説明

酢酸及び緩衝剤

本発明は、a)0.01〜20% wt/wtの酢酸、及びb)酢酸を、2〜7の範囲のpHに維持することができる生理的に許容される緩衝剤を含有する組成物、並びにその組成物の抗菌剤としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酢酸、及び酢酸のpH値を2〜7の範囲に維持することを可能にする生理的に許容される緩衝剤を含有する組成物に関する。本発明の組成物は抗菌効果を有することが見出されている。
【背景技術】
【0002】
菌、特に細菌は、人間及び動物の両者においてさまざまなタイプの感染を引き起こし、また、産業機器、特に高い衛生基準が要求される機器において問題を引き起こすことが知られている。抗生物質は、好ましくない菌を殺すか、その生育を阻害するために使用されており、通常の感染症治療の選択肢となっている。しかしながら、世界的な抗生物質耐性菌の増加は、従来の治療の効果を制限し、かつては治療可能であった感染症を治療することを非常に困難にしている。特に問題となるのは、いわゆるバイオフィルムを形成する細菌による感染である。このような感染は、通常、抗生物質の最大到達量にも耐えるためである。このような感染は、一般には医療機器やインプラントの不活性な表面に生じるが、これらはまた、嚢胞性線維症、心内膜炎、鼻副鼻腔炎、慢性中耳炎、及び慢性創傷にも関係する。この抗生物質耐性のために、好ましくない菌を効果的に根絶し得る新たな治療計画を考え出すことが極めて重要である。その上、人間や動物における感染に関して、治療が宿主に対して無毒であり、生理的に許容されるものであるべきことは避けられない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Martineau L and Dosch HM (2007), Journal ofApplied Microbiology, 103, 297-304 は、「侵害受容を標的とした新規バーンゲルによるバイオフィルムの減少」(“Biofilm reduction by a new burn gel that targets nociception”)について記載。
【非特許文献2】Akiyama H et al (1999), ArchDermatol Res, 291, 570-573 は、「スタフィロコッカス・アウレウスにより形成されたバイオフィルムに対する酢酸の効果」(“Effects of acetic acid on biofilms formed by Staphylococcusaureus”)について記載。
【発明の概要】
【0004】
すなわち、発明の一つの見地は、
a)0.01〜20% wt/wt の酢酸、及び
b)酢酸を、2〜7の範囲のpHに維持することができる生理的に許容される緩衝剤、
を含む組成物に関する。
【0005】
本発明の別の見地は、0.01〜20% wt/wt の酢酸を含有する組成物の、菌のバイオフィルム(菌膜)に投与される抗菌剤としての使用に関する。
【0006】
本発明の別の見地は、酢酸及び緩衝剤を含む組成物の、例えば産業又は医療機器の洗浄用などの、菌の生育を阻害するための使用、及び使用方法に関する。
【0007】
本発明の最後の見地は、a)0.01〜20% wt/wt の酢酸、及びb)酢酸を、2〜7の範囲のpHに維持することができる生理的に許容される緩衝剤を含む組成物の医薬としての使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、さまざまなpH値に調節したAB最小培地で生育させた24時間後の固定系のシュードモナス・アエルギノーサ(P. aeruginosa)バイオフィルムに対する、0.5%酢酸の抗菌効果を示す。さまざまなpHに調節した酢酸を含まないAB最小培地をコントロールとして用いた。処理後のCFUを決定するために、バイオフィルム細菌を回収し、LBプレートに塗布した(外観上、“生育なし”は、適宜、2のCFU値が与えられた)。
【図2】図2は、pH6.85における、24時間後の固定系のP.aeruginosaバイオフィルムに対する、0.5%酢酸のトブラマイシンの濃度増加との相乗作用における抗菌効果を示す。トブラマイシンの濃度増加分を補ったAB最小培地は、コントロールとしての役割を果たした。処理後のCFUを決定するために、バイオフィルムを回収し、LBプレートに塗布した(外観上、“生育なし”は、適宜、2のCFU値が与えられた)。
【図3】図3は、さまざまなpH値における、24時間後の固定系のP.aeruginosaバイオフィルムに対する、0.5%酢酸のトブラマイシンの濃度増加との相乗的な抗菌効果を示す。酢酸は含まないが、トブラマイシンの濃度増加分を補ったAB最小培地は、コントロールとしての役割を果たした。処理後のCFUを決定するために、バイオフィルム細菌を回収し、LBプレートに塗布した(外観上、“生育なし”は、適宜、2のCFU値が与えられた)。
