説明

配管材の固定具及び固定装置

【課題】配管材を床面や壁面等の被固定面に固定したときに、流体管と被覆管との間に形成された隙間によって生ずる該被覆管の周方向における余長部を、配管材の外周面に臨む内周面の所定箇所に見栄え良く収容し、被覆管による断熱効果を確保し、配管材の外周面全体を押圧し支持することにより該配管材を前記被固定面に安定して強固に固定する。
【解決手段】可撓性を有する流体管62が被覆管63で被覆された配管材61を内部に保持するベース体11と、上方開口を閉塞すべくベース体11に組付けられる蓋体31とで構成し、配管材61の外周面に臨む内周面2を、蓋体31がベース体11に組付けられた状態において配管材61の外周全域を挟持すべく形成し、更に、内周面2に、被覆管63の周方向の余長部を収容する凹条17を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建て、集合住宅等において給水管、給湯管等の流体管を樹脂発泡層を有する被覆管で被覆してなる配管材をその配管経路に沿って床面や壁面等に固定するための配管材の固定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅等において台所、風呂、洗面化粧台等に給水、給湯を行なうため、また、温水床暖房のため、給水管、給湯管等の流体管が配管されている。これらの給水管、給湯管は可撓性を有する合成樹脂管等が使用されているとともに、外部からの傷付き防止などのために、一般に、配管経路全域に至って硬質樹脂等からなる鞘管内に挿通されて保護されている。鞘管内に給水管、給湯管等の流体管が挿通されてなる配管材は、適宜間隔で床面や壁面等に固定されるサドル等の固定具によって配管経路に沿って配管されている。この配管に関しては、例えば、特開平9−100560号公報に記載された配管施工方法が提案されている。
【0003】
一方、近年は、給水管、給湯管等の流体管は断熱効果を高めるべく、硬質樹脂等からなる鞘管に代えて樹脂発泡層を有する被覆管で被覆されることが多くなってきており、予め給水管、給湯管の外側に前記被覆管が被覆された配管材が普及してきている。これに関しては、例えば、特開平11−82875号公報に、集中冷暖房システム端末機への行き管及び戻り管である給水管及び給湯管が樹脂発泡層を有する被覆管内に一体に挿通された配管材が提案されている。
【0004】
ここで、これらの流体管には水圧が加わり、またウォーターハンマー等による大きな振動が加わることもあることから、配管材はこれらの圧力、振動等によって管軸方向にずれたりし易いため、被固定面に強固に固定する必要がある。
【特許文献1】特開平9−100560号公報
【特許文献2】特開平11−82875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、流体管を被覆管で被覆してなる前記配管材は、通常、樹脂発泡層からなるシート材を外側から流体管に巻装した後、シート材の両端部相互を長手方向に沿って融着して形成されるため、製造上、一般に、流体管と被覆管との間に相当の隙間を生じ、流体管は前記隙間の大きさに相応して被覆管内にがさついた状態で収容されていることが多い。即ち、通常、被覆管は流体管の外面に密接した状態で被覆されているわけではなく、その周長は流体管に密接状態で被覆されているときの周長より多少長めとなっており、周方向に余長部を生じている。
【0006】
このため、前記配管材が従来のサドル等の固定具を使用して被固定面に固定され、被覆管が固定具の内周面と床面や壁面等の被固定面とによって挟圧されると、配管材の外周側は固定具の内周面によって規制されているから、前記被覆管のだぶつきを生ずる余長部は配管材の内周面と流体管の外周面との間に挟まれて折り畳まれたり波打ったりして皺を発生させてしまう。その結果、固定部における見栄えは著しく損なわれていた。
【0007】
また、前述のように、配管材は管軸方向へのずれ防止等のために固定具によって強固に固定する必要があるところ、被覆管の余長部によって前記皺が生ずると、その皺の周辺部では固定具の内周面との間や内部の流体管との間などにおいて隙間が発生し、配管材の外周面には固定具の内周面と密接せず押圧されていない部分が生ずる。その結果、配管材に対する固定具の固定強度、挟持力は低下し、配管材は流体管内の水圧やウォーターハンマーによる振動等によって管軸方向にずれ易かった。
【0008】
そこで、配管材に対する固定力を増大させるために固定具の締付力を大きくして強固に固定すると、図8に示すように、配管材61における2本の流体管62を一体に覆う被覆管63は固定具81の内周面と被固定面71とによって強く挟圧され、上下方向に著しく圧縮されて上面及び下面部分が偏平化してしまう。その結果、被覆管63の樹脂発泡層が押し潰されて内部の気泡、空気層が潰され、被覆管63による断熱効果は著しく減少してしまう。つまり、図8に示すように、螺子72を使用して固定具81を被固定面71に強固に固定すると、被覆管63の余長部により生じた皺66によって見栄えが低下することに加え、樹脂発泡層の圧縮によって被覆管63の断熱効果が著しく減殺されてしまう。また、そのような皺66が存在する状態で配管材61を固定するには大きな力が必要となるから、円滑に固定作業できないという不具合も生じていた。
