説明

酵素および布帛色調剤を含む組成物

本発明は、特定のリパーゼ変異体および布帛色調剤を含む組成物、並びに、前記組成物を生成および使用する方法に関するものである。このような組成物を特定の場所の洗浄および/または処理に使用することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リパーゼおよび布帛色調剤を含む組成物、並びに、このような製品を製造および使用するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗剤用途に適しているリパーゼ酵素の出現によって、配合者は油脂の除去を向上させる新たなアプローチを得た。このような酵素は、一般的に見られる多くの脂肪質汚れ(皮脂、動物脂(例えばラード、ギー、バター)および植物油(例えばオリーブ油、ひまわり油、ピーナッツ油)など)の主構成要素を形成するトリグリセリドの加水分解を触媒する。しかしながら、これらの酵素は一般に、第1の洗浄サイクルでは性能が弱く、多くの場合、牛乳、クリーム、バター、ヨーグルトなどの乳製品の汚れに存在する脂肪の加水分解に起因すると考えられる悪臭を伴う。理論に束縛されるものではないが、このような汚れは、短鎖(例えばC)脂肪族アシル単位で官能化されたトリグリセリドが含まれており、脂肪分解後に、脂肪族アシル単位が、悪臭を伴う揮発性脂肪酸を放出するため、リパーゼ誘導性の悪臭を発生させる傾向があると考えられる。このような酵素の性能を向上させたとしても、悪臭の問題は残る。したがって、この技術の使用は極度に制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
布帛色調剤とある種のリパーゼ変異体を組み合わせると、清浄性能効果が向上すると同時に、許容不能な悪臭が最小限に収まることを我々は発見した。理論に束縛されるものではないが、次のようなメカニズムによってこのような効果が生じると考えられる:特定のリパーゼ変異体が油脂の除去レベルを向上させ、それによって布帛色調剤が布帛表面に更に接触しやすくなり、その結果、付着性が向上する。この結果、油汚れの除去度の向上と遮蔽性着色剤の付着性の向上が組み合わさることによって、布帛の外観の向上につながり、油汚れが十分除去されていない場合でも、脂肪が、より親水性の高い脂肪酸、モノおよびジグリセリドに加水分解されることで、遮蔽性着色剤の付着性が向上し、ひいては洗浄感が向上し、布帛上に存在している油汚れ内に付着している染料分子の存在によって、悪臭を発生させる酵素活性が阻害されることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、リパーゼおよび布帛色調剤を含む組成物、並びに、このような製品を製造および使用するための方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
定義
本明細書で使用する時、用語「洗浄組成物」には、他に指示がない限り、顆粒または粉末形態の汎用または「重質」洗浄剤、特に洗濯洗剤;液体、ゲルまたはペースト形態の汎用洗浄剤、特にいわゆる重質液体型;液体の高級布帛用洗剤;食器手洗い用洗浄剤、または軽質食器洗浄剤、特に高起泡型のもの;種々の錠剤、顆粒、液体および家庭および企業での使用のためのリンス補助型を含む機械食器洗浄剤;抗菌ハンドウォッシュ型、洗濯バー、うがい薬、義歯クリーナー、車またはカーペット用シャンプー、浴室クリーナーを含む液体洗浄剤および消毒剤;ヘアシャンプーおよびヘアリンス;シャワージェルおよび泡バスおよび金属クリーナー;並びに、漂白添加物質および「染み用スティック」、または前処理型のような洗浄補助剤が含まれる。
【0006】
本明細書で使用する時、「布帛色調剤(fabric hueing agent)」という用語は、洗剤組成物に配合した場合、この洗剤組成物を含む洗浄溶液に布帛を接触させると、布帛に付着し、布帛の色合いを変えることのできる染料または顔料を意味する。本出願の目的上、蛍光増白剤は布帛色調剤とはみなさない。
【0007】
本明細書で使用する時、「独立して、〜からなる群から選択する」という言い回しは、引用されているマルクーシュ群から選択される部分または要素が同じか、異なるか、または任意の要素の混合物であってもよいことを意味する。
【0008】
本出願の試験方法の項で開示されている試験方法を用いて、本出願人らの発明のパラメータの各値を求めなければならない。
【0009】
特に記載のない限り、構成成分または組成物の濃度はすべて、前記構成成分または組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在していると思われる不純物類、例えば残留溶媒類または副生成物類は除外する。
【0010】
百分率および比率はすべて、特に指示がない限り、重量で計算されている。百分率および比率はすべて、特に指示がない限り、組成物全体を基準にして計算されている。
【0011】
本明細書を通じて与えられているあらゆる最大数の限定には、それよりも小さいあらゆる数値の限定が、その小さい数値の限定が本書に明示的に記載されているかのように含まれると理解すべきである。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる最小数値限定には、それよりも大きいあらゆる数値限定が、その大きい数値限定が本書に明示的に記載されているかのように含まれる。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる数値範囲には、その広い数値範囲内にある前記よりも狭いあらゆる数値範囲が、その狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように含まれる。
【0012】
引用するすべての文書は、関連部分において本明細書に参照として組み込まれるが、いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であるということの承認として解釈すべきではない。
【0013】
組成物
本発明の組成物は典型的に、布帛色調剤が約0.00003%〜約0.1%、または約0.00008%〜約0.05%、または約0.0001%〜約0.04%、およびリパーゼが約0.0005%〜約0.1%、または約0.001%〜約0.05%、または約0.002%〜約0.03%含まれる。
【0014】
このような組成物は、いずれの形状、例えば洗浄組成物および/または処理組成物の形態などをとってよい。
【0015】
前述の洗浄組成物のいずれかの態様のバランスは、1つ以上の補助剤で保たれている。
【0016】
適切なリパーゼ
適切なリパーゼとしては、酵素分類(Enzyme Classification)E.C.分類が3.1.1であるリパーゼ、およびこれらの混合物からなる群から選択されるリパーゼが挙げられる。別の態様では、適切なリパーゼとしては、IUPAC−IUBMBのEC分類に定義されているE.C.分類3.1.1.3のリパーゼおよびこれらの混合物からなる群から選択されるリパーゼが挙げられる。
【0017】
