説明

部品内蔵配線基板の製造方法

【課題】樹脂充填材とコア基板との密着性を改善することにより、信頼性に優れた部品内蔵配線基板を製造することが可能な部品内蔵配線基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】コア基板準備工程ではコア基板11を準備し、収容穴部形成工程では収容穴部90をコア基板11に形成し、貫通穴部形成工程では貫通穴部14を形成する。めっき層形成工程では、収容穴部90の内壁面91に対してめっき層92を形成するとともに、貫通穴部14の内壁面に対して、空洞部を有するスルーホール導体となるめっき層71を形成する。収容工程では、部品101を収容穴部90に収容する。樹脂埋め工程では、収容穴部90の内壁面91と部品側面106との隙間、及び、空洞部に対して、樹脂充填材93を充填して埋める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部にコンデンサなどの部品が収容されている部品内蔵配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される半導体集積回路素子(ICチップ)は、近年ますます高速化、高機能化しており、これに付随して端子数が増え、端子間ピッチも狭くなる傾向にある。一般的にICチップの底面には多数の端子が密集してアレイ状に配置されており、このような端子群はマザーボード側の端子群に対してフリップチップの形態で接続される。但し、ICチップ側の端子群とマザーボード側の端子群とでは端子間ピッチに大きな差があることから、ICチップをマザーボード上に直接的に接続することは困難である。そのため、通常はICチップをICチップ搭載用配線基板上に搭載してなるパッケージを作製し、そのパッケージをマザーボード上に搭載するという手法が採用される。この種のパッケージを構成するICチップ搭載用配線基板においては、ICチップのスイッチングノイズの低減や電源電圧の安定化を図るために、コンデンサ(「キャパシタ」とも言う)を設けることが提案されている。その一例として、高分子材料製のコア基板内にコンデンサを埋め込むとともに、そのコア基板の表面及び裏面にビルドアップ層を形成した配線基板が従来提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
上記従来の配線基板の製造方法の一例を以下に説明する。まず、コア主面201及びコア裏面202の両方にて開口する収容穴部203を有する高分子材料製のコア基板204を準備する(図15参照)。併せて、コンデンサ主面205及びコンデンサ裏面206にそれぞれ複数の表層電極207を突設したコンデンサ208(図15参照)を準備する。次に、コア裏面202側に粘着テープ209を貼り付けるテーピング工程を行い、収容穴部203のコア裏面202側の開口をあらかじめシールする。そして、収容穴部203内にコンデンサ208を収容する収容工程を行い、コンデンサ裏面206を粘着テープ209の粘着面に貼り付けて仮固定する(図15参照)。次に、収容穴部203の内壁面210とコンデンサ208の側面との隙間A1を、コア主面201に接する樹脂充填材211の一部で埋めて樹脂充填材211を硬化収縮させることにより、コンデンサ208を固定する(図16参照)。そして、粘着テープ209を剥離した後、コア主面201側に対して、樹脂層間絶縁層及び導体層を交互に積層して主面側ビルドアップ層を形成するとともに、コア裏面202側に対して、樹脂層間絶縁層及び導体層を交互に積層して裏面側ビルドアップ層を形成する。その結果、所望の配線基板が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−217544号公報(図1等)
【特許文献2】特開2002−237683号公報(図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記の構造においては、コア基板204と樹脂充填材211とが異なる種類の樹脂材料からなり、熱膨張係数が互いに異なることが一般的に多い。このため、コア基板204と樹脂充填材211との熱膨張係数差に起因して、収容穴部203の内壁面210と、内壁面210に接する樹脂充填材211の接触面212との密着性に問題が生じる場合が多い。ゆえに、樹脂充填材211とコア基板204との間にデラミネーションが発生して、製造される配線基板が不良品となるため、配線基板の信頼性が低下するおそれがある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、樹脂充填材とコア基板との密着性を改善することにより、信頼性に優れた部品内蔵配線基板を製造することが可能な部品内蔵配線基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、コア主面及びコア裏面を有するコア基板を準備するコア基板準備工程と、少なくとも前記コア主面側にて開口する収容穴部を前記コア基板に形成する収容穴部形成工程と、前記コア基板においてその厚さ方向に貫通する貫通穴部を形成する貫通穴部形成工程と、前記収容穴部の内壁面に対してめっき層を形成するとともに、前記貫通穴部の内壁面に対して、空洞部を有するスルーホール導体となるめっき層を形成するめっき層形成工程と、部品主面、部品裏面及び部品側面を有する部品を、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で前記収容穴部に収容する収容工程と、前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間、及び、前記空洞部に対して、樹脂充填材を充填して埋める樹脂埋め工程と、前記コア主面及び前記部品主面の上において、樹脂層間絶縁層及び導体層を交互に積層して配線積層部を形成する配線積層部形成工程とを含むことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法がある。
【0008】
従って、上記手段1の部品内蔵配線基板の製造方法によると、めっき層形成工程において収容穴部の内壁面に対してめっき層を形成している。その結果、樹脂埋め工程において収容穴部の内壁面と部品側面との隙間に対して樹脂充填材を形成して埋めた際に、樹脂充填材を収容穴部の内壁面に確実に密着させることができる。ゆえに、デラミネーション等の発生を防止することができるため、信頼性に優れた部品内蔵配線基板を得ることができる。また、めっき層形成工程では、収容穴部の内壁面に対してめっき層を形成する工程と、貫通穴部の内壁面に対してめっき層を形成する工程とを同時に行うことができるため、製造コストを抑えることができる。
【0009】
しかも、手段1では、収容穴部の内壁面に形成されためっき層により、スルーホール導体からのノイズを遮蔽することができる。また、部品からのノイズが部品の外部に影響を与えることも防止できる。ゆえに、ノイズ障害となる不具合を低減することができる。また、めっき層によってノイズを遮蔽できることから、スルーホール導体と部品とを互いに接近させて配置できるため、部品内蔵配線基板内の配線を密集させて部品内蔵配線基板の小型化を図ることができる。
【0010】
以下、部品内蔵配線基板の製造方法について説明する。
【0011】
コア基板準備工程では、コア主面及びコア裏面を有するコア基板を、従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。続く収容穴部形成工程では、少なくともコア主面にて開口する収容穴部をコア基板に形成する。即ち、この収容穴部は、コア主面側のみにて開口する非貫通穴であってもよく、あるいはコア主面側及びコア裏面側の両方にて開口する貫通穴であってもよい。
【0012】
コア基板を形成する材料は特に限定されないが、好ましいコア基板は高分子材料を主体として形成される。コア基板を形成するための高分子材料の具体例としては、例えば、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド・トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)などがある。
