配線基板及び配線基板の製造方法
【課題】 アルミニウムを酸化してなる絶縁部分の靱性を高めた配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 図1(A)に示すアルミニウム板20に陽極酸化で酸化アルミニウム絶縁部分24を形成する(図1(C))。そして、酸化アルミニウム24の空孔(ナノホール)24hを樹脂30で充填する(図1(E))。これにより、絶縁部分24の靱性(強度)が高まり、ヒートサイクルにおいてクラックが入ることが無くなる。また、酸化アルミニウムの絶縁信頼性を向上させ、該酸化アルミニウム24で隔絶されるスルーホール(アルミニウム部分)26での短絡を防止することができる。
【解決手段】 図1(A)に示すアルミニウム板20に陽極酸化で酸化アルミニウム絶縁部分24を形成する(図1(C))。そして、酸化アルミニウム24の空孔(ナノホール)24hを樹脂30で充填する(図1(E))。これにより、絶縁部分24の靱性(強度)が高まり、ヒートサイクルにおいてクラックが入ることが無くなる。また、酸化アルミニウムの絶縁信頼性を向上させ、該酸化アルミニウム24で隔絶されるスルーホール(アルミニウム部分)26での短絡を防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化物からなる絶縁基板とその絶縁基板を貫通し、金属酸化物を構成している金属からなるスルーホール導体を有する配線基板およびその配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、導電領域と絶縁領域を有するコア基板にビルドアップ層を形成する方法を開示している。特許文献1では、アルミニウムを部分的に酸化することで、アルミニウム(導電領域)と酸化アルミニウム(絶縁領域)とからなるコア基板が形成されている。また、特許文献1の絶縁領域はポーラス領域とノン−ポーラス領域とからなり、ポーラス層は非導電性特性を提供し、緻密な領域は導電性領域が酸化することを防ぐバリア層として機能すると特許文献1は開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US6899815B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のコア基板の絶縁領域はポーラス領域を有しているので、特許文献1のコア基板を配線基板に用いると、その配線基板の強度は小さいと考えられる。そのため、配線基板の反り量や曲がり量が大きくなると推察される。また、ポーラス領域の穴に水分が入り、配線基板の絶縁抵抗が小さくなると推察される。
【0005】
本発明の目的は、アルミニウムなどの金属とその金属酸化物を有する配線基板の信頼性を向上すること、及び該配線基板の信頼性を向上することが可能な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る配線基板は、第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有し、孔を有する金属酸化物からなる絶縁基板と、
前記絶縁基板を貫通し、前記金属酸化物を構成している金属からなるスルーホール導体と、を有している。
そして、前記孔には充填剤が形成されている。
【0007】
また、本発明に係る配線基板の製造方法は、第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する金属板の第1面に陽極酸化用のレジストを形成することと、
前記金属板の第2面に保護膜を形成することと、
前記金属板を陽極酸化浴に浸漬することと、
前記金属板を陽極として、前記陽極酸化用のレジストから露出している前記金属板の金属を第1面から第2面に向かって酸化することと、
前記陽極酸化用のレジストを除去することと、
前記保護膜を除去すること、とを有している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプリント配線板の製造方法を示す断面図である。
【図3】陽極酸化浴の説明図である。
【図4】図4(A)は孔を有する金属酸化物の断面を示す模式図であり、図4(B)は図4(A)のb−b面を示す模式図である。図4(C)は、充填剤形成後の金属酸化物の断面を示す模式図である。
【図5】主孔と副孔とからなる孔を拡大して示す模式図である。
【図6】実施形態の酸化アルミニウムの顕微鏡写真である。
【図7】図7(A)は数%のしゅう酸水溶液で陽極酸化することで得られる酸化アルミニウムの顕微鏡写真であり、図7(B)は実施形態の酸化アルミニウムの顕微鏡写真である。
【図8】図8(A)は実施形態に係る配線基板の断面図であり、図8(B)は配線基板の第1面の平面図であり、図8(C)は配線基板の第2面の平面図である。
【図9】実施形態の改変形態に係る配線基板の断面図である。
【図10】図10(A)は、本発明の実施形態の改変形態に係る配線基板の断面図であり、図10(B)は平面図である。
【図11】本発明の別の実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。
【図12】本発明の実施形態の応用例に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態の応用例に係る配線基板の断面図である。
【図14】本発明の実施形態の応用例2に係る配線基板の断面図である。
【図15】沸騰水などにより酸化アルミニウム内の孔が塞がれている状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
アルミニウムを陽極酸化する場合、特許文献1の図4が示すように、アルミニウム板は弱い有機酸もしくは無機酸に浸漬される。アルミニウムを陽極酸化するための酸の代表例として、しゅう酸が挙げられる。数%のしゅう酸水溶液中で陽極酸化されたアルミニウム板の断面図を図7(A)に示す。図7(A)が示すように、陽極酸化された部分(酸化アルミニウム)は、その内部に孔を有している。酸化アルミニウム内に孔が存在すると耐食性が劣るので、孔を塞ぐ処理が施される。陽極酸化されたアルミニウム基板を沸騰水中や加圧水蒸気内に保つことで、孔壁が膨張し、孔は塞がれる。その膨張は孔の奥より入り口が進行すると考えられるので、図15は孔が塞がれた状態を示していると考えられる。この場合、陽極酸化された部分の内部に空隙が残るので、その部位の強度が低下する。更に、孔内に水分が貯まり、絶縁抵抗が低下すると考えられる。
【0010】
[実施形態]
本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法について、図を参照して説明する。出発材料として金属板20を準備する(図1(A))。金属板として、アルミニウム板、マグネシウム板、チタン板、亜鉛板、タンタル板、ニオブ板、ハフニウム板、ジルコニウム板、タングステン板、ビスマス板、アンチモン板、アルミニウム合金板、チタン合金板、マグネシウム合金板を例示することができる。金属板の金属として、アルミニウムは軽いので配線基板の材料に適している。金属板は第1面20Aと第1面とは反対側の第2面20Bを有している。金属板20の両面にレジストを形成する。第1面20Aに形成されているレジストを露光・現像することで、スルーホール導体形成位置に陽極酸化用のレジスト22Uを形成する。第1面20Aに形成されている陽極酸化用のレジスト22Uは第1のレジストパターンと称される。第1のレジストパターン直下はレジストにより保護されている。そのため、後述する陽極酸化後にても第1のレジストパターン下のアルミニウムなどの金属は酸化され難い。従って、レジスト下の金属は金属のまま残る。
第2面20Bに形成されているレジストは、第2面を覆っている(図1(B))。つまり、第2面のレジストはパターンを有していない。第2面20Bに形成されているレジストは保護膜22Dと称される。第2面をレジストで覆うことで、第2面から第1面に向かって酸化は進行しない。酸化は第1面から第2面に向かって進行する。
【0011】
アルミニウムを例にして金属板を陽極酸化する方法を以下に示す。
金属板を陽極として電気分解することで、第1のレジスト22Uから露出している金属が第1面20Aから第2面20Bに向かって酸化する。
下記に示す陽極酸化浴100中に、第1のレジストパターン22Uと保護膜22Dが形成されている金属板(アルミニウム板)20と白金板108を浸漬する(図3参照)。陽極酸化浴であるしゅう酸チタンカリウム水溶液中のしゅう酸チタンカリウムは20〜80g/lが好ましい。この範囲であると、陽極酸化により形成される金属酸化物の密度が適正な範囲となり、金属酸化物が膨張し難くなる。金属板を陽極、白金板を陰極として、下記の条件で電気分解を行う。言い換えれば、金属を陽極として、金属を酸化させる。図3では、陰極は1枚だが、金属板を挟むように陰極を陽極酸化液中に浸漬してもよい。また、陰極の材質は、陽極酸化水溶液に対して化学的に安定な電極、例えば金、チタンあるいはグラッシーカーボンなどを用いてもよい。
【0012】
しゅう酸チタンカリウム 20〜80g/l
浴温 20〜70℃
時間 5分〜24時間
浴電圧 80〜200V
電流密度 1〜3A/dm2
【0013】
