説明

酸素濃度計クロストーク減少

酸素濃度計におけるクロストークを減少させるための方法および装置。酸素濃度計は、帯域通過フィルタを含む。帯域通過フィルタを介するクロストークの量は、概算される。この概算に基づいて、帯域通過フィルタのコーナ周波数は、クロストークを最小化するように設計されている場合において調整される。一実施形態においては、較正モードは、センサが酸素濃度計に取り付けられている場合に実行される。較正モードにおいては、信号は、最初に赤LEDのみがオンの場合に計測され、次いでIR LEDのみがオンの場合に計測される。オフチャネルにおいて計測される任意の信号は、他のチャネルからのクロストークの結果として想定される。クロストークの大きさはパーセンテージとして決定され、次いでパーセンテージはクロストーク補償として、実際の信号と掛けられ、他のLED信号から減算される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素濃度計に関し、より詳細にはパルス酸素濃度計における赤信号とIR信号との間のクロストークを減少させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パルス酸素濃度計は典型的には、動脈血におけるヘモグロビンの血中酸素飽和度、組織に供給する個々の脈拍の血液量、および、患者の個々の心拍に対応する脈拍の速度を含む(それらに限定されるわけではない)血液の様々な化学的特性を計測するために使用される。これらの特性の計測は、非侵襲センサの使用によって達成される。その非侵襲センサは、血液が組織を灌流する患者の組織の一部に光を散乱し、そのような組織における様々な波長における光の吸収を光電測光にて感知する。吸収される光の量は、計測される血液成分の量を計算するために使用される。
【0003】
組織に散乱された光は、血液中に存在する血液成分の量を示す量において、血液によって吸収された一つ以上の波長として選択される。組織に散乱された、透過光線の量は、組織および関連する光の吸収における血液成分の変化する量に従って変化する。血中酸素レベルを計測するために、そのようなセンサは、典型的には、血中酸素飽和度を計測するための周知の技術に従い、少なくとも二つの異なる波長の光を生成するように適合される光源、および、それらの波長の両方に感度の高い光検出器を提供される。
【0004】
周知の非侵襲センサは、指、耳、または頭皮などの体の一部に固定される装置を含む。動物や人間においては、これらの体の部分の組織は血液によって灌流され、その組織の表面はセンサに対して、容易にアクセス可能である。
【0005】
典型的なパルス酸素濃度計は、2つの異なる検出信号を得るために、患者を赤色光と赤外光とで交互に照らす。赤信号および赤外線(IR)信号の各々に対する問題の1つは、クロストークである。例えば、IR LEDがターンオンされている場合、赤信号はフィルタリングの後、依然としてまだテーリングオフし、逆もまた同様である。一般的に、パルス酸素濃度計回路は、例えば、蛍光灯または他の光からの50Hzまたは60Hzの環境光を復調する前または混信の前にノイズをフィルタリングするようなフィルタを含む。そのようなフィルタリングは、パルスがオーバラップするように赤パルスおよびIRパルスを広げる場合、クロストークという結果が生じる。
【0006】
本発明が扱う振幅ひずみとは逆に、位相ひずみの形におけるクロストークを扱うための一方法は、特許文献1に示される。この特許は、同等の信号が反対の位相における赤およびIRを駆動し、位相オフセット問題を与える方法を示す。この特許は、赤のクロストークをIRに、IRのクロストークを赤にさせる基準信号の帯域通過フィルタに応答して、位相エラーを扱う。この位相エラーを最小化または補償するために、酸素濃度計はIR LEDアクティブのみを用いて作動され、次いで赤LEDアクティブのみを用いて作動される。これを基に、酸素飽和を決定するための式において使用される、補正定数(correction constant)が決定される。
【特許文献1】米国特許第5,995,858号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、酸素濃度計におけるクロストークを減少させるための方法および装置を提供する。酸素濃度計は、帯域通過フィルタを含む。帯域通過フィルタを介するクロストークの量は、概算される。この概算に基づいて、帯域通過フィルタのコーナ周波数は、クロストークを最小化するように調整される。
【0008】
一実施形態においては、帯域通過フィルタはハードウェアフィルタであり、コーナ周波数は適切な抵抗およびコンデンサの設計および選択において調整される。他の実施形態においては、帯域通過フィルタはハードウェアにあり、周波数は動作または較正の間に調整され得る。
【0009】
