配線基板及びその製造方法
【課題】本発明は、パッドとビアとの間の電気的接続信頼性を十分に確保することのできる配線基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】パッドは、配線基板から露出された金属層と、配線基板から露出された金属層とビアとの間に設けられ、ビアに含まれる金属の配線基板から露出された金属層への拡散を防止する第1の金属層と、ビアと前記第1の金属層との間に設けられ、第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層とを有し、パッドを構成する金属層のうち、第2の金属層の上面が粗化処理され、パッドは、その側面、第2の金属層側の面が絶縁層により覆われ、配線基板から露出された金属層側の面が絶縁層より露出しており、絶縁層には、第2金属層の粗化処理された面を露出する開口部が形成され、開口部に第2の金属層の粗化処理された面に接続されるビアが形成され、絶縁層の上面にはビアと接続された配線が設けられている配線基板及びその製造方法。
【解決手段】パッドは、配線基板から露出された金属層と、配線基板から露出された金属層とビアとの間に設けられ、ビアに含まれる金属の配線基板から露出された金属層への拡散を防止する第1の金属層と、ビアと前記第1の金属層との間に設けられ、第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層とを有し、パッドを構成する金属層のうち、第2の金属層の上面が粗化処理され、パッドは、その側面、第2の金属層側の面が絶縁層により覆われ、配線基板から露出された金属層側の面が絶縁層より露出しており、絶縁層には、第2金属層の粗化処理された面を露出する開口部が形成され、開口部に第2の金属層の粗化処理された面に接続されるビアが形成され、絶縁層の上面にはビアと接続された配線が設けられている配線基板及びその製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板から露出された金属層と、金属層とビアとの間に設けられ、ビアに含まれる金属が金属層に拡散することを防止する第1の金属層とを有するパッドを備えた配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の配線基板の断面図である。
【0003】
図1を参照するに、従来の配線基板100は、樹脂層101,106,111と、パッド102と、ビア103,107,112と、配線104,108,113とを有する。配線基板100は、コアレス基板である。
【0004】
樹脂層101は、パッド102の上面及び側面を覆うように設けられている。樹脂層101は、パッド102の上面(具体的には、Ni層117の上面117A)を露出する開口部115を有する。
【0005】
パッド102は、Au層116と、Ni層117とを有する。Au層116は、樹脂層101に設けられている。Au層116の下面116Aは、樹脂層101の下面101Bと略面一とされている。Ni層117は、Au層116上に設けられている。Ni層117の側面及び上面の一部は、樹脂層101に覆われている。Ni層117は、ビア103に含まれるCuがAu層116に拡散することを防止する機能を有する。パッド102は、半導体チップ接続用パッド、或いは、外部接続端子として機能するパッドである。
【0006】
ビア103は、開口部115に設けられている。ビア103は、開口部115を覆うシード層121と、シード層121上に設けられたCu膜122とを有する。ビア103の下端部は、Ni層117と接続されている。
【0007】
配線104は、ビア103の上端部から樹脂層101の上面101Aに亘って設けられている。配線104は、ビア103と一体的に構成されており、樹脂層101の上面101Aに設けられたシード層121と、ビア103及びシード層121上に設けられたCu膜122とを有する。
【0008】
樹脂層106は、配線104の一部を覆うように樹脂層101上に設けられている。樹脂層106は、配線104の上面の一部を露出する開口部124を有する。
【0009】
ビア107は、開口部124に設けられている。ビア107は、開口部124を覆うシード層126と、シード層126上に設けられたCu膜127とを有する。ビア107の下端部は、配線104と接続されている。
【0010】
配線108は、ビア107の上端部から樹脂層106の上面106Aに亘って設けられている。配線108は、ビア107と一体的に構成されている。配線108は、樹脂層106の上面106Aに設けられたシード層126と、ビア107及びシード層126上に設けられたCu膜127とを有する。
【0011】
樹脂層111は、配線108の一部を覆うように樹脂層106上に設けられている。樹脂層111は、配線108の上面の一部を露出する開口部131を有する。
【0012】
ビア112は、開口部131に設けられている。ビア112は、開口部131を覆うシード層133と、シード層133上に設けられたCu膜134とを有する。ビア112の下端部は、配線108と接続されている。
【0013】
配線113は、ビア112の上端部から樹脂層111の上面111Aに亘って設けられている。配線113は、ビア112と一体的に構成されている。配線113は、樹脂層111の上面111Aに設けられたシード層133と、ビア112及びシード層133上に設けられたCu膜134とを有する。
【0014】
図2〜図12は、従来の配線基板の製造工程を示す図である。図2〜図12において、図1に示す配線基板100と同一構成部分には同一符号を付す。
【0015】
始めに、図2に示す工程では、配線基板100を形成する際の支持板となる金属板136を準備する。次いで、図3に示す工程では、金属板136上に開口部138Aを有したレジスト膜138を形成する。
【0016】
次いで、図4に示す工程では、金属板136を給電層とする電解めっき法により、開口部138Aに露出された金属板136上にAu層116とNi層117とを順次積層させて、パッド102を形成する。
【0017】
次いで、図5に示す工程では、図4に示すレジスト膜138を除去し、その後、金属板136及びパッド102上に、開口部115を有した樹脂層101を形成する。開口部115は、例えば、樹脂層101をレーザ加工して形成する。
【0018】
次いで、図6に示す工程では、樹脂層101の上面101Aと開口部115の側面及び底面とを覆うように、シード層121を形成する。次いで、図7に示す工程では、シード層121上に開口部141Aを有したレジスト膜141を形成する。
【0019】
次いで、図8に示す工程では、シード層121を給電層とする電解めっき法により、開口部141Aに露出されたシード層121上にCu膜122を形成する。これにより、開口部115にシード層121及びCu膜122よりなるビア103が形成される。
【0020】
次いで、図9に示す工程では、図8に示すレジスト膜141を除去する。次いで、図10に示す工程では、エッチングにより、Cu膜122に覆われていないシード層121(図9参照)を除去する。これにより、配線104が形成される。
【0021】
次いで、図11に示す工程では、先に説明した図5〜図10に示す工程と同様な処理を繰り返し行うことにより、金属板136上に、樹脂層106,111,ビア107,112、及び配線108,113を形成する。これにより、配線基板100に相当する構造体が金属板136上に形成される。
【0022】
次いで、図12に示す工程では、図11に示す金属板136をエッチングにより除去する。これにより、配線基板100が製造される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】国際公開第2003/039219号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、Ni層117は、酸化されやすいため、図5に示す構造体のNi層117の上面には、Niの酸化物が形成されてしまう。そのため、酸化物が形成されたNi層117とビア103とを接続させた場合、上記酸化物の影響により、パッド102とビア103との密着性が低下して、パッド102とビア103との間の電気的接続信頼性を十分に確保することができないという問題があった。
【0024】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、パッドとビアとの間の電気的接続信頼性を十分に確保することのできる配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の一観点によれば、パッドと、前記パッドと接続されるビアとを備えた配線基板であって、前記パッドは、前記配線基板から露出された金属層と、前記配線基板から露出された金属層と前記ビアとの間に設けられ、前記ビアに含まれる金属が前記配線基板から露出された金属層に拡散することを防止する第1の金属層と、前記ビアと前記第1の金属層との間に設けられ、前記第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層と、を有しており、前記パッドを構成する金属層のうち、前記第2の金属層の上面が粗化処理されており、前記パッドは、その側面、及び、前記第2の金属層側の面が絶縁層により覆われており、前記配線基板から露出された金属層側の面が前記絶縁層より露出しており、前記絶縁層には、前記第2金属層の前記粗化処理された面を露出する開口部が形成され、前記開口部に前記第2の金属層の粗化処理された面に接続される前記ビアが形成されており、前記絶縁層の上面には前記ビアと接続された配線が設けられていることを特徴とする配線基板が提供される。
【0026】
