説明

遠隔操作デバイス用表示制御装置

【課題】入力中の操作方向を示す視覚表現をアイコンに付随して表示することで、遠隔操作デバイスの操作性を向上させる。
【解決手段】
操作画面上に配置されたアイコンに対して遠隔操作デバイスで選択操作を行う遠隔操作システムにおいて、操作デバイスによる方向指示操作が始まってから実際にアイコンの選択状態が遷移するまでの間、操作デバイスから入力される操作データに基づく操作方向に沿って、カーソル41を操作画面上で移動させる視覚表現を実行する。そのために、まず操作方向が中立状態のときは、カーソル41を選択状態のアイコン40の同心上に固定して表示しておく。この状態から、例えば右方向への操作が入力された場合、カーソル41をこの操作方向に沿って右へ移動させる。このような視覚表現により、ユーザは自分が今行っている操作によって、カーソル41がどの方向へ移動しようとしているのかを視覚的に認識できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器に対する指示を入力するための操作画面を表示装置に表示し、表示装置とは離れた位置に設置される遠隔操作デバイスを操作して操作画面上で指示入力を行う遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばナビゲーションシステムや、エアコン、オーディオ等の車載機器に対する操作を、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示された操作画面上の任意の位置を指示することにより行う遠隔操作システムが知られている。このような遠隔操作システムでは、運転者の運転中の視点移動を軽減する必要性から、操作画面を表示する表示部については、運転者前方のできるだけ遠い位置に配置することが好ましい。一方、操作画面上の位置を指示するための操作が行われる遠隔操作デバイスについては、運転者が容易に手を届かせることができる位置に配置すると共に、操作部に対する視認を要することなく操作できることが好ましい。
【0003】
操作画面が表示される表示部とユーザに操作される操作部とが分離した遠隔操作システムでは、例えば操作画面上での指示位置を連続的に示すポインタを遠隔操作デバイスで操作し、このポインタを車載機器に対する指示が割り当てられたアイコン上まで移動させて選択指示を行うといった手法が一般的に用いられる(例えば、特許文献1の図9(a),(d)等を参照)
しかしながら、このような操作方法においては、ポインタを操作画面上の目的の位置まで移動させるために手間や時間が多くかかったり、操作画面を注視する時間が増えてしまい、煩わしいといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−29917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、ポインタ自体を表示しないで、アイコンの選択操作を行うことができるようにする手法がある。例えば、現在選択中のアイコンに付随してカーソル等の識別表示を表示しておき、その状態からある方向を示す方向指示入力が加えられた場合、その操作量に応じて選択中のアイコンの位置を基準として操作方向にある直近のアイコンへカーソルを移動させると共に、その移動先のアイコンへ選択状態を遷移させる。このようにすることで、ポインタを目的のアイコンの位置まで移動させる手間を省くことができる上、ポインタと比べて操作画面を注視する時間も低減でき、操作者の操作負担が軽くなる。
【0006】
しかしながら、ポインタを表示しないことで操作者の操作負担が軽くなる反面、方向指示の入力開始から、カーソルの移動条件を満たす操作量以上になって実際にカーソルが移動先のアイコンへ移動するまでの間、ユーザの操作に対してカーソルがどの方向へ移動しようとしているのがユーザには分からないといった問題がある。これは、ポインタ表示を排除したことで、ユーザによる方向指示操作の結果を連続的にトレースするものが表示されなくなったことに起因する。そのため、ユーザが意図する操作方向と、遠隔操作デバイスを介して実際に入力される操作方向とが違っていた場合、ユーザの意図とは違う方向にカーソルが移動して、そこで初めてユーザが誤操作に気がつくといった具合に、ユーザが誤作動に気付きにくい。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされており、入力中の操作方向を示す視覚表現をアイコンに付随して表示することで、遠隔操作デバイスの操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置における表示制御手段は、操作画面上に配置されている複数のアイコンのうち、現在選択中のアイコンに対して選択状態であることを示す識別表示を当該アイコンに付随して操作画面上に表示させる。この表示制御手段は、さらに、あるアイコンが選択状態であるときに方向指示入力を受け付けた場合、選択中のアイコンに付随する識別表示の表示態様の変化によって方向指示入力の操作方向を示す視覚表現を操作画面上に表示させ、その方向指示入力による操作量が選択中のアイコンにおける選択状態の移動条件に達した場合、当該アイコンの選択状態を解除すると共に当該アイコンに付随する識別表示の表示を終了する。
【0009】
このように構成することで、選択状態が移動先のアイコンへ遷移する事前に、移動しようとしている操作方向をユーザに対して表示できるようになる。これにより、ユーザの操作に対して識別表示(例えばカーソル)がどの方向へ移動しようとしているのかを把握できるようになり、遠隔操作デバイスの操作性が向上する。たとえユーザの意図する方向と違った操作方向が入力されていても、識別表示の表示態様の変化を視認することで意図しないアイコンへ移動する事前に誤操作に気付くことができ、速やかに操作を修正できる。
