説明

配線・配管材支持具、および配線・配管材支持具の固定方法

【課題】 接着材が基板の周囲からはみ出していなくとも接着材の広がりの適否を確認することができる、配線・配管材支持具を提供する。
【解決手段】 配線・配管材支持具3は、建造物の天井等の構築面1に接着固定されて、配線・配管材2を支持する。この配線・配管材支持具3は、構築面1に接着材4により貼り付けられる基板3aと、配線・配管材2を支持する支持部3bとを備える。そして、基板3aは、その基板3aの向こう側が透けて見えるように透明または半透明の材料で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建造物の構築面に接着固定されて、配線・配管材を支持する、配線・配管材支持具、および配線・配管材支持具の固定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建造物の構築面としての天井に、配線・配管材を支持する配線・配管材支持具を固定するに当たって、接着材を用いることがあった(例えば、特許文献1参照)。この配線・配管材支持具は、基板と、その基板から下方に延設されて配線・配管材を支持する支持部とから構成されていた。そして、前記基板部分が、接着材を用いて天井に固定された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−175328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来の配線・配管材支持具にあっては、その配線・配管材支持具を天井へ固定した後に、接着材が基板のほぼ全体に広がっているか否かを確認することができなかった。また、基板を天井に押し付けたときに接着材が基板の周囲からはみ出るように、接着材を多めに塗布することもあったが、この場合には、接着材を必要以上に使用しなければならず、無駄であった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、接着材が基板の周囲からはみ出していなくとも接着材の広がりの適否を確認することができる、配線・配管材支持具、および配線・配管材支持具の固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る配線・配管材支持具、および配線・配管材支持具の固定方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る配線・配管材支持具は、建造物の構築面に接着固定されて、配線・配管材を支持する、支持具である。この配線・配管材支持具は、前記構築面に接着材により貼り付けられる基板と、前記配線・配管材を支持する支持部とを備える。そして、前記基板は、その基板の向こう側が透けて見えるように透明または半透明の材料で形成されている。
【0007】
この配線・配管材支持具によると、配線・配管材支持具は、基板が構築面に接着材により貼り付けられることで、その構築面に固定される。ここで、基板は、透明または半透明の材料で形成されて、基板の向こう側が透けて見える。このため、この基板を構築面へ押し付ける際とか、この基板を構築面に接着した後に、基板を透かしてその基板と構築面との間の接着材の広がりを見ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る配線・配管材支持具のように、請求項1に記載の配線・配管材支持具において、前記基板は、その基板を前記構築面へ押し付けたときの前記接着材の広がりの範囲を確認すべく、押し広げられた前記接着材が流入する接着材流入部を有してもよい。これにより、接着材流入部への接着材の流入を確認することで、接着材の広がりの範囲を確認することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る配線・配管材支持具のように、請求項2に記載の配線・配管材支持具において、前記基板は、その基板を前記構築面へ押し付けたときに前記接着材が前記基板の周縁側に広がるように、前記接着材を案内する、前記接着材流入部としての溝を有してもよい。これにより、基板を構築面へ押し付けたときに、接着材は、溝伝いに流れて基板の周縁側に押し広げられる。このため、少ない量の接着材で、その接着材を基板の周縁側に押し広げることができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る配線・配管材支持具のように、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の配線・配管材支持具において、前記基板は、中央に、前記接着材が塗布される充填凹部を有してもよい。