説明

避妊用の制御された薬物送達器具のための新たな投薬計画

本発明は、避妊剤形のための新たな投薬計画を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に女性生殖医療の分野、および特にヒト女性避妊に関する。本発明は、例えば、避妊を得るための、または他のホルモン周期依存の適応症(月経困難症、月経過多症、月経不順、月経性偏頭痛および月経前症候群(PMS)など)を治療および/または予防するための、制御された薬物送達器具の投与のための新たな投薬計画に関する。
【背景技術】
【0002】
周期継続期間の定義が固定日数および週数に関連することは、経口避妊投薬計画の分野における標準の処置法である。これらの種類の投薬計画は、避妊具の開発において月経周期を模倣する必要性のために、発展した。これらの結果として、女性は、一週間の固定日(例えば、日曜日、月曜日など)に避妊の新たな周期を開始する。これらのもう1つの結果は、同一の内容および形態(21個または28個のピルを有する経口避妊ストリップなど)を有する患者用包装を製造することができ、その結果、経済的製造方法が確保され、使用者が避妊のための錠剤の一貫した自己投与のために必要な習慣を身につける助けとなる。
【0003】
薬物送達の技術および新たな方法の発展により、該周期は、もはや有効成分の毎日の摂取により決定されず、薬物送達器具またはシステムそれ自体の決定要因により決定される。
【0004】
制御された薬物送達器具は、当分野において公知である。例えば、避妊を得るために使用される、膣リング、移植片、パッチ、ホルモン子宮内器具(IUD)、噴霧器具などは、当分野において公知である。例えば、膣リングは、周期を完成するための制御された薬物送達器具である。
【0005】
EP876815は、プロゲストゲンのステロイド化合物およびエストロゲンのステロイド化合物の同時放出のために設計される、避妊のための市販の膣リング(Nuvaring(登録商標))のみを開示する。
【0006】
Nuvaringは、11.7mgのエトノゲストレル(24時間あたり0.120mgの割合で放出される)、2.7mgのエチニルエストラジオール(24時間あたり0.015mgの割合で放出される)およびエテニルアセテートコポリマーを含む。
【0007】
この膣リング用の最新の投薬計画は、このリングを21日間挿入し、次いで一週間(7日)取り外し、膣出血を可能にする。膣出血を可能にした週の後、新たなリングは、女性の膣中に挿入され、次の女性の月経周期または複数の月経周期における避妊を提供する。
【0008】
このような投薬計画の不都合な点は、投薬計画が女性に多数の時点を覚えておくことを求めることである。使用されるそれぞれのリングについて、女性は、挿入の日から21日を超える場合にリングを取り除くこと、および次いで、7日を超える場合に新たなリングを挿入することを覚えておかなければならない。思い出されなければならないこれらの重大な時点は、毎回異なる日付に当たる。例えば、ある女性が1月1日にリングを取り外した場合、次いで新たなリングを1月8日に挿入しなければならず、および1月29日に再び取り外さなければならない。新たなリングは、次いで2月5日に挿入しなければならず、このリングは、次いで2月26日に取り外さなければならないなどなどである。これらの日付を把握することが困難であることは明らかである。これらの結果として、何人かの女性は、適時にそれらのリングを挿入するおよび/または取り外すことを忘れ、望まない妊娠にいたる。
【0009】
器具は、女性がそれらの避妊具を開始するおよびを取り外すことを覚えておくことを助けるのに利用可能であるが(例えば、EP1257244を参照)、避妊の効果を維持する、およびまた女性に重大な日付を自動的に思い出させる投薬計画を有することが望ましく、それにより、女性がリング(または他の剤形)を取り外すまたは新たなリング(または他の剤形)を挿入することを忘れるリスク、ならびに妊娠するリスクを回避する。
【0010】
本発明は、この度、避妊剤形の投与のための(および他の周期依存適応症を治療または予防する剤形の投与のための)新たな投薬計画を提供し、避妊効能を維持する一方、改善された投薬遵守をもたらす。この改善された投薬遵守は、本明細書で定義される少なくとも2つの周期の間の本明細書で定義される少なくとも2つの剤形の機能的組み合わせにより、可能になる。投薬遵守は、少なくとも第2の剤形の投与で可能になる。いずれかの少なくとも第2の剤形無しで、投薬遵守できないであろう。従って改善された投薬遵守の効果を得るために、少なくとも2つの剤形の機能的組み合わせは、必須である。