【0010】
また、ユーザによる方向指示操作の結果を連続的にトレースするポインタとは異なり、方向指示入力がなされたときのみ、操作方向を示す視覚表現を選択中のアイコン付近に表示させるので、ポインタと比べて操作画面を注視する時間も低減でき、操作者の操作負担は軽い。
【0011】
また、識別表示を使って操作方向を示す手法としては、選択中のアイコンに付随する識別表示を操作方向へ移動させることが考えられる(請求項3)。または、選択中のアイコンに付随する識別表示の色彩又は明るさの少なくとも何れかを変化させることで操作方向を示すようにしてもよい(請求項4)。例えば、識別表示の操作方向側だけを明るくしたり、周辺より目立つ色彩に変更することが考えられる。あるいは、識別表示の色彩や明るさを、操作方向に沿って連続的又は段階的に変化させたグラデーションによって操作方向を示すことが考えられる。または、選択中のアイコンに付随する識別表示の形状を変化させることで操作方向を示すようにしてもよい(請求項5)。例えば、識別表示の操作方向側を伸ばしたり尖らせたりすることや、矢印に変形させたりすることが考えられる。
【0012】
なお、上述のような識別表示を用いた各種視覚表現は、操作量の度合いに応じて識別表示の表示態様の変化の度合いも変更するようにするとよい(請求項2)。例えば、方向指示入力の開始から操作が徐々に増すにつれて、識別表示の表示態様の変化の度合いも大きくなるようにする。このようにすることで、ユーザは選択状態が移動先のアイコンへ移動するまでの操作量の程度を視覚的に把握することができ、操作性が向上する。
【0013】
ところで、選択状態のアイコンであることを示す識別表示としては、選択状態のアイコンの周辺領域に強調表示を施したものであってもよいし(請求項6)、選択状態のアイコンの画像領域内に強調表示を施したものであってもよい(請求項7)。前者の場合、識別表示の表示領域をアイコンより大きく取ることができ、操作方向を示す視覚表現が視認し易くなるといったメリットがある。一方、後者の場合、省スペースであるといったメリットがある。
【0014】
請求項8に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置における表示制御手段は、操作画面上に配置されている複数のアイコンのうち、現在選択中のアイコンに対して選択状態であることを示す識別表示を当該アイコンに付随して操作画面上に表示させる。この表示制御手段は、さらに、あるアイコンが選択状態であるときに方向指示入力を受け付けた場合、そのアイコンに対して方向指示入力の操作方向に該当する移動先として割り当てられた移動先アイコンを示す誘導表示を、その移動先アイコンに付随して操作画面上に表示させ、その方向指示入力による操作量が移動先アイコンへの移動条件に達した場合、現在選択中のアイコンから移動先アイコンへ選択状態を遷移させると共に、操作画面上における識別表示の表示対象を移動先アイコンへと遷移させる。
【0015】
このように構成することで、選択状態が移動先のアイコンへ遷移する事前に、移動しようとしている操作方向を誘導表示を使ってユーザに対して表示できるようになる。これにより、ユーザの操作に対して識別表示がどの方向へ移動しようとしているのを把握できるようになり、遠隔操作デバイスの操作性が向上する。たとえユーザの意図する方向と違った操作方向が入力されていても、移動先のアイコンに付属して表示された誘導表示を視認することで意図しないアイコンへ移動する事前に誤操作に気付くことができ、速やかに操作を修正できる。
【0016】
また、ユーザによる方向指示操作の結果を連続的にトレースするポインタとは異なり、方向指示入力がなされたときのみ、移動先のアイコンを示す誘導表示が当該移動先のアイコン付近に表示させるので、ポインタと比べて操作画面を注視する時間も低減でき、操作者の操作負担は軽い。
【0017】
さらに、移動先アイコンに付随する誘導表示の表示態様の変化によって当該操作方向を示す視覚表現を操作画面上に表示させるようにしてもよい(請求項9)。このようにすることで、移動しようとしているアイコンの方向をより明確に示すことができるようになり、視認性が向上する。
【0018】
また、誘導表示の表示態様の変化によって操作方向を示す手法としては、移動先アイコンに付随する誘導表示を現在選択中のアイコンの方向へ移動させることが考えられる(請求項11)。または、移動先アイコンに付随する誘導表示の色彩又は明るさの少なくとも何れかを変化させることで操作方向を示すようにしてもよい(請求項12)。例えば、誘導表示において選択中のアイコンに面する側だけを明るくしたり、周辺より目立つ色彩に変更することが考えられる。あるいは、誘導表示の色彩や明るさを、選択中のアイコンの方向に向かって連続的又は段階的に変化させたグラデーションによって操作方向を示すことが考えられる。または、移動先アイコンに付随する誘導表示の形状を変化させることで操作方向を示すようにしてもよい(請求項13)。例えば、誘導表示を選択中のアイコンに向かって伸ばしたり尖らせたりすることが考えられる。
【0019】
なお、上述のような誘導表示の変化を用いた各種視覚表現は、操作量の度合いに応じて誘導表示の表示態様の変化の度合いも変更するようにするとよい(請求項10)。例えば、方向指示入力の開始から操作量が徐々に増すにつれて、誘導表示の表示態様の変化の度合いも大きくなるようにする。このようにすることで、ユーザは選択状態が移動先のアイコンへ移動するまでの操作量の程度を視覚的に把握することができ、操作性が向上する。
【0020】
