説明

遠隔操作する撮像装置付きの鏡台

【課題】
鏡台に取り付けた撮像装置を携帯電話等によって操作することで、その撮像装置で撮像した画像を、携帯端末で確認することが可能な、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台を提供することを目的とする。
【解決手段】
略中央部付近に少なくとも一枚以上の鏡を抱持する枠体と、枠体を支持する支持体とを備える、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台であって、通信装置と制御装置と撮像装置とを少なくとも有しており、通信装置は、ユーザの利用する携帯端末との間で情報の送受信を行い、制御装置は、撮像開始の制御指示を携帯端末または遠隔操作装置から通信装置で受け取ると、撮像装置に対して、撮像を行う制御指示を送出し、撮像装置は、制御装置から撮像を行う制御指示を受け取ると、撮像装置のレンズでユーザの撮像を行い、制御装置は、撮像装置で撮像した画像を、通信装置を介して、携帯端末に送信する、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡台に取り付けた撮像装置を携帯電話等の携帯端末や遠隔操作装置によって操作することで、その撮像装置で撮像した画像を、携帯端末で確認することが可能な、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、PHS、スマートフォン(以下、「携帯端末」という)などには小型の撮像装置(カメラ)が取り付けられている。この携帯端末の撮像装置を用いて、自らを撮像する、いわゆる「自分撮り」が行われることがある。「自分撮り」はさまざまな目的で行われ、たとえば自分の写真を撮りほかの人に送りたい場合、相手から見た自分の外見を確認したい場合、などの目的がある。
【0003】
「自分撮り」を行う場合には、撮像装置を持った手を伸ばし、撮像装置のレンズを自らに向けて撮像を行う。あるいはセルフタイマーなどを設定し、携帯端末の撮像装置で自らを撮像する。
【0004】
手を伸ばして撮像を行う場合には、撮像範囲が手の届く範囲に限られてしまう。またセルフタイマーを設定して撮像する場合には、撮像範囲を確認、修正した上でセルフタイマーを設定しなければならず、手間がかかってしまう。
【0005】
そこで下記特許文献1乃至特許文献3に示すように、ドレッサーやテレビなどに撮像装置のレンズを備え、撮像装置で撮像した画像を、ドレッサーやテレビなどの表示装置で表示させるシステムが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−192233号公報
【特許文献2】特開2002−183315号公報
【特許文献3】実用新案登録第3154529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の各特許文献では、ドレッサー、テレビ受像器、携帯電話機、電子鏡、洗面台などに撮像装置のレンズを取り付ける。またドレッサー、テレビ受像器、携帯電話機、電子鏡、洗面台などにはいずれも当該撮像装置のレンズで撮像した画像が表示可能な表示装置を備えている。そして撮像装置で自らを撮像し、その画像を表示装置で表示させる。これによって、上述したような問題点、すなわち、自分撮りをする場合に撮像範囲が手の届く範囲に限られる点、セルフタイマーの設定に負担がある点を解消することができる点で有益である。
【0008】
しかしいずれも撮像装置で撮像した画像を表示するための表示装置を、ドレッサー、テレビ受像器、携帯電話機、電子鏡、洗面台などに備えなければならない。もともと表示装置を備えているテレビ受像器や携帯電話機、電子鏡であれば問題がないが、ドレッサーや洗面台には通常、表示装置ではなく、鏡が取り付けられていることから、鏡の代わりに表示装置を備えなければならない。そうすると、鏡を利用することができなくなってしまう。また表示装置は鏡よりも通常は高価なので、価格も高くならざるを得ない。
【0009】
通常、撮像装置で自らを撮像した画像は相手から見た状態の像である。従って、それを表示装置で表示させると、左右が反対に表示される。そのためその状態で、ドレッサーやテレビ受像器、携帯電話機、電子鏡、洗面台などを利用して化粧などをする場合には、通常見ている鏡像とは左右が逆であることから、そのままでは極めて利用しにくい。それを解消するためには、表示装置で表示している像を鏡像に左右反転する処理が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明者は上記課題に鑑み、より簡便に自分撮りができる、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台を発明した。
【0011】
第1の発明は、略中央部付近に少なくとも一枚以上の鏡を抱持する枠体と、前記枠体を支持する支持体とを備える、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台であって、通信装置と制御装置と撮像装置とを少なくとも有しており、前記通信装置は、ユーザの利用する携帯端末との間で情報の送受信を行い、前記制御装置は、撮像開始の制御指示を前記携帯端末または前記遠隔操作装置から前記通信装置で受け取ると、前記撮像装置に対して、撮像を行う制御指示を送出し、前記撮像装置は、前記制御装置から前記撮像を行う制御指示を受け取ると、前記撮像装置のレンズで前記ユーザの撮像を行い、前記制御装置は、前記撮像装置で撮像した画像を、前記通信装置を介して、前記携帯端末に送信する、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台である。
【0012】
本発明のように構成することで、従来の特許文献よりもより簡便に自分撮りを行うことができる。また鏡台に表示装置を用いないので、安価に鏡台を構成することもできる。
【0013】
上述の発明において、前記撮像装置は、前記通信装置で前記撮像開始の制御指示を受け取ってから所定時間経過後に、前記レンズで前記ユーザの撮像を行う、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台のように構成することもできる。
【0014】
携帯端末で撮像開始のボタンを押下している時点では、まだ携帯端末を手に持っている。そのため、ポーズが完全には取れない。そこで本発明のように構成することで、ユーザに、ポーズを完全に取るための時間的余裕を与えることができる。
【0015】