【図4】図4は、さまざまなpH値における、24時間後の固定系の非ムコイド型P.aeruginosa臨床分離株バイオフィルムに対する、0.5%酢酸のトブラマイシンの濃度増加との組み合わせの相乗的な抗菌効果を示す。酢酸は含まないが、トブラマイシンの増加濃度分を補ったAB最小培地は、コントロールとしての役割を果たした。処理後のCFUを決定するために、バイオフィルムを回収し、LBプレートに塗布した(外観上、“生育なし”は、適宜、2のCFU値が与えられた)。
【図5】図5は、さまざまなpH値における、24時間後の固定系のムコイド型P.aeruginosa臨床分離株バイオフィルムに対する、0.5%酢酸のトブラマイシンの濃度増加との相乗的な抗菌効果を示す。酢酸は含まないが、トブラマイシンの増加濃度分を補ったAB最小培地は、コントロールとしての役割を果たした。処理後のCFUを決定するために、バイオフィルムを回収し、LBプレートに塗布した(外観上、“生育なし”は、適宜、2のCFU値が与えられた)。
【図6】図6は、II型糖尿病38歳男性患者の、緩衝化した酢酸溶液による治療前のP.aeruginosaに感染した慢性踵部潰瘍を示す(0日)。この段階で、よく知られた抗菌治療のいくつかが既に試されていた。
【図7】図7は、緩衝化した酢酸溶液による治療後11日の図6の慢性踵部潰瘍を示す(11日)。ムコイド型感染は根絶され、現在、潰瘍は順当に治癒している。
【図8】図8は、II型糖尿病73歳女性患者の、緩衝化した酢酸溶液による治療前のP.aeruginosaに感染した慢性足潰瘍を示す(0日)。治療前の培養物は、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonasaeruginosa)とスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を示していた。患者は、反対側の足の感染したつま先のために抗スタフィロコッカス治療を受けた(ヘラシリン(Heracillin))。
【図9】図9は、緩衝化した酢酸溶液による治療後3日の図8の慢性足潰瘍を示す(3日)。ムコイド型感染は顕著に低減し、潰瘍は、順当な創傷治癒過程の回復を示す暗赤色に達していた。
【図10】図10は、緩衝化した酢酸溶液による治療後6日の図8及び9の慢性足潰瘍を示す(6日)。ムコイド型感染は根絶され、現在、潰瘍は、順当に治癒している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、以下にさらに詳細に説明される。
【0010】
組成物
本発明は、
a)0.01〜20% wt/wt の酢酸、及び
b)酢酸を、2〜7の範囲のpHに維持することができる生理的に許容される緩衝剤、
を含む組成物に関する。
【0011】
本発明の発明者らは、式CH3COOHで示される解離していない形態の酢酸が、その酸性形態で存在するとき、菌の生育を弱める能力を有することを見出した。本発明の文脈において、酢酸に関して使用される「酸性形態」の用語は、CH3COOHとして存在することを意味する。CH3COO-とCH3COOHとの間の平衡は、pHが、pKa値4.76のときに存在するため、このpKa値において、CH3COO-及びCH3COOHの全量の50%が、解離していないCH3COOHとなる。
【0012】
実施例にも示されるように、同じ緩衝液に含まれるHClは、これら2つの化合物が同じpHで用いられた場合でも、菌の生育に対して酢酸と同様の効果を発揮しない。これは、菌の生育を減少させるのは、酸性のpHではなく、解離していない酢酸分子それ自体であることを示している。酢酸を活性なプロトン化形態に維持するために、酢酸を酸性形態に維持する緩衝剤が、本発明の組成物に含有される。
【0013】
本発明の文脈において、「生理的に許容される緩衝剤」の用語は、本発明によって使用された結果、採用される投与量及び濃度においてレシピエントにとって無毒であり、滅菌され、内毒素を含有せず、発熱性物質を含有しない溶液となる、緩衝剤として理解される。滅菌性及び毒性は、米国の薬学教育の公的な研究論文、例えば、滅菌性試験USP 71(sterility test USP 71)、細菌内毒素試験USP 85(bacterial endotoxins test USP 85)、及び発熱性物質試験USP 151(pyrogen test USP 151)に従って評価することができる。また、本文脈における生理的に許容される緩衝剤は、投与量及び濃度において、非発癌性、及び非変異原性である。
【0014】
緩衝剤の用語は、弱酸及びその塩、弱塩基及びその塩を含む、pHの変化に対して抵抗性を持つ溶液の一般的な説明として良く知られている。
【0015】