これにより、基板を構築面へ押し付けたときに、基板の中央の充填凹部に塗布された接着材は、その中央の充填凹部から、基板の周縁側に押し広げられる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る配線・配管材支持具のように、請求項3に記載の配線・配管材支持具において、前記基板は、中央に、前記接着材が塗布される充填凹部を有し、前記溝が前記充填凹部から放射状に形成されてもよい。これにより、基板を構築面へ押し付けたときに、基板の中央の充填凹部に塗布された接着材は、その中央の充填凹部から、放射状に形成された溝伝いに流れて、効率良く基板の周縁側に押し広げられる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る配線・配管材支持具のように、請求項2、3または5に記載の配線・配管材支持具において、前記基板は、その板厚方向に貫通する、前記接着材流入部としての貫通孔を有してもよい。これにより、貫通孔が接着材で埋まると、基板に対する接着材の付着が強固となる。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る配線・配管材支持具のように、請求項3または5に記載の配線・配管材支持具において、前記基板は、前記溝に、板厚方向に貫通する、前記接着材流入部としての貫通孔を有してもよい。これにより、接着材が溝を伝って貫通孔に進入し易い。そして、貫通孔が接着材で埋まると、基板に対する接着材の付着が強固となる。
【0014】
また、請求項8に記載の発明に係る配線・配管材支持具のように、請求項6または7に記載の配線・配管材支持具において、前記貫通孔は、複数設けられ、それら貫通孔は、前記基板の中心を中心とする円上に位置してもよい。こうして、複数の貫通孔が円上に位置することで、これら貫通孔が接着材で埋まったときの、基板に対する接着材の付着のバランスが良い。
【0015】
また、請求項9に記載の発明に係る配線・配管材支持具の固定方法は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の配線・配管材支持具を建造物の構築面に固定する、固定方法であって、前記基板に接着材を塗布し、前記基板を前記構築面へ押し付けるとともに、前記基板を透かして前記接着材の広がりの状態を確認する。
【0016】
また、請求項10に記載の発明に係る配線・配管材支持具の固定方法は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の配線・配管材支持具を建造物の構築面に固定する、固定方法であって、前記基板に、硬化によって見え方が変わる接着材を塗布し、前記基板を前記構築面へ押し付けるとともに、前記基板を透かして前記接着材の広がりの状態を確認する。その後、前記基板を透かして、前記接着材の前記見え方の変化を見ることでその接着材の硬化状態を確認する。このように、接着材が、硬化によって見え方が変わる場合には、基板を透かして接着材の硬化状態を確認することができ、この硬化状態を確認することで、配線・配管材支持具が配線・配管材を支持可能となる時期を見計らうことができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る配線・配管材支持具、および配線・配管材支持具の固定方法によれば、基板を透かして接着材の広がりを見ることで、接着材が基板の周囲からはみ出していなくとも接着材の広がりの適否を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施の形態の、断面図である。
【図2】同じく、配線・配管材支持具の斜視図である。
【図3】同じく、本体部材の正面図である。
【図4】同じく、本体部材の平面図である。
【図5】同じく、本体部材の底面図である。
【図6】同じく、図4におけるA−A線による断面図である。
【図7】同じく、図4におけるB−B線による断面図である。
【図8】同じく、図4におけるC−C線による断面図である。
【図9】同じく、本体部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明に係る配線・配管材支持具、および配線・配管材支持具の固定方法を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図9は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、建造物(すなわち、建築物とか構築物)の、天井面等の構築面であって、例えば、二重天井における上側の天井面からなる。2は、配線・配管材であって、電力線、信号線等の配線材とか、給水管、給湯管、ガス管等の配管材からなる。3は、配線・配管材支持具であって、前記構築面1に接着固定されて、配線・配管材2を支持する、支持具である。
【0021】
配線・配管材支持具3は、構築面1に接着材4により貼り付けられる基板3aと、配線・配管材2を支持する支持部3bとを備える。すなわち、基板3aは、その一方の面が、構築面1に接着される接着面3cとなり、他方の面となる裏面3d側に、前記支持部3bが設けられる。そして、基板3aは、その基板3aの向こう側が透けて見えるように透明または半透明の材料で形成されている。