ところで、移動先アイコンであることを示す誘導表示としては、移動先アイコンの周辺領域に強調表示を施したものであってもよいし(請求項14)、移動先アイコンの画像領域内に強調表示を施したものであってもよい(請求項15)。前者の場合、誘導表示の表示領域をアイコンより大きく取ることができ、操作方向を示す視覚表現が視認し易くなるといったメリットがある。後者の場合、省スペースであるといったメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】遠隔操作システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】表示部10と操作デバイス14の配置状況を模式的に示す説明図である。
【図3】表示部10に表示される操作画面の一例を模式的に示す図である。
【図4】操作方向表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】アイコンの基準位置と制御ポインタの偏差Δについて説明する図である。
【図6】操作方向が変更されたときのカーソルの動きを時系列で示す説明図である。
【図7】操作方向の視覚的表現の変形例を示す説明図である。
【図8】操作方向の視覚的表現の変形例を示す説明図である。
【図9】操作方向の視覚的表現の変形例を示す説明図である。
【図10】移動先のアイコン側操作方向の視覚的表現を行う事例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[遠隔操作システムの構成の説明]
図1は、実施形態の遠隔操作システムの概略構成を示すブロック図である。
【0023】
本実施形態の遠隔操作システムは、例えば車両に搭載される機器に対する操作を行うためのものであり、図1に示すように、画像を表示する液晶表示パネル等の表示面10aを備えた表示部10と、遠隔操作システムの各部構成を制御する制御部12と、操作者によって操作される操作デバイス14と、操作対象となる車載機器としての機器a,b(20)とで構成されている。また、制御部12と操作デバイス14とは、専用の通信回線を介して互いに通信可能に接続されている。この通信回線を介して、制御部12から操作デバイス14に対して操作画面に関する情報が送信され、操作デバイス14から制御部12に対して操作データが送信される。また、制御部12と各機器a,b(20)とは、車内LANを介して互いに通信可能に接続されている。この車内LANを介して、各機器a,b(20)の制御に関する各種データが送受信される。また、制御部12と表示部10とは映像回線を介して接続されており、制御部12から操作画面に関する映像信号が送信される。
【0024】
そして、図2に示すように、自動車の車室内において、表示部10は、運転者の前方にあるダッシュボード30上の運転席と助手席のとの中間となる位置に配置されており、運転者が表示部10の表示面10aを見る際の視点移動が軽減されるようになっている。一方、操作デバイス14は、運転席のすぐ横にあるセンターコンソール32の上面に配置されており、運転者が遠方へ手を伸ばしたり姿勢を変えたりすることなく容易に操作できるようになっている。
【0025】
図1のブロック図の説明に戻る。操作デバイス14は、操作者(車両の運転者や助手席乗員)によって動かされる操作ノブ18を備えている。この操作ノブ18は、その軸部18aの下端側を支点にして二次元方向の上下左右に可動するレバー操作具である。また、操作ノブ18は、操作者により二次元方向への力が加えられていない状態では中央の定位置(中立位置)に戻るようになっている。この操作デバイス14は、操作ノブ18が中立位置から二次元方向へ傾けられたときの傾きや力、入力時間等に基づく操作量によって操作画面内の指示位置を相対的に決定する相対入力に対応している。
【0026】
なお、本実施形態では、操作ノブ18の二次元方向の可動領域における表示面10aの横(水平)方向に対応する操作方向をX軸又は左右、表示面10aの縦(垂直)方向に対応する操作方向をY軸又は上下と定義する。また、操作ノブ18は、軸部18aの軸方向下向き(図1の矢印Zの方向)にも可動し、操作者により下向きの力が加えられていない状態ではその軸方向上方の定位置に戻るようになっている。操作デバイス14は、操作ノブ18がXY軸方向へ傾けられたことを検出する方向操作検出センサ(図示せず)や、操作ノブ18がZ軸方向に押下されたことを検出する押操作検出センサ(図示せず)、操作ノブ18の軸部18aを支持すると共に操作ノブ18に加えられるXY軸方向の操作力とは反対向きの抵抗力(反力)や振動を軸部18aに加える反力発生ユニット(図示せず)等を内部に備える。
【0027】
操作デバイス14は、方向操作検出センサや押操作検出センサによる検出結果を操作データとして制御部12へ送信する。また、制御部12から入力された操作画面情報に基づき、操作画面上におけるアイコン等の配置状況と現在の操作状況とに応じた反力や振動を反力発生ユニットに発生させる。これにより、操作者は、操作ノブ18を介してアイコンの配置状況や操作状況に応じた抵抗力やクリック感触を得られるようになっている。
【0028】
制御部12は、図示しないCPU、ROM、RAM及び通信インタフェース等を備える遠隔操作システムの制御用マイクロコンピュータユニットである。この制御部12は、操作対象の各機器a,b(20)に対応する、GUI(Graphic User Interface)で構成された操作画面を表示部10に表示させる。そして、その操作画面上に配置されている各種アイコンを操作デバイス14を介して操作者に選択させ、選択されたアイコンに対する実行の指示を受け付けることで、この指示されたアイコンに割り当てられた機能を対応する機器a,b(20)に実行させる。
【0029】