陽極酸化により、第1のレジストパターン22Uから露出する金属(アルミニウム)を第1面20Aから第2面20Bに向かって金属酸化物(酸化アルミニウム)に変える。(図1(C))。本実施形態では、両面から金属の酸化が進まない。一方の面から金属を酸化しているので、後述するスルーホール導体の径を小さくすることができる。また、スルーホール導体間のピッチを狭くすることができる。両面から陽極酸化する場合、金属板の第2面に形成するレジストパターンは第1のレジストパターンと対向する箇所に形成する必要がある。金属板の表裏で、陽極酸化用のレジストパターンがオフセットしたり、大きさが異なると、スルーホール導体が斜めまたは略台形になりやすい。スルーホール導体間のピッチを小さくすることが難しい。本実施形態の配線基板の製造方法では、陽極酸化浴にしゅう酸チタンカリウム水溶液を使用している。しゅう酸チタンカリウム水溶液は陽極酸化により形成される酸化アルミニウムを溶解する能力が高いため、ポーラスな酸化アルミニウムが形成される。本実施形態の陽極酸化により得られる金属酸化物(酸化アルミニウム)内には孔径が大きく、体積の大きな孔が形成されるので、酸化アルミニウムからなる壁部分の体積が小さくなる。その結果、陽極酸化により形成される酸化アルミニウム等の金属酸化物が膨張し難くなる。このため、酸化アルミニウム等の金属酸化物部分(絶縁部分)が膨らまず、基板を平坦に形成することができる。
【0014】
図6は、上述の浴と条件で得られる酸化アルミニウム(Al2O3)の顕微鏡写真である。写真から分かるように、酸化アルミニウムの上面とアルミニウムの上面が実質的に同一レベルに位置している。図7(B)は、図6の酸化アルミニウムを拡大した電子顕微鏡写真である。図7(A)は、陽極酸化浴に数%のしゅう酸を用いて得られる酸化アルミニウム(参考例)の電子顕微鏡写真である。図7(A)と図7(B)を比較すると、本実施形態の酸化アルミニウム内の孔径は参考例の孔径より大きいことが分かる。酸化アルミニウム内に占める孔の体積を本実施形態と参考例を比較すると、本実施形態が参考例より大きい。ここで、孔径は第1面と平行な平面で孔を切断することで得られる最大径である。また、金属酸化物(酸化アルミニウム)の一方の壁から他方の壁までの距離(壁間距離:図4参照)を本実施形態と参考例を比較すると、本実施形態が参考例より小さい。つまり、本実施形態の酸化アルミニウムの密度は参考例の酸化アルミニウムの密度より小さい。金属を金属酸化物に酸化すると体積が増加するが、本実施形態では、参考例より多くの金属酸化物(酸化アルミニウム)が陽極酸化浴に溶解するので、金属酸化物(酸化アルミニウム)の上面と金属(アルミニウム)の上面が実質的に同一レベルに位置しやすい。
【0015】
本実施形態では、酸化が金属板20の第2面20Bに至る前に陽極酸化をストップする。陽極酸化により形成される金属酸化物の厚みXは金属板の厚みTに対して、0.7〜0.95(X/T)が好ましい。また、T−Xは5〜35μmが好ましい。絶縁基板の第2面にファインな導体回路を形成することができる。
【0016】
図4(A)は本実施形態の金属酸化物(酸化アルミニウム)の断面を示す模式図であり、図4(B)は図4(A)のb−bを示す模式図である。上述したように、孔24hの径が大きく、体積の大きな孔24hが形成されるので、壁24wの体積が相対的に小さくなる。孔24hの底部には酸化アルミニウムが形成され、酸化アルミニウムの更に底部には、レジスト22Dにより酸化が防がれた金属層(アルミニウム層)28が残っている。
【0017】
図5は、図7(B)の電子顕微鏡写真中の孔を拡大して示す模式図である。
金属酸化物内の孔24hは主孔24h1と副孔24h2とからなっている。副孔は主孔から分岐している孔であって、その長さは主孔に比べ短い。副孔を有すると、副孔が無い場合に比べ、金属酸化物の体積/(金属酸化物内の孔の体積+金属酸化物の体積)が小さい。金属が金属酸化物に変わることによる体積膨張が小さくなる。金属の表面と金属酸化物の表面を略同一レベルにするため、金属酸化物の体積/(金属酸化物内の孔の体積+金属酸化物の体積)は0.3〜0.7であることが望ましい。
【0018】
引き続き、陽極酸化後の配線基板の製造方法について説明する。
陽極酸化後の基板(図1(C)参照)から第1のレジストパターン22Uと保護膜22Dを除去する(図1(D)参照)。
【0019】
図4(A)を参照して上述した金属酸化物内の孔24hに充填剤30を形成する。金属酸化物内の孔24hに充填剤30が充填されている状態を図4(C)の模式図に示す。孔に充填剤を充填することで、金属酸化物の強度が増す。後述する絶縁基板の強度が増し、絶縁基板が反り難くなる。後述する金属酸化物を構成している金属からなるスルーホール導体間の絶縁信頼性が高くなる。スルーホール導体間のピッチを狭く出来る。
【0020】
充填剤の例として、樹脂を挙げることができる。後述する絶縁基板が金属酸化物と樹脂とからなる場合、絶縁基板の靭性が向上するので、絶縁基板にクラックが入りがたくなる。樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、あるいはこれらの複合樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等が用いられる。また熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)、フッ素樹脂などを使用できる。本実施形態では、上述の樹脂と無機粒子とからなる充填剤を金属酸化物(酸化アルミニウム)内の孔に充填することができる。無機粒子としては、酸化アルミニウム(Al2O3)、SiO2(二酸化珪素)、Si3N4(窒化珪素)等を挙げることができる。充填剤が無機粒子を有することで、充填剤の熱膨張率が小さくなる。充填剤の熱膨張係数が酸化アルミニウムなどの金属酸化物に近づくので、温度変化に対する絶縁基板の信頼性が高くなる。
【0021】
充填剤は以下の方法で形成することができる。例えば、グリコールエーテル(セロソルブ)類、(エチル)セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の溶剤に上記樹脂を溶解し、含浸液を作成する。充填剤が無機粒子を含む場合、含浸液に無機粒子を分散させ、無機粒子と樹脂を含む含浸液を作成する。アルミニウムなどの金属と酸化アルミニウムなどの金属酸化物とからなる基板(図1(D)参照)の第1面(金属と金属酸化物が露出している面)に塗布やスプレーなどで含浸液からなる膜を形成する。含浸液は自重や毛細管現象で金属酸化物内の孔に充填される。絶縁基板を構成する金属酸化物内の孔の形状が断面方向に長く、絶縁基板の表面方向に短いので、孔内を充填剤で充填しやすい。その後、溶剤は加熱などで除去される。1度で充填が困難な場合、この処理を数回繰り返してもよい。
【0022】
充填剤はセラミックスでもよい。後述する絶縁基板の熱膨張係数が電子部品に近くなるので、電子部品と本実施形態の配線基板間の接続信頼性が高くなる。セラミックスの場合、ゾル・ゲル法で充填剤を形成することできる。セラミックスとして、ガラス、酸化チタンなどを挙げることができる。
【0023】
充填剤形成後、金属酸化物が露出している面(第1面)20Aを研磨し、金属と金属酸化物上の充填剤を除去する(図1(E))。CMP研磨(化学機械研磨)により、金属の上面と金属酸化物の上面を平坦にすることができる。
【0024】
下面側の金属層(アルミニウム層)28に所定パターンのエッチングレジスト(日立化成社製のフォテックH−6200)を形成する。エッチングレジストの非形成部をエッチングにより除去し、エッチングレジストを剥離することで、導体回路28aが形成される。金属板がアルミニウムの場合、エッチング液として塩酸又は水酸化カリウムを使用することが出来る。これによって、配線基板40が完成する(図2(A))。配線基板40は、図8(A)、図8(B)、図8(C)に示すように、第1面40Aとその第1面とは反対側の第2面40Bとを有する絶縁基板40とその絶縁基板を貫通するスルーホール導体26と絶縁基板の第2面40Bに形成されている導体回路28aを有している。絶縁基板は孔24hを有する金属酸化物24からなり、その孔24hには充填剤30が形成されている。絶縁基板は金属酸化物と充填剤とからなっている。また、スルーホール導体26は絶縁基板40の第1面40Aと第2面40Bを電気的に接続し、金属酸化物を構成している金属からなっている。第2面に形成されている導体回路28aは金属酸化物を構成している金属からなっている。そのため、絶縁基板と導体回路間の密着強度が高いので、ファインな導体回路を形成することができる。また、第2面40Bに形成されている導体回路28aはスルーホール導体と同じ金属から形成されている。図8(A)は配線基板の断面図、図8(B)は絶縁基板の第1面側からの平面図、図8(C)は絶縁基板の第2面側からの平面図である。絶縁基板の第1面は露出している。配線基板40は金属酸化物と充填剤とからなる絶縁基板の第1面に金属酸化物を構成している金属からなる導体回路を有していない。また、配線基板は絶縁基板の第2面40Bに外部接続用端子26aやスルーホールランド26bを有しても良い。外部接続端子は導体回路を介してスルーホール導体に接続されている。
本実施形態では、配線基板が陽極酸化により形成されているので、金属からなるスルーホール導体を容易に形成することができる。スルーホール導体の抵抗が低くなる。
【0025】
配線基板40の両面に開口38aを有するソルダーレジスト層38を形成することが好ましい。ソルダーレジスト層の開口38aから露出する導体回路やスルーホール導体、外部接続用端子にニッケルめっき層32、金めっき層34を形成することができる(図2(B))。なお、アルミニウム等のバルブ金属は酸化し難い金属なので、ソルダーレジストの開口から露出する導体回路上に金めっき層などの酸化防止膜の形成を不要にすることができる。
