部品搭載装置、及び部品搭載方法
【課題】部品の搭載を高速で行えるようにした。
【解決手段】供給される部品３０を保持する保持機構１２０を有し、部品３０を被搭載部材２０まで搬送する搬送装置４００と、この保持機構１２０によって保持されている部品３０に対して接着材を塗布する塗布装置６００を備えるようにした。結果、接着材が塗布された部品３０を、接着材が乾燥する前に、被搭載部材２０に高速で搭載する。
【解決手段】供給される部品３０を保持する保持機構１２０を有し、部品３０を被搭載部材２０まで搬送する搬送装置４００と、この保持機構１２０によって保持されている部品３０に対して接着材を塗布する塗布装置６００を備えるようにした。結果、接着材が塗布された部品３０を、接着材が乾燥する前に、被搭載部材２０に高速で搭載する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子部品の製造工程や、電子部品の実装工程等で用いられる、各種部品の搭載装置、及び部品の搭載方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
半導体素子等の電子部品は、セラミック材料等による部品容器の内部に各種部品が搭載され、このセラミック容器をリッド（蓋）で密封して完成する。例えば、ＳＡＷフィルタエレメント等の電子部品は、部品容器内にＳＡＷフィルターとなる圧電体が搭載される。このような電子部品を組み立てる製造工程では、例えば、多数の部品容器が、搬送キャリア上にマトリクス状に配置されて供給され、各部品容器の内部に対して、圧電体等が順番に接着される。
【０００３】
この製造工程では、従来、部品容器内に接着剤を塗布し、その上から圧電体や半導体等を搬入して接着剤によって固定する。この工程で用いられる部品搭載装置は、部品容器内に接着剤を塗布し、パーツフィーダによって供給される圧電体を搬送して、部品容器内の正確な位置に搭載する。
【０００４】
また、このような工程を経て完成した電子部品は、電子機器の基板に実装される。この電子部品の実装工程においても、部品搭載装置が用いられる。具体的には、基板の所定位置に導電ペーストを塗布し、パーツフィーダによって供給される電子部品を搬送して、導電ペーストが塗布されたランド上に電子部品に載置する（特許文献１参照）。
【０００５】
即ち、部品搭載装置は、電子部品を製造する製造ラインで用いられたり、この電子部品を基板に搭載する組み立てラインで用いられたりしていることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特許公開２００４−２９７０９３
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
特許文献１のような従来の手法では、基板に対して導電ペーストを塗布してランドを形成し、その上に電子部品を搭載する方法の場合、１）基板の位置をカメラで確認して導電ペーストを正確に塗布する塗布工程と、２）電子部品を高精度に位置決めしながら、この導電ペーストによって構成されるランド上に電子部品を搭載する搭載工程が必要となる。結果、基板の待機時間が長くなり、タクトタイムが長くなるという問題があった。
【０００８】
また、電子部品の製造工程でも、部品容器に対して、１）部品容器の位置をカメラで確認して接着材を正確に塗布する塗布工程と、２）圧電体等の部品を高精度に位置決めしながら部品容器に搭載する搭載工程が必要となり、製造工程における部品容器の待機時間が長いという問題があった。
【０００９】
本発明は、斯かる実情に鑑み、極めて高速、且つ低コストで部品を搭載する方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明者の鋭意研究により、上記目的は以下の手段によって達成される。
【００１１】
上記目的を達成する本発明は、供給される部品を保持する保持機構を有し、前記部品を被搭載部材まで搬送する搬送装置と、前記保持機構によって保持されている前記部品に対して接着材を塗布する塗布装置と、を備え、前記接着材が塗布された前記部品を前記被搭載部材に搭載することで、前記部品を前記被搭載部材に接着する事を特徴とする部品の搭載装置である。
【００１２】
上記発明に関連して、前記保持機構を３つ以上備えており、第１の前記保持機構において、前記部品の供給位置において前記部品を保持する動作と、第２の前記保持機構において、前記塗布装置が配置される位置において前記部品に接着材が塗布される動作と、第３の前記保持機構において、前記被搭載部材に対して前記部品を搭載する動作と、が同時に実行されることを特徴とする。
【００１３】
上記発明に関連して、前記保持機構を５つ以上備えており、第４の前記保持機構において、前記塗布装置によって前記接着材が塗布される前の前記部品の保持姿勢を確認する動作と、第５の前記保持機構において、前記接着材が塗布された後、且つ前記被搭載部材に前記部品を搭載する前に、前記部品の保持姿勢を確認する動作と、が前記第１から第３の前記保持機構における動作と同時に実行されることを特徴とする。
【００１４】
上記発明に関連して、前記塗布装置は、前記部品の一面に前記接着材を塗布し、前記保持機構は、前記部品の前記一面の反対側の面を吸引保持することを特徴とする。
【００１５】
上記発明に関連して、前記塗布装置は、前記部品の一方の対辺近傍又は一方の対角部分近傍に前記接着材を塗布することを特徴とする。
【００１６】
上記発明に関連して、前記保持機構は、前記部品の他方の対辺近傍又は他方の対角部分近傍を保持することを特徴とする。
【００１７】
上記発明に関連して、前記塗布装置は、周面に前記接着材を保持可能な回転自在の塗布ローラを備え、前記部品と前記塗布ローラを当接させることで、前記接着材を前記部品に塗布することを特徴とする。
【００１８】
上記発明に関連して、前記塗布装置は、前記塗布ローラを回転させる駆動装置を備えることを特徴とする。
【００１９】
上記発明に関連して、前記駆動装置は、前記部品が前記塗布ローラに接触する毎に、前記塗布ローラを間欠的に回転させることを特徴とする。
【００２０】
上記発明に関連して、前記塗布ローラは、前記接着材を保持可能で且つ前記部品と当接する一対の環状の塗布面を有すると共に、前記一対の塗布面の間に、該塗布面よりも凹状となる逃げ空間が形成されることを特徴とする。
【００２１】
上記発明に関連して、前記保持機構は、前記部品を吸引する負圧発生孔を有する吸着ノズルを有しており、前記負圧発生孔は、前記逃げ空間に相当する前記部品の部位を吸引保持することを特徴とする。
【００２２】
上記発明に関連して、前記塗布装置は、前記接着材を吐出する塗布ノズルと、前記塗布ノズルに前記接着材を供給する供給装置と、前記塗布ノズルに対して前記接着材の吐出圧を提供する陽圧装置を備え、前記接着材を前記部品に向かって吐出することで、前記接着材を前記部品に塗布することを特徴とする。
【００２３】
上記発明に関連して、前記保持機構は、前記部品を自転自在に保持しており、前記部品を自転させることで、前記塗布ノズルが、前記部品の複数箇所に前記接着材を塗布することを特徴とする。
【００２４】
上記目的を達成する本発明は、供給される部品を保持して被搭載部材まで搬送する搬送工程と、前記搬送工程によって搬送中の前記部品に対して接着材を塗布する塗布工程と、を備え、前記接着材が塗布された前記部品を前記被搭載部材に搭載することで、前記部品を前記被搭載部材に接着する事を特徴とする、部品の搭載方法である。
【００２５】
上記発明に関連して、前記搬送工程では、３つ以上の保持機構によって前記部品を前記被搭載部材まで順番に搬送するようになっており、第１の前記保持機構において、前記部品の供給位置において前記部品を保持する動作と、第２の前記保持機構において、前記部品に接着材が塗布される前記塗布工程と、第３の前記保持機構において、前記被搭載部材に対して前記部品を搭載する動作と、が同時に実行されることを特徴とする。
【００２６】
上記発明に関連して、前記保持機構を５つ以上備えており、第４の前記保持機構において、前記塗布装置によって前記接着材が塗布される前の前記部品の保持姿勢を確認する動作と、第５の前記保持機構において、前記接着材が塗布された後、且つ前記被搭載部材に前記部品を搭載する前に、前記部品の保持姿勢を確認する動作と、が前記第１から第３の前記保持機構における動作と同時に実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【００２７】
