説明

配線回路基板集合体シートの製造方法

【課題】簡易な構成で、歩留りの向上を図り、製造コストを低減することのできる配線回路基板集合体シートおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】複数の回路付サスペンション基板2を、横方向に並列配置されるように形成し、複数のユニット5を、回路付サスペンション基板2が一定間隔毎に省かれ、回路付サスペンション基板2が省かれたマージン部分4によって区画されるように形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板集合体シートおよびその製造方法、詳しくは、回路付サスペンション基板集合体シートとして好適に用いられる配線回路基板集合体シートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、整列状態で配置される複数の回路付サスペンション基板を備える回路付サスペンション基板集合体シートが知られている。回路付サスペンション基板集合体シートは、金属シートの上に、絶縁層および導体層などを積層し、次いで、金属シートを、回路付サスペンション基板に対応するように外形加工することにより得られる。
【0003】
このような回路付サスペンション基板集合体シートでは、回路付サスペンション基板以外の金属シートは、回路付サスペンション基板の製品として供されないため、材料ロスとなり、そのため、そのような材料ロスを低減することが求められている。
【0004】
例えば、長尺状のワーク部材を搬送しながら、金属基板の上に、絶縁層および配線パターンを順次積層したサスペンション基板を、長尺方向と平行となる並列状に外形加工することによって、各サスペンション基板の寸法(サイズ)の違いに基づく材料ロスの低減を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、特許文献1では、長尺方向と直交する直交方向に互いに並列配置された複数のサスペンション基板が製品フレーム(ユニット)とされており、各製品フレームは、長尺方向において互いに間隔を隔てて並列配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】2008−305492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のワーク部材では、長尺方向において隣接する製品フレーム間の距離(間隔)が、厳密に設定されておらず、そのため、ワーク部材における製品フレーム間の材料ロスが増大する場合がある。
【0008】
本発明の目的は、簡易な構成で、歩留りの向上を図り、製造コストを低減することのできる配線回路基板集合体シートおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の配線回路基板集合体シートは、一方向に並列配置される複数の配線回路基板を備え、前記配線回路基板が一定間隔毎に省かれ、前記配線回路基板が省かれたマージン部分によって区画される複数のユニットを備えていることを特徴としている。
【0010】
この配線回路基板集合体シートでは、特定形状の配線回路基板を高い密度で配置しても、すなわち、できる限り狭い間隔で配置しても、特定形状のマージン部分を設けるので、歩留りの向上を図ることができる。
【0011】
これとともに、マージン部分が、簡易かつ画一的に設けられ、そのため、ユニットを、簡易かつ画一的に区画している。
【0012】
その結果、配線回路基板集合体シートは、歩留りの向上が図られ、製造コストが簡易かつ画一的に低減された配線回路基板集合体シートとして得ることができる。
【0013】
また、本発明の配線回路基板集合体シートでは、前記配線回路基板は、前記一方向に屈曲する屈曲部分を有していることが好適である。
【0014】
配線回路基板が、屈曲部分を単に有している場合には、マージン部分には、屈曲部分に起因するスペースを生じ易くなり、その場合には、歩留りが低下して、製造コストが増大する。
【0015】
しかし、この配線回路基板集合体シートでは、マージン部分が、配線回路基板が省かれた部分であることから、かかるマージン部分も、配線回路基板の屈曲部分に対応して屈曲するので、各配線回路基板を複雑な形状で形成できながら、マージン部分における上記したスペースの発生を防止することができる。そのため、歩留りが向上され、製造コストが低減されることができる。
【0016】
また、本発明の配線回路基板集合体シートでは、前記配線回路基板は、その長手方向が前記一方向に交差するように並列配置されており、前記マージン部分は、前記長手方向に連続していることが好適であり、また、前記マージン部分には、前記長手方向に沿って延びるスリットが形成されていることが好適である。
【0017】
配線回路基板が、その長手方向が一方向に沿うように並列配置されている場合には、配線回路基板の長手方向の長さ分が省かれたマージン部分を、比較的大きい面積で設ける必要がある。
【0018】
これに対して、この配線回路基板集合体シートでは、配線回路基板は、その長手方向が一方向に交差する交差方向に沿って並列配置されているので、配線回路基板の交差方向の長さ分が省かれたマージン部分を、比較的小さい面積で設けることができる。そのため、歩留りのより一層の向上を図ることができる。
【0019】
また、マージン部分が連続しているので、簡易な構成とすることができる。
【0020】
そのため、製造コストがより一層簡易に低減されることができる。
【0021】
