説明

遠隔表面調査装置及び遠隔表面調査方法並びに原子炉炉内構造物の水中遠隔表面調査方法

【課題】
本発明は、人が直接近づけない場所に存在し複雑な曲面形状の構造物に対し、密閉空間を形成することなく、簡易に構造物の表面形状をレプリカに転写し、表面形状を観察できる遠隔表面調査装置又は遠隔表面調査方法或いは原子炉炉内構造物の水中遠隔表面調査方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、構造物の表面形状のレプリカを採取するに当たり、被検体表面との間に隙間を形成し、隙間内にレプリカ剤を供給する。隙間を形成することにより、レプリカ剤の表面張力でレプリカ剤を隙間内に保持することで、密閉空間を形成することなく被検体表面形状のレプリカを採取する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作により原子炉炉内構造物等の表面形状をレプリカ剤で調査する遠隔表面調査装置及び遠隔表面調査方法並びに原子炉炉内構造物の水中遠隔表面調査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、原子力発電プラントの原子炉炉内構造物にき裂が生じた場合、き裂の寸法や形状は、き裂の発生原因究明やその後の進展予測を行う上で重要な評価指標となる。このため、原子炉炉内構造物表面の表面形状を簡易に観察することが望まれている。原子炉炉内構造物表面の表面形状を観察する方法としては、被検体表面への検査員の接近が原子炉運転後困難となるため、原子炉炉内構造物の表面形状を遠隔操作で転写したレプリカを拡大観察することが、特許文献4に示されている。また、原子炉炉内構造物の表面形状を遠隔操作で転写する方法および装置については、被検体表面とレプリカ採取装置により密閉空間を形成し、密閉空間内にレプリカ剤を注入する方法および装置が特許文献1から特許文献4に示されている。
【0003】
特許文献1から特許文献4の方法は、いずれも構造物の表面形状を遠隔操作で転写する方法および装置に関して、被検体表面とレプリカ採取装置により密閉空間を形成し、密閉空間内にレプリカ剤を注入する特徴を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−325184号公報
【特許文献2】特開2002−71537号公報
【特許文献3】特開2003−262695号公報
【特許文献4】特開2010−96563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、原子炉底部の溶接部など複雑な曲面形状については、被検体表面とレプリカ採取装置により密閉空間を形成するのが困難な場合もあり、密閉空間を形成する必要がないレプリカ採取方法が望まれている。
本発明は、上記課題を鑑みなされたものであり、その目的は、人が直接近づけない場所に存在し、特に複雑な曲面形状の構造物に対し、密閉空間を形成することなく簡易に構造物の表面形状をレプリカに転写し、表面形状を観察できる遠隔表面調査装置又は遠隔表面調査方法或いは原子炉炉内構造物の水中遠隔表面調査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、少なくとも下記の特徴を有する。
被検体の表面にレプリカ剤を供給し、前記被検体の表面形状を遠隔操作で転写し調査する遠隔表面調査装置において、前記被検体の表面との間に隙間を形成する隙間形成部材と、前記隙間形成部材と被検体により形成される隙間にレプリカ剤を遠隔操作で供給する装置移送手段と、前記隙間形成部材と前記レプリカ剤供給手段を被検体の表面近傍まで移送する装置移送手段とを備えることを第1の特徴とする。
【0007】
また、本発明は、被検体の表面にレプリカ剤を供給し、前記被検体の表面形状を遠隔操作で転写し調査する遠隔表面調査方法において、前記被検体に対面する面を有する対面部材を前記被検体に遠隔で対面させて前記被検体の表面との間に隙間を形成させ、その後前記レプリカ剤を前記隙間内に供給し、前記レプリカ剤を隙間内に所定時間保持して前記レプリカ剤を硬化させて前記被検体の表面形状を前記レプリカ剤に転写させることを第2の特徴とする。