本発明によれば、被搭載部材に部品を極めて高速に接着できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明の実施の形態に係る搭載装置の平面図である。
【図２】同搭載装置の正面図である。
【図３】同搭載装置の吸着ノズル及び部品を下側から見た底面図である。
【図４】塗布装置の正面図及び側面図である。
【図５】塗布装置の上面図である。
【図６】塗布装置による塗布動作を示す側面図である。
【図７】塗布装置の他の構成例を示す図である。
【図８】部品の接着動作を示す図である。
【図９】インクジェットタイプの塗布装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００２９】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【００３０】
まず、図１及び図２を用いて、本発明の実施形態に係る部品の搭載装置の全体構成について説明する。なお、ここでは電子部品を、被装着部材となる基板に搭載する場合を例示する。
【００３１】
部品の搭載装置１は、部品３０を供給する部品供給装置５０と、供給される部品３０を基板１８まで搬送する搬送装置４００と、この基板１８を位置決め及び搬送する位置決め装置８０と、基板１８を供給及び回収するマガジン９０と、搬送中であって接着材Ｎを塗布する前の部品３０の保持状態を確認する第１下側撮像装置６５０と、搬送中の部品３０に接着材Ｎを塗布する塗布装置６００と、搬送中であって接着材Ｎの塗布後の部品３０の保持状態及び接着材Ｎの塗布状態をカメラ撮影によって下側から確認する第２下側撮像装置７００と、基板１８の位置をカメラ撮影によって上側から確認する上側撮像装置８００と、不良の部品３０を廃棄する廃棄ケース９００と、吸着ノズル（後述）の先端面を定期的に清掃する清掃装置９５０を有する。なお、この清掃装置９５０は、繊維や砥石等によって形成される清掃面であり、吸着ノズルの先端と当接して、付着した接着材Ｎを定期的に拭き上げるようになっている。
【００３２】
搬送装置４００は、円板状の回転テーブル３００と、その外周に周方向に配置される保持機構１２０を有する。保持機構１２０は吸着ノズル１００を有しており、部品３０を負圧によって吸引保持する。回転テーブル３００は、モータ３２０によって回転自在となっており、これにより、回転テーブル３００に配置される保持機構１２０の移動が可能になっている。本実施形態では、回転テーブル３００に対して、周方向に１６個の保持機構１２０が配置されているが、少なくとも３つ以上備えることが好ましい。より望ましくは５つ以上備えるようにする。
【００３３】
なお、本実施形態では、搬送装置４００の構造として、回転テーブル３００によるターレット機構を例示するが、本発明はこれに限定されず、例えば直動レール上を往復運動するような直動機構を利用しても良い。
【００３４】
保持機構１２０における吸着ノズル１００は、上下方向に移動自在且つ回転自在となっている。吸着ノズル１００の移動構造には様々なものが採用できるが、例えば、上下方向はエアーシリンダ等によって移動させることができ、また、回転方向はモータ等を利用することができる。この他にも例えば、上下方向は、ねじ軸とナットによるボールねじ機構やラックアンドピニオン機構を用いても良い。
【００３５】
部品供給装置５０はいわゆるボールフィーダであり、多量の部品３０を貯留して、一つずつ、搬送装置４００に供給する。搬送装置４００における保持機構１２０は、吸着ノズル１００を上下方向に移動させることで、供給される部品３０を吸引保持する。なお、ここではボールフィーダで供給する場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、溶接リングが整列配置された整列トレーを用いて、溶接リングを供給したり、テーブル上に自由に溶接リングがばらまかれた状態の供給テーブルから、画像認識によって、個々の溶接リングをピックアップするような構造であっても良い。
【００３６】
既に図１０に示したように、基板１８は、キャリア５５０上に配置されており、このキャリア５５０と基板１８が一緒になってマガジン９０に収容される。位置決め装置８０は、いわゆるＸ−Ｙテーブル装置であり、マガジン９０からキャリア５５０（基板１８）を取り出して、搬送装置４００の下方において、このキャリア５５０をＸ−Ｙ方向に位置決めする。搬送装置４００の上方には、上側撮像装置８００が配置されており、直下に保持機構１２０が存在していないタイミングを利用して、下方の基板１８を撮像し、部品３０の搭載位置を画像で確認する。この情報を利用して、位置決め装置８０は、基板１８の所定の搭載位置を、保持機構１２０の真下に移動させる。結果、吸着ノズル１００は、吸着保持した部品３０を基板１８に正確に載置できる。
【００３７】
搬送装置４００における部品３０の移動軌跡の途中には、第１及び第２下側撮像装置６５０、７００が配置される。第１下側撮像装置６５０は、接着材Ｎを塗布する前の部品３０の保持状態を確認する。例えば、部品３０が保持されていない場合は、塗布装置６００による接着材Ｎの塗布動作を禁止させる。また、部品３０の保持角度がずれている場合は、必要に応じて吸着ノズル１００を回転させてから接着材Ｎを塗布する。また、修正出来ない程度まで部品３０の保持姿勢が悪い場合は、後工程において接着材Ｎの塗布や基板１８への搭載を行わずに、その部品３０を廃棄ケース９００に廃棄する。
【００３８】
また、第２下側撮像装置７００は、吸着ノズル１００に吸着された状態の部品３０の座標情報（位置情報と言うこともある）を取得すると共に、その座標情報を、搬送装置４００の制御部（図示省略）と位置決め装置８０の制御部（図示省略）に送信する。搬送装置４００の制御部は、受信した座標情報に基づいて、吸着ノズル１００を回転させることで、キャリア５５０に載置された基板１８に対する角度を合わせる。位置決め装置８０の制御部は、受信した座標情報に基づいて、基板１８のＸ−Ｙ方向の位置を合わせる。なお、この下側撮像装置７００は、部品３０に対する接着材Ｎの塗布状態も確認できるようになっている。部品３０に対する接着材Ｎの塗布状態の画像確認を容易にするために、部品３０と接着材Ｎを異色にしたり、光照射に対する光反射率を互いに異ならせたりすることが好ましい。部品３０の保持姿勢や接着材Ｎの塗布状態に修正不能な誤りがある場合は、後工程で基板１８への搭載動作を行わずに、その部品３０を廃棄ケース９００に廃棄する。
【００３９】
図３（ａ）には、下面の一方の対辺近傍に接着材Ｎが塗布された部品３０と、この部品３０を保持した吸着ノズル１００の先端面１０２を、下側から見た状態が示されている。吸着ノズル１００は、一対の負圧発生孔１０４が形成される。吸着ノズル１００は、この負圧発生孔１０４に印加される負圧により、部品３０を吸着保持する。
【００４０】
この一対の負圧発生孔１０４の間隔は、本実施形態では、部品３０の他方の対辺の距離と殆ど一致するように設定されている。負圧発生孔１０４の孔径は、極めて小さく設定されている。勿論、負圧発生孔１０４の孔径を、部品３０より大きく設定しても良い。搬送装置４００における回転テーブル３００及び保持機構１２０を介して吸着ノズル１００に案内される負圧は、この負圧発生孔１０４に供給され、部品３０を吸着する。
【００４１】
吸着ノズル１００の先端面１０２の大きさは、一対の負圧発生孔１０４が形成するＬ１方向は部品３０よりも大きく、このＬ１方向と直角となるＬ２方向は、部品３０よりも小さく設定されている。このようにＬ２方向の幅を狭くすることで、部品３０に塗布された接着材Ｎが、先端面１０２に付着する確率を低減させる。結果、負圧発生孔１０４の負圧を解除した際に、部品３０を、先端面１０２から確実に離脱できる。
【００４２】