また、スリットに沿ってユニットを切り離せば、ユニットを簡単に得ることができる。
【0022】
また、本発明の配線回路基板集合体シートでは、前記配線回路基板集合体シートは、長尺状に形成され、各前記ユニットは、前記配線回路基板集合体シートの長尺方向に沿って並列配置されていることが好適である。
【0023】
この配線回路基板集合体シートは、長尺方向に沿って搬送すれば、製造効率が向上された配線回路基板集合体シートとして得ることができる。
【0024】
また、本発明の本発明の配線回路基板集合体シートの製造方法は、複数の配線回路基板を、一方向に並列配置されるように形成する工程、および、複数のユニットを、前記配線回路基板が一定間隔毎に省かれ、前記配線回路基板が省かれたマージン部分によって区画されるように形成する工程を備えていることを特徴としている。
【0025】
この方法によれば、特定形状の配線回路基板を高い密度で配置しても、すなわち、できる限り狭い間隔で配置しても、特定形状のマージン部分を設けるので、歩留りの向上を図ることができる。
【0026】
これとともに、マージン部分を、簡易かつ画一的に設けることができるので、ユニットを、簡易かつ画一的に区画することができる。
【0027】
そのため、歩留りの向上を図り、製造コストを簡易かつ画一的に低減することができる。
【0028】
また、本発明の配線回路基板集合体シートの製造方法では、前記配線回路基板を形成する工程において、前記配線回路基板を、前記一方向に屈曲する屈曲部分を有するように形成することが好適である。
【0029】
配線回路基板が、屈曲部分を有している場合には、マージン部分には、屈曲部分に起因するスペースを生じ易くなり、その場合には、歩留りが低下して、製造コストが増大する。
【0030】
しかし、この方法では、マージン部分が、配線回路基板が省かれた部分であることから、かかるマージン部分も、配線回路基板の屈曲部分に対応して屈曲するように形成するので、各配線回路基板を複雑な形状に形成できながら、マージン部分における上記したスペースの発生を防止することができる。そのため、歩留りを向上させて、製造コストを簡易に低減することができる。
【0031】
また、本発明の配線回路基板集合体シートの製造方法では、前記配線回路基板を形成する工程において、金属シートからなる金属層、その上に形成される絶縁層およびその上に形成される導体層を形成し、前記ユニットを形成する工程は、フォトレジストを、前記金属シートの厚み方向一側に形成する工程、フォトマスクを、複数の前記ユニットのうちの一のユニットに対応する前記フォトレジストの厚み方向一側に配置して、前記フォトレジストを、前記フォトマスクを介して露光する第1露光工程、前記フォトマスクを、一の前記ユニットに隣接する隣接ユニットに対応する前記フォトレジストの厚み方向一側に配置して、前記フォトレジストを、前記フォトマスクを介して露光する第2露光工程、前記第1露光工程および前記第2露光工程後における前記フォトレジストの未露光部分を現像により除去することにより、エッチングレジストを形成する工程、および、前記エッチングレジストから露出する前記金属シートをエッチングするエッチング工程を備えていることが好適である。
【0032】
この方法では、第1露光工程および第2露光工程において、共通のフォトマスクを、一のユニットおよび隣接ユニットに対応するフォトレジストの厚み方向一側に順次配置して、それらを同一のフォトマスクを介して順次露光する。そのため、各露光工程を簡易に実施して、一のユニットおよび隣接ユニットに対応するエッチングレジストを簡易に形成することができる。その結果、製造コストを低減することができる。
【0033】
また、本発明の配線回路基板集合体シートの製造方法では、前記配線回路基板を形成する工程において、前記配線回路基板を、その長手方向が前記一方向に交差するように形成し、前記エッチング工程では、前記マージン部分を、前記長手方向に連続するように形成することが好適であり、また、前記エッチング工程において、スリットを、前記マージン部分に、前記長手方向に沿って延びるように形成することが好適である。
【0034】
配線回路基板を、その長手方向が一方向に沿うように形成する場合には、配線回路基板の長手方向の長さ分が省かれたマージン部分を、比較的大きい面積で設ける必要がある。
【0035】
これに対して、この方法では、配線回路基板を、その長手方向が一方向に交差するように形成するので、配線回路基板の交差方向の長さ分が省かれたマージン部分を、比較的小さい面積で設けることができる。そのため、歩留りのより一層の向上を図ることができる。
【0036】
また、マージン部分を、連続するように形成するので、マージン部分を簡易に形成することができる。
【0037】
その結果、製造コストをより一層簡易に低減することができる。
【0038】
また、スリットに沿ってユニットを切り離せば、ユニットを簡単に得ることができる。そのため、製造コストをより一層低減することができる。
【0039】
また、本発明の配線回路基板集合体シートの製造方法では、前記配線回路基板を形成する工程において、長尺状の前記金属シートを用い、前記ユニットを形成する工程では、前記ユニットを、前記金属シートの長尺方向に沿って並列配置されるように形成することが好適である。
【0040】