本発明の文脈において、「酢酸を、2〜7の範囲のpHに維持することができる緩衝剤」の用語は、組成物が、例えば菌のバイオフィルム、創傷、又はその他組成物のpHに影響を与え得る環境に添加されたときにも、酢酸を酸性形態に維持することができる緩衝剤として理解される。この文脈において、「維持することができる」の用語は、2時間以上、例えば3時間以上、4時間以上、5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、15時間以上、20時間以上、24時間以上、36時間以上、48時間以上、72時間以上、96時間以上、100時間以上、或いは150時間以上の期間の特定の間隔において、酢酸のpHを維持することができる緩衝剤として理解される。本発明の組成物が、慢性創傷のような創傷に添加されたとき、pHは、商業的に入手可能なHydrion紙等のpH指示紙又はスティックによって測定することができる。
【0016】
本発明の組成物において酢酸の代わりに用いることができる他の弱酸の例は、特に限定されないが、アルミニウム二酢酸、クエン酸、メタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ホウ酸を含む。
【0017】
種々の緩衝剤は、酢酸を2〜7の範囲のpHに維持することができ、一方で生理的に許容されるものであり、その例は特に制限されないが、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸緩衝剤、トリス緩衝剤、及びへぺス緩衝剤を含む。従って、好ましい形態では、本発明の組成物は、この群から選ばれる緩衝剤を含有し得る。本発明の組成物において緩衝剤を用いることの一つの利点としては、緩衝剤を含まない同等の組成物に比べて、より長くpHを所望の値に維持する緩衝剤の能力にある。これは、例えば、組成物を患者に適用する場合に有利である。なぜなら、この組成物はより長時間活性であり、緩衝剤がない場合に比べて、組成物を頻繁に再適用又は交換する必要がないからである。
【0018】
本発明の組成物のもう一つの利点は、よく知られかつ高価でない材料を用いることに基づいていることにある。さらに、本発明の組成物は無毒である。すなわち、人間(及び動物)に生理的に許容され、人間(及び動物)における感染症の治療に特に適している。比較的多量の組成物が、創傷のような易感染性又は敏感な組織、又は肺組織に投与される可能性があるため、重要なことは、トリエタノールアミン、トリ−及びジ−エチルアミン、並びにそれらの塩のような毒性及び/又は発癌性の緩衝剤は、本発明に含有させないことである。
緩衝剤を用いたpHの増大は、歯のエナメルを破壊することなく、口腔内使用を持続することを可能にする。
【0019】
本発明の組成物は、滅菌されており、すなわち、菌、細菌、及びウイルスなどの伝染性の物質を本質的に含まない。滅菌組成物は、点滴バッグ、或いは皮下注射針で貫通することができる栓を有する小瓶等の滅菌アクセスポートを有する容器へ収容するに先立ち、滅菌成分を用いること、及び/又は最終組成物を滅菌処理すること、及び/又は、滅菌濾過膜で濾過することで、実現される。
【0020】
一つの形態では、本発明の緩衝剤は、特に酢酸のpHを、2〜6.5、例えば2〜6、若しくは2〜5.5、若しくは2〜5、又は2.5〜7、若しくは2.5〜6.5、若しくは2.5〜6、若しくは2.5〜5.5、若しくは2.5〜5、又は3〜7、若しくは3〜6.5、若しくは3〜6、若しくは3〜5.5、若しくは3〜5、又は3.5〜7、若しくは3.5〜6.5、若しくは3.5〜6、若しくは3.5〜5.5、若しくは3.5〜5、又は4〜7、若しくは4〜6.5、若しくは4〜6、若しくは4〜5.5、若しくは4〜5の範囲に維持し得る。
【0021】
別の形態では、本発明の組成物は、0.01〜15% wt/wt の酢酸、若しくは0.01〜10% wt/wt の酢酸、若しくは0.01〜5% wt/wt の酢酸、又は0.05〜20% wt/wt の酢酸、0.05〜15% wt/wt の酢酸、0.05〜10% wt/wt の酢酸、又は0.01〜5% wt/wt の酢酸、0.10〜20% wt/wt の酢酸、0.10〜15% wt/wt の酢酸、0.10〜10% wt/wt の酢酸、若しくは0.10〜5% wt/wt の酢酸、又は0.5〜20% wt/wt の酢酸、0.5〜15% wt/wt の酢酸、0.5〜10% wt/wt の酢酸、若しくは0.5〜5% wt/wt の酢酸、又は1.0〜20% wt/wt の酢酸、1.0〜15% wt/wt の酢酸、若しくは1.0〜10% wt/wt の酢酸、若しくは1.0〜5% wt/wt の酢酸、又は2.5〜20% wt/wt の酢酸、2.5〜15% wt/wt の酢酸、2.5〜10% wt/wt の酢酸、若しくは2.5〜5% wt/wt の酢酸、又は5〜20% wt/wt の酢酸、若しくは5〜15% wt/wt の酢酸、若しくは5〜10% wt/wt の酢酸、又は10〜20% wt/wt の酢酸、若しくは10〜15% wt/wt の酢酸を含有することができる。
【0022】
