説明

配線基板及び半導体装置

【課題】気泡の発生を抑制する箇所を別途に設けること無く、気泡の発生を十分に抑制し得る配線基板及び半導体装置を提供する。
【解決手段】絶縁テープ上に導電性を有する配線パターン3aが設けられたCOF用テープ1であって、配線パターン3aは、少なくとも、実装領域の一端から他端まで連続して設けられており、配線パターン3aのうちの実装領域に設けられた部分は、平面視で、第1の直線部13aと、第2の直線部15aと、これら直線部13a、15aが鈍角に交わる屈曲部14aと、を有する。このような構成であれば、屈曲部は90゜よりも大きな角度で開いているので、樹脂封止の際に空気が取り込まれたとしても、取り込まれた空気は屈曲部に溜まり難く、実装領域からその外側へ排出され易い。従って、気泡の発生を十分に抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及び半導体装置に関し、例えば、フレキシブル配線基板上に半導体素子を実装するチップ・オン・フィルム(以下、COFとする)に用いられるCOF用テープと、それを用いた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
COF用テープを用いた半導体装置は、絶縁テープを貫通せずに表面の保護膜としてのソルダーレジストに対する開口部に半導体素子を実装した構成を基本とする。
COF用テープを用いた半導体装置の場合、一般に絶縁テープ上に配設された導電性を有する配線パターン上を覆ったソルダーレジストの開口部分を半導体素子への実装に供する他、半導体素子実装面下の配線パターンの露呈箇所を含む絶縁テープ局部の露呈面上と半導体素子側面との隙間部分に対して封止のために樹脂材(例えば、アンダーフィル材)を充填する構成としている。
【0003】
ところが、アンダーフィル材の充填時に空気が巻き込まれたり、空気が残存したりして、気泡が発生する場合がある。樹脂材充填時に配線パターンの露呈箇所に樹脂の未充填や気泡が残存すると、端子が腐食したり、リーク電流が増大したりする等の不具合を誘発する可能性がある。このため、樹脂封止時には気泡の発生を抑制する必要がある。こうした気泡の発生の抑制に関連する技術としては、例えばソルダーレジストの開口部分のコーナー部に配線パターンと同じ材質のダミーパターンを設け、アンダーフィル材(樹脂材)のコーナー部からの流動速度を低減することで、半導体素子表面と絶縁テープとの間への樹脂流動に伴う空気の巻き込による気泡を抑制するようにしたもの(特許文献1参照)が挙げられる。或いは基板上の半導体チップ実装面下に複数の凸部を形成し、アンダーフィル材の流路を形成することで気泡の発生を抑え込むようにしたもの(特許文献2参照)等が挙げられる
【特許文献1】特開2002−124526号公報
【特許文献2】特開2004−207296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した樹脂材(アンダーフィル材)による樹脂封止を行うCOF用テープを用いた半導体装置の場合、樹脂材の充填時に気泡の発生を抑制するために特許文献1や特許文献2に開示されたような技術を用いれば、或る程度の成果は得られる。しかしながら、ダミーパターンや凸部のように屈曲した角部が多く存在すると、アンダーフィル材が流動する際に屈曲した角部に空気が溜まりやすく、気泡の発生を十分に抑制できない可能性がある。
又、最近のCOF用テープ上に配設される配線パターンには高密度化が要求されており、半導体素子自体の突起(バンプ)電極端子への接続を行う部分以外に半導体素子実装面下やその近傍で引き回しを行う方が回路設計上で都合良い場合も少なくない。そうした場合には、特許文献1や特許文献2のように、電気回路機能に関与しない気泡の発生を抑制する箇所を別途に設ける構成はスペース上の制約面で不利なだけでなく、配線パターンの高密度化や引き回しへの妨げになり易い。
【0005】
また、本発明者の知見によれば、特許文献1や特許文献2のような気泡の発生を抑制する箇所を別途に設けないとしても、配線パターンが90゜以下に折れ曲がった屈曲部を含む場合は、当該屈曲部に空気が溜まりやすく、気泡の発生を十分に抑制することができない可能性があった。
そこで、本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであって、気泡の発生を抑制する箇所を別途に設けること無く、気泡の発生を十分に抑制し得る配線基板及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するための第1の発明は、