EC3.1.1.3のリパーゼの例としては、WIPO国際公開特許WO00/60063号、WO99/42566号、WO02/062973号、WO97/04078号、WO97/04079号、および米国特許第5,869,438号に記載されているものが挙げられる。好ましいリパーゼは、アブシジアレフレクサ(reflexa)、アブシジアコリムビフェラ、リズムコアミエヘイ(Rhizmucor miehei)、リゾープスデレマ、アスペルギルスニガー、アスペルギルスツビンゲンシス(tubigensis)、フザリウムオキシスポラム、フザリウムヘテロスポラム(heterosporum)、アスペルギルスオリゼー、ペニシリウムカマンベルディ、アスペルギルスフォエティダス、アスペルギルスニガー、サーモミセスラノギノサス(Thermomyces lanoginosus)(別名:フミコララヌギノーサ(Humicola lanuginosa))、およびランデリナペニサポラ(Landerina penisapora)、とりわけサーモミセスラノギノサス(Thermomyces lanoginosus)によって生成される。特定の好ましいリパーゼは、ノボザイムズ(Novozymes)によって供給されている商標名リポラーゼ(Lipolase)(登録商標)、リポラーゼ・ウルトラ(Lipolase Ultra)(登録商標)、リポプライム(Lipoprime)(登録商標)、リペックス(Lipex)(登録商標)(ノボザイムズ(Novozymes)の登録商標名)、エリアリオ製薬(Areario Pharmaceutical Co. Ltd.)(日本、名古屋)から入手可能なリパーゼP(LIPASE P)「アマノ(AMANO)(登録商標)」、東洋醸造株式会社(日本、タガタ)から市販されているアマノ−CES(AMANO-CES)(登録商標)、U.S.バイオケミカル(U.S. Biochemical Corp.)(米国)およびジオシンス(Diosynth Co.)(オランダ)から入手可能なクロモバクタービスコサム(Chromobacter viscosum)リパーゼ、並びに、シュードモナスグラディオリなどのその他のリパーゼである。別の有用なリパーゼは、WIPO国際公開特許WO02062973号、WO2004/101759号、W
O2004/101760号、およびWO2004/101763号に開示されている。1つの実施形態では、適切なリパーゼは、WO00/60063号および米国特許第6,939,702B1号に記載されている「第1サイクルのリパーゼ(first cycle lipases)」、好ましくは配列番号2の変異体、より好ましくは配列番号2と少なくとも90%の相同性を有し、かつ、3位、224位、229位、231位、および233位のいずれかにRまたはKを有している電気的に中性または負に帯電したアミノ酸の置換基を含む配列番号2の変異体、最も好ましくはT231RおよびN233Rの突然変異を有する変異体が挙げられ、このような最も好ましい変異体はライペックス(Lipex)(登録商標)の商標名で市販されている。前記のリパーゼは組み合わせて使用することができる(いずれかのリパーゼ混合物を使用してもよい)。適切なリパーゼは、ノボザイムズ(Novozymes)(デンマーク、バウスヴェア)、エリアリオ製薬(Areario Pharmaceutical Co. Ltd.)(日本、名古屋)、東洋醸造株式会社(Toyo Jozo Co.)(日本、タガタ)、アマーシャムファーマシアバイオテック(Amersham Pharmacia Biotech.)(米国、ニュージャージー州ピスカタウェイ)、ジオシンス(Diosynth Co.)(オランダ、オス)から購入可能であり、および/または本明細書に記載の実施例に従って生成可能である。
【0018】
適切な布帛色調剤
蛍光増白剤は、少なくとも何らかの可視光線を放出する。対照的に、布帛色調剤は、可視光線スペクトルの少なくとも一部を吸収するため、表面の色合いを変えることができる。適切な布帛色調剤としては、本明細書の試験方法の項に記載の試験方法1の要件を満たす染料、染料−粘土共役体、および顔料が挙げられる。適切な染料としては、小分子染料およびポリマー染料が挙げられる。適切な小分子染料としては、ダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アシッドレッド、アシッドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット、およびベーシックレッドのカラーインデックス(C.I.)分類に該当する染料、またはこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられ、例えば次のものが挙げられる。
【0019】
(1)以下の式のトリス−アゾ系ダイレクトブルー染料
【化1】

式中、ナプチル環A、B、およびCの少なくとも2つがスルホネート基で置換されており、環Cは、5位をNHまたはNHPh基で置換してもよく、Xは、2つ以下のスルホネート基で置換されているベンジルまたはナフチル環であり、2位をOH基で置換してもよく、更にNHまたはNHPh基で置換してもよい。
【0020】
(2)以下の式のビス−アゾ系ダイレクトバイオレット染料
【化2】

式中、ZはHまたはフェニルであり、環Aは、好ましくは矢印で示した位置がメチルおよびメトキシ基で置換されており、環Aはナフチル環であってもよく、Y基はベンジルまたはナフチル環であり、硫酸基で置換されており、メチル基で1または2置換してもよい。
【0021】
(3)以下の式のブルーまたはレッドアシッド染料
【化3】

式中、XおよびYの少なくとも1つは芳香族基でなければならない。ある1つの態様では、芳香族基を双方とも、置換ベンジルまたはナフチル基であってよく、アルキルオキシまたはアリールオキシ基などの非水溶化基で置換してよく、XおよびYはスルホネートまたはカルボキシレートなどの水溶化基で置換しなくてもよい。別の態様では、Xはニトロ基で置換したベンジル基であり、Yはベンジル基である。
【0022】
(4)以下の構造のレッドアシッド染料
【化4】

式中、Bはアルキル、アルキルオキシ、またはアリールオキシ基などの非水溶化基で置換されていると思われるナフチルまたはベンジル基であり、Bはスルホネートまたはカルボキシレートなどの水溶化基で置換しなくてもよい。
【0023】
(5)以下の構造のジアゾ染料
【化5】

式中、XおよびYは、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり、Rαは水素またはアリールであり、ZはC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、またはカルボキシルであり、nは1または2であり、mは0、1、または2であり、並びにこれらの塩およびこれらの混合物に相当する。
【0024】
(6)以下の構造のトリフェニルメタン染料
【化6】

【化7】

【0025】