機器a,b(20)は、遠隔操作システムによる操作対象となる車載機器である。例えば、エアコン、オーディオビジュアルプレーヤ、カーナビゲーションシステム等が挙げられる。なお、本実施形態では、機器a,b(20)の2つの車載機器が遠隔操作システムに接続されている事例を示しているが、これより更に多くの車載機器を操作対象にしてもよいし、単独の車載機器を操作対象としてもよい。
【0030】
ここまでで実施形態の遠隔操作システムの概略構成について説明したが、本発明は上記構成に限らず様々な態様で実施可能である。例えば、本実施形態では、操作デバイス14は相対入力に対応するものになっているが、これに代わって絶対入力に対応する操作デバイスについても採用可能である。ここでいう絶対入力とは、操作画面における操作対象領域の座標と操作部材の二次元方向への可動領域の座標とを一対一に対応させ、操作部材が位置する座標に該当する操作画面における操作対象領域の座標を操作画面内における指示位置として決定する操作方法である。また、本実施形態では、操作デバイス14と制御部12とが専用回線で互いに接続されているが、操作デバイス14は他の機器と同様に車内LANを介して制御部12と接続されるような構成でもよい。また、制御部12は、機器a,b(20)自体に内蔵されるものであってもよい。
【0031】
[遠隔操作システムの動作の概要の説明]
ここで、操作デバイス14を用いて操作画面上でアイコンの選択操作を行う際に制御部12が行う処理の概要を説明する。なお、より詳細な処理内容については後述する。
【0032】
図3は、制御部12によって表示部10の表示面10aに表示される操作画面の一例を模式的に示す図である。この操作画面には、個々に所定の機能が割り当てられた複数のアイコンが、パーソナルコンピュータのキーボードのボタン配列を模して配置されている。これらのアイコンのうち、選択状態のあるアイコン40の背景には、このアイコン40と相似の形状であってアイコン40よりも大きいカーソル41が表示されている。このカーソル41は、対応するアイコン40が選択状態であることをユーザに対して提示するための識別表示である。これにより、選択状態のアイコン40は非選択状態の他のアイコンと視覚的に区別される。また、カーソル41以外にも、選択状態のアイコン40自体の表示態様(例えば、色彩や明るさ)を強調させることで非選択状態の他のアイコンと視覚的に区別できるようにしてもよい。なお、本実施形態の遠隔操作システムによって提供される操作画面上では、操作画面上での指示位置を連続的にトレースする視認可能な従来用いられていたポインタは用意されていない。その代わり、ユーザは選択状態のアイコン40に付属して表示されるカーソル41によって現在の指示位置を知ることができるようになっている。
【0033】
この操作画面上でアイコンが選択状態のとき、操作デバイス14の操作ノブ18をZ軸方向へ押し込む操作(設定操作)を行うことで、そのアイコンに割り当てられた機能の実行を対応する機器(車載機器)へ指示できるようになっている。また、アイコンが選択状態のとき、操作デバイス14の操作ノブ18をX,Y軸方向(斜め方向も含む)へ傾ける方向指示操作を行うと、その操作量が所定の移動条件に達したときに、選択状態のアイコンの位置から当該操作方向に対応する移動先のアイコンへと選択状態が遷移するようになっている。選択状態が次のアイコンへ移動することで、カーソル41の表示対象もその移動先のアイコンへと遷移する。
【0034】
このとき、制御部12は、操作デバイス14の操作ノブ18による方向指示操作が始まってから実際にアイコンの選択状態が遷移するまでの間、操作デバイス14から入力される操作データに基づく操作方向に沿って、カーソル41を操作画面上で移動させる視覚表現を実行する。具体的には、まず操作ノブ18が中立位置にある状態(操作方向:中立)では、カーソル41を選択状態のアイコン40の同心上に固定して表示しておく。この状態から、例えば右方向への適度な操作量による操作が入力された場合、カーソル41をこの操作方向に沿って右へ移動させる。ここで適度な操作量とは、操作ノブ18の操作量が所定の移動条件に達したときに選択状態のアイコンの位置から操作方向に対応する移動先のアイコンへと選択状態が遷移するところ、そのようなアイコンの選択状態が遷移しない程度(所定の移動条件に達しない程度)で行われる操作者の操作ノブ18の操作入力状況をいう。この適度な操作量によりカーソル41を操作方向に沿って右へ移動させた状態を図3の(2)に示す。図3の(1)の表示状態に対して、操作ノブ18の操作入力に伴って(連動して)カーソル41が右方向に移動表示されることが(動的に)視認できる。このような視覚表現により、ユーザは自分が今行っている操作によって、カーソル41がどの方向へ移動しようとしているのかを視覚的に認識できる。なお、図3の表示例では、アイコン40全体がカーソル41に含まれるような重なり状態でカーソル41がアイコン40に付随して表示されている。しかし、ユーザがカーソル41の移動方向を視覚的に認識できる態様であれば、これに限らない。アイコン40とカーソル41の重なり程度(面積)は任意である。例えば、アイコン40とカーソル41が部分的に重なる状態であってもよい。これにより、操作者は、操作ノブ18による方向指示操作を開始した際に、互いに重なり表示されているアイコン40に付随するカーソル41のアイコン40に対する移動表示状況を視認することで、次のような確認ができるようになる。すなわち、方向指示操作の操作量が所定の移動条件に達した場合、その操作によって操作方向に存在する(表示される)新たなアイコンが選択状態となって表示面10aに識別表示されることになるが、方向指示操作の操作量が所定の移動条件に達するまでは、新たなアイコンは選択状態とはならない。そのため、操作者は、方向指示操作入力開始したときに、その操作量が所定の移動条件に達するまでは、この操作方向を変えないで更に操作し続けたとしたら、表示中のどのアイコンが新たに選択状態となるのかが容易かつ的確に予想することができる。
