説明

酸化銅用エッチング液及びそれを用いた酸化銅用エッチング方法

【課題】異なる酸化度の酸化銅が混在している状態において、一方のみを選択的に溶解させることのできる酸化銅用エッチング液及びそれを用いた酸化銅用エッチング方法を提供すること。
【解決手段】本発明の酸化銅用エッチング液は、α,ω−ジアミン酢酸、α,ω−ジアミンコハク酸、α,ω−ジアミンプロピオン酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、クエン酸、イソクエン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、グルタミン酸、リンゴ酸、酒石酸、及びこれらの塩からなる群より選ばれた少なくとも一種以上のキレート剤を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化銅用エッチング液及びそれを用いた酸化銅用エッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体、光学・磁気記録等の分野において高密度化、高集積化等の要求が高まるにつれ、数百nm〜数十nm、あるいはそれ以下の微細パターン加工技術が必須となっている。そこで、これら微細パターン加工を実現するためにマスク・ステッパー、露光、レジスト材料等の各工程の要素技術が盛んに研究されている。
【0003】
レジスト材料の検討は多数行われているが、現在、最も一般的なレジスト材料は、紫外光、電子線、X線などの露光光源に反応する光反応型有機レジスト(以下、フォトレジストともいう。)である(以下、特許文献1、非特許文献1参照)。
【0004】
露光に用いられるレーザー光において、通常レンズで絞り込まれたレーザー光の強度は、図4に示すようなガウス分布形状を示す。このときスポット径は1/eで定義される。一般的にフォトレジストの反応は、E=hν(E:エネルギー、h:プランク定数、ν:波長)で表されるエネルギーを吸収することよって反応が開始される。従ってその反応は、光の強度には強く依存せず、むしろ光の波長に依存するため、光の照射された部分(露光部分)は、ほぼ全て反応が生じることになる。従ってフォトレジストを使った場合は、スポット径に対して忠実に露光されることになる。
【0005】
光反応型有機レジストを用いる方法は、数百nm程度の微細なパターンを形成するには非常に有効な方法ではあるが、光反応を用いたフォトレジストを用いるため、さらに微細なパターンを形成するには、原理的に必要とされるパターンより小さなスポットで露光する必要がある。したがって、露光光源として波長が短いKrFやArFレーザー等を使用せざるを得ない。しかしながら、これらの光源装置は非常に大型でかつ高価なため、製造コスト削減の観点からは不向きである。さらに電子線、X線等の露光光源を用いる場合は、露光雰囲気を真空状態にする必要があるため、真空チェンバーを使用することとなり、コストや大型化の観点からかなりの制限がある。
【0006】
一方、図4で示すような分布を持つレーザー光を物体に照射すると、物体の温度もレーザー光の強度分布と同じガウス分布を示す。このときある温度以上で反応するレジスト、すなわち、熱反応型レジストを使うと、図5に示すように所定温度以上になった部分のみ反応が進むため、スポット径より小さな範囲を露光することが可能となる。すなわち、露光光源を短波長化することなく、スポット径よりも微細なパターンを形成することが可能となるので、熱反応型レジストを使うことで、露光光源波長の影響を小さくすることができる。
【0007】
これまでに、WOx、MoOx、貴金属酸化物などを熱反応型レジストとして用い、半導体レーザー等による露光や熱・光反応によって微細パターンを形成する技術が報告されている(以下、特許文献2〜特許文献4、非特許文献2参照)。WOx、MoOxは、酸化度Xが完全酸化物より小さい値に設定されている不完全酸化物と呼ばれるレジスト材料であり、露光による加熱で酸化度Xを変化させ、酸化度の違いで現像液に対する溶解度の差を作り、現像することで微細パターンを形成可能にしている。そのため、極わずかな酸化度Xの違いにより現像特性が変わってしまい、出発物質の状態、成膜の方法、露光の方法など多くのパラメーターから再現性のよいレジストを作製するには、非常に高度な技術を要する。また、WやMoはフッ素系のガスを用いたドライエッチングに対して耐性が低いという問題点もあった。
【0008】
一方、貴金属酸化物は、熱反応、光反応等で貴金属酸化物の分解を誘起し、未分解/分解部分で現像液に対する溶解度の差を作り現像することで微細パターンを形成可能にしている。この方法は、例えば熱反応の場合、ある特定温度(分解温度)に材料が達すると分解が生じるため、出発物質の状態(例えば極僅かな酸化度の違い等)からの影響を大きく受けることなく、非常に再現性のよいレジストを得やすいという特徴がある。しかし、特許文献3及び特許文献4で用いられている分解材料の貴金属酸化物は、熱反応、光反応等で分解反応を生じパターン形成を可能にしているものの、分解と共に材料の粒子成長を伴うため、現像後に残るレジスト部分がランダムな海島構造しかとることができず、均一な凹凸やライン形状の微細パターンなどの、パターンサイズの制御が困難である。
【0009】
酸化銅は、分解温度に達すると、急峻な分解を起こして酸素を放出し、また、特許文献3及び特許文献4で用いられる金属酸化物に比べて粒子成長も抑制されるため、微細パターン形成に有効なレジスト材である。しかしながら、特許文献5〜特許文献7に示すように、銅のエッチング液は多数存在するが、酸化度の異なる酸化銅が混在している状態で一方のみを選択的に溶解させるエッチング液はこれまでに報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−144995号公報
【特許文献2】特許第4055543号公報
【特許文献3】特開2008−143162号公報
【特許文献4】特開2008−168610号公報
【特許文献5】特開2005−105410号公報
【特許文献6】特開2005−105333号公報
【特許文献7】特開2001−262374号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】(株)情報機構 発刊 「最新レジスト材料」 P.59―P.76
