説明

選別装置

【課題】選別物を載せた選別皿を選別位置へ搬送させて、この選別物を排出させるためには、搬送行程中の選別皿を搬送経路の横側へ転倒回動させることによって行うときに、衝撃力と騒音を押さえ、選別皿ライン機構の摩耗損傷等を生じにくく、耐久性を持たせる選別装置の提供。
【解決手段】選別物を載置する選別皿3を搬送チエン1に沿って配置して回転搬送しながら、この選別皿3を搬送経路の選別位置で転倒させて選別物を排出させる選別皿ラインに沿って、この選別位置における選別皿3を転倒摺動案内して転倒速を抑制する転倒抑制ガイド42を設けたことを特徴とする選別装置の構成とする。転倒抑制ガイド42に案内されてこの転倒回動速度を緩速度に抑制される。従って選別皿の自重による転倒回動の角速度は遅く制限されて、この選別皿3からの選別物の排出落下をゆっくり行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送チエンに対して選別物を載せて搬送する搬送姿勢と、選別物を排出する排出姿勢とに回動可能に設けられる選別皿を、この排出姿勢への回動転倒速を緩速度に制御する選別装置に関する。果実類や、野菜類、芋類等の選別はもとより、鮮魚、貝類や、干物魚貝等の選別にも利用できる。又、重量選別のための選別物をロードセル等によって秤量する形態や、単にカメラ等によって選別物の大きさや、形状、又は色彩等を計測して選別する形態等に有効に利用することができる。
【背景技術】
【0002】
搬送チエンに配置されて選別物を載せて搬送する選別皿は、この搬送チエンに対する取付部とは別の選別皿底部や、この選別皿を支持する支持機構等をガイドレールに支持させる構成や、このガイドレールの一部を切欠いで選別皿の支持案内を解放して、選別皿を転倒回動させる技術が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
選別物を載せた選別皿を選別位置へ搬送させて、この選別物を排出させるためには、搬送行程中の選別皿を搬送経路の横側へ転倒回動させることによって行われる。このときガイドレール等によって摺動支持されていた選別皿が、このガイドレールの切欠部により支持案内を失うために、選別位置での転倒回動が急速度に行われて、衝撃力による騒音が大きく、選別皿ライン機構の摩耗損傷等が生じ易く、耐久性を短くするものである。又、この選別皿から排出される選別物の受ける損傷も受け易くなる。例えば、トマト、モモ等の生鮮野菜や、果物、魚介類等にあっては、選別位置での排出落下による衝撃を受けて傷み易く、品質の低下を招き易いものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、選別物を載置する選別皿3を搬送チエン1に沿って配置して回転搬送しながら、この選別皿3を搬送経路の選別位置で転倒させて選別物を排出させる選別皿ラインに沿って、この選別位置における選別皿3を転倒摺動案内して転倒速を抑制する転倒抑制ガイド42を設けたことを特徴とする選別装置の構成とする。搬送チエン1によって駆動搬送される搬送姿勢Aの選別皿3に選別物を載せると、この選別皿3が搬送される途中で選別物の計測作用が行われ、この計測に基づいて選別位置では、選別皿3が外側方へ傾斜されて、排出姿勢Bとなって載せていた選別物を排出させる。この排出姿勢Bへの姿勢変更では、転倒抑制ガイド42に案内されてこの転倒回動速度を緩速度に抑制される。従って選別皿の自重による転倒回動の角速度は遅く制限されて、この選別皿3からの選別物の排出落下をゆっくり行わせる。
【0005】
請求項2に記載の発明では、前記転倒抑制ガイド42は、搬送チエン1に対してホルダブラケット2を介して取付けられる選別皿3を、選別物を載せて搬送する搬送姿勢Aと、選別位置へ転倒排出する排出姿勢Bとに切替える支持レバー5を摺接案内させることを特徴とする。選別皿3は支持レバー5を有して、この支持レバー5を作動させることによって、この選別皿3のホルダブラケット2に対する姿勢を搬送姿勢Aから排出姿勢Bに切替えることができ、この搬送姿勢Aでは選別皿3をホルダブラケット2自体に対して直接支持させて、摺動案内抵抗を少なくすることができると共に、この支持レバー5を転倒抑制ガイド42に摺動させることにより、選別皿3及び選別物の重量による転倒回動方向へ案内を、摺動摩擦抵抗を逃がすように摺動させて、この転倒回動の速度を抑制する。