【0022】
そして、前記配線・配管材支持具3を建造物の構築面1に固定する、固定方法にあっては、始めに、基板3a(詳細には、後述する充填凹部3f)に接着材4を塗布する。そして、基板3aを構築面1へ押し付けるとともに、基板3aを透かして接着材4の広がりの状態を確認する。ここで、接着材4として、硬化によって色が変わる等見え方が変わる接着材を用いた場合には、その後、基板3aを透かして、接着材4の前記見え方の変化を見ることでその接着材4の硬化状態を確認する。さらに、この配線・配管材支持具3を用いた配線・配管材2の支持方法は、前記固定方法により配線・配管材支持具3を建造物の構築面1に固定し、その後(つまり、接着材4の硬化後)、配線・配管材支持具3の支持部3bで配線・配管材2を支持する。
【0023】
具体的には、配線・配管材支持具3は、前記基板3aを有する本体部材5と、針金、紐、帯等の線状材6とからなる。ここにおいて、本体部材5は、前記基板3aの裏面3dから突出形成される取付部5aを有する。この取付部5aには、取付孔5bが明けられており、線状材6は、取付孔5bに通されることで取付部5aに取り付けられる。そこで、これら取付部5aと線状材6とで、前記支持部3bが構成される。そして、配線・配管材2は、線状材6によって取付部5aに結び止められ、これにより、配線・配管材2は、支持部3bに支持される。
【0024】
本体部材5は、合成樹脂製であって、図示実施の形態においては、前記基板3aの他に取付部5aを含めた本体部材5全体が、透明または半透明の材料(合成樹脂材料)で一体に形成されている。基板3aは、角部がアール状に面取りされた正方形の板状形状をしている。ここで、基板3aは、前記接着面3cに、その基板3aを構築面1へ押し付けたときの接着材4の広がりの範囲を確認すべく、押し広げられた接着材4が流入する確認用の接着材流入部を有する。
【0025】
詳細には、基板3aは、その基板3aを構築面1へ押し付けたときに接着材4が基板3aの周縁側に広がるように、接着材4を案内する、前記接着材流入部としての溝3eを有する。より詳細には、基板3aは、中央に(つまり、接着面3cの中央に)、接着材4が塗布される充填凹部3fを有し、前記溝3eが充填凹部3fから放射状に形成されている。図示実施の形態においては、充填凹部3fは、円形に形成され、溝3e、3eは、充填凹部3fから基板3aの周縁付近まで延びている。
【0026】
また、基板3aは、その板厚方向に貫通する、前記接着材流入部としての貫通孔3gを有する。この貫通孔3gは、複数設けられ、それら貫通孔3g、3gは、基板3aの中心を中心とする円上に位置する。図示実施の形態においては、貫通孔3g、3gは、第1グループに属する複数の第1貫通孔301、301と、第2グループに属する複数の第2貫通孔302、302とに分けられ、内側から順に、第1グループの第1貫通孔301、301と、第2グループの第2貫通孔302、302とが、基板3aの中心を中心とする同心円上に位置する。そして、これら貫通孔3g、3g(第1貫通孔301、第2貫通孔302)は、溝3e、3eに設けられており、図示実施の形態においては、第1貫通孔301と第2貫通孔302とは、特に、充填凹部3fの周方向に並ぶ溝3e、3eに、交互に設けられる。また、これら貫通孔3g、3gは、一つを除いて、接着面3c側が径小となり裏面3d側が径大となるテーパー孔となっている。
【0027】
また、基板3aは、その接着面3cに、前記充填凹部3fとは別に、前記接着材流入部としての凹部3h、3hを有している。この凹部3h、3hは、隣合う溝3e、3eの間に設けられており、基板3aを構築面1へ押し付けたときに、溝3eからはみ出した接着材4が、この凹部3hに流れ込む。そして、基板3aは、その裏面3dに、補強のために、周縁に沿って延びる凸縁部3iを有している。
【0028】
次に、以上の構成からなる配線・配管材支持具3、およびその固定方法の作用効果について説明する。この配線・配管材支持具3によると、配線・配管材支持具3は、基板3aが構築面1に接着材4により貼り付けられることで、その構築面1に固定される。ここで、基板3aは、透明または半透明の材料で形成されて、基板3aの向こう側が透けて見える。このため、この基板3aを構築面1へ押し付ける際とか、この基板3aを構築面1に接着した後に、基板3aを透かしてその基板3aと構築面1との間の接着材4の広がりを見ることができる。そして、このように基板3aを透かして接着材4の広がりを見ることで、接着材4が基板3aの周囲からはみ出していなくとも接着材4の広がりの適否(つまり、必要な接着強度を得るための接着材4の広がりの面積とか位置を満たすか否か)を、接着直後だけでなく施工後の検査においても確認することができる。そして、この必要な接着強度を得るための接着材4の広がりの面積とか位置を満たすことで、十分な接着強度に達していることが裏付けられる。図示実施の形態においては、溝3eが、必要な接着強度を得るための接着材4の広がりの面積とか位置の目安となるものであり、この溝3eを接着材4で埋めることで、十分な接着強度を得ることができる。