緩衝剤は様々な緩衝能を有することが知られ、従って、使用に適した緩衝剤の量は、とりわけ、緩衝剤の選択、及び組成物が使用される状況、例えば医学的創傷や肺の治療に用いられるか、或いは産業又は医療機器の洗浄に用いられるかなどによる。
【0023】
本発明の発明者は、組成物のpHが5以上のとき、組成物におけるトブラマイシンの存在が、トブラマイシンを含まない同じ組成物に比べて、相乗的な抗菌効果を発揮し得ることを、生存菌の量が減少することに関して示した。従って、特に組成物のpHが4.5以上、例えば5以上の場合に、本発明の組成物に抗生物質を含める利点があり得る。
【0024】
従って、本発明の一つの形態では、組成物はさらに抗生物質を含んでいてもよい。このような好適な抗生物質の例は、限定されないが、アミノ配糖体、マクロライド、フルオノキノロン、セフタジジム、テトラサイクリン、スルホンアミド、ベータ−ラクタム、及び抗菌性ペプチドを含む。
【0025】
別の形態では、本発明の組成物は、限定されないが、洗浄剤、抗菌剤、及び消毒剤からなる群から選ばれる一つ、又はそれ以上の化合物をさらに含んでいてもよい。「菌」、「菌の」の用語は、本発明の文脈においては、プロテオバクテリア、始原細菌、菌類、及び酵母の何れをも含むものとして理解される。
【0026】
本発明の組成物は、一つの形態では、液体、ゲル、ガス又はエアロゾルの組成物のような流体であってもよい。本発明の組成物が液体であるとき、特に、水溶液のような溶液であってもよい。組成物は、また、例えば固体材及び/又は乾燥材に保持又は吸着されるような乾燥形態であってもよい。乾燥材は、好ましくは吸着粉体のような粉体である。このような乾燥組成物は、創傷の内部又は周辺の液体などの体液と接触することによって活性化され得る。
【0027】
酢酸を0.01〜20% wt/wt 含む組成物の、菌のバイオフィルムに投与される抗菌剤としての使用
本発明の別の見地において、発明者らは、酢酸を0.01〜20% wt/wt 含む組成物、すなわち緩衝剤を含まない組成物の菌のバイオフィルムへ投与する抗菌剤としての使用が効果的であることを見出した。発明者らは、緩衝剤を適用しないとき、組成物は上述した組成物に比べてpHが安定しないが、それにも関らず、バイオフィルム形成性の細菌を根絶する能力はあると見込んでいる。好ましい形態では、0.01〜20% wt/wt の酢酸を含有する組成物は、産業及び医療機器、特に、高い衛生基準が必要とされる機器を洗浄及び/又は消毒するのに使用することができる。本発明による組成物が使用されることが予測される産業としては、限定されないが、乳業、食肉水産業、醸造業などの食品製造業等が挙げられる。本発明の組成物によって処理され得る機器の例は、限定されないが、手術器具、カテーテル、又は輸送管路等の医療又は産業機器を含む。
【0028】
酢酸及び緩衝剤の両者を含む組成物の文脈で説明した実施形態及び特徴は、上述の酢酸のみを含有する組成物にも適用し得るし、その逆もあり得る。
【0029】
本発明の酢酸及び緩衝剤を含有する組成物の使用
本発明の発明者は、酸性形態の酢酸が抗菌効果を有することを見出した。従って、本発明は、a)0.01〜20% wt/wt の酢酸、及びb)酢酸を、2〜7の範囲のpHに維持することができる生理的に許容される緩衝剤を含有する組成物の、抗菌剤としての使用にも関する。「抗菌剤」の用語は、本発明の文脈において、菌の生育を弱める能力を有する化合物(又は剤)として理解される。特に、上記化合物又は剤は菌を死滅させ得る。
【0030】
本発明は、また、本発明の組成物を菌に施すことを含む、細菌の生育を弱める方法に関する。この方法は、1)細菌の生育による影響を受けている領域を特定すること、2)本発明の組成物を、できればスプレー、包帯、スポンジを用いて、或いは領域を洗い流すことによって、上記領域に適用すること、3)細菌の生育が弱まるまで、好ましくは根絶するまで、適用を繰り返すこと、を含む。
【0031】
菌は、浮遊した個々の生命体として生育するか、でなければ、菌のバイオフィルムとして知られる凝集体へ増殖し得る。
【0032】
バイオフィルムは、ヒトの内部又は表面への慢性細菌感染症において見出され、従来型の抗生物質では、根絶することが困難であることが知られている。本発明の発明者らは、酸性形態の酢酸がこのような慢性細菌感染症を治療するのに有用であること、上記効果を有するのは、組成物のpHというより、分子それ自体であることを発見した。さらに、他の方法では、本発明の組成物が抗生物質と組み合わされた時、慢性或いは持続性の感染症の治療を可能にする相乗効果が達成できる。ゆえに、特に、本発明の組成物は菌のバイオフィルムを含む感染症に投与することができる。
【0033】
好ましくない菌の生育は、例えば、ヒト、動物、若しくは植物の感染症、又は例えば石油産業におけるパイプライン、食品製造業のそれら、又は高い衛生基準が要求される医療機器のような産業環境など、数多くの様々な状況で発生する。本発明の組成物は、これらのすべての状況において、菌の生育や生存能力を弱めるのに使用することができる。