【0006】
請求項3に記載の発明は、前記選別皿3の支持レバー5は、軸43周りに回動可能に支持された転倒ガイド44の回動により押されて、この選別皿3を排出姿勢Bへ転倒回動することを特徴とする。選別皿3は支持レバー5によって搬送姿勢Aを維持され、選別物を載置して選別位置へ搬送することができる。この選別皿3が選別位置に搬送されると転倒ガイド44が軸43の周りに回動されて、この搬送移動中の選別皿3の支持レバー5をこの転倒ガイド44で押して、この支持レバー5による選別皿3の支持を解放して、選別皿3を転倒回動させる。
【0007】
請求項4に記載の発明は、前記支持レバー5の案内面21を弧状面に形成したことを特徴とする。前記のように、選別皿3の支持レバー5は、選別位置では案内面21に転倒ガイド44の摺接を受けて作動されて、この選別皿3の支持作用を解除して転倒回動させる。この転倒ガイド44による摺動は支持レバー5の弧状面に形成されているため、係合作用を深くすることができ、的確で、円滑な摺動作用が行われる。
【0008】
請求項5に記載の発明では、前記選別皿3は、先端側に端部皿45を着脱、又は伸縮して皿長さを変更可能に構成したことを特徴とする。各選別皿3は、選別物の大きさや、長さ等に応じて、この先端部において端部皿45を着脱したり、又は伸縮して、選別皿3の長さを変更して選別物の形態に適合させることができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明は、選別皿3の搬送姿勢Aから排出姿勢Bへの転倒速を緩速に抑制して、この選別皿3の選別物の排出落下を緩やかにして落下衝撃を小さくすると共に、選別物の衝突による損傷を少なくすることができる。従って、又、この排出の落差を大きく維持することができる。更には、選別皿3や、選別皿ライン等の機械的衝撃や、振動、騒音等を少なくして、円滑な運転を行わせることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、支持レバー5を転倒抑制ガイド42に案内させることによって、選別皿3の搬送姿勢Aから排出姿勢Bへの転倒回動速度を緩速度に抑制して、排出選別物の衝撃損傷を少なくすることができる。又、この支持レバー5を、搬送姿勢Aでは選別皿3をホルダブラケット2自体に対して直接支持させると共に、この支持レバー5を転倒抑制ガイド42に摺動させることにより、選別皿3及び選別物の重量による転倒回動方向へ逃がすように後退摺動させるように案内として、摺動摩擦抵抗を小さくするように摺動させて、この転倒回動の速度を抑制するため、構成を簡単にして、転倒排出作用を的確に円滑に行わせることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記選別皿3を転倒させる支持レバー5は、軸43周りに回動する転倒ガイド44の回動によって転倒作動するために、摩擦摺接作用時間を短くして、速やかで、円滑に転倒切替作用を行わせることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、支持レバー5の案内面21が弧状面に形成されているため、回動する転倒ガイド44との間の摺接作用を深くして的確な作動を維持すると共に、この摺接作用時の抵抗を小さくして、転倒ガイド44が円滑に摺接されて、衝撃を少なくすることができ、選別皿3の振動を防止することができ、円滑で安定した転倒排出作用を行わせることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、選別皿3の長さを変更することができるため、選別物の形状や、長さ等に応じた、選別搬送に適した長さに設定することができ、選別皿3の本体部分を共用化して、簡単で安価な構成とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図面に基づいて、選別装置10は、搬送チエン1のホルダブラケット2に上下回動自在に枢支した選別皿3には、バネ4を介して弾発される支持レバー5を設け、これらホルダブラケット2と支持レバー5との間には、選別皿3を、選別物を受けて搬送する搬送姿勢Aと、この搬送選別物を外側方へ排出する排出姿勢Bとに係合、離脱して切替可能の係合ピン6と係合ガイド7を形成する。