本発明によれば、ビアと第1の金属層との間に、第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層を設けると共に、ビアを第2の金属層と接続することにより、ビアが第1の金属層と接続されることがなくなるため、パッドとビアとの間に酸化物が介在することがなくなる。これにより、パッドとビアとの密着性が向上するため、パッドとビアとの間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【0027】
本発明の他の観点によれば、パッドと、前記パッドと接続されるビアとを備えた配線基板の製造方法であって、前記パッドは、前記配線基板から露出された金属層と、前記配線基板から露出された金属層と前記ビアとの間に設けられ、前記ビアに含まれる金属が前記配線基板から露出された金属層に拡散することを防止する第1の金属層と、前記ビアと前記第1の金属層との間に設けられ、前記第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層と、を有しており、支持板上に、めっき法により、前記配線基板から露出された金属層と、前記第1の金属層と、前記第2の金属層とを順次積層し、パッドを形成する工程と、前記パッドを構成する金属層のうち、前記第2の金属層の上面を粗化処理する工程と、前記支持板および前記パッド上に絶縁層を形成し、前記パッドの側面、及び、前記第2の金属層側の面を前記絶縁層により覆う、絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層に前記第2の金属層の粗化処理された面を露出する開口部を形成する工程と、前記開口部に前記第2の金属層の粗化処理された面と接続する前記ビアを形成し、前記絶縁層上に前記ビアと接続される配線を形成するビア形成工程と、前記支持板を除去し、前記パッドの、前記配線基板から露出された金属層側の面を前記絶縁層から露出させる工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0028】
本発明によれば、めっき法により、第1の金属層と、第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層とを連続して形成することにより、第1の金属層が酸化される時間がなくなるため、第1の金属層と第2の金属層との密着性を向上させることができる。
【0029】
また、ビアと第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層とを接続することにより、パッドとビアとの密着性が向上するため、パッドとビアとの間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、パッドとビアとの間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0032】
(第1の実施の形態)
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【0033】
図13を参照するに、第1の実施の形態の配線基板10は、絶縁層11,16,21と、パッド12と、ビア13,17,22と、配線14,18,23とを有する。
【0034】
絶縁層11は、パッド12の上面(具体的には、酸化されにくい金属層28の上面)及び側面(具体的には、金属層26〜28の側面)を覆うように設けられている。絶縁層11は、パッド12の上面(具体的には、酸化されにくい金属層28の上面)を露出する開口部25を有する。絶縁層11としては、例えば、ポリイミドやエポキシ等の樹脂層を用いることができる。
【0035】
パッド12は、金属層26と、金属層27(第1の金属層)と、金属層27よりも酸化されにくい金属層28(第2の金属層)とが順次積層された構成とされている。金属層26は、絶縁層11に設けられている。金属層26の側面は、絶縁層11に覆われている。金属層26の下面26Aは、絶縁層11の下面11Bと略面一とされている。金属層26の下面26Aは、絶縁層11から露出されている。金属層26としては、例えば、Au層、Sn層、及びSnAg層(めっき法により形成されたSnとAgの合金)等を用いることができる。金属層26としてAu層を用いた場合、金属層26の厚さは、例えば、0.1μmとすることができる。
【0036】
金属層27は、金属層26上に設けられている。金属層27の側面は、絶縁層11に覆われている。金属層27は、ビア13に含まれる金属(具体的には、Cu)が金属層26に拡散することを防止するための層であり、酸化されやすい性質を有する。金属層27は、金属の酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
は、−32kcalよりも小さい金属により構成されている。金属層27としては、例えば、Ni層を用いることができる。Niの酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
は、−46.1kcalである。金属層27としてNi層を用いた場合、金属層27の厚さは、例えば、10μmとすることができる。
【0037】
金属層28は、金属層27よりも酸化されにくい金属層であり、金属層27上に設けられている。金属層28の側面及び上面の一部は、絶縁層11に覆われている。金属層28の上部は、ビア13と接続されている。金属層28としては、金属の酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
が−32kcalよりも大きい金属からなる金属層を用いることができる。このような金属層に適用可能な金属としては、例えば、
等がある。酸化されにくい金属層28としては、例えば、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層等を用いることができる。金属層28としてCu層を用いた場合、金属層28の厚さは、例えば、10μmとすることができる。なお、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層のうち、少なくとも2つの層を積層させたものを金属層28として用いてもよい。
【0038】
このように、酸化されやすい金属層27上に金属層27よりも酸化されにくい金属層28を設け、金属層28とビア13とを接続することにより、パッド12とビア13との間に酸化物が介在することがなくなる。これにより、パッド12とビア13との密着性が向上するため、パッド12とビア13との間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【0039】
上記構成とされたパッド12は、半導体チップ接続用パッド、或いは、外部接続端子として機能するパッドである。
【0040】
ビア13は、絶縁層11に形成された開口部25に設けられている。ビア13の下端部は、パッド12の構成要素の1つである金属層28と接続されている。ビア13は、シード層31Aと、Cu膜32Aとを有する。シード層31Aは、開口部25の側面に対応する部分の絶縁層11と、開口部25に露出された部分の金属層28の上面とを覆うように設けられている。シード層31Aは、電解めっき法によりCu膜32Aを形成する際の給電層である。シード層31Aとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。Cu膜32Aは、シード層31Aが形成された開口部25を充填するように設けられている。
【0041】
配線14は、ビア13の上端部から絶縁層11の上面11Aに亘って設けられている。配線14は、ビア13と接続されている。配線14は、シード層31Bと、Cu膜32Bとを有する。シード層31Bは、開口部25の近傍に位置する絶縁層11の上面11Aに設けられている。シード層31Bは、電解めっき法によりCu膜32Bを形成する際の給電層である。シード層31Bとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。
【0042】
絶縁層16は、配線14の一部を覆うように、絶縁層11の上面11Aに設けられている。絶縁層16は、配線14の上面の一部を露出する開口部34を有する。絶縁層16としては、例えば、ポリイミドやエポキシ等の樹脂層を用いることができる。
【0043】
ビア17は、絶縁層16に形成された開口部34に設けられている。ビア17は、配線14と接続されている。ビア17は、シード層36Aと、Cu膜37Aとを有する。シード層36Aは、開口部34の側面に対応する部分の絶縁層16と、開口部34に露出された部分の配線14の上面とを覆うように設けられている。シード層36Aは、電解めっき法によりCu膜37Aを形成する際の給電層である。シード層36Aとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。Cu膜37Aは、シード層36Aが形成された開口部34を充填するように設けられている。
【0044】
配線18は、ビア17の上端部から絶縁層16の上面16Aに亘って設けられている。配線18は、ビア17と接続されている。配線18は、シード層36Bと、Cu膜37Bとを有する。シード層36Bは、開口部34の近傍に位置する絶縁層16の上面16Aに設けられている。シード層36Bは、電解めっき法によりCu膜37Bを形成する際の給電層である。シード層36Bとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。
【0045】
絶縁層21は、配線18の一部を覆うように、絶縁層16の上面16Aに設けられている。絶縁層21は、配線18の上面の一部を露出する開口部39を有する。絶縁層21としては、例えば、ポリイミドやエポキシ等の樹脂層を用いることができる。
【0046】
