説明

配管の水漏れ検知方法及び水漏れ検知配管構造

【課題】簡単に水漏れ検知センサを配管に設けることができると共に、水漏れ検知センサによる誤作動を防止して確実に水漏れを検知することができるようにする。
【解決手段】水廻設備に接続した配管2の水漏れを検知する水漏れ検知方法において、配管同士を接続する継手3と配管2との接続部10に、紐状であって水漏れを検知する水漏れ検知センサ11を巻き付けることで、水漏れを検知する。また、接続部10は、継手と配管2との接続によって少なくとも2箇所以上とされ、各接続部10は継手3と配管2との接続により段差状となっており、それぞれの段差16に沿って水漏れ検知センサ11を巻き付けると共に、各段差16に沿って巻き付けた部分を互いに接続することで、水漏れを検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、住宅の水廻設備に接続した配管に対して地震等による反復振動によって発生する継手の緩みなどによって発生する水漏れを検知する水漏れ検知方法及び水漏れ検知配管構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅のトイレなどの水廻設備には、トイレからの排水を行うための配管が接続されているが、このような配管から水漏れが生じることがある。配管からの水漏れは、住宅への様々な悪影響を及ぼすことから早急に発見する必要があり、このような水漏れを発見する水漏れ検知センサとして、特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1の水漏れ検知センサは、耐水性でありながら検知対象液には浸透する絶縁体によって相互に絶縁された一対の導体からなる電極線を備え、一対の電極線を含むコアの外周に少なくとも吸液性である編組体層を被覆したものである。
【0003】
このような水漏れ検知センサを施工するにあたっては、配管の全体に巻き付け、これによって配管からの水漏れを検知するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−201507号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
住宅の水廻設備においては、配管と大気(雰囲気)との温度差により結露が生じ、結露により発生した水滴が、集まって大きな水滴となり、配管の外周面を伝って配管の下側に集まることがあった。
そのため、従来のように水漏れ検知センサを配管の全体に巻き付けた場合は、その施工が大変であるばかりか、結露等によって配管の下側に集まった水滴により、水漏れ検知センサが反応して、誤作動を起こすということがあった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、簡単に水漏れ検知センサを配管に設けることができると共に、水漏れ検知センサによる誤作動を防止して確実に水漏れを検知することができる配管の水漏れ検知方法及び水漏れ検知配管構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明における課題解決のための方法による技術的手段は、水廻設備に接続した配管の水漏れを検知する水漏れ検知方法において、前記配管同士を接続する継手と配管との接続部に、紐状であって水漏れを検知する水漏れ検知センサを巻き付けることで、水漏れを検知するようにした点にある。
前記接続部は、前記継手と配管との接続によって少なくとも2箇所以上とされ、各接続部は継手と配管との接続により段差状となっており、それぞれの段差に沿って前記水漏れ検知センサを巻き付けることで、水漏れを検知するようにすることが好ましい。
【0007】
前記接続部は、前記継手と配管との接続によって2箇所とされており、前記水漏れ検知センサの長手方向一方側を一方の段差の全周に沿って巻き付け、当該水漏れ検知センサを継手の外周面に沿いながら他方の段差に向けて延設させ、他方の段差の全周に沿って巻き付けることで、水漏れを検知するようにすることが好ましい。
前記水漏れ検知センサを、前記一方の段差から他方の段差に向けて延設する際は、前記継手の上側の外周面に沿って当該水漏れ検知センサを延設することで、水漏れを検知することが好ましい。