【0034】
本発明の組成物によって処理され得る菌の例は、限定されないが、細菌、特にシュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、及びエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等のプロテオバクテリア、並びに、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)及びスタフィロコッカス・エピデルミス(Staphylococcus epidermis)等のグラム陽性細菌を含む。
【0035】
バイオフィルム形成性の細菌はしばしば日和見性であり、免疫応答が低下している哺乳類において、及び/又は、腰、膝、又は心臓弁の置換材、体内式又は体外式のカテーテル等の異物が挿入された哺乳類において、慢性感染症を引き起こす。本発明の一つの形態では、組成物は、免疫応答が低下した患者における菌のバイオフィルムを含む感染症に適用し得る。免疫応答の低下は、嚢胞性線維症、糖尿病、老化又は肥満を含む様々な原因を有し得る。また、免疫抑制薬の投与も免疫応答の低下を引き起こし得る。
【0036】
本発明の組成物により処理され得る感染の例は、限定されないが、嚢胞性線維症、慢性創傷、肺、慢性中耳炎、心内膜炎、鼻副鼻腔炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)等において、及びカテーテル、人工装具、インプラント、又は口腔の表面又は周辺において見られる感染のような、菌のバイオフィルムが存在する感染を含む。本発明の組成物で治療され得る他の疾患としては、最近の研究で細菌の感染により引き起こされ得ることが示された喘息であり得る。また、本発明の組成物は、さらに、これも菌のバイオフィルムによりもたらされる口腔歯垢を除去するために用いられ得る。
【0037】
別の形態では、組成物は、腰、膝、又は心臓弁の置換材、体内式又は体外式のカテーテル等の異物が挿入された患者における、菌のバイオフィルムを含む感染症に適用し得る。
【0038】
このような患者は、現存する疾患、手術、又は免疫抑制薬が原因で、免疫系に障害を持ち得る。
【0039】
本発明の別の形態では、パッチ、絆創膏、包帯、又は皮膚に適用し得る他のキャリア材を用いて、哺乳類の皮膚又は創傷に適用される。例えば、本発明の組成物を含む交換可能な包帯を使用することができる。或いは、本発明の組成物を含むスポンジを通常の包帯や絆創膏に組み込んで適用することができる。加えて、連続的又は半連続的に本発明の組成物を導入する包帯も適用され得る。
【0040】
別の形態では、本発明の組成物は、産業又は医療機器、特に高い衛生基準が必要とされる機器を洗浄及び/又は消毒するのに使用することができる。本発明による組成物が使用されることが予測される産業としては、限定されないが、乳業、食肉水産業、醸造業などの食品製造業等が挙げられる。本発明の組成物によって処理され得る機器の例は、限定されないが、手術器具、カテーテル、又は輸送管路等が含まれる。
【0041】
本発明の一つの見地の文脈において説明した形態や特徴は、本発明の他の見地にもまた適用されることに、注意すべきである。
【0042】
本出願において引用される全ての特許文献及び非特許文献は、参照することにより本出願にそのまま組み込まれる。
【0043】
ここで、以下の限定されない実施例において、本発明はさらに詳細に説明される。
【実施例】
【0044】
材料及び方法
細菌株
浮遊の及びバイオフィルムの実験に用いた野生型シュードモナス・アエルギノーサ(P. aeruginosa) PAO1は、シュードモナス ジェネティック ストック センター(Pseudomonas Genetic Stock Center) (www.psedomonas.med.ecu.edu, strain PAO0001)より入手した。浮遊の及びバイオフィルムの実験のために用いた野生型スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus) 8325-4は、Novick, R. P. 1967に説明されていた。
P. aeruginosaの臨床分離菌は、コペンハーゲン ユニバーシティ ホスピタル(University Hospital of Copenhagen)で、慢性的に感染している嚢胞性線維症の患者から得た。
【0045】
増殖培地