1.およびこれらの混合物。別の態様では、適切な小分子染料としては、カラーインデックス(染色業者およびカラーリスト協会(Society of Dyers and Colourists)、英国ブラッドフォード)番号がダイレクトバイオレット9、ダイレクトバイオレット35、ダイレクトバイオレット48、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトバイオレット66、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー80、ダイレクトブルー279、アシッドレッド17、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドバイオレット15、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット24、アシッドバイオレット43、アシッドバイオレット49、アシッドブルー15、アシッドブルー17、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー40、アシッドブルー45、アシッドブルー75、アシッドブルー80、アシッドブルー83、アシッドブルー90、アシッドブルー113、アシッドブラック1、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット35、ベーシックブルー3、ベーシックブルー16、ベーシックブルー22、ベーシックブルー47、ベーシックブルー66、ベーシックブルー75、ベーシックブルー159、およびこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、適切な小分子染料としては、カラーインデックス(染色業者およびカラーリスト協会(Society of Dyers and Colourists)、英国ブラッドフォード)番号がアシッドバイオレット17、アシッドバイオレット43、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー45、アシッドブルー113、アシッドブラック1、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、およびこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、適切な小分子染料は、カラーインデックス(染色業者およびカラーリスト協会(Society of Dyers and Colourists)、英国ブラッドフォード)番号がアシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、またはこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0026】
適切なポリマー染料は、共役色原体を含むポリマー(染料−ポリマー共役体)、ポリマーの主鎖に共重合されている色原体を有するポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0027】
別の態様では、適切なポリマー染料としては、リキッティント(Liquitint)(登録商標)(ミリケン(Milliken)、米国サウスカロライナ州スパータンバーグ)の名称で市販されている布帛直接着色剤、および少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、1級アミン部分、2級アミン部分、チオール部分、およびこれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーから形成されている染料−ポリマー共役体が挙げられる。更に別の態様では、適切なポリマー染料としては、リキッティント(Liquitint)(登録商標)(ミリケン(Milliken)、米国サウスカロライナ州スパータンバーグ)バイオレットCT(Violet CT)、およびリアクティブブルー、リアクティブバイオレット、またはリアクティブレッド染料で共役されているカルボキシメチルセルロース(CMC)(例えば、メガザイム(Megazyme)(アイルランド、ウィックロー)からアゾ−CM−セルロース(AZO-CM-CELLULOSE)という商品名(製品コードS−ACMC)で市販されている、C.I.リアクティブブルー19で共役されているCMCなど)、およびこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0028】
適切な染料粘土共役体(dye clay conjugates)としては、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料とスメクタイト粘土を含む群から選択される染料粘土共役体、およびこれらの混合物が挙げられる。別の態様では、適切な染料粘土共役体は、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、C.I.ベーシックブラック1〜11からなる群から選択される1つのカチオン性/塩基性染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土からなる群から選択される粘土からなる群から選択される染料粘土共役体、およびこれらの混合物が挙げられる。更に別の態様では、適切な染料粘土共役体としては、
モンモリロナイトベーシックブルーB7C.I.42595共役体、モンモリロナイトベーシックブルーB9C.I.52015共役体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3C.I.42555共役体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1C.I.42040共役体、モンモリロナイトベーシックレッドR1C.I.45160共役体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2共役体、ヘクトライトベーシックブルーB7C.I.42595共役体、ヘクトライトベーシックブルーB9C.I.52015共役体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3C.I.42555共役体、ヘクトライトベーシックグリーンG1C.I.42040共役体、ヘクトライトベーシックレッドR1C.I.45160共役体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2共役体、サポナイトベーシックブルーB7C.I.42595共役体、サポナイトベーシックブルーB9C.I.52015共役体、サポナイトベーシックバイオレットV3C.I.42555共役体、サポナイトベーシックグリーンG1C.I.42040共役体、サポナイトベーシックレッドR1C.I.45160共役体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2共役体、およびこれらの混合物からなる群から選択される染料粘土共役体が挙げられる。
【0029】