【0013】
なお、コア基板の厚さは特に限定されないが、例えば0.3mm以上0.5mm以下であることが好ましい。仮に、コア基板の厚さが0.3mm未満であると、コア基板が肉薄になるため、コア基板の強度、ひいては部品内蔵配線基板全体の強度が低下してしまう。一方、コア基板の厚さが0.5mmよりも大きいと、空洞部が細長く深い形状となるため、空洞部に対して樹脂充填材を充填して埋めることが困難になる。
【0014】
続く貫通穴部形成工程では、コア基板においてその厚さ方向に貫通する貫通穴部を形成する。続くめっき層形成工程では、収容穴部の内壁面に対してめっき層を形成するとともに、貫通穴部の内壁面に対して、空洞部を有するスルーホール導体となるめっき層を形成する。
【0015】
なお、めっき層は、導電性の金属材料などによって形成することが可能である。めっき層を構成する金属材料としては、例えばチタン、モリブデン、銅、クロム、コバルト、タングステン、ニッケル、タンタル、ニオブなどが挙げられる。特に、めっき層を構成する金属材料としては、できれば銅などの良導体を用いることが好ましい。
【0016】
また、めっき層の厚さは特に限定されないが、例えば2μm以上50μm以下に設定されることがよい。即ち、この厚さが2μm未満であると、めっき層を配置したとしても上記のノイズを十分に遮蔽することができない。また、この厚さが50μmを超えるような場合には、めっき層を形成しにくくなるおそれがある。
【0017】
さらに、めっき層形成工程後かつ樹脂埋め工程前に、収容穴部の内壁面に形成されためっき層の表面、及び、貫通穴部の内壁面に形成されためっき層の表面のうち、少なくとも収容穴部の内壁面に形成されためっき層の表面を粗化する表面粗化工程を行うことが好ましい。このようにすれば、めっき層の表面に凹凸が形成されて表面積が大きくなるため、樹脂埋め工程において収容穴部の内壁面と部品側面との隙間に対して樹脂充填材を形成して埋めた際に、樹脂充填材を収容穴部の内壁面に確実に密着させることができる。
【0018】
なお、表面粗化工程は、めっき層形成工程後かつ収容工程前に実行されるものであってもよいし、収容工程後かつ樹脂埋め工程前に実行されるものであってもよい。表面粗化工程をめっき層形成工程後かつ収容工程前に実行させるようにすれば、めっき層の表面の粗化を、部品に邪魔されずに行うことができる。一方、表面粗化工程を収容工程後かつ樹脂埋め工程前に実行させるようにすれば、めっき層の表面に加えて、部品の表面にある構成(電極など)も粗化することができる。
【0019】
なお、特にめっき層の表面が粗化されている場合、めっき層は、収容穴部の内壁面、貫通穴部の内壁面、コア主面及びコア裏面を含むコア基板の表面全体に対してめっきを行うことにより形成された全面めっき層であることが好ましい。このようにすれば、粗化面であるめっき層の表面積がさらに大きくなるため、樹脂埋め工程を行った際に、めっき層と樹脂充填材との接触面積がさらに増大し、樹脂充填材とコア基板との密着性がよりいっそう向上する。しかも、めっき層によってノイズをよりいっそう確実に遮蔽できる。
【0020】
続く収容工程では、コア主面と部品主面とを同じ側に向けた状態で、収容穴部に部品を収容する。なお、部品は、完全に埋設された状態で収容穴部に収容されていてもよいし、一部分が収容穴部の開口部から突出した状態で収容穴部に収容されていてもよいが、完全に埋設された状態で収容穴部に収容されることが好ましい。このようにすれば、収容工程が終了した際に、収容穴部の開口部からの部品の突出を防止できる。しかも、後の樹脂埋め工程においてコア主面及び部品主面の上に樹脂層間絶縁層を形成する際に、コア主面及び部品主面に接する樹脂層間絶縁層の表面を平坦にすることができ、部品内蔵配線基板の寸法精度が向上する。
【0021】
また、収容工程において収容穴部に収容される部品は、部品主面、部品裏面及び部品側面を有している。部品の形状は、任意に設定することが可能であるが、例えば、部品主面の面積が部品側面の面積よりも大きい板状であることが好ましい。このようにすれば、収容穴部に部品を収容した際に、収容穴部の内壁面と部品側面との距離が小さくなるため、収容穴部に充填される樹脂充填材の体積をそれ程大きくしなくても済む。また、部品の平面視での形状としては、複数の辺を有する平面視多角形状であることが好ましい。平面視多角形状としては、例えば、平面視略矩形状、平面視略三角形状、平面視略六角形状などを挙げることができるが、特には、一般的な形状である平面視略矩形状であることが好ましい。ここで、「平面視略矩形状」とは、平面視で完全な矩形状のみをいうのではなく、角部が面取りされた形状や、辺の一部が曲線となっている形状も含むものとする。
【0022】
なお、好適な部品としては、コンデンサ、半導体集積回路素子(ICチップ)、半導体製造プロセスで製造されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などを挙げることができる。
【0023】
また、好適なコンデンサの例としては、チップコンデンサや、誘電体層を介して複数の内部電極層が積層配置された構造を有し、複数の内部電極層に接続される複数のビア導体、及び、複数のビア導体における少なくとも部品主面側の端部に接続された複数の表層電極とを備えるコンデンサなどを挙げることができる。なお、コンデンサは、複数のビア導体が全体としてアレイ状に配置されたビアアレイタイプのコンデンサであることが好ましい。このような構造であれば、コンデンサのインダクタンスの低減化が図られ、ノイズ吸収や電源変動平滑化のための高速電源供給が可能となる。また、コンデンサ全体の小型化が図りやすくなり、ひいては部品内蔵配線基板全体の小型化も図りやすくなる。しかも、小さい割りに高静電容量が達成しやすく、より安定した電源供給が可能となる。
【0024】
コンデンサを構成する誘電体層としては、セラミック誘電体層、樹脂誘電体層、セラミック−樹脂複合材料からなる誘電体層などが挙げられる。
【0025】
内部電極層、ビア導体、表層電極としては特に限定されないが、例えば誘電体層がセラミック誘電体層である場合にはメタライズ導体であることが好ましい。なお、メタライズ導体は、金属粉末を含む導体ペーストを従来周知の手法、例えばメタライズ印刷法で塗布した後に焼成することにより、形成される。
【0026】
続く樹脂埋め工程では、収容穴部の内壁面と部品側面との隙間、及び、空洞部に対して、樹脂充填材を充填して埋める。なお、樹脂充填材は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。樹脂充填材を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
【0027】
なお、樹脂埋め工程は、コア主面及び部品主面の上に樹脂充填材の形成材料であるシート状の絶縁層を貼付する絶縁層貼付工程と、絶縁層貼付工程後、加熱加圧することにより、絶縁層の一部を収容穴部の内壁面と部品側面との隙間に落とし込んで部品を固定するとともに、絶縁層の一部を空洞部に落とし込んで埋める充填工程とを含んでいてもよい。このようにすれば、充填工程において、部品を固定する工程と空洞部を埋める工程とを同時に行うことができるため、製造コストをよりいっそう抑えることができる。また、絶縁層(樹脂充填材)の一部を用いて部品の固定と空洞部の充填とが行われるため、収容穴部の内壁面と部品側面との隙間に落とし込まれる樹脂充填材と、空洞部に落とし込まれる樹脂充填材とは、実質的に同一組成の樹脂材料によって形成されることとなる。従って、部品を固定する工程を行う場合と空洞部を埋める工程を行う場合とで別の材料を準備しなくても済む。よって、部品内蔵配線基板の製造に必要な材料が少なくなるため、部品内蔵配線基板の低コスト化を図ることが可能となる。しかも、樹脂充填材の形成材料がシート状の絶縁層であるため、絶縁層が液状である場合に比べて、絶縁層の一部で収容穴部の内壁面と部品側面との隙間を埋めたり空洞部を埋めたりする際の取り扱いが容易になる。