【0008】
本発明における課題解決のための物による技術的手段は、水廻設備に接続した配管の接続構造において、前記配管同士を接続する継手と配管との接続部に、紐状であって水漏れを検知する水漏れ検知センサを巻き付けている点にある。
前記接続部は、前記継手と配管との接続によって少なくとも2箇所以上とされ、各接続部は継手と配管との接続により段差状となっており、それぞれの段差に沿って前記水漏れ検知センサを巻き付けると共に、各段差に沿って巻き付けた部分を互いに接続していることが好ましい。
【0009】
前記接続部は、前記継手と配管との接続によって2箇所とされており、前記水漏れ検知センサの長手方向一方側を一方の段差の全周に沿って巻き付け、当該水漏れ検知センサを継手の外周面に沿いながら他方の段差に向けて延設させ、他方の段差の全周に沿って巻き付けていることが好ましい。前記水漏れ検知センサを、前記継手の上側の外周面に沿って延設していることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単に水漏れ検知センサを配管に設けることができると共に、水漏れ検知センサによる誤作動を防止して確実に水漏れを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】水廻設備に接続した配管の接続構造を示す図である。
【図2】水漏れ検知センサの側面及び内部断面図である。
【図3】水漏れ検知センサを配管及び継手に設置した状態での側面拡大図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】配管の水漏れ検知方法及び水漏れ検知配管構造の第1変形例の側面図である。
【図6】水漏れ検知センサの配置をL形継手に適用した場合の側面図である。
【図7】配管の水漏れ検知方法及び水漏れ検知配管構造の第2変形例の側面図である。
【図8】第2変形例の外観概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の配管の水漏れ検知方法は、水廻設備に接続した配管からの水漏れを検知するためのものである。配管の水漏れ検知方法を、配管の接続構造と合わせて説明する。
図1は、住宅のトイレなどの水廻設備に接続した配管の接続構造を示したものである。図1に示すように、トイレ本体1の排水部分にパイプ状の縦配管2aの一端(上端)が接続され、縦配管2aの他端(下端)にL形の継手(エルボ)3aの一端(上端)が接続され、L形継手3aの他端(右端)にパイプ状の横配管2bの一端が接続されている。
【0013】
縦配管2aは、トイレ本体1が設置されている床部5を貫通して設けられて、当該床部5に支持金具6を介して支持されている。横配管2bは、床部5の下側に設けられた配管スペースK設けられ、配管スペースKの下側に設けられた基礎部7に支持金具8を介して支持されている。
L形継手3aと配管2a、2bとを接続する接続部10には、紐状であって水漏れを検知する水漏れ検知センサ11が設けられている。
図2に示すように、この水漏れ検知センサ11は、自在に変形することができる紐状であって、いずれの箇所であっても水漏れを検知することのできるものである。
【0014】
詳しくは、水漏れ検知センサ11は、2本の電極12と、この電極12を覆う覆部13とを備えていて、所定量の水(水分)が覆部13に付着すると電極12のインピーダンスが変化することで水漏れが検知できるものである。電極12は、電気ケーブル21を介して水漏れを知らせる警報装置14に接続されている。水漏れ検知センサ11により水漏れを検知すると警報装置14が作動して水漏れを知らせる。
また、この水漏れ検知センサ11は、覆部13に所定量の水分が付着すると、覆部13の内部に設けられた着色剤(例えば、赤色)50が、覆部13の外周面に浸透するようになっており、覆部13への着色剤50の浸透箇所を見ることによって、水漏れの箇所が特定できる。
【0015】
なお、水漏れ検知センサ11として、図2に示すものを例示したが、変形自在なものであって接続部10に巻くことができて水漏れを検知できるようなものであれば、図2のものに限定されない。また、警報装置14は、住宅内に設置してもよいし、LAN等のネットワークを介して住宅を管理する管理センサー等に設置してよい。