この方法では、長尺方向に沿って搬送しながら、ユニットを効率的に形成することができる。そのため、製造効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明の配線回路基板集合体シートおよびその製造方法によれば、歩留りの向上を図り、製造コストを簡易かつ画一的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の配線回路基板集合体シートの一実施形態である回路付サスペンション基板集合体シートの平面図を示す。
【図2】図2は、図1に示す回路付サスペンション基板集合体シートのマージン部分の拡大図を示す。
【図3】図3は、図1および図2に示す回路付サスペンション基板集合体シートの回路付サスペンション基板の平面図を示す。
【図4】図4は、回路付サスペンション基板の断面図で、図3のA−A線に沿う断面図を示す。
【図5】図5は、図2に示す回路付サスペンション基板集合体シートの製造方法を説明するための製造工程図で、図2のB−B線に沿う断面図であって、(a)は、ベース絶縁層を、金属シートの上に形成する工程、(b)は、金属シートの上および下に、第1エッチングレジストおよび第2フォトレジストを形成する工程、(c)は、フォトマスクを、金属シートの下の一のユニットに対応する第2フォトレジストの下に配置して、フォトマスクを介して、第2フォトレジストを露光する工程、(d)は、フォトマスクを、金属シートの下の隣接ユニットに対応する第2フォトフィルムレジストの下に配置して、フォトマスクを介して、第2フォトレジストを露光する工程、(e)は、第2フォトレジストを現像および硬化して、第2エッチングレジストを形成する工程、(f)は、金属シートをエッチングする工程、(g)は、第2エッチングレジストを除去する工程を示す。
【図6】図6は、図2に示す回路付サスペンション基板集合体シートの製造方法を説明するための製造工程図で、図2のC−C線に沿う断面図であって、(a)は、ベース絶縁層を、金属シートの上に形成する工程、(b)は、金属シートの上および下に、第1エッチングレジストおよび第2フォトレジストを形成する工程、(c)は、フォトマスクを、金属シートの下の一のユニットに対応する第2フォトレジストの下に配置して、フォトマスクを介して、第2フォトレジストを露光する工程、(d)は、フォトマスクを、金属シートの下の隣接ユニットに対応する第2フォトフィルムレジストの下に配置して、フォトマスクを介して、第2フォトレジストを露光する工程、(e)は、第2フォトレジストを現像および硬化して、第2エッチングレジストを形成する工程、(f)は、金属シートをエッチングする工程、(g)は、第2エッチングレジストを除去する工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明の配線回路基板集合体シートの一実施形態である回路付サスペンション基板集合体シートの平面図、図2は、図1に示す回路付サスペンション基板集合体シートのマージン部分の要部拡大図、図3は、図1および図2に示す回路付サスペンション基板集合体シートの回路付サスペンション基板の平面図、図4は、回路付サスペンション基板の断面図で、図3のA−A線に沿う断面図、図5および図6は、図2に示す回路付サスペンション基板集合体シートの製造方法を説明するための製造工程図で、図2のB−B線およびC−C線に沿う断面図をそれぞれ示す。
【0044】
なお、図1〜図3において、金属層8の相対配置を明確にするため、後述するベース絶縁層9およびカバー絶縁層11は、省略され、また、図1および図2において、導体層10は、省略されている。
【0045】
図1において、回路付サスペンション基板集合体シート1は、ロール・トゥ・ロール方式により、一方向(ロール・トゥ・ロール方式における搬送方向、図1における横方向、以下、単に横方向という場合がある。)に長く延びる長尺状の金属シート3(図5および図6参照)の上に、後述するベース絶縁層9、導体層10およびカバー絶縁層11(図4参照)を順次形成し、その後、金属シート3を外形加工することにより得ることができる。
【0046】
回路付サスペンション基板集合体シート1は、横方向に延びる長尺状に形成されており、金属シート3(図5および図6参照)から形成され、横方向に延びる長尺状の支持枠30と、支持枠30に分離可能に支持され、整列状態で配置される複数の配線回路基板としての回路付サスペンション基板2とを備えている。
【0047】
支持枠30は、各回路付サスペンション基板2を囲む長枠形状に形成されており、縦枠33および横枠34から形成されている。
【0048】
縦枠33は、縦方向(搬送方向に直交する方向。図1における縦方向。)に延び、横方向に間隔を隔てて複数(無数本)配置されている。
【0049】
横枠34は、横方向に互い対向する縦枠33を連結するように、横方向に延びており、縦方向に間隔を隔てて複数(5本)配置されている。
【0050】
また、支持枠30において、縦枠33は、後述するマージン部分4として供されており、マージン部分4が、所定個数の回路付サスペンション基板2を含むユニット5を区画している。
【0051】
ユニット5は、横方向に沿って複数並列配置されている。
【0052】
回路付サスペンション基板2は、支持枠30内において、横方向および縦方向にそれぞれ並列配置されており、より具体的には、回路付サスペンション基板2は、縦4列、横無数列で、配列されている。一方、回路付サスペンション基板2は、横方向において、後で詳述するが一定間隔毎に省かれている。
【0053】
回路付サスペンション基板2は、各ユニット5においては、横方向および縦方向にそれぞれ最密状に(高い密度で)並列配置されており、より具体的には、縦4列、横20列で配列されている。
【0054】
