説明

配線装置

【課題】プラグのコンセントからの誤引抜き自体の防止と、その誤引抜き時には、アークの発生の防止を図ることができる配線装置を提供する。
【解決手段】一対の栓刃2a,2bおよびこれら栓刃を直流負荷12に接続する受電通電路3を有するプラグ4と、このプラグの一対の栓刃に着脱可能に電気的に接続される一対の直流給電用の刃受けばねおよびこれら一対の刃受けばねを直流電源側に接続する通電路を有するコンセントと、を有する。また、プラグの一対の栓刃とコンセントの一対の刃受けばねとが接続されたときに、この接続状態を係脱可能にロックするロック機構と、このロック機構のロックの解除に連動してプラグまたはコンセントの通電路に流れる電流を抑制または遮断する制御回路8と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は配線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、配線装置の一例としては、プラグとコンセントとから構成されるものがあり、さらに、これらには、交流(AC)用と直流(DC)用のものがある。
【0003】
従来からこの種のAC用コンセントでは、これに挿入されているプラグを有する電気機器の通電中に、誤ってプラグをコンセントから引き抜く誤引抜きの防止を図ったものがある。その一例としては、コンセントにプラグを挿入した後、コンセントを回転させてロックする回転式のものが知られている。
【0004】
しかし、現在、DC用のプラグまたはコンセントは、これら自体が、まだ一般に普及していないために、必ずしも一定していない。したがって、このAC用の回転式をDC用に採用できるか否かは不明である。
【0005】
そして、DC用のプラグの誤引抜き時には、通電中の電流が大きい場合、このプラグの接続端子と、この接続端子に接続されていたDC用のコンセントの接続部との間に、アークが発生し、このアークが接続端子や接続部を溶損させ、または火災を発生させる虞もある。
【0006】
このようなアークの発生の防止を図った一例としては、特許文献1に記載されたものがある。これは、DC用プラグをDC用コンセントから引き抜く時に、押し釦を押すことにより、コンセントの一対の接続部間を高抵抗並列回路により接続してプラグ側へ流れる電流の減少を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−146782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来のDC用のプラグとコンセントでは、プラグのコンセントからの誤引抜き自体の防止を図った手段が無いので、プラグの誤引抜き自体を防止できない、という課題がある。
【0009】
また、プラグの誤引抜き時に、押し釦を押さない場合には、高抵抗並列回路がコンセントの一対の接続部間に挿入されないので、コンセントの一対の接続部間に通電中の電流を減少させることができない。このために、プラグの接続端子と、コンセントの接続部との間にアークが発生する虞がある、という課題もある。
【0010】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、プラグのコンセントからの誤引抜き自体の防止と、その誤引抜き時には、アークの発生の防止を図ることができる配線装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本実施形態によれば、一対の接続端子およびこれら接続端子を直流負荷に接続する通電路を有するプラグと、このプラグの前記一対の接続端子に着脱可能に電気的に接続される一対の直流給電用の接続部およびこれら一対の給電用接続部を直流電源側に接続する通電路を有するコンセントと;を具備している。
【0012】
また、プラグの一対の接続端子とコンセントの一対の接続部とが接続されたときに、この接続状態を係脱可能にロックするロック機構と、このロック機構のロックの解除に連動してプラグまたはコンセントの通電路に流れる電流を抑制または遮断する制御回路と;を具備している。
【発明の効果】
【0013】
本実施形態によれば、ロック機構により、プラグのコンセントからの誤引抜き自体の防止を図ることができる。
【0014】
そして、このロック機構のロックを解除すれば、通電中でも、プラグをコンセントから引き抜くことができるが、このロック機構のロックの解除時には、その解除に連動してプラグまたはコンセントの通電路に流れる電流が抑制または遮断される。このために、プラグの誤引抜き時のアークの発生の防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る配線装置の制御回路の電気回路図。
