説明

部品実装装置、情報処理装置、情報処理方法及び基板の製造方法

【課題】所定の領域に供給される複数の部品について位置ずれが生じる場合でも、当該複数の部品を効率よく基板に実装することが可能な部品実装装置、情報処理装置、情報処理方法及び基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る部品実装装置は、供給部と、ヘッドと、制御部とを具備する。前記供給部は、基板に実装される複数の部品を所定の領域に供給する。前記ヘッドは、前記供給された複数の部品を保持するための複数の保持部を有し、前記複数の保持部が前記所定の領域へ同時にアクセス可能なように、当該複数の保持部を支持する。前記制御部は、前記所定の領域に対する前記複数の部品の位置情報をもとに、前記複数の保持部の全てが前記複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、前記複数の保持部の各アクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、基板に部品を実装する部品実装装置、情報処理装置、情報処理方法及び基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、一般に、ヘッドが電子部品を供給するフィーダにアクセスして電子部品を取り出し、実装のための領域に配置された回路基板等にその電子部品を実装する装置である。
【0003】
例えば特許文献1には、その図3で示すように、複数の吸着ノズル111が並んで配置されたマルチ実装ヘッド110と、並列に配置される部品カセット115aとを備える部品実装機が記載されている。
【0004】
特許文献1の記載によると、いずれかの吸着ノズル111、又はいずれかの部品カセット115aが停止状態となった場合に、マルチ実装ヘッド110による部品の吸着方法が適宜制御される。これにより部品実装機のスループットが向上されている(例えば、特許文献1の段落[0065]−[0089]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−147313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば特許文献1の図3に示すような部品実装機において、複数のノズル111に対して、複数の部品カセット115aに保持された部品の位置がずれてしまう場合がある。その場合、複数のノズル111による部品の同時吸着が適正に実行されずスループットが低下してしまう。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、所定の領域に供給される複数の部品について位置ずれが生じる場合でも、当該複数の部品を効率よく基板に実装することが可能な部品実装装置、情報処理装置、情報処理方法及び基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る部品実装装置は、供給部と、ヘッドと、制御部とを具備する。
前記供給部は、基板に実装される複数の部品を所定の領域に供給する。
前記ヘッドは、前記供給された複数の部品を保持するための複数の保持部を有し、前記複数の保持部が前記所定の領域へ同時にアクセス可能なように、当該複数の保持部を支持する。
前記制御部は、前記所定の領域に対する前記複数の部品の位置情報をもとに、前記複数の保持部の全てが前記複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、前記複数の保持部の各アクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせを算出する。
【0009】
この部品実装装置では、所定の領域に供給される複数の部品の位置情報をもとに、複数の保持部の全てが複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、上記保持動作の組み合わせが算出される。これにより所定の領域に供給される複数の部品について位置ずれが生じる場合でも、複数の部品を効率よく基板に実装することが可能となる。
【0010】
前記制御部は、前記複数の保持部から基準となる基準保持部を選択し、当該基準保持部の前記アクセス位置が前記部品を保持可能な位置に設定された上での前記保持動作の組み合わせである組み合わせ候補を算出し、前記複数の保持部から前記基準保持部が選択されるごとに算出される複数の組み合わせ候補から前記保持動作の組み合わせを選択してもよい。
【0011】
この部品実装装置では、基準保持部が選択され、当該基準保持部のアクセス位置が部品を保持可能な位置に設定される。その設定の上で、複数の部品を保持するための保持動作の組み合わせが組み合わせ候補として算出される。例えば基準保持部が選択されるたびに算出される複数の組み合わせ候補から保持動作の組み合わせが適宜選択される。これにより複数の部品を効率的に基板に実装することが可能となる。
【0012】
前記制御部は、前記組み合わせ候補での前記保持動作の回数を前記組み合わせ候補ごとに算出し、前記算出された前記保持動作の回数をもとに前記保持動作の組み合わせを選択してもよい。
【0013】
この部品実装装置では、組み合わせ候補での保持動作の回数が算出される。そして算出された保持動作の回数をもとに、複数の組み合わせ候補から保持動作の組み合わせが選択される。従って例えば保持動作の回数が少ない組み合わせ候補が、保持動作の組み合わせとして選択されることで、複数の部品を効率的に基板に実装することが可能となる。
【0014】
前記制御部は、前記基準保持部の前記アクセス位置が前記保持可能な位置に設定された上での他の前記保持部の前記アクセス位置を判定し、前記他の保持部のうち前記アクセス位置が前記保持可能な位置にないと判定された前記保持部に対して前記基準保持部の選択及び前記他の保持部のアクセス位置の判定を行い、全ての前記保持部のアクセス位置が前記保持可能な位置にあると判定されるまで前記基準保持部の選択及び前記他の保持部のアクセス位置の判定を行うことで前記組み合わせ候補を算出してもよい。
【0015】
この部品実装装置では、全ての保持部のアクセス位置が保持可能な位置にあると判定されるまで、基準保持部の選択及び他の保持部のアクセス位置の判定が行われる。これにより容易に組み合わせ候補を算出することが可能となる。
【0016】
前記制御部は、前記複数の部品のそれぞれの種類の情報をもとに当該種類ごとに前記部品を保持可能な位置の範囲を算出し、前記基準保持部のアクセス位置を前記保持可能位置の範囲内の異なる位置にて複数回設定し、当該異なる位置における各設定ごとに前記組み合わせ候補を算出してもよい。
【0017】
このように基準保持部のアクセス位置の設定が複数回行われてもよい。これにより例えばアクセス位置の設定によっては、保持動作の少ない組み合わせ候補が算出される場合がある。この結果例えば少ない回数での保持動作の組み合わせが算出可能となる。
【0018】
前記部品実装装置は、前記所定の領域の画像を撮像することが可能な撮像部をさらに具備してもよい。この場合、前記制御部は、前記撮像部により撮像された前記複数の部品が供給された前記所定の領域の画像をもとに前記複数の部品の位置情報を取得してもよい。
【0019】
このように複数の部品が供給された所定の領域の画像から、複数の部品の位置情報が取得されてもよい。これにより正確な位置情報を取得することが可能となる。
【0020】