適切な顔料としては、フラバントロン(flavanthrone)、インダントロン、1〜4個の塩素原子を有する塩素化インダントロン、ピラントロン(pyranthrone)、ジクロロピラントロン(dichloropyranthrone)、モノブロモジクロロピラントロン(monobromodichloropyranthrone)、ジブロモジクロロピラントロン(dibromodichloropyranthrone)、テトラブロモピラントロン(tetrabromopyranthrone)、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は、非置換、またはC1〜C3−アルキル若しくはフェニル或いは複素環式ラジカルで置換されていてもよく、フェニルおよび複素環式ラジカルは更に水溶性を付与しない置換基を有していてもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン(violanthrone)、イソビオラントロン(isoviolanthrone)、ジオキサジン染料、銅フタロシアニン(1分子当たり2個以下の塩素原子を有していてもよい)、ポリクロロ−銅フタロシアニン、またはポリブロモクロロ−銅フタロシアニン(1分子当たり14個以下の臭素原子を有する)、およびこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0030】
別の態様では、適切な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.顔料ブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.顔料バイオレット15)、およびこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0031】
布帛色調剤は、組み合わせて使用することができる(布帛色調剤の任意の混合物を使用してもよい)。適切な布帛色調剤は、アルドリッチ(Aldrich)(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)、チバスペシャルティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)(スイス、バーゼル)、BASF(ドイツ、ルートウィヒスハーフェン)、デイグローカラーコーポレーション(Dayglo Color Corporation)(インド、ムンバイ)、オーガニック・イスタフス(Organic Dyestuffs Corp.)(米国ロードアイランド州イーストプロビデンス)、ダイスター(Dystar)(ドイツ、フランクフルト)、ランクセス(Lanxess)(ドイツ、レバークーゼン)、メガザイム(Megazyme)(アイルランド、ウィックロー)、クラリアント(Clariant)(スイス、ムテンツ)、アベシア(Avecia)(英国マンチェスター)から購入可能であり、および/または本明細書に記載の実施例に従って生成可能である。
【0032】
補助剤物質
本発明の目的上必須ではないが、以下に例示されている補助剤の非限定的なリストは、当該組成物で用いるのに適しており、例えば、洗浄性能を補助若しくは向上させるために、洗浄すべき基材の処理のために、または香料、着色剤、染料などを用いる場合のように洗浄組成物の審美性を変化させるために、本発明の特定の実施形態に組み込むのが望ましい。このような追加成分の明確な性質、およびそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形状および使用すべき洗浄作業の性質に左右されることになる。適切な補助剤物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、追加の酵素および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、および/または顔料が挙げられるが、これらに限らない。下記の開示に加え、このようなその他の補助剤の適切な例および使用濃度は、米国特許第5,576,282号、米国特許第6,306,812B1号および米国特許第6,326,348B1号に記載されており、これらは参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0033】
上述の如く、補助成分は、本出願人らの組成物には必須ではない。従って、本出願人らの組成物の特定の実施形態には、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、追加の酵素および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、および/または顔料という補助剤物質が1つ以上含まれていない。しかしながら、1つ以上の補助剤が存在する場合、その1つ以上の補助剤は、以下に詳細に記載されているように、存在してもよい。
【0034】
漂白剤−本発明の洗浄組成物は、1つ以上の漂白剤を含んでよい。漂白触媒以外の適切な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、およびこれらの混合物が挙げられる。一般的に、漂白剤を用いる場合、本発明の組成物は漂白剤を、標記洗浄組成物の約0.1重量%〜約50重量%または更に約0.1重量%〜約25重量%含んでよい。適切な漂白剤の例としては、以下のものが挙げられる。
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、およびこれらの混合物。
(2)予備形成済み過酸、適切な予備形成済み過酸としては、過カルボン酸および塩、過炭酸および塩、ペルイミド酸および塩、ペルオキシ一硫酸および塩(例えばオキソン(Oxone)(登録商標)など)、並びに、これらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限らない。適切な過カルボン酸としては、化学式R−(C=O)O−O−Mを有する疎水性および親水性過酸が挙げられる(式中、Rはアルキル基であり、所望により、分岐しており、過酸が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、または8〜12個の炭素原子を有し、過酸が親水性の場合には、6個未満の炭素原子、または更には4個未満の炭素原子を有し、Mは、対イオン(例えば、ナトリウム、カリウムまたは水素)である。
(3)アルカリ金属塩、例えば過ホウ酸塩(通常は1または4水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩のナトリウム塩、およびこれらの混合物などの過酸化水素源(例えば無機過水和物塩)。本発明の1つの態様では、無機過水和物塩は、過ホウ酸塩、過炭酸塩のナトリウム塩およびこれらの混合物からなる群から選択される。無機過水和物塩(用いた場合)は、典型的には、全組成物の0.05〜40重量%、または1〜30重量%の量で存在し、典型的には、このような組成物中へ結晶固形物(コーティングしてもよい)として組み込まれる。適切なコーティングとしては、アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩若しくはホウ酸塩またはこれらの混合物などの無機塩、若しくは水溶性または分散性ポリマー、ワックス、油或いはは脂肪石鹸などの有機物質が挙げられる。