【図2】第1の実施形態に係る配線装置のプラグの正面図。
【図3】同,平面図。
【図4】同,右側面図。
【図5】第1の実施形態に係る配線装置のコンセントの正面図。
【図6】図1〜図4で示すプラグと図5で示すコンセントの一挿入行程を示す平面模式図。
【図7】図2〜図4で示すプラグのロック機構のロック直前の模式図。
【図8】図2〜図4で示すプラグのロック機構のロック時の模式図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る制御回路の電気回路図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0017】
図1〜図7に示すように本発明の第1の実施形態に係る配線装置1は、一対の接続端子の一例である栓刃2a,2b,2cおよびこれら栓刃2a〜2cを直流負荷12に接続する受電通電路3を有するプラグ4と、このプラグ4の一対の栓刃2a〜2cに着脱可能に電気的に接続される一対の直流給電用の接続部の一例である刃受けばね5a,5b,5cおよびこれら一対の刃受けばね5a〜5cを直流電源側に接続する給電通電路を有するコンセント6と、を具備している。
【0018】
また、配線装置1は、プラグ4の一対の栓刃2a〜2cとコンセント6の一対の刃受けばね5a〜5cとが接続されたときに、この接続状態を係脱可能にロックするロック機構7と、このロック機構7のロックの解除に連動してプラグ4の受電通電路3またはコンセント6の給電通電路(図示省略)を遮断する制御回路8と;を具備している。本発明の一実施形態として、プラグ4の受電通電路3は一対の接続端子の一例である栓刃2a,2bの少なくとも一部を含んでしてもよい。また、本発明の他の一実施形態として、コンセント6の通電路は一対の直流給電用の接続部の一例である刃受けばね5a,5bの少なくとも一部を含んでいてもよい。
【0019】
すなわち、図2〜図4に示すように配線装置1のDC用のプラグ4は、例えば合成樹脂製の6角形の角筒状のプラグ本体4aの一側壁4b(図2,図3では右側壁)に、図中、横方向に延在する例えば円筒状または円柱状の3極(+,−極、アース極)の栓刃2a,2b,2cを、その各中心が逆三角形の各角部に位置した状態で配設している。すなわち、例えば図4中上部において、+極と−極の一対の栓刃2a,2bが図中左右方向に所要の間隔を置いて配設され、これら栓刃2a,2bの下方にはアース用栓刃2cが配設されている。しかし、これら栓刃2a〜2cの配置はこれに限定されず、また、アース極用栓刃2cは省略して2極に構成してもよい。
【0020】
また、プラグ4はプラグ本体4aの一側壁4bに、栓刃2a〜2cの外周を所要の間隔を置いて囲む6角筒状のガイド筒9を同心状に配設している。ガイド筒9は合成樹脂により例えば透明に形成され、軸方向長さが各栓刃2a〜2cよりも若干長く形成されている。これら各栓刃2a〜2の内端は、プラグ本体4a内で制御回路8を介して図1で示す一対の端子10a,10bと図示しないアース端子に電気的に接続されている。これら一対の端子10a,10bは、コード11内の複数の芯線を介して直流負荷12としてのDC駆動の電気機器(図示省略)が接続される。
【0021】
そして、ロック機構7は、プラグ4の例えばガイド筒9の上端に配設された合成樹脂製の係止部13と、図5で示す合成樹脂製のコンセント6のプラグ挿入孔20に形成された一対の係止孔21a,21bと、を有する。
【0022】
係止部13は、ガイド筒9の上端面上に形成された平板状の挿入ガイド部13aと、この挿入ガイド部13aの図2中左端壁の上部に、図2中左斜め上方に延在するように一体に配設された帯状体のレバー13bとを有する。
【0023】
図2,図3に示すようにレバー13bは、その挿入ガイド部13aに一体に接続される根元部の左右両側面に、図中、上方に突出する係止爪13c,13dを一体に形成している。
【0024】
レバー13bは、その自由先端部(図2,図3では左端部)上面を指等により、プラグ本体4a側へ押し込むことにより、挿入ガイド部13aに接続された接続部を支点として、弾性力により図中上下方向に揺動する。
【0025】
プラグ本体4aは、その上面上に、レバー13bの揺動方向下面において、出没可能のプランジャ14を配設している。
【0026】