【0035】
[操作方向表示処理の説明]
つぎに、遠隔操作システムの制御部12が選択状態のアイコンに付随するカーソルを使って操作方向を表示する処理(以下、操作方向表示処理と称する)の手順について、図4のフローチャートに基づき説明する。この操作方向表示処理は、アイコンが選択状態になったときに、当該アイコンを対象に実行されるものである。
【0036】
制御部12は、まず、制御ポインタの現在の位置を取得する(S100)。ここでいう制御ポインタとは、制御部12の内部処理に用いるために用意したポインタであり、操作画面上での現在の指示位置を示す座標情報で構成される。操作デバイスの操作ノブ18が中立位置にあるときには、この制御ポインタは選択状態のアイコンの基準位置(例えば中心)にセットされている。そして、操作デバイス14において方向指示操作がなされ、その操作データが制御部12に入力されると、制御部12はその操作データに基づいて制御ポインタの位置を変更する。なお、この制御ポインタは表示部10には表示されておらず、ユーザからは視認できない。
【0037】
フローチャートの説明に戻る。つぎに、S100で取得した制御ポインタの位置が、現在選択状態であるアイコンの操作画面上の位置として割り当てられている座標範囲内にあるか否かを判定する(S110)。ここで、制御ポインタの位置が選択状態のアイコンの座標範囲内にある場合(S110:YES)、選択状態のアイコンの基準位置(例えば、アイコンの中心座標)に対する制御ポインタの位置の偏差Δを算出する(S120)。
【0038】
S120で算出する偏差Δについて、図5を参照しながら説明する。図5に示すように、偏差Δは選択状態のアイコン40の中心に設定されている基準位置Piと、アイコン40の範囲内にある制御ポインタの位置Pとの間の距離のX軸方向の成分Δx、及びY軸方向の成分Δyに分類される。すなわち、アイコン40の基準位置Piの座標を(xi,yi)とし、制御ポインタの位置Pの座標を(x,y)とするとき、偏差Δx,Δyは下記式を用いて算出される。
偏差ΔX=|Pi(xi)−P(x)|, 偏差ΔY=|Pi(yi)−P(y)|
なお、偏差Δx,Δyの代わりに、アイコン40の基準位置Piと制御ポインタの位置Pとの間の距離の値を偏差Δとして用いるような構成であってもよい。
【0039】
図4のフローチャートの説明に戻る。S120で偏差Δを算出した後、この偏差Δが所定の基準値より大きいか否かを判定する(S130)。ここでは、偏差Δx,Δyについてそれぞれに設定されている基準値(例えばSx,Sy)と比較して、少なくとも何れか一方が基準値を超えている場合は肯定判定をする。また、偏差Δx,Δyと比較する基準値は、例えば、個々のアイコンごとに個別に設定されていてもよいし、アイコンのサイズに応じて算出されるものであってもよい。なお、これらの基準値は、アイコンのX,Y軸方向の大きさに対して小さく設定されるべきである。一方、偏差Δとしてアイコンの基準位置Piと制御ポインタの位置Pとの間の距離の値を用いる場合は、比較すべき基準値は1つ設定されていればよい。
【0040】
S130で偏差Δが基準値以下であると判定した場合(S130:NO)、S100の処理へ戻る。このとき、選択状態のアイコンに付随するアイコンは中立状態に維持される。一方、偏差Δが基準値より大きい場合(S130:YES)、制御ポインタの操作方向θを算出する(S140)。θは、アイコンの基準位置Piと制御ポインタの位置Pと結ぶ直線と、X軸とのなす角であり(図5参照)、偏差Δx,Δyを用いて下記式によって算出される。
θ=tan-1(Δy/Δx)
つぎに、制御ポインタの偏差Δに基づいてカーソルの基準位置からの偏移量Δcを算出する(S150)。具体的には、制御ポインタの偏差Δが大きくなるにつれて、カーソルの偏移量Δcも大きくなるような所定の演算を行う。例えば、制御ポインタの偏差Δに対してカーソルの偏移量Δcが所定の係数(例えば1未満)で比例するような演算であってもよいし、制御ポインタの偏差Δに対してカーソルの偏移量Δcが非線形に依存するような演算であってもよい。偏移量Δcが偏差Δに対して非線形に依存する場合、例えば、偏差Δの値が比較的小さいとき、すなわち制御ポインタの位置がアイコンの基準位置から比較的近いときは、偏差Δの変化に対してカーソルの偏移量Δcの変化が大きくなるようにし、偏差Δの値が比較的大きいとき、すなわち制御ポインタの位置がアイコンの基準位置から比較的遠いときは偏差Δの変化に対してカーソルの偏移量Δcの変化が小さくなるようにすることが考えられる。逆に、偏差Δの値が比較的小さいときは偏差Δの変化に対してカーソルの偏移量Δcの変化が小さくなるようにし、偏差Δの値が比較的大きいときは偏差Δの変化に対してカーソルの偏移量Δcの変化が大きくなるようにしてもよい。
【0041】
つぎに、S140で算出した操作方向θと、S150で算出したカーソルの偏移量Δcとに基づき、カーソルによる方向指示を画面上に描画する(S160)。具体的には、カーソルの移動により操作方向を表現する態様であれば、操作画面上においてアイコンと同心上にある基準位置から操作方向θで示される角度へ偏移量Δcの分だけ移動した位置にカーソルを描画する。なお、カーソルを移動させる視覚表現を以外の方法を採用した場合については、操作方向θに基づいて視覚表現の変化の方向を決定し、偏移量Δcに基づいて視覚表現の程度を決定すればよい。なお、それらの変形例については後述する。
【0042】