各回路付サスペンション基板2は、図2および図3に示すように、その長手方向(後述する先端の横方向中央および後端の横方向中央を結ぶ線分に沿う方向)に延びる略平帯形状に形成されている。また、回路付サスペンション基板2の長手方向は、横方向に交差するとともに、縦方向にも交差している。つまり、回路付サスペンション基板2の長手方向は、縦方向に対してわずかに傾斜している。回路付サスペンション基板2の長手方向と、横方向との成す角度αは、例えば、45〜89°、好ましくは、60〜85°である。
【0055】
そのため、図2に示すように、縦方向に並列する各回路付サスペンション基板2において、回路付サスペンション基板2の後端部と、その回路付サスペンション基板2の後側に配置される回路付サスペンション基板2の先端部とは、縦方向に投影したときに、横方向にずれている。
【0056】
回路付サスペンション基板2は、図4に示すように、金属層8と、金属層8の上に形成される絶縁層としてのベース絶縁層9と、ベース絶縁層9の上に形成される導体層10と、ベース絶縁層9の上に、導体層10を被覆するように形成されるカバー絶縁層11とを備えている。
【0057】
金属層8は、図1および図5が参照されるように、金属シート3から支持枠30とともに形成されており、回路付サスペンション基板2の外形形状に対応する形状に形成されている。金属層8は、図2および図3に示すように、第1直線部分41、第2直線部分42および第3直線部分43と、屈曲部分としての第1屈曲部分44および第2屈曲部分45とを一体的に備えている。
【0058】
第1直線部分41、第2直線部分42および第3直線部分43は、縦方向に沿って直線状に延びる略同幅(横方向長さ)で形成されている。第1直線部分41、第2直線部分42および第3直線部分43は、金属層8の先端部と、中央部(先端部および後端部との間の途中)と、後端部とに、それぞれ配置されている。
【0059】
第1屈曲部分44および第2屈曲部分45は、横方向に屈曲するように形成されている。具体的には、第1屈曲部分44は、第1直線部分41および第2直線部分42の間に、それらに連続するように形成されており、第2直線部分42の先端から、横方向一方(搬送方向上流、右)側に向かって傾斜状に屈曲し、その後、第1直線部分41の後端に至るように形成されている。
【0060】
第2屈曲部分45は、第2直線部分42および第3直線部分43の間に、それらに連続するように形成されており、第2直線部分42の後端から、横方向他方(搬送方向下流、左)側に向かって傾斜状に屈曲し、その後、第3直線部分43の後端に至るように形成されている。
【0061】
第1屈曲部分44および第2屈曲部分45は、互いに略同幅で形成されるとともに、第1直線部分41、第2直線部分42および第3直線部分43の幅と略同幅で形成されている。
【0062】
また、金属層8には、図3に示すように、厚み方向を貫通する第2スリット19が形成されている。第2スリット19は、縦方向にヘッド側端子13(後述)を挟む、平面視略コ字形状に開口されている。
【0063】
また、図2に示すように、金属層8の周囲には、隙間溝35が形成されており、隙間溝35は、上記した金属シート3を外形加工することにより開口されている。
【0064】
また、金属層8は、第2ジョイント部18に連結されている。
【0065】
第2ジョイント部18は、金属層8の周方向に間隔を隔てて複数配置されており、各第2ジョイント部18は、金属層8の周端から外方(支持枠30の内端)に向かい、隙間溝35を横断して支持枠30に連絡される、平面視略細長矩形状に形成されている。第2ジョイント部18は、切断可能に形成されているとともに、金属層8を支持枠30に対して支持している。
【0066】
金属層8および第2ジョイント部18を含む金属シート3を形成する金属としては、例えば、ステンレス、42アロイなどが用いられ、好ましくは、ステンレスが用いられる。また、その厚みは、例えば、10〜100μm、好ましくは、18〜30μmである。
【0067】
ベース絶縁層9は、図4に示すように、金属層8の上面に、導体層10が形成される部分に対応するパターンとして形成されている。また、ベース絶縁層9を形成する絶縁体としては、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂が用いられる。これらのうち、好ましくは、感光性の合成樹脂が用いられ、さらに好ましくは、感光性ポリイミドが用いられる。また、その厚みは、例えば、3〜30μm、好ましくは、5〜15μmである。
【0068】
導体層10は、図3に示すように、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の配線12と、配線12の先端部および後端部にそれぞれ連続するヘッド側端子13および外部側端子14とを一体的に備えている。
【0069】
導体層10を形成する導体としては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだまたはこれらの合金などの金属箔が用いられ、好ましくは、銅箔が用いられる。また、導体層10の厚みは、例えば、3〜20μm、好ましくは、7〜15μmである。また、各配線12の幅は、例えば、5〜500μm、好ましくは、10〜200μmであり、各配線12間の間隔は、例えば、5〜500μm、好ましくは、10〜200μmである。
【0070】