図1に示すようにプランジャ14は、リターンコイル14aを備えており、このリターンコイル14aの弾性力により出没可能に構成されている。プランジャ14の内端部は、可変抵抗器の一例である摺動抵抗器15の摺動子(図示省略)に結合され、プランジャ14の出没に応じて摺動抵抗器15の摺動子が移動して抵抗値が最大から最小まで制御される。図2に示すようにプランジャ14がフリーで外方へ最大突出してする位置を原位置とし、この原位置では摺動抵抗器15の抵抗値が最小値になる。リターンコイル14aはプランジャ14をこの原位置に常時付勢している。
【0027】
すなわち、図2に示すようにプラグ4をコンセント6のプラグ挿入孔20内に挿入する前,またはプラグ4をコンセント6のプラグ挿入孔20から引き抜いた後のロック機構7のロック解除時は、プランジャ14の外方突出量が最大となる原位置に復帰され、摺動抵抗器15の抵抗値は最小となる。
【0028】
これに対し、図7に示すようにプラグ4がコンセント6のプラグ挿入孔20内に挿入されている途中であって、一対の係止爪13c,13dが嵌合孔21a,21bの手前にある時、すなわち、ロック機構7がロックされる手前の状態では、一対の係止爪13c,13dの図中突出上端がプラグ挿入孔20の内面の図中上面に当接した状態で一対の係合孔21a,21b側へ摺動するので、レバー13bが弾性的に押し下げられる。このために、プランジャ14の突出外端部がレバー13bの図中下面によりプラグ本体4a側へ深く押し込まれるので、摺動抵抗器15の抵抗値は最大となる。
【0029】
図8は、ロック機構7がロックした状態を示す。すなわち、コンセント6のプラグ挿入孔20内にプラグ4を挿入した図7で示す状態から、さらにプラグ4をコンセント6のプラグ挿入孔20内の奥へ挿入したために、プラグ4の一対の係止爪13c,13dがレバー13bの弾性復元力により図中下方へ若干移動しコンセント6の一対の係合孔21a,21b内に嵌入した状態を示す。このロック状態では、一対の係止爪13c,13dの図8中左端のほぼ垂直の後壁が一対の係合孔21a,21bの図8中左端のほぼ垂直の後壁に当接して係止されるので、プラグ4のコンセント6からの引抜きが阻止される。
【0030】
このロック状態では、レバー13bが図中上方へ移動するので、プランジャ14は図7で示すレバー13bによる押圧状態から解放されてフリーになる。このために、プランジャ14はリターンコイル14aのばね復元力により漸次上方へ突出し、上限の原位置に復帰する。
【0031】
図1に示すように制御回路8は、この摺動抵抗器15、トランジスタ17、MOSFET(N型)18および抵抗19を具備している。
【0032】
MOSFET18は、そのソースSとドレンDを受電通電路3の途中に介装し、ゲートGに電圧が印加されたときに、そのゲート電圧の増大に応じて電流チャネルの抵抗値が漸次減少して行き導通(ON)する。抵抗19はダミー負荷であり、通常負荷時にはMOSFET18からの電流が−(マイナス)極側の通電路に流入するのを実質的に阻止し得る程度の抵抗値を有する。
【0033】
図5,図7に示すようにコンセント6は、プラグ4を挿入させるプラグ挿入孔20と、プラグ4の一対の係止爪13c,13dと係脱可能に係合する一対の係合孔21a,21bを具備している。これら係合孔21a,21bは、プラグ4の一対の係止爪13c,13dを有する係止部13と共にロック機構7として構成されている。各係合孔21a,21bは図7に示すようにプラグ挿入孔20の内側に形成されている。
【0034】
すなわち、一対の係合孔21a,21bに、プラグ4の一対の係止爪13c,13dが係合することにより、ロック機構7がロックされる。
【0035】
一方、このロック状態において、レバー13を指等によりプラグ本体4a側(図2,図7中、下方)へさらに押し込むことにより、係合孔15と一対の係止爪13c,13dとのロック状態を解除することができる。
【0036】
また、図5,図6に示すようにコンセント6は、プラグ4の3極の栓刃2a〜2cをそれぞれ挿脱可能に挿入させて電気的に接続する3極の刃受けばね20a,20b,20cと、プラグ4の6角形のガイド筒9の挿入先端部を嵌入させる6角形の嵌合孔22を有する。
【0037】
次に、この配線装置1の作用を説明する。
【0038】