【0028】
また、樹脂埋め工程は、収容穴部のコア主面側開口、または、貫通穴部のコア主面側開口をカバー部材で塞ぐ閉塞工程と、収容穴部及び貫通穴部のうちコア主面側開口がカバー部材に塞がれていない側の穴部に、樹脂充填材の形成材料である穴埋め材を充填する第1充填工程と、第1充填工程後、コア主面側からカバー部材を除去する除去工程と、除去工程後、コア主面の上に樹脂充填材の形成材料であるシート状の絶縁層を貼付する絶縁層貼付工程と、絶縁層貼付工程後、加熱加圧することにより、収容穴部及び貫通穴部のうち穴埋め材が充填されていない側の穴部に、絶縁層の一部を落とし込む第2充填工程とを含んでいてもよい。このようにすれば、部品を固定する工程と空洞部を埋める工程とでそれぞれに適した材料を用いることができるため、樹脂埋め工程を確実に行うことができる。例えば、穴埋め材の形成材料として液状の材料を用いれば、収容穴部の内壁面と部品側面との隙間、及び、空洞部に対する穴埋め材の追従性が向上するため、樹脂埋め工程を確実に行うことができる。
【0029】
なお、部品内蔵配線基板が、配線基板となるべき基板形成領域が平面方向に沿って複数配置された多数個取り用配線基板である場合、閉塞工程では、収容穴部のコア主面側開口をカバー部材で塞ぎ、第1充填工程では、貫通穴部に穴埋め材を充填し、第2充填工程では、収容穴部に絶縁層の一部を落とし込むことが好ましい。一般的に、コンデンサなどの部品を収容するための収容穴部は、1つの基板形成領域につき1つのみ存在する。一方、スルーホール導体が形成される貫通穴部は、1つの基板形成領域において多数存在する。よって、収容穴部のコア主面側開口をカバー部材で塞ぐようにすれば、貫通穴部のコア主面側開口をカバー部材で塞ぐ場合よりもカバー部材の数を減らすことができるため、部品内蔵配線基板の製造が容易になる。
【0030】
続く配線積層部形成工程では、コア主面及び部品主面の上において、樹脂層間絶縁層及び導体層を交互に積層して配線積層部を形成する。このようにすれば、配線積層部に電気回路を形成できるため、部品内蔵配線基板の高機能化を図ることができる。また、配線積層部は、コア主面及び部品主面の上にのみ形成されるが、さらにコア裏面及び部品裏面の上にも配線積層部と同じ構造の積層部が形成されていてもよい。このように構成すれば、コア主面及び部品主面の上に形成された配線積層部のみではなく、コア裏面及び部品裏面の上に形成された積層部にも電気回路を形成できるため、部品内蔵配線基板のよりいっそうの高機能化を図ることができる。
【0031】
樹脂層間絶縁層は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。樹脂層間絶縁層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。
【0032】
一方、導体層は、導電性の金属材料などによって形成することが可能である。導体層を構成する金属材料としては、例えば銅、銀、鉄、コバルト、ニッケルなどが挙げられる。
【0033】
なお、めっき層が上記した全面めっき層である場合、樹脂埋め工程後かつ配線積層部形成工程前に、樹脂充填材を薄くすることにより、樹脂充填材の表面をコア主面上に形成されためっき層の表面と同じ高さに合わせる高さ合わせ工程を行うことが好ましい。このようにすれば、樹脂充填材の表面がコア主面上に形成されためっき層の表面と面一になる。よって、樹脂充填材の表面及びめっき層の表面に接する樹脂層間絶縁層の表面を平坦にすることができ、部品内蔵配線基板の寸法精度が向上する。
【0034】
なお、高さ合わせ工程において、樹脂充填材を薄くすることにより、樹脂充填材の表面をコア主面上に形成されためっき層の表面と同じ高さに合わせる方法としては、樹脂充填材の一部を機械的に除去する方法や、樹脂充填材の一部を化学的に除去する方法などを挙げることができる。しかし、高さ合わせ工程では、樹脂充填材の一部を機械的に除去することが好ましい。このようにすれば、樹脂充填材の一部を化学的に除去する場合よりも低コストかつ簡単に高さ合わせ工程を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態の配線基板を示す概略断面図。
【図2】同じく、セラミックコンデンサを示す概略断面図。
【図3】同じく、セラミックコンデンサの内層における接続を示す概略説明図。
【図4】同じく、セラミックコンデンサの内層における接続を示す概略説明図。
【図5】同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。
【図6】同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。
【図7】同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。
【図8】同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。
【図9】同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。
【図10】同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。
【図11】第2実施形態における配線基板の製造方法を示す説明図。
【図12】同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。
【図13】同じく、配線基板の製造方法を示す説明図。
【図14】他の実施形態における配線基板を示す概略断面図。
【図15】従来技術における配線基板の製造方法の説明図。
【図16】同じく、配線基板の製造方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[第1実施形態]
以下、本発明の部品内蔵配線基板を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0037】
図1に示されるように、本実施形態の部品内蔵配線基板(以下「配線基板」という)10は、ICチップ搭載用の配線基板である。配線基板10は、略矩形板状のコア基板11と、コア基板11のコア主面12(図1では上面)上に形成される主面側ビルドアップ層31(配線積層部)と、コア基板11のコア裏面13(図1では下面)上に形成される裏面側ビルドアップ層32(積層部)とからなる。
【0038】
本実施形態のコア基板11は、縦25mm×横25mm×厚さ0.4mmの平面視略矩形板状である。コア基板11は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなり、平面方向(XY方向)における熱膨張係数が10〜30ppm/℃程度(具体的には18ppm/℃)となっている。なお、コア基板11の熱膨張係数は、0℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。
【0039】
図1に示されるように、コア基板11には、複数の貫通穴部14がコア主面12及びコア裏面13を貫通するように形成されている。そして、各貫通穴部14の内壁面には、空洞部15(図6,図7参照)を有するスルーホール導体16が形成されている。かかるスルーホール導体16は、コア基板11のコア主面12側とコア裏面13側とを接続導通している。なお、空洞部15は、高分子材料(本実施形態では、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂)からなる樹脂充填材93で埋められている。また、コア基板11のコア主面12には、銅からなる主面側導体層17がパターン形成され、コア基板11のコア裏面13には、同じく銅からなる裏面側導体層18がパターン形成されている。各導体層17,18は、スルーホール導体16に電気的に接続されている。