前記供給部は、第1の供給として供給した前記複数の部品が前記複数の保持部に保持されると、第2の供給として前記所定の領域に前記複数の部品を供給してもよい。この場合、前記制御部は、前記第1の供給として供給された前記複数の部品に対する前記複数の保持部の保持位置の情報を取得し、当該保持位置情報をもとに前記第2の供給として供給された前記複数の部品の位置情報を取得してもよい。
【0021】
このように第1の供給として供給された複数の部品に対する複数の保持部の保持位置情報をもとに前記第2の供給として供給された複数の部品の位置情報が取得されてもよい。これにより所定の領域に供給される複数の部品の位置情報が短時間で取得されスループットが向上する。
【0022】
本技術の一形態に係る情報処理装置は、前記供給部と、前記ヘッドとを備える部品実装装置に用いられ、取得部と、算出部とを具備する。
前記取得部は、前記所定の領域に対する前記複数の部品の位置情報を取得する。
前記算出部は、前記取得部により取得された位置情報をもとに、前記複数の保持部の全てが前記複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、前記複数の保持部の各アクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせを算出する。
【0023】
本技術の一形態に係る情報処理方法は、前記供給部と、前記ヘッドとを備える部品実装装置が実行する情報処理方法であって、以下の工程を含む。
前記所定の領域に対する前記複数の部品の位置情報が取得される。
前記取得された位置情報をもとに、前記複数の保持部の全てが前記複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、前記複数の保持部の各アクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせが算出される。
【0024】
本技術の一形態に係る基板の製造方法は、前記供給部と、前記ヘッドとを備える部品実装装置による基板の製造方法であって、以下の工程を含む。
前記所定の領域に対する前記複数の部品の位置情報をもとに、前記複数の保持部の全てが前記複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、前記複数の保持部の各アクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせが算出される。
前記算出された保持動作の組み合わせで前記複数の保持部により前記複数の部品が保持され、当該保持された前記複数の部品が前記基板に実装される。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本技術によれば、所定の領域に供給される複数の部品について位置ずれが生じる場合でも、当該複数の部品を効率よく基板に実装することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本技術の一実施形態に係る部品実装装置を示す模式的な正面図である。
【図2】図1に示す部品実装装置の平面図である。
【図3】図1に示す部品実装装置の側面図である。
【図4】図1に示す部品実装装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係る自動生産準備処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係る組み合わせ予測処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図6に示す組み合わせの予測の詳細な流れを示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る自動生産処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図2に示す装着部に装着される6種類のテープフィーダと、当該テープフィーダの供給窓に収容された電子部品の一例を示す模式的な図である。
【図10】ノズル番号1の吸着ノズルを1回目の基準ノズルとした場合を示す図である。
【図11】ノズル番号1の吸着ノズルを1回目の基準ノズルとした場合を示す図である。
【図12】ノズル番号1の吸着ノズルを1回目の基準ノズルとした場合を示す図である。
【図13】ノズル番号2の吸着ノズルを1回目の基準ノズルとした場合を示す図である。
【図14】ノズル番号2の吸着ノズルを1回目の基準ノズルとした場合を示す図である。
【図15】本実施形態に係る予測処理における保持動作の組み合わせツリーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0028】
[部品実装装置の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る部品実装装置を示す模式的な正面図である。図2は、図1に示す部品実装装置100の平面図であり、図3はその側面図である。
【0029】
部品実装装置100は、フレーム10と、図示しない電子部品を保持しこれを実装対象である回路基板(以下、単に基板という)Wに実装する実装ヘッド30と、テープフィーダ90が装着される装着部20と、基板Wを保持して搬送する搬送ユニット16(図2参照)とを備える。
【0030】
フレーム10は、底部に設けられたベース11と、ベース11に固定された複数の支柱12とを有する。複数の支柱12の上部には、図中X軸に沿って架け渡された例えば2本のXビーム13が設けられている。例えば2本のXビーム13の間には、Y軸に沿ってYビーム14が架け渡され、このYビーム14に実装ヘッド30が接続されている。
【0031】
Xビーム13及びYビーム14には、図示しないX軸移動機構及びY軸移動機構が備え付けられ、これらによって実装ヘッド30がX及びY軸に沿って移動可能とされている。X軸移動機構及びY軸移動機構は、典型的にはボールネジ駆動機構により構成されるが、ベルト駆動機構等の他の機構であってもよい。
【0032】
これら、実装ヘッド30、X軸移動機構及びY軸移動機構により実装ユニット40が構成される。この実装ユニット40は、主に生産性の向上のため複数設けられる場合もあり、その場合、複数の実装ヘッド30が独立してX及びY軸方向で駆動される。
【0033】
図2に示すように、装着部20は、部品実装装置100の前部側(図2中下側)及び後部側(図2中上側)の両方に配置されている。図中Y軸方向が部品実装装置100の前後方向となる。装着部20には、X軸方向に沿ってテープフィーダ90が複数配列されて装着されるようになっている。
【0034】
例えば40〜70個のテープフィーダ90がこの装着部20に装着可能である。本実施形態では、前部及び後部側でそれぞれ58個、合計116個のテープフィーダ90が搭載可能とされている。1つのテープフィーダ90は、例えば100〜10000個程度の電子部品を収容可能となっている。
【0035】
なお、装着部20が、部品実装装置100の前部側及び後部側の両方に設けられる構成としたが、これは、前部側及び後部側のいずれかに一方に設けられる構成であってもよい。
【0036】
テープフィーダ90は、Y軸方向に長く形成されており、カセットタイプのフィーダである。テープフィーダ90の詳細は図示しないが、リールを備え、コンデンサ、抵抗、LED、ICパッケージング等の電子部品を収納したキャリアテープがそのリールに巻き付けられている。また、テープフィーダ90は、このキャリアテープをステップ送りで送り出すための機構を備えており、そのステップ送りごとに電子部品が1つずつ供給される。
【0037】