ビア22は、絶縁層21に形成された開口部39に設けられている。ビア22は、配線18と接続されている。ビア22は、シード層41Aと、Cu膜42Aとを有する。シード層41Aは、開口部39の側面に対応する部分の絶縁層21と、開口部39に露出された部分の配線18の上面とを覆うように設けられている。シード層41Aは、電解めっき法によりCu膜42Aを形成する際の給電層である。シード層41Aとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。Cu膜42Aは、シード層41Aが形成された開口部39を充填するように設けられている。
【0047】
配線23は、ビア22の上端部から絶縁層21の上面21Aに亘って設けられている。配線23は、ビア22と接続されている。配線23は、シード層41Bと、Cu膜42Bとを有する。シード層41Bは、開口部39の近傍に位置する絶縁層21の上面21Aに設けられている。シード層41Bは、電解めっき法によりCu膜42Bを形成する際の給電層である。シード層41Bとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。
【0048】
本実施の形態の配線基板によれば、酸化されやすい金属層27上に金属層27よりも酸化されにくい金属層28を設け、ビア13とパッド12の構成要素である金属層28とを接続することにより、ビア13とパッド12との間に酸化物が介在することがなくなるため、ビア13とパッド12との密着性が向上し、ビア13とパッド12との間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【0049】
図14〜図24は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図である。図14〜図24において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0050】
図14〜図24を参照して、第1の実施の形態の配線基板10の製造方法について説明する。始めに、図14に示す工程では、配線基板10を製造する際の支持板となる金属板46を準備する。金属板46としては、例えば、Cu板を用いることができる。金属板46の厚さは、例えば、0.3mmとすることができる。なお、金属板46の代わりに金属箔を用いてもよい。
【0051】
次いで、図15に示す工程では、金属板46上に開口部47Aを有したレジスト膜47を形成する。開口部47Aは、パッド12の形成領域に対応する部分の金属板46の上面46Aを露出するように形成する。
【0052】
次いで、図16に示す工程では、金属板46を給電層とする電解めっき法により、開口部47Aに露出された部分の金属板46の上面46Aに、金属層26と、酸化されやすい金属層27と、金属層27よりも酸化されにくい金属層28とを連続して形成する(第1及び第2の金属層形成工程)。これにより、金属板46上に金属膜26〜28からなるパッド12が形成される。金属膜26〜28は、同一のめっき装置を用いて形成する。この場合、金属層26を形成するためのめっき液が充填された第1のめっき槽と、金属層27を形成するためのめっき液が充填された第2のめっき槽と、金属層28を形成するためのめっき液が充填された第3のめっき槽とを備えためっき装置を用いるとよい。
【0053】
このように、異なるめっき液が溜められた第1〜第3のめっき槽を有するめっき装置を用いて金属層26〜28を連続形成することにより、酸化されやすい金属層27を形成後、直ぐに金属層27上に金属層27よりも酸化されにくい金属層28を形成することが可能となる。これにより、金属層27に酸化物が形成される時間がなくなるため、金属層27と金属層28との密着性を十分に確保することができる。
【0054】
金属層26としては、例えば、Au層、Sn層、及びSnAg層(めっき法により形成されたSnとAgの合金)等を用いることができる。また、金属層26としてAu層を用いた場合、金属層26の厚さは、例えば、0.1μmとすることができる。
【0055】
金属層27は、金属の酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
は、−32kcalよりも小さい金属により構成されている。金属層27としては、例えば、Ni層を用いることができる。Niの酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
は、−46.1kcalである。金属層27の厚さは、例えば、10μmとすることができる。
【0056】
ここでの酸化されにくい金属層28とは、金属の酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
が−32kcalよりも大きい金属からなる金属層のことである。このような金属としては、
等がある。金属層28としては、例えば、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層等を用いることができる。金属層28としてCu層を用いた場合、金属層28の厚さは、例えば、10μmとすることができる。なお、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層のうち、少なくとも2つの層を積層させたものを酸化されにくい金属層28として用いてもよい。
【0057】
次いで、図17に示す工程では、図16に示すレジスト膜47を除去し、その後、金属板46及びパッド12上に、開口部25を有した絶縁層11を形成する。開口部25は、絶縁層11をレーザ加工して形成する。このとき、開口部25は、金属層28の上面を露出するように形成する。絶縁層11としては、例えば、エポキシやポリイミド等の樹脂層を用いることができる。
【0058】
次いで、図18に示す工程では、開口部25の側面に対応する部分の樹脂層11の面、及び開口部25に露出された部分の金属層28の上面を覆うシード層31Aと、樹脂層11の上面11Aを覆うシード層31Bとを同時に形成する。シード層31A,31Bは、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成することができる。シード層31A,31Bとしては、例えば、Cu層を用いることができる。シード層31A,31Bの厚さは、例えば、3μmとすることができる。
【0059】
次いで、図19に示す工程では、シード層31B上に開口部49Aを有したレジスト膜49を形成する。開口部49Aは、ビア13及び配線14の形成領域に対応する部分のシード層31A,31Bを露出するように形成する。
【0060】
次いで、図20に示す工程では、シード層31A,31Bを給電層とする電解めっき法により、開口部49Aに露出されたシード層31A,31B上にCu膜32A,32Bを同時に形成する。これにより、開口部25にシード層31A及びCu膜32Aよりなるビア13が形成される(ビア形成工程)。ビア13は、金属層27よりも酸化されにくい金属層28と接続される。
【0061】
このように、金属層27よりも酸化されにくい金属層28とビア13とを接続することにより、パッド12とビア13との間に酸化物が介在することがなくなるため、パッド12とビア13との密着性が向上し、パッド12とビア13との間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【0062】
次いで、図21に示す工程では、図20に示すレジスト膜49を除去する。次いで、図22に示す工程では、Cu膜32Bに覆われていないシード層31B(図21参照)をエッチングにより除去する。これにより、シード層31B及びCu膜32Bよりなる配線14が形成される。
【0063】
次いで、図23に示す工程では、先に説明した図17〜図22に示す工程と同様な処理を繰り返し行うことにより、金属板46上に、樹脂層16,21、ビア17,22、及び配線18,23を形成する。これにより、金属板46上に、配線基板10に相当する構造体が形成される。
【0064】
次いで、図24に示す工程では、図23に示す金属板46をエッチングにより除去する。これにより、配線基板10が製造される。
【0065】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、パッドを構成する金属層26、金属層27、及び金属層27よりも酸化されにくい金属層28をめっき法により連続して形成することにより、金属層27に酸化物が形成される時間がなくなるため、金属層27と金属層28との密着性を向上させることができる。
【0066】
また、金属層27よりも酸化されにくい金属層28とビア13とを接続することにより、パッド12とビア13との間に酸化物が介在することがなくなるため、パッド12とビア13との密着性が向上し、パッド12とビア13との間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【0067】
なお、図16に示す工程と図17に示す工程との間に、金属層28の上面を粗化する工程を設けてもよい。このように、金属層28の上面を粗化処理することにより、パッド12とビア13の密着性を向上させることができる。上記粗化処理は、エッチング液により金属層28の上面を荒らすことにより行うことができる。従来のパッド102(図1参照)ではパッド102の最上層に酸化されやすいNi層117があるため、Ni層117を粗化処理した場合、Ni層117上に酸化膜が形成されてしまうが、本実施の形態の場合、酸化されにくい金属層28を粗化処理することにより、金属層28上に酸化膜が形成されることを防止できるため、パッド12とビア13の密着性を向上させることができる。
【0068】
(第2の実施の形態)
図25は、本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の断面図である。図25において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0069】