【0008】
さらに、本発明は、前記隙間形成部材は、前記被検体に対面する面を有する対面部材と、前記隙間内に前記レプリカ剤を前記レプリカ剤の表面張力で保持できる位置に前記対面する面を離間させる離間部材とを有することを第3の特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記対面する面は、前記被検体の凹凸形状に類似した形状を有することを第4特徴とする。
さらに、前記レプリカ剤は二液硬化型であることを第5の特徴とする。
また、本発明は、前記レプリカ剤を前記隙間に供給するレプリカ剤供給口を前記対面する面に設けたことを第6の特徴とする
さらに、本発明は、水中にある被検体にレプリカ剤を供給し、前記被検体の表面形状を遠隔操作で転写し観察する原子炉炉内構造の水中遠隔表面調査方法において、第1又は第3乃至第6の特徴のいずれかの遠隔表面調査装置の前記隙間形成部材を水上からの遠隔操作で被検体まで誘導して前記被検体の表面との間に隙間を形成した状態で固定し、前記隙間内にレプリカ剤を供給し、前記レプリカ剤を隙間内に所定時間保持して前記レプリカ剤を硬化させて前記被検体の表面形状を前記レプリカ剤に転写させ、その後前記遠隔表面調査装置とともに前記被検体の表面形状を転写したレプリカ剤を回収し、前記回収したレプリカ剤に転写された被検体の表面形状を観察することを第7の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、人が直接近づけない場所に存在し、特に複雑な曲面形状の構造物に対し、密閉空間を形成することなく簡易に当該領域の表面形状をレプリカに転写し、表面形状を観察できる遠隔表面調査装置又は遠隔表面調査方法或いは原子炉炉内構造物の水中遠隔表面調査方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】人が直接近づけない場所に存在する構造物の表面形状を二液硬化型のレプリカ剤により転写する装置の第1の実施例を説明する図である。
【図2】人が直接近づけない場所に存在する構造物の表面形状を転写する方法の実施例を説明する図である。
【図3】曲面の被検体表面との間に隙間を形成する部材の実施例を説明する図である。
【図4】原子炉炉内構造物表面形状を調査する水中遠隔調査方法の実施例を説明する図である。
【図5】原子炉炉内構造物表面形状を調査する水中遠隔調査方法の実施例の手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
(実施例1)
まず、本実施形態の特徴である構造物表面形状を調査する遠隔表面調査装置2について、図1を用いて説明する。図1は、人が直接近づけない場所に存在する構造物の表面形状を二液硬化型のレプリカ剤により転写し、調査する遠隔表面調査装置の実施例を示すものである。本実施例は、操作ポール1の先端に取付けた構造物表面形状を調査する遠隔表面調査装置2の本体部分を遠隔操作で構造物(被検体3)まで誘導して、被検体3表面との間に隙間4を形成し、被検体3の表面形状をレプリカ剤5に転写し、調査する遠隔表面調査装置の例である。
【0013】
構造物表面形状を調査する遠隔表面調査装置2には少なくとも、被検体3の表面との間に隙間を形成する隙間形成部材6と、隙間形成部材6と被検体3により形成される隙間4に二液硬化型のレプリカ剤5を遠隔操作で供給するレプリカ剤供給手段7と、前記隙間形成部材6と前記レプリカ剤供給手段7を被検体3の表面まで移送する装置移送手段8を備えている。
【0014】
被検体表面との間に隙間を形成する隙間形成部材6は、少なくとも、被検体表面に対面する面を有する対面部材9と、対面部材9と被検体3で形成する隙間4に二液硬化型のレプリカ剤5を供給するレプリカ剤供給口10と、使用するレプリカ剤5の表面張力で隙間内にレプリカ剤5が保持できる隙間4の最大寸法以下の高さ寸法、即ち対面部材9の対面と被検体との離間距離を規定する離間部材である突起物11とを備えている。レプリカ剤供給口10はレプリカ剤供給管12により二液硬化型のレプリカ剤5のレプリカ剤カートリッジ13と連結されている。