絶縁性の基材上に導電性を有する配線パターンが設けられた配線基板であって、前記配線パターンは、少なくとも、半導体素子の実装に供される実装領域の一端から他端まで連続して設けられており、前記配線パターンのうちの前記実装領域に設けられた部分は、平面視で、第1の直線部と、第2の直線部と、前記第1の直線部と前記第2の直線部とが鈍角に交わる屈曲部と、を有することを特徴とする配線基板である。
【0007】
このような構成によれば、配線基板の実装領域に半導体素子の一方の面を取り付け、半導体素子の一方の面と配線基板との間(以下、流し込み面ともいう。)に樹脂材を導入する(即ち、樹脂封止する)際に、流し込み面に空気が取り込まれたとしても、屈曲部は90゜よりも大きな角度で開いているので、取り込まれた空気は屈曲部に溜まり難く、実装領域からその外側へ排出され易い。従って、気泡の発生を十分に抑制することができる。即ち、第1の発明によれば、気泡の発生を抑制する箇所を別途に設けること無く、配線パターンの高密度化や引き回しを妨げずに、樹脂封止時に発生する気泡を十分に抑制し得る。
【0008】
第2の発明は、
絶縁性の基材上に導電性を有する配線パターンが設けられた配線基板であって、前記配線パターンは、少なくとも、半導体素子の実装に供される実装領域の一端から他端まで連続して設けられており、前記配線パターンのうちの前記実装領域に設けられた部分は、平面視で、直線部と、曲線部と、前記直線部と前記曲線部の接線とが直角又は鈍角に交わる屈曲部と、を有することを特徴とする配線基板である。
このような構成によれば、樹脂封止する際に流し込み面の配線が曲線となっているために配線部に空気が溜まり難く、また空気が取り込まれたとしても、屈曲部は大きく開いているので、取り込まれた空気も屈曲部に溜まり難く、実装領域からその外側へ排出され易い。従って、気泡の発生を十分に抑制することができる。即ち、第2の発明によれば、気泡の発生を抑制する箇所を別途に設けること無く、配線パターンの高密度化や引き回しを妨げずに樹脂封止時に発生する気泡を十分に抑制し得る。
【0009】
第3の発明は、
絶縁性の基材上に導電性を有する配線パターンが設けられた配線基板であって、前記配線パターンは、少なくとも、半導体素子の実装に供される実装領域の一端から他端まで連続して設けられており、前記配線パターンのうちの前記実装領域に設けられた部分は、第1の配線パターンと、前記第1の配線パターンに平面視で並ぶように設けられた第2の配線パターンと、を有し、前記第1の配線パターンは、平面視で、第1の直線部と、第2の直線部と、前記第1の直線部と前記第2の直線部とが直角に交わる第1の屈曲部と、を有し、前記第2の配線パターンは、平面視で、第3の直線部と、第4の直線部と、前記第3の直線部と前記第4の直線部とが直角に交わる第2の屈曲部と、を有し、前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとの離間距離は、前記第1の屈曲部と前記第2の屈曲部との間で最大となっていることを特徴とする配線基板である。
【0010】
このような構成によれば、樹脂封止する際に流し込み面に空気が取り込まれたとしても、取り込まれた空気は、空気の溜まりやすい第1の屈曲部及び第2の屈曲部との間でその排出経路が拡大されているので、屈曲部からその外側へ排出され易い。従って、気泡の発生を十分に抑制することができる。即ち、第3の発明によれば、気泡の発生を抑制する箇所を別途に設けること無く、配線パターンの高密度化や引き回しを妨げずに樹脂封止時に発生する気泡を十分に抑制し得る。
【0011】
第4の発明は、
第1から第3の何れか一の発明において、前記基材は、可塑性を有する絶縁テープであることを特徴とする配線基板である。ここで、「可塑性」とは変形し易い性質のことである。このような構成であれば、例えば、気泡の発生を抑制する箇所を別途に設けること無く、配線パターンの高密度化や引き回しを妨げずに樹脂封止時に発生する気泡を十分に抑制し得るCOF用テープを提供できる。
【0012】
第5の発明は、
発明1から発明4の何れか一の配線基板と、前記配線基板の前記実装領域に一方の面が取り付けられた半導体素子と、前記半導体素子の一方の面と前記配線基板との間に導入された樹脂材と、を有することを特徴とする半導体装置である。このような構成であれば、樹脂封止の際に気泡の発生を十分に抑制することができるので、例えば、気泡に起因した配線パターン等の腐食や、リーク電流が増大したりする等の不具合を防止することができる。半導体装置の歩留まりや、信頼性の向上に寄与することができる。
第6の発明は、
第5の発明において、前記樹脂材は、アンダーフィル材であることを特徴とする半導体装置である。このような構成であれば、アンダーフィル材に気泡を残さないように樹脂封止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置の構成例を示す断面図である。