上述の発明において、前記枠体は、一つの面に、鏡像を写す第1の鏡と、前記第1の鏡とは異なる面に、左右反転鏡である第2の鏡とを備えており、前記撮像装置のレンズは、前記第2の鏡を備える枠体の面に備えられている、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台のように構成することもできる。
【0016】
撮像装置で撮像できるのは相手からユーザを見た状態である。一方、通常の鏡でポーズを取ったとしても、それは左右反転した状態であり、実際とは印象が異なる可能性がある。そこで、左右反転鏡と通常の鏡の双方を備え、左右反転鏡と同一の面に、撮像装置のレンズを備える。これにより、ユーザは、撮像装置で撮像するのと同じ状態を左右反転鏡で確認した上で、それをそのまま撮像できる。一方、左右反転鏡のみでは、鏡としての日常の使い勝手は良くない。そこで、本発明の構造とすることで、両方の要望を満たすことができる。
【0017】
上述の発明において、前記撮像装置のレンズは、前記枠体において前記鏡と同一面に備えられている、撮像装置付きの鏡台のように構成することもできる。また、前記撮像装置のレンズは、前記鏡の一部または前記鏡の裏面側に備えられている、撮像装置付きの鏡台のように構成することもできる。
【0018】
このように撮像装置のレンズは、所望の位置に取り付けることができる。鏡と同一面に備えている場合には、鏡に映った状態で視線を移動させるだけで、撮像と通常の鏡の使用状態を確保することができる。鏡の一部にレンズを取り付ける場合には、視線を移動させることなく、撮像を行うことができる。また鏡の裏面に設ける場合には、鏡を透過して撮像することができるので、レンズの存在を意識させることなく、撮像することができる。
【0019】
上述の発明において、前記遠隔操作する撮像装置付きの鏡台は、さらに照明装置を有しており、前記制御装置は、前記撮像装置の撮像のタイミングに合わせて、前記照明装置を点灯させる制御指示を前記照明装置に送出する、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台のように構成することもできる。
【0020】
本発明のように構成することで、照明装置をいわゆるフラッシュとして利用することができる。
【0021】
上述の発明において、前記遠隔操作する撮像装置付きの鏡台は、さらに送風装置を有しており、前記制御装置は、前記撮像装置で撮像を行うタイミングよりも前に、前記送風装置から送風を開始させる制御指示を前記送風装置に送出する、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台のように構成することもできる。
【0022】
本発明のように構成することで、髪がなびいた状態で撮像を行うことができる。
【0023】
上述の発明において、前記鏡はハーフミラーであり、前記遠隔操作する撮像装置付きの鏡台は、前記鏡よりも後方に、撮像開始までの時間を表示する第2の照明装置をさらに備えており、前記制御装置は、前記撮像装置で撮像を開始するまでの時間を前記第2の照明装置で表示させることで、前記撮像開始までの時間を前記ハーフミラーで映す、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台のように構成することもできる。
【0024】
本発明のように構成することで、ポーズを取っているユーザは、撮像開始までの残り時間を認識することができる。
【0025】
上述の発明において、前記撮像装置のレンズとして少なくとも2つのレンズを備えている、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台のように構成することもできる。
【0026】
本発明のように構成することで、3D画像のもととなる2つの画像を同時に撮像することができる。
【0027】
上述の発明において、前記撮像装置は前記鏡台と着脱可能である、撮像装置付きの鏡台のように構成することもできる。
【0028】
本発明のように構成することで、撮像装置と鏡台とが一体不可分ではなくなり、すでに所有している撮像装置を利用することも可能となる。
【0029】
上述の発明において、前記遠隔操作する撮像装置付きの鏡台は、さらにデジタル体重計と情報の送受信が可能であり、前記制御装置は、前記デジタル体重計で計測したユーザの人体計測情報また計測中であることを示す情報を前記デジタル体重計から前記鏡台が受け取ると、前記撮像装置に対して撮像を行う制御指示を送出する、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台のように構成することもできる。
【0030】
本発明のように構成することで、日々の体調管理を画像として記録することもできる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台を用いることにより、従来の特許文献に記載の発明のように、表示装置を用いずとも、自分撮りを行う際の問題点、すなわち撮像範囲が手の届く範囲に限られる点、セルフタイマーの設定に負担がある点を解消することが可能となる。また表示装置を用いないので、安価に製作することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台の一例を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台に備えられる装置のブロック図を模式的に示す図である。
【図3】本発明の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台を用いた撮像処理の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図4】通常の鏡と左右反転鏡とを備えた、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台の一例を模式的に示す斜視図である。
【図5】通常の鏡と左右反転鏡とを備えた、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台の一例を模式的に示す側面図である。
【図6】通常の鏡と左右反転鏡とを備えた、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台の一例を模式的に示す上方からの平面図である。
【図7】撮像装置のレンズを2つ備えた、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台の一例を模式的に示す斜視図である。
【図8】本発明の、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台と体重計とを連動させた場合の一例を模式的に示す図である。