カバー絶縁層11は、図4に示すように、ベース絶縁層9の上において、配線12を被覆し、かつ、ヘッド側端子13および外部側端子14が露出するパターンとして形成されている。カバー絶縁層11を形成する絶縁体としては、上記したベース絶縁層9と同様の絶縁体が用いられ、好ましくは、感光性ポリイミドが用いられる。また、その厚みは、例えば、3〜20μm、好ましくは、4〜15μmである。
【0071】
そして、この回路付サスペンション基板集合体シート1には、図1および図2に示すように、横方向において回路付サスペンション基板2が一定間隔毎に省かれたマージン部分4が設けられている。
【0072】
マージン部分4は、横方向に並列配置される回路付サスペンション基板2のうち、一定間隔毎(図1において、20個毎)に省かれ、回路付サスペンション基板2(図1において、3個の回路付サスペンション基板2)の形成がスキップされた部分として設けられている。具体的には、マージン部分4は、省かれた(スキップされた)回路付サスペンション基板2(縦4列、横3列の回路付サスペンション基板2)の外形形状に対応するように形成されている。
【0073】
また、マージン部分4は、縦枠33として形成されており、縦方向に連続して形成されている。より具体的には、マージン部分4は、各回路付サスペンション基板2の長手方向に沿って連続しており、マージン部分4は、縦方向に延びる平面視ジグザグ(略Z字、あるいは、略鋸歯)形状に形成されている。詳しくは、マージン部分4は、第1直線部分41、第2直線部分42および第3直線部分43に対応して形成される第4直線部分46、第5直線部分47および第6直線部分48と、第1屈曲部分44および第2屈曲部分45に対応して形成される第3屈曲部分49および第4屈曲部分50とを一体的に備えている。
【0074】
また、マージン部分4は、回路付サスペンション基板2の第3直線部分43に対応する第6直線部分48の後端部と、その回路付サスペンション基板2の後側の回路付サスペンション基板2の第1直線部分41に対応する第4直線部分46の先端部とを、平面視略段差(略L字)形状に連結する第5屈曲部分51を備えている。つまり、マージン部分4は、縦方向に、第4直線部分46、第3屈曲部分49、第5直線部分47、第4屈曲部分50、第6直線部分48および第5屈曲部分51がそれらの順で順次繰り返して配列されるように、縦方向に連続している。
【0075】
また、マージン部分4には、その横方向中央に、厚み方向を貫通するスリットとしての第1スリット6が形成されている。
【0076】
第1スリット6は、マージン部分4の外形形状に対応し、かつ、それよりも幅狭に形成されている。また、第1スリット6は、各回路付サスペンション基板2の長手方向に沿って連続し、スリット6の横方向両側のユニット5を分断するように形成されている。第1スリット6は、各回路付サスペンション基板2の長手方向に沿って連続する、平面視ジグザグ(略Z字、あるいは、略鋸歯)形状に開口されている。
【0077】
また、マージン部分4には、第1ジョイント部7が設けられている。
【0078】
第1ジョイント部7は、長手方向に間隔を隔てて複数配置されており、スリット6を横方向に横切るように形成されている。第1ジョイント部7は、切断可能な平面視略細長矩形状に形成され、横方向に互いに隣接するユニット5を連結して支持している。
【0079】
次に、回路付サスペンション基板集合体シート1の製造方法について、図5および図6を参照して説明する。
【0080】
この方法では、まず、図5(a)に示すように、まず、長尺状の金属シート3を用意する。その後、金属シート3の上に、ベース絶縁層9、導体層10およびカバー絶縁層11を順次形成する。
【0081】
すなわち、ベース絶縁層9は、図4が参照されるように、感光性の合成樹脂の溶液(ワニス)を、金属シート3の上面全面に塗布および乾燥後、露光および現像し、その後、必要に応じて、加熱および硬化させることにより、上記したパターンで形成する。
【0082】
導体層10は、アディティブ法やサブトラクティブ法などの公知のパターンニング法により、ベース絶縁層9の上に形成する。
【0083】
カバー絶縁層11は、感光性の合成樹脂の溶液(ワニス)を、金属シート3、ベース絶縁層9および導体層10の上面全面に塗布および乾燥後、露光および現像し、その後、必要に応じて、加熱および硬化させることにより、上記したパターンでベース絶縁層9の上に形成する。なお、カバー絶縁層11は、ヘッド側端子13および外部側端子14(図3参照)が露出するように形成する。
【0084】
また、ベース絶縁層9、導体層10およびカバー絶縁層11は、少なくともマージン部分4の上面を露出するようにそれぞれ形成する。
【0085】
次に、この方法では、図5(b)〜図5(g)および図6(b)〜図6(g)に示すように、第1スリット6、隙間溝35および第2スリット19(図3参照)を形成して、回路付サスペンション基板2およびそれを含むユニット5を同時に形成する。
【0086】
第1スリット6、隙間溝35および第2スリット19を形成するには、まず、図5(b)〜図5(e)および図6(b)〜図6(e)に示すように、金属シート3の上面および下面に、第1エッチングレジスト24およびエッチングレジストとしての第2エッチングレジスト25を形成する。
【0087】
すなわち、第1エッチングレジスト24は、図5(b)および図6(b)に示すように、ドライフィルムレジストなどを、ベース絶縁層9、導体層10およびカバー絶縁層11を含む、金属シート3の上面全面に形成する。
【0088】
また、第2エッチングレジスト25を形成するには、図5(b)および図6(b)に示すように、まず、フォトレジストとしての第2フォトレジスト22を、金属シート3の下面全面に形成する。