図1に示すように、この半導体装置は、例えば以下のような構造を有している。即ち、例えばポリイミド材を用いた可撓性を有する絶縁テープ2上に銅、錫、金、ニッケル、銀等の導電材による配線パターン3が配設されている。なお、配線パターン3は1種類の導電材からなる単層構造であっても良く、また単層構造に限定されず、例えば、銅+錫メッキからなる積層構造、又は、銅+(ニッケル)+金メッキからなる積層構造であっても良い。また、この配線パターン3を含む絶縁テープ2上を絶縁材による保護膜としてのソルダーレジスト4が覆っている。そして、これら絶縁テープ2と、配線パターン3及びソルダーレジスト4によって、COF用テープ1が構成されている。
【0014】
また、このCOF用テープ1におけるソルダーレジスト4の開口部分には、ICチップ5を実装するための実装領域が設けられている。この実装領域において、ICチップ5の突起電極端子(以下、バンプともいう。)7と配線パターン3とが接触して、導通接続されている。また、ICチップ5の実装面(即ち、集積回路が形成された能動面)と、COF用テープ1との間にはアンダーフィル6が注入されており、これにより、能動面の樹脂封止がなされている。
【0015】
なお、アンダーフィル6について、図1中でアンダーフィル6aはICチップ5側面に多く存在する部分を示し、アンダーフィル6bはICチップ5実装面下に多く存在する部分を示すものとして区別しているが、実際には樹脂封止時にアンダーフィル材が充填されて硬化されることにより一体化形成される。又、バンプ7は、ICチップ5に対して例えばAu−Sn共晶接合されるか、或いはAu−Au固相拡散接合されたものである。さらに、配線パターン3について、図1の紙面の手前と奥側にも複数本の配線パターンが形成されている。図1には示されないが、これら配線パターン3のうちの一部(例えば、以下で説明する配線パターン3a〜3m)は、バンプ7と接合するためではなく、引き回しの都合から実装領域に延設されたものである。
【0016】
図2は、本発明の第1実施形態に係るCOF用テープ1の構成例を示す平面図である。図2に示すように、COF用テープ1は、そのICチップが実装される領域(以下、単に実装領域ともいう。)に複数本の配線パターン3a及び3bを有する。これらのうち、配線パターン3aは、実装領域の一端(例えば、図2の左側の端部)から他端(例えば、図2の右側の端部)まで連続して設けられている。また、配線パターン3aは、第1の直線部13aと、第2の直線部15aと、これら直線部13a、15aが平面視で鈍角(即ち、90゜よりも大きく、且つ、180゜よりも小さい範囲の角度)に交わる屈曲部14aと、を有する。
【0017】
一方、配線パターン3bは、平面視で配線パターン3aと並行して設けられており、配線パターン3aと同様、実装領域の一端から他端まで連続して設けられている。この配線パターン3bも、配線パターン3aと同様、第1の直線部13bと、第2の直線部15bと、これら直線部13a、15aが平面視で鈍角に交わる屈曲部14bと、を有する。例えば、屈曲部14a、14bの折れ曲がり角度をそれぞれθとすると、θ=120゜である。
このように、本発明の第1実施形態によれば、例えば引き回しの都合から、実装領域に配線パターン3a、3bが延設されている。そして、これら配線パターン3a、3bは、それぞれ屈曲部14a、14bを有し、これら屈曲部14a、14bの折れ曲がり角度θはそれぞれ鈍角となっている。
【0018】
このような構成であれば、COF用テープ1に設定されている実装領域にICチップ5の能動面を取り付けた(即ち、ICチップ5を実装した)後、ICチップ5の能動面とCOF用テープ1との間(以下、流し込み面ともいう)にアンダーフィル6を注入する(即ち、樹脂封止する)際に、流し込み面に空気が取り込まれたとしても、屈曲部14a、14bはそれぞれ90゜よりも大きな角度で開いているので、取り込まれた空気は屈曲部14a、14bに溜まり難く、実装領域からその外側へ排出され易い。従って、気泡の発生を十分に抑制することができる。
即ち、本発明の第1実施形態によれば、気泡の発生を抑制する箇所を別途に設けること無く、配線パターン3a、3bの高密度化や引き回しを妨げずに、樹脂封止時に発生する気泡を十分に抑制し得る。これにより、例えば、気泡に起因した配線パターン等の腐食や、リーク電流が増大したりする等の不具合を防止することができる。よって、半導体装置の歩留まりや、信頼性の向上に寄与することができる。
【0019】
(第2実施形態)
上記の第1実施形態では、配線パターンのうちの実装領域に形成された部分が、屈曲部を有し、その角度θが鈍角である場合について説明した。しかしながら、本発明の配線基板の構成はこれに限られることはなく、例えば、以下の第2〜第3実施形態に示すような形態であっても良い。