【0011】
本発明の新たな投薬計画は更に、女性が標準21/7投薬計画において13期間であるのに対して1年あたり12期間のみ有することをもたらす。
【0012】
制御された薬物送達器具は、固定継続期間の周期に提供するために制約を課さない。本発明は、この度、固定継続期間の同一の周期により制約されないが柔軟な周期継続期間を可能にする投薬計画を提供することにより、この新たな便宜さを開発する。本発明の投薬計画において使用される剤形の開始および除去が、月の固定された日数で可能になるので、本発明は、使用者が習慣を身につけることを助ける重要な利点を有する。従って、本発明は、規定された周期継続期間の間のホルモン投与の周期を有する避妊投薬計画を提供し、それにより周期継続期間は、周期が開始するカレンダー月の日数に対応するために変動する。
【0013】
本明細書で使用される「月」および「カレンダー月」は、いずれかの月(すなわち、1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、または12月)を意味する。
【0014】
本明細書で使用される「日数」は、月のいずれかの存在する日付である。例えば、1月は、31日数を有する(1月1日、1月2日、1月3日などなど)。2月は、28または29日数を有する、3月は、31日数を有する、4月は、30日数を有するなどである。
【0015】
本発明において使用される「周期」は、周期が開始する月の日数の数の継続期間である。周期の間に、ホルモン摂取相(または期間または間隔)およびホルモン無関与相(a hormone free phase)(または期間または間隔)が存在する。例えば、1月に始まる周期は31日である。2月が閏月であるかまたはないかによって、2月は28日または29日、3月に開始する周期は、31日、4月に開始する周期は、30日、などなどである。また、本発明の周期は、女性におけるホルモンレベルが剤形の使用に起因して増減する、事象の部分環である。ホルモンレベルが増加し、減少し、再び増加し、および再び減少する事象の環を完成させるために、女性は、剤形の少なくとも2つの周期を完了しなければならない。
【0016】
本明細書で使用される「開始すること」は、適用すること、または挿入すること、または避妊具もしくは医薬投与のいずれかの他の形態を意味する。例えば、パッチが適用され、およびリングが挿入される。
【0017】
本明細書で使用される「取り外すこと」は、取り外すことまたは引き剥がすこと、または避妊具もしくは医薬剤形の除去のいずれかの他の形態を意味する。例えば、膣リングが取り除かれ、およびパッチが引き剥がされる。
【0018】
本明細書で使用される剤形は、膣リングまたはパッチなどの徐放性薬物送達器具を意味する。
【0019】
本明細書で使用されるパッチ(経皮的機構)は、いずれかの型のいずれかの(避妊)パッチ(例えば、マトリックス型、貯蔵器型、複数の層を有するパッチ、または使用されるパッチが避妊の少なくとも1周期の間十分な有効成分(複数)を有する限り、薬物が接着剤中に存在するパッチ)である。
【0020】
市場で現在市販されている唯一の避妊パッチは、Evra(登録商標)である。Evra(登録商標)パッチは、しかしながら、避妊の1週間のみの間(すなわち、本明細書で定義される完全な周期の間ではない)十分な有効成分を含む。
【0021】
本明細書で使用される膣リングは、Nuvaring(登録商標)などのいずれかの(避妊用)膣リング、またはWO2004/103336、PCT/EP05/051189、US4,292,965、WO97/02015、EP887074に記載されているものなどの膣リングであり得る。
【0022】
本発明において有用な剤形は、エストロゲン、プロゲストゲンまたはそれらの組み合わせを含み得る。該剤形はまた、抗菌物質、葉酸、ビタミンなどの他の有効成分を、場合により含み得る。
【0023】
本明細書で使用されるプロゲストゲンは、いずれかの適したプロゲストゲン(デソゲストレル、エトノゲストレル、レボノルゲストレル、ノルゲスチメート、ノルゲストロミン、ゲストデン、ノメゲストロールアセテート、ジエノゲスト、ドロスピレノン、またはプロゲストゲン活性を有するいずれか他のステロイド性もしくは非ステロイド性の化合物など)であり得る。
【0024】
本明細書で使用されるエストロゲン様化合物は、エストラジオール、エストリオール、メストラノールおよびエチニルエストラジオールまたはエストロゲン活性を有するいずれか他のステロイド性もしくは非ステロイド性エストロゲンなどの、いずれかの適したエストロゲン(またはその塩もしくはそのエステル)であり得る。