なお、ここでは部品３０の対辺近傍を吸引する場合を例示したが、例えば図３（ｂ）のように、部品３０の対角部分近傍を吸引することもできる。また、本実施形態では、負圧発生孔１０４が一対の場合を例示したが、例えば図３（ｃ）のように、細長い一つの負圧発生孔１０４によって、部品３０の対辺近傍を同時に保持することも可能である。即ち、負圧発生孔１０４の断面形状や数量は、本実施形態に特に限定されない。勿論、部品３０の中央を一つの負圧発生孔１０４で吸引しても良い。また、本実施形態では、吸着ノズル１００の先端が平面となる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、先端において、ノズル中心に向かって凹むような傾斜面が形成されており、この傾斜面を、部品の端縁（角）と当接させるようにして吸着する構造（いわゆる吸着ビット構造）とすることも好ましい。
【００４３】
図４及び図５には、塗布装置６００が拡大して示されている。この塗布装置６００は、部品３０の一方の対辺近傍の一部、又は対角部分近傍に接着材Ｎを塗布する。即ち、吸着ノズル１００の負圧発生孔１０４により、部品３０の他方の対辺又近傍は対角近傍を保持しながら、それとは異なる一方の対辺近傍又は対角部分近傍に接着材Ｎを塗布する。これにより、負圧発生孔１０４の位置と接着材Ｎの塗布位置がずれるので、自らの負圧によって接着材Ｎを吸引して目詰まりを生じさせることを低減し、メンテナンスの回数を少なくすることが可能となっている。
【００４４】
具体的に、この塗布装置６００は、回転軸６０８を有する塗布ローラ６１０と、接着材Ｎが貯留される接着材容器６２０と、塗布ローラ６１０を回転させる駆動装置（モータ）６３０と、塗布ローラ６１０が保持する接着材Ｎの膜厚を均一化する膜厚調整機構６１６と、塗布ローラ６１０を回転自在及び着脱自在に保持するローラ保持機構６４０と、これらを保持する基台６４６と、基台６４６を平面方向（Ｘ−Ｙ方向）に位置決めするテーブル装置６４８を備える。塗布ローラ６１０の回転軸６０８には、伝達機構となる歯車６０９が設けられている。駆動装置６３０の出力軸にも同様に歯車６３２が設けられている。従って、駆動装置６３０の動力は、一対の歯車６３２、６０９を介して回転軸６０８に伝達される。
【００４５】
ローラ保持機構６４０は、基台６４６に回転自在に配置される一対のバックアップローラ６４１を備える。なお、この一対のバックアップローラ６４１は、塗布ローラ６１０の軸方向の両端近傍にそれぞれ配置される。一対のバックアップローラ６４１は、図５に示されるように、塗布ローラ６１０の回転軸６０８の下側において、この回転軸６０８の周方向２箇所に当接する。従って、塗布ローラ６１０の回転軸６０８は、一対のバックアップローラ６４１の上に置くだけで、自重によって回転自在に保持される。また、塗布ローラ６１０を一対のバックアップローラ６４１上に載置すると、自然に、歯車６３２、６０９が噛み合うように位置決めされている。結果、塗布ローラ６１０は、ローラ保持機構６４０によって着脱自在に保持されており、塗布ローラ６１０を上方に持ち上げるだけで容易に交換できる。
【００４６】
塗布ローラ６１０は、自らの外周面によって一対の環状の塗布面６１０ａを提供すると共に、この一対の塗布面６１０ａの間に、この塗布面６１０ａと比較して小径となる逃げ空間６１２を有する。一対の塗布面６１０ａの間隔は、部品３０の一方の対辺の間隔と一致させている。一方、この逃げ空間６１２の幅は、吸着ノズル１００の先端面１０２の幅と近似させている。この逃げ空間６１２によって、塗布面６１０ａを、先端面１０２から離反させることで、接着材Ｎが先端面１０２に付着したり、負圧吸引口１０４に接着材Ｎが吸引されたりすることを低減させる。
【００４７】
各塗布面６１０ａの下側は、接着材容器６２０に貯留される接着材Ｎに浸漬される。結果、各塗布面６１０ａは接着材Ｎを表面に保持する。従って、塗布ローラ６１０と部品３０を当接させることで、接着材Ｎを部品の対辺の一部に塗布できる。なお、この接着材は、金属等の導電体を含有した導電ペーストを用いている。
【００４８】
図５に示されるように、膜厚調整機構６１６は、塗布ローラ６１０の塗布面６１０ａに対して、設定膜厚に対応する隙間Ｔを空けて配置される板部材である。従って、一対の塗布面６１０ａに付着した接着材Ｎは、膜厚調整機構６１０の隙間Ｔを通過する際に、余分な接着材Ｎが接着材容器６２０に落下する。結果、塗布面６１０ａ上の接着材Ｎの膜厚が一定となる。なお、本実施形態では、膜厚調整機構６１６の板部材は、各塗布面６１０ａの両脇に形成される側面６１０ｂにも対向している。結果、側面６１０ｂに付着した不要な接着材Ｎも除去されるので、塗布面６１０ａ上の接着材Ｎの膜厚を安定させることができる。
【００４９】
図６（ａ）に示されるように塗布ローラ６１０と部品３０を接触させると、結果として図６（ｂ）に示されるように、部品３０に接着材Ｎが塗布される。その後、図６（ｃ）に示されるように、駆動装置６３０は塗布ローラ６１０を間欠的に一定の角度だけ回転させる。結果、図６（ａ）に戻って、次の部品３０と接触する塗布面６１０ａには、常に新たな接着材Ｎが供給される。
【００５０】
このように、塗布ローラ６１０を用いて、部品３０の一部の狭い領域に接着材Ｎを転写することで、転写時における部品３０と塗布ローラ６１０の接合力を低減させることができる。従って、塗布時において、部品３０が吸着ノズル１００の先端面１０２から脱落するトラブルを抑制できるという利点もある。
【００５１】
なお、ここでは溶接ローラ６１０が一対の塗布面６１０ａを供給する場合を例示したが本発明はこれに限定されない。例えば、二つの独立した溶接ローラ６１０によって、結果として一対の塗布面６１０ａが提供されるようにしても良い。また、３箇所に接着材を塗布する場合は、三つの塗布面を供給することが必要となる。更に、接着材が吸着ノズル１００に付着する確率は上がるものの、図７（ａ）に示されるように、一つの塗布面６１０ａによって、部品３０に対して線上に接着材Ｎを塗布することも出来る。また、図７（ｂ）に示されるように、環状ではない独立した複数の塗布面を順番に部品３０に提供することによって、接着材Ｎを塗布することもできる。このように、複数の塗布面を周方向に独立させる構造も、本発明における塗布ローラの範疇に属する。なお、ここでは部品の下面の一部に接着材Ｎを塗布する場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、接着強度、放熱性、電気的導通性を高める場合は、部品の下面の全体に接着材Ｎを塗布することが好ましい。
【００５２】
次に、図８を用いて、部品搭載装置１による部品３０の搭載方法について説明する。図８（ａ）では、搬送装置４００における回転テーブル３００は一時停止しており、その停止中に次の７つの動作が同時並行で進められる。（１）第１の保持機構１２０によって、部品供給装置５０によって供給される部品３０を吸着ノズル１００によって保持する動作。（２）第４の保持機構１２０によって、部品３０の保持姿勢を第１撮像装置６５０で確認する動作。（３）第２の保持機構１２０で保持する部品３０に対して塗布装置６００で接着材を塗布する動作。（４）第５の保持機構１２０によって、接着材塗布後の部品３０の保持姿勢を第２撮像装置７００で確認する動作。（５）第３の保持機構１２０によって、接着材塗布後の部品３０を基板１８に搭載する動作。（６）第６の保持機構１２０によって、使用できない部品３０を廃棄ケース９００に廃棄する動作。（７）第７の保持機構１２０によって、吸着ノズル１００の先端面１０２を清掃する動作。
【００５３】
一方、図８（ｂ）は、搬送装置４００の回転テーブル３００が回転している最中の状態が示されており、その間は、保持機構１２０が存在しないスペースを利用して上側撮像装置８００が下側の基板１８の位置を撮像して、基板１８の位置決めを行う。この図８（ａ）（ｂ）の動作を繰り返すことで、極めて高速に部品３０を基板１８に接着することができる。
【００５４】
以上、本実施形態の部品の搭載装置１及び搭載方法によれば、基板１８に対して接着材Ｎを塗布する工程が無いので、上記（３）部品３０に対して塗布装置６００で接着材を塗布する動作と、上記（５）接着材塗布後の部品３０を基板１８に搭載する動作を、同時並行的に進めることが出来る。結果、部品３０の搭載速度（タクトタイム）を大幅に向上させることができる。更に本実施形態では、供給される部品３０を保持して基板１８まで搬送する搬送工程において、搭載直前の部品３０に接着材を塗布できるので、搭載時の接着材の乾燥が抑制される。結果、部品３０を確実に接着することが可能となる。仮に、接着材を部品３０に塗布した後に、何らかのトラブルでラインが停止した場合は、その部品３０に限って廃棄ケース９００に廃棄すれば済むので、従来のように基板１８の全体を廃棄する必要が無くなるため、製造の歩留まりを高めることができる。