【0009】
その一方、特開2002−295728公報には、図9(a)に示す固定具82が記載されている。図9(a)の固定具82は、図9(b)に示すように、配管材61の流体管62を覆う被覆管63は圧縮されていない状態で保持されているとともに、配管材61の上下部分に被覆管63の余長部の逃げ空間が存在するため、譬え被覆管63に余長部があったとしてもこの空間内に入り込み、皺は発生しない。また、被覆管63は圧縮されていない状態で固定具82内に保持されているので、被覆管63による断熱効果が失われることはない。しかし、この固定具82は、上部に空きスペースからなる不連続部83が存在するから、内周面で配管材61の外周面全体を密接した状態で挟持し保持しているわけではない。このため、配管材61に対する保持力は小さく、固定は弱いので、配管材61は管軸方向に位置ずれし易く、固定強度の面で不具合があった。
このように、従来の固定具では、配管材の強固な固定、余長部の皺による見栄えの低下の防止及び断熱効果の確保の条件を全て満たすことはできなかった。
【0010】
そこで、本発明は、配管材を床面や壁面等の被固定面に固定したときに、流体管と被覆管との間に形成された隙間によって生ずる該被覆管の周方向における余長部を、配管材の外周面に臨む内周面の所定箇所に見栄え良く収容し、被覆管による断熱効果を確保するとともに、配管材の外周面全体を押圧し支持することにより該配管材を前記被固定面に安定して強固に固定し得る配管材の固定具及び固定装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の配管材の固定具は、可撓性を有する流体管の外側が樹脂発泡層を有する被覆管で被覆されてなる配管材をその配管経路に沿って固定するためのものであって、上方開口から挿入された前記配管材を内部に保持するベース体と、前記上方開口を閉塞すべく該ベース体に組付けられる蓋体とからなる。そして、前記固定具の外周面に臨む内周面は、前記蓋体が前記ベース体に組付けられた状態において前記配管材の外周全域を挟持すべく形成されている。更に、前記内周面に、前記流体管と前記被覆管との間に形成された隙間により生ずる該被覆管の周方向の余長部を収容する凹条が設けられている。
【0012】
ここで、前記配管材は、住宅等において給湯器や床下暖房装置への行き管、戻り管などに使用されるものであり、1本の被覆管内にペア管として2本の流体管が挿通されたものであったり、1本の被覆管内に1本の流体管が挿通されたものがある。なお、1本の被覆管内に3本以上の被覆管を挿通したものであってもよい。
【0013】
前記固定具の内周面は、蓋体がベース体に組付けられた状態で、配管材の外周全域を挟持すべく形成されている。ここで、被覆管は余長部を有しているのであるが、固定具のベース体に蓋体が組付けられる際に、または、蓋体の組付け後にその組付けによって生じた皺が内周面に設けられた凹条に向けて絞り出されることにより、前記余長部は固定具の内周面に沿って絞り込まれて前記凹条内に集約して収容される。したがって、被覆管は外周面全体に至って密接した状態で均等に挟持され、それにより、配管材は被覆管がほとんど凹まない程度に挟持された状態で安定して強固に被固定面に固定される。なお、配管材の「外周全域」とは、厳密には、固定具の内周面のうち前記凹条が設けられている部分は除かれる。
【0014】
固定具の内周面は、配管材の挟持を可能とするため、前記凹条の内部などを考慮しない周全体の長さ即ち配管材の外周形状全体を最短で囲う周長が配管材の外周長より短いものとなっている。内周面の周長が配管材の外周長より長い場合には、内周面と配管材の外周面との間に隙間を生じ、内周面によって配管材を挟持できないことになるからである。
固定具の内周面の形状は、被覆管に1本の流体管のみが挿通されている場合は、被覆管の外周面は円形状となっており、それに対応して円形状となっている。また、被覆管にペア管として2本の流体管が挿通されている場合は、被覆管の外周面は反対向きの半円を平行線で結んだ、トラック形状や略小判形状となっており、それに対応して、トラック形状や略小判形状となっている。
【0015】
前記流体管は、合成樹脂等で形成され、可撓性を有しており、被覆管内を長手方向に移動し易い。それ故、本発明の固定具のように、配管材の外周全域を挟持すべく形成し、かつ該配管材の外周長より短い周長に形成し、配管材を強固に固定する必要がある。
【0016】
前記被覆管は、一般には全て樹脂発泡層で形成されるが、内層または外層或いは中間層など一部が非発泡の軟質樹脂材で形成されたものであってもよい。