プレーティングには、2.0%寒天混合ルリアブロス(LB)培地を用いた。特に異なる旨を記載しない限り、菌のバイオフィルムを含む全ての実験のために、グルコース添加AB最小培地を用いた。AB最小培地は、(NH4)2SO4 (15.1 mM)、Na2HPO4・2H2O (33.7 mM)、及びKH2PO4 (22.0 mM)からなる標準緩衝系、NaCl (0.051 M)、MgCl2 (1 mM)、CaCl2 (0.1 mM)、及び微量金属類 (100 μl/リットル)からなっていた。微量金属溶液は、CaSO4・2H2O (200 mg/リットル)、FeSO4・7H2O (200 mg/リットル)、MnSO4・H2O (20 mg/リットル)、CuSO4・5H2O (20 mg/リットル)、ZnSO4・7H2O (20 mg/リットル)、CoSO4・7H2O (10 mg/リットル)、NaMoO4・H2O、及びH3BO3 (5 mg/リットル)を含有していた。さらに、AB標準培地の標準緩衝系を酢酸ナトリウムに置換した実験も以下の全ての実施例において行った。緩衝剤の交換は、結果に影響を及ぼさなかった。
【0046】
細菌の生育
連続フロー系と固定系の二種のバイオフィルム設定を用いた。
連続フロー系は、Christensen et al. (1999)に記載されるような0.3mMグルコースを含む滅菌AB最小培地でかん流した1回通過式(ワンススルー)フローチャンバーを基礎とした。
固定系のバイオフィルム設定は、O’toole et al. (1999)に記載されるようなマイクロタイターディッシュ内の0.3mMグルコースを含むAB最小培地で生育したバイオフィルムを基礎とした。
浮遊培養物は、振とうフラスコ内で、37℃で培養した。
【0047】
連続フロー系バイオフィルムの酢酸に対する耐性を、P. aeruginosa又はS. aureusのバイオフィルムを3日間生育させ、続いて3日から4日目にさまざまな濃度の酢酸又はHClを含むAB最小培地を補うことによって、評価した(HClは、酢酸処理のコントロールとしての役割を果たした)。
固定系バイオフィルムの酢酸に対する耐性は、24時間生育したバイオフィルムのAB最小培地を、さまざまな濃度の酢酸又はコントロールであるHClを添加したAB最小培地で置換することにより評価した。酢酸又はHClのpHを増大させるため、NaOHがさまざまな濃度で添加された。
【0048】
実施例1
3日生育後のフローチャンバーのP. aeruginosa 又はS. aureus のバイオフィルムを、0.5%及び1.0%の酢酸で24時間処理することにより、成熟バイオフィルムの根絶に関する酢酸の有効性が試験された。用いられたAB最小培地の緩衝能力により、溶液のpHは、4.33となった。コントロールとして、同様のバイオフィルムが、HClを使ってpHを4.33に調節したAB最小培地で処理した。処理後、バイオフィルムのバイオマスは、フローチャンバーから機械的に回収され、生存性を決定するためにLBプレートに塗布された。0.5又は1.0%の酢酸での処理は、完全にP. aeruginosaのバイオフィルムを根絶した。一方、HCl処理は効果を奏しなかった。S. aureusについては、0.5%酢酸での処理は、生存菌体数を減少させた。一方、1.0%酢酸を用いた場合には、完全な根絶が達成された。
【0049】
実施例2
実施例1における処理の殺菌能力が酢酸単独によるものであり、培地成分との組み合わせによるものでないことを検証するため、グルコース添加AB最小培地の対照として、0.5%又は1.0%の酢酸を含む滅菌ミリキュー(milliQ)水を用いて、実施例1の実験を繰り返した。0.5%酢酸処理P. aeruginosa、及び1.0%酢酸処理S. aureusのバイオフィルムを回収した時に、コントロールと比べて完全な根絶が観察された。
【0050】
実施例3
成熟バイオフィルムに対する抗菌活性の反応速度論を、3日生育後のフローチャンバーのP. aeruginosaのバイオフィルムを0.5%酢酸で24時間、又はS. aureusのバイオフィルムを1.0%酢酸で24時間処理することにより、試験した。用いられたAB最小培地の緩衝能力により、溶液のpHは、4.33となった。コントロールとして、同様のバイオフィルムを、HClによりpHを4.33に調節したAB最小培地で処理した。処理後、バイオフィルムは、滅菌した外科用メスを用いてかき集めることによりフローチャンバーから機械的に回収され、生菌数を決定するためにLBプレートに塗布された。全細菌の完全な殺菌は、P. aeruginosaに対して0.5%酢酸を用いた場合、S. aureusに対して1.0%酢酸を用いた場合に、3時間後に達成された。
【0051】
実施例4
酢酸の抗菌作用のpH依存性を明らかにするため、24時間生育後の固定系バイオフィルムを、pHを増大させていった種々の0.5%酢酸溶液で処理した。AB最小培地の酢酸は、4.33のpH値となり、また、低pHはHClを、高pHはNaOHを添加することで得た。これは、HCl又はNaOH単独で同一の範囲のpHに調節されたAB最小培地と比較された。図1から分かるように、pHが3〜4.76の範囲において、酢酸は、P. aeruginosaのバイオフィルムを根絶した。pH5では、これを減少させる効果が観察されたが、pH5.5以上では、酢酸の効果は観察されない。このpH依存性は、pH4.76(酸解離定数、pKa)で平衡となる酢酸の解離によるものである。pHが4.76を下回る場合には、平衡は左、すなわち酢酸にシフトし、pHが4.76を上回る場合には、平衡は、右、すなわち対応する塩基にシフトする。