他の実施形態においては、本発明は、センサが酸素濃度計に取り付けられている場合に実行される較正モードも含む。較正モードにおいては、信号は、最初に赤LEDのみがオンの場合に計測され、次いでIR LEDのみがオンの場合に計測される。オフチャネルにおいて計測される任意の信号は、他のチャネルからのクロストークの結果として想定される。効果は線形であり、ソフトウェアにおいて補償されることを可能にする。クロストークの大きさはパーセンテージとして決定され、次いでパーセンテージはクロストーク補償として、実際の信号と掛けられ、他のLED信号から減算される。
【0010】
本発明の本質および利点の更なる理解のために、添付の図面に関連する以下の説明を参照されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(システム全体)
図1は、本発明を具体化する酸素測定システムの実施形態を示す。センサ10は、赤および赤外線LED、ならびに光検出器を含む。これらは、ケーブル12によって、基板14へ接続される。LED駆動電流は、LED駆動インターフェース16によって提供される。センサからの、受信された光電流は、I−Vインターフェース18に提供される。IRおよび赤電圧は、次いで、本発明を具体化する、シグマ−デルタインターフェース20に提供される。シグマ−デルタインターフェース20の出力は、マイクロコントローラ22に提供される。マイクロコントローラ22は、プログラムのためのフラッシュメモリ、および、データのためのSRAMメモリを含む。プロセッサはまた、フラッシュメモリ26に接続されるマイクロプロセッサチップ24を含む。最後に、クロック28が使用され、センサ10におけるデジタル較正へのインターフェース30が提供される。別個のホスト32は、処理された情報を受信し、および、アナログ表示を提供するためのライン34上にて、アナログ信号を受信する。
【0012】
(帯域通過フィルタ)
図2は、本発明の実施形態に従って、フィルタの位置を示すブロック図である。示されるのは、LED駆動電流16によって駆動されるセンサ10である。LED駆動回路16は、IR LED40と赤LED42を交互に駆動する。光検出器44は、信号を電流−電圧(I−V変換器46)に提供する。電圧信号は、高域通過およびアンチエイリアスフィルタ48に提供される。このブロックは、本発明の実施形態に従って、帯域通過フィルタを含む。出力信号は、次いで、シグマ−デルタ変調器50に提供される。シグマ−デルタ変調器50の出力は、復調器52に提供され、次いでフィルタリングおよびデシメーションブロック54および56に提供される。
【0013】
図3は、本発明の実施形態に従って、帯域通過フィルタ60を示す。フィルタは、増幅器62ならびにコンデンサC2,C110,C111,C40および抵抗R7,R111,R112,R110,R109を含む抵抗・コンデンサ回路を含む。この回路への入力は、本発明に関連しないオフセット補正のために、I−V変換器46からライン64に沿って第1のスイッチ66に提供される。信号は次いで、本発明に従う較正モードのために使用される第2のスイッチ68に提供される。クロストーク制御信号70は、較正モードのためにスイッチをLED電流感知ライン72に結合する。
【0014】
(帯域通過フィルタの設計)
図3の帯域通過フィルタの設計および製造において、コーナ周波数は、クロストーク効果をオフセットおよび最小化するために、コンデンサおよび抵抗値を変化させることによって調整される。コーナ周波数は、環境混信をフィルタリングするために適した、帯域通過フィルタの高域通過端および低域通過端である。
【0015】
帯域通過フィルタの設計に含まれる主要トレードオフがある。フィルタコーナが可能な限り変調周波数に近いことが望ましい。高域通過コーナの周波数を上げることは、フィルタが環境光の任意のAC部をより一層拒絶できるようにする。アメリカにおいては一般的に、蛍光灯は120Hzにおける強いAC成分および120Hzの高調波を有する。これを信号の外へフィルタリングすることが望ましい。低域通過フィルタのカットオフ周波数を下げることは、I−V変換器からの高周波数ノイズを制限し、環境ノイズをシステムの外に保つために一部のアンチエイリアスを提供する。
【0016】
しかしながら、任意のフィルタリングは時間ドメインにおいて信号を広げる。例えば、IRパルスの一部は、その後に続く暗(dark)パルスに洩れる。これは2つの欠点がある。一つ目は、IR信号が赤信号に「洩れる」クロストークであり、逆もまた同様であることである。二つ目は、LEDワイヤと検出器ワイヤとの間の患者ケーブルにおける容量によって起こる過度現象から結果的に生じるオフセットである。この過度現象がフィルタリングされた場合、その一部はオフセットを引き起こす信号のサンプル部に洩れる。これらの効果の両方は、フィルタのコーナが変調周波数により近づけられるとともに悪化する。
【0017】
クロストークがゼロになるように強制するために、帯域通過フィルタが高域通過フィルタコーナおよび帯域通過コーナを調整するように設計されている場合において、帯域通過フィルタは、クロストークに対して最適化するためにチューニングされる。赤パルスのサイズは、サンプルP5(図4を参照)をP4およびP6の暗状態において取得されたサンプルと比較することによって計測される。