S160でカーソルを描画した後、S100の処理へ戻る。上述のとおり、S100〜S160の処理を繰り返すことで、操作デバイス14においてなされた方向指示操作に応じて、カーソルの移動によって操作方向を示す視覚表現が行われる。そして、S110において、制御ポインタの位置が選択状態のアイコンの座標範囲内から逸脱したと判定した場合(S110:NO)、当該アイコンに付随するカーソル表示を終了し(S170)、当該アイコンに対する操作方向表示処理を終了する。このとき、制御部12は、制御ポインタの位置が選択状態のアイコンの座標範囲内から逸脱したことで、当該アイコンの選択状態を解除し、操作方向に該当の所定の移動先のアイコンを新たに選択状態にする。
【0043】
図6は、カーソルの移動によって操作方向の視覚的表現を行っている最中に操作方向が変更された場合における、カーソルの表示方法の一例を示す説明図である。ここでは、右方向への方向指示操作がなされている最中に、操作方向が上に変更された場合を想定している。
【0044】
図6の(1)の段階では、右方向の方向指示操作が入力されており、選択状態のアイコン40に対して右寄りにカーソル41が表示されている。つぎに、(2)の段階で操作方向が右方向から上方向に変更されると、カーソル41は左方向へ戻りながら上方向へ移動し始める。(3)の段階において、操作方向が上方向に変更してからある程度の時間が経過すると、カーソル41はX軸方向の中立位置に戻り終え、上方向へのみ移動した状態になる。このように、操作方向の変更に対してカーソル41を元の位置に急に引き戻したりせず、柔軟な動きで追従させることでユーザにとって違和感のない操作性を実現できる。
【0045】
[変形例]
つぎに、本発明の遠隔操作システムに適用可能な様々な変形例について説明する。
図7(a)は、選択状態のアイコン40に対して表示しているカーソル41の色彩や明るさを変化させることで操作デバイス14の操作方向を視覚的に表現する事例を示している。まず、(1)の段階では、操作デバイス14の操作ノブ18が中立位置にある。このとき、カーソル41は、デフォルトの描画パターン(例えば単一色)で描画されている。
【0046】
つぎに、(2)の段階では、操作デバイス14の操作ノブ18が右方向に操作されている。このとき、カーソル41の描画パターンは、左から右へ向かって色彩や明るさが連続的に変化(例えば暗から明へ)するグラデーションパターンに変化する。なお、アイコンの基準位置に対する制御ポインタの偏差Δの大きさに応じてグラデーションの強度が変化するような構成であってもよい。また、カーソル41の色彩や明るさを操作方向へ向かって段階的あるいは部分的に変化させるような構成であってもよい。
【0047】
つぎに、図7(b)は、選択状態のアイコン40に対して表示しているカーソル41の形状を変化させることで操作デバイス14の操作方向を視覚的に表現する事例を示している。まず、(1)の段階では、操作デバイス14の操作ノブ18が中立位置にある。このとき、カーソル41は、デフォルトの形状(例えばアイコン40と相似形)で描画されている。
【0048】
つぎに、(2)の段階では、操作デバイス14の操作ノブ18が右方向に操作されている。このとき、カーソル41は操作方向に沿って右側へ伸長する。なお、アイコンの基準位置に対する制御ポインタの偏差Δの大きさに応じて伸長度合いが変化するような構成であってもよい。また、カーソル41が操作方向に向かって尖るように変形したり、操作方向を指す矢印に変形したりするような態様であってもよい。
【0049】
つぎに、図7(c)は、選択状態のアイコン40の画像自体に強調表示を施し、この強調表示の表示態様を変化させることで操作デバイス14の操作方向を視覚的に表現する事例を示している。まず、(1)の段階では、アイコン40は非選択状態である。このとき、非選択状態のアイコン40は、デフォルトの描画パターン(例えば単一色)で描画されている。
【0050】
つぎに、(2)の段階では、アイコン40が選択状態になっている。また、操作デバイス14の操作ノブ18は中立位置にある。このとき、選択状態のアイコン40には、強調表示42が施され他の非選択状態のアイコンと区別可能になる。
【0051】
さらに、(3)の段階では、操作デバイス14の操作ノブ18が右方向に操作されている。このとき、選択状態のアイコン40に施されている強調表示42の描画パターンは、左から右へ向かって色彩や明るさが連続的に変化(例えば暗から明へ)するグラデーションパターンに変化する。なお、アイコンの基準位置に対する制御ポインタの偏差Δの大きさに応じてグラデーションの強度が変化するような構成であってもよい。また、強調表示42の色彩や明るさを操作方向へ向かって段階的あるいは部分的に変化させるような構成であってもよい。あるいは、選択状態のアイコン40に施されている強調表示42自体を移動したり変形したりすることで、操作方向を視覚的に表現するような構成であってもよい。
【0052】
図8は、選択状態のアイコン以外の他のアイコンの表示態様を変更することで選択状態のアイコンを識別可能にする事例を示している。まず、(1)の段階では、5つのアイコンA,B,C,D,Eの何れも非選択状態である。このとき、全てのアイコンA〜Eは、デフォルトの描画パターンで描画されている。
【0053】
つぎに、(2)の段階では、5つのアイコンのうち、アイコンCが選択状態になっている。なお、操作デバイス14の操作ノブ18は中立位置にある。このとき、選択状態のアイコンC以外の他のアイコンA,B,D,Eの描画色をトーンダウンさせる。これにより、選択状態のアイコンCが相対的に強調表示されることになり、他の非選択状態のアイコンA,B,D,Eと区別可能になる。
【0054】
さらに、(3)の段階では、操作デバイス14の操作ノブ18が右方向に操作されている。このとき、選択状態のアイコンCの描画パターンは、左から右へ向かって色彩や明るさが連続的に変化(例えば暗から明へ)するグラデーションパターンに変化する。なお、アイコンの基準位置に対する制御ポインタの偏差Δの大きさに応じてグラデーションの強度が変化するような構成であってもよい。また、アイコンCの色彩や明るさを操作方向へ向かって段階的あるいは部分的に変化させるような構成であってもよい。