【００５５】
更に本実施形態では、塗布工程において、部品３０の一方の対辺近傍又は一方の対角部分近傍に接着材を塗布するので、基板１８の全面に接着材の塗布する場合と比較して、その塗布量を大幅に低減させることができる。特に本実施形態では、部品３０の他方の対辺近傍又は他方の対角部分近傍を吸着ノズル１００で保持するので、部品３０において、負圧による吸引位置と接着材の塗布位置が異ならせている。結果、せっかく塗布した接着材が、負圧によって吸着ノズル１００に回収されてしまったり、また、それによって吸着ノズル１００が目詰まりしたり、更には、吸着ノズル１００と部品３０が接着材で接着されたりするような不具合を、同時に抑制することが可能となる。
【００５６】
なお、本実施形態では、塗布ローラ６１０によって接着材Ｎを部品３０に塗布する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図９に示される塗布装置６００のように、いわゆるインクジェット構造によって接着材Ｎを部品３０に塗布することも好ましい。具体的に、この塗布装置６００は、接着材Ｎを吐出する塗布ノズル６８０と、塗布ノズル６８０に接着材Ｎを供給する供給装置６２０と、塗布ノズル６８０に対して接着材Ｎの吐出圧を提供する陽圧装置６９０を備える。陽圧装置６９０は、例えば圧電アクチュエータであり、自らの振動によって、塗布ノズル６８０内の接着材供給路６８０ａの内圧を瞬間的に高める。結果、接着材Ｎが部品３０に向かって吐出されることで、この接着材Ｎが部品３０に塗布される。図９（ａ）に示されるように、先ず、部品３０における対辺近傍又は対角近傍の一方に接着材Ｎを塗布し、次いで図９（ｂ）に示されるように、部品３０を回転させることで、対辺近傍又は対角近傍の他方に接着材Ｎを塗布することもできる。勿論、塗布装置６００側をＸ−Ｙ方向の移動テーブルによって移動させて、部品３０の任意の複数箇所に接着材Ｎを塗布することも好ましい。このようにインクジェット構造を採用すると、部品３０における任意の複数箇所に、接着材Ｎを自在に塗布することが可能となる。
【００５７】
なお、本実施形態において、部品３０に塗布する接着材の材料として導電ペーストを例示したが、これは特に限定されるものでない。例えば、後の加熱工程によって全て揮発するような化学材料でもよい。
【００５８】
尚、本発明の部品の搭載装置及び部品の搭載方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【００５９】
本発明は、電子部品の製造分野で幅広く利用することが出来る。
【符号の説明】
【００６０】
１ 搭載装置
１８ 基板
３０ 部品
５０ 部品供給装置
８０ 位置決め装置
９０ マガジン
１００ 吸着ヘッド
１２０ 保持機構
３００ 回転テーブル
４００ 搬送装置
６００ 塗布装置
６５０ 第１下側撮像装置
７００ 第２下側撮像装置
８００ 上側撮像装置
９００ 廃棄ケース
９５０ 清掃装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子部品の製造工程や、電子部品の実装工程等で用いられる、各種部品の搭載装置、及び部品の搭載方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
半導体素子等の電子部品は、セラミック材料等による部品容器の内部に各種部品が搭載され、このセラミック容器をリッド（蓋）で密封して完成する。例えば、ＳＡＷフィルタエレメント等の電子部品は、部品容器内にＳＡＷフィルターとなる圧電体が搭載される。このような電子部品を組み立てる製造工程では、例えば、多数の部品容器が、搬送キャリア上にマトリクス状に配置されて供給され、各部品容器の内部に対して、圧電体等が順番に接着される。
【０００３】
この製造工程では、従来、部品容器内に接着剤を塗布し、その上から圧電体や半導体等を搬入して接着剤によって固定する。この工程で用いられる部品搭載装置は、部品容器内に接着剤を塗布し、パーツフィーダによって供給される圧電体を搬送して、部品容器内の正確な位置に搭載する。
【０００４】
また、このような工程を経て完成した電子部品は、電子機器の基板に実装される。この電子部品の実装工程においても、部品搭載装置が用いられる。具体的には、基板の所定位置に導電ペーストを塗布し、パーツフィーダによって供給される電子部品を搬送して、導電ペーストが塗布されたランド上に電子部品に載置する（特許文献１参照）。
【０００５】
即ち、部品搭載装置は、電子部品を製造する製造ラインで用いられたり、この電子部品を基板に搭載する組み立てラインで用いられたりしていることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特許公開２００４−２９７０９３
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
特許文献１のような従来の手法では、基板に対して導電ペーストを塗布してランドを形成し、その上に電子部品を搭載する方法の場合、１）基板の位置をカメラで確認して導電ペーストを正確に塗布する塗布工程と、２）電子部品を高精度に位置決めしながら、この導電ペーストによって構成されるランド上に電子部品を搭載する搭載工程が必要となる。結果、基板の待機時間が長くなり、タクトタイムが長くなるという問題があった。
【０００８】
また、電子部品の製造工程でも、部品容器に対して、１）部品容器の位置をカメラで確認して接着材を正確に塗布する塗布工程と、２）圧電体等の部品を高精度に位置決めしながら部品容器に搭載する搭載工程が必要となり、製造工程における部品容器の待機時間が長いという問題があった。
【０００９】
本発明は、斯かる実情に鑑み、極めて高速、且つ低コストで部品を搭載する方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明者の鋭意研究により、上記目的は以下の手段によって達成される。
【００１１】
上記目的を達成する本発明は、供給される部品を保持する保持機構を有し、前記部品を被搭載部材まで搬送する搬送装置と、前記保持機構によって保持されている前記部品に対して接着材を塗布する塗布装置と、を備え、前記接着材が塗布された前記部品を前記被搭載部材に搭載することで、前記部品を前記被搭載部材に接着する事を特徴とする部品の搭載装置である。
【００１２】
上記発明に関連して、前記保持機構を３つ以上備えており、第１の前記保持機構において、前記部品の供給位置において前記部品を保持する動作と、第２の前記保持機構において、前記塗布装置が配置される位置において前記部品に接着材が塗布される動作と、第３の前記保持機構において、前記被搭載部材に対して前記部品を搭載する動作と、が同時に実行されることを特徴とする。
【００１３】
上記発明に関連して、前記保持機構を５つ以上備えており、第４の前記保持機構において、前記塗布装置によって前記接着材が塗布される前の前記部品の保持姿勢を確認する動作と、第５の前記保持機構において、前記接着材が塗布された後、且つ前記被搭載部材に前記部品を搭載する前に、前記部品の保持姿勢を確認する動作と、が前記第１から第３の前記保持機構における動作と同時に実行されることを特徴とする。
【００１４】
上記発明に関連して、前記塗布装置は、前記部品の一面に前記接着材を塗布し、前記保持機構は、前記部品の前記一面の反対側の面を吸引保持することを特徴とする。
【００１５】
上記発明に関連して、前記塗布装置は、前記部品の一方の対辺近傍又は一方の対角部分近傍に前記接着材を塗布することを特徴とする。
【００１６】
上記発明に関連して、前記保持機構は、前記部品の他方の対辺近傍又は他方の対角部分近傍を保持することを特徴とする。
【００１７】
上記発明に関連して、前記塗布装置は、周面に前記接着材を保持可能な回転自在の塗布ローラを備え、前記部品と前記塗布ローラを当接させることで、前記接着材を前記部品に塗布することを特徴とする。
【００１８】
上記発明に関連して、前記塗布装置は、前記塗布ローラを回転させる駆動装置を備えることを特徴とする。