【0089】
次いで、図5(c)および図6(c)に示すように、フォトマスク23を、複数のユニット5のうちの一のユニット5A(図1および図2参照)に対応する第2フォトレジスト22の下側に配置して、一のユニット5Aに対応する第2フォトレジスト22を、フォトマスク23を介して下方から露光する(第1露光工程)。
【0090】
フォトマスク23には、一のユニット5Aに対応する金属層8および支持枠30を形成するためのパターンが形成されている。具体的には、フォトマスク23は、光を透過しない遮光部分26と、光を透過する光透過部分27とを備えるパターンに形成され、一のユニット5Aに対応する横方向長さ(よりやや長い長さ)に形成されている。
【0091】
そして、金属層8および支持枠30を形成する部分には、光透過部分27が対向し、金属層8および支持枠30を形成しない部分(つまり、第2スリット19(図3参照)、隙間溝35および第1スリット6を形成する部分)には、遮光部分26が対向するように、フォトマスク23を配置する。
【0092】
続いて、一のユニット5Aに対応する第2フォトレジスト22を、フォトマスク23を介して下方から露光する。
【0093】
これにより、一のユニット5Aに対応する第2フォトレジスト22では、遮光部分26に対向する部分が未露光部分となり、光透過部分27に対向する部分が露光部分となる。
【0094】
次いで、図5(d)および図6(d)に示すように、上記のフォトマスク23を、一のユニット5Aの右(搬送方向上流)側に隣接する隣接ユニット5Bに対応する第2フォトレジスト22の下側に配置して、隣接ユニット5Bに対応する第2フォトレジスト22を、フォトマスク23を介して下方から露光する(第2露光工程)。
【0095】
フォトマスク23を、一のユニット5Aに対応する第2フォトレジスト22の下側から、隣接ユニット5Bに対応する第2フォトレジスト22の下側に移動させるには、フォトマスク23を、第2フォトレジスト22に対して相対移動させる。フォトマスク23を、第2フォトレジスト22に対して相対移動させるには、例えば、図5(c)および図6(c)の太線矢印に示すように、フォトマスク23を固定した状態で、第2フォトレジスト22が形成された金属シート3を搬送方向下流側に向かって、1ユニット5の長手方向長さ分だけ、搬送する。
【0096】
続いて、隣接ユニット5Bに対応する第2フォトレジスト22を、フォトマスク23を介して下方から露光する(第2露光工程)。
【0097】
これにより、隣接ユニット5Bに対応する第2フォトレジスト22では、遮光部分26に対向する部分が未露光部分となり、光透過部分27に対向する部分が露光部分となる。
【0098】
なお、図6(c)および図6(d)に示すように、マージン部分4の右半分(図2参照)において、第1ジョイント部7の右端より右側の右側部17に対応する第2フォトレジスト22が、第1露光工程および第2露光工程において、ともに露光部分となるように、光透過部分27を対向配置する。つまり、第2露光工程におけるフォトマスク23の光透過部分27の左側端縁29(図6(d)参照)を、第1露光工程におけるフォトマスク23の光透過部分27の右側端縁28(図6(c)参照)に対して、左側に配置することにより、各露光工程において、右側部17に対応する第2フォトレジスト22を、二重露光(2回露光)している。
【0099】
次いで、フォトマスク23を、隣接ユニット5Bの右(搬送方向上流)側に隣接するユニット5C(図1参照)に対応する第2フォトレジスト22の下側に配置して、ユニット5Cに対応する第2フォトレジスト22を、フォトマスク23を介して下方から露光する。その後、上記の操作を、同様に繰り返す。これによって、すべてのユニット5に対応する第2フォトレジスト22を露光する。
【0100】
次いで、図5(e)および図6(e)に示すように、露光工程(第1露光工程および第2露光工程を含むすべての露光工程)後における第2フォトレジスト22における未露光部分を現像により除去する。現像は、例えば、浸漬法またはスプレー法などが用いられる。
【0101】
その後、第2フォトレジスト22を、必要により、加熱により硬化することにより、第2エッチングレジスト25を形成する。
【0102】
第2エッチングレジスト25は、金属シート3の下面において、金属層8および支持枠30を形成する部分を被覆し、第2スリット19(図3参照)、隙間溝35および第1スリット6を形成する部分を露出するパターンで形成されている。
【0103】
なお、第1エッチングレジスト24は、第2フォトレジスト22と同一材料からなるフォトレジストを、ベース絶縁層9、導体層10およびカバー絶縁層11を含む金属シート3の上面全面に形成し、それを露光および現像することなく、第2フォトレジスト22とともに加熱により硬化することにより、形成することができる。
【0104】
次いで、図5(f)および図6(f)に示すように、第2エッチングレジスト25から露出する金属シート3をエッチングする(エッチング工程)。
【0105】
エッチングは、例えば、塩化第二鉄水溶液などのエッチング液を用いる、浸漬法またはスプレー法などが用いられる。
【0106】
次いで、図5(g)および図6(g)に示すように、第1エッチングレジスト24および第2エッチングレジスト25を、例えば、剥離またはエッチングなどによって、除去する。
【0107】
これによって、横方向および縦方向に並列配置される回路付サスペンション基板2と、回路付サスペンション基板2が省かれたマージン部分4によって区画されるユニット5とを同時に形成する。