選別皿3の搬送姿勢Aでは、支持レバー5がホルダブラケット2に対してバネ4力で弾発されて、係合ピン6と係合ガイド7が係合されて左右水平状に維持される。この状態で選別皿3の上面に選別物を供給載置して搬送しながら計量、選別作用を行わせる。この計量に基づいて選別排出作用を行わせる選別皿3の排出姿勢Bでは支持レバー5がバネ4に抗して回動されることによって、係合ピンGと係合ガイド7の係合が外れて、選別皿3が外側方へ傾斜されて、載せていた選別物を排出させる。この排出後は、支持レバー5がバネ4力によって復帰されることによって係合ピン6と係合ガイド7が係合されて元の搬送姿勢Aに係合維持される。
【0015】
ここにおいて、この発明に係る選別装置は、選別物を載置する選別皿3を搬送チエン1に沿って配置して回転搬送しながら、この選別皿3を搬送経路の選別位置で転倒させて選別物を排出させる選別皿ラインに沿って、この選別位置における選別皿3を転倒摺動案内して転倒速を抑制する転倒抑制ガイド42を設けたことを特徴とする。搬送チエン1によって駆動搬送される搬送姿勢Aの選別皿3に選別物を載せると、この選別皿3が搬送される途中で選別物の計測作用が行われる。この計測に基づいて選別位置では、選別皿3が外側方へ傾斜されて、排出姿勢Bとなって載せていた選別物を排出させる。この排出姿勢Bへの姿勢変更では選別皿3の転倒回動が上面に選別物を供給載置して搬送しながら計量、選別作用を行わせる。この計量に基づいて選別排出作用を行わせる選別皿3の排出姿勢Bでは、転倒抑制ガイド42に案内されて、この転倒回動速度を緩速度に抑制される。従って選別皿の自重による転倒回動の角速度は遅く制限されて、この選別皿3からの選別物の排出落下をゆっくり行わせる。
【0016】
又、前記転倒抑制ガイド42は、搬送チエン1に対してホルダブラケット2を介して取付けられる選別皿3を、選別物を載せて搬送する搬送姿勢Aと、選別位置へ転倒排出する排出姿勢Bとに切替える支持レバー5を摺接案内させることを特徴とする。選別皿3は支持レバー5を有して、この支持レバー5を作動させることによって、この選別皿3のホルダブラケット2に対する姿勢を搬送姿勢Aと排出姿勢Bとに切替えることができ、この搬送姿勢Aでは選別皿3をホルダブラケット2自体に対して直接支持させて、摺動案内抵抗を少なくすることができると共に、この支持レバー5を転倒抑制ガイド42に摺動させることにより、選別皿3及び選別物の重量による転倒回動方向へ案内を、摺動摩擦抵抗を逃がすように摺動させて、この転倒回動の速度を抑制する。各転倒抑制ガイド42は、選別排出位置に設けられて、選別フレーム46に対して支持ブラケット50を介して取付けられる。選別皿3の搬送方向に沿って上手側下位から下手側上位にわたって傾斜させて形成され、支持レバー5の上側面を摺接させる。この支持レバー5は、選別皿3と一体的にホルダブラケット2に対して支持ピン17の周りに下方へ転倒回動されるようになっているため、この支持レバー5の上面を転倒抑制ガイド42の下面に摺接させて、選別皿3を搬送に従って支持ピン17の周りに順次転倒回動させて、排出姿勢Bへ緩速度に転倒させる。
【0017】
又、前記選別皿3の支持レバー5は、軸43周りに回動可能に支持された転倒ガイド44の回動により押されて、この選別皿3を排出姿勢Bへ転倒回動することを特徴とする。選別皿3は支持レバー5によって搬送姿勢Aを維持され、選別物を載置して選別位置へ搬送することができる。この選別皿3が選別位置に搬送されると転倒ガイド44が軸43の周りに回動されて、この搬送移動中の選別皿3の支持レバー5をこの転倒ガイド44で押して、この支持レバー5による選別皿3の支持を解放して、選別皿3を転倒回動させる。