【００１９】
上記発明に関連して、前記駆動装置は、前記部品が前記塗布ローラに接触する毎に、前記塗布ローラを間欠的に回転させることを特徴とする。
【００２０】
上記発明に関連して、前記塗布ローラは、前記接着材を保持可能で且つ前記部品と当接する一対の環状の塗布面を有すると共に、前記一対の塗布面の間に、該塗布面よりも凹状となる逃げ空間が形成されることを特徴とする。
【００２１】
上記発明に関連して、前記保持機構は、前記部品を吸引する負圧発生孔を有する吸着ノズルを有しており、前記負圧発生孔は、前記逃げ空間に相当する前記部品の部位を吸引保持することを特徴とする。
【００２２】
上記発明に関連して、前記塗布装置は、前記接着材を吐出する塗布ノズルと、前記塗布ノズルに前記接着材を供給する供給装置と、前記塗布ノズルに対して前記接着材の吐出圧を提供する陽圧装置を備え、前記接着材を前記部品に向かって吐出することで、前記接着材を前記部品に塗布することを特徴とする。
【００２３】
上記発明に関連して、前記保持機構は、前記部品を自転自在に保持しており、前記部品を自転させることで、前記塗布ノズルが、前記部品の複数箇所に前記接着材を塗布することを特徴とする。
【００２４】
上記目的を達成する本発明は、供給される部品を保持して被搭載部材まで搬送する搬送工程と、前記搬送工程によって搬送中の前記部品に対して接着材を塗布する塗布工程と、を備え、前記接着材が塗布された前記部品を前記被搭載部材に搭載することで、前記部品を前記被搭載部材に接着する事を特徴とする、部品の搭載方法である。
【００２５】
上記発明に関連して、前記搬送工程では、３つ以上の保持機構によって前記部品を前記被搭載部材まで順番に搬送するようになっており、第１の前記保持機構において、前記部品の供給位置において前記部品を保持する動作と、第２の前記保持機構において、前記部品に接着材が塗布される前記塗布工程と、第３の前記保持機構において、前記被搭載部材に対して前記部品を搭載する動作と、が同時に実行されることを特徴とする。
【００２６】
上記発明に関連して、前記保持機構を５つ以上備えており、第４の前記保持機構において、前記塗布装置によって前記接着材が塗布される前の前記部品の保持姿勢を確認する動作と、第５の前記保持機構において、前記接着材が塗布された後、且つ前記被搭載部材に前記部品を搭載する前に、前記部品の保持姿勢を確認する動作と、が前記第１から第３の前記保持機構における動作と同時に実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【００２７】
本発明によれば、被搭載部材に部品を極めて高速に接着できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明の実施の形態に係る搭載装置の平面図である。
【図２】同搭載装置の正面図である。
【図３】同搭載装置の吸着ノズル及び部品を下側から見た底面図である。
【図４】塗布装置の正面図及び側面図である。
【図５】塗布装置の上面図である。
【図６】塗布装置による塗布動作を示す側面図である。
【図７】塗布装置の他の構成例を示す図である。
【図８】部品の接着動作を示す図である。
【図９】インクジェットタイプの塗布装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００２９】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【００３０】
まず、図１及び図２を用いて、本発明の実施形態に係る部品の搭載装置の全体構成について説明する。なお、ここでは電子部品を、被装着部材となる基板に搭載する場合を例示する。
【００３１】
部品の搭載装置１は、部品３０を供給する部品供給装置５０と、供給される部品３０を基板１８まで搬送する搬送装置４００と、この基板１８を位置決め及び搬送する位置決め装置８０と、基板１８を供給及び回収するマガジン９０と、搬送中であって接着材Ｎを塗布する前の部品３０の保持状態を確認する第１下側撮像装置６５０と、搬送中の部品３０に接着材Ｎを塗布する塗布装置６００と、搬送中であって接着材Ｎの塗布後の部品３０の保持状態及び接着材Ｎの塗布状態をカメラ撮影によって下側から確認する第２下側撮像装置７００と、基板１８の位置をカメラ撮影によって上側から確認する上側撮像装置８００と、不良の部品３０を廃棄する廃棄ケース９００と、吸着ノズル（後述）の先端面を定期的に清掃する清掃装置９５０を有する。なお、この清掃装置９５０は、繊維や砥石等によって形成される清掃面であり、吸着ノズルの先端と当接して、付着した接着材Ｎを定期的に拭き上げるようになっている。
【００３２】
搬送装置４００は、円板状の回転テーブル３００と、その外周に周方向に配置される保持機構１２０を有する。保持機構１２０は吸着ノズル１００を有しており、部品３０を負圧によって吸引保持する。回転テーブル３００は、モータ３２０によって回転自在となっており、これにより、回転テーブル３００に配置される保持機構１２０の移動が可能になっている。本実施形態では、回転テーブル３００に対して、周方向に１６個の保持機構１２０が配置されているが、少なくとも３つ以上備えることが好ましい。より望ましくは５つ以上備えるようにする。
【００３３】
なお、本実施形態では、搬送装置４００の構造として、回転テーブル３００によるターレット機構を例示するが、本発明はこれに限定されず、例えば直動レール上を往復運動するような直動機構を利用しても良い。
【００３４】
保持機構１２０における吸着ノズル１００は、上下方向に移動自在且つ回転自在となっている。吸着ノズル１００の移動構造には様々なものが採用できるが、例えば、上下方向はエアーシリンダ等によって移動させることができ、また、回転方向はモータ等を利用することができる。この他にも例えば、上下方向は、ねじ軸とナットによるボールねじ機構やラックアンドピニオン機構を用いても良い。
【００３５】
部品供給装置５０はいわゆるボールフィーダであり、多量の部品３０を貯留して、一つずつ、搬送装置４００に供給する。搬送装置４００における保持機構１２０は、吸着ノズル１００を上下方向に移動させることで、供給される部品３０を吸引保持する。なお、ここではボールフィーダで供給する場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、溶接リングが整列配置された整列トレーを用いて、溶接リングを供給したり、テーブル上に自由に溶接リングがばらまかれた状態の供給テーブルから、画像認識によって、個々の溶接リングをピックアップするような構造であっても良い。
【００３６】
既に図１０に示したように、基板１８は、キャリア５５０上に配置されており、このキャリア５５０と基板１８が一緒になってマガジン９０に収容される。位置決め装置８０は、いわゆるＸ−Ｙテーブル装置であり、マガジン９０からキャリア５５０（基板１８）を取り出して、搬送装置４００の下方において、このキャリア５５０をＸ−Ｙ方向に位置決めする。搬送装置４００の上方には、上側撮像装置８００が配置されており、直下に保持機構１２０が存在していないタイミングを利用して、下方の基板１８を撮像し、部品３０の搭載位置を画像で確認する。この情報を利用して、位置決め装置８０は、基板１８の所定の搭載位置を、保持機構１２０の真下に移動させる。結果、吸着ノズル１００は、吸着保持した部品３０を基板１８に正確に載置できる。
【００３７】
搬送装置４００における部品３０の移動軌跡の途中には、第１及び第２下側撮像装置６５０、７００が配置される。第１下側撮像装置６５０は、接着材Ｎを塗布する前の部品３０の保持状態を確認する。例えば、部品３０が保持されていない場合は、塗布装置６００による接着材Ｎの塗布動作を禁止させる。また、部品３０の保持角度がずれている場合は、必要に応じて吸着ノズル１００を回転させてから接着材Ｎを塗布する。また、修正出来ない程度まで部品３０の保持姿勢が悪い場合は、後工程において接着材Ｎの塗布や基板１８への搭載を行わずに、その部品３０を廃棄ケース９００に廃棄する。
【００３８】