【0052】
【化1】

【0053】
本実験の状況の結果は、殺菌の要因は、酸性の効果(低pH値)それ自体ではなく、酢酸分子自体であることを示している。
【0054】
実施例5
酢酸及び抗生物質の相乗的な抗菌効果を明らかにするため、固定系バイオフィルムを24時間生育させ、続いて、pH3〜6.85の間で、濃度を増加させていったトブラマイシン及び0.5%酢酸で処理した。pHは、HCl又はNaOHをAB最小培地に添加することで調節した。pH6.85における、トブラマイシンを添加した、或いは添加しない酢酸を比べたとき(図1、2)、酢酸及び抗生物質の間に相乗的な抗菌効果が存在した。酢酸の解離点のpH値4.76を超えることで、酢酸単独での効果は減少する。pH6.85では、酢酸単独で、細菌に対する抗菌作用は存在しないが(図1)、トブラマイシンが存在すると、pH6.85における場合を含めて、生菌数に対する効果が観察された(図2)。トブラマイシン単独では、12.5μg/mlを超える濃度では、細菌の生存性を5倍低減させた(図3参照)。トブラマイシンと組み合わせた酢酸は、4.76を超えるpH値においても、細菌の生存性を低減し、トブラマイシン単独の場合に比して生存性に対するより大きな効果を示した(図3)。
【0055】
実施例6
酢酸の臨床的な抗菌可能性を評価するため、P. aeruginosa臨床分離株の固定系バイオフィルムを、実施例5に記載される方法により酢酸処理した。図4から分かるように、酢酸は、解離点(pH4.76)以下のpHでバイオフィルムを根絶した。加えて、酢酸と抗生物質との間に、実施例5で見られたのと同様の相乗効果も確認された。
【0056】
実施例7
臨床上重要なムコイド型(アルギン酸塩過剰産生)P. aeruginosa表現型に対する、酢酸の臨床可能性を評価するため、ムコイド型P. aeruginosa臨床分離株の固定系バイオフィルムを、実施例5に記載される方法で酢酸処理した。図5に見られるように、酢酸は解離点(pH4.76)以下のpHでバイオフィルムを根絶した。加えて、酢酸と抗生物質との間に、実施例5で見られたのと同様の相乗効果も確認された。
【0057】
実施例8
さらに、臨床上重要なムコイド型(アルギン酸塩過剰産生)P. aeruginosa表現型に対する、緩衝化された0.5%酢酸溶液の臨床可能性を評価するため、慢性踵部潰瘍の治療において、試験を行った。
【0058】
医療歴:
ニューロパシーを伴うII型糖尿病の38歳男性は、創傷治療クリニックに連れて行かれた。踵部潰瘍は、休暇中の激しい歩行により起こった。38歳男性は、下記の創傷治療歴において、明らかな改善は得られていない(3カ月にわたって)。
負荷からの解放、治療靴、エアーキャスト
銀加工包帯及び圧迫による創傷治療
抗生物質のいくつかのコース
【0059】
治療:
リン酸緩衝化された0.5%酢酸(患者は抗生物質治療を継続した)による慢性創傷(図6[0日])の治療が、1日あたり6×20分、11日間行われた(継続的)。11日後に、図7に示されるように、感染症は根絶され、創傷治癒が始まっていた(11日)。
【0060】
実施例9
緩衝化された酢酸溶液の臨床上重要なムコイド型(アルギン酸塩過剰産生)P. aeruginosa表現型に対する臨床可能性をさらに評価するため、慢性足潰瘍の治療において、試験を行った。
【0061】
医療歴:
II型糖尿病の73歳女性は、3年もの足潰瘍歴を持つ。この患者は、2006年に創面切除、分層皮膚移植を受け一時的に成功したが、3カ月後に再発した。患者はその心臓状態のため、新たな手術には適しないと判断された。治療前の培養物には、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)とスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)が見られた。患者は、反対の足の感染したつま先のため抗スタフィロコッカス治療を受けた(ヘラシリン(Heracillin))。
【0062】
治療:
リン酸緩衝化された酢酸(患者は抗生物質治療を継続した)による創傷(図8[0日])の治療が、1日あたり6×20分、6日間行われた(継続的)。3日後には、図9に示されるように、顕著な創傷治癒経過が明らかとなり、6日後に、図10に示されるように感染症は根絶され、創傷治癒経過は良好に進んでいた(6日)。
【0063】
参考文献
Novick, R. P. 1967. スタフィロコッカスにおける不可解な高頻度形質導入ファージの性質(Properties of a cryptic high-frequency transducing phage in Staphylococcus aureus). Virology 33:155-166.