【非特許文献2】The 19th Symposium on Phase Change Optical Information Storage 2007 予稿集 P.77―P.80
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、異なる酸化度の酸化銅が混在している状態において、一方のみを選択的に溶解させることのできる酸化銅用エッチング液及びそれを用いた酸化銅用エッチング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明者らは、かかる課題を解決すべき鋭意検討し実験を重ねた結果、特定のキレート剤及びその塩を少なくとも含むエッチング液を用いることにより、異なる酸化度の酸化銅が混在している状態において、一方のみを選択的に溶解させられることを見出し本発明を完成するに至った。
【0014】
本発明の酸化銅用エッチング液は、α,ω−ジアミン酢酸、α,ω−ジアミンコハク酸、α,ω−ジアミンプロピオン酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、クエン酸、イソクエン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、グルタミン酸、リンゴ酸、酒石酸、バソクプロインジスルホン酸、グリシン、及びこれらの塩からなる群より選ばれた少なくとも一種以上のキレート剤を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の酸化銅用エッチング液においては、さらに酸化剤を含むことが好ましい。
【0016】
本発明の酸化銅用エッチング液においては、さらに界面活性剤を含むことが好ましい。
【0017】
本発明の酸化銅用エッチング液においては、前記酸化剤が、過酸化水素、過マンガン酸塩、塩素酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、過臭素酸、過臭素酸塩、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、二クロム酸、二クロム酸塩、四酸化オスミウム、メタクロロ過安息香酸、過硫酸塩、及び塩化鉄からなる群より選ばれた少なくとも一種以上を含むことが好ましい。
【0018】
本発明の酸化銅用エッチング液においては、前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤を少なくとも含むことが好ましい。
【0019】
本発明の酸化銅用エッチング液においては、前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、クエン酸、バソクプロインジスルホン酸、グリシン及びこれらの塩からなる群より選ばれた少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0020】
本発明の酸化銅用エッチング液においては、前記キレート剤の全エッチング液に対する割合が0.00001重量%以上10重量%以下であることが好ましい。
【0021】
本発明の酸化銅用エッチング方法は、上記酸化銅用エッチング液を作用させる際の液吐出圧が、0.005MPa以上0.15MPa以下であることを特徴とする。
【0022】
本発明の酸化銅用エッチング方法は、基材上に酸化銅のレジスト層を形成する工程(1)と、上記酸化銅用エッチング液を用いて前記レジスト層をエッチングする工程(2)とを含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の酸化銅用エッチング方法においては、前記レジスト層を洗浄する工程と、エッチング後の前記基材及び前記レジスト層を洗浄する工程と、を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、酸化数の異なる酸化銅が混在した状態において、特定の酸化数を持つ酸化銅のみを選択的にエッチングすることができる酸化銅用エッチング液及びそれを用いた酸化銅用エッチング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1に係る酸化銅膜の原子間力顕微鏡写真である。
【図2】本発明の実施例2に係る酸化銅膜の原子間力顕微鏡写真である。
【図3】本発明の実施例9に係る酸化銅膜の原子間力顕微鏡写真である。
【図4】レーザー光の強度分布を示した図である。
【図5】レーザー光を照射された部分の温度分布を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る酸化銅用エッチング液のエッチング対象は酸化銅であり、特に酸化数の異なる酸化銅が混在した状態において、特定の酸化数を持つ酸化銅のみをエッチングする際に適している。
【0027】
本発明に係る酸化銅用エッチング液は、特定のキレート剤及びその塩を少なくとも含む。酸化銅(II)は露光による熱で分解温度に達すると酸素を放出し、酸化銅(II)より小さい酸化数の酸化銅に変化する。本発明に係る酸化銅用エッチング液において、キレート剤は、酸化銅と反応して錯形成することにより、酸化銅を溶解させるために使用される。上記の反応は少なくとも本明細書記載の条件下においては一次反応で進行するが、露光後の酸化銅を溶解させる際の活性化エネルギーは露光前の酸化銅を溶解させる際の活性化エネルギーよりも小さいために、露光後の酸化銅の溶解速度が露光前の酸化銅の溶解速度よりも大きくなる。このため、露光後の酸化銅と露光前の酸化銅が混在した状態において、露光後の酸化銅を選択的に溶解させることができる。また、本発明に係る酸化銅用エッチング液においては、酸化剤の添加により、酸化銅の電位を調整することができる。このため、酸化剤の添加量を調節することにより反応速度や反応の選択性を制御することができる。
【0028】