【0018】
【数1】

IRパルスからの信号が暗2期間においてまだ減衰しているため、P4サンプルは、低域通過応答によって高くなり、高域通過応答によって低くなる。P4におけるIRパルスの効果は、計測された赤信号のサイズに影響を与える。これは、IR信号が赤信号に漏れ、赤信号がIR信号にもれるクロストークが原因である。
【0019】
この効果は、フィルタが高域通過および低域通過効果の両方を有する帯域通過であった場合、最小化される。高域通過フィルタリングの効果は、低帯域通過フィルタリングの効果を補償する。
【0020】
従って、クロストークを最小化するために高域通過フィルタリングの効果が低域通過フィルタリングの効果を補償するように、図5に示される高域通過および低域通過信号が調整されるように、コーナは調整される。低域通過フィルタは正クロストークを引き起こし、高域通過フィルタは相殺の負クロストークを引き起こす。
【0021】
一実施形態において、帯域通過フィルタは、RC高域通過、それに引き続いて二次Butterworthフィルタとして構成されているSalen−Key低域通過から成る。RC高域通過部分のインピーダンスは、Salen−Key回路の伝達関数に影響を与える。しかしながら、この影響は、容量C2がC110およびC111と比べ非常に大きい場合、無視できる。高域通過フィルタカットオフ周波数は32Hzであり、低域通過フィルタカットオフ周波数は12.7kHzである。
【0022】
(較正)
クロストークを減少させるために帯域通過フィルタのハードウェアを設計することに加えて、較正モードは、クロストーク較正テストを使用してクロストークに対する更なる補正を可能にする。わずかなクロストーク効果が、回路におけるフィルタリングから生じ、明るいおよび暗いパルスの時間ドメインにおけるお互いへの広がりを引き起こす。幸いにも、帯域通過フィルタからの効果は、線形および計測可能であり、ソフトウェアにおいて補償もされ得る。これがフィルタリングの結果であるため、効果の大きさは事前に知られている。IR信号の効果を赤信号の効果から減算し、赤信号の効果からIR信号の効果を減算するために定数が使用される。
【0023】
【数2】

図5は、図2のLED駆動回路16の実施形態の回路図である。回路に含まれるには、ライン80上における赤LEDへの接続およびライン82上におけるIR LEDへの接続である。これらは、MOSFETトランジスタ84および86を介して1ohm抵抗88に提供される。較正モードにおいて、ライン72上のLED電流感知信号は、スイッチ68を介して帯域通過フィルタへの入力として、図3のライン72に接続される図5のライン72を用いてこの1ohm抵抗を流れる電流からとられる。
【0024】
クロストークを減少させるために、帯域通過フィルタのハードウェアを設計することに加えて、較正モードの間の図5におけるライン72の接続は、クロストーク較正テストを使用してクロストークに対する更なる補正を可能にする。
【0025】
クロストークテストをする一方、基板上のアナログ回路の大半は使用されるため、このテストはアナログハードウェアの完全性をチェックするには良いテストである。このテストは、1Ω電流感知抵抗88を帯域通過フィルタへの入力に接続する。これによって、固定LED電流は、信号を信号取得回路に送り得る。これは、LED駆動16、帯域通過フィルタ60、およびシグマ−デルタ変調器50の動作が検証されることを可能にする。更に、1Ω抵抗を使用してLED電流を計測することは、LEDの電流感知回路が、回路における10%許容コンデンサが通常許すものと比べ、より正確に較正されることを可能にする。
【0026】
従って、較正モードの間、電流はLED駆動回路から電流感知入力に分路される。使用されていない唯一のアナログ回路網は、光検出器およびI−V変換器である。好ましい実施形態においては、センサが接続されている時はいつでも、これは検出され、ソフトウェアはクロストーク較正テストを自動的に行う。
【0027】
50%駆動信号は、フルレンジまで到達せずかつ提供される信号が高くなりすぎるリスク無しに、十分に大きい信号を与えるために、較正回路の間、LEDに適用される。代替的に、駆動電流の他のパーセンテージも使用され得る。
【0028】
以下のステップが実行される:
1)IR LEDを50%に、赤LEDを0に設定する;次いで0赤信号を計測する
2)赤LEDを50%に、IR LEDを0に設定する;次いで0IR信号を計測する。
【0029】
次に、実際の動作の間、赤クロストーク効果は、パーセンテージクロストークを赤信号と掛けることによって決定され、次いでそれをIR信号から減算する。赤信号に対しても、対応する動作が行われる。
【0030】