【図9】本発明の、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台と携帯端末とを用いて自分撮りを行う場合の全体を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台1(以下、単に「鏡台1」という)の一例を模式的に図1に示す。図2に鏡台1に備えられる各種装置のブロック図を模式的に示す。本発明の鏡台1は、鏡4を抱持する枠を形成する枠体2と、その枠体2を支持する支持体3とを有しており、支持体3の上面に枠体2が取り付けられている。枠体2の概略中央部付近には鏡4がはめ込まれている。図1に示すように、枠体2は支持体3に垂直に取り付けられていても良いし、枠体2と支持体3との接合部分を支点として、若干、後方に傾けられて取り付けられていても良い。この場合、鏡4が若干、斜め上方を向くので、鏡4に映る像の視認性が高まる。また枠体2を支持体3に固定するのではなく、枠体2と支持体3との接合部分を支点として枠体2と支持体3との角度が変えられるように、角度調整機構を備えていても良い。
【0034】
図1では支持体3として台(支持台)である場合を示しているが、枠体2を支持できる機構であればいかなるものでも良く、たとえば紐のようなものであっても良い。この場合には、鏡4(枠体2)を取り付けたいと所望する箇所に、釘やネジなどの突起物や絵画などを吊り下げる吊下具を設置し、そこに枠体2の上方裏面に取り付けられた支持体3である紐を通すことで、鏡4(枠体2)を支持する(吊下げる)ことができる。また鏡4(枠体2)を壁や何らかの装置(例えば自動販売機)などに埋め込むことでも良く、この場合には、壁や装置の筐体が枠体2および支持体3を構成することとなる。
【0035】
枠体2は四角形であることが好ましいが、円形、楕円形などそれ以外の形状であっても良い。
【0036】
枠体2の上部には、その中心付近にレンズ用の孔部が設けられており、レンズ用の孔部の左右には照明装置用の孔部が設けられる。また枠体2の下方の中心付近には送風装置用の孔部が設けられており、送風装置用の孔部の左右には音出力装置用の孔部が設けられている。
【0037】
枠体2の上面中心付近におけるレンズ用の孔部には、後述する撮像装置21のレンズ5が取り付けられる。また照明装置用の孔部には照明装置6が取り付けられる。また送風装置用の孔部には送風装置8が取り付けられる。さらに音出力装置用の孔部には音出力装置7が取り付けられる。なお送風装置8としては一般的な送風機能を有する装置を用いればよい。
【0038】
枠体2に取り付けられる各種装置の通信線、電力線などは枠体2の内部に、適宜、通せば良い。
【0039】
照明装置6は枠体2の上方にレンズ5を挟んで少なくとも2つ以上備えていることが好ましい。また照明装置6としては、蛍光灯のほか、LEDライトなども用いることができる。
【0040】
枠体2の下方に備えられた送風装置8は、下方の概略中央部付近に備えられていることが好ましく、送風装置8の両脇には音出力装置7としてスピーカーが備えられる。
【0041】
なお枠体2において、照明装置6、送風装置8、レンズ5は鏡4と同一面に備えることが好ましい。
【0042】
鏡4の左隅付近には計時装置9が備えられている。計時装置9としては時計であることがよいが、それに限定されるものではない。鏡4は銀メッキなどから構成される反射膜と、ガラスなどの表面とから構成されている。この鏡4をハーフミラーとすることによって、鏡4よりも後方(たとえば鏡4の背面)に設置したLEDライトなどにより時刻が表示されるように構成しても良い。ハーフミラーの構造としては、金属ハーフミラー、誘導体ハーフミラーなどを用いることができる。また、鏡4をハーフミラーとして、LEDライトにより反射膜の裏側から時刻を表示させるのではなく、鏡4の一部を計時装置9の形状に合わせ、そこに通常の計時装置9を取り付けてもよい。
【0043】
同様に鏡4の右隅付近には報知装置10が備えられている。報知装置10は、少なくともコイルとLEDライトとダイオードとコンデンサとを備えている。報知装置10のLEDライトは、計時装置9と同様に、鏡4の裏側から表示してもよいし、鏡4の表面に取り付けられていてもよい。報知装置10のコイルは、鏡台1から所定範囲内に存在する携帯端末30のアンテナから発せられる微弱電波を検出する。そしてコイルに微弱電波が流れると、電流が発生する。それをダイオードとコンデンサとにより調節し、LEDライトを発光させる。これによって、鏡台1の近くに置かれている携帯端末30に着信などがあった場合に、報知装置10のLEDライトが発光するので、それを容易に視認することができる。
【0044】
また枠体2の側面にはUSB端子11などが備えられていることが好ましい。このUSB端子11に携帯音楽プレイヤーや携帯端末30の接続端子を挿入することで音出力装置7から音楽を再生することができる。またUSB端子11とすることによって、携帯端末30の充電機能などにも利用することができる。
【0045】
枠体2の正面下方には携帯端末30と無線通信を行うための通信装置12が備えられていることが好ましい。通信装置12における通信方法としては、赤外線通信、ブルートゥース(2.4GHz帯の電波を利用した無線通信)などがあるが、それらに限定されるものではない。
【0046】
枠体2の内側には、枠体2に取り付けられている各装置、撮像装置21、照明装置6、送風装置8、音出力装置7、計時装置9、報知装置10、通信装置12などを制御するための制御装置20を備えている。制御装置20は、たとえばCPUなどの演算装置、RAMやROMなどの記憶装置などにより構成されている。この制御装置20から制御指示が各装置に送出されることで、各装置が制御される。なお図示していないが、鏡台1には各種の装置を駆動させるための電源部を備えておき、そこから電源の供給を受けることで駆動する。
【0047】
なお上述した各装置およびその装置を枠体2に取り付けるための孔部は上述した箇所に限定されるものではなく、その目的に応じて、枠体2の任意の箇所に設けることができる。また全ての各装置を取り付ける必要もなく、適宜に取捨選択可能である。また枠体2に取り付けるほか、支持体3に取り付けても良い。
【実施例1】
【0048】
次に本発明の鏡台1と携帯端末30とを用いて自分撮りをする場合の処理を図3のフローチャートを用いて説明する。また図9に、本発明の鏡台と携帯端末とを用いて自分撮りを行う場合の全体を模式的に示す。
【0049】
まず携帯端末30の所持者(ユーザ)は、所定の方法により、インターネット上のウェブサイトにアクセスすることで、鏡台1の撮像装置21などの各種装置を遠隔操作するための制御ソフトウェアをダウンロードする(S100)。携帯端末30にダウンロードしてインストールした制御ソフトウェアによる制御は携帯端末30から鏡台1に送信され、鏡台1の制御装置20に備えられた制御ソフトウェアでその処理を実行する。なお鏡台1の制御装置20に備えた制御ソフトウェアは、鏡台1の出荷時から制御装置20に記憶されていることが好ましいが、ダウンロードなどにより記憶されても良い。また制御装置20の制御ソフトウェアは、鏡台1に備えられた各装置を制御するが、この制御は、各装置で行われても良い。