【0040】
図1に示されるように、コア基板11は、コア主面12の中央部及びコア裏面13の中央部にて開口する平面視で矩形状の収容穴部90を1つ有している。即ち、収容穴部90は貫通穴である。また、収容穴部90の内壁面91上には、内壁面91の全体を覆うめっき層92が配置されている。
【0041】
そして、収容穴部90内には、図2〜図4に示すセラミックコンデンサ101(部品)が埋め込まれた状態で収容されている。なお、セラミックコンデンサ101は、コア基板11のコア主面12とコンデンサ主面102(図1では上面)とを同じ側に向け、かつ、コア基板11のコア裏面13とコンデンサ裏面103(図1では下面)とを同じ側に向けた状態で収容されている。本実施形態のセラミックコンデンサ101は、縦14.0mm×横14.0mm×厚さ0.4mmの平面視略矩形状をなす板状物である。
【0042】
図1〜図4に示されるように、本実施形態のセラミックコンデンサ101は、いわゆるビアアレイタイプのコンデンサである。セラミックコンデンサ101を構成するセラミック焼結体104の熱膨張係数は、8〜12ppm/℃程度であり、具体的には9.5ppm/℃程度となっている。なお、セラミック焼結体104の熱膨張係数は、30℃〜250℃間の測定値の平均値をいう。また、セラミック焼結体104は、部品主面である1つのコンデンサ主面102(図1では上面)、部品裏面である1つのコンデンサ裏面103(図1では下面)、及び、部品側面である4つのコンデンサ側面106を有している。セラミック焼結体104は、セラミック誘電体層105を介して電源用内部電極層141とグランド用内部電極層142とを交互に積層配置した構造を有している。セラミック誘電体層105は、高誘電体セラミックの一種であるチタン酸バリウムの焼結体からなり、電源用内部電極層141及びグランド用内部電極層142間の誘電体として機能する。電源用内部電極層141及びグランド用内部電極層142は、いずれもニッケルを主成分として形成された層であって、セラミック焼結体104の内部において一層おきに配置されている。
【0043】
図1〜図4に示されるように、セラミック焼結体104には、多数のビアホール130が形成されている。これらのビアホール130は、セラミック焼結体104をその厚さ方向に貫通するとともに、全面にわたってアレイ状(例えば格子状)に配置されている。各ビアホール130内には、セラミック焼結体104のコンデンサ主面102及びコンデンサ裏面103間を連通する複数のビア導体131,132が、ニッケルを主材料として形成されている。各電源用ビア導体131は、各電源用内部電極層141を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各グランド用ビア導体132は、各グランド用内部電極層142を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各電源用ビア導体131及び各グランド用ビア導体132は、全体としてアレイ状に配置されている。本実施形態では、説明の便宜上、ビア導体131,132を5列×5列で図示したが、実際にはさらに多くの列が存在している。
【0044】
そして図2に示されるように、セラミック焼結体104のコンデンサ主面102上には、複数の主面側電源用電極111(表層電極)と複数の主面側グランド用電極112(表層電極)とが突設されている。なお、各主面側グランド用電極112は、コンデンサ主面102上において個別に形成されているが、一体に形成されていてもよい。主面側電源用電極111は、複数の電源用ビア導体131におけるコンデンサ主面102側の端面に対して直接接続され、主面側グランド用電極112は、複数のグランド用ビア導体132におけるコンデンサ主面102側の端面に対して直接接続されている。また、セラミック焼結体104のコンデンサ裏面103上には、複数の裏面側電源用電極121(表層電極)と複数の裏面側グランド用電極122(表層電極)とが突設されている。なお、各裏面側グランド用電極122は、コンデンサ裏面103上において個別に形成されているが、一体に形成されていてもよい。裏面側電源用電極121は、複数の電源用ビア導体131におけるコンデンサ裏面103側の端面に対して直接接続され、裏面側グランド用電極122は、複数のグランド用ビア導体132におけるコンデンサ裏面103側の端面に対して直接接続されている。よって、電源用電極111,121は電源用ビア導体131及び電源用内部電極層141に導通しており、グランド用電極112,122はグランド用ビア導体132及びグランド用内部電極層142に導通している。また、電極111,112,121,122は、ニッケルを主材料として形成され、表面が図示しない銅めっき層によって被覆されている。
【0045】
例えば、電極111,112側から通電を行い、電源用内部電極層141−グランド用内部電極層142間に電圧を加えると、電源用内部電極層141に例えばプラスの電荷が蓄積し、グランド用内部電極層142に例えばマイナスの電荷が蓄積する。その結果、セラミックコンデンサ101がコンデンサとして機能する。また、セラミック焼結体104では、電源用ビア導体131及びグランド用ビア導体132がそれぞれ隣接して配置され、かつ、電源用ビア導体131及びグランド用ビア導体132を流れる電流の方向が互いに逆向きになるように設定されている。その結果、インダクタンス成分の低減化が図られる。
【0046】
図1に示されるように、セラミックコンデンサ101のコンデンサ主面102上には、上記した樹脂充填材93が形成されている。そして、収容穴部90の内壁面91(本実施形態では、めっき層92の表面)と、セラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106との隙間は、樹脂充填材93の一部で埋められている。即ち、樹脂充填材93は、セラミックコンデンサ101をコア基板11に固定する機能を有している。また、樹脂充填材93の完全硬化状態での熱膨張係数は、10〜60ppm/℃程度であり、具体的には20ppm/℃程度となっている。なお、樹脂充填材93の完全硬化状態での熱膨張係数は、30℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。さらに、セラミックコンデンサ101は、四隅に面取り寸法0.55mm以上(本実施形態では面取り寸法0.6mm)の面取り部を有している。その結果、温度変化に伴う樹脂充填材93の変形時において、セラミックコンデンサ101の角部への応力集中を緩和できるため、樹脂充填材93のクラックの発生を防止できる。
【0047】
図1に示されるように、裏面側ビルドアップ層32は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる2層の樹脂層間絶縁層34,36と、銅からなる導体層42とを交互に積層した構造を有している。即ち、樹脂層間絶縁層34,36は、樹脂充填材93と実質的に同一組成の樹脂材料によって形成されている。よって、樹脂層間絶縁層34,36の熱膨張係数は、樹脂充填材93の完全硬化状態での熱膨張係数と同じ値となっており、10〜60ppm/℃程度(具体的には20ppm/℃程度)となっている。なお、樹脂層間絶縁層34,36の熱膨張係数は、30℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。また、樹脂層間絶縁層34,36内には、それぞれ銅めっきによって形成されたビア導体47が設けられている。樹脂層間絶縁層34,36内に設けられたビア導体47の一部は、セラミックコンデンサ101の電極121,122に接続されている。また、第2層の樹脂層間絶縁層36の下面上における複数箇所には、ビア導体47を介して導体層42に電気的に接続されるパッド48が格子状に形成されている。さらに、樹脂層間絶縁層36の下面は、ソルダーレジスト38によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト38の所定箇所には、パッド48を露出させる開口部40が形成されている。