【0029】
また、この際、接着材4が、有色であって、構築面1とは色が異なれば、前記広がりの状態を容易に確認することができる。また、広がりの状態を確認するために、接着材4を基板3aの周囲からはみ出させる必要がないことから、接着材4を必要以上に使用することもなく、経済的である。
【0030】
また、接着材4が、硬化によって、色が変わる等見え方が変わる場合には、透明または半透明の基板3aを透かして、接着材4の硬化状態を確認することができる。そして、このように基板3aを透かして接着材4の硬化状態を確認することで、配線・配管材支持具3が配線・配管材2を支持可能となる時期を見計らうことができる。
【0031】
また、基板3aが透明または半透明であることで、接着材4として紫外線硬化型接着材を用いることができ、基板3aの裏面3d側から紫外線を照射して、速やかに接着材4を硬化させることができる。
【0032】
また、基板3aは、接着材4が塗布される充填凹部3fを有している。したがって、この充填凹部3fに接着材4を所定の高さ以上となるよう塗布することで、その接着材4の必要塗布量を確保することができる。そして、この接着材4の塗布する高さを管理することで、接着材4の使用量を抑えることができる。また、この充填凹部3fは、基板3aの中央に設けられており、基板3aを構築面1へ押し付けたときに、基板3aの中央の充填凹部3fに塗布された接着材4は、その中央の充填凹部3fから、基板3aの周縁側に押し広げられる。特に、充填凹部3fは、円形形状をしており、この円形形状の充填凹部3fに塗布された接着材4は、その充填凹部3fから、基板3aの周縁側に向かって円形に広がる。
【0033】
また、基板3aは、構築面1への基板3aの押し付けにより広げられた接着材4が流入する接着材流入部(詳細には、溝3e、貫通孔3gおよび凹部3h)を有している。これにより、接着材流入部への接着材4の流入を確認することで、接着材4の広がりの範囲を確認することができる。
【0034】
ここで、溝3eにおいては、基板3aを構築面1へ押し付けたときに、接着材4が溝3e、3e伝いに流れて基板3aの周縁側に押し広げられることで、少ない量の接着材4で、その接着材4を基板3aの周縁側に押し広げることができる。特に、溝3e、3eは、中央の充填凹部3fから放射状に形成されており、基板3aを構築面1へ押し付けたときに、基板3aの中央の充填凹部3fに塗布された接着材4は、その中央の充填凹部3fから、放射状に形成された溝3e、3e伝いに流れて、効率良く基板3aの周縁側に押し広げられる。そして、図示実施の形態においては、溝3e、3eは、充填凹部3fから基板3aの周縁付近まで延びており、少ない量の接着材4で、その接着材4を基板3aの周辺まで行き渡らせることができる。
【0035】
また、貫通孔3gにおいては、その貫通孔3gが接着材4で埋まると、基板3aに対する接着材4の付着が強固となる。特に、貫通孔3gは、溝3eに設けられており、このため、接着材4が溝3eを伝って貫通孔3gに進入し易い。また、図示実施の形態においては、複数の貫通孔3g、3gが、基板3aの中心を中心とする円上に位置しており、これら貫通孔3g、3gが接着材4で埋まったときの、基板3aに対する接着材4の付着のバランスが良い。
【0036】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、構築面1は、天井面でなくとも、壁面等であってもよい。
【0037】
また、基板3aには、充填凹部3fとか溝3eとか凹部3hが設けられているが、これらは無くともよい。また、基板3aは、溝3eに、貫通孔3gが設けられているが、この貫通孔3gは、溝3eとか充填凹部3f等のない位置に設けられてもよい。また、この貫通孔3gは、テーパー孔とかストレート孔でなくとも、接着面3c側が径小となり裏面3d側が径大となる段付き孔であってもよい。また、この貫通孔3gは、無くともよい。
【0038】
また、溝3eは、放射状に形成されなくとも、渦巻き状とか格子状とか、その他の形状に形成されてもよい。
【0039】
また、基板3aには、その接着面3cに、接着材流入部としての溝3eや凹部3hと、充填凹部3fとが、別々に設けられているが、接着材流入部と充填凹部3fとを兼ねる窪み部が、接着面3cの周縁部を残して一段下がるように設けられてもよい。これにより、窪み部の中央等の適宜位置に接着材4が塗布されて、構築面1への基板3aの押し付けにより、押し広げられた接着材4が周縁部に達することで、その接着材4の広がりの範囲を確認することができる。
【0040】