図25を参照するに、第2の実施の形態の配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10に設けられたパッド12の代わりにパッド61を設けた以外は、配線基板10と同様に構成される。
【0070】
パッド61は、金属層26と、金属層63と、金属層27と、金属層27よりも酸化されにくい金属層28とが順次積層された構成とされている。つまり、パッド61は、第1の実施の形態で説明したパッド12の金属層26と金属層27との間に、さらに金属層63を設けた以外はパッド12と同様に構成される。
【0071】
金属層63は、金属層26の酸化を防止する機能を有した金属層である。金属層63としては、例えば、Pd層を用いることができる。金属層63の厚さは、例えば、0.1μmとすることができる。
【0072】
本実施の形態の配線基板によれば、金属層26と酸化されやすい金属層27との間に、金属層26の酸化を防止する機能を有した金属層63を設けることにより、金属層26の酸化を抑制できる。また、本実施の形態の配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10と同様な効果を得ることができる。
【0073】
また、本実施の形態の配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10と同様な手法により製造することができ、第1の実施の形態の配線基板10の製造方法と同様な効果を得ることができる。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、配線基板から露出された金属層と、金属層とビアとの間に設けられ、ビアに含まれる金属が金属層に拡散することを防止する第1の金属層とを有するパッドを備えた配線基板及びその製造方法に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】従来の配線基板の断面図である。
【図2】従来の配線基板の製造工程を示す図(その1)である。
【図3】従来の配線基板の製造工程を示す図(その2)である。
【図4】従来の配線基板の製造工程を示す図(その3)である。
【図5】従来の配線基板の製造工程を示す図(その4)である。
【図6】従来の配線基板の製造工程を示す図(その5)である。
【図7】従来の配線基板の製造工程を示す図(その6)である。
【図8】従来の配線基板の製造工程を示す図(その7)である。
【図9】従来の配線基板の製造工程を示す図(その8)である。
【図10】従来の配線基板の製造工程を示す図(その9)である。
【図11】従来の配線基板の製造工程を示す図(その10)である。
【図12】従来の配線基板の製造工程を示す図(その11)である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その1)である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その2)である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その3)である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その4)である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その5)である。
【図19】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その6)である。
【図20】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その7)である。
【図21】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その8)である。
【図22】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その9)である。
【図23】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その10)である。
【図24】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その11)である。
【図25】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【符号の説明】
【0077】
10,60 配線基板
11,16,21 絶縁層
11A,16A,21A,46A 上面
11B,26A 下面
12,61 パッド
13,17,22 ビア
14,18,23 配線
25,34,39,47A,49A 開口部
26〜28,63 金属層
31A,31B,36A,36B,41A,41B シード層
32A,32B,37A,37B,42A,42B Cu膜
46 金属板
47,49 レジスト膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板から露出された金属層と、金属層とビアとの間に設けられ、ビアに含まれる金属が金属層に拡散することを防止する第1の金属層とを有するパッドを備えた配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の配線基板の断面図である。
【0003】
図1を参照するに、従来の配線基板100は、樹脂層101,106,111と、パッド102と、ビア103,107,112と、配線104,108,113とを有する。配線基板100は、コアレス基板である。
【0004】
樹脂層101は、パッド102の上面及び側面を覆うように設けられている。樹脂層101は、パッド102の上面(具体的には、Ni層117の上面117A)を露出する開口部115を有する。
【0005】
パッド102は、Au層116と、Ni層117とを有する。Au層116は、樹脂層101に設けられている。Au層116の下面116Aは、樹脂層101の下面101Bと略面一とされている。Ni層117は、Au層116上に設けられている。Ni層117の側面及び上面の一部は、樹脂層101に覆われている。Ni層117は、ビア103に含まれるCuがAu層116に拡散することを防止する機能を有する。パッド102は、半導体チップ接続用パッド、或いは、外部接続端子として機能するパッドである。
【0006】
ビア103は、開口部115に設けられている。ビア103は、開口部115を覆うシード層121と、シード層121上に設けられたCu膜122とを有する。ビア103の下端部は、Ni層117と接続されている。
【0007】
配線104は、ビア103の上端部から樹脂層101の上面101Aに亘って設けられている。配線104は、ビア103と一体的に構成されており、樹脂層101の上面101Aに設けられたシード層121と、ビア103及びシード層121上に設けられたCu膜122とを有する。
【0008】
樹脂層106は、配線104の一部を覆うように樹脂層101上に設けられている。樹脂層106は、配線104の上面の一部を露出する開口部124を有する。
【0009】
ビア107は、開口部124に設けられている。ビア107は、開口部124を覆うシード層126と、シード層126上に設けられたCu膜127とを有する。ビア107の下端部は、配線104と接続されている。
【0010】
配線108は、ビア107の上端部から樹脂層106の上面106Aに亘って設けられている。配線108は、ビア107と一体的に構成されている。配線108は、樹脂層106の上面106Aに設けられたシード層126と、ビア107及びシード層126上に設けられたCu膜127とを有する。
【0011】
樹脂層111は、配線108の一部を覆うように樹脂層106上に設けられている。樹脂層111は、配線108の上面の一部を露出する開口部131を有する。
【0012】
ビア112は、開口部131に設けられている。ビア112は、開口部131を覆うシード層133と、シード層133上に設けられたCu膜134とを有する。ビア112の下端部は、配線108と接続されている。
【0013】
配線113は、ビア112の上端部から樹脂層111の上面111Aに亘って設けられている。配線113は、ビア112と一体的に構成されている。配線113は、樹脂層111の上面111Aに設けられたシード層133と、ビア112及びシード層133上に設けられたCu膜134とを有する。
【0014】
図2〜図12は、従来の配線基板の製造工程を示す図である。図2〜図12において、図1に示す配線基板100と同一構成部分には同一符号を付す。
【0015】
始めに、図2に示す工程では、配線基板100を形成する際の支持板となる金属板136を準備する。次いで、図3に示す工程では、金属板136上に開口部138Aを有したレジスト膜138を形成する。
【0016】
次いで、図4に示す工程では、金属板136を給電層とする電解めっき法により、開口部138Aに露出された金属板136上にAu層116とNi層117とを順次積層させて、パッド102を形成する。
【0017】
次いで、図5に示す工程では、図4に示すレジスト膜138を除去し、その後、金属板136及びパッド102上に、開口部115を有した樹脂層101を形成する。開口部115は、例えば、樹脂層101をレーザ加工して形成する。
【0018】
次いで、図6に示す工程では、樹脂層101の上面101Aと開口部115の側面及び底面とを覆うように、シード層121を形成する。次いで、図7に示す工程では、シード層121上に開口部141Aを有したレジスト膜141を形成する。
【0019】
次いで、図8に示す工程では、シード層121を給電層とする電解めっき法により、開口部141Aに露出されたシード層121上にCu膜122を形成する。これにより、開口部115にシード層121及びCu膜122よりなるビア103が形成される。