前記被覆管の余長部は、配管材を構成する流体管と被覆管との間に隙間が形成されることによって生ずる、即ち、被覆管は周方向において多少緩んだ状態で流体管の外周面を覆っているので、被覆管を絞り込んで流体管の外周面に緊密に被覆させたとき、その緩みの長さ分だけ余長部としてはみ出すこととなる。それ故、整然と安定した固定のために、はみ出された被覆管の余長部を収容するための凹条を設けたのである。なお、一般に、被覆管は樹脂発泡層からなるシート材を流体管の外周面に巻装した後、シート材の両端部相互を長手方向に沿って融着することにより形成され、配管材が製造されるが、流体管と被覆管との隙間は、主にその製造工程において生ずる。
【0017】
なお、流体管は合成樹脂材のみで形成したものであってもよいし、断熱効果をより高めるため、更に個別に外周面を断熱材からなる保護管で被覆してもよい。本件出願においては、流体管には、前記保護管で個別に被覆したものも含んでいる。
【0018】
固定具は、ベース体と蓋体とで構成されており、これらは一体構造または別体構造として組付けられる。蓋体は、例えば、一端部とベース体との接合部にヒンジを設け、そのヒンジを軸に蓋体を回動し、他端部をベース体のヒンジと反対側の端部に係止させて組付ける構造とすることができる。或いは、蓋体は、ベース体の上方開口の両端部に左右一対の蓋部材を一体に付設し、両蓋部材を近接させて互いに上下で重なり合うように係合させて配管材を挟持する構造とすることができる。
【0019】
被覆管の余長部を収容するための凹条は、固定具の内周面に設けられるが、設置箇所は1箇所でも2箇所以上であってもよい。また、その設置箇所は被固定面への固定側であってもよく、側方であってもよく、その位置は問わないが、被固定面への固定側に設けた場合は、請求項2の効果が得られる。前記凹条は、固定具の内周面の一部を切欠して形成され、少なくとも流体管の余長部全体を収容できる容積を要する。なお、固定具の内周面で配管材の外周全域を挟持するため、凹条の開口はできる限り小さいのが望ましい。
【0020】
請求項2の配管材の固定具は、固定具の凹条が、内周面において被固定部への固定側に設けられている。内周面の固定側は、固定具を螺子で固定する際の固定側にも該当するため、凹条内に螺子の固定部が設けられていると、前記凹条は、固定具を固定した後に前記螺子の頭部を格納する格納空間としても機能する。なお、凹条内に螺子の頭部が存在しても、被覆管は樹脂発泡層で形成され、その弾力性によって前記螺子の頭部を内部に吸収するから、螺子の頭部の存在が凹条への被覆管の収容に支障をきたすことはない。
【0021】
請求項3の配管材の固定装置は、被覆管の周方向に、流体管と被覆管との間に形成された隙間により生ずる余長部を有する配管材と、請求項1に記載の固定具とを備えたものである。
【発明の効果】
【0022】
請求項1及び請求項3の発明は、固定具の内周面が、蓋体がベース体に組付けられた状態において配管材の外周全域を挟持すべく形成され、かつ固定具の内周面に被覆管の余長部を収容する凹条が形成されているから、被覆管は外周面全体に至って均等に挟持され、それにより、配管材は被覆管がほとんど凹まない程度に挟持された状態で安定して強固に被固定面に固定される。その結果、配管材の被覆管が管軸方向に位置ずれするのを確実に防止できる。
また、被覆管はほとんど凹まない状態で強固に固定し得るから、樹脂発泡層を有する被覆管の断熱効果を確保することができる。
更に、固定時に被覆管の余長部は折重なったり皺が寄ったりすることなく見栄え良く収容することができ、余長部による外観の低下を防止することができる。
【0023】
請求項2の発明は、凹条が、内周面において被固定部への固定側に設けられているので、この凹条内に固定用の螺子孔を形成すれば、この凹条は、被覆管の余長部の収容空間として機能するとともに、固定用の螺子の頭部を格納する格納空間としても機能する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態の配管材の固定具及び固定装置を図1乃至図4に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の固定装置、図2は固定具を示し、図3は前記固定具により配管材を挟持した状態を、図4は本実施形態において適用する配管材を示す。
図1及び図2において、固定装置は、固定具1と配管材61とで構成され、固定具1は、配管材61をその配管経路に沿って床面や壁面等の被固定面71に固定するためのものであり、適宜間隔で被固定面71にねじ止めによって固定される。更に、この固定具1は、上方開口12から挿入された前記配管材61を内部に保持するベース体11と、このベース体11にヒンジ部3を軸に回動自在に組付けられ、前記ベース体11の上方開口12を閉塞する蓋体31とで構成されている。
【0025】
前記配管材61は、図4(a)に示すように、2本の可撓性を有する流体管62の外側に樹脂発泡層を有する被覆管63が一体に被覆されて成り、戸建てや集合住宅等において台所、風呂、洗面化粧台等に給水、給湯を行なうため、或いは温水床暖房のため、床下の設置面や壁面等に沿って配管されるものである。前記流体管62は給湯器などとの行き管及び戻り管である給水管及び給湯管がペアとなって被覆管63内に挿通されている。流体管62は架橋ポリエチレン、ポリブテン等の合成樹脂材からなり、可撓性を有する。
【0026】