また、基板3aは、補強のための凸縁部3iを有しているが、この凸縁部3iは無くともよい。さらに、基板3aに柔らかい材料を用いたり、基板3aの厚さを薄くしたりして、基板3aを湾曲可能に形成してもよい。このように、基板3aが湾曲可能であると、構築面1に凹凸や段差があっても、基板3aを構築面1に押し付けることで、基板3aを構築面1になじむように貼り付けることができる。そして、基板3aが透明または半透明の材料で形成されて、基板3aの向こう側が透けて見えることから、基板3aを構築面1に押し付けてその基板3aを構築面1になじませる過程で、押し広げられる接着材4の広がり具合を、基板3aを透かして確認することができ、これにより、基板3aと構築面1との間で、接着材4を的確に行き渡らせることができる。また、ここで、基板3aの厚さについては、全体を薄くするのではなく、支持部3b(詳細には、取付部5a)が設けられる部分の厚さについては、周囲よりも厚くしてもよい。
【0041】
また、基板3aは、例えば、円形、楕円形、正方形以外の多角形など、正方形以外の形状をしていても構わない。
【0042】
また、支持部3bは、取付部5aと線状材6とで構成されなくとも、例えば合成樹脂成形により基板3aと一体に形成される、フックとかリング等からなっていてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 構築面
2 配線・配管材
3 配線・配管材支持具
3a 基板
3b 支持部
3e 溝(接着材流入部)
3f 充填凹部
3g 貫通孔(接着材流入部)
3h 凹部(接着材流入部)
4 接着材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の構築面に接着固定されて、配線・配管材を支持する、支持具であって、
前記構築面に接着材により貼り付けられる基板と、前記配線・配管材を支持する支持部とを備え、
前記基板は、その基板の向こう側が透けて見えるように透明または半透明の材料で形成されていることを特徴とする配線・配管材支持具。
【請求項2】
前記基板は、その基板を前記構築面へ押し付けたときの前記接着材の広がりの範囲を確認すべく、押し広げられた前記接着材が流入する接着材流入部を有することを特徴とする、請求項1に記載の配線・配管材支持具。
【請求項3】
前記基板は、その基板を前記構築面へ押し付けたときに前記接着材が前記基板の周縁側に広がるように、前記接着材を案内する、前記接着材流入部としての溝を有することを特徴とする、請求項2に記載の配線・配管材支持具。
【請求項4】
前記基板は、中央に、前記接着材が塗布される充填凹部を有することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の配線・配管材支持具。
【請求項5】
前記基板は、中央に、前記接着材が塗布される充填凹部を有し、前記溝が前記充填凹部から放射状に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の配線・配管材支持具。
【請求項6】
前記基板は、その板厚方向に貫通する、前記接着材流入部としての貫通孔を有することを特徴とする、請求項2、3または5に記載の配線・配管材支持具。
【請求項7】
前記基板は、前記溝に、板厚方向に貫通する、前記接着材流入部としての貫通孔を有することを特徴とする、請求項3または5に記載の配線・配管材支持具。
【請求項8】
前記貫通孔は、複数設けられ、それら貫通孔は、前記基板の中心を中心とする円上に位置することを特徴とする、請求項6または7に記載の配線・配管材支持具。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の配線・配管材支持具を建造物の構築面に固定する、固定方法であって、
前記基板に接着材を塗布し、
前記基板を前記構築面へ押し付けるとともに、前記基板を透かして前記接着材の広がりの状態を確認することを特徴とする、配線・配管材支持具の固定方法。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の配線・配管材支持具を建造物の構築面に固定する、固定方法であって、
前記基板に、硬化によって見え方が変わる接着材を塗布し、
前記基板を前記構築面へ押し付けるとともに、前記基板を透かして前記接着材の広がりの状態を確認し、その後、
前記基板を透かして、前記接着材の前記見え方の変化を見ることでその接着材の硬化状態を確認することを特徴とする、配線・配管材支持具の固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−216647(P2010−216647A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−99397(P2009−99397)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】