【0015】
レプリカ剤供給手段7は、少なくとも、前記レプリカ剤カートリッジ13と水圧シリンダ14とを備えている。前記水圧シリンダ14に耐圧ホース15を介して接続される手押しポンプ等から水を供給することで前記水圧シリンダ14を伸ばし、前記レプリカ剤カートリッジ13から隙間4にレプリカ剤5を供給できる。
【0016】
装置移送手段8としては、本実施例では操作ポール1を用いている。他の方法としては、構造物に設けられたレール上を遠隔表面調査装置2の架台27を摺動させて、被検体3まで移動させる方法がある。
【0017】
次に、本実施例1における構造物表面形状の表面転写方法について、図1と図2を用いて説明する。図2は人が直接近づけない場所に存在する構造物の表面形状を図1の遠隔表面調査装置2を用いて転写する方法の例を示すものであり、施工手順の例である。
【0018】
被検体3の表面形状のレプリカ転写では、まず、装置移送手段8を用いて隙間形成部材6とレプリカ剤供給手段7とを被検体3の表面形状のレプリカ転写位置まで移送する(Step1)。この際、周辺の干渉物および目的位置を図示しないCCDカメラ等により確認しながら操作ポール1を操作するのが望ましい。隙間形成部材6の突起物11を被検体3の表面に接触させることで被検体3と対面部材9との間に隙間4を形成する(Step2)。続いて、例えば、架台16が被検体3の方向に押圧されるように装置移送手段8である操作ポール1を固定することで隙間4の状態を保持する(Step3)。続いて、レプリカ剤供給手段7の水圧シリンダ14を伸ばして二液硬化型のレプリカ剤5を隙間4内に供給する(Step4)。この際、供給されたレプリカ剤5は自己の表面張力により隙間4内に保持される。レプリカ剤5が硬化するまでの時間が経過後(Step5)、装置移送手段8による固定を解除し、被検体3の表面形状が転写されたレプリカ剤5を回収する(Step6)。
【0019】
以上の説明した実施例1によれば、レプリカ剤を対面部材9と被検体3との間に隙間4を設け、形成困難な密閉空間を形成することなく、遠隔で構造物の表面形状を転写したレプリカを得ることができる遠隔表面調査装置及び遠隔表面調査方法を提供できる。
(実施例2)
次に、本発明の構造物表面形状を調査する遠隔表面調査装置2を構成する被検体表面との間に隙間を形成する隙間形成部材6のより具体的な構成について、図3を用いて説明する。図3は曲面形状の被検体3表面との間に隙間4を形成する隙間形成部材6の例で、原子炉炉底部溶接部23に代表される曲面形状の被検体3表面形状のレプリカを得る場合を示す図である。
【0020】
隙間形成部材6は、少なくとも被検体に対面する面を有する対面部材9と、対面部材9と被検体3で形成した隙間4に二液硬化型のレプリカ剤5を供給可能なレプリカ剤供給口12と、対面部材9と被検体3との間に形成する隙間4の高さ寸法、即ち対面部材9の対面と被検体と離間距離を規定する離間部材である突起物11を備えている。対面部材9と被検体3との間に形成する隙間4の高さ寸法(離間距離)については、レプリカ採取位置と同等の環境下(温度、圧力、気中または水中)で、事前に使用するレプリカ剤5の表面張力で隙間内にレプリカ剤5が保持できる最大隙間高さ寸法を確認しておき、最大隙間高さ寸法以下となる様に突起物11の高さを設定する。具体的には、設定した隙間高さ寸法で隙間内にレプリカ剤5が保持できない場合には、隙間内にレプリカ剤5が保持できるまで突起物11の高さを低くする。また、前記対面部材9の形状は被検体3の凹凸形状に類似した形状を採用するのが望ましい。例えば、図3に示すような被検体3が曲面形状を有する場合には、前記対面部材9の形状を被検体3の形状に類似した曲面とする。
【0021】