【0050】
携帯端末30の制御ソフトウェアは、ダウンロードするのではなく、半導体記憶装置などに記憶されており、それを読み込んでもよいし、あるいは携帯端末30に最初から記憶されていてもよい。また、本実施例では鏡台1の撮像装置21の制御のために、携帯端末30の制御ソフトウェアで制御する場合を説明するが、それに限定されずに、鏡台1の有線または無線で通信が可能な遠隔操作装置(リモコン)で鏡台1の撮像装置21を制御できても良い。この場合、遠隔操作装置には、遠隔操作装置に対して所定の操作を行えば(ボタンを押す、特定の動作をする、音声を発するなど)、あらかじめ鏡台1の撮像装置21の制御プログラム(撮像開始の制御指示を鏡台1に送信するプログラム)により、撮像開始の制御指示が遠隔操作装置から鏡台1に送信され、S150以降の処理を実行する)。
【0051】
ユーザは、携帯端末30に記憶する制御ソフトウェアを携帯端末30で起動する(S110)。
【0052】
そして最初の起動の場合には(S120)、まず携帯端末30を鏡台1に登録する処理を実行する(S130)。具体的には、たとえば携帯端末30の記憶装置に記憶されている携帯端末30の識別情報(たとえばSIMカードの識別情報)を携帯端末30から鏡台1に送信することで、鏡台1の通信装置12を介して制御装置20がそれを受信し、鏡台1の制御装置20で当該携帯端末識別情報を記憶する。なお携帯端末識別情報としては、SIMカードの識別情報のほか、端末固有の識別情報、電話番号、ユーザが任意に設定する識別情報など、さまざまな情報を用いることができる。
【0053】
すでに携帯端末30を鏡台1に登録している場合(2回目以降の場合)には(S120)、S110で携帯端末30で制御ソフトウェアが起動した後で、携帯端末30に記憶している携帯端末識別情報を携帯端末30から鏡台1の通信装置12に送信することで、制御装置20が携帯端末30の認証処理を実行する(S140)。具体的には携帯端末30から受信した携帯端末識別情報と、S130において鏡台1の制御装置20で記憶した携帯端末識別情報とを制御装置20が比較し、一致するかを判定する。
【0054】
制御装置20が一致することを判定した場合には、制御装置20が、携帯端末30の認証が正常に終了したことを示す制御指示を、通信装置12を介して携帯端末30に送信し、携帯端末30でその制御指示を受け取ることで、携帯端末30の制御ソフトウェアの処理を実行可能とする。また制御装置20が一致しないことを判定した場合には、当該携帯端末30は鏡台1に登録されていないので、制御装置20は、携帯端末30が登録されていないことを制御指示を通信装置12を介して携帯端末30に送信する。そして携帯端末30でその制御指示を受け取ることで、携帯端末30の制御ソフトウェアは、携帯端末30の登録処理を行うように促すメッセージを表示する。そしてS130の処理を実行する。
【0055】
S130において携帯端末30を登録した後、またはS140において携帯端末30の認証処理が正常に行われた後、当該携帯端末30により鏡台1の撮像装置21の遠隔操作が可能となる。なお、S130の携帯端末30の登録処理、S140の認証処理は行わなくても良い。その場合、携帯端末30で制御ソフトウェアが起動すると、そのまま操作が可能となる。
【0056】
ユーザは携帯端末30の制御ソフトウェアから、鏡台1の撮像装置21の遠隔操作を行う機能を呼び出す。そしてユーザは、鏡台1の鏡4の前で自らが被写体となる場合のポーズなどを取りながら、鏡4に映った自らのポーズを確認する。そして撮像を開始する場合には、ユーザは、撮像を開始することを示すボタンを携帯端末30で押下することで(S150)、撮像開始の制御指示が携帯端末30から鏡台1の通信装置12に送信される。なお、携帯端末30のボタンで撮像を開始することを指示しなくても、たとえば音声で所定のキーワードを話すことで、それを携帯端末30で認識し、携帯端末30が、撮像開始の制御指示を鏡台1に送信しても良い。
【0057】
撮像開始の制御指示を通信装置12を介して受け取った鏡台1の制御装置20は、撮像装置21に対して撮像を行う制御指示を送出する。この制御指示により撮像装置21は、鏡台1の枠体2上部に取り付けられたレンズ5で撮像する(S160)。
【0058】
このようにして撮像装置21が撮像した画像を、制御装置20は、通信装置12を介して携帯端末30に送信する(S170)。そしてユーザは、携帯端末30の画面で、S160で撮像した画像を確認する(S180)。ユーザは、必要に応じて、携帯端末30で受信した画像(S160で撮像した画像)を記憶することもできる。
【0059】
以上のような処理によって、携帯端末30のユーザは、鏡台1の枠体2に取り付けられた撮像装置21のレンズ5で撮像した画像を携帯端末30で確認することができる。また自らが手を伸ばして携帯端末30の撮像装置21で撮像を行わず、鏡台1の撮像装置21で撮像できることから、撮像範囲が広がり、またポーズの自由度も高まる。
【0060】
またS150でユーザが携帯端末30の撮像を開始するボタンを押下したあと、すぐに鏡台1の撮像装置21が撮像を開始してもよいが、鏡台1が携帯端末30から撮像開始の制御指示を受信してから所定時間経過後に、撮像装置21が撮像を行っても良い。具体的には、通信装置12を介して撮像開始の制御指示を受け取ると、制御装置20が撮像装置21に撮像を行う制御指示を送出する。撮像装置21は制御装置20から撮像を行う制御指示を受け取った後、所定時間経過した後(たとえば2秒後、5秒後など)に撮像を行う。あるいは通信装置12を介して携帯端末30から撮像開始の制御指示を制御装置20が受け取ってから、所定時間経過した後、制御装置20が撮像装置21に対して撮像を行う制御指示を送出することで、撮像装置21が撮像を行っても良い。
【0061】
これはボタンを押下した直後は、ポーズを決めることができないので(携帯端末30を操作しているので)、ポーズを決めるための猶予を与えるためである。この所定時間の間隔は任意に設定可能である。
【0062】
鏡4がハーフミラーの場合、鏡4の後方(たとえば鏡4の背面)に撮像開始までの秒数(初期値は上記の所定時間)を表示するためのLEDライトを設置しておき、制御装置20が撮像装置21に撮像を行う制御指示を送出すると(あるいは通信装置12を介して制御装置20が撮像開始の制御指示を受け取ると)、撮像開始までの秒数が鏡4に映るように(鏡4を透過して視認できるように)、制御装置20がLEDライトを制御しても良い。これによって、ユーザは鏡4を透過して映る、撮像開始までの秒数を視認することができる。このLEDライトとして、計時装置9のLEDライトを用いても良い。