【0025】
本発明の1つの特定の実施形態において、プロゲストゲンは、エトノゲストレルである。もう1つの実施形態において、プロゲストゲンは、ノメゲストロールアセテートである。
【0026】
本発明の1つの実施形態において、エストロゲンはエチニルエストラジオールである。もう1つの実施形態において、エストロゲンはエストラジオール、またはエストラジオール半水和物などのそのエステルもしくはその塩である。
【0027】
1つの特定の実施形態において、プロゲストゲンはエトノゲストレルであり、およびエストロゲンは、エチニルエストラジオールまたはその塩もしくはそのエステルである。
【0028】
もう1つの特定の実施形態において、プロゲストゲンはノメゲストロールアセテートであり、該エストロゲンは、エストラジオールまたはその塩もしくはそのエステルである。
【0029】
特定の実施形態において、プロゲストゲンはエトノゲストレルであり、該エストロゲンは、エストラジオールまたその塩もしくはそのエステルである。
【0030】
もう1つの特定の実施形態において、プロゲストゲンはノメゲストロールアセテートであり、該エストロゲンは、エチニルエストラジオールである。
【0031】
本明細書において、「非ホルモン相」および「ホルモン無関与相」は、ホルモンが投与されない周期の間の相(または期間または間隔)である。
【0032】
本明細書において、「ホルモン相」は、ホルモンが投与される周期の間の相(または期間または間隔)である。
【0033】
本発明において使用される膣リングは、1つ以上の区画を含み得る。それぞれの区画は、1つ以上の層を含み得る。このような膣リングは、このような剤形を作成するために適した任意の材料から作成され得る。例えば、本発明を実行することにおいて使用され得るポリマーは、原則的に、医薬的使用に適した、いずれかの熱可塑性ポリマーまたはエラストマー材料(低密度ポリエチレン、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリアクリレート、およびスチレンブタジエンスチレンコポリマーなど)である。特定の実施形態において、エチレンビニルアセテートコポリマー(ポリ−EVA)が使用され、これは、例えば、商品名:Elvax、Evatane、Lupolen、Movriton、Ultrathene、Ateva、およびVestyparで市販されている。
【0034】
従って、改善された投薬遵守は、剤形がいずれかの月の「n+3」の日に開始し、次の月の「n」の日に取り外される、ヒト女性避妊の方法を使用することにより可能にされ、ここで、「n」は、どの月かと無関係に1から25までの月の日であり、ここで、該方法は少なくとも2周期の間繰り返し実施される。この方法を使用する場合、非ホルモン相は、4日以下の期間である。
【0035】
この改善された投薬遵守はまた、剤形がいずれかの月の「m+4」の日に開始し、次の月の「m」の日に取り外される、ヒト女性避妊の方法を使用することにより可能にされ、ここで、「m」は、どの月かと無関係に1から24までの月の日であり、ここで、該方法は少なくとも2周期の間繰り返し実施される。この方法を使用する場合、非ホルモン相は、5日以下の期間である。
【0036】
この改善された投薬遵守は更に、剤形がいずれかの月の「y+5」の日に開始し、次の月の「y」の日に取り外される、ヒト女性避妊の方法を使用することにより可能にされ、ここで、「y」は、どの月かと無関係に1から23までの月の日であり、ここで、該方法は少なくとも2周期の間繰り返し実施される。この方法を使用する場合、非ホルモン相は、6日以下の期間である。
【0037】
この改善された投薬遵守は、剤形がいずれかの月の「z+6」の日に開始し、次の月の「z」の日に取り外される、ヒト女性避妊の方法を使用することにより可能にされ、ここで、「z」は、どの月かと無関係に1から22までの月の日であり、ここで、該方法は少なくとも2周期の間繰り返し実施される。この方法を使用する場合、非ホルモン相は、7日以下の期間である。
【0038】
本発明の方法は、少なくとも2周期(すなわち、2周期、3周期、4周期、5周期、6周期の間など)で始まる周期のいずれかの数に対して使用され得る。特定の実施形態において、該方法は、少なくとも3周期の間使用される。
【0039】
本発明の避妊の方法において、月の間のホルモン相は、一定ではない。非ホルモン相は、一方で、カレンダー月の間一定である。これらにもかかわらず、本発明により予想される全ての実施形態において、卵巣抑制(避妊を得るのに必要である)は、維持され、およびある場合において、改善さえされる。