本発明における特定のキレート剤及びその塩とは、同一分子内に複数のカルボン酸を有する有機酸、銅を包接する化合物、もしくはその塩のことであり、具体例としてはエチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン一コハク酸、1,3−プロパンジアミン二コハク酸、トリエチレンテトラミン三コハク酸、1,2−ジアミノプロパン二コハク酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三プロピオン酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二プロピオン酸、1,3−プロパンジアミン四プロピオン酸、ジエチレントリアミン五プロピオン酸、トリエチレンテトラミン六プロピオン酸、1,2−ジアミノプロパン四プロピオン酸、クエン酸、イソクエン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、グルタミン酸、リンゴ酸、酒石酸、バソクプロインスルホン酸、グリシン及びこれらの酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ポリアルキルアンモニウム塩、ポリアリールアンモニウム塩である。塩としては分子中に含まれる全てのカルボン酸及びスルホン酸が塩になっていてもよく、一部のカルボン酸およびスルホン酸のみが塩になっていてもよい。本発明における特定のキレート剤及びその塩は、これらのキレート剤及びその塩の内少なくとも1種類を含んでいることを特徴とする。これらのキレート剤の中でも、入手の容易さ、水への溶解性という観点から、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、グルタミン酸、リンゴ酸、酒石酸、バソクプロインスルホン酸、グリシンとそれらの塩が好ましく、さらに、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、クエン酸、バソクプロインジスルホン酸、グリシン、及びこれらの塩がもっとも好ましい。
【0029】
上記キレート剤には銅のエッチング液として用いられているものも存在するが、銅のエッチング液として使用できるものでも、本発明の効果を満たさないものも存在する。例えば、銅アンミン錯体を含有するエッチング液などは銅のエッチング液として用いることができるが、同様のエッチング液では、酸化数の混在した酸化銅を選択的にエッチングすることは困難である。
【0030】
本発明における酸化剤は、一般的に用いられる酸化剤ならば特に制限はなく、具体例としては、過酸化水素、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸アンモニウム、過マンガン酸カルシウム、過マンガン酸マグネシウム、過マンガン酸銀、過マンガン酸バリウム、塩素酸リチウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、塩素酸アンモニウム、臭素酸リチウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、臭素酸アンモニウム、ヨウ素酸リチウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸アンモニウム、過塩素酸、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸銀、過臭素酸、過臭素酸リチウム、過臭素酸ナトリウム、過臭素酸カリウム、過臭素酸アンモニウム、過臭素酸カルシウム、過臭素酸銀、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸リチウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カルシウム、過ヨウ素酸銀、二クロム酸、二クロム酸リチウム、二クロム酸ナトリウム、二クロム酸カリウム、二クロム酸カルシウム、二クロム酸マグネシウム、四酸化オスミウム、メタクロロ過安息香酸、過硫酸リチウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、塩化鉄を挙げることができる。本発明においては、酸化剤は、これらの酸化剤の内少なくとも1種類を含んでいることを特徴とする。これらの酸化剤の中でも、入手の容易さ、安全性、環境負荷の面から、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、過硫酸リチウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、塩化鉄が好ましく、さらに、過酸化水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、塩化鉄がもっとも好ましい。
【0031】
本発明における界面活性剤は、濡れ性、浸透性を向上させるものであれば特に制限はなく、市販のものをそのまま用いてもよく、合成してもよい。界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性の四種が挙げられるが、このうちアニオン系、ノニオン系、両性のものが好ましく、さらにアニオン系、ノニオン系が特に好ましい。これらの界面活性剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0032】
アニオン系界面活性剤としては、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型等を挙げることができる。また、ノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型、ポリアルキレングリコール型、多価アルコール型、アセチレン型等を挙げることができる。具体的には、アニオン系界面活性剤としてオレフィンスルホン酸、アルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル、アルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸及びこれらの塩等が挙げられ、ノニオン系界面活性剤としてポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、アセチレンジオール、アセチレングリコール等が挙げられる。
【0033】