【0026】
配線基板40の上面及び下面のソルダーレジスト層の開口38aに半田ペーストを塗布する。その後、リフローを行い上面側に半田バンプ28Uを形成し、下面側に半田バンプ28Dを形成する(図2(C))。
【0027】
[実施形態の改変形態]
上述の実施形態の改変形態−1、2を以下に示す。上述の実施形態では、金属板の第2面側の金属(金属層28)から導体回路が形成されている。改変形態−1、2では、第2面側の金属(金属層28)を研磨で除去する。金属酸化物が露出する。
【0028】
改変形態−1では、図1(D)に示されている途中基板の金属層28(金属板20の第2面20B側の金属)を除去する。孔を有する金属酸化物24からなる絶縁基板とその絶縁基板を貫通する金属からなるスルーホール導体26を有する回路基板40が完成する(図9)。その後、金属酸化物内の孔に充填剤が形成される。改変形態−1では、回路基板の両面に含浸液からなる膜を形成することができる。実施形態と同様に、回路基板の一方の面に含浸液からなる膜を形成してもよい。
【0029】
これにより、配線基板が完成する(図10(A)、図10(B))。図10(A)は断面図であり、図10(B)は平面図である。配線基板40は、第1面40Aとその第1面とは反対側の第2面40Bとを有する絶縁基板とその絶縁基板を貫通するスルーホール導体26を有している。絶縁基板は孔24hを有する金属酸化物24からなり、その孔には充填剤30が形成されている。絶縁基板は金属酸化物と充填剤とからなっている。また、スルーホール導体は絶縁基板の第1面と第2面を電気的に接続し、金属酸化物を構成している金属からなっている。
【0030】
改変形態−2では、図1(E)に示されている途中基板の金属層28(金属板の第2面側の金属)を除去する。これにより、配線基板が完成する(図10(A)、図10(B))。配線基板40は第1面40Aとその第1面とは反対側の第2面40Bとを有する絶縁基板とその絶縁基板を貫通するスルーホール導体26を有している。絶縁基板は孔24hを有する金属酸化物24からなり、その孔には充填剤30が形成されている。絶縁基板は金属酸化物と充填剤とからなっている。また、スルーホール導体は絶縁基板の第1面と第2面を電気的に接続し、金属酸化物を構成している金属からなっている。
【0031】
(別の実施形態)
上述の実施形態では、金属板の第1面に陽極酸化用のレジストを形成している。金属板の両面に陽極酸化用のレジストを形成することができる。以下に、その例(別の実施形態)を示す。
【0032】
図11(A)に示すように、金属板20の第1面40Aと第2面40Bにレジスト(日立化成社製、品番;フォテックH-6200)を形成する。露光・現像することで、スルーホール導体形成位置に陽極酸化用のレジスト22を形成する(図11(B))。第1面40Aに形成されている陽極酸化用のレジストが第1のレジストパターンであり、第2面40Bに形成されている陽極酸化用のレジストが第2のレジストパターンである。図11(B)に示すように、第1と第2のレジストパターンは対向する位置に形成されている。その後、上述の実施形態と同様に、第1と第2のレジストパターンから露出している金属を陽極酸化により金属酸化物24にする(図11(C))。その後、第1と第2のレジストパターンを除去する(図11(D))。孔を有する金属酸化物24からなる絶縁基板とその絶縁基板を貫通するスルーホール導体26を有する回路基板40が完成する(図11(D))。図11(D)の回路基板40は第1面40Aと第1面とは反対側の第2面40Bを有する。続いて、金属酸化物内の孔に充填剤を形成する。充填剤の形成は実施形態と同様な方法を用いることができる。
【0033】
回路基板の第1面と第2面を研磨することで、回路基板上の充填剤を除去する。絶縁基板と絶縁基板を貫通するスルーホール導体とからなる配線基板が完成する(図10(A))。上述の実施形態と同様に金属酸化物内の孔に充填剤が形成されている。図10(B)は、配線基板を第1面側からの平面図である。
【0034】
別の実施形態では、金属酸化物からなる絶縁基板の第2面に金属酸化物を構成している金属からなる導体回路を有していない。別の実施形態では表裏のバランスが良いので、別の実施形態の配線基板は平坦になりやすい。
【0035】
[第1実施例]
本発明の第1実施例に係る配線基板の製造方法について、図を参照して説明する。第1実施例では、厚み100μmのアルミニウム板(日本軽金属社製、純度99.99wt%以上)20が出発材料に用いられている(図1(A))。アルミニウム板は第1面と第1面とは反対側の第2面を有している。アルミニウム板20の両面にレジスト(日立化成社製、製品名:フォテックH−6200)を形成する。第1面20Aに形成されているレジストを露光・現像することで、スルーホール導体形成位置に陽極酸化用のレジスト22Uを形成する。
第2面に形成されている保護膜22Dは、第2面20Bを覆っている(図1(B))。
【0036】
下記に示す陽極酸化浴100中に、第1のレジストパターン22Uと保護膜22Dが形成されているアルミニウム板20と白金板108を浸漬する(図3参照)。アルミニウム板を陽極、白金板を陰極として、下記の条件で電気分解する。
しゅう酸チタンカリウム2水和物 40g/l
クエン酸1水和物 1g/L
しゅう酸2水和物 1.2g/L
ほう酸 8g/L
浴温 20℃
時間 180分
浴電圧 120V
電流密度 3A/dm2
【0037】
陽極酸化により、第1のレジストパターン22から露出するアルミニウムを第1面20Aから第2面20Bに向かって酸化アルミニウム24に変換する(図1(C))。第1実施例の配線基板の製造方法では、しゅう酸チタンカリウム水溶液が陽極酸化浴に用いられているので、ポーラスな酸化アルミニウムが形成される。陽極酸化により得られる酸化アルミニウム内には孔径が大きく、体積の大きな孔が形成されるので、酸化アルミニウムからなる壁部分の体積が小さくなる。その結果、陽極酸化により形成される酸化アルミニウムが膨張し難くなる。このため、酸化アルミニウム部分(絶縁部分)が膨らまず、基板を平坦に形成することができる。
【0038】
第1実施例では、陽極酸化が第2面に至る前に陽極酸化をストップする。陽極酸化により形成される酸化アルミニウムの厚みは70μmである(アルミニウム層の厚み=30μm)。つまり、金属板の第2面側の30μm分のアルミニウムが酸化されない。
酸化アルミニウムの体積/(酸化アルミニウム内の孔の体積+酸化アルミニウムの体積)は概ね40である。
【0039】
引き続き、陽極酸化後の配線基板の製造方法について説明する。
陽極酸化後の基板(図1(C)参照)から第1のレジストパターン22Uと保護膜22Dを除去する(図2(D)参照)。
【0040】
図4(A)を参照して上述した酸化アルミニウム内の孔24hに熱硬化性のエポキシ樹脂からなる充填剤30を形成する。
充填剤の形成方法を以下に示す。エポキシ樹脂(JER社製、品番871)とキシレンを1:9の割合で混合し、含浸液を作成する。アルミニウムと酸化アルミニウムとからなる基板(図1D参照)の第1面(アルミニウムと酸化アルミニウムが露出している面)20Aに含浸液を塗布する。含浸液が酸化アルミニウム内の孔に入るのを待ってから乾燥し溶媒を除去する。
【0041】
充填剤形成後、酸化アルミニウムが露出している面(第1面)20Aを研磨し、アルミニウムと酸化アルミニウム上の充填剤を除去する(図1(E))。
【0042】
下面側のアルミニウム層28に所定パターンのエッチングレジストを形成する。エッチングレジストから露出しているアルミニウム層28をエッチング(エッチング液:40℃の6%塩酸)により除去し、エッチングレジストを剥離することで、導体回路28aが形成される。これによって、配線基板40が完成する(図2(A))。第1実施例の配線基板40の絶縁基板は孔を有する酸化アルミニウムからなり、その孔にはエポキシ樹脂が形成されている。絶縁基板はエポキシ樹脂と酸化アルミニウムとからなり、絶縁基板を貫通するスルーホール導体はアルミニウムからなっている。絶縁基板の第2面40Bに形成されている導体回路26aはアルミニウムからなっている。
【0043】
配線基板40の両面に開口38aを有するソルダーレジスト層38を形成することが好ましい。ソルダーレジスト層の開口38aから露出する導体回路やスルーホール導体、外部接続用端子にニッケルめっき層32、金めっき層34を形成することができる(図2(B))。
【0044】
配線基板40の上面及び下面のソルダーレジスト層の開口38aに半田ペーストを塗布する。その後、リフローを行い上面側に半田バンプ28Uを形成し、下面側に半田バンプ28Dを形成する(図2(C))。
【0045】
第1実施例の配線基板の製造方法では、アルミニウム板20の上面(第1面)に、陽極酸化用のレジスト(第1のレジストパターン)を形成し、下面(第2面)の全面にレジスト(保護膜)22Dを形成している。アルミニウム板の第2面は保護膜が形成されているので、第2面から酸化が進行しない。つまり、本実施形態では、酸化はアルミニウム板の第1面から第2面に向かって進行する。また、陽極酸化膜がアルミニウム板の第2面に到達する前に陽極酸化をストップするので、アルミニウム板の第2面側の金属(金属層28)から回路を形成することができる。尚、第1のレジストパターンを形成するとき保護膜の表面にラミネートされているカバーフィルム(マイラー)を剥離しないことができる。第2面の回路形成時、新たなレジストを形成する必要が無い。