【0048】
図1に示されるように、主面側ビルドアップ層31は、上述した裏面側ビルドアップ層32とほぼ同じ構造を有している。即ち、主面側ビルドアップ層31は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる2層の樹脂層間絶縁層33,35と、銅からなる導体層41とを交互に積層した構造を有している。即ち、樹脂層間絶縁層33,35は、樹脂充填材93と実質的に同一組成の樹脂材料によって形成されている。よって、樹脂層間絶縁層33,35の熱膨張係数は、樹脂充填材93の完全硬化状態での熱膨張係数と同じ値となっており、10〜60ppm/℃程度(具体的には20ppm/℃程度)となっている。なお、樹脂層間絶縁層33,35の熱膨張係数は、30℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。また、樹脂層間絶縁層33,35内には、それぞれ銅めっきによって形成されたビア導体43が設けられている。なお、樹脂層間絶縁層33,35内に設けられたビア導体43の一部は、セラミックコンデンサ101の電極111,112に接続されている。また、第2層の樹脂層間絶縁層35の表面上における複数箇所には、ビア導体43を介して導体層41に電気的に接続される端子パッド44がアレイ状に形成されている。さらに、樹脂層間絶縁層35の表面は、ソルダーレジスト37によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト37の所定箇所には、端子パッド44を露出させる開口部46が形成されている。端子パッド44の表面上には、複数のはんだバンプ45が配設されている。
【0049】
図1に示されるように、各はんだバンプ45は、ICチップ21(半導体集積回路素子)の面接続端子22に電気的に接続されている。本実施形態のICチップ21は、縦12.0mm×横12.0mm×厚さ0.9mmの平面視矩形状をなす板状物であって、熱膨張係数が3〜4ppm/℃程度(具体的には3.5ppm/℃程度)のシリコンからなる。なお、各端子パッド44及び各はんだバンプ45からなる領域は、ICチップ21を搭載可能なICチップ搭載領域23である。ICチップ搭載領域23は、主面側ビルドアップ層31の表面39に設定されている。
【0050】
次に、本実施形態の配線基板10の製造方法を説明する。
【0051】
まず、コンデンサ準備工程では、セラミックコンデンサ101を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
【0052】
セラミックコンデンサ101は以下のように作製される。即ち、セラミックのグリーンシートを形成し、このグリーンシートに内部電極用ニッケルペーストをスクリーン印刷して乾燥させる。その結果、後に電源用内部電極層141となる電源用内部電極部と、グランド用内部電極層142となるグランド用内部電極部とが形成される。次に、電源用内部電極部が形成されたグリーンシートとグランド用内部電極部が形成されたグリーンシートとを交互に積層し、シート積層方向に押圧力を付与することにより、各グリーンシートを一体化してグリーンシート積層体を形成する。
【0053】
さらに、レーザー加工機を用いてグリーンシート積層体にビアホール130を多数個形成し、図示しないペースト圧入充填装置を用いて、ビア導体用ニッケルペーストを各ビアホール130内に充填する。次に、グリーンシート積層体の上面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の上面側にて各導体部の上端面を覆うように電極111,112を形成する。また、グリーンシート積層体の下面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の下面側にて各導体部の下端面を覆うように電極121,122を形成する。
【0054】
この後、グリーンシート積層体の乾燥を行い、各電極111,112,121,122をある程度固化させる。次に、グリーンシート積層体を脱脂し、さらに所定温度で所定時間焼成を行う。その結果、チタン酸バリウム及びペースト中のニッケルが同時焼結し、セラミック焼結体104となる。
【0055】
次に、得られたセラミック焼結体104が有する各電極111,112,121,122に対して無電解銅めっき(厚さ10μm程度)を行う。その結果、各電極111,112,121,122の上に銅めっき層が形成され、セラミックコンデンサ101が完成する。
【0056】
また、コア基板準備工程では、コア基板11の中間製品を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。具体的に言うと、縦400mm×横400mm×厚さ0.4mmの基材の両面に銅箔62が貼付された銅張積層板61(図5参照)を準備し、これをコア基板11の中間製品とする。なお、コア基板11の中間製品とは、コア基板11となるべき領域が平面方向に沿って縦横に複数配置された多数個取り用コア基板である。
【0057】
続く収容穴部形成工程では、コア基板11(銅張積層板61)に対してルータを用いて孔あけ加工を行い、収容穴部90を所定位置にあらかじめ形成しておく(図5参照)。なお、収容穴部90は、一辺が16.0mmで、四隅に半径3mmのアールを有する断面略正方形状の孔である。また、貫通穴部形成工程では、コア基板11(銅張積層板61)に対してドリル機を用いて孔あけ加工を行い、スルーホール導体16を形成するための貫通穴部14を所定位置にあらかじめ形成しておく(図5参照)。なお、貫通穴部14は、内径が100μmの断面円形状の孔である。
【0058】
続くめっき層形成工程では、収容穴部90の内壁面91、貫通穴部14の内壁面、コア主面12及びコア裏面13を含むコア基板11の表面全体に対して無電解銅めっきを行った後に電解銅めっきを行う。その結果、収容穴部90の内壁面91に対してめっき層92が形成されるとともに、貫通穴部14の内壁面に対して、スルーホール導体16となるめっき層71が形成される(図6参照)。さらに、コア主面12に対して主面側導体層17となるめっき層72が形成されるとともに、コア裏面13に対して裏面側導体層18となるめっき層73が形成される(図6参照)。なお、めっき層71〜73,92は、収容穴部90の内壁面91、貫通穴部14の内壁面、コア主面12及びコア裏面13を含むコア基板11の表面全体に対してめっきを行うことにより形成された全面めっき層を構成している。
【0059】
続く収容工程では、まず、収容穴部90のコア裏面13側開口を、剥離可能な粘着テープ151でシールする。この粘着テープ151は、支持台(図示略)によって支持されている。次に、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、コア主面12とコンデンサ主面102とを同じ側に向け、かつ、コア裏面13とコンデンサ裏面103とを同じ側に向けた状態で、収容穴部90内にセラミックコンデンサ101を収容する(図7参照)。このとき、セラミックコンデンサ101のコンデンサ裏面103側が粘着テープ151の粘着面に貼り付けられて仮固定される。
【0060】
続く表面粗化工程では、収容穴部90の内壁面91に形成されためっき層92の表面、及び、貫通穴部14の内壁面に形成されためっき層71の表面の粗化(CZ処理)を行う。また、表面粗化工程では、コア主面12に形成されためっき層72の表面の粗化も行う。さらに、表面粗化工程では、セラミックコンデンサ101の電極111,112の表面の粗化も行う。なお、表面粗化工程は、めっき層形成工程後かつ樹脂埋め工程前、より具体的には、収容工程後かつ樹脂埋め工程前に実行される。そして、表面粗化工程が終了したら、洗浄工程を実施し、樹脂充填材93の表面94、めっき層72の表面及び電極111,112の表面を洗浄する。また、必要に応じて、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製)を用いて、コア主面12側に対してカップリング処理を行ってもよい。