【0020】
次いで、図9に示す工程では、図8に示すレジスト膜141を除去する。次いで、図10に示す工程では、エッチングにより、Cu膜122に覆われていないシード層121(図9参照)を除去する。これにより、配線104が形成される。
【0021】
次いで、図11に示す工程では、先に説明した図5〜図10に示す工程と同様な処理を繰り返し行うことにより、金属板136上に、樹脂層106,111,ビア107,112、及び配線108,113を形成する。これにより、配線基板100に相当する構造体が金属板136上に形成される。
【0022】
次いで、図12に示す工程では、図11に示す金属板136をエッチングにより除去する。これにより、配線基板100が製造される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】国際公開第2003/039219号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、Ni層117は、酸化されやすいため、図5に示す構造体のNi層117の上面には、Niの酸化物が形成されてしまう。そのため、酸化物が形成されたNi層117とビア103とを接続させた場合、上記酸化物の影響により、パッド102とビア103との密着性が低下して、パッド102とビア103との間の電気的接続信頼性を十分に確保することができないという問題があった。
【0024】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、パッドとビアとの間の電気的接続信頼性を十分に確保することのできる配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の一観点によれば、パッドと、前記パッドと接続されるビアとを備えた配線基板であって、前記パッドは、前記配線基板から露出された金属層と、前記配線基板から露出された金属層と前記ビアとの間に設けられ、前記ビアに含まれる金属が前記配線基板から露出された金属層に拡散することを防止する第1の金属層と、前記ビアと前記第1の金属層との間に設けられ、前記第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層と、を有しており、前記パッドを構成する金属層のうち、前記第2の金属層の上面が粗化処理されており、前記パッドは、その側面、及び、前記第2の金属層側の面が絶縁層により覆われており、前記配線基板から露出された金属層側の面が前記絶縁層より露出しており、前記絶縁層には、前記第2金属層の前記粗化処理された面を露出する開口部が形成され、前記開口部に前記第2の金属層の粗化処理された面に接続される前記ビアが形成されており、前記絶縁層の上面には前記ビアと接続された配線が設けられていることを特徴とする配線基板が提供される。
【0026】
本発明によれば、ビアと第1の金属層との間に、第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層を設けると共に、ビアを第2の金属層と接続することにより、ビアが第1の金属層と接続されることがなくなるため、パッドとビアとの間に酸化物が介在することがなくなる。これにより、パッドとビアとの密着性が向上するため、パッドとビアとの間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【0027】
本発明の他の観点によれば、パッドと、前記パッドと接続されるビアとを備えた配線基板の製造方法であって、前記パッドは、前記配線基板から露出された金属層と、前記配線基板から露出された金属層と前記ビアとの間に設けられ、前記ビアに含まれる金属が前記配線基板から露出された金属層に拡散することを防止する第1の金属層と、前記ビアと前記第1の金属層との間に設けられ、前記第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層と、を有しており、支持板上に、めっき法により、前記配線基板から露出された金属層と、前記第1の金属層と、前記第2の金属層とを順次積層し、パッドを形成する工程と、前記パッドを構成する金属層のうち、前記第2の金属層の上面を粗化処理する工程と、前記支持板および前記パッド上に絶縁層を形成し、前記パッドの側面、及び、前記第2の金属層側の面を前記絶縁層により覆う、絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層に前記第2の金属層の粗化処理された面を露出する開口部を形成する工程と、前記開口部に前記第2の金属層の粗化処理された面と接続する前記ビアを形成し、前記絶縁層上に前記ビアと接続される配線を形成するビア形成工程と、前記支持板を除去し、前記パッドの、前記配線基板から露出された金属層側の面を前記絶縁層から露出させる工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0028】
本発明によれば、めっき法により、第1の金属層と、第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層とを連続して形成することにより、第1の金属層が酸化される時間がなくなるため、第1の金属層と第2の金属層との密着性を向上させることができる。
【0029】
また、ビアと第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層とを接続することにより、パッドとビアとの密着性が向上するため、パッドとビアとの間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、パッドとビアとの間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0032】
(第1の実施の形態)
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【0033】
図13を参照するに、第1の実施の形態の配線基板10は、絶縁層11,16,21と、パッド12と、ビア13,17,22と、配線14,18,23とを有する。
【0034】
絶縁層11は、パッド12の上面(具体的には、酸化されにくい金属層28の上面)及び側面(具体的には、金属層26〜28の側面)を覆うように設けられている。絶縁層11は、パッド12の上面(具体的には、酸化されにくい金属層28の上面)を露出する開口部25を有する。絶縁層11としては、例えば、ポリイミドやエポキシ等の樹脂層を用いることができる。
【0035】
パッド12は、金属層26と、金属層27(第1の金属層)と、金属層27よりも酸化されにくい金属層28(第2の金属層)とが順次積層された構成とされている。金属層26は、絶縁層11に設けられている。金属層26の側面は、絶縁層11に覆われている。金属層26の下面26Aは、絶縁層11の下面11Bと略面一とされている。金属層26の下面26Aは、絶縁層11から露出されている。金属層26としては、例えば、Au層、Sn層、及びSnAg層(めっき法により形成されたSnとAgの合金)等を用いることができる。金属層26としてAu層を用いた場合、金属層26の厚さは、例えば、0.1μmとすることができる。
【0036】
金属層27は、金属層26上に設けられている。金属層27の側面は、絶縁層11に覆われている。金属層27は、ビア13に含まれる金属(具体的には、Cu)が金属層26に拡散することを防止するための層であり、酸化されやすい性質を有する。金属層27は、金属の酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
は、−32kcalよりも小さい金属により構成されている。金属層27としては、例えば、Ni層を用いることができる。Niの酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
は、−46.1kcalである。金属層27としてNi層を用いた場合、金属層27の厚さは、例えば、10μmとすることができる。
【0037】
金属層28は、金属層27よりも酸化されにくい金属層であり、金属層27上に設けられている。金属層28の側面及び上面の一部は、絶縁層11に覆われている。金属層28の上部は、ビア13と接続されている。金属層28としては、金属の酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
が−32kcalよりも大きい金属からなる金属層を用いることができる。このような金属層に適用可能な金属としては、例えば、
等がある。酸化されにくい金属層28としては、例えば、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層等を用いることができる。金属層28としてCu層を用いた場合、金属層28の厚さは、例えば、10μmとすることができる。なお、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層のうち、少なくとも2つの層を積層させたものを金属層28として用いてもよい。
【0038】
このように、酸化されやすい金属層27上に金属層27よりも酸化されにくい金属層28を設け、金属層28とビア13とを接続することにより、パッド12とビア13との間に酸化物が介在することがなくなる。これにより、パッド12とビア13との密着性が向上するため、パッド12とビア13との間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【0039】
上記構成とされたパッド12は、半導体チップ接続用パッド、或いは、外部接続端子として機能するパッドである。
【0040】