以下、図1、図3及び図4を用いて、配管の水漏れ検知方法及び水漏れ検知配管構造を詳しく説明する。なお、図3に示す「□」内の記号(S1〜S5)は、水漏れ検知センサ11を配管に巻く際の手順を示している。
【0016】
図1、図3に示すように、縦配管2aの下端にL形継手3aの上端が接続され、L形継手3aの右端に横配管2bの左端が接続されていることから接続部10は2箇所となっている。説明の便宜上、縦配管2aとL形継手3aとの接続部10を第1接続部10a、横配管2bとL形継手3aとの接続部10を第2接続部10bという。また、L形継手3aの外径が縦配管2a又は横配管2bの外径よりも大きいため、第1接続部10a及び第2接続部10bは、それぞれ段差状となっている。
この実施形態では、縦配管2aとL形継手3aとの第1接続部10aに水漏れ検知センサ11が巻かれ、横配管2bとL形継手3aとの第2接続部10bにも水漏れ検知センサ11が巻いている状態である。
【0017】
このように、第1接続部10aや第2接続部10bに水漏れ検知センサ11を巻くには、図1、図3及び図4に示すように、まず、1本の水漏れ検知センサ11を用意する。
そして、この水漏れ検知センサ11の長手方向一端側(上端)を、締結具(インシュロック)15を介して縦配管2aに固定する(S1)。続いて、当該水漏れ検知センサ11の長手方向一端側を、第1接続部10aの段差16aに近接させた後、近接した部分を基点17として当該段差16aに沿って1周させることで、第1接続部10aの段差16aの全周に亘って水漏れ検知センサ11を巻く(S2)。このとき、第1接続部10aの段差16aに巻いた水漏れ検知センサ11の部分は、出来る限りL形継手3aの一方(上端)の接続口の周辺(接続口の縁に沿うようにする)に近づけるようにすることが好ましい。
【0018】
そして、第1接続部10aの段差16aの全周に巻いた水漏れ検知センサ11を、基点17の付近にて交差させた後に、当該水漏れ検知センサ11をL形継手3aの外周面(屈曲外側の外周面)18に沿って下側に延設すると共に右側に延設させて、第2接続部10bの段差16bに近づける(S3)。この水漏れ検知センサ11はL形継手3aの中間に設けた締結具15によって当該L形継手3aに固定する。
また、水漏れ検知センサ11を第2接続部10bの段差16bに近づけた後は、近接した部分を基点20として当該段差16bに沿って1周させることで第2接続部10bの段差16bの全周に亘って水漏れ検知センサ11を巻く(S4)。このとき、第2接続部10bの段差16bに巻いた水漏れ検知センサ11は、出来る限りL形継手3aの他方(右端)の接続口の周辺(接続口の縁に沿うようにする)に近づけるようにすることが好ましい。
【0019】
水漏れ検知センサ11を第2接続部10bの段差16bに一周巻いた後は、基点20の付近にて交差させた後に、当該水漏れ検知センサ11の他端(右端)と、電気ケーブル21の一端(左端)とを圧着端子22を介してかしめることで接続する(S5)。そして、電気ケーブル21の他端(右端)を警報装置14に接続する(S6)。
図1〜図4に示す実施例では、水漏れ検知センサ11の長手方向一方側(上端)を第1接続部10aの段差16aの全周に沿って巻き付け、当該水漏れ検知センサ11を継手3の屈曲外側の外周面(屈曲外側面という)18に沿いながら第2接続部10bの段差16bに向けて延設させ、第2接続部10bの段差16bの全周に沿って巻き付けるという構成となっている。言い換えれば、このような水漏れ検知配管構造では、第1接続部10aの廻りの水漏れを検知する第1検知部25と、L形継手3aの屈曲外側面18に伝わった水漏れを検知する第2検知部26と、第2接続部10bの廻りの水漏れを検知する第3検知部28とが構成されることになる。
【0020】
そのため、例えば、地震等による反復振動によって発生する継手の緩みなどによって、縦配管2aとL形継手3aとの第1接続部10から水漏れが生じた場合は、第1接続部10aに巻いた水漏れ検知センサ11(第1検知部25)により水漏れを検知することができると共に、第1接続部10aから出て屈曲外側面18に伝わった水漏れも水漏れ検知センサ11(第2検知部26)により検知することができる。さらに、横配管2bとL形継手3aとの第2接続部10bからの水漏れが生じた場合は、第2接続部10bに巻いた水漏れ検知センサ11(第3検知部28)により水漏れを検知することができる。