以上の説明した実施例2によれば、レプリカ剤を対面部材9と被検体3との間に形成した隙間4内にレプリカ剤5をその表面張力で保持する高さを有する突起物11を設けることで、原子炉炉底部溶接部23に代表される曲面形状の場合に形成困難な密閉空間を形成することなく、遠隔で構造物の表面に設けられた被検体3の表面形状を転写したレプリカを得ることできる遠隔表面調査装置及び遠隔表面調査方法を提供できる。
【0022】
また、以上説明した実施例2によれば、被検体表面の凹凸形状が異なる場合でも、対面部材9の表面形状が被検体3の表面形状に類似し、レプリカ剤5の表面張力で前記隙間4内にレプリカ剤5を保持できる範囲では、同じ対面部材9を使用して被検体3の表面形状を転写したレプリカを得ることできる。
(実施例3)
本発明の遠隔表面調査装置2を原子炉炉内構造物表面形状を調査する遠隔調査方法に用いた実施例3を、図4と図5を用いて説明する。図4は原子炉炉内構造物表面形状を調査する遠隔調査方法の例、図5は調査手順の例である。
【0023】
原子炉炉内構造物の表面形状を観察する方法では、まず、構造物表面形状を調査する遠隔表面調査装置2を水上からの遠隔操作で被検体3まで誘導して被検体3表面との間に隙間4を形成した状態で固定する(Step1〜Step3)。水上からの遠隔操作は操作ポール1を採用できるが、図示しないマニュプレータも採用できる。なお、採用するマニュプレータは先端の座標位置を制御できることが望ましい。また、被検体3までの誘導は、周辺の干渉物および目的位置をCCDカメラ16により撮影し、その映像をテレビモニタ17で確認しながら実施する(Step1)。突起物11が被検体3に接触することで被検体3の表面と対面部材9の間に隙間4を形成する(Step2)。この状態で水圧シリンダ18により構造物表面形状を調査する遠隔表面調査装置2を被検体3表面に押付けて固定する(Step3)。水圧シリンダ18は、耐圧ホース19に接続された手押しポンプ20により水を水圧シリンダ18に供給することで駆動する。なお、水圧シリンダ18は、原子炉炉内構造物である支柱25に接触している支持台座26に設けられている。支柱25の具体例としては、シュラウドサポートレグや制御棒駆動機構ハウジングなどが採用できる。
【0024】
その後、被検体3表面との間に形成した隙間4内にレプリカ剤5を供給する(Step4)。レプリカ剤5の供給はレプリカ剤供給手段7により実施する。具体的には、耐圧ホース15に接続された手押しポンプ21により水を水圧シリンダ14に供給することで水圧シリンダ14を駆動し、レプリカ剤カートリッジ13内からレプリカ剤供給管12を介して、レプリカ剤供給口10からレプリカ剤5を隙間4内に供給する。この際、供給されたレプリカ剤5は自己の表面張力により隙間4内に保持される。
【0025】
次に、レプリカ剤5が硬化するまでの時間が経過後(Step5)、水圧シリンダ18による構造物の表面形状を調査する遠隔表面調査装置2の固定を解除し(Step6)、被検体3の表面形状が転写されたレプリカ剤5を構造物表面形状を調査する遠隔表面調査装置2とともに回収する(Step7)。回収したレプリカ剤5に転写された被検体3の表面形状を光学顕微鏡等で拡大観察することで、原子炉炉内構造物の表面形状を詳細に観察する(Step8)。
【0026】
以上説明した実施例3によれば、形成困難な密閉空間を形成することなく、遠隔で水中間環境にある原子炉炉内構造物の表面形状を転写したレプリカを得ることができ、原子炉炉内構造物の表面形状を詳細に観察できる遠隔表面調査装置及びその遠隔表面調査方法を提供できる。
【0027】
以上説明したように、本発明によれば、被検体の表面形状のレプリカを採取する際の要求事項が、被検体表面を含む密閉空間の形成から、被検体表面との間の隙間形成へと変更される。これにより、被検体の三次元形状とレプリカ採取装置の寸法誤差に対する許容値が大幅に大きくなるため、レプリカ採取装置の適用範囲が大幅に拡大することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、人が直接近づけない温度、圧力、気中または水中の環境下において、レプリカを作成するための密閉空間を形成するのが困難な構造部の表面状態の調査に適用できる。特に、水中遠隔操作で適用することが可能であり、原子力発電所の原子炉炉内構造物に対する調査に最適である。