(4)R−(C=O)−Lを有する漂白活性化剤(式中、Rはアルキル基であり、所望により、分岐しており、前記漂白活性化剤が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、または8〜12個の炭素原子を有し、前記漂白活性化剤が親水性の場合には、6個未満の炭素原子、または更には4個未満の炭素原子を有し、Lは脱離基である)適切な脱離基の例は、安息香酸およびその誘導体(特に、ベンゼンスルホネート)である。適切な漂白活性化剤としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゾイン酸またはその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)およびノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。適切な漂白活性化剤は、WO98/17767号にも開示されている。いずれかの適切な漂白活性化剤を使用してよいが、本発明のある1つの態様では、標記洗浄組成物は、NOBS、TAED、またはこれらの混合物を含んでよい。
【0035】
存在する場合、過酸および/または漂白活性化剤は一般に、組成物に対して約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%または更には約0.6〜約10重量%の量で、組成物中に存在する。1つ以上の疎水性過酸またはそれらの前駆体は、1つ以上の親水性過酸またはその前駆体と組み合せて使用してよい。
【0036】
過酸化水素源および過酸または漂白活性化剤の量は、有効酸素(過酸化物源由来)と過酸のモル比が1:1〜35:1、または2:1〜10:1となるように選択してよい。
【0037】
界面活性剤−本発明による洗浄組成物には、界面活性剤または界面活性剤系を含んでよく、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、およびこれらの混合物から選択してよい。存在する場合、界面活性剤は典型的に、標記組成物の約0.1重量%〜約60重量%、約1重量%〜約50重量%または約5重量%〜約40重量%の濃度で存在する。
【0038】
ビルダー−本発明の洗剤組成物は、1つ以上の洗剤ビルダーまたはビルダー系を含んでもよい。ビルダーを使用する場合、標記組成物は典型的に、ビルダーを標記組成物の少なくとも約1重量%、約5重量%〜約60重量%、または更に約10重量%〜約40重量%含有する。
【0039】
ビルダーとしては、ポリホスフェートのアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類およびアルカリ金属の炭酸塩、アルミノケイ酸塩ビルダー、およびポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレンまたはビニルメチルエーテルのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸およびカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン4酢酸およびニトリロ3酢酸のようなポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩、並びに、例えばメリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸などのポリカルボキシレート、並びに、これらの可溶性塩が挙げられるが、これらに限らない。
【0040】
キレート剤−本明細書の洗浄組成物は、キレート剤を含有してもよい。適切なキレート剤としては、銅、鉄および/またはマンガンキレート剤およびこれらの混合物が挙げられる。キレート剤を使用する場合、標記組成物はキレート剤を、標記組成物の約0.005重量%〜約15重量%、または更に約3.0重量%〜約10重量%含んでもよい。
【0041】
移染防止剤−本発明の洗浄組成物は1つ以上の染料移行抑制剤を含有してもよい。適切なポリマー移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドンおよびポリビニルイミダゾール、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。移染防止剤は、標記組成物中に存在する場合、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、または更には約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在してよい。
【0042】
増白剤−本発明の洗浄組成物は、洗浄する物品に色合いを付けることのできる追加成分(蛍光光沢剤など)も含むことができる。適切な蛍光増白剤の濃度としては、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、更には約0.2重量%という低い濃度から、0.5重量%または更には0.75重量%という高い濃度までが挙げられる。
【0043】
分散剤−本発明の組成物は分散剤も含むことができる。適切な水溶性有機物質としては、ホモポリマーまたはコポリマーの酸またはそれらの塩が挙げられ、それらのうちのポリカルボン酸には、互いに炭素原子2個を超えない程度に離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルが含まれる。
【0044】
酵素−洗浄組成物は、洗浄性能および/または布帛ケア効果を提供する1つ以上の酵素を含むことができる。適切な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼおよびアミラーゼ、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。典型的な組合せは、例えば、プロテアーゼおよびリパーゼをアミラーゼとともに含んでよい酵素反応混液である。上述の追加酵素は、洗浄組成物に存在する場合、組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%または更に約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質のレベルで存在してよい。
【0045】
酵素安定剤−洗剤中で用いる酵素は、種々の技法によって安定化させることができる。本発明で用いる酵素は、カルシウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンを酵素に供給する、それらのイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。プロテアーゼが含まれる水性組成物の場合、更に安定性を向上させるために、可逆性蛋白質分解酵素抑制剤(ホウ素化合物など)を添加することができる。
【0046】
触媒金属錯体−本出願人らの洗浄組成物は、触媒金属錯体を含むことができる。1つのタイプの金属含有漂白触媒は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、またはマンガンの陽イオンのような、限定された漂白触媒活性の遷移金属陽イオン、亜鉛またはアルミニウムの陽イオンのような、漂白触媒活性をほとんどまたは全く持たない補助金属陽イオン、並びに、触媒金属および補助金属の陽イオンに対して限定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン4酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)およびそれらの水溶性の塩を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0047】