図2に示すように、テープフィーダ90のカセットの端部の上面には供給窓91が形成され、この供給窓91を介して電子部品が供給される。複数のテープフィーダ90が配列されることによってX軸方向に沿って形成される、複数の供給窓91がそれぞれ配置された領域が、電子部品の供給領域Sとなる。つまり供給領域Sは、基板Wの搬送方向に沿って延在する領域となる。
【0038】
このように本実施形態では、装着部20に装着された複数のテープフィーダ90により、基板Wに実装される複数の電子部品が、所定の領域である供給領域Sに供給される。従って複数のテープフィーダ90は供給部として機能する。しかしながら、これに限定されるわけでない。
【0039】
部品実装装置100のY軸方向での中央部に上記搬送ユニット16が設けられ、この搬送ユニット16はX軸方向に沿って基板Wを搬送する。例えば図2に示すように、搬送ユニット16上のX軸方向におけるほぼ中央位置に、基板Wが配置される実装領域Mが設けられる。この実装領域Mに実装ヘッド30がアクセスすることで電子部品の実装が行われる。
【0040】
実装ヘッド30は、供給領域Sに供給された複数の電子部品を保持するための複数の吸着ノズル33を有する。本実施形態において吸着ノズル33は保持部として機能し、真空吸着の作用によりキャリアテープから電子部品を取り出して保持する。
【0041】
図1等に示すように、複数の吸着ノズル33はX軸方向に沿って配列されるように実装ヘッド30に支持されている。複数のノズル33は水平方向において相互の位置関係が固定されている。また複数の吸着ノズル33は、電子部品の取り出し及び基板Wへの実装のために上下動可能となっている。
【0042】
従って複数の吸着ノズル33は、相互に定められた位置関係にて供給領域Sへ同時にアクセス可能である。この結果、供給窓91を介して供給領域Sに供給される複数の電子部品が、複数の吸着ノズル33により同時に保持可能となる。なお、複数の吸着ノズル33のうち一部のノズル33のみを上下動させ、当該一部のノズル33のみによる部品吸着が実行されてもよい。
【0043】
ここで実装ヘッド30の位置が定められ、その状態で行われる全部又は一部の吸着ノズル33の部品吸着動作を、実装ヘッド30による保持動作と定義する。実装ヘッド30の位置が定められると、供給領域Sへの複数の吸着ノズル33のそれぞれのアクセス位置が定められる。また1つの吸着ノズル33のアクセス位置が所定の位置に設定されると、他の吸着ノズル33のそれぞれのアクセス位置が定められる。
【0044】
本実施形態では、複数の供給窓91のピッチと、複数の吸着ノズル33のピッチとが等しくなるように設定されている。しかしながらその構成に限定されない。例えば2つ以上のテープフィーダ90の合計幅と、複数の吸着ノズル33のピッチとが等しく設定されてもよい。当該ピッチの大きさや吸着ノズル33の数等も限定されず適宜設定されてよい。
【0045】
供給領域Sへ同時アクセスが可能であれば、実装ヘッド30に取り付けられる複数の吸着ノズル33の構成は図1等に示すものに限定されない。例えばZ軸方向において複数のノズル33の各先端位置が互いに異なる位置となってもよい。またX軸方向から傾いた直線上に複数のノズル33が配列され、実装ヘッド30の回転動作により複数のノズル33の動作が制御されてもよい。
【0046】
実装ヘッド30は、上述のようにX及びY軸方向に移動可能とされており、それらの吸着ノズル33は、供給領域Sと実装領域Mとの間で移動し、また、実装領域M内で実装を実行するために実装領域M内でX及びY軸方向に移動する。
【0047】
図1に示すように、実装ヘッド30には、基板Wの位置を検出する基板カメラ17が取り付けられている。基板カメラ17は、実装ヘッド30と一体的に、X軸及びY軸移動機構により移動可能となっている。
【0048】
基板カメラ17は、基板Wの位置を検出する時は、搬送ユニット16の上部に配置され、上部側から基板Wの画像を撮影する。基板カメラ17は、基板Wに設けられた図示しないアライメントマークを認識し、実装ユニット40は、このアライメントマークを基準位置として基板Wに電子部品を実装する。
【0049】
本実施形態では、基板カメラ17が適宜動かされることにより、供給領域Sの画像が撮像可能である。従って基板カメラ17は撮像部として機能する。供給領域Sに供給窓91を介して複数の電子部品が供給される場合、基板カメラ17により複数の部品が供給された供給領域Sの画像が撮像される。
【0050】
また図2に示すように、部品実装装置100は、搬送ユニット16と装着部20との間に設けられた部品カメラ32を有する。部品カメラ32は、電子部品を吸着した吸着ノズル33を下部側から撮影することが可能である。例えば吸着ノズル33により電子部品が吸着されると、実装ヘッド30が移動され、吸着ノズル33が部品カメラ32の上方に運ばれる。そして部品カメラ32により吸着ノズル33に保持された電子部品が下部側から撮影される。
【0051】
基板カメラ17及び部品カメラ32に用いられる撮像装置の種類や構成、また基板カメラ17及び部品カメラ32が設けられる位置等は限定されない。例えば部品カメラ32が、実装ヘッド30と一体的に移動可能なように配置されてもよい。そして適宜移動可能なミラー等を含む撮像光学系を用いることで、吸着ノズル33に吸着された電子部品が撮影されてもよい。
【0052】
搬送ユニット16は、典型的にはベルトタイプのコンベヤであるが、これに限られず、ローラタイプ、基板Wを支持する支持機構がスライドして移動するタイプ、あるいは非接触式等、何でもよい。搬送ユニットは、X軸方向に沿って敷設されたガイドレール16aを有する。これにより、搬送される基板WのY軸方向のずれが規制されながら搬送される。
【0053】
図4は、部品実装装置100の制御システムの構成を示すブロック図である。
【0054】
この制御システムは制御部としてのメインコントローラ21(あるいはホストコンピュータ)を有している。メインコントローラ21には、装着部20、テープフィーダ90、基板カメラ17、部品カメラ32、搬送ユニット16、実装ユニット40、入力部18及び表示部19がそれぞれ電気的に接続されている。
【0055】
実装ユニット40の、各移動機構及び実装ヘッド30には、これらに搭載された図示しないモータ、また、これらのモータをそれぞれ駆動するドライバが設けられている。メインコントローラ21はこれらのドライバに制御信号を出力することにより、ドライバがその制御信号に従って各移動機構及び実装ヘッド30を駆動する。
【0056】
入力部18は、例えばオペレータが、実装処理に必要な情報をメインコントローラ21に入力するために、オペレータにより操作される機器である。
【0057】
実装処理に必要な情報とは、例えば、これから実装対象となる基板に関する情報、及び、装着部20に装着しようとする、あるいは、装着された各テープフィーダ90をそれぞれ識別する識別情報(テープフィーダID)等である。このテープフィーダの識別情報には、後述する部品情報及びテープ情報等が対応付けられている。
【0058】
基板に関する情報は、つまり基板製品に関する情報である。この情報には、この実装対象となる基板の種類(基板の形状等)の情報、この基板に必要な部品の種類及び個数等の情報が含まれる。
【0059】
前後2つのうち1つの装着部20には、例えば上述のように合計58個の、テープフィーダ90の図示しない接続部が配列されている。接続部ごとにテープフィーダ90がそれぞれ接続されることにより装着部20に装着可能となっている。接続部にテープフィーダ90が接続されると、メインコントローラ21は、装着部20のうちどの位置の(何番目の)接続部にテープフィーダ90が接続されたかを電気的に認識することが可能となっている。