【0046】
[第2実施例]
第2実施例は、陽極酸化する量以外、第1実施例と同様である。第2実施例では、陽極酸化する量が第1実施例より多い。陽極酸化により形成される酸化アルミニウムの厚みは95μmである(アルミニウム層の厚み=5μm)。つまり、絶縁基板24の第2面に形成されるアルミニウムからなる導体回路の厚みは5μmである。
【0047】
[第3実施例]
第3実施例では、樹脂と無機粒子とからなる充填剤が用いられている。具体的には、エポキシ樹脂とシリカ粒子とキシレン(1:1:8(重量比))からなる含浸液が用いられている。孔にはエポキシ樹脂とシリカ粒子とからなる充填剤が形成されている。充填剤の配合量は重量で1:1である。それ以外、第2実施例は第1実施例と同様である。
【0048】
[第4実施例]
第4実施例では、セラミックスからなる充填剤が用いられている。具体的には、酸化アルミニウム内の孔にゾル・ゲル法によりシリカが充填される。それ以外、第4実施例は第1実施例と同様である。
【0049】
[第5実施例]
第5実施例では、出発材料にチタンからなる金属板を用いている(板厚100um)。チタンを陽極酸化するための浴と条件を以下に示す。
(陽極酸化浴)
0.2M硫酸と0.2Mりん酸との混合水溶液
(酸化条件)
電圧:250V
時間:7時間
(チタン層28のエッチング液とエッチング条件)
フッ硝酸水溶液(フッ酸:硝酸:水=1:1:18)25℃ 10分
それ以外、第5実施例は第1実施例と同様である。
【0050】
[第6実施例]
第6実施例では、出発材料にマグネシウム合金(AZ91)からなる金属板を用いている(板厚100um)。マグネシウム合金を陽極酸化するための浴と条件を以下に示す。
(陽極酸化浴)
硫酸アンモニウム 30g/l
重クロム酸ナトリウム二水和物 30g/l
アンモニア少量
50℃
時間:1時間
(マグネシウム合金層のエッチング液とエッチング条件)
5%リン酸水溶液 25℃ 10分
それ以外、第6実施例は第1実施例と同様である。
【0051】
(第7実施例)
第7実施例では、厚み50μmのアルミニウム板(日本軽金属社製、純度99.99wt%)20が出発材料に用いられている。第1のレジストパターン形成後、硫酸10wt%、硝酸10wt%の混合水溶液(70℃)に120秒浸漬する。第1のレジストパターンから露出するアルミニウムのトンネルエッチングが進行し、アルミニウム板に深さ約40umの微細な孔が形成される。その後、レジストパターンをエタノールアミン10%水溶液にて剥離し、第1面側からアルミニウム板に大気圧マイクロ波プラズマを照射する。トンネルエッチングで形成される孔により露出するアルミニウムは、表面が活性なため、酸素プラズマにより酸化アルミニウムに変化しやすい。それに対し、第1のレジストパターンを除去することで露出するアルミニウムの表面は活性が低いので酸化されがたい。アルミニウム板は下記装置のXYテーブルに保持されている。アルミニウム層28の厚みは10μmである。それ以外、第7実施例は第1実施例と同様である。
(酸素プラズマ照射装置)
大気圧マイクロ波プラズマ装置(日本プラズマトリート(株))
装置 1RD1004+FG3001
(酸素プラズマ照射条件)
酸素流量 20l/min
発信周波数 20KHz
出力電圧 220V
電流値 2.9A
ノズル移動速度 0.5m/min
ノズルと材料の距離 4mm
【0052】
[実施形態の応用例]
実施形態の応用例について、図12を参照して説明する。
実施形態の応用例は、実施形態の改変形態または別の実施形態で得られる配線基板(図10(A)、図10(B)参照)40上にビルドアップ層を形成する例である。
【0053】
配線基板40の両面に、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を真空ラミネーター装置を用いて貼り付ける。その後、熱硬化することにより、配線基板40上に樹脂絶縁層50が形成される(図12(B))。
【0054】
次に、CO2 ガスレーザにて、樹脂絶縁層50にスルーホール導体に至るバイアホール用開口50aを形成する(図12(C))。
【0055】
次いで、バイアホール用開口50aの内壁を含む樹脂絶縁層50の表面に粗化面を形成する(図示せず)。なお、この粗化処理は必須ではない。
【0056】
粗化処理後の基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。その後、該基板の表面に、触媒を付与する。
【0057】
次に、無電解銅めっき水溶液に、基板を浸漬して、厚さ0.3〜3.0μmの無電解銅めっき膜52をバイアホール用開口50aの内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面に形成する。無電解銅めっき膜52上に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、露光及び現像処理することにより、めっきレジスト56を形成する。ついで、めっきレジスト56非形成部に、厚さ約15μmの電解銅めっき膜54を形成する(図12(D))。
【0058】
続いて、めっきレジスト56を5%KOHで除去する。その後、電解銅めっき膜から露出する無電解めっき膜を溶解除去することで、独立の導体回路58及びビア導体60が形成される(図12(E))。ビルドアップ配線板100が完成する(図12(E)。
ビルドアップ配線板100の両面に導体回路やバイアホールを露出するための開口を有するソルダーレジスト層を形成することができる。ソルダーレジスト層の開口に半田バンプを形成することができる。ソルダーレジスト層70と半田バンプ58U、58Dを有するプリント配線板を図13に示す。
【0059】
実施形態の改変形態または別の実施形態で得られる配線基板の第1面と第2面は平坦なので、実施形態の改変形態または別の実施形態で得られる配線基板はビルドアップ配線板のコア基板に適している。ファインなバイアホールや導体回路を形成することができる。
【0060】
[実施形態の応用例2]
応用例2では、実施形態の絶縁基板上にビルドアップ層を形成する。形成方法は実施形態の応用例と同様である。実施形態の絶縁基板上にビルドアップ層を形成することで得られるビルドアップ配線板を図14に示す。応用例2では、絶縁基板40が導体回路28aを有しているので、小型なビルドアップ配線板を形成することができる。
【符号の説明】
【0061】
20 アルミニウム板
22 レジスト
24 絶縁部分(酸化アルミニウム)
24h 孔
26 スルーホール
28U、28D 半田バンプ
30 充填樹脂
40 配線基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化物からなる絶縁基板とその絶縁基板を貫通し、金属酸化物を構成している金属からなるスルーホール導体を有する配線基板およびその配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、導電領域と絶縁領域を有するコア基板にビルドアップ層を形成する方法を開示している。特許文献1では、アルミニウムを部分的に酸化することで、アルミニウム(導電領域)と酸化アルミニウム(絶縁領域)とからなるコア基板が形成されている。また、特許文献1の絶縁領域はポーラス領域とノン−ポーラス領域とからなり、ポーラス層は非導電性特性を提供し、緻密な領域は導電性領域が酸化することを防ぐバリア層として機能すると特許文献1は開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US6899815B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のコア基板の絶縁領域はポーラス領域を有しているので、特許文献1のコア基板を配線基板に用いると、その配線基板の強度は小さいと考えられる。そのため、配線基板の反り量や曲がり量が大きくなると推察される。また、ポーラス領域の穴に水分が入り、配線基板の絶縁抵抗が小さくなると推察される。
【0005】
本発明の目的は、アルミニウムなどの金属とその金属酸化物を有する配線基板の信頼性を向上すること、及び該配線基板の信頼性を向上することが可能な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る配線基板は、第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有し、孔を有する金属酸化物からなる絶縁基板と、
前記絶縁基板を貫通し、前記金属酸化物を構成している金属からなるスルーホール導体と、を有している。
そして、前記孔には充填剤が形成されている。
【0007】
また、本発明に係る配線基板の製造方法は、第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する金属板の第1面に陽極酸化用のレジストを形成することと、
前記金属板の第2面に保護膜を形成することと、
前記金属板を陽極酸化浴に浸漬することと、
前記金属板を陽極として、前記陽極酸化用のレジストから露出している前記金属板の金属を第1面から第2面に向かって酸化することと、
前記陽極酸化用のレジストを除去することと、
前記保護膜を除去すること、とを有している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプリント配線板の製造方法を示す断面図である。