また、第２下側撮像装置７００は、吸着ノズル１００に吸着された状態の部品３０の座標情報（位置情報と言うこともある）を取得すると共に、その座標情報を、搬送装置４００の制御部（図示省略）と位置決め装置８０の制御部（図示省略）に送信する。搬送装置４００の制御部は、受信した座標情報に基づいて、吸着ノズル１００を回転させることで、キャリア５５０に載置された基板１８に対する角度を合わせる。位置決め装置８０の制御部は、受信した座標情報に基づいて、基板１８のＸ−Ｙ方向の位置を合わせる。なお、この下側撮像装置７００は、部品３０に対する接着材Ｎの塗布状態も確認できるようになっている。部品３０に対する接着材Ｎの塗布状態の画像確認を容易にするために、部品３０と接着材Ｎを異色にしたり、光照射に対する光反射率を互いに異ならせたりすることが好ましい。部品３０の保持姿勢や接着材Ｎの塗布状態に修正不能な誤りがある場合は、後工程で基板１８への搭載動作を行わずに、その部品３０を廃棄ケース９００に廃棄する。
【００３９】
図３（ａ）には、下面の一方の対辺近傍に接着材Ｎが塗布された部品３０と、この部品３０を保持した吸着ノズル１００の先端面１０２を、下側から見た状態が示されている。吸着ノズル１００は、一対の負圧発生孔１０４が形成される。吸着ノズル１００は、この負圧発生孔１０４に印加される負圧により、部品３０を吸着保持する。
【００４０】
この一対の負圧発生孔１０４の間隔は、本実施形態では、部品３０の他方の対辺の距離と殆ど一致するように設定されている。負圧発生孔１０４の孔径は、極めて小さく設定されている。勿論、負圧発生孔１０４の孔径を、部品３０より大きく設定しても良い。搬送装置４００における回転テーブル３００及び保持機構１２０を介して吸着ノズル１００に案内される負圧は、この負圧発生孔１０４に供給され、部品３０を吸着する。
【００４１】
吸着ノズル１００の先端面１０２の大きさは、一対の負圧発生孔１０４が形成するＬ１方向は部品３０よりも大きく、このＬ１方向と直角となるＬ２方向は、部品３０よりも小さく設定されている。このようにＬ２方向の幅を狭くすることで、部品３０に塗布された接着材Ｎが、先端面１０２に付着する確率を低減させる。結果、負圧発生孔１０４の負圧を解除した際に、部品３０を、先端面１０２から確実に離脱できる。
【００４２】
なお、ここでは部品３０の対辺近傍を吸引する場合を例示したが、例えば図３（ｂ）のように、部品３０の対角部分近傍を吸引することもできる。また、本実施形態では、負圧発生孔１０４が一対の場合を例示したが、例えば図３（ｃ）のように、細長い一つの負圧発生孔１０４によって、部品３０の対辺近傍を同時に保持することも可能である。即ち、負圧発生孔１０４の断面形状や数量は、本実施形態に特に限定されない。勿論、部品３０の中央を一つの負圧発生孔１０４で吸引しても良い。また、本実施形態では、吸着ノズル１００の先端が平面となる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、先端において、ノズル中心に向かって凹むような傾斜面が形成されており、この傾斜面を、部品の端縁（角）と当接させるようにして吸着する構造（いわゆる吸着ビット構造）とすることも好ましい。
【００４３】
図４及び図５には、塗布装置６００が拡大して示されている。この塗布装置６００は、部品３０の一方の対辺近傍の一部、又は対角部分近傍に接着材Ｎを塗布する。即ち、吸着ノズル１００の負圧発生孔１０４により、部品３０の他方の対辺又近傍は対角近傍を保持しながら、それとは異なる一方の対辺近傍又は対角部分近傍に接着材Ｎを塗布する。これにより、負圧発生孔１０４の位置と接着材Ｎの塗布位置がずれるので、自らの負圧によって接着材Ｎを吸引して目詰まりを生じさせることを低減し、メンテナンスの回数を少なくすることが可能となっている。
【００４４】
具体的に、この塗布装置６００は、回転軸６０８を有する塗布ローラ６１０と、接着材Ｎが貯留される接着材容器６２０と、塗布ローラ６１０を回転させる駆動装置（モータ）６３０と、塗布ローラ６１０が保持する接着材Ｎの膜厚を均一化する膜厚調整機構６１６と、塗布ローラ６１０を回転自在及び着脱自在に保持するローラ保持機構６４０と、これらを保持する基台６４６と、基台６４６を平面方向（Ｘ−Ｙ方向）に位置決めするテーブル装置６４８を備える。塗布ローラ６１０の回転軸６０８には、伝達機構となる歯車６０９が設けられている。駆動装置６３０の出力軸にも同様に歯車６３２が設けられている。従って、駆動装置６３０の動力は、一対の歯車６３２、６０９を介して回転軸６０８に伝達される。
【００４５】
ローラ保持機構６４０は、基台６４６に回転自在に配置される一対のバックアップローラ６４１を備える。なお、この一対のバックアップローラ６４１は、塗布ローラ６１０の軸方向の両端近傍にそれぞれ配置される。一対のバックアップローラ６４１は、図５に示されるように、塗布ローラ６１０の回転軸６０８の下側において、この回転軸６０８の周方向２箇所に当接する。従って、塗布ローラ６１０の回転軸６０８は、一対のバックアップローラ６４１の上に置くだけで、自重によって回転自在に保持される。また、塗布ローラ６１０を一対のバックアップローラ６４１上に載置すると、自然に、歯車６３２、６０９が噛み合うように位置決めされている。結果、塗布ローラ６１０は、ローラ保持機構６４０によって着脱自在に保持されており、塗布ローラ６１０を上方に持ち上げるだけで容易に交換できる。
【００４６】
塗布ローラ６１０は、自らの外周面によって一対の環状の塗布面６１０ａを提供すると共に、この一対の塗布面６１０ａの間に、この塗布面６１０ａと比較して小径となる逃げ空間６１２を有する。一対の塗布面６１０ａの間隔は、部品３０の一方の対辺の間隔と一致させている。一方、この逃げ空間６１２の幅は、吸着ノズル１００の先端面１０２の幅と近似させている。この逃げ空間６１２によって、塗布面６１０ａを、先端面１０２から離反させることで、接着材Ｎが先端面１０２に付着したり、負圧吸引口１０４に接着材Ｎが吸引されたりすることを低減させる。
【００４７】
各塗布面６１０ａの下側は、接着材容器６２０に貯留される接着材Ｎに浸漬される。結果、各塗布面６１０ａは接着材Ｎを表面に保持する。従って、塗布ローラ６１０と部品３０を当接させることで、接着材Ｎを部品の対辺の一部に塗布できる。なお、この接着材は、金属等の導電体を含有した導電ペーストを用いている。
【００４８】
図５に示されるように、膜厚調整機構６１６は、塗布ローラ６１０の塗布面６１０ａに対して、設定膜厚に対応する隙間Ｔを空けて配置される板部材である。従って、一対の塗布面６１０ａに付着した接着材Ｎは、膜厚調整機構６１０の隙間Ｔを通過する際に、余分な接着材Ｎが接着材容器６２０に落下する。結果、塗布面６１０ａ上の接着材Ｎの膜厚が一定となる。なお、本実施形態では、膜厚調整機構６１６の板部材は、各塗布面６１０ａの両脇に形成される側面６１０ｂにも対向している。結果、側面６１０ｂに付着した不要な接着材Ｎも除去されるので、塗布面６１０ａ上の接着材Ｎの膜厚を安定させることができる。
【００４９】
図６（ａ）に示されるように塗布ローラ６１０と部品３０を接触させると、結果として図６（ｂ）に示されるように、部品３０に接着材Ｎが塗布される。その後、図６（ｃ）に示されるように、駆動装置６３０は塗布ローラ６１０を間欠的に一定の角度だけ回転させる。結果、図６（ａ）に戻って、次の部品３０と接触する塗布面６１０ａには、常に新たな接着材Ｎが供給される。
【００５０】
このように、塗布ローラ６１０を用いて、部品３０の一部の狭い領域に接着材Ｎを転写することで、転写時における部品３０と塗布ローラ６１０の接合力を低減させることができる。従って、塗布時において、部品３０が吸着ノズル１００の先端面１０２から脱落するトラブルを抑制できるという利点もある。
【００５１】
なお、ここでは溶接ローラ６１０が一対の塗布面６１０ａを供給する場合を例示したが本発明はこれに限定されない。例えば、二つの独立した溶接ローラ６１０によって、結果として一対の塗布面６１０ａが提供されるようにしても良い。また、３箇所に接着材を塗布する場合は、三つの塗布面を供給することが必要となる。更に、接着材が吸着ノズル１００に付着する確率は上がるものの、図７（ａ）に示されるように、一つの塗布面６１０ａによって、部品３０に対して線上に接着材Ｎを塗布することも出来る。また、図７（ｂ）に示されるように、環状ではない独立した複数の塗布面を順番に部品３０に提供することによって、接着材Ｎを塗布することもできる。このように、複数の塗布面を周方向に独立させる構造も、本発明における塗布ローラの範疇に属する。なお、ここでは部品の下面の一部に接着材Ｎを塗布する場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、接着強度、放熱性、電気的導通性を高める場合は、部品の下面の全体に接着材Ｎを塗布することが好ましい。