【0060】
表示部19は、例えばオペレータにより入力部18を介して入力された情報、その入力の操作に必要な情報、その他必要な情報を表示する機器である。
【0061】
メインコントローラ21は、例えばCPU、RAM及びROM等のコンピュータの機能を有し、制御ユニットとして機能する。メインコントローラ21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)、その他ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスにより実現されてもよい。
【0062】
1つのテープフィーダ90のキャリアテープには、多数の同じ電子部品が収納される。同じ電子部品とは、つまり、同じ種類の電子部品、例えば「50pFのコンデンサ」などである。コンデンサの容量が異なれば、それらは異なる電子部品である。装着部20に搭載されるテープフィーダ90のうち、複数のテープフィーダ90にまたがって同じ電子部品が収容される場合もある。
【0063】
テープフィーダ90はメモリ92を有している。テープフィーダ90が装着部20の接続部に接続されてセットされることにより、メモリ92がメインコントローラ21に電気的に接続される。メモリ92には、テープフィーダに関する情報が記憶されている。テープフィーダに関する情報には、そのテープフィーダ90に収められている電子部品の情報(以下、部品情報という。)、テープ情報が含まれる。
【0064】
部品情報には、上記のように例えば「50pFのコンデンサ」など、少なくとも部品の種類の情報が含まれる。
【0065】
テープ情報には、例えば、テープの長さ、部品の収容数、部品が収容されるピッチ等の情報が含まれる。
【0066】
[部品実装装置の動作(基板の製造方法)]
図5〜図8は、部品実装装置100の動作を示し、主にメインコントローラ21の処理を示すフローチャートである。
【0067】
まず図5に示す自動生産準備処理が実行される。自動生産処理は、複数の部品の供給、保持、及び装着を含む処理を自動で実行して基板Wを生産する処理である。この自動生産処理の準備のために以下の処理が実行される。
【0068】
基板生産用データが読み込まれる(ステップ101)。基板生産用データは、上記した基板Wに関する情報やテープフィーダ90の識別情報等を含む、実装処理に必要な情報である。テープフィーダ90の識別情報をもとに、当該テープフィーダ90に収容された電子部品の種類の情報も読み出される。
【0069】
図9は、装着部20に装着される6種類のテープフィーダ90と、当該テープフィーダ90の供給窓91に収容された電子部品50の一例を示す模式的な図である。この図9は、図2に示すA−A線でのテープフィーダ90及び供給窓91の断面図に相当する。
【0070】
基板生産データが読み出されることで、装着部20のどの位置にどの種類のテープフィーダ90が装着され、当該テープフィーダ90により供給領域Sにどの種類の電子部品50が供給されるかが認識される。
【0071】
電子部品の吸着可能範囲51が算出される(ステップ102)。吸着可能範囲51とは、吸着ノズル33により電子部品50を保持可能な位置の範囲である。電子部品50に対する吸着ノズル33の吸着位置が吸着可能範囲51内にある場合、吸着ノズル33により電子部品50が吸着可能とされる。吸着ノズル33の吸着位置は、保持位置に相当する。
【0072】
典型的に、電子部品50は、吸着方向(Z方向)で見た中心位置52にて吸着ノズル33により吸着される。従って吸着可能範囲51は、典型的には、電子部品50の中心位置52から所定の大きさで広がる範囲である。例えば電子部品50のZ方向から見た大きさに対して60パーセントの大きさの領域が吸着可能範囲51として設定される。吸着可能範囲51の割合は限定されない。また吸着可能範囲51の設定方法も限定されない。
【0073】
すなわち吸着可能範囲51は、電子部品50の大きさ、形状、重量等により適宜設定されてよい。例えば重量の小さい電子部品50であれは、吸着位置が電子部品50の中心位置52からずれていても問題ない場合が多い。一方、重量の大きい電子部品50の場合、吸着位置が中心位置52からずれてしまうと吸着ができない可能性がある。従って、例えば重量の小さい電子部品50では、電子部品50の大きさに対して吸着可能範囲51が大きく設定され(例えば80パーセント)、重量の大きい電子部品50は、吸着可能範囲51が小さく設定される(例えば40パーセント)。
【0074】
本実施形態では、ステップ101で読み出された部品情報をもとに、電子部品50ごとに吸着可能範囲51が算出される。しかしながら、予め部品情報として電子部品50ごとの吸着可能範囲51の情報がテープフィーダ90のメモリ92に格納されていてもよい。また入力部18を介したオペレータの設定により、吸着可能範囲51の設定又は修正等が実行されてもよい。算出された吸着可能範囲51の情報は、例えばメインコントローラ21のROM等に格納される。
【0075】
吸着対象位置の補正値が算出されて登録される(ステップ103)。吸着対象位置とは、電子部品50が適正に保持されるための、吸着ノズル33の吸着の対象となる位置である。この吸着対象位置に、吸着ノズル33のアクセス位置を移動させ、吸着動作を行うことで電子部品50が適正に保持される。本実施形態では、各電子部品50の吸着方向から見た中心位置52が、吸着対象位置として設定される。しかしながらこれに限られず、吸着可能範囲51内の他の位置が吸着対象位置として設定されてもよい。
【0076】
本実施形態では、予め吸着対象位置の初期設定値として供給領域Sに配置される各供給窓91の中心位置53が設定されている。これは典型的には、各供給窓91の中央にそれぞれ電子部品50が収容されていることに基づく。
【0077】
しかしながら、例えば図9に示すように、供給窓91に対して電子部品50の位置がずれている場合がある。この場合、初期設定値として定められた吸着対象位置(中心位置53)にアクセス位置を設定しても、電子部品50を適正に保持することができない。
【0078】
従ってステップ103にて吸着対象位置の補正値が算出され、補正された吸着対象位置が算出される。補正値は、供給領域Sに対する複数の電子部品50の位置情報をもとに算出される。従って補正された吸着対象位置は、供給領域Sに対する複数の電子部品50の位置情報をもとに算出されることになる。
【0079】
供給領域Sに対する各電子部品50の位置情報や吸着対象位置等の情報は、例えば供給窓91の中心位置53を基準とした座標値で電子部品50ごとに取得される。例えば電子部品50が供給窓91の中央に位置する場合は、電子部品50の位置情報及び吸着対象位置は(0,0)で表され、吸着対象位置の補正値も(0,0)で表される。しかしながら上記した各位置情報を表す方法や、座標系の基準点等は適宜設定可能である。
【0080】
本実施形態では、自動生産準備処理にて行われるこの補正値登録処理では、基板カメラ17が用いられる。基板カメラ17により、複数の電子部品50が供給された供給領域Sの画像が撮像される。当該供給領域Sの画像を解析することで、各電子部品50の位置情報が取得される。そして各電子部品50の供給窓91の中心位置53からのずれ量が補正値として算出される。なお電子部品50の位置情報から吸着対象位置の情報が直接算出されてもよい。
【0081】
あるいは供給領域Sの画像が表示部19に表示され、当該画像を目視しながらオペレータにより吸着対象位置の設定や修正が行われてもよい。または手動操作により基板カメラ17が供給領域S内の電子部品50の中心位置52に移動させられる。そしてその位置が部品中心位置として取り込まれ補正値が算出されてもよい。