前記被覆管63は、給水管では結露を防止し、給湯管では保温を行なうため、全体が断熱効果を発揮する樹脂発泡層で形成されている。但し、被覆管63は内層または外層或いは中間層など一部が非発泡の軟質樹脂材で形成されたものであってもよい。被覆管63は樹脂発泡層で形成され、柔軟性、弾力性を備えているから、一般に、樹脂発泡層からなる一定厚さのシート材を2本の流体管62の外周面に一体に巻装した後、シート材の両側の端面相互を熱融着などの手段によって接合して流体管62に被覆される。このようにして製造されるため、流体管62を被覆管63で被覆してなる配管材61は、図4(a)に示すように、流体管62と被覆管63との間に隙間Sを生じている、即ち、配管材61の被覆管63は、図4(a)の2点鎖線で示すような、反対向きの2つの半円を平行線で結んだトラック形状や小判形状となって流体管62の外周面に緊密に被覆されているのではなく、図4(a)の実線で示すように多少緩んだ状態で被覆されており、その1周分の長さである周長は、流体管62の外周面に緊密に被覆されているときの周長に比べて長めになっている。この長めの部分は余長部64となっている。
【0027】
一方、前記固定具1は、合成樹脂材によりベース体11と蓋体31とが一体に形成されている。前記ベース体11は、底面13が平坦面に形成され、その全面が被固定面71に当接するようになっている。ベース体11の内部には配管材61の保持空間14が設けられており、配管材61の外周面に臨む内周面15は配管材61の外周面に沿って当接すべく該配管材61の外周形状に対応した略C字状に形成されている。ベース体11の内周面15においてその幅方向即ち配管材61の長手方向の中央には周方向に沿って僅かに保持空間14側に突出するリブ16が設けられており、このリブ16は配管材61の被覆管63に食い込んで配管材61が長手方向に移動するのを防止する。但し、このリブ16は必ずしも要するものではない。
【0028】
更に、ベース体11の内周面15の最下部には、固定したときに絞り出された被覆管63の余長部64を収容するための凹条17が内周面15の幅方向全体に至って設けられている。この凹条17は断面が略コ字状に形成され、被覆管63の余長部64全体を収容するに足る容積を有している。凹条17の開口17aの両側の角部17bはアール状に面取加工されており、被覆管63の余長部64が円滑に凹条17内に導かれ、収容されるようになっている。但し、必ずしも、前記面取りを要するものではない。凹条17の底面17cの中央部には固定具1を被固定面71に固定するための螺子72が挿通される螺子孔18が1個貫設されている。螺子孔18の上部開口周縁部には、螺子72を螺子孔18内の中央に位置決めすべく螺子孔18内に僅かに突出する小突起18aが等間隔で4個設けられている。但し、この小突起18aはなくてもよい。なお、螺子孔18は2個以上設けてもよい。ここで、凹条17は少なくとも被覆管63の余長部64全体を収容するに足る深さを備えるとともに、螺子72の頭部が内周面15の上方に突出しないよう螺子72の頭部の高さより大きい深さを備えている。
【0029】
ベース体11の保持空間14の側方には、回動してベース体11の上方開口12に組付けられた蓋体31の後述する係止部33が係止する被係止部19が設けられている。この被係止部19は蓋体31の係止部33が挿入される挿入空間20を有するとともに、挿入空間20の両側の壁面に蓋体31の係止部33の第1係止爪37が係止する第1被係止爪21及び蓋体31の係止部33の第2係止爪38が係止する第2被係止爪22が形成されている。
【0030】
更に、ベース体11の一方の側面の下部には連結突起23が固定具1の幅の全体に至って突設されており、ベース体11の反対側の側面の下部には前記連結突起23が嵌合する連結嵌合孔24が固定具1の幅の全体に至って凹設されている。固定具1はこれらの連結突起23を連結嵌合孔24に嵌合し、連結することによって複数を並設させることができ、これにより、複数の配管材61を整然と並行して配管できるようになっている。但し、これらの連結突起23及び連結嵌合孔24は必ずしも要するものではない。
【0031】
一方、蓋体31は、ベース体11の上方開口12を覆う蓋部32が上方に僅かに膨出した湾曲形状をなすとともに、一端部は薄肉に形成されたヒンジ部3を介してベース体11に回動自在に接合されており、ヒンジ部3と反対側の他端部にはベース体11の被係止部19に係止する係止部33が一体に設けられている。蓋部32と係止部33との接合部34は薄肉に形成されていて、係止部33は接合部34を軸に蓋部32に対して全体を僅かに上下方向に回動し、傾斜できるようになっている。蓋体31の蓋部32は、配管材61の外周面に臨む内周面35が配管材61の外周面に沿って当接すべく該配管材61の外周形状に対応した形状に形成されている。蓋部32の内周面35においてその幅方向即ち配管材61の長手方向の中央には周方向に沿って僅かにベース体11の保持空間14側に突出するリブ36が設けられており、このリブ36はベース体11のリブ16と同様に配管材61の被覆管63に食い込んで配管材61が長手方向に移動するのを防止する。蓋体31の係止部33は全体が略矩形板状をなすとともに、下部には前述した第1係止爪37が設けられ、中間部より僅かに上方側には第2係止爪38が設けられている。また、係止部33の上端部には、指先で押圧することによって接合部34を軸に係止部33を回動させて蓋体31の係止爪とベース体11の被係止爪との係合を解除するための係合解除部39が設けられている。