【0018】
前記転倒ガイド44は、支持レバー5をレバーピン19の周りに回動させるもので、この支持レバー5の移動経路の下側において、各選別排出位置の始端部位置に配置される。この転倒ガイド44は、選別フレーム46上のブラケット47に前後方向に沿うソレノイド軸43周りに回動するように構成される。このソレノイド軸43には、ロータリソレノイド48を有して一定角度往復回動される形態である。このソレノイド軸43の先端部に転倒ガイド44のアーム49を固定する。この転倒ガイド44は、外周の回動面がソレノイド軸43周りに円錐形状の傾斜面Eを形成するように構成すると共に、この回動方向の断面も円弧状、乃至曲面状Dに形成されて、この回動によって支持レバー5の案内面21を押し上げるとき、掬上げを正確に、円滑に行わせる形態としている。このような転倒ガイド44は、通常時は支持レバー5の案内面21の移動経路の外側下部に位置して設けられるが、この支持レバー5が選別排出位置に達すると外側から内側へソレノイド軸43により回動されて、この転倒ガイド44の上周曲面D、及び傾斜曲面Eで支持レバー5を掬い上げて、支持レバー5をレバーピン19周りに選別排出側へ回動させて、この支持レバー5による選別皿3の搬送姿勢Aの支持を解除すると共に、この搬送姿勢Aが解除されて転倒回動される選別皿3の支持レバー5が、転倒抑制ガイド42始端部の案内域に受け継がれて、選別皿3の転倒回動が抑制される。前記選別装置10の各選別排出部には、選別皿3から排出される選別物を受けるシュータ等から成る選別排出装置25が設けられる。
【0019】
又、この支持レバー5の下側案内面21を円弧状曲面に形成して、前記転倒ガイド44の回動摺接を受ける。前記のように、選別皿3の支持レバー5は、選別位置では案内面21に転倒ガイド44の摺接を受けて作動されて、この選別皿3の支持作用を解除して転倒回動させる。この転倒ガイド44による摺動は支持レバー5の弧状面に形成されているため、係合作用を深くすることができ、支持レバー5を的確で、円滑に作動することができる。
【0020】
更に、前記選別皿3は、先端側に端部皿45を着脱、又は伸縮して皿長を変更可能に構成したことを特徴とする。各選別皿3は、選別物の大きさや、長さ等に応じて、この先端部において端部皿45を着脱したり、又は伸縮して、選別皿3の長さを変更して選別物の形態等に適合させることができる。図7は端部皿3を着脱可能に構成する形態を示すもので、各選別皿3は上面を選別物を載置し易く皿型状に形成し、下面側には適宜高さの補強リブ51を形成している。この補強リブ51の先端部には左右外側突出する係合ピン52と、左右の補強リブ51間にわたって連結ピン53を挿通するためのピン穴54を形成する。又、この選別皿3の先端部に連結する端部皿45は、この補強リブ56の前端部を突出させたソケット部57として、このソケット部57には、前記補強リブ51の外側面に沿って差込嵌合できるもので、この差込みによって前記係合ピン52に嵌合するピン溝58と、前記ピン穴54に重合する5をピン穴55を形成する。これら補強リブ51部に端部皿45のソケット部57を差し込んで、両者のピン穴54、55の重合部に連結ピン53を挿通して連結することができる。この連結ピン53の抜止めはヘアピン59、又は、これに代えるナット締め等によって行うことができる。このようにして連結される選別皿3、端部皿45の連結部上面は滑面に形成される。又、この端部皿45を着脱する形態に代えて、常時選別皿3に取付けた状態で選別皿3の長さ方向へ伸縮させて、各選別皿3の長さを変更調節するように構成することもできる。
【0021】