【0040】
投薬遵守は、従って、女性が記憶するのに容易な数であると見なす月の特定の日を、女性が選択することが出来るという事実により可能になる。この日において、剤形は、常に取り除かれる。ホルモン相が月の間で一定ではない一方、非ホルモン相が月の間で一定であるという事実とは無関係に、避妊効果は、避妊の期間中維持される。
【0041】
従って、例えば、(n,n+3)投薬計画において、女性は、「n」を、月に関係なく、1から25の間のいずれかの日であるとして選択することが出来る。
【0042】
例えば、第1の月は、たいてい記憶し易い数字である。この例において、(n,n+3)投薬計画において、女性は、「n」を1(すなわち月の第1番目)として選択する。次いで、剤形は、月のそれぞれの4番目の日(月の「n+3」の日)に挿入される(開始される)。例えば、1月の第4の日、2月の第4の日、3月の第4の日などなどである。剤形は、次いで、月のそれぞれの第1の日(例えば、1月の第1の日、2月の第1の日、3月の第1の日などなど)に取り外される。従って、女性はここで、それぞれの月の同じ2つの日、すなわち、月に関係なく第1番目および第4番目のみ記憶する必要がある。本発明を限定しないが、それが月の第1の日に取り外された場合、同時に月の第4の日に、剤形が、開始されるとみなす。ホルモン相の継続期間は、
2月中の25日間
閏年の2月中における26日間
4月、6月、9月、11月における27日間
1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月における28日である。
【0043】
同じ仮定において、ホルモン無関与段階の継続期間は一定であり、3日間続く。挿入(開始)の日の時間が、取り外す日の同じ時間でない場合、次いで、例えば女性が月の第1日の0時01分に剤形を取り外し、月の第4日の23時59分に新しい剤形を挿入する(開始する)時、ホルモン無関与相は、最大4日間までの長さであり得る。従って、主題例(n,n+3)投薬計画において、ホルモン無関与間隔は、3から4日間の間であるが4日間以下である。
【0044】
例えば、1月に始まる丸々1年(うるう年でない)を見る場合、および剤形をそれぞれの月の第4の日に挿入し、同時にそれを次の月の第1の日に取り外すと仮定すると、次いで、各月のこの(n,n+3)投薬計画は、3日間のホルモン無関与期間および以下のようなホルモン投与日数を有する。
【0045】
【表1】

【0046】
概念は、(m,m+4)、(y,y+5)および(z,z+6)と同様である。(m,m+4)投薬計画において、ホルモン無関与相は少なくとも4日間であるが5日間以下であり、(y,y+5)投薬計画において、ホルモン無関与相は少なくとも5日間であるが6日間以下であり、および(z,z+6)投薬計画において、ホルモン無関与相は少なくとも6日間であるが7日間以下である。
【0047】
本発明の投薬計画は少なくとも2つの利点を有する。まず第1に、特定の剤形を用いる女性にとっていずれかの月の特定の日に取り外す(停止する)必要があり、その3、4、5または6日後(女性が選択する投薬計画による)に、いずれかの月の固定された日数に剤形を開始する必要があることは、かなり記憶しやすい事であるので、投薬遵守が可能であることである。第2に、本発明の投薬計画はまた、剤形のより長い原位置期間およびより短いホルモン無関与段階に起因する卵胞発達の抑制を維持しまたは改善する、即ち、本発明の投薬計画は、卵巣の抑制を維持しまたはある場合改善さえする。
【0048】
本発明はまた、少なくとも2つの剤形を含むヒト女性の避妊のための避妊キットを構想し、それぞれの剤形は、2つの連続する周期の1つにおいて使用され、およびそれぞれの剤形は、ある月の「n+3」の日に開始され、次の月の「n」の日(ここで、「n」は、ある月の1から25までの日である。)に取り外される。
【0049】
本発明はまた、少なくとも2つの剤形を含むヒト女性の避妊のための避妊キットを構想し、それぞれの剤形は、2つの連続する周期の1つにおいて使用され、およびそれぞれの剤形は、ある月の「m+4」の日に開始され、次の月の「m」の日(ここで、「m」は、ある月の1から24までの日である。)に取り外される。
【0050】
本発明は更に、少なくとも2つの剤形を含むヒト女性の避妊のための避妊キットを含み、それぞれの剤形は、2つの連続する周期の1つにおいて使用され、およびそれぞれの剤形は、ある月の「y+5」の日に開始され、次の月の「y」の日(ここで、「y」は、ある月の1から23までの日である。)に取り外される。
【0051】