【0082】
この供給領域Sの画像を用いた位置情報の取得は、主にテープフィーダ90の装着又は交換時に行われる。あるいは、自動生産中における電子部品50の未吸着の多発時等に行われる。
【0083】
組み合わせ予測処理が起動される(ステップ104)。これにより以下に説明する処理が実行される。なおここでは組み合わせ予測処理の起動のみが行われ、自動生産準備処理は終了する。
【0084】
図6は、本実施形態に係る組み合わせ予測処理の流れを示すフローチャートである。組み合わせ予測処理とは、複数の吸着ノズル33の全てが複数の電子部品50を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、複数の吸着ノズル33のそれぞれのアクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせを予測する処理である。
【0085】
保持動作の組み合わせが予測される(ステップ201)。そして複数の電子部品50を吸着するための保持動作の組み合わせ情報がメインコントローラ21のROM等に保存される(ステップ202)。図6の組み合わせ予測処理は、上記した自動生産準備処理及び後述する自動生産処理と並行して実行される。
【0086】
ステップ201の組み合わせの予測について詳しく説明する。図7は、組み合わせの予測の詳細な流れを示すフローチャートである。図10〜図15は、当該フローチャートを説明するための模式的な図である。
【0087】
複数の吸着ノズル33から基準保持部としての基準ノズル35が選択される(ステップ301)。図10に示すように本実施形態では、6つの吸着ノズル33にそれぞれノズル番号が割り当てられる。そしてノズル番号1の最も左に位置する吸着ノズル33がまず基準ノズル35として選択される。しかしながら基準ノズル35の選択方法や選択の順番は限定されない。
【0088】
基準ノズル35のアクセス位置36が電子部品50を保持可能な位置である吸着対象位置37に設定される(ステップ302)。この設定の上での他の吸着ノズル33のアクセス位置36が判定される(ステップ303)。
【0089】
図10に示すように、基準ノズル35のアクセス位置36が吸着対象位置37に設定されると、ノズル番号4〜6の吸着ノズル33のそれぞれのアクセス位置36が、吸着可能範囲51に含まれる。従ってこれらノズル番号4〜6の吸着ノズル33は、電子部品50を保持可能な位置にあると判定される。
【0090】
一方、ノズル番号2及び3の吸着ノズル33のそれぞれのアクセス位置36は、吸着可能範囲51から外れてしまう。従ってこれらノズル番号2及び3の吸着ノズル33は、電子部品50を保持可能な位置にないと判定される。これら他の吸着ノズル33のアクセス位置36の判定結果は、図15に示す予測処理における保持動作の組み合わせツリー200として登録される。なお他の吸着ノズル33のアクセス位置36の判定結果を保持する方法は限定されない。
【0091】
全ての吸着ノズル33が保持可能位置にあるか判定される(ステップ304)。上記したようにノズル番号2及び3の吸着ノズル33は吸着可能位置にないので、ステップ305に進む。
【0092】
ステップ305では、複数の吸着ノズル33のうちアクセス位置36が吸着可能な位置にないと判定された吸着ノズル(ノズル番号2及び3)が処理対象に設定される。そしてノズル番号2及び3の吸着ノズル33に対して、ステップ301〜ステップ303の基準ノズル35の選択及び他の吸着ノズル33のアクセス位置36の判定が行われる。
【0093】
例えば図11に示すように、ノズル番号2の吸着ノズル33が基準ノズル35として選択される。そして当該基準ノズル35のアクセス位置36が、電子部品50の吸着対象位置37に設定される。そうするとノズル番号3の吸着ノズル33は電子部品50の吸着可能範囲51から外れてしまう。従ってノズル番号3の吸着ノズル33は、電子部品50を保持可能な位置にないと判定される。
【0094】
従ってステップ305にて、ノズル番号3の吸着ノズル33が処理対象とされ、基準ノズル35の選択及び他の吸着ノズル33のアクセス位置36の判定が行われる。
【0095】
図12に示すように、吸着ノズル33が基準ノズル35として選択され、そのアクセス位置36が電子部品50の吸着対象位置37に設定される。他の吸着ノズル33は存在しないので、ステップ304にて、全ての吸着ノズル33のアクセス位置36が電子部品50を保持可能な位置にあると判定される。
【0096】
このように全ての吸着ノズル33のアクセス位置36が電子部品50を保持可能な位置にあると判定されるまで基準ノズル35の選択及び他の吸着ノズル33のアクセス位置36の判定が行われる。
【0097】
図15に示すように、他の吸着ノズル33のアクセス位置36の判定処理が行われるたびに、その判定結果が組み合わせツリー200に登録される。これにより1回目にノズル番号1の吸着ノズル33が基準ノズル35として選択され、当該基準ノズル35のアクセス位置36が吸着対象位置37に設定された上での保持動作の組み合わせである組み合わせ候補201が算出される。
【0098】
全ての吸着ノズル33が電子部品50の保持可能位置にあると判定されると、組み合わせ候補201での保持動作の回数が算出される(ステップ306)。本実施形態では、組み合わせツリー200の1つの組み合わせ候補201における基準ノズル35の選択回数が保持動作の回数として算出される。従って図10〜図12で示した予測処理では、3回の保持動作の回数が算出される。算出された保持動作の回数は組み合わせツリー200に登録される。
【0099】
なお2回目の基準ノズル35の選択処理にて、ノズル番号3の吸着ノズル33が基準ノズル35として選択される場合の組み合わせも予測される。そしてその場合の組み合わせ候補201及び保持動作の回数が組み合わせツリー200に登録される。このように1回目に選択された基準ノズル35に対して複数の組み合わせ予測が実行される。これにより効率的な保持動作が予測可能となる。
【0100】
図7のステップ307において、組み合わせ候補201の算出が終了したか否かが判定される。本実施形態では、複数の吸着ノズル33の全てに対して1回目の基準ノズル35の選択処理が行われたか否かが判定される。すなわち1回目の基準ノズル35として選択されていない吸着ノズル33が存在する場合は、ステップ307のNoからステップ301に進む。
【0101】
図13及び図14は、ノズル番号2の吸着ノズル33を1回目の基準ノズル35とした場合を説明するための図である。図13に示すように基準ノズル35のアクセス位置36が電子部品50の吸着対象位置37に設定される。そうするとノズル番号1及び4の吸着ノズル33のそれぞれのアクセス位置36が吸着可能範囲51に含まれる。一方、ノズル番号3、5及び6の吸着ノズル33のそれぞれのアクセス位置36が吸着可能範囲51から外れてしまう。
【0102】
図14に示すように、電子部品50を保持可能な位置にないと判定されたノズル番号3、5及び6の吸着ノズル33から、ノズル番号3の吸着ノズル33が基準ノズル35として選択される。基準ノズル35のアクセス位置36が電子部品50の吸着対象位置37に設定されると、他の吸着ノズル33(ノズル番号5及び6)のそれぞれのアクセス位置36が電子部品50の吸着可能範囲51に含まれる。従って全ての吸着ノズル33が電子部品50を保持可能な位置にあると判定される。
【0103】
図15に示すように、保持動作の組み合わせツリー200に組み合わせ候補201と保持動作の回数が登録される。登録される保持動作回数は2回である。