当業者によって理解されるように、本発明は、その本質的特性から逸脱することなく、他の特定の形式において具体化され得る。例えば、駆動電流は異なる方法において得られ得、異なる設計が帯域通過フィルタのために使用され得る。代替的に、帯域通過フィルタは、ソフトウェア較正が追加されずに単一で使用され得る。従って、前述の記載は、例示することを意図されており、請求の範囲において説明される本発明の範囲を制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明を具体化する酸素濃度計のブロック図である。
【図2】本発明に従った、フィルタの配置を示す図1の回路の一部のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に従った、帯域通過フィルタの回路図である。
【図4】本発明の実施形態に従った、赤およびIR信号における低域および高域通過フィルタリング効果を示すタイミング図である。
【図5】本発明の実施形態に従った、較正モードのための回路接続を含むLED駆動回路の実施形態を示す回路図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素濃度計におけるクロストークを減少させるための方法であって、該方法は、
酸素濃度計センサ信号に対応する信号を提供することと、
該信号を帯域通過フィルタに適用することと、
該帯域通過フィルタを介して信号のクロストークの量を概算することと、
該クロストークを最小化するために該帯域通過フィルタのコーナ周波数を調整することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記帯域通過フィルタが、ハードウェアフィルタである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ハードウェア帯域通過フィルタが、前記酸素濃度計における電流−電圧変換器の出力に結合されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記調整することの後、前記ハードウェア帯域通過フィルタを介して、残りのクロストークの量を計測することと、
該ハードウェア帯域通過フィルタからのデジタル化された信号のソフトウェアにおける補償によって、該残りのクロストークを最小化することと
をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記計測することが、
IR LEDに提供される電流無しに、赤LEDからの電流を計測することと、
該赤LEDに提供される電流無しに、該IR LEDからの電流を計測することと
を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
較正モードにおいて、IR LED期間の間に得られるIRクロストーク信号を計測することであって、該信号は前記赤LEDからの信号からのクロストークに対応する、ことと、
IRクロストークパーセンテージを決定するために、該IRクロストーク信号を該IR LEDからの前記電流と比較することと、
赤LED期間の間に得られる赤クロストーク信号を計測することであって、該信号は該IR LEDからの信号からのクロストークに対応する、ことと、
赤クロストークパーセンテージを決定するために、該赤クロストーク信号を該赤LEDからの該電流と比較することと、
前記酸素濃度計の通常動作の間、IRクロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該IRクロストークパーセンテージを検出されたIR信号と掛け、検出された赤信号から該IRクロストーク信号を減算することと、
該酸素濃度計の通常動作の間、赤クロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該赤クロストークパーセンテージを検出された赤信号と掛け、該検出されたIR信号から該赤クロストーク信号を減算することと
をさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
酸素濃度計におけるクロストークを補償するための方法であって、該方法は、
酸素濃度計センサ信号に対応する信号を提供することと、
該信号をハードウェア帯域通過フィルタに適用することであって、該ハードウェア帯域通過フィルタは該酸素濃度計における電流−電圧変換器の出力に結合されている、ことと、
該帯域通過フィルタを介して信号のクロストークの量を概算することと、
該クロストークを最小化するために該帯域通過フィルタのコーナ周波数を調整することと、
較正モードにおいて、IR LED期間の間に得られるIRクロストーク信号を計測することであって、該信号は該赤LEDからの信号からのクロストークに対応する、ことと、
IRクロストークパーセンテージを決定するために、該IRクロストーク信号を該IR LEDからの該電流と比較することと、
赤LED期間の間に得られる赤クロストーク信号を計測することであって、該信号は該IR LEDからの信号からのクロストークに対応する、ことと、
赤クロストークパーセンテージを決定するために、該赤クロストーク信号を該赤LEDからの該電流と比較することと、