Christensen, B. B., Sternberg, C., Andersen, J. B., Palmer, R. J., Jr, Nielsen, A. T., Givskov, M. & Molin, S. (1999). バイオフィルム生理の研究のための分子ツール(Molecular tools for study of biofilm physiology). Methods Enzymol 310, 20-42.
O’Toole, G.A., Pratt, L.A., Watnick, P.I., Newman, D.K., Weaver, V.B. and Kolter, R. (1999) バイオフィルム研究に対する遺伝学アプローチ(Genetic approaches to study of biofilms). Methods Enzymol 310, 91-109.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)0.01〜20% wt/wt の酢酸
b)酢酸を、2〜7の範囲のpHに維持することができる生理的に許容される緩衝剤、
を含有する、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、さらに抗生物質を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記抗生物質は、アミノ配糖体、マクロライド、フルオノキノロン、セフタジジム、テトラサイクリン、スルホンアミド、ベータ−ラクタム、及び抗菌性ペプチドからなる群から選ばれる、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記緩衝剤は、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸緩衝剤、トリス緩衝剤、及びへぺス緩衝剤からなる群から選ばれる、先行する請求項の何れかに記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物は、さらに、洗浄剤、抗菌剤、及び消毒剤から選ばれる一又はそれ以上の化合物を含む、先行する請求項の何れかに記載の組成物。
【請求項6】
0.01〜20% wt/wtの酢酸を含む組成物の抗菌剤としての使用であって、前記組成物は菌のバイオフィルムに投与される、使用。
【請求項7】
医療又は産業機器を洗浄及び/又は消毒するための、請求項6に記載の組成物の使用。
【請求項8】
請求項1〜5の何れかに記載の組成物の、抗菌剤としての使用。
【請求項9】
前記組成物は、産業又は医療機器の洗浄及び/又は消毒に適用される、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
請求項1〜5の何れかに記載の組成物を菌に適用することを含む、細菌の生育を弱める方法。
【請求項11】
医薬として使用されるための、請求項1〜5の何れかに記載の組成物。
【請求項12】
菌のバイオフィルムを含む感染症の治療のための、請求項1〜5の何れかに記載の組成物。
【請求項13】
前記菌のバイオフィルムを含む感染症は、免疫応答が低下した患者におけるものである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記免疫応答の低下は、嚢胞性線維症、糖尿病、老化又は肥満により引き起こされる、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記菌のバイオフィルムを含む感染症は、腰、膝、又は心臓弁の置換材、体内式又は体外式のカテーテルのような異物が挿入された患者におけるものである、請求項12〜14に記載の組成物。
【請求項16】
前記菌のバイオフィルムを含む感染は、肺の内部、慢性創傷の内部、インプランの表面又は周辺、人工装具の表面又は周辺、カテーテルの内部又は周辺、口腔の内部又は周辺に存在するものである、請求項12〜15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物は、パッチ、絆創膏、包帯、又は皮膚に適用し得る他のキャリア材を用いて、哺乳類の皮膚又は創傷に投与される、請求項12〜16に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−525499(P2011−525499A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515109(P2011−515109)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【国際出願番号】PCT/DK2009/050141
【国際公開番号】WO2009/155931
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(507217109)テクニカル ユニバーシティ オブ デンマーク (8)
【出願人】(510337388)
【出願人】(506353703)リスホスピタレト,コペンハーゲン ユニバーシティ ホスピタル (4)
【Fターム(参考)】