酸化銅用エッチング液の発泡性が高いと泡によるエッチングムラが生じやすくなるため、界面活性剤としては発泡性の低いものを用いたり、消泡作用のあるものを同時に添加したりするのも有効である。
【0034】
本発明に係る酸化銅用エッチング液は、キレート剤の濃度を調整することによってエッチング速度を制御することができる。すなわち、酸化剤、界面活性剤の濃度をそのままに、キレート剤の濃度を高くすればエッチング速度は速くなり、逆にキレート剤の濃度を低くすればエッチング速度は遅くなる。速度が速すぎてエッチングムラの原因となるようなら濃度を低くし、速度が遅すぎて効率が悪ければ濃度を高くするなど、レジストの厚みや所望の均一性、効率等から適切な濃度を選択すればよい。上記のような観点から、キレート剤の濃度は全エッチング液に対して0.00001重量%以上10重量%以下が好ましく、0.00001重量%以上1重量%以下がさらに好ましく、0.01重量%以上1重量%以下が最も好ましい。
【0035】
また、本発明における酸化剤は、酸化銅用エッチング液の電位調整に用いられ、その濃度が低すぎるとエッチングが進行しづらくなり、高すぎるとエッチングの選択性を低下させる要因となる。上記のような観点から、酸化剤の濃度は全エッチング液に対して0.01重量%以上1重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以上1重量%以下であることがさらに好ましい。
【0036】
本発明における界面活性剤は、酸化銅用エッチング液の濡れ性、浸透性向上に用いられる。極端に少量では効果が薄く、逆に濃度が高すぎると発泡が顕著になり、エッチングムラ等の原因になる。上記のような観点から、界面活性剤の濃度は全エッチング液に対して0.00001重量%以上1重量%以下が好ましく、0.0001重量%以上0.1重量%以下がさらに好ましく、0.01重量%以上0.1重量%以下が最も好ましい。
【0037】
本発明に係る酸化銅用エッチング液のpHはキレート剤の種類によって概ね1以上11以下の値をとるが、任意の酸、アルカリを添加してこの範囲内においてpHを変化させても効果は損なわれない。ただし、錯形成を促進あるいは阻害する酸やアルカリ、電位を大きく変化させる酸化、還元作用のある酸やアルカリを用いた場合は、所望の効果が得られなくなる場合がある。また、pH1以上11以下の範囲を大きく外れた場合、異なるメカニズムでエッチングが進行し、所望の効果が得られなくなる場合がある。上記の条件を満たす好ましい酸、アルカリとしては、塩酸、硫酸、硝酸、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウムを挙げることができ、この中でも塩酸、硫酸、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウムが特に好ましい。
【0038】
酸化銅用エッチング液をレジストなどに作用させる酸化銅用エッチング方法は特に限定されず、酸化銅用エッチング液にレジストを浸漬させてもよく、酸化銅用エッチング液をレジストに噴射してもよい。酸化銅用エッチング液にレジストを浸漬させる際に液を循環、あるいはレジストを動作させることにより、単位時間当たりにレジストに当たる液の量を増加させると、エッチング速度を上げることができる。
【0039】
また、酸化銅用エッチング液をレジストに噴射する際に液の吐出圧を上げることで、エッチング速度を上げることができるが、吐出圧が大きすぎるとエッチングの選択性、均等性が低下する場合がある。また、吐出圧が小さすぎると噴霧する液が均等に作用しなくなるため、エッチングの均等性が低下する場合がある。これらの点を鑑みると吐出圧は0.005MPa以上0.15MPa以下が好ましく、0.01MPa以上0.10MPa以下が特に好ましく、0.01MPa以上0.05MPa以下が最も好ましい。酸化銅用エッチング液をレジストに噴射させる場合は、ノズルを移動させる、レジストを回転させる等の方法を単独で用いる、または併用すると、エッチングが均一に進行するため、好ましい。噴射に用いるノズルの種類は任意のものが使用可能であり、例えばラインスリット、フルコーンノズル、ホローコーンノズル、フラットノズル、均一フラットノズル、ソリッドノズル等を挙げることができ、レジストや基材の形状に合わせて選択できる。また、当然のことであるが、複数のノズルを並べて用いても構わないし、ノズルは一流体ノズルでも二流体ノズルでも構わない。
【0040】
酸化銅用エッチング液をレジストに作用させる際の温度を制御することでエッチング速度を変化させることが可能である。温度は酸化銅用エッチング液が凍結、沸騰、極端に濃度が変化する速度での揮発、あるいは酸化銅用エッチング液中の成分やレジストの分解を引き起こす範囲を避ければ任意に設定することが可能である。上記の理由から、温度範囲は0℃以上80℃以下が好ましく、10℃以上60℃以下がさらに好ましく、10℃以上40℃以下が最も好ましい。
【0041】
酸化銅用エッチング液をレジストに作用させる際に、不溶性の微粉末等の不純物が酸化銅用エッチング液中に存在すると、特に微細なパターンをエッチングする際にムラの原因となる恐れがあるので、エッチング液を事前にろ過しておくことが好ましい。ろ過に用いるフィルターの材質は酸化銅用エッチング液と反応しないものなら任意に選択でき、例えばPFA、PTFE等を挙げることができる。フィルターの目の粗さはパターンの微細度合いに応じて選択すればよいが、一般には0.2μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。また、溶出した成分の析出、再付着を防ぐためには、浸漬より噴射が好ましく、さらに、酸化銅用エッチング液をレジストに噴射する場合は酸化銅用エッチング液を循環させず、使い捨てにするほうがより好ましい。
【0042】
本発明に係る酸化銅用エッチング液を作用させるレジストの基材となるものは、材質、形状について特に制限を受けない。しかし、表面平滑性、加工性に優れる材質であった方が好ましく、そのような材質としては、ガラス、シリコン、二酸化ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、銅、銀、金、及びそれらのめっきを施したもの等を挙げることができ、この中でもガラス、シリコン、二酸化ケイ素、アルミニウム、チタニウム、銅、及びそれらのめっきを施したものが特に好ましい。また、形状としては平板のような二次元状であっても構わないし、ロールのような三次元状であっても構わない。