まず、図2に示すようにプラグ4のロック機構7が解除されている状態、すなわち、レバー13bが図中左斜め上方へ傾斜してプランジャ14と共に原位置にある状態において、図5で示すコンセント6のプラグ挿入孔20内にプラグ4を挿入すると、その挿入に伴って、まず、図7に示すようにプラグ4の一対の係止爪13c,13dの傾斜面がプラグ挿入孔20の内面の図中上面に弾性的に当接してレバー13bが弾性力に抗して下方へ漸次押し下げられる。このために、レバー13bはプランジャ14の外端部を図中下方へ押し下げる。これにより、摺動抵抗器15の抵抗値はプランジャ14の没入量の増加に応じて漸次増加し、最大値まで漸増する。このため、摺動抵抗器15を流れる電流は漸減しトランジスタ11の出力電圧も漸減し、MOSFET18のゲートGに印加される電圧はほぼ最小となり、MOSFET18の電流チャネルの抵抗値もほぼ最大値まで漸増し、ほぼ遮断される。
【0039】
そして、図8に示すようにコンセント6のプラグ挿入孔20内の奥にプラグ4を押し込むと、一対の係止爪13c,13dがレバー13の弾性復元力により図8中上方へ押し上げられて係合孔21a,21b内に嵌入して係止される。これにより、ロック機構7がロックされる。このロック状態では、一対の係止爪13c,13dの図7中左端の垂直壁が一対の係合孔21a,21bの図中左端の垂直壁に当接するので、プラグ4のコンセント6からの引抜きは阻止される。
【0040】
そして、このロック状態では、レバー13bが図中上方へ押し上げられ、図2で示す原位置に復帰するので、プランジャ14がレバー13bによる弾圧から解放(フリー)されて原位置に復帰する。このために、摺動抵抗器15の抵抗値をほぼ最小値まで漸次減少させる。
【0041】
このために、図1で示すように摺動抵抗器15を流れる電流が増大し、トランジスタ17の出力電圧が上昇して、MOSFET(N型)18のゲートに印加される。このために、MOSFET(N型)18の電流チャネルの抵抗が減少して受電通電路3が導通する。これにより、プラグ4の栓刃2a,2bにより受電したDC電流が出力端子10a,10bとコード11を介して図示省略の電気機器に給電される。
【0042】
次に、このように電気機器に給電中に、プラグ4をコンセント6から引き抜く場合について説明する。
【0043】
この場合は、まず図8に示すようにロック状態にあるレバー13bを図7で示すように指で図中下方へ押し下げ、プラグ4を引き抜く。すると、レバー13bの一対の係止爪13c,13dとコンセント6の一対の係合孔21a,21bとの係止状態(ロック状態)が解除される。これにより、図2に示すようにプランジャ14が原位置に復帰するので、摺動抵抗器15の抵抗値は漸次増大する。このために、摺動抵抗器15の出力電流は減少し、さらに、トランジスタ17の出力電圧も減少するので、MOSFET18のゲート電圧も減少し、その電流チャネルの抵抗値が増大し、受電通電路3が遮断される。
【0044】
これにより、プラグ4の各栓刃2a〜2cとコンセント6の各刃受けばね5a〜5cとの間にアークが発生することの防止または低減を図ることができる。
【0045】
すなわち、ロック機構7のロックを解除すれば、通電中でも、プラグ4をコンセント6から引き抜くことができるが、このロック機構7のロックの解除時には、その解除に連動してプラグ4の受電通電路3の電気抵抗が制御回路8のMOSFET18により増大されて遮断される。このために、プラグ4の誤引抜き時のアークの発生の防止を図ることができる。
【0046】
この後、プラグ4がコンセント6のプラグ挿入孔20から外部へ引き抜かれると、プラグ4の受電が停止し、図2に示すようにレバー13bが弾性復元力により原位置へ復帰し、プランジャ14もリターンコイル14aの弾性復元力により外方へ突出して原位置に復帰する。
【0047】
また、そもそも、ロック機構7により、プラグ4のコンセント6からの誤引抜き自体の防止を図ることができる。
【0048】
さらに、この配線装置1によれば、ロック機構7のロック前からロック時までの過程では、MOSFET18の電流チャネルの電気抵抗を最大値から漸次連続的に減少させて受電通電路3を導通させるので、プラグ4に接続された電気機器の起動時に、流入する突入電流を回避することができる。
【0049】
すなわち、受電通電路3を単にON−OFF制御する場合には、そのON時、電気機器の通常駆動時に流入する電流よりも大きい起動電流が一気に受電通電路3を介して電気機器に突入してしまい、突入電流を回避できない。
【0050】
しかし、本実施形態によれば、プランジャ14の漸次連続的に増加して行く没入量に連動してMOSFET18の電流チャネルの電気抵抗値を漸次連続的に減少させることにより、起動電流を漸増させ、起動電流をそのまま一気に電気機器に突入させないので、突入電流の回避を図ることができる。
【0051】