ビア13は、絶縁層11に形成された開口部25に設けられている。ビア13の下端部は、パッド12の構成要素の1つである金属層28と接続されている。ビア13は、シード層31Aと、Cu膜32Aとを有する。シード層31Aは、開口部25の側面に対応する部分の絶縁層11と、開口部25に露出された部分の金属層28の上面とを覆うように設けられている。シード層31Aは、電解めっき法によりCu膜32Aを形成する際の給電層である。シード層31Aとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。Cu膜32Aは、シード層31Aが形成された開口部25を充填するように設けられている。
【0041】
配線14は、ビア13の上端部から絶縁層11の上面11Aに亘って設けられている。配線14は、ビア13と接続されている。配線14は、シード層31Bと、Cu膜32Bとを有する。シード層31Bは、開口部25の近傍に位置する絶縁層11の上面11Aに設けられている。シード層31Bは、電解めっき法によりCu膜32Bを形成する際の給電層である。シード層31Bとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。
【0042】
絶縁層16は、配線14の一部を覆うように、絶縁層11の上面11Aに設けられている。絶縁層16は、配線14の上面の一部を露出する開口部34を有する。絶縁層16としては、例えば、ポリイミドやエポキシ等の樹脂層を用いることができる。
【0043】
ビア17は、絶縁層16に形成された開口部34に設けられている。ビア17は、配線14と接続されている。ビア17は、シード層36Aと、Cu膜37Aとを有する。シード層36Aは、開口部34の側面に対応する部分の絶縁層16と、開口部34に露出された部分の配線14の上面とを覆うように設けられている。シード層36Aは、電解めっき法によりCu膜37Aを形成する際の給電層である。シード層36Aとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。Cu膜37Aは、シード層36Aが形成された開口部34を充填するように設けられている。
【0044】
配線18は、ビア17の上端部から絶縁層16の上面16Aに亘って設けられている。配線18は、ビア17と接続されている。配線18は、シード層36Bと、Cu膜37Bとを有する。シード層36Bは、開口部34の近傍に位置する絶縁層16の上面16Aに設けられている。シード層36Bは、電解めっき法によりCu膜37Bを形成する際の給電層である。シード層36Bとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。
【0045】
絶縁層21は、配線18の一部を覆うように、絶縁層16の上面16Aに設けられている。絶縁層21は、配線18の上面の一部を露出する開口部39を有する。絶縁層21としては、例えば、ポリイミドやエポキシ等の樹脂層を用いることができる。
【0046】
ビア22は、絶縁層21に形成された開口部39に設けられている。ビア22は、配線18と接続されている。ビア22は、シード層41Aと、Cu膜42Aとを有する。シード層41Aは、開口部39の側面に対応する部分の絶縁層21と、開口部39に露出された部分の配線18の上面とを覆うように設けられている。シード層41Aは、電解めっき法によりCu膜42Aを形成する際の給電層である。シード層41Aとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。Cu膜42Aは、シード層41Aが形成された開口部39を充填するように設けられている。
【0047】
配線23は、ビア22の上端部から絶縁層21の上面21Aに亘って設けられている。配線23は、ビア22と接続されている。配線23は、シード層41Bと、Cu膜42Bとを有する。シード層41Bは、開口部39の近傍に位置する絶縁層21の上面21Aに設けられている。シード層41Bは、電解めっき法によりCu膜42Bを形成する際の給電層である。シード層41Bとしては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成されたCu層を用いることができる。
【0048】
本実施の形態の配線基板によれば、酸化されやすい金属層27上に金属層27よりも酸化されにくい金属層28を設け、ビア13とパッド12の構成要素である金属層28とを接続することにより、ビア13とパッド12との間に酸化物が介在することがなくなるため、ビア13とパッド12との密着性が向上し、ビア13とパッド12との間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【0049】
図14〜図24は、本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図である。図14〜図24において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0050】
図14〜図24を参照して、第1の実施の形態の配線基板10の製造方法について説明する。始めに、図14に示す工程では、配線基板10を製造する際の支持板となる金属板46を準備する。金属板46としては、例えば、Cu板を用いることができる。金属板46の厚さは、例えば、0.3mmとすることができる。なお、金属板46の代わりに金属箔を用いてもよい。
【0051】
次いで、図15に示す工程では、金属板46上に開口部47Aを有したレジスト膜47を形成する。開口部47Aは、パッド12の形成領域に対応する部分の金属板46の上面46Aを露出するように形成する。
【0052】
次いで、図16に示す工程では、金属板46を給電層とする電解めっき法により、開口部47Aに露出された部分の金属板46の上面46Aに、金属層26と、酸化されやすい金属層27と、金属層27よりも酸化されにくい金属層28とを連続して形成する(第1及び第2の金属層形成工程)。これにより、金属板46上に金属膜26〜28からなるパッド12が形成される。金属膜26〜28は、同一のめっき装置を用いて形成する。この場合、金属層26を形成するためのめっき液が充填された第1のめっき槽と、金属層27を形成するためのめっき液が充填された第2のめっき槽と、金属層28を形成するためのめっき液が充填された第3のめっき槽とを備えためっき装置を用いるとよい。
【0053】
このように、異なるめっき液が溜められた第1〜第3のめっき槽を有するめっき装置を用いて金属層26〜28を連続形成することにより、酸化されやすい金属層27を形成後、直ぐに金属層27上に金属層27よりも酸化されにくい金属層28を形成することが可能となる。これにより、金属層27に酸化物が形成される時間がなくなるため、金属層27と金属層28との密着性を十分に確保することができる。
【0054】
金属層26としては、例えば、Au層、Sn層、及びSnAg層(めっき法により形成されたSnとAgの合金)等を用いることができる。また、金属層26としてAu層を用いた場合、金属層26の厚さは、例えば、0.1μmとすることができる。
【0055】
金属層27は、金属の酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
は、−32kcalよりも小さい金属により構成されている。金属層27としては、例えば、Ni層を用いることができる。Niの酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
は、−46.1kcalである。金属層27の厚さは、例えば、10μmとすることができる。
【0056】
ここでの酸化されにくい金属層28とは、金属の酸素1グラム原子当たりの酸化に伴う自由エネルギー変化量
が−32kcalよりも大きい金属からなる金属層のことである。このような金属としては、
等がある。金属層28としては、例えば、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層等を用いることができる。金属層28としてCu層を用いた場合、金属層28の厚さは、例えば、10μmとすることができる。なお、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層のうち、少なくとも2つの層を積層させたものを酸化されにくい金属層28として用いてもよい。
【0057】
次いで、図17に示す工程では、図16に示すレジスト膜47を除去し、その後、金属板46及びパッド12上に、開口部25を有した絶縁層11を形成する。開口部25は、絶縁層11をレーザ加工して形成する。このとき、開口部25は、金属層28の上面を露出するように形成する。絶縁層11としては、例えば、エポキシやポリイミド等の樹脂層を用いることができる。
【0058】
次いで、図18に示す工程では、開口部25の側面に対応する部分の樹脂層11の面、及び開口部25に露出された部分の金属層28の上面を覆うシード層31Aと、樹脂層11の上面11Aを覆うシード層31Bとを同時に形成する。シード層31A,31Bは、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、無電解めっき法等の方法により形成することができる。シード層31A,31Bとしては、例えば、Cu層を用いることができる。シード層31A,31Bの厚さは、例えば、3μmとすることができる。
【0059】
次いで、図19に示す工程では、シード層31B上に開口部49Aを有したレジスト膜49を形成する。開口部49Aは、ビア13及び配線14の形成領域に対応する部分のシード層31A,31Bを露出するように形成する。
【0060】
次いで、図20に示す工程では、シード層31A,31Bを給電層とする電解めっき法により、開口部49Aに露出されたシード層31A,31B上にCu膜32A,32Bを同時に形成する。これにより、開口部25にシード層31A及びCu膜32Aよりなるビア13が形成される(ビア形成工程)。ビア13は、金属層27よりも酸化されにくい金属層28と接続される。