【0104】
このように複数の吸着ノズル33が順に1回目の基準ノズル35として選択される。そして全ての吸着ノズル33が1回目の基準ノズル35として選択されると、ステップ307のYesからステップ308に進む。
【0105】
ステップ308では、複数の吸着ノズル33から基準ノズル35が選択されるごとに算出される複数の組み合わせ候補201から、実際に実装ヘッド30により実行される保持動作の組み合わせが選択される。保持動作の組み合わせは、複数の組み合わせ候補201が登録された組み合わせツリー200が参照されることで選択される。
【0106】
本実施形態では、組み合わせ候補201ごとに算出された組み合わせ候補201での保持動作の回数をもとに、保持動作の組み合わせが選択される。すなわち保持動作の回数が最も少ない組み合わせ候補201が、保持動作の組み合わせとして選択される。これにより複数の電子部品50を効率的に基板Wに実装することが可能となる。
【0107】
図8は、本実施形態に係る自動生産処理を流れを示すフローチャートである。本実施形態では、テープフィーダ90により第1の供給として複数の電子部品50が供給領域Sに供給される。そして当該供給された複数の電子部品50が複数の吸着ノズル33に保持されると、第2の供給として複数の電子部品50が供給領域Sに供給される。供給領域Sに複数の電子部品50が供給されるたびに上記した保持動作の組み合わせ予測処理が実行される。
【0108】
図6のステップ202にて記憶された組み合わせ情報が読み出される(ステップ401)。読み出された情報をもとに、組み合わせ予測処理にて算出された保持動作の組み合わせで、複数の吸着ノズル33の全てにより複数の電子部品が保持される(ステップ402)。
【0109】
例えば図15に示す組み合わせ候補201Aが保持動作の組み合わせとして選択されている場合、ますノズル番号2の吸着ノズル33のアクセス位置36が電子部品50の吸着対象位置37になるように、実装ヘッド30が動かされる。そしてノズル番号1、2及び4の吸着ノズル33により部品吸着が実行される。続いて、ノズル番号3の吸着ノズル33のアクセス位置36が電子部品50の吸着対象位置37になるように、実装ヘッド30が動かされる。そしてノズル番号3、5及び6の吸着ノズル33により部品吸着が実行される。この結果全ての吸着ノズル33により複数の電子部品50が保持される。
【0110】
全ての吸着ノズル33に対して部品認識処理が実行される(ステップ403)。部品認識は、図2に示す部品カメラ32により、吸着ノズル33に吸着されている電子部品50が撮影されることで実行される。
【0111】
撮影された電子部品50の画像が解析され、電子部品50に対する吸着ノズル33の保持位置である吸着位置が算出される。例えば部品カメラ32により吸着ノズル33の位置が中央になるように電子部品50が下部側から撮影される。その画像内での電子部品50の位置をもとに吸着位置が算出される。しかしながら吸着位置の算出方法は限定されない。
【0112】
算出された吸着位置の情報をもとに、吸着対象位置37の補正値が更新される(ステップ404)。第1の供給で供給された複数の電子部品50に対する組み合わせ予測処理において、それぞれの吸着ノズル33の吸着位置についても予測がされている。この予測された吸着位置と、ステップ403で算出された実際の吸着位置との差が、吸着対象位置37の補正値として算出される。
【0113】
例えば図5に示す自動生産準備処理のステップ103のように、第2の供給で供給された複数の電子部品50を含む供給領域Sの画像が、基板カメラ17により撮像されてもよい。そして第2の供給での複数の電子部品50の位置情報が取得され、吸着対象位置37の補正値が更新されてもよい。これにより正確な位置情報を取得することができる。
【0114】
一方で本実施形態では、ステップ403で算出された複数の吸着ノズル33のそれぞれの吸着位置をもとに第2の供給での複数の電子部品50の位置情報が取得され、吸着対象位置37の補正値が更新される。これにより供給領域Sに供給される複数の電子部品50の位置情報が短時間で取得されスループットが向上する。
【0115】
このことは、1つのテープフィーダ90に収納される同種類の電子部品50は、それぞれ各供給窓91内の略同様の位置にて供給領域Sに供給されるということに基づく。例えば装着部20に装着されたテープフィーダ90が微妙に傾いてしまう場合等がある。このような場合に、テープフィーダ90に収容された電子部品50が供給窓91の中心位置53から若干ずれてしまう場合がある。しかしながら、そのずれはテープフィーダ90に収容される同種類の電子部品50に略同様に発生することが多い。すなわち1つのテープフィーダ90に収容される電子部品50に対しては、ある程度の傾向を有して位置ずれが生じると考えることができる。従って、第1の供給に係る吸着位置をもとに、第2の供給に係る複数の電子部品50の位置情報が取得可能となる。
【0116】
組み合わせ予測処理が起動される(ステップ405)。これにより図6に示す組み合わせ予測処理が実行される。なおここでは組み合わせ予測処理の起動のみが行われ、ステップ402にて吸着された第1の供給に係る複数の電子部品50の基板Wへの装着処理が実行される(ステップ406)。このように組み合わせ予測処理は、自動生産処理と並行して実行されるので、基板の生産におけるスループットが低下してしまうことはない。
【0117】
基板Wへの電子部品50の装着が完了したか否かが判定される(ステップ407)。すなわち装着されるべき電子部品50の全てが装着済みか否かが判定される。電子部品50の装着が完了していないと判定された場合、ステップ401からの処理が繰り返される。電子部品50の装着が完了したと判定された場合、基板の自動生産処理は終了する。
【0118】
なお、上記説明した第1及び第2の供給は、同じテープフィーダ90から同じ電子部品50が供給される場合について述べた。この第1及び第2の供給が必ずしも連続して実行される場合に限定されない。例えば1つ目の基板Wに対して、所定のテープフィーダ90から複数の電子部品50が取り出され、当該複数の電子部品が装着される(装着A)。次に他のテープフィーダ90から複数の電子部品50が取り出され基板Wに装着され(装着B)基板Wに対する実装処理が完了する。この後2つ目の基板Wに対して、装着A及びBが実行される。このような場合、例えば1つ目の基板Wに対する装着Aが第1の供給となり、2つ目基板Wに対する装着Aが第2の供給となる。このような場合も考えられる。
【0119】
以上、本実施形態に係る部品実装装置100では、供給領域Sに供給される複数の電子部品50の位置情報をもとに、複数の吸着ノズル33の全てが複数の電子部品50を保持するのに必要な少なくとも1回以上の保持動作の組み合わせが算出される。これにより供給領域Sに供給される複数の電子部品50について位置ずれが生じる場合でも、複数の電子部品50を効率よく基板Wに実装することが可能となる。また複数の電子部品50を基板Wに短時間で実装することが可能となり、基板Wの生産性を向上することができる。
【0120】
また部品実装装置100では、基準ノズル35が選択され、当該基準ノズル35のアクセス位置36が電子部品50を保持可能な位置に設定される。その設定の上で、複数の電子部品50を保持するための保持動作の組み合わせが組み合わせ候補201として算出される。これにより基準ノズル35が選択されるたびに算出される複数の組み合わせ候補201から保持動作の組み合わせが適宜される。この結果、複数の電子部品50を効率的に基板Wに実装することが可能となる。