また、プラグ4とコンセント6が上下で非対称の6角形に形成されているので、プラグ4の+,−極の栓刃2a,2bと、コンセント6の刃受けばね5a,5bとの極性を誤って挿入する誤挿入を防止できる。
【0052】
本発明において、制御回路8は種々変形可能であり、その一例を以下に説明する。
【0053】
図8は本発明の第2の実施形態に係る制御回路8Aの+極側の受電通電路3のみを図示し、−極側の通電路を図示省略している。この制御回路8Aは、図1で示す制御回路8のトランジスタ17とMOSFET18を削除する一方、+極側の受電通電路3に、JFET(N型)22と上記摺動抵抗器15を直列に挿入し、摺動抵抗器15の出力側をJFET22のゲートGに接続した点に特徴がある。
【0054】
JFET(N型)22は、受電通電路3をON−OFF制御する、いわば常閉のスイッチとして機能する。したがって、図7に示すように、ロック機構7のロック時、プランジャ14が没入して摺動抵抗器15の抵抗値が増大すると、導通(ON)中のJFET22を介して摺動抵抗器15に流入した電流が減少し、JFET22のゲートGに与えられる電流が所定のしきい値以下に減少してJFET22が導通(ON)を維持する。
【0055】
一方、このロック機構7のロックが解除されると、図1に示すようにブランジャ14がリターンコイル14aの弾性復元力により外方へ突出し、摺動抵抗器15の抵抗値が低下する。このために、この摺動抵抗器15の出力側からJFET22のゲートGに与えられる電流が所定のしきい値以上に増加したときに、JFET22が非導通(OFF)に反転し、受電通電路3が遮断される。
【0056】
したがって、プラグ4の受電通電路3が受電中に、コンセント6から誤って引き抜かれると、この受電通電路3が遮断されるので、プラグ4の栓刃2a,2bと、コンセント6の刃受けばね5a,5bとの間でアークが発生するのを低減または防止できる。
【0057】
本実施形態は、構成が簡単である反面、受電通電路3に摺動抵抗器15が介挿されるため、この抵抗器15により電力損失が生じるという点では第1の実施形態に劣る。しかし、前述のとおり、本発明はこれらの実施形態に限られるものではない。
【0058】
なお、上記実施形態では、上記制御回路8,8Aをプラグ4側に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば制御回路8,8Aを、プラグ4側に代えてコンセント6側に設けてもよい。また、係止部13はプラグ本体4aの上端上に代えて、その側面に配設されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…配線装置、2a,2b,2c…栓刃(接続端子)、3…受電通電路、4…プラグ、5a,5b,5c…刃受けばね(接続部)、6…コンセント、7…ロック機構、8,8A…制御回路、12…直流負荷、13…係止部、13c,13d…一対の係止爪、14…プランジャ、15…摺動抵抗器、20…プラグ挿入孔、21a,21b…一対の係合孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の接続端子およびこれら接続端子を直流負荷に接続する通電路を有するプラグと;
このプラグの前記一対の接続端子に着脱可能に電気的に接続される一対の直流給電用の接続部およびこれら一対の給電用接続部を直流電源側に接続する通電路を有するコンセントと;
前記プラグの一対の接続端子と前記コンセントの一対の接続部とが接続されたときに、この接続状態を係脱可能にロックするロック機構と;
このロック機構のロックの解除に連動して前記プラグまたはコンセントの通電路に流れる電流を抑制または遮断する制御回路と;
を具備していることを特徴とする配線装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記ロック機構のロック時、そのロックに連動して前記プラグまたはコンセントの通電路の電気抵抗を徐々に減少させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の配線装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−258511(P2011−258511A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134072(P2010−134072)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】