【0061】
このように、金属層27よりも酸化されにくい金属層28とビア13とを接続することにより、パッド12とビア13との間に酸化物が介在することがなくなるため、パッド12とビア13との密着性が向上し、パッド12とビア13との間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【0062】
次いで、図21に示す工程では、図20に示すレジスト膜49を除去する。次いで、図22に示す工程では、Cu膜32Bに覆われていないシード層31B(図21参照)をエッチングにより除去する。これにより、シード層31B及びCu膜32Bよりなる配線14が形成される。
【0063】
次いで、図23に示す工程では、先に説明した図17〜図22に示す工程と同様な処理を繰り返し行うことにより、金属板46上に、樹脂層16,21、ビア17,22、及び配線18,23を形成する。これにより、金属板46上に、配線基板10に相当する構造体が形成される。
【0064】
次いで、図24に示す工程では、図23に示す金属板46をエッチングにより除去する。これにより、配線基板10が製造される。
【0065】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、パッドを構成する金属層26、金属層27、及び金属層27よりも酸化されにくい金属層28をめっき法により連続して形成することにより、金属層27に酸化物が形成される時間がなくなるため、金属層27と金属層28との密着性を向上させることができる。
【0066】
また、金属層27よりも酸化されにくい金属層28とビア13とを接続することにより、パッド12とビア13との間に酸化物が介在することがなくなるため、パッド12とビア13との密着性が向上し、パッド12とビア13との間の電気的接続信頼性を十分に確保することができる。
【0067】
なお、図16に示す工程と図17に示す工程との間に、金属層28の上面を粗化する工程を設けてもよい。このように、金属層28の上面を粗化処理することにより、パッド12とビア13の密着性を向上させることができる。上記粗化処理は、エッチング液により金属層28の上面を荒らすことにより行うことができる。従来のパッド102(図1参照)ではパッド102の最上層に酸化されやすいNi層117があるため、Ni層117を粗化処理した場合、Ni層117上に酸化膜が形成されてしまうが、本実施の形態の場合、酸化されにくい金属層28を粗化処理することにより、金属層28上に酸化膜が形成されることを防止できるため、パッド12とビア13の密着性を向上させることができる。
【0068】
(第2の実施の形態)
図25は、本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の断面図である。図25において、第1の実施の形態の配線基板10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0069】
図25を参照するに、第2の実施の形態の配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10に設けられたパッド12の代わりにパッド61を設けた以外は、配線基板10と同様に構成される。
【0070】
パッド61は、金属層26と、金属層63と、金属層27と、金属層27よりも酸化されにくい金属層28とが順次積層された構成とされている。つまり、パッド61は、第1の実施の形態で説明したパッド12の金属層26と金属層27との間に、さらに金属層63を設けた以外はパッド12と同様に構成される。
【0071】
金属層63は、金属層26の酸化を防止する機能を有した金属層である。金属層63としては、例えば、Pd層を用いることができる。金属層63の厚さは、例えば、0.1μmとすることができる。
【0072】
本実施の形態の配線基板によれば、金属層26と酸化されやすい金属層27との間に、金属層26の酸化を防止する機能を有した金属層63を設けることにより、金属層26の酸化を抑制できる。また、本実施の形態の配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10と同様な効果を得ることができる。
【0073】
また、本実施の形態の配線基板60は、第1の実施の形態の配線基板10と同様な手法により製造することができ、第1の実施の形態の配線基板10の製造方法と同様な効果を得ることができる。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、配線基板から露出された金属層と、金属層とビアとの間に設けられ、ビアに含まれる金属が金属層に拡散することを防止する第1の金属層とを有するパッドを備えた配線基板及びその製造方法に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】従来の配線基板の断面図である。
【図2】従来の配線基板の製造工程を示す図(その1)である。
【図3】従来の配線基板の製造工程を示す図(その2)である。
【図4】従来の配線基板の製造工程を示す図(その3)である。
【図5】従来の配線基板の製造工程を示す図(その4)である。
【図6】従来の配線基板の製造工程を示す図(その5)である。
【図7】従来の配線基板の製造工程を示す図(その6)である。
【図8】従来の配線基板の製造工程を示す図(その7)である。
【図9】従来の配線基板の製造工程を示す図(その8)である。
【図10】従来の配線基板の製造工程を示す図(その9)である。
【図11】従来の配線基板の製造工程を示す図(その10)である。
【図12】従来の配線基板の製造工程を示す図(その11)である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その1)である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その2)である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その3)である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その4)である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その5)である。
【図19】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その6)である。
【図20】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その7)である。
【図21】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その8)である。
【図22】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その9)である。
【図23】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その10)である。
【図24】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を示す図(その11)である。
【図25】本発明の第2の実施の形態に係る配線基板の断面図である。
【符号の説明】
【0077】
10,60 配線基板
11,16,21 絶縁層
11A,16A,21A,46A 上面
11B,26A 下面
12,61 パッド
13,17,22 ビア
14,18,23 配線
25,34,39,47A,49A 開口部
26〜28,63 金属層
31A,31B,36A,36B,41A,41B シード層
32A,32B,37A,37B,42A,42B Cu膜
46 金属板
47,49 レジスト膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッドと、前記パッドと接続されるビアとを備えた配線基板であって、
前記パッドは、前記配線基板から露出された金属層と、
前記配線基板から露出された金属層と前記ビアとの間に設けられ、前記ビアに含まれる金属が前記配線基板から露出された金属層に拡散することを防止する第1の金属層と、
前記ビアと前記第1の金属層との間に設けられ、前記第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層と、を有しており、
前記パッドを構成する金属層のうち、前記第2の金属層の上面が粗化処理されており、
前記パッドは、その側面、及び、前記第2の金属層側の面が絶縁層により覆われており、前記配線基板から露出された金属層側の面が前記絶縁層より露出しており、
前記絶縁層には、前記第2金属層の前記粗化処理された面を露出する開口部が形成され、
前記開口部に前記第2の金属層の粗化処理された面に接続される前記ビアが形成されており、
前記絶縁層の上面には前記ビアと接続された配線が設けられていることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記絶縁層の上面、前記絶縁層に設けられた前記開口部の側面、および、前記開口部から露出する前記第2の金属層の粗化処理された面にシード層が設けられており、
前記シード層上にはさらにCu膜が設けられ、
前記シード層および前記Cu膜により、前記ビアおよび前記配線が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記絶縁層および前記配線の上面にはさらに、他の絶縁層、他の配線が複数形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記配線基板から露出された金属層が、Au層、Sn層、SnAg層から選択される層であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の配線基板。