コンベアフレーム前後のスプロケット11、12間にわたって搬送チエン1が張設されて駆動される。この搬送チエン1に沿って箱型形態のホルダブラケット2が取付けられる。各ホルダブラケット2毎に前後二個宛の選別皿3が配置されて、全体として各選別皿3が鍵盤状に連設される鍵盤型の選別皿ラインとしての選別装置10を構成する。そして、搬送チエン1のホルダブラケット2に上下回動自在に枢支した選別皿3には、バネ4を介して弾発される支持レバー5を設け、これらホルダブラケット2と支持レバー5との間には、選別皿3を、選別物を受けて搬送する搬送姿勢Aと、この搬送選別物を外側方へ排出する排出姿勢Bとに係合、離脱して切替可能の係合ピン6と係合ガイド7を形成する。又、前記ホルダブラケット2の搬送チエン1に対する取付側とは反対側に、ガイドレール8に支持案内するガイドローラ9を設ける。これら、ホルダブラケット2や、選別皿3、及び支持レバー5等は、硬質の合成樹脂製の成形としている。
【0022】
前記搬送チエン1は、C型断面のチエンレール13に案内されて駆動される。この搬送チエン1の一側に沿ってリンクピン14により取付ブラケット15が取付けられ、この取付ブラケット15に対して締付具16によりホルダブラケット2が取付けられる。各ホルダブラケット2上部には、前後方向の支持ピン17の周りに上下回動自在の鍵盤型の選別皿3が二個宛設けられる。各前後の選別皿3の間には小間隔18を形成する。又、各ホルダブラケット2の各選別皿3は支持ピン17周りに各別に回動可能の構成である。各選別皿3の支持ピン17の下方部には、支持レバー5が前後方向のレバーピン19周りに回動自在に設けられてバネ4によって回動付勢される。この支持レバー5は、選別皿3を支持するもので、先端部にレバー支持ピン20を有して、選別皿3の長く突出する側の基部を下側から支持することができる。バネ4はこのレバーピン20を選別皿3の下側へ押圧させるように弾発させている。この支持レバー5の基端側には叩部21を有し、この叩部21をバネ4圧に抗して上方へ押し上げることによって、この係合ガイド7と係合ピン6の係合を解放できる構成としている。この各支持レバー5の基部下には凹状切欠の係合ガイド7が形成されて、この係合ガイド7に対向するホルダブラケット2の側面には係合ピン6を突出し、この支持レバー5のバネ4圧によりこれら係合ガイド7と係合ピン6の係合状態を維持する。各選別皿3は、ホルダブラケット2に対して、前記支持ピン17と、この係合ピン6に対する係合ガイド7の嵌合部とによって支持される形態となる。バネ4圧によって嵌合される係合ピン6と係合ガイド7の嵌合部は、選別皿3上面に選別物を受けることによって、支持レバー5のレバー支持ピン20が押し下げられる。これによって支持レバー5の係合ガイド7がホルダブラケット2の係合ピン6を外方へ押圧Cして、バネ4圧力を受けることによるのと併せて、選別皿3を搬送姿勢Aに維持する。前記係合ピン6はホルダブラケット2に、係合ガイド7は支持レバー5に各々設けた形態としたが、この係合ピン6を支持レバー5に設け、係合ガイド7をホルダブラケット2に設ける形態とすることもできる。
【0023】
前記ホルダブラケット2は、取付ブラケット15に対して着脱可能であるためメンテナンス性を高めることができる。各ホルダブラケット2の下部には、取付ブラケット15側とは反対側にガイドローラ9を軸ボルト22によって回動自在に取付けて、選別フレームに一体のガイドレール8上に支持案内させる。選別皿3上に載せた選別物の重量は、支持ピン17よりも外側方に偏位した位置に重心位置Gを有することが多く、この重心位置G側の直下部をガイドローラ9で支持する。
【0024】
前記選別装置10の始端部には供給コンッベア23を設けて、選別物を供給載置することができる。この選別装置10の始端部上方には選別物の大きさを検出する選別カメラ24を設け、この選別カメラ24よりも搬送方向の下手側に選別物を大きさ毎に選別して排出する選別排出装置25を複数配置する。選別カメラ25によって選別物の大きさが検出されると、前記選別皿3を転倒する個数と選別排出位置がコントローラ26で決められて、この個数箇所のソレノイド27の作動出力時間が決まる。このソレノイド27のコントローラ26からの出力によって、転倒ガイド44がその時間にわたって回動されて、所定数の支持レバー5案内面21がバネ4に抗して押し上げられて、搬送姿勢Aの選別皿3を排出姿勢Bへ倒して、選別物を該当する選別排出装置25の位置へ排出する。又、前記選別カメラ24は、選別皿3上の選別物を平面視で計測するが、側面視、乃至正面視等で計測して立体的に検出する形態とすることもできる。