所望により、本発明の組成物は、マンガン化合物を用いて触媒することができる。このような化合物および使用濃度は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。
【0048】
本発明で有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、米国特許第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号および米国特許第5,595,967号に教示されているような既知の手順によって容易に調製される。
【0049】
本発明の組成物は、例えば、ビスピドン(bispidone)(WO05/042532A1号)などの配位子の遷移金属錯体および/または大多環状剛性配位子(「MRL」と略称されている)も適切に含んでもよい。実際問題として、限定するためではないが、本発明の組成物および工程は、水性洗浄媒体において、少なくとも約1億分の1の活性MRL種を提供するように調整することができ、典型的には、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、または更には約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
【0050】
本遷移金属漂白触媒における適切な遷移金属としては、例えばマンガン、鉄、およびクロムが挙げられる。適切なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
【0051】
適切な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、WO00/32601号および米国特許第6,225,464号で教示されている手順によって容易に調製される。
【0052】
溶媒−適切な溶媒としては、水および他の溶媒(例えば、親油性流体)が挙げられる。適切な親油性流体の例としては、シロキサン、その他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、例えばグリセリンエーテルなどのグリセリン誘導体、ペルフルオロ化アミン、ペルフルオロ化およびハイドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性の非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、環境に優しいその他の溶媒、並びに、これらの混合物が挙げられる。
【0053】
組成物の生成方法
本発明の組成物は、いずれかの適切な形状で配合可能であり、配合者が選択されるいずれかのプロセスによって調製可能であり、それらの非限定例は、本出願者の実施例、および米国特許第4,990,280号、米国特許第20030087791A1号、米国特許第20030087790A1号、米国特許第20050003983A1号、米国特許第20040048764A1号、米国特許第4,762,636号、米国特許第6,291,412号、米国特許第20050227891A1号、欧州特許第1070115A2号、米国特許第5,879,584号、米国特許第5,691,297号、米国特許第5,574,005号、米国特許第5,569,645号、米国特許第5,565,422号、米国特許第5,516,448号、米国特許第5,489,392号、米国特許第5,486,303号に記載されており、これらはすべて参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0054】
使用法
本発明は、ある場所、とりわけ表面または布帛を洗浄および/または処理する方法を含む。これらの方法には、本出願人の洗浄組成物の実施形態を、希釈していない形状で、または洗浄溶液中で希釈して、表面または布帛の少なくとも一部に接触させてから、所望により、表面または布帛をすすぐ工程を含む。表面または布帛は、前記すすぎ工程の前に洗浄工程を経てもよい。本発明の目的上、洗浄としては、擦ることおよび機械的攪拌が挙げられるが、これらに限らない。当業者には明らかなように、本発明の洗浄組成物は理想的に、洗濯用途に用いるのに適している。そのため、本発明は布帛を洗濯する方法を含む。この方法は、洗濯すべき布帛を本出願の洗浄組成物の少なくとも1つの実施形態、洗浄添加物、またはこれらの混合物を含む前記洗浄洗濯溶液と接触させる工程を含む。布帛は、標準的な消費者の使用条件で洗濯できるいずれかの布帛の大部分を含んでよい。前記溶液のpHは約8〜約10.5であるのが好ましい。前記組成物は、溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で用いられてよい。水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。水と布帛の比率は典型的には約1:1〜約30:1である。
【0055】
試験方法1
染料または顔料物質が本発明の意図する布帛色調剤であるかどうかを定義するための手順プロトコルを以下に記載する。
1)2つのターゴトメーターポットに英国ニューカッスルアポンタインの水道水(総硬度12グレイン以下/米ガロン、ノーザンブリアンウォーター(Northumbrian Water)(英国ダーラム、ピティーミー)から供給)を800ml注ぐ。
2)ポットをターゴトメーターに挿入する。試験中は水温を30℃に制御し、攪拌を40rpmに設定する。
3)各ポットにIEC−B洗剤(IEC60456洗濯機用基準塩基洗剤タイプB(Washing Machine Reference Base Detergent Type B)、wfk(ドイツ、ブリュッゲン−ブラハト(Brueggen-Bracht))から供給)を4.8g加える。
4)2分後、第1のポットに活性着色剤を2.0mg加える。
5)1分後、5cm×5cmの材料見本に切断した平坦な綿肌着(ウォーリック・イクエスト(Warwick Equest)(英国ダーラム州コンセット)から供給)50gを各ポットに加える。
6)10分後、ポットの液を捨て、再度、ニューカッスルアポンタインの冷たい水道水(Newcastle upon Tyne City Water)(16℃)を注ぐ。
7)2分間すすいだ後、布帛を取り出す。
8)同じ処理を用いて更に3回のサイクルで工程3〜7を繰り返す。
9)布帛を収集し、屋内で12時間自然乾燥させる。
10)D65光源およびUVA遮断フィルタを取り付けたハンターミニスキャン(Hunter Miniscan)スペクトロメーターを使用して小片を分析し、ハンターa(赤−緑軸)およびハンターb(黄−青軸)値を得る。
11)各組の布帛についてハンターaおよびハンターb値の平均値を計算する。着色剤で処理した評価対象布帛がa軸またはb軸のいずれかにおいて平均で0.2単位より大きい色調の差を示した場合、本発明の意図する布帛色調剤であると判断される。
【実施例】
【0056】
指示がない限り、材料はアルドリッチ(Aldrich)(米国53201ウイスコンシン州ミルウォーキー私書箱2060)から入手可能である。
【0057】
(実施例1〜6)