【0032】
固定具1は、ベース体11と蓋体31とが上記のように構成されており、蓋体31がベース体11に組付けられた状態においては、ベース体11の内周面15と蓋体31の内周面35とで形成される固定具1全体の内周面2は、配管材61の外周全域を挟持すべく、配管材61の全体の外周形状に対応してトラック形状或いは小判形状をなし、配管材61の外周全域を外側から直接押圧し挟持する。加えて、固定具1の内周面2の、配管材61の外周形状全体を最短で囲う周長即ちトラック形状或いは小判形状をなす周囲長さは配管材61の外周長より短く形成されている。固定具1の内周面2が配管材61の外周長より短い周長に形成されていなければ、少なくとも配管材61の外周面を押圧して保持することにはできないからである。なお、配管材61の被覆管63において固定具1の内周面2の周長より長い部分は、固定時に固定具1の凹条17内に収容されることとなる。
【0033】
次に、上記のように構成された本実施形態の固定具1による配管材61の固定及び配管について説明する。
配管材61を被固定面71に固定し、配管するには、まず、適宜間隔をおいて被固定面71の所定箇所に固定具1を配置し、その凹条17の底面17cに設けられた螺子孔18に螺子72を挿通し被固定面71に螺着する。このとき、固定具1の蓋体31をヒンジ部3を軸に回動することによりベース体11の上方開口12を開放状態にすることができるので、上方から工具を使用して螺子72を取付けることができる。次に、被覆管63内で流体管62が水平方向に並置された状態で配管材61を固定具1のベース体11の上方開口12から保持空間14内に挿入する。配管材61が所定の姿勢で配置されたら、ヒンジ部3を軸に蓋体31を回動し、蓋体31の係止部33をベース体11の被係止部19の挿入空間20内に挿通しながら蓋部32を閉じる。このとき、蓋体31の係止部33の外面はベース体11の第2係止爪22によって蓋部32側に弾性的に押圧されながら挿入空間20内を下方に移動する。そして、係止部33の第1係止爪37及び第2係止爪38がそれぞれベース体11の第1被係止爪21及び第2係止爪22に係止可能な位置に達すると、第2被係止爪22による押圧が解除され、係止部33の外面は蓋部32の反対側に弾性復帰して蓋体31の各係止爪はベース体11の各被係止爪に係止する。
【0034】
ここで、固定具1の内周面2の、配管材61の外周形状全体を最短で囲う周長は、配管材61の外周長より短いので、蓋体31を閉じる際に配管材61から抵抗を受けるが、それに抗して強制的に蓋部32を閉じれば、蓋体31を閉じた際に、または、蓋体31の組付け後にその組付けによって生じた皺が凹条17に向けて絞り出されることにより、がさつき状態の被覆管63は固定具1の内周面2によって絞り込まれて被覆管63の余長部64は凹条17の空間内に収容される。その結果、配管材61の被覆管63は、固定前は図4(a)の状態にあったものが、図3(a)に示すように、2つの流体管62の外周面に緊密に当接し、被覆管63の内周面は図4(a)の二点鎖線で示す位置まで縮径する。これにより、被覆管63は外周全域が固定具1の内周面2によって挟持される。なお、固定において、凹条17内には螺子72の頭部が存在するが、被覆管63は樹脂発泡層で形成され、柔軟性、弾力性を有し、螺子72の頭部を内部に吸収するから、螺子72の頭部が被覆管63の余長部64の収容に支障をきたすことはない。
【0035】
以下、固定具1を適宜間隔で配管経路に固定し、配管材61を保持することにより、配管材61は床面や壁面等に沿って配管される。また、必要に応じて連結突起23及び連結嵌合孔24を介して固定具1相互を連結し、並設すれば、複数の配管材61を整然と配管することができる。なお、図3は固定具1のリブから僅かに長手方向に離間した位置で切断した断面を示す。これは後述の図5(b)において同じである。
【0036】
なお、このように固定した後、配管材61を更新したり撤去し或いは配管経路を変更す
るなどのために配管材61の固定を解除して取り外すには、上記と逆の手順で、まず、固定具1の蓋体31の係合部33の係合解除部39を指先で押上げて蓋体31の係止爪とベース体11の被係止爪との係合を解除し、次いで、蓋体31を回動してベース体11の上方開口12を開放し、配管材61を取り出せばよい。
【0037】
次に、上記固定具1の作用を説明する。