【図3】陽極酸化浴の説明図である。
【図4】図4(A)は孔を有する金属酸化物の断面を示す模式図であり、図4(B)は図4(A)のb−b面を示す模式図である。図4(C)は、充填剤形成後の金属酸化物の断面を示す模式図である。
【図5】主孔と副孔とからなる孔を拡大して示す模式図である。
【図6】実施形態の酸化アルミニウムの顕微鏡写真である。
【図7】図7(A)は数%のしゅう酸水溶液で陽極酸化することで得られる酸化アルミニウムの顕微鏡写真であり、図7(B)は実施形態の酸化アルミニウムの顕微鏡写真である。
【図8】図8(A)は実施形態に係る配線基板の断面図であり、図8(B)は配線基板の第1面の平面図であり、図8(C)は配線基板の第2面の平面図である。
【図9】実施形態の改変形態に係る配線基板の断面図である。
【図10】図10(A)は、本発明の実施形態の改変形態に係る配線基板の断面図であり、図10(B)は平面図である。
【図11】本発明の別の実施形態に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。
【図12】本発明の実施形態の応用例に係る配線基板の製造方法を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態の応用例に係る配線基板の断面図である。
【図14】本発明の実施形態の応用例2に係る配線基板の断面図である。
【図15】沸騰水などにより酸化アルミニウム内の孔が塞がれている状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
アルミニウムを陽極酸化する場合、特許文献1の図4が示すように、アルミニウム板は弱い有機酸もしくは無機酸に浸漬される。アルミニウムを陽極酸化するための酸の代表例として、しゅう酸が挙げられる。数%のしゅう酸水溶液中で陽極酸化されたアルミニウム板の断面図を図7(A)に示す。図7(A)が示すように、陽極酸化された部分(酸化アルミニウム)は、その内部に孔を有している。酸化アルミニウム内に孔が存在すると耐食性が劣るので、孔を塞ぐ処理が施される。陽極酸化されたアルミニウム基板を沸騰水中や加圧水蒸気内に保つことで、孔壁が膨張し、孔は塞がれる。その膨張は孔の奥より入り口が進行すると考えられるので、図15は孔が塞がれた状態を示していると考えられる。この場合、陽極酸化された部分の内部に空隙が残るので、その部位の強度が低下する。更に、孔内に水分が貯まり、絶縁抵抗が低下すると考えられる。
【0010】
[実施形態]
本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法について、図を参照して説明する。出発材料として金属板20を準備する(図1(A))。金属板として、アルミニウム板、マグネシウム板、チタン板、亜鉛板、タンタル板、ニオブ板、ハフニウム板、ジルコニウム板、タングステン板、ビスマス板、アンチモン板、アルミニウム合金板、チタン合金板、マグネシウム合金板を例示することができる。金属板の金属として、アルミニウムは軽いので配線基板の材料に適している。金属板は第1面20Aと第1面とは反対側の第2面20Bを有している。金属板20の両面にレジストを形成する。第1面20Aに形成されているレジストを露光・現像することで、スルーホール導体形成位置に陽極酸化用のレジスト22Uを形成する。第1面20Aに形成されている陽極酸化用のレジスト22Uは第1のレジストパターンと称される。第1のレジストパターン直下はレジストにより保護されている。そのため、後述する陽極酸化後にても第1のレジストパターン下のアルミニウムなどの金属は酸化され難い。従って、レジスト下の金属は金属のまま残る。
第2面20Bに形成されているレジストは、第2面を覆っている(図1(B))。つまり、第2面のレジストはパターンを有していない。第2面20Bに形成されているレジストは保護膜22Dと称される。第2面をレジストで覆うことで、第2面から第1面に向かって酸化は進行しない。酸化は第1面から第2面に向かって進行する。
【0011】
アルミニウムを例にして金属板を陽極酸化する方法を以下に示す。
金属板を陽極として電気分解することで、第1のレジスト22Uから露出している金属が第1面20Aから第2面20Bに向かって酸化する。
下記に示す陽極酸化浴100中に、第1のレジストパターン22Uと保護膜22Dが形成されている金属板(アルミニウム板)20と白金板108を浸漬する(図3参照)。陽極酸化浴であるしゅう酸チタンカリウム水溶液中のしゅう酸チタンカリウムは20〜80g/lが好ましい。この範囲であると、陽極酸化により形成される金属酸化物の密度が適正な範囲となり、金属酸化物が膨張し難くなる。金属板を陽極、白金板を陰極として、下記の条件で電気分解を行う。言い換えれば、金属を陽極として、金属を酸化させる。図3では、陰極は1枚だが、金属板を挟むように陰極を陽極酸化液中に浸漬してもよい。また、陰極の材質は、陽極酸化水溶液に対して化学的に安定な電極、例えば金、チタンあるいはグラッシーカーボンなどを用いてもよい。
【0012】
しゅう酸チタンカリウム 20〜80g/l
浴温 20〜70℃
時間 5分〜24時間
浴電圧 80〜200V
電流密度 1〜3A/dm2
【0013】
陽極酸化により、第1のレジストパターン22Uから露出する金属(アルミニウム)を第1面20Aから第2面20Bに向かって金属酸化物(酸化アルミニウム)に変える。(図1(C))。本実施形態では、両面から金属の酸化が進まない。一方の面から金属を酸化しているので、後述するスルーホール導体の径を小さくすることができる。また、スルーホール導体間のピッチを狭くすることができる。両面から陽極酸化する場合、金属板の第2面に形成するレジストパターンは第1のレジストパターンと対向する箇所に形成する必要がある。金属板の表裏で、陽極酸化用のレジストパターンがオフセットしたり、大きさが異なると、スルーホール導体が斜めまたは略台形になりやすい。スルーホール導体間のピッチを小さくすることが難しい。本実施形態の配線基板の製造方法では、陽極酸化浴にしゅう酸チタンカリウム水溶液を使用している。しゅう酸チタンカリウム水溶液は陽極酸化により形成される酸化アルミニウムを溶解する能力が高いため、ポーラスな酸化アルミニウムが形成される。本実施形態の陽極酸化により得られる金属酸化物(酸化アルミニウム)内には孔径が大きく、体積の大きな孔が形成されるので、酸化アルミニウムからなる壁部分の体積が小さくなる。その結果、陽極酸化により形成される酸化アルミニウム等の金属酸化物が膨張し難くなる。このため、酸化アルミニウム等の金属酸化物部分(絶縁部分)が膨らまず、基板を平坦に形成することができる。
【0014】
図6は、上述の浴と条件で得られる酸化アルミニウム(Al2O3)の顕微鏡写真である。写真から分かるように、酸化アルミニウムの上面とアルミニウムの上面が実質的に同一レベルに位置している。図7(B)は、図6の酸化アルミニウムを拡大した電子顕微鏡写真である。図7(A)は、陽極酸化浴に数%のしゅう酸を用いて得られる酸化アルミニウム(参考例)の電子顕微鏡写真である。図7(A)と図7(B)を比較すると、本実施形態の酸化アルミニウム内の孔径は参考例の孔径より大きいことが分かる。酸化アルミニウム内に占める孔の体積を本実施形態と参考例を比較すると、本実施形態が参考例より大きい。ここで、孔径は第1面と平行な平面で孔を切断することで得られる最大径である。また、金属酸化物(酸化アルミニウム)の一方の壁から他方の壁までの距離(壁間距離:図4参照)を本実施形態と参考例を比較すると、本実施形態が参考例より小さい。つまり、本実施形態の酸化アルミニウムの密度は参考例の酸化アルミニウムの密度より小さい。金属を金属酸化物に酸化すると体積が増加するが、本実施形態では、参考例より多くの金属酸化物(酸化アルミニウム)が陽極酸化浴に溶解するので、金属酸化物(酸化アルミニウム)の上面と金属(アルミニウム)の上面が実質的に同一レベルに位置しやすい。
【0015】
本実施形態では、酸化が金属板20の第2面20Bに至る前に陽極酸化をストップする。陽極酸化により形成される金属酸化物の厚みXは金属板の厚みTに対して、0.7〜0.95(X/T)が好ましい。また、T−Xは5〜35μmが好ましい。絶縁基板の第2面にファインな導体回路を形成することができる。
【0016】
図4(A)は本実施形態の金属酸化物(酸化アルミニウム)の断面を示す模式図であり、図4(B)は図4(A)のb−bを示す模式図である。上述したように、孔24hの径が大きく、体積の大きな孔24hが形成されるので、壁24wの体積が相対的に小さくなる。孔24hの底部には酸化アルミニウムが形成され、酸化アルミニウムの更に底部には、レジスト22Dにより酸化が防がれた金属層(アルミニウム層)28が残っている。
【0017】
図5は、図7(B)の電子顕微鏡写真中の孔を拡大して示す模式図である。
金属酸化物内の孔24hは主孔24h1と副孔24h2とからなっている。副孔は主孔から分岐している孔であって、その長さは主孔に比べ短い。副孔を有すると、副孔が無い場合に比べ、金属酸化物の体積/(金属酸化物内の孔の体積+金属酸化物の体積)が小さい。金属が金属酸化物に変わることによる体積膨張が小さくなる。金属の表面と金属酸化物の表面を略同一レベルにするため、金属酸化物の体積/(金属酸化物内の孔の体積+金属酸化物の体積)は0.3〜0.7であることが望ましい。
【0018】
引き続き、陽極酸化後の配線基板の製造方法について説明する。
陽極酸化後の基板(図1(C)参照)から第1のレジストパターン22Uと保護膜22Dを除去する(図1(D)参照)。