【００５２】
次に、図８を用いて、部品搭載装置１による部品３０の搭載方法について説明する。図８（ａ）では、搬送装置４００における回転テーブル３００は一時停止しており、その停止中に次の７つの動作が同時並行で進められる。（１）第１の保持機構１２０によって、部品供給装置５０によって供給される部品３０を吸着ノズル１００によって保持する動作。（２）第４の保持機構１２０によって、部品３０の保持姿勢を第１撮像装置６５０で確認する動作。（３）第２の保持機構１２０で保持する部品３０に対して塗布装置６００で接着材を塗布する動作。（４）第５の保持機構１２０によって、接着材塗布後の部品３０の保持姿勢を第２撮像装置７００で確認する動作。（５）第３の保持機構１２０によって、接着材塗布後の部品３０を基板１８に搭載する動作。（６）第６の保持機構１２０によって、使用できない部品３０を廃棄ケース９００に廃棄する動作。（７）第７の保持機構１２０によって、吸着ノズル１００の先端面１０２を清掃する動作。
【００５３】
一方、図８（ｂ）は、搬送装置４００の回転テーブル３００が回転している最中の状態が示されており、その間は、保持機構１２０が存在しないスペースを利用して上側撮像装置８００が下側の基板１８の位置を撮像して、基板１８の位置決めを行う。この図８（ａ）（ｂ）の動作を繰り返すことで、極めて高速に部品３０を基板１８に接着することができる。
【００５４】
以上、本実施形態の部品の搭載装置１及び搭載方法によれば、基板１８に対して接着材Ｎを塗布する工程が無いので、上記（３）部品３０に対して塗布装置６００で接着材を塗布する動作と、上記（５）接着材塗布後の部品３０を基板１８に搭載する動作を、同時並行的に進めることが出来る。結果、部品３０の搭載速度（タクトタイム）を大幅に向上させることができる。更に本実施形態では、供給される部品３０を保持して基板１８まで搬送する搬送工程において、搭載直前の部品３０に接着材を塗布できるので、搭載時の接着材の乾燥が抑制される。結果、部品３０を確実に接着することが可能となる。仮に、接着材を部品３０に塗布した後に、何らかのトラブルでラインが停止した場合は、その部品３０に限って廃棄ケース９００に廃棄すれば済むので、従来のように基板１８の全体を廃棄する必要が無くなるため、製造の歩留まりを高めることができる。
【００５５】
更に本実施形態では、塗布工程において、部品３０の一方の対辺近傍又は一方の対角部分近傍に接着材を塗布するので、基板１８の全面に接着材の塗布する場合と比較して、その塗布量を大幅に低減させることができる。特に本実施形態では、部品３０の他方の対辺近傍又は他方の対角部分近傍を吸着ノズル１００で保持するので、部品３０において、負圧による吸引位置と接着材の塗布位置が異ならせている。結果、せっかく塗布した接着材が、負圧によって吸着ノズル１００に回収されてしまったり、また、それによって吸着ノズル１００が目詰まりしたり、更には、吸着ノズル１００と部品３０が接着材で接着されたりするような不具合を、同時に抑制することが可能となる。
【００５６】
なお、本実施形態では、塗布ローラ６１０によって接着材Ｎを部品３０に塗布する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば図９に示される塗布装置６００のように、いわゆるインクジェット構造によって接着材Ｎを部品３０に塗布することも好ましい。具体的に、この塗布装置６００は、接着材Ｎを吐出する塗布ノズル６８０と、塗布ノズル６８０に接着材Ｎを供給する供給装置６２０と、塗布ノズル６８０に対して接着材Ｎの吐出圧を提供する陽圧装置６９０を備える。陽圧装置６９０は、例えば圧電アクチュエータであり、自らの振動によって、塗布ノズル６８０内の接着材供給路６８０ａの内圧を瞬間的に高める。結果、接着材Ｎが部品３０に向かって吐出されることで、この接着材Ｎが部品３０に塗布される。図９（ａ）に示されるように、先ず、部品３０における対辺近傍又は対角近傍の一方に接着材Ｎを塗布し、次いで図９（ｂ）に示されるように、部品３０を回転させることで、対辺近傍又は対角近傍の他方に接着材Ｎを塗布することもできる。勿論、塗布装置６００側をＸ−Ｙ方向の移動テーブルによって移動させて、部品３０の任意の複数箇所に接着材Ｎを塗布することも好ましい。このようにインクジェット構造を採用すると、部品３０における任意の複数箇所に、接着材Ｎを自在に塗布することが可能となる。
【００５７】
なお、本実施形態において、部品３０に塗布する接着材の材料として導電ペーストを例示したが、これは特に限定されるものでない。例えば、後の加熱工程によって全て揮発するような化学材料でもよい。
【００５８】
尚、本発明の部品の搭載装置及び部品の搭載方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【００５９】
本発明は、電子部品の製造分野で幅広く利用することが出来る。
【符号の説明】
【００６０】
１ 搭載装置
１８ 基板
３０ 部品
５０ 部品供給装置
８０ 位置決め装置
９０ マガジン
１００ 吸着ヘッド
１２０ 保持機構
３００ 回転テーブル
４００ 搬送装置
６００ 塗布装置
６５０ 第１下側撮像装置
７００ 第２下側撮像装置
８００ 上側撮像装置
９００ 廃棄ケース
９５０ 清掃装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
供給される部品を保持する保持機構を有し、前記部品を被搭載部材まで搬送する搬送装置と、
前記保持機構によって保持されている前記部品に対して接着材を塗布する塗布装置と、
を備え、
前記接着材が塗布された前記部品を前記被搭載部材に搭載することで、前記部品を前記被搭載部材に接着する事を特徴とする、
部品の搭載装置。
【請求項２】
前記保持機構を３つ以上備えており、
第１の前記保持機構において、前記部品の供給位置において前記部品を保持する動作と、
第２の前記保持機構において、前記塗布装置が配置される位置において前記部品に接着材が塗布される動作と、
第３の前記保持機構において、前記被搭載部材に対して前記部品を搭載する動作と、が同時に実行されることを特徴とする、
請求項１に記載の部品の搭載装置。
【請求項３】
前記保持機構を５つ以上備えており、
第４の前記保持機構において、前記塗布装置によって前記接着材が塗布される前の前記部品の保持姿勢を確認する動作と、
第５の前記保持機構において、前記接着材が塗布された後、且つ前記被搭載部材に前記部品を搭載する前に、前記部品の保持姿勢を確認する動作と、が前記第１から第３の前記保持機構における動作と同時に実行されることを特徴とする、
請求項２に記載の部品の搭載装置。
【請求項４】
前記塗布装置は、前記部品の一面に前記接着材を塗布し、
前記保持機構は、前記部品の前記一面の反対側の面を吸引保持することを特徴とする、
請求項１乃至３のいずれかに記載の部品の搭載装置。
【請求項５】
前記塗布装置は、前記部品の一方の対辺近傍又は一方の対角部分近傍に前記接着材を塗布することを特徴とする、
請求項１乃至３のいずれかに記載の部品の搭載装置。
【請求項６】
前記保持機構は、前記部品の他方の対辺近傍又は他方の対角部分近傍を保持することを特徴とする、
請求項５に記載の部品の搭載装置。
【請求項７】
前記塗布装置は、周面に前記接着材を保持可能な回転自在の塗布ローラを備え、
前記部品と前記塗布ローラを当接させることで、前記接着材を前記部品に塗布することを特徴とする、
請求項１乃至６のいずれかに記載の部品の搭載装置。
【請求項８】
前記塗布装置は、前記塗布ローラを回転させる駆動装置を備えることを特徴とする、
請求項７に記載の部品の搭載装置。
【請求項９】
前記駆動装置は、前記部品が前記塗布ローラに接触する毎に、前記塗布ローラを間欠的に回転させることを特徴とする、
請求項８に記載の部品の搭載装置。
【請求項１０】
前記塗布ローラは、