【0043】
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明するが、本発明はこの実施例により制限されるものではない。
【0044】
(実施例1)
50mmφのガラス平板基板上に、スパッタリング法を用いて、下記の条件にて酸化銅を製膜した。
ターゲット:酸化銅(II)(3インチφ)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率9:1)
圧力(Pa):0.5
膜厚(nm):20
【0045】
この酸化銅膜を以下の条件にて露光した。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:1mW〜10mW
送りピッチ:260nm
【0046】
露光中にレーザーの強度を変調させることで、さまざまな形状やパターンを作製できるが、実験ではエッチング後の界面を評価しやすくするために、パターンとして連続の溝形状を使用した。形成する形状は目的とする用途によっては孤立した円形、楕円形状等でも構わず、本発明は露光形状によって何ら制限を受けるものではない。
【0047】
次に、露光により価数の混在した酸化銅を下記条件にて調製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。なお、アデカトールSO−135は、アデカ社製のノニオン性界面活性剤である。酸化銅用エッチング液のpHは4.6だった。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 1.7g
30%過酸化水素水 1.9g
アデカトールSO−135 0.30g
水 300g
【0048】
エッチングは23℃において8分間、酸化銅用エッチング液に価数の混在した酸化銅を浸漬させることで行った。次に、エッチングした酸化銅膜のAFM(原子間力顕微鏡)像を、キーエンス社製VN−8000を用いて測定した(図1)。その結果、平均溝深さ16.5nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は100nmであった。以上より、露光により酸化数の変化した酸化銅のみが選択的にエッチングされ、露光されなかった酸化銅(II)はエッチングされないことを示す結果となった。
【0049】
(実施例2)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を下記条件にて調製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。酸化銅用エッチング液のpHは7.5だった。
クエン酸三ナトリウム塩 1.4g
30%過酸化水素水 1.9g
アデカトールSO−135 0.40g
水 300g
【0050】
エッチングは23℃において30分間、酸化銅用エッチング液に価数の混在した酸化銅を浸漬させることで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した(図2)。その結果、溝深さ20.0nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は82nmであった。
【0051】
(実施例3)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を下記条件にて調製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。酸化銅用エッチング液のpHは6.0だった。
グリシン 1.6g
30%過酸化水素水 1.9g
アデカトールSO−135 0.40g
水 300g
【0052】
エッチングは23℃において16分間、酸化銅用エッチング液に価数の混在した酸化銅を浸漬させることで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した。その結果、溝深さ20.0nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は100nmであった。
【0053】
(実施例4)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を、下記条件にて調製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。酸化銅用エッチング液のpHは4.6だった。
クエン酸三ナトリウム塩 1.4g
30%過酸化水素水 1.9g
アデカトールSO−135 0.40g
水 300g
塩酸 pH4.6になるまで加える
【0054】
エッチングは23℃において30分間、エッチング液に価数の混在した酸化銅を浸漬させることで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した。その結果、溝深さ20.0nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は92nmであった。
【0055】
(実施例5)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を下記条件にて調製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。酸化銅用エッチング液のpHは5.3だった。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.017g
30%過酸化水素水 1.9g
アデカトールSO−135 0.40g
水 300g
【0056】
エッチングは23℃において90分間、エッチング液に価数の混在した酸化銅を浸漬させることで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した。その結果、溝深さ15.2nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は110nmであった。
【0057】