【0019】
図4(A)を参照して上述した金属酸化物内の孔24hに充填剤30を形成する。金属酸化物内の孔24hに充填剤30が充填されている状態を図4(C)の模式図に示す。孔に充填剤を充填することで、金属酸化物の強度が増す。後述する絶縁基板の強度が増し、絶縁基板が反り難くなる。後述する金属酸化物を構成している金属からなるスルーホール導体間の絶縁信頼性が高くなる。スルーホール導体間のピッチを狭く出来る。
【0020】
充填剤の例として、樹脂を挙げることができる。後述する絶縁基板が金属酸化物と樹脂とからなる場合、絶縁基板の靭性が向上するので、絶縁基板にクラックが入りがたくなる。樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、あるいはこれらの複合樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等が用いられる。また熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)、フッ素樹脂などを使用できる。本実施形態では、上述の樹脂と無機粒子とからなる充填剤を金属酸化物(酸化アルミニウム)内の孔に充填することができる。無機粒子としては、酸化アルミニウム(Al2O3)、SiO2(二酸化珪素)、Si3N4(窒化珪素)等を挙げることができる。充填剤が無機粒子を有することで、充填剤の熱膨張率が小さくなる。充填剤の熱膨張係数が酸化アルミニウムなどの金属酸化物に近づくので、温度変化に対する絶縁基板の信頼性が高くなる。
【0021】
充填剤は以下の方法で形成することができる。例えば、グリコールエーテル(セロソルブ)類、(エチル)セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の溶剤に上記樹脂を溶解し、含浸液を作成する。充填剤が無機粒子を含む場合、含浸液に無機粒子を分散させ、無機粒子と樹脂を含む含浸液を作成する。アルミニウムなどの金属と酸化アルミニウムなどの金属酸化物とからなる基板(図1(D)参照)の第1面(金属と金属酸化物が露出している面)に塗布やスプレーなどで含浸液からなる膜を形成する。含浸液は自重や毛細管現象で金属酸化物内の孔に充填される。絶縁基板を構成する金属酸化物内の孔の形状が断面方向に長く、絶縁基板の表面方向に短いので、孔内を充填剤で充填しやすい。その後、溶剤は加熱などで除去される。1度で充填が困難な場合、この処理を数回繰り返してもよい。
【0022】
充填剤はセラミックスでもよい。後述する絶縁基板の熱膨張係数が電子部品に近くなるので、電子部品と本実施形態の配線基板間の接続信頼性が高くなる。セラミックスの場合、ゾル・ゲル法で充填剤を形成することできる。セラミックスとして、ガラス、酸化チタンなどを挙げることができる。
【0023】
充填剤形成後、金属酸化物が露出している面(第1面)20Aを研磨し、金属と金属酸化物上の充填剤を除去する(図1(E))。CMP研磨(化学機械研磨)により、金属の上面と金属酸化物の上面を平坦にすることができる。
【0024】
下面側の金属層(アルミニウム層)28に所定パターンのエッチングレジスト(日立化成社製のフォテックH−6200)を形成する。エッチングレジストの非形成部をエッチングにより除去し、エッチングレジストを剥離することで、導体回路28aが形成される。金属板がアルミニウムの場合、エッチング液として塩酸又は水酸化カリウムを使用することが出来る。これによって、配線基板40が完成する(図2(A))。配線基板40は、図8(A)、図8(B)、図8(C)に示すように、第1面40Aとその第1面とは反対側の第2面40Bとを有する絶縁基板40とその絶縁基板を貫通するスルーホール導体26と絶縁基板の第2面40Bに形成されている導体回路28aを有している。絶縁基板は孔24hを有する金属酸化物24からなり、その孔24hには充填剤30が形成されている。絶縁基板は金属酸化物と充填剤とからなっている。また、スルーホール導体26は絶縁基板40の第1面40Aと第2面40Bを電気的に接続し、金属酸化物を構成している金属からなっている。第2面に形成されている導体回路28aは金属酸化物を構成している金属からなっている。そのため、絶縁基板と導体回路間の密着強度が高いので、ファインな導体回路を形成することができる。また、第2面40Bに形成されている導体回路28aはスルーホール導体と同じ金属から形成されている。図8(A)は配線基板の断面図、図8(B)は絶縁基板の第1面側からの平面図、図8(C)は絶縁基板の第2面側からの平面図である。絶縁基板の第1面は露出している。配線基板40は金属酸化物と充填剤とからなる絶縁基板の第1面に金属酸化物を構成している金属からなる導体回路を有していない。また、配線基板は絶縁基板の第2面40Bに外部接続用端子26aやスルーホールランド26bを有しても良い。外部接続端子は導体回路を介してスルーホール導体に接続されている。
本実施形態では、配線基板が陽極酸化により形成されているので、金属からなるスルーホール導体を容易に形成することができる。スルーホール導体の抵抗が低くなる。
【0025】
配線基板40の両面に開口38aを有するソルダーレジスト層38を形成することが好ましい。ソルダーレジスト層の開口38aから露出する導体回路やスルーホール導体、外部接続用端子にニッケルめっき層32、金めっき層34を形成することができる(図2(B))。なお、アルミニウム等のバルブ金属は酸化し難い金属なので、ソルダーレジストの開口から露出する導体回路上に金めっき層などの酸化防止膜の形成を不要にすることができる。
【0026】
配線基板40の上面及び下面のソルダーレジスト層の開口38aに半田ペーストを塗布する。その後、リフローを行い上面側に半田バンプ28Uを形成し、下面側に半田バンプ28Dを形成する(図2(C))。
【0027】
[実施形態の改変形態]
上述の実施形態の改変形態−1、2を以下に示す。上述の実施形態では、金属板の第2面側の金属(金属層28)から導体回路が形成されている。改変形態−1、2では、第2面側の金属(金属層28)を研磨で除去する。金属酸化物が露出する。
【0028】
改変形態−1では、図1(D)に示されている途中基板の金属層28(金属板20の第2面20B側の金属)を除去する。孔を有する金属酸化物24からなる絶縁基板とその絶縁基板を貫通する金属からなるスルーホール導体26を有する回路基板40が完成する(図9)。その後、金属酸化物内の孔に充填剤が形成される。改変形態−1では、回路基板の両面に含浸液からなる膜を形成することができる。実施形態と同様に、回路基板の一方の面に含浸液からなる膜を形成してもよい。
【0029】
これにより、配線基板が完成する(図10(A)、図10(B))。図10(A)は断面図であり、図10(B)は平面図である。配線基板40は、第1面40Aとその第1面とは反対側の第2面40Bとを有する絶縁基板とその絶縁基板を貫通するスルーホール導体26を有している。絶縁基板は孔24hを有する金属酸化物24からなり、その孔には充填剤30が形成されている。絶縁基板は金属酸化物と充填剤とからなっている。また、スルーホール導体は絶縁基板の第1面と第2面を電気的に接続し、金属酸化物を構成している金属からなっている。
【0030】
改変形態−2では、図1(E)に示されている途中基板の金属層28(金属板の第2面側の金属)を除去する。これにより、配線基板が完成する(図10(A)、図10(B))。配線基板40は第1面40Aとその第1面とは反対側の第2面40Bとを有する絶縁基板とその絶縁基板を貫通するスルーホール導体26を有している。絶縁基板は孔24hを有する金属酸化物24からなり、その孔には充填剤30が形成されている。絶縁基板は金属酸化物と充填剤とからなっている。また、スルーホール導体は絶縁基板の第1面と第2面を電気的に接続し、金属酸化物を構成している金属からなっている。
【0031】
(別の実施形態)
上述の実施形態では、金属板の第1面に陽極酸化用のレジストを形成している。金属板の両面に陽極酸化用のレジストを形成することができる。以下に、その例(別の実施形態)を示す。
【0032】
図11(A)に示すように、金属板20の第1面40Aと第2面40Bにレジスト(日立化成社製、品番;フォテックH-6200)を形成する。露光・現像することで、スルーホール導体形成位置に陽極酸化用のレジスト22を形成する(図11(B))。第1面40Aに形成されている陽極酸化用のレジストが第1のレジストパターンであり、第2面40Bに形成されている陽極酸化用のレジストが第2のレジストパターンである。図11(B)に示すように、第1と第2のレジストパターンは対向する位置に形成されている。その後、上述の実施形態と同様に、第1と第2のレジストパターンから露出している金属を陽極酸化により金属酸化物24にする(図11(C))。その後、第1と第2のレジストパターンを除去する(図11(D))。孔を有する金属酸化物24からなる絶縁基板とその絶縁基板を貫通するスルーホール導体26を有する回路基板40が完成する(図11(D))。図11(D)の回路基板40は第1面40Aと第1面とは反対側の第2面40Bを有する。続いて、金属酸化物内の孔に充填剤を形成する。充填剤の形成は実施形態と同様な方法を用いることができる。
【0033】
回路基板の第1面と第2面を研磨することで、回路基板上の充填剤を除去する。絶縁基板と絶縁基板を貫通するスルーホール導体とからなる配線基板が完成する(図10(A))。上述の実施形態と同様に金属酸化物内の孔に充填剤が形成されている。図10(B)は、配線基板を第1面側からの平面図である。