【0061】
続く樹脂埋め工程では、収容穴部90の内壁面91(本実施形態では、めっき層92の表面)とセラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106との隙間、及び、空洞部15に対して、樹脂充填材93を充填して埋める(図8参照)。詳述すると、まず、絶縁層貼付工程を行い、コア主面12及びコンデンサ主面102の上に、樹脂充填材93の形成材料であるシート状の絶縁層95を貼付する。なお、本実施形態の絶縁層95は、エポキシ樹脂を主成分とするビルドアップ材である。また、絶縁層95の厚さは、図7に示す隙間S1及び空洞部15を埋めるのに十分な容量を確保できる程度であればよく、本実施形態では50μm〜200μm程度となっている。そして、絶縁層貼付工程後、充填工程を行い、絶縁層95を加熱加圧する。具体的には、真空圧着熱プレス機(図示略)を用いて絶縁層95を真空下にて140〜150℃に加熱するとともに、コア主面12及びコンデンサ主面102に対して絶縁層95を0.75MPaで120秒間押圧する。このとき、絶縁層95の一部が収容穴部90の内壁面91(めっき層92の表面)とコンデンサ側面106との隙間S1に落とし込まれて、その隙間S1が埋められる。それとともに、絶縁層95の一部が空洞部15に落とし込まれて、空洞部15が埋められる。その後、加熱処理(キュアなど)を行うと、絶縁層95(樹脂充填材93)が硬化して、セラミックコンデンサ101が収容穴部90内に固定される。
【0062】
続く高さ合わせ工程では、樹脂充填材93を薄くすることにより、樹脂充填材93の表面94をコア主面12上に形成されためっき層72の表面と同じ高さに合わせる(図9参照)。高さ合わせ工程は、樹脂埋め工程後かつ配線積層部形成工程前に実行される。具体的に言うと、ベルトサンダー装置を用いて、めっき層72の表面よりも上方に位置している樹脂充填材93の表面94を研磨して低くする。その結果、樹脂充填材93の一部が機械的に除去され、めっき層72の表面と電極111,112の表面とが露出する。その後、コア裏面13側及びコンデンサ裏面103側から粘着テープ151を剥離する。
【0063】
高さ合わせ工程の後、従来公知の手法に従って無電解銅めっきを行うことにより、樹脂充填材93の表面94、めっき層72の表面及び電極111,112の表面にめっき層96を形成する(図10参照)。また、従来公知の手法に従って無電解銅めっきを行うことにより、樹脂充填材93の表面97、めっき層73の表面及び電極121,122の表面にもめっき層96を形成する(図10参照)。次に、めっき層96のエッチングを行ってめっき層96を例えばサブトラクティブ法によってパターニングする。具体的には、コア主面12側のめっき層96及びコア裏面13側のめっき層96に対してドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、ドライフィルムを所定パターンに形成する。この状態で、不要なめっき層72,73,96をエッチングで除去する。その後、ドライフィルムを剥離する。その結果、コア主面12上に主面側導体層17が形成されるとともに、コア裏面13上に裏面側導体層18が形成される。このとき、コア主面12側のめっき層96の一部が、スルーホール導体16及び樹脂充填材93のコア主面12側の端面を覆う蓋めっき層となり、コア裏面13側のめっき層96の一部が、スルーホール導体16及び樹脂充填材93のコア裏面13側の端面を覆う蓋めっき層となる。
【0064】
続く配線積層部形成工程では、従来周知の手法に基づいて、コア主面12及びコンデンサ主面102の上に主面側ビルドアップ層31を形成するとともに、コア裏面13及びコンデンサ裏面103の上に裏面側ビルドアップ層32を形成する。具体的に言うと、まず、コア主面12及びコンデンサ主面102の上、具体的には、樹脂充填材93の表面94、めっき層72の表面及び電極111,112の表面に熱硬化性エポキシ樹脂を被着(貼付)することにより、樹脂層間絶縁層33を形成する。また、コア裏面13及びコンデンサ裏面103の上、具体的には、樹脂充填材93の表面97、めっき層73の表面及び電極121,122の表面に熱硬化性エポキシ樹脂を被着(貼付)することにより、樹脂層間絶縁層34を形成する。なお、熱硬化性エポキシ樹脂を被着する代わりに、感光性エポキシ樹脂や絶縁樹脂や液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystalline Polymer)を被着してもよい。
【0065】
さらに、YAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いてレーザー孔あけ加工を行い、ビア導体43,47が形成されるべき位置にビア孔を形成する。具体的には、樹脂層間絶縁層33を貫通するビア孔を形成し、電極111,112の表面を露出させる。また、樹脂層間絶縁層34を貫通するビア孔を形成し、電極121,122の表面を露出させる。次に、従来公知の手法に従って電解銅めっきを行い、ビア孔の内部にビア導体43,47を形成するとともに、樹脂層間絶縁層33上に導体層41を形成し、樹脂層間絶縁層34上に導体層42を形成する。
【0066】
次に、樹脂層間絶縁層33,34上に熱硬化性エポキシ樹脂を被着して、ビア導体43,47が形成されるべき位置にビア孔を有する樹脂層間絶縁層35,36を形成する。なお、熱硬化性エポキシ樹脂を被着する代わりに、感光性エポキシ樹脂や絶縁樹脂や液晶ポリマーを被着してもよい。この場合、レーザー加工機などにより、ビア導体43,47が形成されるべき位置にビア孔が形成される。次に、従来公知の手法に従って電解銅めっきを行い、ビア孔の内部にビア導体43,47を形成するとともに、樹脂層間絶縁層35上に端子パッド44を形成し、樹脂層間絶縁層36上にパッド48を形成する。
【0067】
次に、樹脂層間絶縁層35,36上に感光性エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより、ソルダーレジスト37,38を形成する。次に、所定のマスクを配置した状態で露光及び現像を行い、ソルダーレジスト37,38に開口部40,46をパターニングする。
【0068】
続くはんだバンプ形成工程では、最外層の樹脂層間絶縁層35上に形成された端子パッド44上に、はんだペーストを印刷する。次に、はんだペーストが印刷された配線基板をリフロー炉内に配置して、はんだの融点より10〜40℃高い温度に加熱する。この時点で、はんだペーストが溶融し、半球状に盛り上がった形状のICチップ21搭載用のはんだバンプ45が形成される。なお、この状態のものは、配線基板10となるべき基板形成領域が平面方向に沿って縦横に複数配置された多数個取り用配線基板であると把握することができる。さらに、多数個取り用配線基板を分割すると、個々の製品である配線基板10が多数個同時に得られる。
【0069】
その後、配線基板10を構成する主面側ビルドアップ層31のICチップ搭載領域23にICチップ21を載置する。このとき、ICチップ21側の面接続端子22と、各はんだバンプ45とを位置合わせするようにする。そして、220〜240℃程度の温度に加熱して各はんだバンプ45をリフローすることにより、各はんだバンプ45と面接続端子22とを接合し、配線基板10側とICチップ21側とを電気的に接続する。その結果、ICチップ搭載領域23にICチップ21が搭載される(図1参照)。
【0070】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0071】