【請求項5】
前記第1の金属層が、Ni層であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の配線基板。
【請求項6】
前記第2の金属層は、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層のうちの少なくとも1つの層からなることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の配線基板。
【請求項7】
パッドと、前記パッドと接続されるビアとを備えた配線基板の製造方法であって、
前記パッドは、前記配線基板から露出された金属層と、
前記配線基板から露出された金属層と前記ビアとの間に設けられ、前記ビアに含まれる金属が前記配線基板から露出された金属層に拡散することを防止する第1の金属層と、
前記ビアと前記第1の金属層との間に設けられ、前記第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層と、を有しており、
支持板上に、めっき法により、前記配線基板から露出された金属層と、前記第1の金属層と、前記第2の金属層とを順次積層し、パッドを形成する工程と、
前記パッドを構成する金属層のうち、前記第2の金属層の上面を粗化処理する工程と、
前記支持板および前記パッド上に絶縁層を形成し、前記パッドの側面、及び、前記第2の金属層側の面を前記絶縁層により覆う、絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に前記第2の金属層の粗化処理された面を露出する開口部を形成する工程と、
前記開口部に前記第2の金属層の粗化処理された面と接続する前記ビアを形成し、前記絶縁層上に前記ビアと接続される配線を形成するビア形成工程と、
前記支持板を除去し、前記パッドの、前記配線基板から露出された金属層側の面を前記絶縁層から露出させる工程と、
を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁層の上面、前記絶縁層に設けられた前記開口部の側面、および、前記開口部から露出する前記第2の金属層の粗化処理された面にシード層を形成し、
前記シード層上にはCu膜を形成し、
前記シード層および前記Cu膜により、前記ビアおよび前記配線を形成することを特徴とする請求項7に記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記絶縁層および前記配線の上面に、さらに他の絶縁層、他の配線を複数形成することを特徴とする請求項7または8に記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記配線基板から露出された金属層が、Au層、Sn層、SnAg層から選択される層であることを特徴とする請求項7乃至9いずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記第1の金属層が、Ni層であることを特徴とする請求項7乃至10いずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項12】
前記第2の金属層は、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層のうちの少なくとも1つの層からなることを特徴とする請求項7乃至11いずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項1】
パッドと、前記パッドと接続されるビアとを備えた配線基板であって、
前記パッドは、前記配線基板から露出された金属層と、
前記配線基板から露出された金属層と前記ビアとの間に設けられ、前記ビアに含まれる金属が前記配線基板から露出された金属層に拡散することを防止する第1の金属層と、
前記ビアと前記第1の金属層との間に設けられ、前記第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層と、を有しており、
前記パッドを構成する金属層のうち、前記第2の金属層の上面が粗化処理されており、
前記パッドは、その側面、及び、前記第2の金属層側の面が絶縁層により覆われており、前記配線基板から露出された金属層側の面が前記絶縁層より露出しており、
前記絶縁層には、前記第2金属層の前記粗化処理された面を露出する開口部が形成され、
前記開口部に前記第2の金属層の粗化処理された面に接続される前記ビアが形成されており、
前記絶縁層の上面には前記ビアと接続された配線が設けられていることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記絶縁層の上面、前記絶縁層に設けられた前記開口部の側面、および、前記開口部から露出する前記第2の金属層の粗化処理された面にシード層が設けられており、
前記シード層上にはさらにCu膜が設けられ、
前記シード層および前記Cu膜により、前記ビアおよび前記配線が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記絶縁層および前記配線の上面にはさらに、他の絶縁層、他の配線が複数形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記配線基板から露出された金属層が、Au層、Sn層、SnAg層から選択される層であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の配線基板。
【請求項5】
前記第1の金属層が、Ni層であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の配線基板。
【請求項6】
前記第2の金属層は、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層のうちの少なくとも1つの層からなることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の配線基板。
【請求項7】
パッドと、前記パッドと接続されるビアとを備えた配線基板の製造方法であって、
前記パッドは、前記配線基板から露出された金属層と、
前記配線基板から露出された金属層と前記ビアとの間に設けられ、前記ビアに含まれる金属が前記配線基板から露出された金属層に拡散することを防止する第1の金属層と、
前記ビアと前記第1の金属層との間に設けられ、前記第1の金属層よりも酸化されにくい第2の金属層と、を有しており、
支持板上に、めっき法により、前記配線基板から露出された金属層と、前記第1の金属層と、前記第2の金属層とを順次積層し、パッドを形成する工程と、
前記パッドを構成する金属層のうち、前記第2の金属層の上面を粗化処理する工程と、
前記支持板および前記パッド上に絶縁層を形成し、前記パッドの側面、及び、前記第2の金属層側の面を前記絶縁層により覆う、絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に前記第2の金属層の粗化処理された面を露出する開口部を形成する工程と、
前記開口部に前記第2の金属層の粗化処理された面と接続する前記ビアを形成し、前記絶縁層上に前記ビアと接続される配線を形成するビア形成工程と、
前記支持板を除去し、前記パッドの、前記配線基板から露出された金属層側の面を前記絶縁層から露出させる工程と、
を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁層の上面、前記絶縁層に設けられた前記開口部の側面、および、前記開口部から露出する前記第2の金属層の粗化処理された面にシード層を形成し、
前記シード層上にはCu膜を形成し、
前記シード層および前記Cu膜により、前記ビアおよび前記配線を形成することを特徴とする請求項7に記載の配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記絶縁層および前記配線の上面に、さらに他の絶縁層、他の配線を複数形成することを特徴とする請求項7または8に記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記配線基板から露出された金属層が、Au層、Sn層、SnAg層から選択される層であることを特徴とする請求項7乃至9いずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記第1の金属層が、Ni層であることを特徴とする請求項7乃至10いずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項12】
前記第2の金属層は、Cu層、Ag層、Au層、及びPd層のうちの少なくとも1つの層からなることを特徴とする請求項7乃至11いずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−138632(P2012−138632A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−93164(P2012−93164)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2006−327493(P2006−327493)の分割
【原出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2006−327493(P2006−327493)の分割
【原出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】
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