本発明は更に、少なくとも2つの剤形を含むヒト女性の避妊のための避妊キットを提供し、それぞれの剤形は、2つの連続する周期の1つにおいて使用され、およびそれぞれの剤形は、ある月の「z+6」の日に開始され、次の月の「z」の日(ここで、「z」は、ある月の1から22までの日である。)に取り外される。
【0052】
本発明の避妊キットは、少なくとも2周期用のキット(すなわち、2周期、3周期、4周期、5周期、6周期用のキット)で開始する月のいずれかの数を提供し得る。該キットが、例えば、3ヶ月用である場合、次いで、もちろんそれぞれの剤形は、3つの連続する周期の1つにおいて使用されるべきであり、該キットが、例えば、4ヶ月用である場合、次いで、それぞれの剤形は、4つの周期などの1つにおいて使用されるべきである。
【0053】
本発明はまた、ある月の1から25までの月の1つの特定の日を、剤形が常に取り除かれる日として月に無関係に選択することおよび3日後に新たな剤形を常に開始することを含む、投薬計画注意喚起システムを提供する。
【0054】
本発明は更に、ある月の1から24までの月の1つの特定の日を、剤形が常に取り除かれる日として月に無関係に選択することおよび4日後に新たな剤形を常に開始することを含む、投薬計画注意喚起システムを構想する。
【0055】
本発明はまた、ある月の1から23までの月の1つの特定の日を、剤形が常に取り除かれる日として月に無関係に選択することおよび5日後に新たな剤形を常に開始することを含む、投薬計画注意喚起システムを含む。
【0056】
本発明はまた、ある月の1から22までの月の1つの特定の日を、剤形が常に取り除かれる日として月に無関係に選択することおよび6日後に新たな剤形を常に開始することを含む、投薬計画注意喚起システムを提供する。
【0057】
本発明はまた、周期継続期間が、周期が開始された月の日数の数に対応するために変化することを特徴とする、ホルモンが規定された継続期間投与される本発明の剤形のための避妊投薬計画を包含する。規定された継続期間は、少なくとも2ヶ月から始まるいずれかの月数、すなわち、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月などであり得る。1つの具体的な実施形態において、規定された継続期間は3ヶ月である。
【0058】
本発明を以下の実施例において更に説明するが、これらの実施例は特許請求される本発明の範囲を限定する意図のものでは決してない。
【実施例1】
【0059】
薬力学的治験:n,n+3(n=1)
非盲検のランダム化された比較薬力学的治験を、2月、3月および4月の期間に、市販の避妊用膣リング(Nuvaring(登録商標))を用いて、本発明の毎月の投薬計画において実施し、ここで、標準21/7投薬計画に対して、該リングは、月の第4日の日(n+3)に挿入され、次いで次の月の第1の日(n)に取り外される。この治験は、健康的な女性ボランティアにおいて、標準21/7投薬計画における卵巣機能への効果に対する本毎月の投薬計画における卵巣機能への膣リングの効果(薬力学)を評価するために実施される。
【0060】
スクリーニング時点で18歳から40歳の間の40人の健康的な閉経前女性が、3治療周期の治験に参加する。
【0061】
女性を、2つの群、治験組Aおよび治験組Bに分ける。ピルを21日間装着した後7日間リングを装着しない標準投薬計画に従って、治験組Aは、膣リングを使用する。リングを月の各第4日に挿入し、次の月の各第1日に取り外す本発明の投薬計画において、治験組Bは、膣リングを使用する。
【0062】
週3回、血清エストラジオール(E2)、プロゲステロン(P)、LHおよびFSHを測定し、経膣超音波スキャニングを実施する。身体的および婦人科学的試験を、スクリーニング時におよび治療の終了時に実施し、子宮頚部の細胞をスクリーニング時に検査する。
【実施例2】
【0063】
薬力学的治験:m,m+4(m=1)
本質的に上記実施例1に記述した、非盲検のランダム化された比較薬力学的治験を、標準21/7投薬計画に対して、リングを月の各第5日の日(m+4)に挿入し、次いで次の月の第1日(m)に取り除く本発明の毎月の投薬計画において、実施する。
【実施例3】
【0064】
薬力学的治験:y,y+5(y=1)
本質的に上記実施例1に記述した、非盲検のランダム化された比較薬力学的治験を、標準21/7投薬計画に対して、リングを月の各第6日の日(y+5)に挿入し、次いで次の月の第1日(y)に取り除く本発明の毎月の投薬計画において、実施する。
【実施例4】
【0065】
薬力学的治験:z,z+6(z=1)