【0055】
図9は、選択状態のアイコンの周辺以外の領域の表示態様を変更することで選択状態のアイコンを識別可能にする事例を示している。まず、(1)の段階では、5つのアイコンA,B,C,D,Eの何れも非選択状態である。このとき、全てのアイコンA〜Eは、デフォルトの描画パターンで描画されている。
【0056】
つぎに、(2)の段階では、5つのアイコンのうち、アイコンCが選択状態になっている。なお、操作デバイス14の操作ノブ18は中立位置にある。このとき、選択状態のアイコンCの周辺領域以外の操作画面の領域をトーンダウンさせる。これにより、選択状態のアイコンCが相対的に強調表示されることになり、他の非選択状態のアイコンA,B,D,Eと区別可能になる。
【0057】
さらに、(3)の段階では、操作デバイス14の操作ノブ18が右方向に操作されている。このとき、選択状態のアイコンC周辺の強調表示領域が操作方向に沿って右へ移動する。なお、アイコンの基準位置に対する制御ポインタの偏差Δの大きさに応じて強調表示領域の移動量が変化するような構成であってもよい。あるいは、この強調表示領域の色彩や明るさ、形状の変化により操作方向を視覚的に表現するような構成であってもよい。
【0058】
図10は、選択状態のアイコンの位置から操作方向に存在する移動先のアイコンに対して強調表示を施すことで操作方向を視覚的に表現する手法を示している。
図10(a)に示す事例では、選択状態のアイコンB(40)に対して選択状態であることを識別するためのカーソル41が表示されている。このとき、操作デバイス14の操作ノブ18が右方向に操作されることで、アイコンB(40)の1つ右側に位置する移動先のアイコンC(44)自体の描画パターンが強調表示される。これにより、ユーザは現在の操作でどちらの方向へカーソルが移動しようとしているのかを視覚的に確認できる。
【0059】
つぎに、図10(b)に示す事例では、移動先のアイコンCに対して表示する誘導表示自体の表示態様を変化させることで操作方向を視覚的に表現するようになっている。この事例では、操作デバイス14の操作ノブ18が右方向に操作されることで、現在選択中のアイコンB(40)の1つ右側に位置する移動先のアイコンC(44)の周辺領域に誘導表示45が表示される。さらに、この誘導表示45は、選択状態のアイコンC(40)の方向へ向かって左側に偏移して描画されると共に、操作方向に沿って左から右へ色彩や明るさが連続的に変化するグラデーションが施されている。なお、選択状態のアイコン40の基準位置に対する制御ポインタの偏差Δの大きさに応じて、誘導表示45の偏移量やグラデーションの強度が変化するように構成してもよい。
【0060】
[効果]
上記実施形態の遠隔操作システムによれば、下記のような効果を奏する。
(1)選択状態のアイコンを識別するための表示したカーソルやアイコンの強調表示を使って操作方向を視覚的に表現することで、選択状態が移動先のアイコンへ遷移する事前に、移動しようとしている操作方向をユーザに対して表示できるようになる。これにより、ユーザの操作に対してカーソルがどの方向へ移動しようとしているのかを把握できるようになり、遠隔操作システムの操作性が向上する。たとえユーザの意図する方向と違った操作方向が入力されていても、カーソルや強調表示の表示態様の変化を視認することで意図しないアイコンへ移動する事前に誤操作に気付くことができ、速やかに操作を修正できる。また、ユーザによる方向指示操作の結果を連続的にトレースするポインタとは異なり、方向指示入力がなされたときのみ、操作方向を示す視覚表現を選択中のアイコン付近に表示させるので、ポインタと比べて操作画面を注視する時間も低減でき、操作者の操作負担は軽い。
【0061】
(2)操作デバイス14の操作量(具体的には、制御ポインタの偏差Δ)の大きさに応じて、カーソルや強調表示の移動、色彩・明るさの変化、変形といった各種視覚表現の変化の度合いを変更できる。このようにすることで、ユーザは選択状態が移動先のアイコンへ移動するまでの操作量の程度を視覚的に把握することができ、操作性が向上する。
【0062】
(3)選択状態のアイコンからの移動先に該当するアイコン側に操作方向を示す強調表示や誘導表示を施すことでも、上記(1)(2)に記載の効果と同様の効果を得られる。
【符号の説明】
【0063】
10…表示部、10a…表示面、12…制御部、14…操作デバイス、18…操作ノブ、18a…軸部、20…機器、40,44…アイコン、41…カーソル、42,44…強調表示、45…誘導表示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作対象の機器に関する操作を受け付けるための操作画面を表示する表示手段と、前記表示手段から離れた位置に設置されて操作者によって操作される遠隔操作デバイスとに接続され、前記遠隔操作デバイスからの方向指示入力を受け付け、その方向指示入力に応じた処理結果を前記操作画面上に表示させる遠隔操作デバイス用表示制御装置であって、
前記操作画面上に配置されている複数のアイコンのうち、現在選択中のアイコンに対して選択状態であることを示す識別表示を当該アイコンに付随して前記操作画面上に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、
あるアイコンが選択状態であるときに前記方向指示入力を受け付けた場合、前記選択中のアイコンに付随する前記識別表示の表示態様の変化によって前記方向指示入力の操作方向を示す視覚表現を前記操作画面上に表示させ、その方向指示入力による操作量が前記選択中のアイコンにおける選択状態の移動条件に達した場合、当該アイコンの選択状態を解除すると共に当該アイコンに付随する前記識別表示の表示を終了すること