固定具1の内周面2は、蓋体31がベース体11に組付けられた状態において配管材61の外周全域、但し、厳密には凹条17を除いた領域を挟持すべく形成されている。また、固定具1の内周面2には凹条17が設けられているから、被覆管63の余長部64は固定具1の凹条17内に集約して収容される。このため、配管材61は固定具1により外周面が全体的に密接した状態で均等に挟持され、それにより、配管材は被覆管がほとんど凹まない程度に挟持された状態で安定して強固に被固定面に固定される。また、被覆管63はほとんど圧縮されない状態で強固に固定され得るから、樹脂発泡層を有する被覆管63の断熱効果は確保される。
【0038】
なお、固定具1の内周面2の一部は凹条17が設けられていることにより、その部分においては配管材61を内周面2によって直接押圧することはできないが、本実施形態のように、被覆管63内にペア管として2本の流体管62が挿通されている場合は、図3(a)からも分かるように、凹条17が設けられている箇所、即ち2本の流体管62の間の下側の部分は本来内周面2によって押圧されない箇所であるから、凹条17によって配管材61の保持力が変わることはない。
【0039】
加えて、凹条17が設けられていることにより、被覆管63の余長部64は折重なったり波打ったりして皺が発生することなく整然と凹条17内に収容されるので、被覆管63の余長部64によって固定部における見栄えが低下するのが防止される。
【0040】
更に、固定具1の凹条17は、内周面2における最下部即ち被固定面71への固定側に設けられおり、凹条17の底面17cは螺子孔18が設けられる箇所にもなっているから、被覆管63の余長部64を収容する他、螺子72の頭部を格納する格納空間としても機能する。
【0041】
ところで、上記実施形態においては、配管材61は流体管62を直接被覆管63で被覆したものを示しているが、本発明は、図4(b)に示すような、各流体管62にそれぞれ断熱材からなる円管状の保護管65を被覆したものを前記被覆管63によって一体に覆った配管材61にも同様に適用することができる。この配管材61の場合も、個別に流体管62を保護管65で被覆したものも広義の流体管62とみなして、図4(a)の配管材61と同様にして、固定具1を使用して図3(b)に示すように配管材61の外周全域を挟持して固定することができ、被覆管63による断熱効果を確保できるとともに、被覆管63の余長部64を凹条17によって見栄え良く収容することができる。特に、この配管材61の場合は、被覆管63に加えて流体管62毎に個別に保護管65が被覆されているため、流体管62に対する断熱効果を更に高めることができ、保温効果、結露防止効果を更に高めることができる。
【0042】
また、上記実施形態の配管材61は、被覆管63に2本の流体管62が挿通されたものを示しているが、被覆管63に1本の流体管62のみが挿通されている配管材61にも同様に適用することができる。図4(c)は1本の流体管62が挿通された外周面が円形状をなす配管材61を示す。この配管材61についても2本の流体管62が挿通された配管材61と同様にして流体管62の被覆管63は樹脂発泡層で形成され、柔軟性、弾力性を備えているから、一般に、樹脂発泡層からなるシート材を流体管62の外周面に巻装した後、シート材の両側の端面相互を接合して流体管62に被覆される。このため、この配管材61においても、流体管62と被覆管63との間に隙間Sが生じている。
【0043】
この配管材61を固定する固定具41を図5(a)に示す。この固定具41は、ベース体11と蓋体31とが組み付けられたとき、内周面2が配管材61の外周全域を挟持すべく、配管材61の外周形状に対応した円形状を形成するようになっている。また、内周面2の最下部には前述の実施形態の固定具1と同様に断面略コ字状の凹条17が幅方向全体に至って設けられている。
【0044】
したがって、この固定具41によって固定したとき、流体管62と被覆管63との間の隙間Sによって生ずる被覆管63の余長部64は同様にして凹条17内に嵌入し収容され、配管材61はほぼ外周全域に至って固定具41の内周面2で挟持されるため、固定具41に強固に保持され、前述の固定具1と同様の効果が得られる。
【0045】
次に、上記実施形態においては、蓋体31はヒンジ部3を介してベース体11に組付けられたものを示しているが、図6に示すように、ベース体11の上方開口12の両端部に左右一対の蓋部材を一体に付設し、両蓋部材を回動して互いに上下で重なり合うように係合させることにより配管材61を挟持させるものとすることもできる。
図6(a)に示す固定具51は、ベース体11は前述の固定具1及び固定具41のベース体11とほぼ同様に形成されている。なお、図6における配管材61は、図4(c)に示す、被覆管63内に1本の流体管62が挿通された、外周面が円形状をなすものであるが、図4(a)、(b)に示す2本の流体管62が挿通されたものなどにも同様に適用される。
【0046】