【0108】
そして、この方法によれば、特定形状の回路付サスペンション基板2を高い密度で配置しても、すなわち、できる限り狭い横方向の間隔で配置しても、上記した特定形状のマージン部分4を設けるので、歩留りの向上を図ることができる。
【0109】
これとともに、マージン部分4を、簡易かつ画一的に設けることができるので、ユニット5を、簡易かつ画一的に区画することができる。
【0110】
そのため、歩留りの向上を図り、製造コストを簡易かつ画一的に低減することができる。
【0111】
一方、回路付サスペンション基板2が、例えば、図示しないが、第1屈曲部分44および第2屈曲部分45を有し、縦方向に沿って直線状に延びるマージン部分4が単に形成されている場合には、かかるマージン部分4には、第1屈曲部分44および第2屈曲部分45に起因するスペースを生じ易くなり、その場合には、歩留りが低下して、製造コストが増大する場合がある。
【0112】
しかし、この回路付サスペンション基板集合体シート1では、マージン部分4が、回路付サスペンション基板2が省かれた部分であることから、かかるマージン部分4も、回路付サスペンション基板2の第1屈曲部分44および第2屈曲部分45に対応する第3屈曲部分49および第4屈曲部50を備える。そのため、各回路付サスペンション基板2を複雑な形状に形成できながら、マージン部分4における上記したスペースの発生を防止することができる。そのため、歩留りを向上させて、製造コストを簡易に低減することができる。
【0113】
また、上記した方法では、第2フォトレジスト22を、金属シート3の下面に形成しているが、例えば、図示しないが、金属シート3の上面に形成し、フォトマスク23を、第2フォトレジスト22の上側に配置し、これを上側からフォトマスク23を介して露光することもできる。
【0114】
好ましくは、第2フォトレジスト22を、金属シート3の下面に形成して、これを下側からフォトマスク23を介して露光する。第2フォトレジスト22を金属シート3の上面に設けると、ベース絶縁層9、導体層10およびカバー絶縁層11を被覆するので、その分、第2フォトレジスト22の厚みが不均一になる場合があり、そうすると、露光精度が低下する場合がある。
【0115】
一方、第2フォトレジスト22を、金属シート3の下面に設ければ、金属シート3の下面が平坦状に形成されているので、第2フォトレジスト22を均一な厚みで形成でき、そのため、優れた露光精度で露光工程を実施することができる。
【0116】
さらにまた、上記した方法では、第1露光工程および第2露光工程を順次実施したが、例えば、図示しないが、横方向に長く延びるフォトマスク23を用いて、これを一のユニット5Aおよび隣接ユニット5Bを含むすべてのユニット5に対応する第2フォトレジスト22の下側に対向配置して、その大きなフォトマスク23を介して、露光工程(第1露光工程および第2露光工程)を一度に実施して、第2フォトレジスト22を一度に露光することもできる。
【0117】
一方、上記した図5および図6に示した、第1露光工程および第2露光工程(各露光工程)を順次実施する方法では、比較的小さな共通のフォトマスク23を用いて各露光工程を簡易に実施して、一のユニット5Aおよび隣接ユニット5Bに対応する第2エッチングレジスト25を簡易に形成することができる。その結果、製造コストを低減することができる。
【0118】
また、上記した説明では、回路付サスペンション基板2を、その長手方向が横方向に交差するように形成しているが、例えば、図示しないが、回路付サスペンション基板2の長手方向が横方向に沿う(平行する)ように形成することもできる。
【0119】
この場合には、回路付サスペンション基板2の長手方向の長さ分が省かれたマージン部分4を、比較的大きい面積で設ける必要がある。
【0120】
これに対して、図1および図2に示すように、回路付サスペンション基板2をその長手方向が横方向に交差するように形成した回路付サスペンション基板集合体シート1では、回路付サスペンション基板2の交差方向の長さ分が省かれたマージン部分4を、比較的小さい面積で設けることができる。そのため、歩留りのより一層の向上を図ることができる。
【0121】
また、上記した回路付サスペンション基板集合体シート1では、マージン部分4を、連続するように形成するので、マージン部分4を簡易に形成することができる。
【0122】
その結果、製造コストをより一層簡易に低減することができる。
【0123】
また、上記した回路付サスペンション基板集合体シート1には、第1スリット6を形成しているが、例えば、図示しないが、第1スリット6を形成することなく、マージン部分4を形成することもできる。
【0124】
好ましくは、第1スリット6を形成する。第1スリット6を形成すれば、これに沿ってユニット5を切り離せば、ユニット5を簡単に得ることができる。そのため、製造コストをより一層低減することができる。
【0125】
また、上記した回路付サスペンション基板集合体シート1は、長尺状の金属シート3からロール・トゥ・ロール方式により形成しているが、例えば、図示しないが、1枚の金属シート3からバッチ方式により形成することもできる。
【0126】
好ましくは、長尺状の金属シート3を用いて、ロール・トゥ・ロール方式により、ユニット5を、金属シート3の長尺(搬送)方向に沿って並列配置されるように形成する。
【0127】
ロール・トゥ・ロール方式では、回路付サスペンション基板集合体シート1を長尺(搬送)方向に沿って搬送しながら、ユニット5を効率的に形成することができる。そのため、製造効率を向上させることができる。