【符号の説明】
【0029】
1:操作ポール 2:遠隔表面調査装置
3:被検体 4:隙間
5:レプリカ剤 6:隙間形成部材
7:レプリカ剤供給手段 8:装置移送手段
9:対面部材 10:レプリカ剤供給口
11:突起物 12:レプリカ剤供給管
13:レプリカ剤カートリッジ 14、18:水圧シリンダ
15、19:耐圧ホース 16:CCDカメラ
17:テレビモニタ 20、21:手押しポンプ
23:原子炉炉底部溶接部 25:支柱
26:支持台座 27:架台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の表面にレプリカ剤を供給し、前記被検体の表面形状を遠隔操作で転写し調査する遠隔表面調査装置において、
前記被検体の表面との間に隙間を形成する隙間形成部材と、前記隙間形成部材と被検体により形成される隙間にレプリカ剤を遠隔操作で供給するレプリカ剤供給手段と、前記隙間形成部材と前記レプリカ剤供給手段を被検体の表面近傍まで移送する装置移送手段とを備えることを特徴とする遠隔表面調査装置。
【請求項2】
前記隙間形成部材は、前記被検体に対面する面を有する対面部材と、前記隙間内の前記レプリカ剤を前記レプリカ剤の表面張力で保持できる位置に前記対面する面を離間させる離間部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の遠隔表面調査装置。
【請求項3】
前記レプリカ剤を前記隙間に供給するレプリカ剤供給口を前記対面する面に設けたことを特徴とする請求項2に記載の遠隔表面調査装置。
【請求項4】
前記対面する面は、前記被検体の凹凸形状に類似した形状を有することを特徴とする請求項1に記載の遠隔表面調査装置。
【請求項5】
前記レプリカ剤は二液硬化型であることを特徴とする請求項1に記載の遠隔表面調査装置。
【請求項6】
被検体の表面にレプリカ剤を供給し、前記被検体の表面形状を遠隔操作で転写し調査する遠隔表面調査方法において、
前記被検体に対面する面を有する対面部材を前記被検体に遠隔で対面させて前記被検体の表面との間に隙間を形成させ、その後前記レプリカ剤を前記隙間内に供給し、前記レプリカ剤を隙間内に所定時間保持して前記レプリカ剤を硬化させて前記被検体の表面形状を前記レプリカ剤に転写させることを特徴とする遠隔表面調査方法。
【請求項7】
前記隙間の形成は、前記対面する面を前記隙間内の前記レプリカ剤を前記レプリカ剤の表面張力で保持できる位置に離間させて行うことを特徴とする請求項6の遠隔表面調査方法。
【請求項8】
原子炉炉内構造物の水中にある被検体にレプリカ剤を供給し、前記被検体の表面形状を遠隔操作で転写し観察する原子炉炉内構造の水中遠隔表面調査方法において、
請求項1から請求項5のいずれかの遠隔表面調査装置の前記隙間形成部材を水上からの遠隔操作で被検体まで誘導して前記被検体の表面との間に隙間を形成した状態で固定し、前記隙間内にレプリカ剤を供給し、前記レプリカ剤を隙間内に所定時間保持して前記レプリカ剤を硬化させて前記被検体の表面形状を前記レプリカ剤に転写させ、その後前記遠隔表面調査装置とともに前記被検体の表面形状を転写したレプリカ剤を回収し、前記回収したレプリカ剤に転写された被検体の表面形状を観察することを特徴とする原子炉炉内構造物の水中遠隔表面調査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−225671(P2012−225671A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91029(P2011−91029)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】