【0121】
また部品実装装置100では、全ての吸着ノズル33のアクセス位置36が電子部品50を保持可能な位置にあると判定されるまで、基準ノズル35の選択及び他の吸着ノズル33のアクセス位置36の判定が行われる。すなわち基準ノズル35の選択及びアクセス位置36の判定を繰り返すことで、容易に組み合わせ候補201を算出することが可能となる。この結果、メインコントローラ21のCPUやRAM等の処理リソースに対する負荷を抑えることができる。
【0122】
<変形例>
本技術に係る実施形態は、上記で説明した実施形態に限定されず種々変形される。
【0123】
例えば上記の実施形態では、選択された基準ノズル35のアクセス位置36が吸着対象位置37に設定された状態で、組み合わせ候補201が算出された。ここで、基準ノズル35のアクセス位置36が電子部品50の吸着可能範囲51内の異なる位置にて複数回設定されてもよい。そして当該異なる位置における各設定ごとに組み合わせ候補201が算出されてもよい。
【0124】
例えば基準ノズル35のアクセス位置36を異なる位置に設定することで、アクセス位置36が吸着可能範囲51に含まれる他の吸着ノズル33の数が増える場合等があり得る。そうするとアクセス位置36の設定によっては、保持動作の少ない組み合わせ候補201が算出される場合がある。この結果少ない回数での保持動作の組み合わせが算出可能となる。
【0125】
基準ノズル35のアクセス位置36を吸着可能範囲51内で複数回設定する処理は、1回目に選択された基準ノズル35に対して実行される場合に限定されない。2回目以降に選択された基準ノズル35のアクセス位置36も吸着可能範囲51内にて複数回設定されてよい。これにより効率的に複数の電子部品50を吸着するための保持動作の組み合わせが算出される。
【0126】
上記では図8のステップ404に示す補正値更新処理において、予測された吸着位置と実際の吸着位置との差が、吸着対象位置37の補正値として算出された。この補正値が以下のようにして算出されてもよい。
【0127】
供給領域Sに供給された複数の電子部品50が複数の吸着ノズル33に保持されるたびに、部品カメラ32による撮影が行われ、予測された吸着位置と、実際の吸着位置との差が算出され記憶される。この記憶された差の平均が算出され、この平均値をもとに補正値が算出されてもよい。以下、予測された吸着位置と実際の吸着位置との差を位置差と記載する。
【0128】
例えば過去に行われた所定の回数(n回とする)の吸着動作における位置差の平均が算出される。この位置差の平均がそのまま補正値として算出されてもよい。あるいは算出された位置差の平均の所定の割合分(m%とする)が補正値として算出されてもよい。すなわち過去n回における位置差の平均のm%が補正値として算出されてもよい。
【0129】
1つテープフィーダ90に収められた複数の電子部品50のなかで、何らかの事情により他の電子部品50と比べて収容位置が大きく異なるものが存在する場合がある。すなわち複数の電子部品50の収容位置にて認められる傾向から外れてしまう電子部品が存在する場合がある。
【0130】
このような場合では、当該異なる位置に納められた電子部品50の位置情報が、それ以降に供給される電子部品50の位置情報の算出に強い影響を与えてしまう可能性がある。しかしながら位置差の平均を用いて補正値が算出されることで、そのような影響を抑えることが可能となり、供給領域Sに供給された複数の電子部品50の位置情報を精度よく取得することができる。
【0131】
上記では図7のステップ307にて、複数の吸着ノズル33の全てに対して1回目の基準ノズル35の選択処理が行われたか否かが判定される。しかしながら、保持動作が所定の回数以下となる組み合わせ候補201が算出された時点で、組み合わせ候補201の算出が終了と判定されてもよい。例えば1回の保持動作により全ての吸着ノズル33が電子部品50を保持可能である組み合わせ候補201が算出された場合、その時点で組み合わせ候補201の算出処理が終了と判定されてもよい。また例えば吸着ノズル33の数が非常に多い場合等では、所定の数の吸着ノズル33が基準ノズル35として選択された時点で、組み合わせ候補201の算出が終了と判定されてもよい。このように設定することで、スループットを向上することができる。
【0132】
上記では、図4に示す制御部としてのメインコントローラ21により、複数の電子部品50の位置情報をもとにした保持動作の組み合わせの算出処理が実行された。上記で説明した保持動作の組み合わせの算出処理は、本技術に係る情報処理方法として実行される。
【0133】
また上記で説明したメインコントローラ21を有するコンピュータが、部品実装装置を制御するための本技術に係る情報処理装置として用いられてもよい。この場合、メインコントローラ21は、取得部及び算出部として機能する。
【0134】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
【0135】
(1)基板に実装される複数の部品を所定の領域に供給する供給部と、
前記供給された複数の部品を保持するための複数の保持部を有し、前記複数の保持部が前記所定の領域へ同時にアクセス可能なように、当該複数の保持部を支持するヘッドと、
前記所定の領域に対する前記複数の部品の位置情報をもとに、前記複数の保持部の全てが前記複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、前記複数の保持部の各アクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせを算出する制御部と
を具備する部品実装装置。
(2)前記(1)に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記複数の保持部から基準となる基準保持部を選択し、当該基準保持部の前記アクセス位置が前記部品を保持可能な位置に設定された上での前記保持動作の組み合わせである組み合わせ候補を算出し、前記複数の保持部から前記基準保持部が選択されるごとに算出される複数の組み合わせ候補から前記保持動作の組み合わせを選択する
部品実装装置。
(3)前記(2)に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記組み合わせ候補での前記保持動作の回数を前記組み合わせ候補ごとに算出し、前記算出された前記保持動作の回数をもとに前記保持動作の組み合わせを選択する
部品実装装置。
(4)前記(2)又は(3)に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記基準保持部の前記アクセス位置が前記保持可能な位置に設定された上での他の前記保持部の前記アクセス位置を判定し、前記他の保持部のうち前記アクセス位置が前記保持可能な位置にないと判定された前記保持部に対して前記基準保持部の選択及び前記他の保持部のアクセス位置の判定を行い、全ての前記保持部のアクセス位置が前記保持可能な位置にあると判定されるまで前記基準保持部の選択及び前記他の保持部のアクセス位置の判定を行うことで前記組み合わせ候補を算出する
部品実装装置。
(5)前記(2)から(4)のうちいずれか1つに記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記複数の部品のそれぞれの種類の情報をもとに当該種類ごとに前記部品を保持可能な位置の範囲を算出し、前記基準保持部のアクセス位置を前記保持可能位置の範囲内の異なる位置にて複数回設定し、当該異なる位置における各設定ごとに前記組み合わせ候補を算出する