【0021】
上述したような配管2の水漏れ検知方法及び水漏れ検知配管構造では、従来の技術とは異なり、水漏れが発生しやすい配管2と継手との接続部10に水漏れ検知センサ11を設けると共に、接続部10から水漏れした場合にその水が流れやすい屈曲外側面18にも水漏れ検知センサ11を設け、その他の部分には、水漏れ検知センサ11を設けないようにしている。そのため、本発明によれば、配管2に水漏れ検知センサ11を施工した際に当該水漏れ検知センサ11の長さを短くすることができると共に、水漏れ検知センサ11を施工する作業も低減することができる。
【0022】
これに加え、特に、配管2と継手との接続部分(図1のエリアA)は、両者が重合しているため当然に他の部分に比べて肉厚も厚いことから、温度差等による結露が発生しにくく発生する水滴も他の部分に比べて格段に少ない。そのため、この発明では、この点にも着目し、結露が発生し難い部分に水漏れ検知センサ11を通すことによって、水漏れ検知センサ11の誤作動を防止するようにしている。
つまり、本発明では、上述したように、配管2と継手との接続部10に水漏れ検知センサ11を直接巻くようにすることで、確実に配管2からの水漏れを検知できるようにすると共に、従来のような、結露による水滴によって水漏れ検知センサ11が誤差動を起こしてしまうことも防止している。
【0023】
図5は、配管2の水漏れ検知方法及び水漏れ検知配管構造の変形例(第1変形例)をしめしたものである。
上述した図1〜図4に示す実施例では、L形継手3aを例示して説明していたが、本発明は、図5に示すようなT形の継手(チーズ)3bでも適用することができる。
図5に示すように、T形継手3bであるため、接続部10は、少なくとも2箇所以上となり、段差も2箇所以上となる。このような場合でも、各接続部10の段差16に沿って水漏れ検知センサ11を巻き付けると共に、各段差16に沿って巻き付けた部分を互いに接続すればよい。
【0024】
説明の便宜上、縦配管2aとT形継手3bとの接続部10を第1接続部10a、横配管2bの右端とT形継手3bとの接続部10を第2接続部10b、横配管2bの左端とT形継手3bとの接続部10を第3接続部10cという。
水漏れ検知センサ11を施工するには、まず、1本の水漏れ検知センサ11を用意して、この水漏れ検知センサ11の長手方向一端側(左端)を、締結具15を介して左側の横配管2bに固定する(S10)、続いて、漏れ検知センサ11の長手方向一端側(左端)11を、第3接続部10cの段差16cに近接させた後、近接した部分を基点30として当該段差16cに沿って1周させることで第3接続部10cの段差16cの全周に亘って水漏れ検知センサ11を巻く(S11)。
【0025】
そして、第3接続部10cの段差16cの全周に巻いた水漏れ検知センサ11を、基点30の付近にて交差させた後に、水漏れ検知センサ11をT形継手3bの外周面(屈曲内側の外周面)31に沿って右側に延設すると共に上側に延設し、第1接続部10aの段差16aに近づける(S12)。
また、水漏れ検知センサ11を第1接続部10aの段差16aに近づけた後は、段差16aに沿って1周させることで第1接続部10aの段差16aの全周に亘って水漏れ検知センサ11を巻く(S13)。水漏れ検知センサ11を、第1接続部10aの段差16aに一周巻いた後は、当該水漏れ検知センサ11をT形継手3bの外周面(屈曲内側面という)32に沿って下側に延設すると共に右側に延設させて、第2接続部10bの段差16bに近づける(S14)。
【0026】
また、水漏れ検知センサ11を第2接続部10bの段差16bに近づけた後は、当該段差に沿って1周させることで第2接続部10bの段差16bの全周に亘って水漏れ検知センサ11を巻く(S15)。水漏れ検知センサ11を、第2接続部10bの段差16bに一周巻いた後は、当該水漏れ検知センサ11の他端(右端)と、電気ケーブル21の一端(左端)とを圧着端子22を介してかしめることのよって接続する。そして、電気ケーブル21の他端(右端)を警報装置14に接続する。