前記接着材を保持可能で且つ前記部品と当接する一対の環状の塗布面を有すると共に、前記一対の塗布面の間に、該塗布面よりも凹状となる逃げ空間が形成されることを特徴とする、
請求項７乃至９のいずれかに記載の部品の搭載装置。
【請求項１１】
前記保持機構は、前記部品を吸引する負圧発生孔を有する吸着ノズルを有しており、
前記負圧発生孔は、前記逃げ空間に相当する前記部品の部位を吸引保持することを特徴とする、
請求項１０に記載の部品の搭載装置。
【請求項１２】
前記塗布装置は、前記接着材を吐出する塗布ノズルと、前記塗布ノズルに前記接着材を供給する供給装置と、前記塗布ノズルに対して前記接着材の吐出圧を提供する陽圧装置を備え、前記接着材を前記部品に向かって吐出することで、前記接着材を前記部品に塗布することを特徴とする、
請求項１乃至６のいずれかに記載の部品の搭載装置。
【請求項１３】
前記保持機構は、前記部品を自転自在に保持しており、
前記部品を自転させることで、前記塗布ノズルが、前記部品の複数箇所に前記接着材を塗布することを特徴とする、
請求項１２に記載の部品の搭載装置。
【請求項１４】
供給される部品を保持して被搭載部材まで搬送する搬送工程と、
前記搬送工程によって搬送中の前記部品に対して接着材を塗布する塗布工程と、
を備え、
前記接着材が塗布された前記部品を前記被搭載部材に搭載することで、前記部品を前記被搭載部材に接着する事を特徴とする、
部品の搭載方法。
【請求項１５】
前記搬送工程では、３つ以上の保持機構によって前記部品を前記被搭載部材まで順番に搬送するようになっており、
第１の前記保持機構において、前記部品の供給位置において前記部品を保持する動作と、
第２の前記保持機構において、前記部品に接着材が塗布される前記塗布工程と、
第３の前記保持機構において、前記被搭載部材に対して前記部品を搭載する動作と、が同時に実行されることを特徴とする、
請求項１４に記載の部品の搭載方法。
【請求項１６】
前記保持機構を５つ以上備えており、
第４の前記保持機構において、前記塗布装置によって前記接着材が塗布される前の前記部品の保持姿勢を確認する動作と、
第５の前記保持機構において、前記接着材が塗布された後、且つ前記被搭載部材に前記部品を搭載する前に、前記部品の保持姿勢を確認する動作と、が前記第１から第３の前記保持機構における動作と同時に実行されることを特徴とする、
請求項１５に記載の部品の搭載方法。
【請求項１】
供給される部品を保持する保持機構を有し、前記部品を被搭載部材まで搬送する搬送装置と、
前記保持機構によって保持されている前記部品に対して接着材を塗布する塗布装置と、
を備え、
前記接着材が塗布された前記部品を前記被搭載部材に搭載することで、前記部品を前記被搭載部材に接着する事を特徴とする、
部品の搭載装置。
【請求項２】
前記保持機構を３つ以上備えており、
第１の前記保持機構において、前記部品の供給位置において前記部品を保持する動作と、
第２の前記保持機構において、前記塗布装置が配置される位置において前記部品に接着材が塗布される動作と、
第３の前記保持機構において、前記被搭載部材に対して前記部品を搭載する動作と、が同時に実行されることを特徴とする、
請求項１に記載の部品の搭載装置。
【請求項３】
前記保持機構を５つ以上備えており、
第４の前記保持機構において、前記塗布装置によって前記接着材が塗布される前の前記部品の保持姿勢を確認する動作と、
第５の前記保持機構において、前記接着材が塗布された後、且つ前記被搭載部材に前記部品を搭載する前に、前記部品の保持姿勢を確認する動作と、が前記第１から第３の前記保持機構における動作と同時に実行されることを特徴とする、
請求項２に記載の部品の搭載装置。
【請求項４】
前記塗布装置は、前記部品の一面に前記接着材を塗布し、
前記保持機構は、前記部品の前記一面の反対側の面を吸引保持することを特徴とする、
請求項１乃至３のいずれかに記載の部品の搭載装置。
【請求項５】
前記塗布装置は、前記部品の一方の対辺近傍又は一方の対角部分近傍に前記接着材を塗布することを特徴とする、
請求項１乃至３のいずれかに記載の部品の搭載装置。
【請求項６】
前記保持機構は、前記部品の他方の対辺近傍又は他方の対角部分近傍を保持することを特徴とする、
請求項５に記載の部品の搭載装置。
【請求項７】
前記塗布装置は、周面に前記接着材を保持可能な回転自在の塗布ローラを備え、
前記部品と前記塗布ローラを当接させることで、前記接着材を前記部品に塗布することを特徴とする、
請求項１乃至６のいずれかに記載の部品の搭載装置。
【請求項８】
前記塗布装置は、前記塗布ローラを回転させる駆動装置を備えることを特徴とする、
請求項７に記載の部品の搭載装置。
【請求項９】
前記駆動装置は、前記部品が前記塗布ローラに接触する毎に、前記塗布ローラを間欠的に回転させることを特徴とする、
請求項８に記載の部品の搭載装置。
【請求項１０】
前記塗布ローラは、
前記接着材を保持可能で且つ前記部品と当接する一対の環状の塗布面を有すると共に、前記一対の塗布面の間に、該塗布面よりも凹状となる逃げ空間が形成されることを特徴とする、
請求項７乃至９のいずれかに記載の部品の搭載装置。
【請求項１１】
前記保持機構は、前記部品を吸引する負圧発生孔を有する吸着ノズルを有しており、
前記負圧発生孔は、前記逃げ空間に相当する前記部品の部位を吸引保持することを特徴とする、
請求項１０に記載の部品の搭載装置。
【請求項１２】
前記塗布装置は、前記接着材を吐出する塗布ノズルと、前記塗布ノズルに前記接着材を供給する供給装置と、前記塗布ノズルに対して前記接着材の吐出圧を提供する陽圧装置を備え、前記接着材を前記部品に向かって吐出することで、前記接着材を前記部品に塗布することを特徴とする、
請求項１乃至６のいずれかに記載の部品の搭載装置。
【請求項１３】
前記保持機構は、前記部品を自転自在に保持しており、
前記部品を自転させることで、前記塗布ノズルが、前記部品の複数箇所に前記接着材を塗布することを特徴とする、
請求項１２に記載の部品の搭載装置。
【請求項１４】
供給される部品を保持して被搭載部材まで搬送する搬送工程と、
前記搬送工程によって搬送中の前記部品に対して接着材を塗布する塗布工程と、
を備え、
前記接着材が塗布された前記部品を前記被搭載部材に搭載することで、前記部品を前記被搭載部材に接着する事を特徴とする、
部品の搭載方法。
【請求項１５】
前記搬送工程では、３つ以上の保持機構によって前記部品を前記被搭載部材まで順番に搬送するようになっており、
第１の前記保持機構において、前記部品の供給位置において前記部品を保持する動作と、
第２の前記保持機構において、前記部品に接着材が塗布される前記塗布工程と、
第３の前記保持機構において、前記被搭載部材に対して前記部品を搭載する動作と、が同時に実行されることを特徴とする、
請求項１４に記載の部品の搭載方法。
【請求項１６】
前記保持機構を５つ以上備えており、
第４の前記保持機構において、前記塗布装置によって前記接着材が塗布される前の前記部品の保持姿勢を確認する動作と、
第５の前記保持機構において、前記接着材が塗布された後、且つ前記被搭載部材に前記部品を搭載する前に、前記部品の保持姿勢を確認する動作と、が前記第１から第３の前記保持機構における動作と同時に実行されることを特徴とする、
請求項１５に記載の部品の搭載方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１３−１１５３０９（Ｐ２０１３−１１５３０９Ａ）
【公開日】平成２５年６月１０日（２０１３．６．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２６１６７９（Ｐ２０１１−２６１６７９）
【出願日】平成２３年１１月３０日（２０１１．１１．３０）
【出願人】（５０１４１０１３７）アキム株式会社 (49)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年６月１０日（２０１３．６．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１１月３０日（２０１１．１１．３０）
【出願人】（５０１４１０１３７）アキム株式会社 (49)
【Ｆターム（参考）】
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