手洗い用またはトップローディング式洗濯機用に設計されている顆粒状洗濯洗剤組成物
【表1】

【0058】
(実施例7〜10)
フロントローディング式自動洗濯機用に設計されている顆粒状洗濯洗剤組成物
【表2】

【0059】
上記の組成物はいずれも、水中濃度10,000ppm、温度20〜90℃、水:布の比率5:1で布帛を洗濯する際に使用する。一般的なpHは約10である。
【0060】
(実施例11〜16)重質な液体洗濯洗剤組成物
【表3】

【0061】
実施例1〜16の組成物の原料および注記
平均脂肪族炭素鎖長がC11〜C12である直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、ステパン(Stepan)(米国イリノイ州ノースフィールド)から供給される。
【0062】
12〜14ジメチルヒドロキシエチル塩化アンモニウムは、クラリアント(Clariant GmbH)(ドイツ、シュルツバッハ)から供給される。
【0063】
AE3Sは、ステパン(Stepan)(米国イリノイ州ノースフィールド)から供給されるC12〜15アルキルエトキシ(3)サルフェートである。
【0064】
AE7は、ハンツマン(Huntsman)(米国ユタ州ソルトレークシティ)から供給される、平均エトキシル化度が7のC12〜15アルコールエトキシレートである。
【0065】
トリポリリン酸ナトリウムは、ローディア(Rhodia)(フランス、パリ)から供給される。
【0066】
ゼオライトAは、インダストリアルゼオライト(UK)(Industrial Zeolite(UK) Ltd)(英国エセックス州グレイズ)から供給される。
【0067】
1.6Rケイ酸塩は、コマ(Koma)(チェコ共和国ネステミカ(Nestemica))から供給される。
【0068】
炭酸ナトリウムは、ソルベー(Solvay)(米国テキサス州ヒューストン)から供給される。
【0069】
ポリアクリレートMW4500は、BASF(ドイツ、ルートウィヒスハーフェン)から供給される。
【0070】
カルボキシメチルセルロースは、CPKelco(オランダ、アルンヘム)から供給されるフィンフィックス(Finnfix)(登録商標)BDAである。
【0071】
サビナーゼ(Savinase)(登録商標)、ナタラーゼ(Natalase)(登録商標)、ライペックス(Lipex)(登録商標)、ターマミル(Termamyl)(登録商標)、マンナウェイ(Mannaway)(登録商標)は、ノボザイムズ(Novozymes)(デンマーク、バグスバード(Bagsvaerd))から供給されている。
【0072】
蛍光増白剤1はチノパル(Tinopal)(登録商標)AMS、蛍光増白剤2はチノパル(Tinopal)(登録商標)CBS−X、スルホン化亜鉛フタロシアニンおよびダイレクトバイオレット9はペルガゾール(Pergasol)(登録商標)バイオレットBN−Zであり、これらはすべてチバスペシャルティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)(スイス、バーゼル)から供給される。
【0073】
ジエチレントリアミン5酢酸は、ダウケミカル(Dow Chemical)(米国ミシガン州ミッドランド)から供給される。
【0074】
過炭酸ナトリウムは、ソルベー(Solvay)(米国テキサス州ヒューストン)から供給される。
【0075】
過ホウ酸ナトリウムは、デガッサ(Degussa)(ドイツ、ハーナウ)から供給される。
【0076】
NOBSは、イーストマン(Eastman)(米国アーカンソー州ベーツビル)から供給されるノナノイルオキシベンゼンスルホンナトリウムである。
【0077】
TAEDは、クラリアント(Clariant GmbH)(ドイツ、シュルツバッハ)からパーアクティブ(Peractive)(登録商標)のブランド名で供給されるテトラアセチルエチレンジアミンである。
【0078】
S−ACMCは、メガザイム(Megazyme)(アイルランド、ウィックロー)からアゾ−CM−セルロース(AZO-CM-CELLULOSE)という製品名、製品コードS−ACMCとして市販される、C.I.リアクティブブルー19で共役されるカルボキシメチルセルロースである。
【0079】
汚れ放出剤は、ローディア(Rhodia)(フランス、パリ)から供給されるリペロテックス(Repel-o-tex)(登録商標)PFである。
【0080】
アクリル酸/マレイン酸コポリマーは、分子量が70,000、アクリル酸:マレイン酸が70:30であり、BASF(ドイツ、ルートウィヒスハーフェン)から供給される。
【0081】
プロテアーゼは、ジェネンコアインターナショナル(Genencor International)(米国カリフォルニア州パロアルト)から供給されているFN3である。
【0082】
エチレンジアミンーN,N’−二コハク酸、(S,S)異性体(EDDS)のNa塩は、オクテル(Octel)(英国エルズミアポート)から供給される。
【0083】
ヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)は、ダウケミカル(Dow Chemical)(米国ミシガン州ミッドランド)から供給される。
【0084】
泡抑制剤疑集体は、ダウコーニング(Dow Corning)(米国ミシガン州ミッドランド)から供給される。
【0085】
HSASは、米国特許第6,020,303号および米国特許第6,060,443号で開示されているような中鎖分枝状アルキルサルフェートである。
【0086】
12〜14ジメチルアミンオキシドは、プロクター&ギャンブルケミカルズ(Procter & Gamble Chemicals)(米国オハイオ州シンシナティ)から供給される。
【0087】
非イオン性物質は、好ましくは平均エトキシル化度が9のC12〜C13エトキシレートであるのが好ましい。
【0088】
プロテアーゼは、ジェネンコアインターナショナル(Genencor International)(米国カリフォルニア州パロアルト)から供給される。
【0089】
リキッティント(Liquitint)(登録商標)バイオレットCTは、ミリケン(Milliken)(米国サウスカロライナ州スパータンバーグ)から供給される。
【0090】
*引用数字は100gあたりの酵素量(mg)
米国特許第4,597,898号に記載のとおり。
BASFからルーテンシト(LUTENSIT)(登録商標)という商品名で市販されているとともに、WO01/05874号に記載されているものなど。
【0091】
本発明の特定の実施形態を例示し記載してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の種々の変形および変更が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リパーゼおよび布帛色調剤を含む組成物であって、前記布帛色調剤が、染料、染料−粘土共役体、およびこれらの混合物からなる群から選択される、組成物。
【請求項2】