図5に示す水漏れ検知配管構造では、水漏れ検知センサ11を、第2接続部10bの段差16b(一方の段差)から第1接続部10aの段差16a(他方の段差)に向けて延設するとき、又は、第1接続部10aの段差16a(一方の段差)から第3接続部10cの段差16c(他方の段差)に向けて延設するときは、T形継手3bの上側の外周面(屈曲内側面31、32)に沿って水漏れ検知センサ11を延設している。
【0027】
そのため、水漏れ検知センサ11の総長さをさらに短くすることができると共に、上面側(屈曲内側面31、32)には水滴等が集まり難いので、より水漏れ検知センサ11の誤差動を防止することが可能となる。言い換えれば、継手の上側の外周面(屈曲内側面31、32)は、配管構造の中で最も水滴等の影響を受けない箇所であるため、水漏れ検知センサ11の感度を上げて早期に水漏れを発見することが可能となる。
なお、図5に示した水漏れ検知センサ11の配置をL形継手3aに適用した場合は、図6に示すように、L形継手3aの上側の外周面(屈曲内側面36)に沿って当該水漏れ検知センサ11を延設することで、第1接続部10aの水漏れ検知センサ11と第2接続部10bの水漏れ検知センサ11とを接続することになる。
【0028】
図7、図8は、配管2の水漏れ検知方法及び水漏れ検知配管構造の変形例(第2変形例)をしめしたものである。
上記の説明では、配管2や継手に直接水漏れ検知センサ11を巻くようにしているが、図7、図8に示す第2変形例では、配管2及び継手を覆う遮音材40を設け、当該遮音材40に水漏れ検知センサ11を巻いている。
図7に示すように、縦配管2aの外周面を覆うと共に、L形継手3aの外周面を覆うように遮音材40が設けられている。また、遮音材40は、横配管2bの外周面も覆っている。図7及び図8に示すように、縦配管2a、横配管2b又はL形継手3aを遮音材40によって覆っているために、第1接続部10aや第2接続部10bは段差状にはなっていない。
【0029】
このような状態では、遮音材40において、横配管2bとL形継手3aとの接続位置に相当する第2接続部10bに、遮音材40を外部から内部へと切り込みを入れることによって、遮音材40の内部からの水を外側に排出する切り込み部43を形成する。切り込みを入れる際は、第2接続部10bの下側であって遮音材40の周方向に切り込みを入れる(S20)。
そして、遮音材40において、縦配管2aとL形継手3aとの接続位置に近接した第1接続部10aに、水漏れ検知センサ11を全周に亘って巻き付ける(S21)。そして、L形継手3aの屈曲外側面18に沿った遮音材40の屈曲外側面45に沿うように、水漏れ検知センサ11を下側及び右側に延設して、当該水漏れ検知センサ11を遮音材40における第2接続部10bに近づける(S22)。水漏れ検知センサ11を延設する場合は、切り込み部43を通過(横断)するように、水漏れ検知センサ11を延ばして第2接続部10bに到達させる。遮音材40における第2接続部10bに水漏れ検知センサ11を全周に亘って巻き付ける(S23)。
【0030】
配管2や継手に遮音材40を設けた場合であっても、第2接続部10bに切り込み部43を設けて、第2接続部10bに設けた切り込み部43の下側を通過するように水漏れ検知センサ11を設けているため、第2接続部10bからの水漏れを検知することができる。しかも、第1接続部10aからの水漏れがしたとしても、遮音材40と継手との隙間Lを通る水が第2接続部10bに到達して切り込み部43から外側へと排出するため、第1接続部10aからの水漏れも検知することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。上記の実施形態では、水廻設備としてトイレを例示しているが、水廻設備は、これに限らず、洗面所、台所、浴室等であってもよい。
【0031】