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記方向指示入力による操作量の度合いに応じて、前記識別表示の表示態様の変化の度合いを変更すること
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記選択中のアイコンに付随する識別表示を前記操作方向へ移動させることで操作方向を示す視覚表現を行うこと
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記選択中のアイコンに付随する識別表示の色彩又は明るさの少なくとも何れかを変化させることで操作方向を示す視覚表現を行うこと
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記選択中のアイコンに付随する識別表示の形状を変化させることで操作方向を示す視覚表現を行うこと
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記選択状態のアイコンであることを示す識別表示として、前記選択状態のアイコンの周辺領域に強調表示を施すこと
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記選択状態のアイコンであることを示す識別表示として、前記選択状態のアイコンの画像領域内に強調表示を施すこと
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項8】
操作対象の機器に関する操作を受け付けるための操作画面を表示する表示手段と、前記表示手段から離れた位置に設置されて操作者によって操作される遠隔操作デバイスとに接続され、前記遠隔操作デバイスからの方向指示入力を受け付け、その方向指示入力に応じた処理結果を前記操作画面上に表示させる遠隔操作デバイス用表示制御装置であって、
前記操作画面上に配置されている複数のアイコンのうち、現在選択中のアイコンに対して選択状態であることを示す識別表示を当該アイコンに付随して前記操作画面上に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、
あるアイコンが選択状態であるときに前記方向指示入力を受け付けた場合、そのアイコンに対して前記方向指示入力の操作方向に該当する移動先として割り当てられた移動先アイコンを示す誘導表示を、その移動先アイコンに付随して前記操作画面上に表示させ、その方向指示入力による操作量が前記移動先アイコンへの移動条件に達した場合、現在選択中のアイコンから前記移動先アイコンへ選択状態を遷移させると共に、前記操作画面上における前記識別表示の表示対象を前記移動先アイコンへと遷移させること
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、
前記移動先アイコンに付随する前記誘導表示の表示態様の変化によって当該操作方向を示す視覚表現を前記操作画面上に表示させること
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記方向指示入力による操作量の度合いに応じて、前記誘導表示の表示態様の変化の度合いを変更すること
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記移動先アイコンに付随する誘導表示を前記移動先アイコンの位置から現在選択中のアイコンの方向へ移動させることで操作方向を示す視覚表現を行うこと
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項12】
請求項9又は請求項10に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記移動先アイコンに付随する誘導表示の色彩又は明るさの少なくとも何れかを変化させることで操作方向を示す視覚表現を行うこと
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項13】
請求項9又は請求項10に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記移動先アイコンに付随する誘導表示の形状を変化させることで操作方向を示す視覚表現を行うこと
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項14】
請求項8ないし請求項13の何れか1項に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記移動先アイコンであることを示す誘導表示として、前記移動先アイコンの周辺領域に強調表示を施すこと
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。
【請求項15】
請求項8ないし請求項13の何れか1項に記載の遠隔操作デバイス用表示制御装置において、
前記表示制御手段は、前記移動先アイコンであることを示す誘導表示として、前記移動先アイコンの画像領域内に強調表示を施すこと
を特徴とする遠隔操作デバイス用表示制御装置。

【図1】
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【図4】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−100415(P2011−100415A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256464(P2009−256464)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【Fターム(参考)】