該酸素濃度計の通常動作の間、IRクロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該IRクロストークパーセンテージを検出されたIR信号と掛け、検出された赤信号から該IRクロストーク信号を減算することと、
該酸素濃度計の通常動作の間、赤クロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該赤クロストークパーセンテージを検出された赤信号と掛け、該検出されたIR信号から該赤クロストーク信号を減算することと
を包含する、方法。
【請求項8】
クロストークの低減された酸素濃度計であって、該酸素濃度計は、
酸素濃度計センサ入力と、
該酸素濃度計センサ入力に結合されている電流−電圧変換器と、
クロストークを最小化するように調整されているコーナ周波数を有し、該電流−電圧変換器に結合されている帯域通過フィルタと、
検出された信号をデジタル化された検出器信号に変換するために、該帯域通過フィルタに結合されているアナログ−デジタル変換器と、
該デジタル化された検出器信号を操作し、酸素飽和を算出するために、該アナログ−デジタル変換器に結合されているプロセッサと
を備える、酸素濃度計。
【請求項9】
テスト信号を前記帯域通過フィルタに提供するためのテスト回路と、
残りのクロストークの量を概算するために該テスト回路を動作し、前記酸素濃度計の通常動作の間、ソフトウェアにおいて使用される赤およびIRクロストーク補償係数を決定するためのプログラムを格納するメモリと
をさらに備える、請求項8に記載の酸素濃度計。
【請求項10】
前記テスト回路が、
抵抗と、
該抵抗を赤およびIR LEDに交互に結合するためのスイッチング回路と、
該抵抗を前記帯域通過フィルタに結合するためのスイッチと
を備える、請求項9に記載の酸素濃度計。
【請求項11】
前記プログラムが、
較正モードにおいて、IR LED期間の間に得られるIRクロストーク信号を計測することであって、該信号は前記赤LEDからの信号からのクロストークに対応する、ことと、
IRクロストークパーセンテージを決定するために、該IRクロストーク信号を前記IR LEDからの前記電流と比較することと、
赤LED期間の間に得られる赤クロストーク信号を計測することであって、該信号は該IR LEDからの信号からのクロストークに対応する、ことと、
赤クロストークパーセンテージを決定するために、該赤クロストーク信号を該赤LEDからの該電流と比較することと、
前記酸素濃度計の通常動作の間、IRクロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該IRクロストークパーセンテージを検出されたIR信号と掛け、検出された赤信号から該IRクロストーク信号を減算することと、
該酸素濃度計の通常動作の間、赤クロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該赤クロストークパーセンテージを検出された赤信号と掛け、該検出されたIR信号から該赤クロストーク信号を減算することと
を行うためのコンピュータ読取可能コードを含む、請求項9に記載の酸素濃度計。
【請求項12】
クロストークの低減された酸素濃度計であって、該酸素濃度計は、
酸素濃度計センサ入力と、
該酸素濃度計センサ入力に結合されている電流−電圧変換器と、
クロストークを最小化するように調整されているコーナ周波数を有し、該電流−電圧変換器に結合されている帯域通過フィルタと、
検出された信号をデジタル化された検出器信号に変換するために、該帯域通過フィルタに結合されているアナログ−デジタル変換器と、
該デジタル化された検出器信号を操作し、酸素飽和を算出するために、該アナログ−デジタル変換器に結合されているプロセッサと、
テスト信号を該帯域通過フィルタに提供するためのテスト回路と、
残りのクロストークの量を概算するために該テスト回路を動作し、該酸素濃度計の通常動作の間、ソフトウェアにおいて使用される赤およびIRクロストーク補償係数を決定するためのプログラムを格納するメモリと
を備え、
該プログラムが、
較正モードにおいて、IR LED期間の間に得られるIRクロストーク信号を計測することであって、該信号は赤LED信号からのクロストークに対応する、ことと、
IRクロストークパーセンテージを決定するために、該IRクロストーク信号をIR LEDからの該電流と比較することと、
赤LED期間の間に得られる赤クロストーク信号を計測することであって、該信号はIR LED信号からのクロストークに対応する、ことと、
赤クロストークパーセンテージを決定するために、該赤クロストーク信号を赤LEDからの該電流と比較することと、
該酸素濃度計の通常動作の間、IRクロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該IRクロストークパーセンテージを検出されたIR信号と掛け、検出された赤信号から該IRクロストーク信号を減算することと、