上記の実施形態では、1本の水漏れ検知センサ11を用いて、第1接続部10aから第2接続部bに亘って引き回しにより設置したり、第1接続部10aから第3接続部cに亘って引き回しにより設置しているが、複数の水漏れ検知センサ11を用意して、それぞれの水漏れ検知センサ11を各接続部10a、10b、10cに個別に巻くようにしてもよい。上記の実施形態では、地震等による反復振動によって発生する継手の緩みなどによって発生する水漏れを例に取り説明しているが、水漏れは様々な要因(例えば、配管の経年変化や施工不良等)によって発生するものであり、本発明は、地震による水漏れに限定されないことは当然のことであり、本発明は、様々な要因によって発生する水漏れに適用可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 トイレ本体
2 配管
2a 縦配管
2b 横配管
3 継手
3a L形継手
3b T形継手
10 接続部
10a 第1接続部
10b 第2接続部
10c 第3接続部
11 水漏れ検知センサ
16 段差
16a 第1接続部の段差
16b 第2接続部の段差
16c 第3接続部の段差
18 屈曲外側面
32 屈曲内側面
40 遮音材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水廻設備に接続した配管の水漏れを検知する水漏れ検知方法において、
前記配管同士を接続する継手と配管との接続部に、紐状であって水漏れを検知する水漏れ検知センサを巻き付けることで、水漏れを検知するようにしたことを特徴とする配管の水漏れ検知方法。
【請求項2】
前記接続部は、前記継手と配管との接続によって少なくとも2箇所以上とされ、各接続部は継手と配管との接続により段差状となっており、それぞれの段差に沿って前記水漏れ検知センサを巻き付けることで、水漏れを検知するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の配管の水漏れ検知方法。
【請求項3】
前記接続部は、前記継手と配管との接続によって2箇所とされており、前記水漏れ検知センサの長手方向一方側を一方の段差の全周に沿って巻き付け、当該水漏れ検知センサを継手の外周面に沿いながら他方の段差に向けて延設させ、他方の段差の全周に沿って巻き付けることで、水漏れを検知するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に配管の水漏れ検知方法。
【請求項4】
前記水漏れ検知センサを、前記一方の段差から他方の段差に向けて延設する際は、前記継手の上側の外周面に沿って当該水漏れ検知センサを延設することで、水漏れを検知するようにしたことを特徴とする請求項2又は3の配管の水漏れ検知方法。
【請求項5】
水廻設備に接続した配管の接続構造において、
前記配管同士を接続する継手と配管との接続部に、紐状であって水漏れを検知する水漏れ検知センサを巻き付けていることを特徴とする水漏れ検知配管構造。
【請求項6】
前記接続部は、前記継手と配管との接続によって少なくとも2箇所以上とされ、各接続部は継手と配管との接続により段差状となっており、それぞれの段差に沿って前記水漏れ検知センサを巻き付けると共に、各段差に沿って巻き付けた部分を互いに接続していることを特徴とする請求項5に記載の水漏れ検知配管構造。
【請求項7】
前記接続部は、前記継手と配管との接続によって2箇所とされており、前記水漏れ検知センサの長手方向一方側を一方の段差の全周に沿って巻き付け、当該水漏れ検知センサを継手の外周面に沿いながら他方の段差に向けて延設させ、他方の段差の全周に沿って巻き付けていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の水漏れ検知配管構造。
【請求項8】
前記水漏れ検知センサを、前記継手の上側の外周面に沿って延設していることを特徴とする請求項5又は6に記載の水漏れ検知配管構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−21347(P2011−21347A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165703(P2009−165703)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000104847)三洋ホームズ株式会社 (13)
【Fターム(参考)】