図3は、本発明の第2実施形態に係るCOF用テープ1の構成例を示す平面図である。図2に示すCOF用テープ1において、その断面視による形状は図1を参照しながら説明した通りであるため、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】
図3に示すように、第2実施形態に係るCOF用テープ1は、その実装領域に複数本の配線パターン3c及び3dを有する。これらのうち、配線パターン3cは、実装領域の一端(例えば、図3の左側の端部)から他端(例えば、図3の右側の端部)まで連続して設けられている。また、配線パターン3cは、直線部13cと、曲線部16cと、これら直線部13aと曲線部16cの接線とが平面視でθ=90゜以上の角度で交わる屈曲部14aと、を有する。
一方、配線パターン3dは、平面視で配線パターン3cと並行して設けられており、配線パターン3cと同様、実装領域の一端から他端まで連続して設けられている。この配線パターン3dも、配線パターン3cと同様、直線部13dと、曲線部16dと、直線部13dと曲線部16dの接線が平面視で90゜以上の角度で交わる屈曲部14dと、を有する。
【0021】
このような構成であれば、樹脂封止の際に、流し込み面に空気が取り込まれたとしても、屈曲部14c、14dは大きく開いているので、取り込まれた空気は屈曲部14c、14dに溜まり難く、実装領域からその外側へ排出され易い。従って、気泡の発生を十分に抑制することができる。即ち、本発明の第2実施形態によれば、気泡の発生を抑制する箇所を別途に設けること無く、配線パターン3c、3dの高密度化や引き回しを妨げずに、樹脂封止時に発生する気泡を十分に抑制し得る。これにより、例えば、気泡に起因した配線パターン等の腐食や、リーク電流が増大したりする等の不具合を防止することができる。よって、半導体装置の歩留まりや、信頼性の向上に寄与することができる。
【0022】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係るCOF用テープ1の構成例を示す平面図である。図4に示すCOF用テープ1において、その断面視による形状は図1を参照しながら説明した通りである。
図4に示すように、第3実施形態に係るCOF用テープ1は、その実装領域に複数本の配線パターン3e及び3fを有する。これらのうち、配線パターン3eは、実装領域の一端(例えば、図4の左側の端部)から他端(例えば、図4の右側の端部)まで連続して設けられている。また、配線パターン3eは、第1の直線部13eと、第2の直線部15eと、これら直線部13e、15eが平面視で直角(即ち、θ=90゜)で交わる屈曲部14eと、を有する。
【0023】
一方、配線パターン3fは、平面視で配線パターン3eと並行して設けられており、配線パターン3eと同様、実装領域の一端から他端まで連続して設けられている。この配線パターン3fも、配線パターン3eと同様、第1の直線部13fと、第2の直線部15fと、これら直線部13f、15fが平面視で直角(即ち、θ=90゜)で交わる屈曲部14fと、を有する。
そして、この第3実施形態に係るCOF用テープ1では、配線パターン3eと配線パターン3fとの離間距離(即ち、配線ピッチ)は、屈曲部14eと屈曲部14fとの間で最大となっている。つまり、屈曲部の配線ピッチが直線部の配線ピッチよりも広くなっている。
【0024】
このような構成であれば、樹脂封止の際に、流し込み面に空気が取り込まれたとしても、取り込まれた空気は、空気の溜まりやすい第1の屈曲部14e及び第2の屈曲部14fとの間でその排出経路が拡大されているので、実装領域らその外側へ排出され易い。従って、気泡の発生を十分に抑制することができる。即ち、本発明の第3実施形態によれば、気泡の発生を抑制する箇所を別途に設けること無く、配線パターンの高密度化や引き回しを妨げずに樹脂封止時に発生する気泡を十分に抑制し得る。これにより、第1、第2実施形態と同様、半導体装置の歩留まりと信頼性の向上に寄与することができる。
なお、上記の第1〜第3実施形態では、屈曲部の角部に丸みを持たせてもよい。例えば、図5に示すように、配線パターン3aでは、第1の直線部13aと第2の直線部15aとが鈍角に交わる屈曲部14aにおいて、その角部は丸みを有していても良い。このような構成であれば、屈曲部14aの角部が尖っている場合と比べて、空気の排出がさらに容易となり、気泡の発生抑制効果をよりいっそう高めることができる。
【0025】
(比較形態)
図6は、上述した半導体装置に用いられる比較形態に係るCOF用テープ1´の構成例を示す平面図である。