前記リパーゼが、0.0005%〜0.1%の濃度で存在し、前記布帛色調剤が0.00003%〜0.1%の濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記リパーゼが、E.C.分類3.1.1のリパーゼおよびこれらの混合物からなる群から選択され、前記染料が、小分子染料、ポリマー染料、およびこれらの混合物からなる群から選択され、前記染料−粘土共役体が、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料とスメクタイト粘土を含む染料粘土共役体、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記リパーゼが、E.C.分類3.1.1のリパーゼおよびこれらの混合物からなる群から選択され、前記染料が、小分子染料、ポリマー染料、およびこれらの混合物からなる群から選択され、前記染料−粘土共役体が、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料とスメクタイト粘土を含む染料粘土共役体、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記リパーゼが、E.C.分類3.1.1.3のリパーゼおよびこれらの混合物からなる群から選択され、前記小分子染料が、ダイレクトバイオレット9、ダイレクトバイオレット35、ダイレクトバイオレット48、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトバイオレット66、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー80、ダイレクトブルー279、アシッドレッド17、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドバイオレット15、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット24、アシッドバイオレット43、アシッドバイオレット49、アシッドブルー15、アシッドブルー17、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー40、アシッドブルー45、アシッドブルー75、アシッドブルー80、アシッドブルー83、アシッドブルー90およびアシッドブルー113、アシッドブラック1、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット35、ベーシックブルー3、ベーシックブルー16、ベーシックブルー22、ベーシックブルー47、ベーシックブルー66、ベーシックブルー75、ベーシックブルー159、およびこれらの混合物からなる群から選択され、前記ポリマー染料が、共役色原体を含むポリマー、色原体が主鎖に共重合されるポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択され、前記染料−粘土共役体が、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、C.I.ベーシックブラック1〜11からなる群から選択される染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土、およびこれらの混合物からなる群から選択される粘土を含む染料粘土共役体から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記リパーゼが、配列番号2の変異体である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記小分子染料が、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット43、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー45、アシッドブルー113、アシッドブラック1、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記小分子染料が、アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記リパーゼが配列番号2の変異体であり、前記変異体が配列番号2と少なくとも90%の相同性を有し、かつ、3位、224位、229位、231位、および233位のいずれかにおいて電気的に中性または負に帯電したアミノ酸のRまたはKへの置換を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
前記小分子染料が、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット43、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー45、アシッドブルー113、アシッドブラック1、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記小分子染料が、アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記リパーゼが、配列番号2の変異体であり、前記変異体が置換T231RおよびN233Rを有する、請求項5に記載の組成物。
【請求項13】
前記小分子染料が、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット43、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー45、アシッドブルー113、アシッドブラック1、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記小分子染料が、アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
補助剤物質を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記補助剤物質が、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、洗浄および/または処理組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
リパーゼおよび布帛色調剤を含む組成物であって、前記布帛色調剤が、本明細書の試験方法の項に記載の試験方法1の要件を満たす布帛色調剤の群から選択される、組成物(ただし、前記布帛色調剤はウルトラマリンブルーではない)。
【請求項19】
表面または布帛を洗浄および/または処理する方法であって、前記表面または布帛と請求項1に記載の組成物とを接触させる工程、その後所望により、前記表面または布帛を洗うおよび/またはすすぐ工程、を含む、方法。

【公表番号】特表2009−523861(P2009−523861A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550469(P2008−550469)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/001669
【国際公開番号】WO2007/087257
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】