【0063】
たとえば、制御装置20が撮像装置21に撮像を行う制御指示を送出してから5秒後(上記の所定時間の初期値)に撮像装置21が撮像を行うとする。この場合、携帯端末30からの撮像開始の制御指示を、制御装置20は通信装置12を介して受信する。そして制御装置20は、撮像装置21に対して、撮像を行う制御指示を送出する。この制御指示を受け取った撮像装置21は、5秒間(上記の所定時間)待機する。また制御装置20は、撮像を行う制御指示の送出とともに、ハーフミラーの後方にあるLEDライトで、撮像開始までの秒数である5秒を表示させる。そして、制御装置20は1秒経過ごとに、つまり、4秒、3秒、2秒、1秒、とLEDライトの表示を制御する。これによって、ユーザは、撮像が行われるまでの残り時間を、鏡4に映った(透過した)秒数で視認できる。そして、撮像装置21は、撮像を行う制御指示を受け取ってから5秒経過すると、撮像を行う。この際には、制御装置20はLEDライトの表示を0秒とする、あるいは表示を消す、などの制御を行えば良い。
【0064】
また、通信装置12を介して撮像開始の制御指示を受け取ってから5秒後(上記の所定時間の初期値)に撮像装置21が撮像を行う場合には、次の通りとなる。まず携帯端末30からの撮像開始の制御指示を、制御装置20は通信装置12を介して受信する。この制御指示を受け取ることで、制御装置20は、撮像装置21に対して撮像を行う制御指示を送出するのを5秒間待機する。また、制御装置20は、撮像開始の制御指示を通信装置12を介して受信すると、ハーフミラーの後方にあるLEDライトで、撮像開始までの秒数である5秒を表示させる。そして、制御装置20は1秒経過ごとに、つまり、4秒、3秒、2秒、1秒、とLEDライトの表示を制御する。これによって、ユーザは、撮像が行われるまでの残り時間を、鏡4に映った(透過した)秒数で視認できる。そして、制御装置20は、撮像開始の制御指示を受け取ってから5秒間経過すると、撮像装置21に対して、撮像を行う制御指示を送出する。この制御指示を受け取った撮像装置21は、撮像を行う。そしてその撮像と同時にあるいはほぼ同時に、制御装置20はLEDライトの表示を0秒とする、あるいは表示を消す、などの制御を行えば良い。
【0065】
なおハーフミラーである鏡4の後方にLEDライトを設置し、そこで撮像開始までの秒数を表示するのではなく、制御装置20は撮像開始までの秒数を、音出力装置7から音声データで出力しても良い。この場合、撮像装置21は、LEDライトの表示制御の代わりに、音出力装置7に対して、撮像開始までの残り秒数の音声データの出力制御を上述と同様に行えば良い。
【0066】
またS160での撮像の際に、鏡台1に備えられた照明装置6を点灯・消灯させることで、いわゆるフラッシュとして利用することもできる。具体的には撮像装置21が撮像を行うタイミングで(すなわち撮像を行う直前またはそれと同時に)、制御装置20が照明装置6に対して点灯指示を送出することで実行できる。また上述のように、撮像装置21が制御装置20からの制御指示を受け取り、所定時間経過後に撮像を行う場合には、制御装置20が照明装置6に対して所定時間経過後(撮像装置21が制御指示を受け取ってから撮像を行うまでの時間と同じもしくはわずかに短い時間)に点灯指示を送出することが好ましい。なお撮像終了後には、照明装置6を消灯させる。
【0067】
さらにS160での撮像の際に、鏡台1の下方に備えられた送風装置8から送風を行うことで、髪がなびく状態を撮像することもできる。好ましくは、撮像装置21で撮像を行う際に髪がなびくように、撮像装置21での撮像の開始前に、送風装置8が送風を開始していると良い。具体的には撮像装置21が撮像を開始するよりも所定時間前(好ましくは、撮像を行う時点から、送風装置8から送風が開始される時間よりも前の時間)に、制御装置20から送風装置8に対して、送風開始の制御指示を送出する。
【0068】
たとえば携帯端末30で撮像開始のボタンが押下されることで、携帯端末30からの撮像開始の制御指示を、制御装置20は通信装置12を介して受信する。そして制御装置20は、撮像装置21に対して撮像を行う制御指示を送出する。この制御指示を受け取った撮像装置21が5秒後に撮像を開始する設定の場合、その5秒よりも前(たとえば制御装置20が撮像装置21に対して撮像を行う制御指示を送出したタイミングと同じタイミング、あるいはその1秒後など)に、制御装置20は、送風装置8に対して送風開始の制御指示を送出する。これによって、送風装置8は送風を開始する。一方、撮像装置21は、上記の5秒間が経過すると、撮像を行う。送風装置8が送風を開始してからユーザに風が当たるまでには、若干の時間差(数秒の時間差)があるので、撮像装置21で撮像を開始するよりも所定時間だけ前に、送風開始の制御指示を送出し、送風装置8を作動させることで、髪がなびいた状態で撮像が可能となる。換言すれば、撮像装置21が撮像を開始するのに待機する時間としては、送風装置8から送風が開始されてからユーザに風が当たる時間よりも長い時間であることが好ましい。
【0069】
また、通信装置12を介して撮像開始の制御指示を受け取ってから5秒後(上記の所定時間の初期値)に撮像装置21が撮像を行う場合には、次の通りとなる。まず、携帯端末30で撮像開始のボタンが押下されることで、携帯端末30からの撮像開始の制御指示を、制御装置20は通信装置12を介して受信する。そして制御装置20は、この制御指示を受け取ることで、撮像装置21に対して撮像を行う制御指示を送出するのを5秒間待機する。そして、制御装置20は、その5秒より前(たとえば制御装置20が撮像開始の制御指示を受け取ったタイミング、あるいはその1秒後など)に送風装置8に対して送風開始の制御指示を送出する。これによって、送風装置8は送風を開始する。そして制御装置20は、上記の5秒間が経過すると、撮像装置21に対して撮像を行う制御指示を送出する。この制御指示を受け取った撮像装置21は、撮像を行う。撮像装置21の撮像よりも前に送風装置8が作動しているので、髪がなびいた状態で撮像が可能となる。
【0070】
いずれの場合においても、撮像終了後に、制御装置20は、送風装置8に対して、送風終了の制御指示を送出し、その制御指示を受け取った送風装置8は、装置を停止し、送風を終了する。
【実施例2】
【0071】