【0034】
別の実施形態では、金属酸化物からなる絶縁基板の第2面に金属酸化物を構成している金属からなる導体回路を有していない。別の実施形態では表裏のバランスが良いので、別の実施形態の配線基板は平坦になりやすい。
【0035】
[第1実施例]
本発明の第1実施例に係る配線基板の製造方法について、図を参照して説明する。第1実施例では、厚み100μmのアルミニウム板(日本軽金属社製、純度99.99wt%以上)20が出発材料に用いられている(図1(A))。アルミニウム板は第1面と第1面とは反対側の第2面を有している。アルミニウム板20の両面にレジスト(日立化成社製、製品名:フォテックH−6200)を形成する。第1面20Aに形成されているレジストを露光・現像することで、スルーホール導体形成位置に陽極酸化用のレジスト22Uを形成する。
第2面に形成されている保護膜22Dは、第2面20Bを覆っている(図1(B))。
【0036】
下記に示す陽極酸化浴100中に、第1のレジストパターン22Uと保護膜22Dが形成されているアルミニウム板20と白金板108を浸漬する(図3参照)。アルミニウム板を陽極、白金板を陰極として、下記の条件で電気分解する。
しゅう酸チタンカリウム2水和物 40g/l
クエン酸1水和物 1g/L
しゅう酸2水和物 1.2g/L
ほう酸 8g/L
浴温 20℃
時間 180分
浴電圧 120V
電流密度 3A/dm2
【0037】
陽極酸化により、第1のレジストパターン22から露出するアルミニウムを第1面20Aから第2面20Bに向かって酸化アルミニウム24に変換する(図1(C))。第1実施例の配線基板の製造方法では、しゅう酸チタンカリウム水溶液が陽極酸化浴に用いられているので、ポーラスな酸化アルミニウムが形成される。陽極酸化により得られる酸化アルミニウム内には孔径が大きく、体積の大きな孔が形成されるので、酸化アルミニウムからなる壁部分の体積が小さくなる。その結果、陽極酸化により形成される酸化アルミニウムが膨張し難くなる。このため、酸化アルミニウム部分(絶縁部分)が膨らまず、基板を平坦に形成することができる。
【0038】
第1実施例では、陽極酸化が第2面に至る前に陽極酸化をストップする。陽極酸化により形成される酸化アルミニウムの厚みは70μmである(アルミニウム層の厚み=30μm)。つまり、金属板の第2面側の30μm分のアルミニウムが酸化されない。
酸化アルミニウムの体積/(酸化アルミニウム内の孔の体積+酸化アルミニウムの体積)は概ね40である。
【0039】
引き続き、陽極酸化後の配線基板の製造方法について説明する。
陽極酸化後の基板(図1(C)参照)から第1のレジストパターン22Uと保護膜22Dを除去する(図2(D)参照)。
【0040】
図4(A)を参照して上述した酸化アルミニウム内の孔24hに熱硬化性のエポキシ樹脂からなる充填剤30を形成する。
充填剤の形成方法を以下に示す。エポキシ樹脂(JER社製、品番871)とキシレンを1:9の割合で混合し、含浸液を作成する。アルミニウムと酸化アルミニウムとからなる基板(図1D参照)の第1面(アルミニウムと酸化アルミニウムが露出している面)20Aに含浸液を塗布する。含浸液が酸化アルミニウム内の孔に入るのを待ってから乾燥し溶媒を除去する。
【0041】
充填剤形成後、酸化アルミニウムが露出している面(第1面)20Aを研磨し、アルミニウムと酸化アルミニウム上の充填剤を除去する(図1(E))。
【0042】
下面側のアルミニウム層28に所定パターンのエッチングレジストを形成する。エッチングレジストから露出しているアルミニウム層28をエッチング(エッチング液:40℃の6%塩酸)により除去し、エッチングレジストを剥離することで、導体回路28aが形成される。これによって、配線基板40が完成する(図2(A))。第1実施例の配線基板40の絶縁基板は孔を有する酸化アルミニウムからなり、その孔にはエポキシ樹脂が形成されている。絶縁基板はエポキシ樹脂と酸化アルミニウムとからなり、絶縁基板を貫通するスルーホール導体はアルミニウムからなっている。絶縁基板の第2面40Bに形成されている導体回路26aはアルミニウムからなっている。
【0043】
配線基板40の両面に開口38aを有するソルダーレジスト層38を形成することが好ましい。ソルダーレジスト層の開口38aから露出する導体回路やスルーホール導体、外部接続用端子にニッケルめっき層32、金めっき層34を形成することができる(図2(B))。
【0044】
配線基板40の上面及び下面のソルダーレジスト層の開口38aに半田ペーストを塗布する。その後、リフローを行い上面側に半田バンプ28Uを形成し、下面側に半田バンプ28Dを形成する(図2(C))。
【0045】
第1実施例の配線基板の製造方法では、アルミニウム板20の上面(第1面)に、陽極酸化用のレジスト(第1のレジストパターン)を形成し、下面(第2面)の全面にレジスト(保護膜)22Dを形成している。アルミニウム板の第2面は保護膜が形成されているので、第2面から酸化が進行しない。つまり、本実施形態では、酸化はアルミニウム板の第1面から第2面に向かって進行する。また、陽極酸化膜がアルミニウム板の第2面に到達する前に陽極酸化をストップするので、アルミニウム板の第2面側の金属(金属層28)から回路を形成することができる。尚、第1のレジストパターンを形成するとき保護膜の表面にラミネートされているカバーフィルム(マイラー)を剥離しないことができる。第2面の回路形成時、新たなレジストを形成する必要が無い。
【0046】
[第2実施例]
第2実施例は、陽極酸化する量以外、第1実施例と同様である。第2実施例では、陽極酸化する量が第1実施例より多い。陽極酸化により形成される酸化アルミニウムの厚みは95μmである(アルミニウム層の厚み=5μm)。つまり、絶縁基板24の第2面に形成されるアルミニウムからなる導体回路の厚みは5μmである。
【0047】
[第3実施例]
第3実施例では、樹脂と無機粒子とからなる充填剤が用いられている。具体的には、エポキシ樹脂とシリカ粒子とキシレン(1:1:8(重量比))からなる含浸液が用いられている。孔にはエポキシ樹脂とシリカ粒子とからなる充填剤が形成されている。充填剤の配合量は重量で1:1である。それ以外、第2実施例は第1実施例と同様である。
【0048】
[第4実施例]
第4実施例では、セラミックスからなる充填剤が用いられている。具体的には、酸化アルミニウム内の孔にゾル・ゲル法によりシリカが充填される。それ以外、第4実施例は第1実施例と同様である。
【0049】
[第5実施例]
第5実施例では、出発材料にチタンからなる金属板を用いている(板厚100um)。チタンを陽極酸化するための浴と条件を以下に示す。
(陽極酸化浴)
0.2M硫酸と0.2Mりん酸との混合水溶液
(酸化条件)
電圧:250V
時間:7時間
(チタン層28のエッチング液とエッチング条件)
フッ硝酸水溶液(フッ酸:硝酸:水=1:1:18)25℃ 10分
それ以外、第5実施例は第1実施例と同様である。
【0050】
[第6実施例]
第6実施例では、出発材料にマグネシウム合金(AZ91)からなる金属板を用いている(板厚100um)。マグネシウム合金を陽極酸化するための浴と条件を以下に示す。
(陽極酸化浴)
硫酸アンモニウム 30g/l
重クロム酸ナトリウム二水和物 30g/l
アンモニア少量
50℃
時間:1時間
(マグネシウム合金層のエッチング液とエッチング条件)
5%リン酸水溶液 25℃ 10分
それ以外、第6実施例は第1実施例と同様である。
【0051】
(第7実施例)
第7実施例では、厚み50μmのアルミニウム板(日本軽金属社製、純度99.99wt%)20が出発材料に用いられている。第1のレジストパターン形成後、硫酸10wt%、硝酸10wt%の混合水溶液(70℃)に120秒浸漬する。第1のレジストパターンから露出するアルミニウムのトンネルエッチングが進行し、アルミニウム板に深さ約40umの微細な孔が形成される。その後、レジストパターンをエタノールアミン10%水溶液にて剥離し、第1面側からアルミニウム板に大気圧マイクロ波プラズマを照射する。トンネルエッチングで形成される孔により露出するアルミニウムは、表面が活性なため、酸素プラズマにより酸化アルミニウムに変化しやすい。それに対し、第1のレジストパターンを除去することで露出するアルミニウムの表面は活性が低いので酸化されがたい。アルミニウム板は下記装置のXYテーブルに保持されている。アルミニウム層28の厚みは10μmである。それ以外、第7実施例は第1実施例と同様である。
(酸素プラズマ照射装置)
大気圧マイクロ波プラズマ装置(日本プラズマトリート(株))
装置 1RD1004+FG3001
(酸素プラズマ照射条件)
酸素流量 20l/min
発信周波数 20KHz
出力電圧 220V
電流値 2.9A
ノズル移動速度 0.5m/min
ノズルと材料の距離 4mm
【0052】
[実施形態の応用例]
実施形態の応用例について、図12を参照して説明する。
実施形態の応用例は、実施形態の改変形態または別の実施形態で得られる配線基板(図10(A)、図10(B)参照)40上にビルドアップ層を形成する例である。
【0053】
配線基板40の両面に、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム(味の素社製:商品名;ABF−45SH)を真空ラミネーター装置を用いて貼り付ける。その後、熱硬化することにより、配線基板40上に樹脂絶縁層50が形成される(図12(B))。