本質的に上記実施例1に記述した、非盲検のランダム化された比較薬力学的治験を、標準21/7投薬計画に対して、リングを月の各第7日の日(z+6)に挿入し、次いで次の月の第1日(z)に取り除く本発明の毎月の投薬計画において、実施する。
【実施例5】
【0066】
探索性の比較治験
標準21/7投薬計画に対して、実施例1、2、3および4に記載される非盲検の5組の群比較の多施設ランダム化治験を、健康的な女性ボランティアにおいて、本発明の異なる毎月の投薬計画を調査するための、同じ市販の膣避妊リングを用いて実施する。これら種々の毎月の投薬計画の避妊有効性、膣出血特性、安全性、投薬遵守および許容性が、標準21/7投薬計画と比較して評価される。
【0067】
スクリーニング時点で18歳から40歳の間の500人の健康的な閉経前女性が、1年間の治験、即ち本発明の投薬計画の12ヶ月または標準21/7投薬計画に対する13治療周期に参加する。
【0068】
女性を次の5群に分ける。
治験組A:21日間リングを使用し、続く7日間はリングを使用しない標準投薬計画。
治験組B:リングを月の各第4日(n+3)に挿入し、次いで次の月の第1日(n)に取り除く本発明の毎月の投薬計画(3から4日のリングを使用しない期間)。
治験組C:リングを月の各第5日(m+4)に挿入し、次いで次の月の第1日(m)に取り除く本発明の毎月の投薬計画(4から5日のリングを使用しない期間)。
治験組D:リングを月の各第6日(y+5)に挿入し、次いで次の月の第1日(y)に取り除く本発明の毎月の投薬計画(5から6日のリングを使用しない期間)。
治験組E:リングを月の各第7日(z+6)に挿入し、次いで次の月の第1日(z)に取り除く本発明の毎月の投薬計画(6から7日のリングを使用しない期間)。
【0069】
アセスメントを、スクリーニング時に(治療開始の1ヶ月前以内に)ならびに3、6、9および12ヶ月の時点でまたは早期中断の時点で実施する。スクリーニング来診時に、対象は、医学的および婦人科学的履歴を提供し、子宮頚部の細胞診を含む身体的および婦人科学的検査を受ける。身体的および婦人科学的検査は、最終検査来診時に再び実施される。加えて、臨床上の安全性の臨床検査をスクリーニング時および治療の終了時に実施する。全ての検査来診時に、血圧および体重を測定する。子宮内膜厚のアセスメントのための経膣超音波検査をスクリーニング時に実施し、1年後に再び実施する。二重層子宮内膜厚が10mm以上である場合は、子宮内膜生検を実施する。尿の妊娠検査は、各検査来診時に、および治験の間に妊娠が疑われる場合に、研究的治療の開始前に対象により実施される。有害事象の発生および併用薬物の使用を、治験全体を通して記録する。膣出血パターンおよび投薬遵守を日誌カードに記録する。
【実施例6】
【0070】
治験n,n+3(n=1)の安全性および有効性
非盲検の2組の群比較の多施設ランダム化治験を、標準21/7投薬計画に対して、リングを月の各第4日(n+3)に挿入し、次の月の各第1日(n)に取り外す本発明の毎月投薬計画における実施例1から5において用いるのと同じ膣リングについての避妊有効性、膣出血特性、投薬遵守、安全性および許容性を調査するために実施する。
【0071】
スクリーニング時点で18歳から40歳の間の1330人の健康な閉経前女性が、1年間の治験、即ち本発明の投薬計画の12ヶ月または標準21/7投薬計画の13治療周期に参加する。
【0072】
女性を次の2群に分ける。
治験組A:330人の女性は、21日間リングを使用し、続く7日間はリングを使用しない(すなわちホルモンが関与しない)標準投薬計画に参加する。
治験組B:1000人の女性は、リングを各月の第4日(n+3)に挿入し、次の月の第1日(n)に取り外す本発明の毎月の投薬計画に参加する(3から4日のリングを使用しない期間)。
【0073】
アセスメントを、スクリーニング時に(治療開始前の1ヶ月以内に)ならびに3、6、9および12ヶ月の時点でまたは早期中断の時点で実施する。スクリーニング来診時に、対象は、医学的および婦人科学的履歴を提供し、子宮頚部の細胞診を含む身体的および婦人科学的検査を受ける。身体的および婦人科学的検査ならびに子宮頚部の細胞診は、最終検査来診時に再び実施される。加えて、臨床上の安全性の臨床検査をスクリーニング時および治療の終了時に実施する。全ての検査来診時に、血圧および体重を測定する。尿の妊娠検査は、各検査来診時に、および治験の間に妊娠が疑われる場合に、研究的治療の開始前に対象により実施される。有害事象の発生および併用薬物の使用を、治験全体を通して記録する。膣出血パターンおよび投薬遵守を日誌カードに記録する。
【0074】
