔会議プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記司会者端末以外の端末が前記司会者端末に対して発言意志を通知する遠隔会議システムとしてさらに機能させるための、請求項6に記載の遠隔会議プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記複数の端末が賛成、反対および/または異議の意志を通知する遠隔会議システムとしてさらに機能させるための、請求項6または7に記載の遠隔会議プログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、
前記司会者端末が前記司会者端末以外の全ての端末を遠隔会議から退席させることができる遠隔会議システムとしてさらに機能させるための、請求項6〜8のいずれか1項に記載の遠隔会議プログラム。
【請求項10】
コンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、請求項6〜9のいずれか1項に記載のプログラムを格納した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−217068(P2012−217068A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81597(P2011−81597)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(510147396)ViewSend ICT株式会社 (4)
【Fターム(参考)】