次に本発明の鏡台1の第2の実施態様を示す。第2の実施態様における鏡台1は、2つの異なる種類の鏡4、4bを備えている。具体的には、枠体2の一面に通常の鏡4、反対の面に左右反転鏡4b(左右が反転して映る鏡)とする。図4に第2の実施態様における鏡台1の外観斜視図を模式的に示す。図5では第2の実施態様における鏡台1の外観側面図を模式的に示す。図6では第2の実施態様における鏡台1の上方からの外観図を模式的に示す。なお図4乃至図6における破線部分は、鏡4を示す。また図6における中心部分の破線は支持体3と枠体2とを連結する軸13である。
【0072】
図4乃至図6に示すように,本実施態様における鏡台1の枠体2には、その前面または後面に左右反転鏡4bを備えており、反対の面には通常の鏡4を備えている。左右反転鏡4bとはユーザに、相手から見たユーザの状態を見せることができる鏡(ユーザの左右が反転して映る鏡)であり、通常の鏡4はユーザに鏡像を見せる鏡である。左右反転鏡4bは少なくとも2枚の同じ大きさ(あるいはほぼ同じ大きさ)の鏡4b1、4b2と表面のガラス板4b3とにより構成されていることが好ましい。2枚の鏡4b1、4b2は90度で組み合わされており、表面のガラス板4b3は斜辺を形成するように、2枚の鏡4b1、4b2と接合している。すなわち、2枚の鏡4b1、4b2と表面のガラス板4b3とで直角二等辺三角形を形成するように配置されている。なお鏡4b1、4b2が接合する部分は、鏡4b1、4b2の接合部分が見えやすくなるので、鏡4b1、4b2とガラス板4b3との間に水などの液体を充填しておくことで、接合部分が見えにくくなる。なお表面はガラス板4b3に限られず、アクリル板やプラスチック板など、透過性のある板材を適宜、利用可能である。
【0073】
枠体2には左右反転鏡4bを備える面と同じ面に、少なくとも撮像装置21のレンズ5、照明装置6、送風装置8を備えることが好ましい。撮像装置21では相手から見た状態の像を撮像する。そのため、左右反転鏡4bと撮像装置21のレンズ5とが同じ面にあることによって、左右反転鏡4bで、撮像された画像と同じ状態でポーズを確認することができ、効果的である。一方、左右反転鏡4bだけでは、化粧を直すなどの日常用途には非常に不便である。そのため、枠体2において、左右反転鏡4bを備える面とは異なる面(好ましくは反対側の面)には鏡像を映す、通常の鏡4を備えておくことが良い。
【0074】
枠体2は支持体3に固定されていても良いが、図4乃至図6に示すように、支持体3の上面中心付近および枠体2の底面には孔を設けておき、それぞれの孔に軸13を通しても良い。すなわち、枠体2の底面と支持体3の上面とに軸13を通し、枠体2を当該軸13で支持する構造としても良い。また支持体3と枠体2との間にはわずかに間隙を設けることが好ましい。これによって、枠体2を軸13で支えることができる。そのため、枠体2を軸13を中心として回動させることが可能となる。
【実施例3】
【0075】
また本発明の鏡台1のほかの実施態様として、図7に示すように、レンズ5を2つ設け、立体的に画像を表示するためのもととなる2つの画像(右目用画像、左目用画像)を撮像できるようにしても良い。具体的には図7に示すように、通常の鏡4を抱持する枠体2の面および/または左右反転鏡4bを抱持する枠体2の面と同一面に撮像装置21のレンズ5を、所定間隔(レンズ離間距離)だけ離して2つのレンズ5を設ける。そしてこのレンズ離間距離を、2つのレンズ5で撮像したそれぞれの画像とともに、S170で制御装置20が通信装置12を介して携帯端末30に送信する際に、併せて送信する。
【0076】
携帯端末30では、鏡台1の通信装置12から受信した2つの画像やレンズ離間距離などを、所定のサーバ(図示せず)にインターネットなどのネットワークを介して送信する。この送信の際には、携帯端末30で2つの画像を受信した場合に、自動的に予め定められたサーバに送信しても良いし、ユーザが2つの画像を選択し、送信する操作を行うことで、予め定められたサーバに送信しても良い。
【0077】
携帯端末30から2つの画像を受信するサーバは、当該携帯端末30から受信した2つの画像などの情報に基づいて、3D画像を生成する処理を実行するサーバである。3D画像の生成処理にはいくつかの方法があるが、たとえばパララックスバリア方式(視差バリア方式)、レンティキュラ方式などの視差分割方式がその一例としてある。
【0078】
サーバは、2つの画像をそれぞれ縦方向に所定の間隔で細長く分割し、それらを交互に組み合わせることで、3D画像を生成する。すなわち、右目用画像、左目用画像をそれぞれ所定間隔で縦方向に分割する。そして右目用画像の分割画像、左目用の分割画像、右目用画像の分割画像、左目用の分割画像、といったように、分割した右目用画像と左目用画像を、順に組み合わせて一つの画像として生成する。
【0079】
ここでサーバが右目用画像、左目用画像を分割する所定間隔はいかなるものであっても良いが、携帯端末30の表示装置に備えられる遮光バリアと同一周期である必要があり、遮光バリアの開口部も画像と同じである必要がある。従って、必要に応じて、携帯端末30が2つの画像をサーバに送信する際に、携帯端末30の機種などを識別することが可能な情報(携帯端末の識別情報など)をサーバにあわせて送信しても良い。これによって、携帯端末30の機種によって異なる遮光バリアが備えられていても、サーバにおいて、どの周期を有する遮光バリアであるかを特定することができ(この場合、携帯端末30の機種ごとに使用されている遮光バリアの周期の情報(3D画像を生成するために必要な情報)などをサーバで記憶しており、携帯端末の機種を識別する情報などに基づいて、それを特定する)、当該携帯端末30に適した3D画像を生成することができる。
【0080】
このようにして生成した3D画像を、当該サーバは、携帯端末30にインターネットなどを介して送信する。そして受信した携帯端末30で当該3D画像を表示することで、立体的な3D画像を表示することができる。なお視差分割方式を用いた場合、携帯端末30の表示装置には、遮光バリアを備える必要がある。
【0081】
遮光バリアを用いない場合には、レンティキュラ方式であってもよく、この場合には、表示装置にレンティキュラ方式で用いる、複数のシリンドリカルレンズを備えるシートが表示装置に備えられていても良い。
【0082】
またサーバを用いずとも、携帯端末30の記憶装置などに、上述の3D画像を生成する処理のプログラムを記憶させておき、携帯端末30でそのプログラムを実行することによって、鏡台1から受信した2つの画像に基づいて、3D画像を生成しても良い。さらには、携帯端末30に挿入可能な可搬型記憶媒体に2つの画像を記憶させ、上述の3D画像を生成する処理プログラムを記憶したコンピュータ端末に、当該可搬型記憶媒体を読み取らせることで、3D画像を生成しても良い。この場合、生成された3D画像は、可搬型記憶媒体に再度記憶され、それを携帯端末30で読み込んでも良い。また、可搬型記憶媒体のほか、赤外線通信、ブルートゥースなどの無線通信、有線通信でサーバやコンピュータ端末と情報の送受信をしても良い。