【0054】
次に、CO2 ガスレーザにて、樹脂絶縁層50にスルーホール導体に至るバイアホール用開口50aを形成する(図12(C))。
【0055】
次いで、バイアホール用開口50aの内壁を含む樹脂絶縁層50の表面に粗化面を形成する(図示せず)。なお、この粗化処理は必須ではない。
【0056】
粗化処理後の基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いする。その後、該基板の表面に、触媒を付与する。
【0057】
次に、無電解銅めっき水溶液に、基板を浸漬して、厚さ0.3〜3.0μmの無電解銅めっき膜52をバイアホール用開口50aの内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面に形成する。無電解銅めっき膜52上に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、露光及び現像処理することにより、めっきレジスト56を形成する。ついで、めっきレジスト56非形成部に、厚さ約15μmの電解銅めっき膜54を形成する(図12(D))。
【0058】
続いて、めっきレジスト56を5%KOHで除去する。その後、電解銅めっき膜から露出する無電解めっき膜を溶解除去することで、独立の導体回路58及びビア導体60が形成される(図12(E))。ビルドアップ配線板100が完成する(図12(E)。
ビルドアップ配線板100の両面に導体回路やバイアホールを露出するための開口を有するソルダーレジスト層を形成することができる。ソルダーレジスト層の開口に半田バンプを形成することができる。ソルダーレジスト層70と半田バンプ58U、58Dを有するプリント配線板を図13に示す。
【0059】
実施形態の改変形態または別の実施形態で得られる配線基板の第1面と第2面は平坦なので、実施形態の改変形態または別の実施形態で得られる配線基板はビルドアップ配線板のコア基板に適している。ファインなバイアホールや導体回路を形成することができる。
【0060】
[実施形態の応用例2]
応用例2では、実施形態の絶縁基板上にビルドアップ層を形成する。形成方法は実施形態の応用例と同様である。実施形態の絶縁基板上にビルドアップ層を形成することで得られるビルドアップ配線板を図14に示す。応用例2では、絶縁基板40が導体回路28aを有しているので、小型なビルドアップ配線板を形成することができる。
【符号の説明】
【0061】
20 アルミニウム板
22 レジスト
24 絶縁部分(酸化アルミニウム)
24h 孔
26 スルーホール
28U、28D 半田バンプ
30 充填樹脂
40 配線基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有し、孔を有する金属酸化物からなる絶縁基板と、
前記絶縁基板を貫通し、前記金属酸化物を構成している金属からなるスルーホール導体と、からなる配線基板において、
前記孔には充填剤が形成されている配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板において、前記充填剤は樹脂からなる。
【請求項3】
請求項1に記載の配線基板において、前記充填剤は樹脂と無機粒子とからなる。
【請求項4】
請求項1に記載の配線基板において、前記充填剤はセラミックスからなる。
【請求項5】
請求項1に記載の配線基板において、前記金属酸化物は陽極酸化により形成されている。
【請求項6】
請求項1に記載の配線基板において、前記絶縁基板の第2面に前記金属酸化物を構成している金属からなる導体回路が形成されている。
【請求項7】
請求項1に記載の配線基板において、前記孔の形状は前記絶縁基板の断面方向に長く、前記絶縁基板の表面方向に短い。
【請求項8】
請求項1に記載の配線基板において、前記孔は主孔と副孔とからなり、該主孔の形状は前記絶縁基板の断面方向に長く前記絶縁基板の表面方向に短く、前記副孔は前記主孔から枝分かれしている短い孔である。
【請求項9】
第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する金属板の第1面に陽極酸化用のレジストを形成することと、
前記金属板の第2面に保護膜を形成することと、
前記金属板を陽極酸化浴に浸漬することと、
前記金属板を陽極として、前記陽極酸化用のレジストから露出している前記金属板の金属を第1面から第2面に向かって酸化することと、
前記陽極酸化用のレジストを除去することと、
前記保護膜を除去すること、とからなる配線基板の製造方法。
【請求項10】
請求項9の配線基板の製造方法において、前記酸化することは、前記金属板の金属を金属酸化物に変換することであり、該金属酸化物は絶縁基板として機能し、前記陽極酸化用のレジストを除去することで露出する金属はスルーホール導体として機能する。
【請求項11】
請求項10の配線基板の製造方法において、前記金属酸化物と前記金属板の第2面との間に前記金属板の金属が残るように金属は金属酸化物に変換されている。
【請求項12】
請求項11の配線基板の製造方法において、さらに、金属酸化物と金属板の第2面との間に存在する金属から金属酸化物上に金属酸化物を構成している金属からなる導体回路を形成することを含んでいる。
【請求項13】
請求項9の配線基板の製造方法において、前記陽極酸化浴はしゅう酸チタンカリウム、クロム酸、硫酸、水酸化ナトリウムの内少なくとも1つを含む水溶液である。
【請求項14】
請求項10の配線基板の製造方法において、前記金属酸化物は孔を有し、該孔には充填剤が形成されている。
【請求項15】
請求項1において、前記金属酸化物はプラズマ処理により形成されている。
【請求項16】
請求項1において、前記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化アンチモンの内の1つである。
【請求項1】
第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有し、孔を有する金属酸化物からなる絶縁基板と、
前記絶縁基板を貫通し、前記金属酸化物を構成している金属からなるスルーホール導体と、からなる配線基板において、
前記孔には充填剤が形成されている配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板において、前記充填剤は樹脂からなる。
【請求項3】
請求項1に記載の配線基板において、前記充填剤は樹脂と無機粒子とからなる。
【請求項4】
請求項1に記載の配線基板において、前記充填剤はセラミックスからなる。
【請求項5】
請求項1に記載の配線基板において、前記金属酸化物は陽極酸化により形成されている。
【請求項6】
請求項1に記載の配線基板において、前記絶縁基板の第2面に前記金属酸化物を構成している金属からなる導体回路が形成されている。
【請求項7】
請求項1に記載の配線基板において、前記孔の形状は前記絶縁基板の断面方向に長く、前記絶縁基板の表面方向に短い。
【請求項8】
請求項1に記載の配線基板において、前記孔は主孔と副孔とからなり、該主孔の形状は前記絶縁基板の断面方向に長く前記絶縁基板の表面方向に短く、前記副孔は前記主孔から枝分かれしている短い孔である。
【請求項9】
第1面と該第1面とは反対側の第2面とを有する金属板の第1面に陽極酸化用のレジストを形成することと、
前記金属板の第2面に保護膜を形成することと、
前記金属板を陽極酸化浴に浸漬することと、
前記金属板を陽極として、前記陽極酸化用のレジストから露出している前記金属板の金属を第1面から第2面に向かって酸化することと、
前記陽極酸化用のレジストを除去することと、
前記保護膜を除去すること、とからなる配線基板の製造方法。
【請求項10】
請求項9の配線基板の製造方法において、前記酸化することは、前記金属板の金属を金属酸化物に変換することであり、該金属酸化物は絶縁基板として機能し、前記陽極酸化用のレジストを除去することで露出する金属はスルーホール導体として機能する。
【請求項11】
請求項10の配線基板の製造方法において、前記金属酸化物と前記金属板の第2面との間に前記金属板の金属が残るように金属は金属酸化物に変換されている。
【請求項12】
請求項11の配線基板の製造方法において、さらに、金属酸化物と金属板の第2面との間に存在する金属から金属酸化物上に金属酸化物を構成している金属からなる導体回路を形成することを含んでいる。
【請求項13】
請求項9の配線基板の製造方法において、前記陽極酸化浴はしゅう酸チタンカリウム、クロム酸、硫酸、水酸化ナトリウムの内少なくとも1つを含む水溶液である。
【請求項14】
請求項10の配線基板の製造方法において、前記金属酸化物は孔を有し、該孔には充填剤が形成されている。
【請求項15】
請求項1において、前記金属酸化物はプラズマ処理により形成されている。
【請求項16】
請求項1において、前記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化アンチモンの内の1つである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2011−14612(P2011−14612A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155402(P2009−155402)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]