該酸素濃度計の通常動作の間、赤クロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該赤クロストークパーセンテージを検出された赤信号と掛け、該検出されたIR信号から該赤クロストーク信号を減算することと
を行うためのコンピュータ読取可能コードを含む、酸素濃度計。
【請求項13】
較正モードを使用して、酸素濃度計におけるクロストークを補償するための方法であって、該方法は、
第1および第2の発光体波長に対応する検出器信号を提供することと、
該第2の発光体波長からの信号からのクロストークに対応し、該第1の発光体波長に対応する、第1の期間の間に得られる第1のクロストーク信号を計測することと、
第1のクロストークパーセンテージを決定するために、該第1のクロストーク信号を、該第1の波長の信号に対応する該検出器からの電流と比較することと、
該第1の発光体波長からの信号からのクロストークに対応し、該第2の発光体波長に対応する、第2の期間の間に得られる第2のクロストーク信号を計測することと、
第2のクロストークパーセンテージを決定するために、該第2のクロストーク信号を、該第1の波長の信号に対応する該検出器からの該電流と比較することと、
該酸素濃度計の通常動作の間、第1のクロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該第1のクロストークパーセンテージを検出された第1の波長信号と掛け、検出された第2の波長信号から該第1のクロストーク信号を減算することと、
該酸素濃度計の通常動作の間、第2のクロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該第2のクロストークパーセンテージを検出された第2の波長信号と掛け、該検出された第1の波長信号から該第2のクロストーク信号を減算することと
を包含する、方法。
【請求項14】
前記第1の波長が赤であり、前記第2の波長がIRである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
クロストークの低減された酸素濃度計であって、該酸素濃度計は、
検出された信号を提供するための酸素濃度計センサ入力と、
該検出された信号をデジタル化された検出器信号に変換するための電流−電圧変換器と、
該デジタル化された検出器信号を操作し、酸素飽和を算出するために、該アナログ−デジタル変換器に結合されているプロセッサと、
テスト信号を提供するためのテスト回路と、
残りのクロストークの量を概算するために該テスト回路を動作し、該酸素濃度計の通常動作の間、ソフトウェアにおいて使用される第1および第2のクロストーク補償係数を決定するためのプログラムを格納するメモリと
を備え、
該プログラムが、
第1および第2の発光体波長に対応する検出器信号を提供することと、
該第2の発光体波長からの信号からのクロストークに対応し、該第1の発光体波長に対応する、第1の期間の間に得られる第1のクロストーク信号を計測することと、
第1のクロストークパーセンテージを決定するために、該第1のクロストーク信号を、該第1の波長の信号に対応する前記センサからの電流と比較することと、
該第1の発光体波長からの信号からのクロストークに対応し、該第2の発光体波長に対応する、第2の期間の間に得られる第2のクロストーク信号を計測することと、
第2のクロストークパーセンテージを決定するために、該第2のクロストーク信号を、該第1の波長の信号に対応する該センサからの該電流と比較することと、
該酸素濃度計の通常動作の間、第1のクロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該第1のクロストークパーセンテージを検出された第1の波長信号と掛け、検出された第2の波長信号から該第1のクロストーク信号を減算することと、
該酸素濃度計の通常動作の間、第2のクロストーク信号を与えるためにソフトウェアにおける該第2のクロストークパーセンテージを検出された第2の波長信号と掛け、該検出された第1の波長信号から該第2のクロストーク信号を減算することと
を行うためのコンピュータ読取可能コードを含む、酸素濃度計。
【請求項16】
前記第1の波長が赤であり、前記第2の波長がIRである、請求項15に記載の酸素濃度計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−523715(P2007−523715A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500780(P2007−500780)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/006316
【国際公開番号】WO2005/082241
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(304036651)ネルコアー ピューリタン ベネット インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】