(実施例6)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を下記条件にて調製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。酸化銅用エッチング液のpHは4.0だった。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 17g
30%過酸化水素水 1.9g
アデカトールSO−135 0.40g
水 300g
【0058】
エッチングは23℃において10分間、酸化銅用エッチング液に価数の混在した酸化銅を浸漬させることで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した。その結果、溝深さ13.2nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は155nmであった。
【0059】
(実施例7)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を下記条件にて調製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。酸化銅用エッチング液のpHは4.5だった。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 1.7g
30%過酸化水素水 0.10g
アデカトールSO−135 0.40g
水 300g
【0060】
エッチングは23℃において60分間、酸化銅用エッチング液に価数の混在した酸化銅を浸漬させることで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した。その結果、溝深さ18.5nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は97nmであった。
【0061】
(実施例8)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を下記条件にて調製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。酸化銅用エッチング液のpHは4.6だった。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 1.7g
30%過酸化水素水 1.9g
アデカトールSO−135 0.0010g
水 300g
【0062】
エッチングは23℃において60分間、酸化銅用エッチング液に価数の混在した酸化銅を浸漬させることで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した。その結果、溝深さ16.0nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は80nmであった。
【0063】
(実施例9)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を下記条件にて調製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。酸化銅用エッチング液のpHは2.5だった。
クエン酸 1.4g
30%過酸化水素水 1.9g
アデカトールSO−135 0.40g
水 300g
【0064】
エッチングは23℃において8分間、酸化銅用エッチング液に価数の混在した酸化銅を浸漬させることで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した(図3)。その結果、溝深さ20.0nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は85nmであった。
【0065】
(実施例10)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を実施例1と同様の条件で作製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。エッチングは23℃において10分間、エッチング液を酸化銅に対して、ラインスリットノズルを用いて吐出圧0.03MPaで噴射することで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した。その結果、溝深さ14.2nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は142nmであった。
【0066】
(実施例11)
長さ100mm、120mmφのアルミニウムロール基板上に、スパッタリング法を用いて、下記の条件にて酸化銅を製膜した。
ターゲット:酸化銅(II)(3インチφ)
電力(W):RF100
ガス種類:アルゴンと酸素の混合ガス(比率9:1)
圧力(Pa):0.5
膜厚(nm):20
【0067】
この酸化銅膜を以下の条件にて露光した。
露光用半導体レーザー波長:405nm
レンズ開口数:0.85
露光レーザーパワー:1mW〜10mW
送りピッチ:260nm
【0068】
次に、露光し、価数の混在している酸化銅を実施例1と同様の条件にて調製した酸化銅用エッチング液によってエッチングした。エッチングは23℃において10分間、酸化銅用エッチング液を価数の混在した酸化銅に対して、ラインスリットを用いて吐出圧0.02MPaで噴射することで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した。その結果、溝深さ14.8nmの周期的溝形状が観測された。ピッチ260nmに対して、溝幅は135nmであった。
【0069】
(比較例1)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を下記条件にて調製したエッチング液によってエッチングした。
硫酸銅五水和物 6.6g
水 300g
アンモニア水 pH9になるまで加える
【0070】
エッチングは23℃において60分間浸漬させることにより行い、AFM像を測定したが、溝形状は観測されず、本エッチング液では酸化数に差のある酸化銅の混合物から一方のみを選択的にエッチングことはできなかった。