図6(a)で、ベース体11において配管材61を保持する左右一対の保持壁52の上端には内方に向けて突出し、互いに係合する一定幅の第1蓋部材54と第2蓋部材55とが一体に設けられており、第1蓋部材54と第2蓋部材55とによって蓋体31が構成されている。これら一対の蓋部材は互いに係合することによって、ベース体11とともに配管材61を挟持するものとなっている。各蓋部材は更に上下2段の突出片で構成されており、第1蓋部材54は、第2蓋部材55に係止する上部突出片56と、配管材61の外周面と当接する下部突出片57とで構成されている。また、第2蓋部材55は、上部突出片58と、前記第1蓋部材54に係止する下部突出片59とで構成されている。各突出片は配管材61に対応して湾曲する短冊板状に形成されている。第1蓋部材54と第2蓋部材55とは、これら4片の突出片が交互に交差し合う状態で互いに縮閉及び拡開し、配管材61を挟持及び解除する。
【0047】
更に、第1蓋部材54の上部突出片56の下面には、上部突出片56の幅方向に長い複数の小さい鈎突条56bが円弧に沿って配列されてなる係止歯列56aが設けられている。また、第2蓋部材55の下部突出片59の上面には、同じく下部突出片59の幅方向に長く、第1蓋部材54の係止歯列56aの鈎突条56bに係止する複数の小さい鈎突条59bが円弧に沿って配列されてなる係止歯列59aが設けられている。
【0048】
ここで、各係止歯列の鈎突条は尖った山形に形成され、一対の突出片が互いに近接する側の面は傾斜面に、その反対側の面は垂直面に形成されている。したがって、各突出片は互いに近接させて締付ける場合は、回動可能であり、互いに離間して拡開する場合は、両突出片を上下方向に離間させない限り、回動不能となっている。これらの係止歯列56a及び係止歯列59aに形成された各鈎突条は、同一の長さに形成されているとともに、上部突出片56及び下部突出片59の幅より小さい長さに形成され、各突出片の幅方向の中央部分に一体に設けられている。したがって、各突出片の幅方向における両端部には、係止歯列の形成されていない部分が均等に形成されており、ここに生じた隙間内にマイナスドライバ等の工具の先端部を挿入してこじれば、上部突出片56及び下部突出片59は上下方向に離間し、係止歯列相互の係合を解除して第1蓋部材54と第2蓋部材55とを反締付方向に離間させることができる。
【0049】
更に、上部突出片56の一端部にはペンチ、プライヤ等の把持工具の先端が当接する把持突起56cが突設され、上部突出片58の一端部には同じく前記把持工具の先端が当接する把持突起58aが突設されている。
【0050】
このように構成された固定具51を使用して配管材61を固定するには、まず、蓋体53の第1蓋部材54及び第2蓋部材55が左右に拡開した状態で、ベース体11の凹条17の底面17cの螺子孔18に螺子72を挿通して被固定面71に螺着する。次に、蓋体53の第1蓋部材54と第2蓋部材55とを更に左右に拡開させて配管材61をベース体11の保持空間14内に挿入する。配管材61が挿入されたら、第1蓋部材54と第2蓋部材55とを互いに近接する方向に回動し、第1蓋部材54の上部突出片56の係止歯列56aと第2蓋部材55の下部突出片59の係止歯列59aとを係合させて、両蓋部材を係合させる。このとき、第1蓋部材54と第2蓋部材55との締付けは手操作で行なうことができるが、把持突起56c及び把持突起58aをペンチ、プライヤ等の把持工具を使用して把持してもよく、この場合は、より強固に締付けることができる。
【0051】
ここで、固定具51の内周面2の周長は、配管材61の外周長より短いので、蓋体53を閉じる際に配管材61から抵抗を受けるが、それに抗して強制的に蓋部53を閉じれば、がさつき状態の被覆管63は固定具51の内周面2によって絞り出され、被覆管63の余長部64は、図6(b)に示すように、凹条17の空間内に収容される。その結果、配管材61の被覆管63は、固定前は図4(c)の状態にあったのが、流体管62の外周面に緊密に当接することとなる。これにより、被覆管63は固定具51の凹条17内に収容された余長部64を除いた外周全域が固定具51の内周面2によって押圧され挟持される。
【0052】
なお、このようにして固定した後、固定を解除して配管材61を固定具51から取り外すには、上記と逆の手順で行なう。即ち、まず、上部突出片56と下部突出片59との間の端部の隙間内にマイナスドライバ等の工具の先端を挿入し、両突出片をこじながら工具を回して両突出片の係止歯列の係止を解除し、両突出片を上下方向に離間させつつ左右に拡開させる。次いで、第1蓋部材54及び第2蓋部材55を互いに離間する方向に更に拡開して配管材61を取り出す。
【0053】
この図6に示した固定具51は、第1蓋部材54の上部突出片56の係止歯列56aと第2蓋部材55の下部突出片59の係止歯列59aとを係合させつつ蓋体53をベース体11に段階的に絞りながら組付けるのであるから、特に、第1蓋部材54と第2蓋部材55との締付具合、蓋体53とベース体11とによる配管材61の締付力を調整し加減しながら、また、被覆管63の余長部64の絞り込み具合、凹条17内への収容具合を確認しながらベース体11への蓋体53の組付作業を行なうことができる。
【0054】