(1)本実施形態では、コア基板11と樹脂充填材93とが異なる種類の樹脂材料からなり、熱膨張係数が互いに異なっている。このため、コア基板11と樹脂充填材93との熱膨張係数差に起因して、収容穴部90の内壁面91と樹脂充填材93との密着性に問題が生じる場合が多い。ゆえに、樹脂充填材93とコア基板11との間にデラミネーションが発生するおそれがある。そこで本実施形態では、めっき層形成工程において収容穴部90の内壁面91にめっき層92を形成し、さらに表面粗化工程においてめっき層92の表面の粗化を行っている。その結果、樹脂埋め工程において収容穴部90の内壁面91とコンデンサ側面106との隙間S1に対して樹脂充填材93を形成して埋めた際に、樹脂充填材93を収容穴部90の内壁面91に確実に密着させることができる。ゆえに、デラミネーション等の発生を防止することができるため、信頼性に優れた配線基板10を得ることができる。また、めっき層形成工程では、収容穴部90の内壁面91に対してめっき層92を形成する工程と、貫通穴部14の内壁面に対してめっき層71を形成する工程とを同時に行うことができるため、製造コストを抑えることができる。
【0072】
しかも、本実施形態では、収容穴部90の内壁面91に形成されためっき層92により、スルーホール導体16からのノイズを遮蔽することができる。また、セラミックコンデンサ101からのノイズがセラミックコンデンサ101の外部に影響を与えることも防止できる。ゆえに、ノイズ障害となる不具合を低減することができる。従って、ICチップ21に確実に電源を供給できるため、ICチップ21を十分に動作させることができ、ICチップ21の誤動作を防止できる。また、めっき層92によってノイズを遮蔽できることから、スルーホール導体16とセラミックコンデンサ101とを互いに接近させて配置できるため、配線基板10内の配線を密集させて配線基板10の小型化を図ることができる。
【0073】
(2)本実施形態の充填工程では、セラミックコンデンサ101を固定する工程と空洞部15を埋める工程とが同時に行われるため、製造工程数を減らすことができる。よって、配線基板10の製造コストをよりいっそう抑えることができる。また、絶縁層95(樹脂充填材93)の一部を用いてセラミックコンデンサ101の固定と空洞部15の充填とが行われるため、収容穴部90の内壁面91とコンデンサ側面106との隙間S1に落とし込まれる絶縁層95と、空洞部15に落とし込まれる絶縁層95とは、実質的に同一組成の樹脂材料によって形成されることとなる。従って、セラミックコンデンサ101を固定する工程を行う場合と空洞部15を埋める工程とを行う場合とで別の材料を準備しなくても済む。よって、配線基板10の製造に必要な材料が少なくなるため、配線基板10の低コスト化を図ることが可能となる。しかも、樹脂充填材93の形成材料がシート状の絶縁層95であるため、絶縁層95が液状である場合に比べて、絶縁層95の一部で収容穴部90の内壁面91とコンデンサ側面106との隙間S1を埋めたり空洞部15を埋めたりする際の取り扱いが容易になる。
【0074】
(3)本実施形態では、ICチップ搭載領域23がセラミックコンデンサ101の真上の領域内に位置しているため、ICチップ搭載領域23に搭載されるICチップ21は高剛性で熱膨張率が小さいセラミックコンデンサ101によって支持される。よって、ICチップ搭載領域23においては、主面側ビルドアップ層31が変形しにくくなるため、ICチップ搭載領域23に搭載されるICチップ21をより安定的に支持できる。従って、大きな熱応力に起因するICチップ21のクラックや接続不良を防止することができる。ゆえに、ICチップ21として、熱膨張差による応力(歪)が大きくなり熱応力の影響が大きく、かつ発熱量が大きく使用時の熱衝撃が厳しい10mm角以上の大型のICチップや、脆いとされるLow−k(低誘電率)のICチップを用いることができる。
【0075】
[第2実施形態]
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に基づき説明する。ここでは、第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
【0076】
本実施形態では、樹脂埋め工程が上記第1実施形態とは異なっている。詳述すると、本実施形態の樹脂埋め工程は、閉塞工程、第1充填工程、除去工程、絶縁層貼付工程及び第2充填工程を含んでいる。まず、閉塞工程では、収容穴部390のコア主面312側開口をカバー部材301で塞ぐ(図11参照)。なお、本実施形態のカバー部材301は、縦18.0mm×横18.0mm×厚さ2.0mmの平面視矩形状をなす板状物である。なお、カバー部材301は、例えば樹脂材料(本実施形態ではエポキシ樹脂)中に無機繊維からなるガラスクロス)を含有させた複合材料によって形成されている。
【0077】
続く第1充填工程では、貫通穴部314(即ち、収容穴部390及び貫通穴部314のうちコア主面312側開口がカバー部材301に塞がれていない側の穴部)に、樹脂充填材393の形成材料である穴埋め材302を充填する(図12参照)。具体的には、ディスペンサ装置(Asymtek社製)を用いて、液状の穴埋め材302を充填することにより、貫通穴部314に形成されたスルーホール導体316の空洞部315(図11参照)を埋めるようにする。なお、ディスペンサ装置を用いる代わりに、穴埋め印刷を行うことによって空洞部315に穴埋め材302を充填するようにしてもよい。第1充填工程後、除去工程を行い、コア主面312側からカバー部材301を除去する。
【0078】
除去工程後の絶縁層貼付工程では、コア主面312及びコンデンサ主面303の上に、樹脂充填材393の形成材料であるシート状の絶縁層395を貼付する。なお、絶縁層395の厚さは、収容穴部390を埋めるのに十分な容量を確保できる程度であればよく、本実施形態では50μm〜200μm程度となっている。そして、絶縁層貼付工程後、第2充填工程を行い、絶縁層395を加熱加圧する。具体的には、真空圧着熱プレス機(図示略)を用いて絶縁層395を真空下にて140〜150℃に加熱するとともに、コア主面312及びコンデンサ主面303に対して絶縁層395を0.75MPaで120秒間押圧する。このとき、絶縁層395の一部が収容穴部390(即ち、収容穴部390及び貫通穴部314のうち穴埋め材302が充填されていない側の穴部)に落とし込まれる(図13参照)。その後、加熱処理(キュアなど)を行うと、穴埋め材302が硬化するとともに、絶縁層395が硬化してセラミックコンデンサ304が収容穴部390内に固定される。
【0079】
従って、本実施形態によれば、セラミックコンデンサ304を固定する工程と空洞部315を埋める工程とでそれぞれに適した材料を用いることができるため、樹脂埋め工程を確実に行うことができる。例えば、穴埋め材302の形成材料として液状の材料を用いているため、空洞部315に対する穴埋め材302の追従性が向上するため、樹脂埋め工程を確実に行うことができる。
【0080】
なお、上記各実施形態を以下のように変更してもよい。
【0081】
・上記各実施形態では、収容工程後かつ樹脂埋め工程前に表面粗化工程が実行されていたが、表面粗化工程を実行するタイミングを変更してもよい。例えば、めっき層形成工程後かつ収容工程前に、表面粗化工程を実行してもよい。
【0082】
・上記第2実施形態では、閉塞工程において収容穴部390のコア主面312側開口をカバー部材301で塞ぎ、第1充填工程において貫通穴部314に穴埋め材302を充填し、第2充填工程において収容穴部390に絶縁層395の一部を落とし込んでいた。しかし、閉塞工程において貫通穴部314のコア主面312側開口をカバー部材301で塞ぎ、第1充填工程において収容穴部390に穴埋め材302を充填し、第2充填工程において貫通穴部314に絶縁層395の一部を落とし込んでもよい。
【0083】