比較形態に係るCOF用テープは、その実装領域に複数本の配線パターン3k及び3mを有する。これらのうち、配線パターン3kは、平面視で、第1の直線部13kと、第2の直線部15kと、これら直線部13k、15kが直角に交わる屈曲部14kとを有する。また、配線パターン3mは、平面視で、第1の直線部13mと、第2の直線部15mと、これら直線部13m、15mが直角に交わる屈曲部14mとを有する。そして、この比較形態においては、屈曲部14k、14mの配線ピッチが直線部の配線ピッチと同程度になっている。つまり、実装領域において、配線ピッチはほぼ均一となっている。本発明者の知見によれば、このような構成の場合は、上記の第1〜第3実施形態と比べて気泡発生の抑止効果は小さい。
即ち、上記の第1〜第3実施形態と比べて、屈曲部はそれほど大きくは開いていないので、樹脂封止の際に取り込まれた空気は屈曲部に溜まり易く、実装領域の外側へ排出され難い。従って、上記の第1〜第3実施形態と比べれば、気泡Vを有する確率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の構成例を示す図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るCOF用テープ1の構成例を示す図。
【図3】本発明の第2実施形態に係るCOF用テープ1の構成例を示す図。
【図4】本発明の第3実施形態に係るCOF用テープ1の構成例を示す図。
【図5】屈曲部の角部に丸みを持たせた例を示す図。
【図6】本発明の比較形態に係るCOF用テープ1´の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0027】
1、1´ COF用テープ(配線基板の一例)、2 絶縁テープ(絶縁性の基材の一例)、3、3a〜3m 配線パターン、4 ソルダーレジスト、5 ICチップ(半導体素子の一例)、6、6a、6b アンダーフィル(樹脂材の一例)、7 突起電極端子、13a〜13m 第1の直線部、14a〜14m 屈曲部、15a〜15m 第2の直線部、16c、16d 曲線部、 V 気泡、θ 屈曲部の角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の基材上に導電性を有する配線パターンが設けられた配線基板であって、
前記配線パターンは、少なくとも、半導体素子の実装に供される実装領域の一端から他端まで連続して設けられており、
前記配線パターンのうちの前記実装領域に設けられた部分は、平面視で、第1の直線部と、第2の直線部と、前記第1の直線部と前記第2の直線部とが鈍角に交わる屈曲部と、を有することを特徴とする配線基板。
【請求項2】
絶縁性の基材上に導電性を有する配線パターンが設けられた配線基板であって、
前記配線パターンは、少なくとも、半導体素子の実装に供される実装領域の一端から他端まで連続して設けられており、
前記配線パターンのうちの前記実装領域に設けられた部分は、平面視で、直線部と、曲線部と、前記直線部と前記曲線部の接線とが直角又は鈍角に交わる屈曲部と、を有することを特徴とする配線基板。
【請求項3】
絶縁性の基材上に導電性を有する配線パターンが設けられた配線基板であって、
前記配線パターンは、少なくとも、半導体素子の実装に供される実装領域の一端から他端まで連続して設けられており、
前記配線パターンのうちの前記実装領域に設けられた部分は、第1の配線パターンと、前記第1の配線パターンに平面視で並ぶように設けられた第2の配線パターンと、を有し、
前記第1の配線パターンは、平面視で、第1の直線部と、第2の直線部と、前記第1の直線部と前記第2の直線部とが直角に交わる第1の屈曲部と、を有し、
前記第2の配線パターンは、平面視で、第3の直線部と、第4の直線部と、前記第3の直線部と前記第4の直線部とが直角に交わる第2の屈曲部と、を有し、
前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとの離間距離は、前記第1の屈曲部と前記第2の屈曲部との間で最大となっていることを特徴とする配線基板。
【請求項4】
前記基材は、可塑性を有する絶縁テープであることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の配線基板と、
前記配線基板の前記実装領域に一方の面が取り付けられた半導体素子と、
前記半導体素子の一方の面と前記配線基板との間に導入された樹脂材と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
前記樹脂材は、アンダーフィル材であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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