【実施例4】
【0083】
また本発明の鏡台1のほかの実施態様として、通信装置12を赤外線通信やブルートゥースに限らず、インターネットでの通信が可能な通信装置12としても良い。この場合、携帯端末30からインターネットを介して鏡台1の通信装置12にアクセスし、撮像装置21を遠隔操作することも可能となる。この場合、認証情報としては、携帯端末識別情報のほか、IDやパスワードであっても良い。これによって、鏡台1に備えられた撮像装置21を遠隔操作して、いわゆる防犯カメラとして利用することもできる。
【実施例5】
【0084】
また本発明の鏡台1を、デジタル体重計14(以下、「体重計14」という)と連動させてもよい。具体的には体重計14で計測した体重の情報、体脂肪の情報、身長の情報などの人体計測情報を体重計14から鏡台1に送信する構成としてもよい。そのため、体重計14と鏡台1とでは有線または無線により通信が可能となっている。この際に体重計14には鏡台1と通信するための通信装置(図示せず)が備えられており、鏡台1の通信装置12と互いに情報の送受信が可能とする。
【0085】
たとえば、下方に体重計14があり、そこに体重計14に対して垂直に支持部15が接合される。そしてその支持部15に鏡台1が接合されることで、図8に示すように、鏡台1とデジタル体重計14との連動が可能となる。なおこの支持部15を中空状の金属製のパイプとすることで、支持部15の中に体重計14と鏡台1との間で情報の送受信が可能なように通信線を通すことがよい。なおこの場合の鏡台1には支持体3を設けずとも良く、枠体2の底面に支持部15を接合しても良い。
【0086】
体重計14にユーザが乗ると通常の方法により、体重、体脂肪、身長など、ユーザの人体について計測を行う。そして計測した人体計測情報を体重計14の通信装置(図示せず)から鏡台1に有線または無線により送信する。人体計測情報を鏡台1の通信装置12を介して受け取ると、制御装置20は、撮像装置21に対して撮像を行う制御指示を送出する。この撮像を行う制御指示を受けた撮像装置21は、すぐに鏡台1のレンズ5で撮像する。そして撮像した画像は、制御装置20が通信装置12を介して、ユーザの携帯端末30に送信する。この際に、日時情報、人体計測情報も併せて送られると良い。これによって、ユーザは日々の外見の変化を画像として記録することができる。
【0087】
なお人体計測情報を体重計14から鏡台1に送信することで鏡台1で撮像を行っても良いが、人体を計測中であることを示す情報を体重計14から鏡台1に送信し、人体を計測中であることを示す情報を、鏡台1の制御装置20で通信装置12を介して受信すると、制御装置20は、撮像装置21に対して撮像を行う制御指示を送出するように構成しても良い。
【0088】
自分撮りを行う場合(携帯端末30から撮像指示を行う場合)には、上述のように、撮像ボタンが押下された後、すぐに撮像を行うのではなく、ポーズを取るために、所定時間経過した後に撮像を行うことが好ましい。しかし、体重計14と連動させる場合には、体重計14から人体計測情報(または計測中であることを示す情報)を受け取ると、それと同時またはほぼ同時に撮像装置21で撮像が行うことがよい。これは、一般的に体重計14で体重などを計測するときには、毎回、静止してほぼ同じ姿勢を取るので、その都度、ほぼ同じ構図で撮像することができ、日々の外見の変化を画像として記録に残すには好ましいからである。なお人体計測情報を体重計14で計測し、人体計測情報(または計測中であることを示す情報)が体重計14から鏡台1に送信され、人体計測情報(または計測中であることを示す情報)を、通信装置12を介して鏡台1の制御装置20で受け取ることで、撮像が自動的に開始されても良いし(すなわち撮像を行う制御指示を制御装置20が撮像装置21に送出する)、携帯端末30から撮像ボタンを押下し、通信装置12を介して鏡台1の制御装置20で撮像開始の制御指示を受け取ることで、撮像が開始されても良い。
【実施例6】
【0089】
上述の各実施例では、撮像装置21のレンズ5は、枠体2の上方略中心部付近にあったが、その位置に限られず、たとえばレンズ5が枠体2から取り外しできても良い。この場合、レンズ5を備えた撮像装置21が鏡台1から取り外し可能となっていてもよい。すなわち、撮像装置21と鏡台1とは任意の構造で着脱可能となっている。撮像装置21が取り外された状況においては、独立した撮像装置21として利用可能となる。この実施態様における撮像装置21は、鏡台1に取り付けられた状態において、任意の端子(図示せず)と接続されることで、各種の装置、たとえば制御装置20からの制御指示に応じて撮像処理を実行し、あるいは撮像した画像を通信装置12を介して、携帯端末30に送信する。
【0090】
撮像装置21と鏡台1との着脱構造にはさまざまな方法を用いることが出来る。たとえば鏡台1の枠体2に、撮像装置21が嵌合可能な大きさの凹部を設けておく。そして撮像装置21を鏡台1に取り付ける場合には、当該凹部に撮像装置21を嵌め込めばよい。凹部には、上述の端子(撮像装置21と通信する端子)を設け、嵌合時に、撮像装置21の端子と接続することで、通信が行える。そして、撮像装置21を鏡台1から取り外す場合には、凹部から撮像装置21をそのまま取り外せばよい。
【0091】
また撮像装置21と鏡台1との着脱構造の別の態様としては、撮像装置21の任意の箇所、好ましくは背面に吸盤を取り付け、撮像装置21の吸盤を鏡台1の鏡4に密着させることで固定しても良い。さらに、撮像装置21と鏡台1との着脱構造の別の態様としては、撮像装置21の下部に、撮像装置21を自律して支持させるための支持構造、たとえばスタンドを備えておき、そのスタンドを鏡台1、特に枠体2の任意の箇所に取り付け可能とすることで、撮像装置21を鏡台1に着脱可能に固定しても良い。これらの場合、撮像装置21と、各種の装置との間の通信は、無線通信で行うことが好ましい。
【0092】
以上のような撮像装置21を用いる場合、既存の撮像機能を備えた撮像装置21を用いることが出来、たとえば撮像機能付きの携帯端末や携帯用ゲーム機などを撮像装置21とすることが出来る。この場合、撮像装置21に上述の処理を実行するソフトウェアがあらかじめインストールされている。またこのソフトウェアは所定のサーバからダウンロードし、インストールしても良い。さらに、撮像装置21に赤外線通信機能、ブルートゥース(2.4GHz帯の短距離無線通信)機能などを備えている場合、鏡台21の通信装置12を介することなく、撮像装置21で撮像した画像を、直接、携帯端末30に送信しても良い。さらに、撮像指示も、鏡台1の制御装置20を介することなく、直接、携帯端末30から受け付け、撮像処理を実行しても良い。このような撮像装置21とすることで、当該撮像装置21をどのような鏡台(あるいは鏡)に取り付けることも出来、本発明と同様の効果を得ることが出来る。