・上記各実施形態では、収容穴部90,390内に収容される部品として、ビアアレイタイプのセラミックコンデンサ101,304が用いられていた。しかし、図14の配線基板410に示されるように、チップコンデンサ401を収容穴部490内に収容される部品として用いてもよい。なお、チップコンデンサ401は、例えば誘電体層を介して電源用内部電極層とグランド用内部電極層とが交互に積層配置された構造を有している。そして、チップコンデンサ401において互いに対向する一対の側面には、電源用電極402とグランド用電極403とがそれぞれ設けられている。電源用電極402は、電源用内部電極層に接続されるとともに、電源用電極402上に突設された突起状導体404を介してビア導体43に接続されている。グランド用電極403は、グランド用内部電極層に接続されるとともに、グランド用電極403上に突設された突起状導体404を介してビア導体43に接続されている。各突起状導体404は、電解銅めっきによって形成された円柱状導体(銅ポスト)である。なお、収容穴部490内には2個のチップコンデンサ401が収容されているが、1個のチップコンデンサのみが収容されていてもよいし、3個以上のチップコンデンサが収容されていてもよい。また、ICチップ、DRAM、SRAMなどを、収容穴部に収容される部品として用いてもよい。
【0084】
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0085】
(1)上記手段1において、前記めっき層形成工程では、前記収容穴部の内壁面、前記貫通穴部の内壁面、前記コア主面及び前記コア裏面を含む前記コア基板の表面全体に対して無電解めっきを行った後に電解めっきを行うことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法。
【0086】
(2)上記手段1において、前記収容工程及び前記樹脂埋め工程は、前記収容穴部の前記コア裏面側開口を粘着面を有する粘着テープで塞いだ状態で行われることを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法。
【符号の説明】
【0087】
10…部品内蔵配線基板(配線基板)
11…コア基板
12,312…コア主面
13…コア裏面
14,314…貫通穴部
15,315…空洞部
16,316…スルーホール導体
31…配線積層部としての主面側ビルドアップ層
33,35…樹脂層間絶縁層
41…導体層
71,72,73,92…めっき層
90,390,490…収容穴部
91…収容穴部の内壁面
93,393…樹脂充填材
94…樹脂充填材の表面
95,395…絶縁層
101,304…部品としてのセラミックコンデンサ
102,303…部品主面としてのコンデンサ主面
103…部品裏面としてのコンデンサ裏面
106…部品側面としてのコンデンサ側面
301…カバー部材
302…穴埋め材
401…部品としてのチップコンデンサ
S1…隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア主面及びコア裏面を有するコア基板を準備するコア基板準備工程と、
少なくとも前記コア主面側にて開口する収容穴部を前記コア基板に形成する収容穴部形成工程と、
前記コア基板においてその厚さ方向に貫通する貫通穴部を形成する貫通穴部形成工程と、
前記収容穴部の内壁面に対してめっき層を形成するとともに、前記貫通穴部の内壁面に対して、空洞部を有するスルーホール導体となるめっき層を形成するめっき層形成工程と、
部品主面、部品裏面及び部品側面を有する部品を、前記コア主面と前記部品主面とを同じ側に向けた状態で前記収容穴部に収容する収容工程と、
前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間、及び、前記空洞部に対して、樹脂充填材を充填して埋める樹脂埋め工程と、
前記コア主面及び前記部品主面の上において、樹脂層間絶縁層及び導体層を交互に積層して配線積層部を形成する配線積層部形成工程と
を含むことを特徴とする部品内蔵配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂埋め工程は、
前記コア主面及び前記部品主面の上に前記樹脂充填材の形成材料であるシート状の絶縁層を貼付する絶縁層貼付工程と、
前記絶縁層貼付工程後、加熱加圧することにより、前記絶縁層の一部を前記収容穴部の内壁面と前記部品側面との隙間に落とし込んで前記部品を固定するとともに、前記絶縁層の一部を前記空洞部に落とし込んで埋める充填工程と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の部品内蔵配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂埋め工程は、
前記収容穴部の前記コア主面側開口、または、前記貫通穴部の前記コア主面側開口をカバー部材で塞ぐ閉塞工程と、
前記収容穴部及び前記貫通穴部のうち前記コア主面側開口が前記カバー部材に塞がれていない側の穴部に、前記樹脂充填材の形成材料である穴埋め材を充填する第1充填工程と、
前記第1充填工程後、前記コア主面側から前記カバー部材を除去する除去工程と、
前記除去工程後、前記コア主面の上に前記樹脂充填材の形成材料であるシート状の絶縁層を貼付する絶縁層貼付工程と、
前記絶縁層貼付工程後、加熱加圧することにより、前記収容穴部及び前記貫通穴部のうち前記穴埋め材が充填されていない側の穴部に、前記絶縁層の一部を落とし込む第2充填工程と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の部品内蔵配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記部品内蔵配線基板は、配線基板となるべき基板形成領域が平面方向に沿って複数配置された多数個取り用配線基板であり、
前記閉塞工程では、前記収容穴部の前記コア主面側開口をカバー部材で塞ぎ、
前記第1充填工程では、前記貫通穴部に前記穴埋め材を充填し、
前記第2充填工程では、前記収容穴部に前記絶縁層の一部を落とし込む
ことを特徴とする請求項3に記載の部品内蔵配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記めっき層形成工程後かつ前記樹脂埋め工程前に、前記収容穴部の内壁面に形成された前記めっき層の表面、及び、前記貫通穴部の内壁面に形成された前記めっき層の表面のうち、少なくとも前記収容穴部の内壁面に形成された前記めっき層の表面を粗化する表面粗化工程を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の部品内蔵配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記表面粗化工程は、前記めっき層形成工程後かつ前記収容工程前に実行されることを特徴とする請求項5に記載の部品内蔵配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記表面粗化工程は、前記収容工程後かつ前記樹脂埋め工程前に実行されることを特徴とする請求項5に記載の部品内蔵配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記めっき層は、前記収容穴部の内壁面、前記貫通穴部の内壁面、前記コア主面及び前記コア裏面を含む前記コア基板の表面全体に対してめっきを行うことにより形成された全面めっき層であり、
前記樹脂埋め工程後かつ前記配線積層部形成工程前に、前記樹脂充填材を薄くすることにより、前記樹脂充填材の表面を前記コア主面上に形成された前記めっき層の表面と同じ高さに合わせる高さ合わせ工程を行う
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の部品内蔵配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−74178(P2013−74178A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212967(P2011−212967)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】