部品実装装置。
(6)前記(1)から(5)のうちいずれか1つに記載の部品実装装置であって、
前記所定の領域の画像を撮像することが可能な撮像部をさらに具備し、
前記制御部は、前記撮像部により撮像された前記複数の部品が供給された前記所定の領域の画像をもとに前記複数の部品の位置情報を取得する
部品実装装置。
(7)前記(1)から(6)のうちいずれか1つに記載の部品実装装置であって、
前記供給部は、第1の供給として供給した前記複数の部品が前記複数の保持部に保持されると、第2の供給として前記所定の領域に前記複数の部品を供給し、
前記制御部は、前記第1の供給として供給された前記複数の部品に対する前記複数の保持部の保持位置の情報を取得し、当該保持位置情報をもとに前記第2の供給として供給された前記複数の部品の位置情報を取得する
部品実装装置。
【符号の説明】
【0136】
W…基板
S…供給領域
17…基板カメラ
21…メインコントローラ
30…実装ヘッド
32…部品カメラ
33…吸着ノズル
35…基準ノズル
36…アクセス位置
37…吸着対象位置
40…実装ユニット
50…電子部品
51…吸着可能範囲
90…テープフィーダ
100…部品実装装置
200…保持動作の組み合わせツリー
201…組み合わせ候補

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装される複数の部品を所定の領域に供給する供給部と、
前記供給された複数の部品を保持するための複数の保持部を有し、前記複数の保持部が前記所定の領域へ同時にアクセス可能なように、当該複数の保持部を支持するヘッドと、
前記所定の領域に対する前記複数の部品の位置情報をもとに、前記複数の保持部の全てが前記複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、前記複数の保持部の各アクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせを算出する制御部と
を具備する部品実装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記複数の保持部から基準となる基準保持部を選択し、当該基準保持部の前記アクセス位置が前記部品を保持可能な位置に設定された上での前記保持動作の組み合わせである組み合わせ候補を算出し、前記複数の保持部から前記基準保持部が選択されるごとに算出される複数の組み合わせ候補から前記保持動作の組み合わせを選択する
部品実装装置。
【請求項3】
請求項2に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記組み合わせ候補での前記保持動作の回数を前記組み合わせ候補ごとに算出し、前記算出された前記保持動作の回数をもとに前記保持動作の組み合わせを選択する
部品実装装置。
【請求項4】
請求項2に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記基準保持部の前記アクセス位置が前記保持可能な位置に設定された上での他の前記保持部の前記アクセス位置を判定し、前記他の保持部のうち前記アクセス位置が前記保持可能な位置にないと判定された前記保持部に対して前記基準保持部の選択及び前記他の保持部のアクセス位置の判定を行い、全ての前記保持部のアクセス位置が前記保持可能な位置にあると判定されるまで前記基準保持部の選択及び前記他の保持部のアクセス位置の判定を行うことで前記組み合わせ候補を算出する
部品実装装置。
【請求項5】
請求項2に記載の部品実装装置であって、
前記制御部は、前記複数の部品のそれぞれの種類の情報をもとに当該種類ごとに前記部品を保持可能な位置の範囲を算出し、前記基準保持部のアクセス位置を前記保持可能位置の範囲内の異なる位置にて複数回設定し、当該異なる位置における各設定ごとに前記組み合わせ候補を算出する
部品実装装置。
【請求項6】
請求項1に記載の部品実装装置であって、
前記所定の領域の画像を撮像することが可能な撮像部をさらに具備し、
前記制御部は、前記撮像部により撮像された前記複数の部品が供給された前記所定の領域の画像をもとに前記複数の部品の位置情報を取得する
部品実装装置。
【請求項7】
請求項1に記載の部品実装装置であって、
前記供給部は、第1の供給として供給した前記複数の部品が前記複数の保持部に保持されると、第2の供給として前記所定の領域に前記複数の部品を供給し、
前記制御部は、前記第1の供給として供給された前記複数の部品に対する前記複数の保持部の保持位置の情報を取得し、当該保持位置情報をもとに前記第2の供給として供給された前記複数の部品の位置情報を取得する
部品実装装置。
【請求項8】
基板に実装される複数の部品を所定の領域に供給する供給部と、
前記供給された複数の部品を保持するための複数の保持部を有し、前記複数の保持部が前記所定の領域へ同時にアクセス可能なように、当該複数の保持部を支持するヘッドとを備える部品実装装置に用いられる情報処理装置であって、
前記所定の領域に対する前記複数の部品の位置情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された位置情報をもとに、前記複数の保持部の全てが前記複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、前記複数の保持部の各アクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせを算出する算出部と、
を具備する情報処置装置。
【請求項9】
基板に実装される複数の部品を所定の領域に供給する供給部と、
前記供給された複数の部品を保持するための複数の保持部を有し、前記複数の保持部が前記所定の領域へ同時にアクセス可能なように、当該複数の保持部を支持するヘッドとを備える部品実装装置が実行する情報処理方法であって、
前記所定の領域に対する前記複数の部品の位置情報を取得し、
前記取得された位置情報をもとに、前記複数の保持部の全てが前記複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、前記複数の保持部の各アクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせを算出する
情報処理方法。
【請求項10】
基板に実装される複数の部品を所定の領域に供給する供給部と、
前記供給された複数の部品を保持するための複数の保持部を有し、前記複数の保持部が前記所定の領域へ同時にアクセス可能なように、当該複数の保持部を支持するヘッドとを備える部品実装装置による基板の製造方法であって、
前記所定の領域に対する前記複数の部品の位置情報をもとに、前記複数の保持部の全てが前記複数の部品を保持するのに必要な少なくとも1回以上の、前記複数の保持部の各アクセス位置が定められて行われる保持動作の組み合わせを算出し、
前記算出された保持動作の組み合わせで前記複数の保持部により前記複数の部品を保持し、当該保持された前記複数の部品を前記基板に実装する
基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図15】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−98289(P2013−98289A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238527(P2011−238527)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】