ところで、上記各実施形態におけるベース体11の凹条17は、断面が略コ字状に形成されているが、これに限られるものではなく、例えば、図7に示すように、凹条17の両側壁17dを傾斜面に形成してもよい。この場合、凹条17の開口17aが広くなり、被覆管63の余長部64をより円滑に凹条17内に収容することが可能となる。また、凹条17はベース体11の幅方向に沿って同一の断面形状に形成されているが、前記幅方向において断面形状を変化させてもよく、例えば、幅の両端部に向かうに従って凹条17の開口17aが広くなるように形成してもよい。要するところ、凹条17は内部に被覆管63の余長部64が円滑かつ確実に収容されるよう、開口幅、深さ、形状等を適宜設定すればよい。
【0055】
また、ベース体11の凹条17は、ベース体11の内周面15の最下部の1箇所に設けられているが、これに限定されるものではなく、その設置箇所、設置数は特に問わない。例えば、配管材61は蓋体によって上方から押圧されるので、被覆管63は偏平化してその余長部64は水平方向に膨出する傾向がある。このため、凹条17を固定具の両側部或いはいずれか一方の側部に設けることも考えられる。
【0056】
更に、上記各実施形態の固定具は、ベース体11と蓋体とが一体構造で形成されているが、別体構造として互いに組付けられるものであってもよい。
【0057】
そして、上記各実施形態において、固定具を被固定面71に固定するための螺子孔18は、ベース体11の凹条17の底面17cに設けているが、この箇所に限定されるものではなく、図8に示すような、ベース体11の両側壁下部に被固定面71に当接するフランジを側方に一体に突出形成し、この両フランジに螺子孔18を設けてもよい。また、固定具は、螺子72を使用して被固定面71に固定しているが、釘打ち、接着その他の手段によって、或いはそれらの手段を併用して固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態の配管材の固定装置を示す斜視図である。
【図2】図1の固定具を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は底面図、(d)は(b)のA−A切断線による断面図である。
【図3】図1の固定具によって配管材を固定した状態を示す断面図であり、(a)は配管材が2本の流体管を被覆管で被覆したもの、(b)は配管材が2本の流体管を更に個別に保護管で被覆したものを示す。
【図4】各種の配管材を示す正面図である。
【図5】本発明の別の固定具を示す断面図であり、(a)は配管材を固定する前の状態、(b)は固定後の状態を示す。
【図6】本発明の更に別の固定具を示し、(a)は配管材を固定する前の状態、(b)は固定後の状態を示す。
【図7】図1の凹条の変形例を示す一部拡大断面図である。
【図8】従来の固定具を示す正面図である。
【図9】従来の別の固定具を示す正面図であり、(a)は配管材を固定する前の状態、(b)は固定後の状態を示す。
【符号の説明】
【0059】
1、41、51 固定具
2、15、35 内周面
11 ベース体
12 上方開口
17 凹条
31、53 蓋体
61 配管材
62 流体管
63 被覆管
64 余長部
71 被固定面
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する流体管の外側が樹脂発泡層を有する被覆管で被覆されてなる配管材をその配管経路に沿って固定するための配管材の固定具であって、
上方開口から挿入された前記配管材を内部に保持するベース体と、前記上方開口を閉塞すべく該ベース体に組付けられる蓋体とからなり、
前記配管材の外周面に臨む内周面は、前記蓋体が前記ベース体に組付けられた状態において前記配管材の外周全域を挟持すべく形成されているとともに、
前記内周面に、前記流体管と前記被覆管との間に形成された隙間により生ずる該被覆管
の周方向の余長部を収容する凹条が設けられたことを特徴とする配管材の固定具。
【請求項2】
前記凹条は、内周面において被固定面への固定側に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の配管材の固定具。
【請求項3】
可撓性を有する流体管の外側が樹脂発泡層を有する被覆管で被覆されてなる配管材をその配管経路に沿って固定するための配管材の固定装置であって、
前記被覆管の周方向に、前記流体管と前記被覆管との間に形成された隙間により生ずる余長部を有する前記配管材と、
上方開口から挿入された前記配管材を内部に保持するベース体と、前記上方開口を閉塞すべく該ベース体に組付けられる蓋体とからなる固定具と
を備え、
前記固定具における前記配管材の外周面に臨む内周面は、前記蓋体が前記ベース体に組付けられた状態において前記配管材の外周全域を挟持すべく形成されているとともに、
前記固定具の内周面に、前記被覆管の余長部を収容する凹条が設けられたことを特徴とする配管材の固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−209971(P2009−209971A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51151(P2008−51151)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】