【実施例7】
【0093】
さらに、鏡4をハーフミラーとし、鏡4の裏面にレンズ5を取り付け、鏡4を透過してレンズ5で撮像できても良い。この場合、枠体2にはレンズ5を取り付けるレンズ用の孔部は不要となる。このように構成することで、鏡4の裏面から撮像できるので、視線を変更する必要がなくなる。
【0094】
また、鏡4の任意の箇所(たとえば中心よりやや上方)にレンズ用の孔部を設け、そこにレンズ5を取り付けても良い。この場合、鏡4の表面にレンズ5を確認することができるが、撮像の際にはそこに視線を合わせやすくなるメリットがある。
【実施例8】
【0095】
また本発明の鏡台1のほかの実施態様として、枠体2に備えられる送風装置8に代えて、あるいは送風装置8の機能の一部として、マイナスイオン発生装置を備えていても良い。
【実施例9】
【0096】
上述の各実施態様における鏡台1は、それぞれが適宜組み合わされて構成されて良い。
【産業上の利用可能性】
【0097】
上述の本発明の鏡台を用いることにより、従来の特許文献に記載の発明のように、表示装置を用いずとも、自分撮りを行う際の問題点、すなわち撮像範囲が手の届く範囲に限られる点、セルフタイマーの設定に負担がある点を解消することが可能となる。また表示装置を用いないので、安価に製作することもできる。鏡台1を用いることにより、従来の特許文献に記載の発明のように、表示装置を用いずとも、自分撮りを行う際の問題点、すなわち撮像範囲が手の届く範囲に限られる点、セルフタイマーの設定に負担がある点を解消することが可能となる。また表示装置を用いないので、安価に鏡台1を製作することもできる。
【符号の説明】
【0098】
1:遠隔操作する撮像装置付きの鏡台
2:枠体
3:支持体
4:鏡
4b:左右反転鏡
4b1、4b2:鏡
4b3:ガラス板
5:レンズ
6:照明装置
7:音出力装置
8:送風装置
9:計時装置
10:報知装置
11:USB端子
12:通信装置
13:軸
14:体重計
15:支持部
20:制御装置
21:撮像装置
30:携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略中央部付近に少なくとも一枚以上の鏡を抱持する枠体と、前記枠体を支持する支持体とを備える、遠隔操作する撮像装置付きの鏡台であって、
通信装置と制御装置と撮像装置とを少なくとも有しており、
前記通信装置は、ユーザの利用する携帯端末との間で情報の送受信を行い、
前記制御装置は、撮像開始の制御指示を前記携帯端末または前記遠隔操作装置から前記通信装置で受け取ると、前記撮像装置に対して、撮像を行う制御指示を送出し、
前記撮像装置は、前記制御装置から前記撮像を行う制御指示を受け取ると、前記撮像装置のレンズで前記ユーザの撮像を行い、
前記制御装置は、前記撮像装置で撮像した画像を、前記通信装置を介して、前記携帯端末に送信する、
ことを特徴とする遠隔操作する撮像装置付きの鏡台。
【請求項2】
前記撮像装置は、
前記通信装置で前記撮像開始の制御指示を受け取ってから所定時間経過後に、前記レンズで前記ユーザの撮像を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台。
【請求項3】
前記枠体は、
一つの面に、鏡像を写す第1の鏡と、前記第1の鏡とは異なる面に、左右反転鏡である第2の鏡とを備えており、
前記撮像装置のレンズは、前記第2の鏡を備える枠体の面に備えられている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台。
【請求項4】
前記撮像装置のレンズは、
前記枠体において前記鏡と同一面に備えられている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台。
【請求項5】
前記撮像装置のレンズは、
前記鏡の一部または前記鏡の裏面側に備えられている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台。
【請求項6】
前記遠隔操作する撮像装置付きの鏡台は、さらに照明装置を有しており、
前記制御装置は、
前記撮像装置の撮像のタイミングに合わせて、前記照明装置を点灯させる制御指示を前記照明装置に送出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台。
【請求項7】
前記遠隔操作する撮像装置付きの鏡台は、さらに送風装置を有しており、
前記制御装置は、
前記撮像装置で撮像を行うタイミングよりも前に、前記送風装置から送風を開始させる制御指示を前記送風装置に送出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台。
【請求項8】
前記鏡はハーフミラーであり、
前記遠隔操作する撮像装置付きの鏡台は、前記鏡よりも後方に、撮像開始までの時間を表示する第2の照明装置をさらに備えており、
前記制御装置は、
前記撮像装置で撮像を開始するまでの時間を前記第2の照明装置で表示させることで、前記撮像開始までの時間を前記ハーフミラーで映す、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台。
【請求項9】
前記撮像装置のレンズとして少なくとも2つのレンズを備えている、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台。
【請求項10】
前記撮像装置は前記鏡台と着脱可能である、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の撮像装置付きの鏡台。
【請求項11】
前記遠隔操作する撮像装置付きの鏡台は、さらにデジタル体重計と情報の送受信が可能であり、
前記制御装置は、
前記デジタル体重計で計測したユーザの人体計測情報また計測中であることを示す情報を前記デジタル体重計から前記鏡台が受け取ると、前記撮像装置に対して撮像を行う制御指示を送出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の遠隔操作する撮像装置付きの鏡台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−5110(P2012−5110A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106075(P2011−106075)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(504417962)
【出願人】(310009096)
【Fターム(参考)】