【0025】
搬送チエン1を駆動して選別装置10を回転移送状態にする。供給コンベア23によって選別物を選別皿3の上に供給して搬送させる。選別皿3に載せられた選別物が選別カメラ24の位置に達すると、このカメラ24の撮影によって選別物の大きさや、形状等が検出されて、選別排出装置25の位置が指定されると共に、排出作動されるソレノイド27の作動出力時間が指定される。そして、選別物がこの排出指定位置に達すると、このソレノイド27の出力によって搬送姿勢Aにある選別皿3の支持レバー5の案内面21が押し上げられて、係合ピン6と係合ガイド7との係合が外れて、この選別物を載せていた複数の選別皿3が支持ピン17の回りに下方回動されて排出姿勢Bとなる。このとき支持レバー5は、レバー支持ピン20で接当している選別皿3と一体的形態となっているため、この支持レバー5の上面が転倒抑制ガイド42の下面に摺接されて、選別皿3の転倒回動が抑制される。この支持レバー5が転倒抑制ガイド42の傾斜面に沿って順次上側へ回動されるため、選別皿3の転倒回動も緩速度に行われて選別物を緩やかに排出する。このような排出姿勢Bの状態で搬送終端に至って複行程を搬送されると、選別皿3が自重によって支持ピン17回りに回動されて、逆立水平状態となり、バネ4による張圧力に伴って係合ピン6と係合ガイド7が係合されて、搬送姿勢Aに復帰する。又、このような選別装置の選別皿の支持構成は、選別物を秤量の重量区分ごとに選別排出するウエトサイザにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】 選別装置一部の平面図と、側面図。
【図2】 その作動状態を示す後図と、一部の斜視図。
【図3】 その後面図。
【図4】 その作動状態を示す後面図。
【図5】 その平面図。
【図6】 その側面図。
【図7】 その選別皿部の後面図と、その分解斜視図。
【図8】 その選別装置の全体側面図と、その選別制御ブロック図。
【符号の説明】
【0027】
1 搬送チエン
2 ホルダブラケット
3 選別皿
5 支持レバー
21 案内面
42 転倒抑制ガイド
43 ソレノイド軸
44 転倒ガイド
45 端部皿
A 搬送姿勢
B 排出姿勢

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選別物を載置する選別皿(3)を搬送チエン(1)に沿って配置して回転搬送しながら、この選別皿(3)を搬送経路の選別位置で転倒させて選別物を排出させる選別皿ライン(41)に沿って、この選別位置における選別皿(3)を転倒摺動案内して転倒速を抑制する転倒抑制ガイド(42)を設けたことを特徴とする選別装置。
【請求項2】
前記転倒抑制ガイド(42)は、搬送チエン(1)に対してホルダブラケット(2)を介して取付けられる選別皿(3)を、選別物を載せて搬送する搬送姿勢(A)と、選別位置へ転倒排出する排出姿勢(B)とに切替える支持レバー(5)を摺接案内させることを特徴とする請求項1に記載の選別装置。
【請求項3】
前記選別皿(3)の支持レバー(5)は、軸(43)周りに回動可能に支持された転倒ガイド(44)の回動により押されて、この選別皿(3)を排出姿勢(B)へ転倒回動することを特徴とする請求項2に記載の選別装置。
【請求項4】
前記支持レバー(5)の案内面(21)を弧状面に形成したことを特徴とする請求項2、又は3に記載の選別装置。
【請求項5】
前記選別皿(3)は、先端側に端部皿(45)を着脱、又は伸縮して皿長さを変更可能に構成したことを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−245133(P2007−245133A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111338(P2006−111338)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(599167582)株式会社横崎製作所 (19)
【Fターム(参考)】