【0128】
また、上記の方法では、第2露光工程におけるフォトマスク23の光透過部分27の左側端縁29(図6(d)参照)を、第1露光工程におけるフォトマスク23の光透過部分27の右側端縁28(図6(c)参照)に対して左側に重複して配置している。
【0129】
一方、上記した右側端縁28(図6(c)参照)と、上記した左側端縁29(図6(d)参照)とを、同一位置に配置するように設定する場合がある。その場合には、フォトマスク23の配置(位置決め)において、横方向における位置ずれ、つまり、上記した左側端縁29が上記した右側端縁28に対して右側にずれる位置ずれを生じたときに、第1ジョイント部7に対応する第2フォトレジスト22の一部が未露光となる。そのため、その後の現像除去により、不連続な第1ジョイント部7を形成してしまう。その結果、横方向に隣接するユニット5同士が、確実に支持されず、互いに分離する場合がある。
【0130】
しかし、上記した左側端縁29を上記した右側端縁28より左側に重複して配置するように設定する場合には、上記の位置決め時の位置ずれを生じても、その位置ずれが重複部分の横方向の長さ分の公差の範囲内であれば、上記した第2フォトレジスト22の未露光に起因する第1ジョイント部7の不連続を生じることなく、横方向に隣接するユニット5同士を確実に支持することができる。そのため、信頼性に優れる回路付サスペンション基板集合体シート1を得ることができる。
【0131】
なお、上記した説明では、本発明の配線回路基板集合体シートを、回路付サスペンション基板2を備える回路付サスペンション基板集合体シート1として例示して説明しているが、例えば、金属層8を補強層として備えるフレキシブル配線回路基板を備えるフレキシブル配線回路基板集合体シートとして用いることもできる。
【符号の説明】
【0132】
1 回路付サスペンション基板集合体シート
2 回路付サスペンション基板
3 金属シート
4 マージン部分
5 ユニット
5A 一のユニット
5B 隣接ユニット
6 第1スリット
8 金属層
9 ベース絶縁層
10 導体層
22 第2フォトレジスト
23 フォトマスク
25 第2エッチングレジスト
44 第1屈曲部分
45 第2屈曲部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配線回路基板を、一方向に並列配置されるように形成する工程、および、
複数のユニットを、前記配線回路基板が一定間隔毎に省かれ、前記配線回路基板が省かれたマージン部分によって区画されるように形成する工程
を備え、
前記配線回路基板を形成する工程では、
前記ユニットを形成する工程は、金属シートからなる金属層、その上に形成される絶縁層およびその上に形成される導体層を形成し、
フォトレジストを、前記金属シートの厚み方向一側に形成する工程、
フォトマスクを、複数の前記ユニットのうちの一のユニットに対応する前記フォトレジストの厚み方向一側に配置して、前記フォトレジストを、前記フォトマスクを介して露光する第1露光工程、
前記フォトマスクを、一の前記ユニットに隣接する隣接ユニットに対応する前記フォトレジストの厚み方向一側に配置して、前記フォトレジストを、前記フォトマスクを介して露光する第2露光工程、
前記第1露光工程および前記第2露光工程後における前記フォトレジストの未露光部分を現像により除去することにより、エッチングレジストを形成する工程、および、
前記エッチングレジストから露出する前記金属シートをエッチングするエッチング工程を備えていることを特徴とする、配線回路基板集合体シートの製造方法。
【請求項2】
前記配線回路基板を形成する工程では、前記配線回路基板を、前記一方向に屈曲する屈曲部分を有するように形成することを特徴とする、請求項1に記載の配線回路基板集合体シートの製造方法。
【請求項3】
前記配線回路基板を形成する工程では、前記配線回路基板を、その長手方向が前記一方向に交差するように形成し、
前記エッチング工程では、前記マージン部分を、前記長手方向に連続するように形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の配線回路基板集合体シートの製造方法。
【請求項4】
前記エッチング工程では、スリットを、前記マージン部分に、前記長手方向に沿って延びるように形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の配線回路基板集合体シートの製造方法。
【請求項5】
前記配線回路基板を形成する工程では、長尺状の前記金属シートを用い、
前記ユニットを形成する工程では、前記ユニットを、前記金属シートの長尺方向に沿って並列配置されるように形成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の配線回路基板集合体シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−55365(P2013−55365A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−278096(P2012−278096)
【出願日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【分割の表示】特願2009−214764(P2009−214764)の分割
【原出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】