調査された投薬計画は、標準21/7投薬計画と比較して非常に高い投薬遵守をもたらすことが判明する。
【実施例7】
【0075】
治験m,m+4(m=1)の安全性および有効性
本質的に実施例6に記載のとおりである非盲検の2組の群比較の多施設ランダム化治験を、標準21/7投薬計画に対して、リングを月の各第5日(m+4)に挿入し、次の月の各第1日(m)に取り外す本発明の毎月投薬計画における実施例1から5において用いるのと同じ膣リングについての避妊有効性、膣出血特性、投薬遵守、安全性および許容性を調査するために実施する。
【0076】
調査された投薬計画は、標準21/7投薬計画と比較して非常に高い投薬遵守をもたらすことが判明する。
【実施例8】
【0077】
治験y,y+5(y=1)の安全性および有効性
本質的に実施例6に記載のとおりである非盲検の2組の群比較の多施設ランダム化治験を、標準21/7投薬計画に対して、リングを月の各第6日(y+5)に挿入し、次の月の各第1日(y)に取り外す本発明の毎月投薬計画における実施例1から5において用いるのと同じ膣リングについての避妊有効性、膣出血特性、投薬遵守、安全性および許容性を調査するために実施する。
【0078】
調査された投薬計画は、標準21/7投薬計画と比較して非常に高い投薬遵守をもたらすことが判明する。
【実施例9】
【0079】
治験z,z+6(z=1)の安全性および有効性
本質的に実施例6に記載のとおりである非盲検の2組の群比較の多施設ランダム化治験を、標準21/7投薬計画に対して、リングを月の各第7日(z+6)に挿入し、次の月の各第1日(z)に取り外す本発明の毎月投薬計画における実施例1から5において用いるのと同じ膣リングについての避妊有効性、膣出血特性、投薬遵守、安全性および許容性を調査するために実施する。
【0080】
調査された投薬計画は、標準21/7投薬計画と比較して非常に高い投薬遵守をもたらすことが判明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剤形をある月の「n+3」の日に開始し、剤形を次の月の「n」の日に取り外すことを含むヒト女性避妊の方法であり、ここで、「n」が、1から25までの月の日であり、前記方法が、少なくとも2周期の間繰り返し実施される、前記方法。
【請求項2】
剤形をある月の「m+4」の日に開始し、剤形を次の月の「m」の日に取り外すことを含むヒト女性避妊の方法であり、ここで、「m」が、1から24までの月の日であり、前記方法が、少なくとも2周期の間繰り返し実施される、前記方法。
【請求項3】
剤形をある月の「y+5」の日に開始し、剤形を次の月の「y」の日に取り外すことを含むヒト女性避妊の方法であり、ここで、「y」が、1から23までの月の日であり、前記方法が、少なくとも2周期の間繰り返し実施される、前記方法。
【請求項4】
剤形をある月の「z+6」の日に開始し、剤形を次の月の「z」の日に取り外すことを含むヒト女性避妊の方法であり、ここで、「z」が、1から22までの月の日であり、前記方法が、少なくとも2周期の間繰り返し実施される、前記方法。
【請求項5】
剤形が、膣リングである、請求項1から4に記載の方法。
【請求項6】
開始が、経膣投与である、請求項1から4に記載の方法。
【請求項7】
剤形が、パッチである、請求項1から4に記載の方法。
【請求項8】
剤形が、エストロゲンおよびプロゲストゲンを含む、請求項1から4に記載の方法。
【請求項9】
プロゲストゲンが、エトノゲストレルであり、およびエストロゲンが、エストラジオールまたはその塩もしくはそのエステルであり、またはエストロゲンが、エチニルエストラジオールである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
プロゲストゲンが、ノメゲストロールアセテートであり、およびエストロゲンが、エストラジオールまたはその塩もしくはそのエステルであり、またはエストロゲンが、エチニルエストラジオールである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
剤形が、熱可塑性材料から作られる、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
剤形が、1つ以上の区画を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