【0071】
(比較例2)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を下記条件にて調製したエッチング液によってエッチングした。エッチング液のpHは6.0だった。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.001g
30%過酸化水素水 1900g
アデカトールSO−135 400g
水 300kg
【0072】
エッチングは23℃において120分間浸漬させることにより行い、AFM像を測定したが、溝形状は観測されず、本エッチング液では酸化数に差のある酸化銅の混合物から一方のみを選択的にエッチングことはできなかった。
【0073】
(比較例3)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を下記条件にて調製したエッチング液によってエッチングした。エッチング液のpHは4.4だった。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 1.7g
30%過酸化水素水 19g
アデカトールSO−135 0.40g
水 300g
【0074】
エッチング液に23℃において5分間浸漬させたところ、酸化銅膜がすべて消失した。AFM像を測定したが溝形状は観測されず、本エッチング液では酸化数に差のある酸化銅の混合物から一方のみを選択的にエッチングことはできなかった。
【0075】
(比較例4)
実施例1と同様の条件で製膜、露光し、価数の混在している酸化銅を実施例1と同様の条件にて調整したエッチング液によりエッチングした。
【0076】
エッチングは23℃において2分間、エッチング液を価数の混在した酸化銅に対して、ラインスリットを用いて吐出圧0.3MPaで噴射することで行った。次に、エッチングした酸化銅のAFM像を測定した。その結果、ある場所では溝深さ5.8nmの周期的溝形状が観測されたものの、別の場所では溝形状が観測されず、エッチングの選択性、均等性が低下する結果となった。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明に係る酸化銅用エッチング液は、酸化数の異なる酸化銅が混在していても一方のみを選択的にエッチングできるため、微細パターンの作製に有用であり、光学材料等の様々な分野での応用が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α,ω−ジアミン酢酸、α,ω−ジアミンコハク酸、α,ω−ジアミンプロピオン酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、クエン酸、イソクエン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、グルタミン酸、リンゴ酸、酒石酸、バソクプロインジスルホン酸、グリシン、及びこれらの塩からなる群より選ばれた少なくとも一種以上のキレート剤を含むことを特徴とする酸化銅用エッチング液。
【請求項2】
さらに酸化剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の酸化銅用エッチング液。
【請求項3】
さらに界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸化銅用エッチング液。
【請求項4】
前記酸化剤が、過酸化水素、過マンガン酸塩、塩素酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、過臭素酸、過臭素酸塩、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、二クロム酸、二クロム酸塩、四酸化オスミウム、メタクロロ過安息香酸、過硫酸塩、及び塩化鉄からなる群より選ばれた少なくとも一種以上を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の酸化銅用エッチング液。
【請求項5】
前記界面活性剤が、アニオン系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤を少なくとも含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の酸化銅用エッチング液。
【請求項6】
前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、クエン酸、バソクプロインジスルホン酸、グリシン、及びこれらの塩からなる群より選ばれた少なくとも一種以上を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の酸化銅用エッチング液。
【請求項7】
前記キレート剤の全エッチング液に対する割合が0.00001重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の酸化銅用エッチング液。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の酸化銅用エッチング液を作用させる際の液吐出圧が、0.005MPa以上0.15MPa以下であることを特徴とする酸化銅用エッチング方法。
【請求項9】
基材上に酸化銅のレジスト層を形成する工程(1)と、請求項1から請求項7のいずれかに記載の酸化銅用エッチング液を用いて前記レジスト層をエッチングする工程(2)とを含むことを特徴とする酸化銅用エッチング方法。
【請求項10】
前記レジスト層を洗浄する工程と、エッチング後の前記基材及び前記レジスト層を洗浄する工程と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の酸化銅用エッチング方法。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−16975(P2011−16975A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40122(P2010−40122)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】