それぞれの区画が、1つ以上の層を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも2つの剤形を含むヒト女性の避妊のための避妊キットであり、それぞれの剤形が2つの連続する周期の1つにおいて使用され、およびそれぞれの剤形が、ある月の「n+3」の日に開始され、次の月の「n」の日(ここで、「n」は、ある月の1から25までの日である。)に取り外される、前記避妊キット。
【請求項15】
少なくとも2つの剤形を含むヒト女性の避妊のための避妊キットであり、それぞれの剤形が2つの連続する周期の1つにおいて使用され、およびそれぞれの剤形が、ある月の「m+4」の日に開始され、次の月の「m」の日(ここで、「m」は、ある月の1から24までの日である。)に取り外される、前記避妊キット。
【請求項16】
少なくとも2つの剤形を含むヒト女性の避妊のための避妊キットであり、それぞれの剤形が2つの連続する周期の1つにおいて使用され、およびそれぞれの剤形が、ある月の「y+5」の日に開始され、次の月の「y」の日(ここで、「y」は、ある月の1から23までの日である。)に取り外される、前記避妊キット。
【請求項17】
少なくとも2つの剤形を含むヒト女性の避妊のための避妊キットであり、それぞれの剤形が2つの連続する周期の1つにおいて使用され、およびそれぞれの剤形が、ある月の「z+6」の日に開始され、次の月の「z」の日(ここで、「z」は、ある月の1から22までの日である。)に取り外される、前記避妊キット。
【請求項18】
3つの剤形を含む、請求項14から17に記載の避妊キット。
【請求項19】
剤形が、膣リングである、請求項14から18に記載のキット。
【請求項20】
開始が、経膣投与である、請求項14から17に記載のキット。
【請求項21】
剤形が、パッチである、請求項14から18に記載のキット。
【請求項22】
剤形が、エストロゲンおよびプロゲストゲンを含む、請求項14から17に記載のキット。
【請求項23】
プロゲストゲンが、エトノゲストレルであり、およびエストロゲンが、エストラジオールまたはその塩もしくはそのエステルであり、またはエストロゲンが、エチニルエストラジオールである、請求項22に記載のキット。
【請求項24】
プロゲストゲンが、ノメゲストロールアセテートであり、およびエストロゲンが、エストラジオールまたはその塩もしくはそのエステルであり、またはエストロゲンが、エチニルエストラジオールである、請求項22に記載のキット。
【請求項25】
剤形が、熱可塑性材料から作られる、請求項19に記載のキット。
【請求項26】
剤形が、1つ以上の区画を含む、請求項19に記載のキット。
【請求項27】
それぞれの区画が、1つ以上の層を含む、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
ある月の1から25までの月の1つの特定の日を、剤形が常に取り除かれる日として月に無関係に選択することおよび3日後に新たな剤形を開始することを含む、投薬計画注意喚起システム。
【請求項29】
ある月の1から24までの月の1つの特定の日を、剤形が常に取り除かれる日として月に無関係に選択することおよび4日後に新たな剤形を開始することを含む、投薬計画注意喚起システム。
【請求項30】
ある月の1から23までの月の1つの特定の日を、剤形が常に取り除かれる日として月に無関係に選択することおよび5日後に新たな剤形を開始することを含む、投薬計画注意喚起システム。
【請求項31】
ある月の1から22までの月の1つの特定の日を、剤形が常に取り除かれる日として月に無関係に選択することおよび6日後に新たな剤形を開始することを含む、投薬計画注意喚起システム。
【請求項32】
剤形が膣リングである、請求項28から31に記載の注意喚起システム。
【請求項33】
開始が経膣投与である、請求項28から31に記載の注意喚起システム。
【請求項34】
剤形がパッチである、請求項28から31に記載の注意喚起システム。
【請求項35】
ホルモンが、規定された継続期間の間投与され、周期継続期間が、周期が開始する月の日数の数に対応するために変化することを特徴とする、避妊投薬計画。
【請求項36】
規定された継続期間が、少なくとも3ヶ月である、請求項35に記載の避妊投薬計画。

【公表番号】特表2008−543935(P2008−543935A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518253(P2008−518253)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/023383
【国際公開番号】WO2007/001888
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】