説明

酸触媒を有する悪臭抑制組成物を含む吸収性物品

少なくとも1つの揮発性アルデヒド及び酸触媒を有する悪臭抑制組成物を含む吸収性物品、並びにその使用方法が提供される。悪臭抑制組成物は、おむつ、幼児トレーニングパンツ、成人失禁用衣類、生理用ナプキン、パンティーライナー、陰唇間用具、痔パッドなどの用途を含む、さまざまな吸収性物品に好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの揮発性アルデヒド及び酸触媒を有する悪臭抑制組成物を含む、吸収性物品並びにその用途に関する。悪臭抑制組成物は、おむつ、幼児トレーニングパンツ、成人失禁用衣類、生理用ナプキン、パンティーライナー、陰唇間用具、痔パッドなどを含む、さまざまな吸収性物品の用途に好適である。
【背景技術】
【0002】
悪臭を低減させる又は被覆する製品は、当該技術分野において周知であり、広く特許文献に記載されている。これらの製品は、空気中又は布地若しくは他の表面上で特異的に作用するように設計され得る。例えば、米国特許第5,942,217号、同第5,955,093号及び同第6,033,679号を参照されたい。しかし、効果をあげるのが困難である、尿に関連するアミン系悪臭、並びに経血と糞便などの体液及び排泄物に関連するイオウ系悪臭など、全ての臭気が市販の製品により、効果的に抑制されるわけではない。更に、組成物が悪臭に顕著な効果を示すのに必要な時間は、悪臭に対する製品の有効性について消費者を懐疑的にさせることがある。例えば、製品が顕著に悪臭を低減し始める前に、悪臭が製品の消費者に目立つようになることがある。
【0003】
吸収性物品との関連において、吸収性物品に組み込むために、尿、経血、糞便などの体液及び排泄物に関連する悪臭を抑制する組成物を開発する取組が、これまでに行われてきた。ある公知の悪臭抑制組成物は、一部の消費者に受け入れられないことがある圧倒的な芳香剤の匂いを製品に与えている。それゆえ、吸収性物品の製品に組み込むための、改善された悪臭抑制組成物の提供が今もなお切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,942,217号
【特許文献2】米国特許第5,955,093号
【特許文献3】米国特許第6,033,679号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
悪臭を中和するアミン系及びイオウ系悪臭などの広範囲の悪臭に対して有効であり、一方で、圧倒的な芳香剤により悪臭に打ち勝つのではない、即効性悪臭抑制組成物に対する必要が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも1つの揮発性アルデヒド、及び25℃において約0.01〜約13の蒸気圧を有する酸触媒を含む、悪臭抑制組成物を含む吸収性物品を包含する。
【0007】
本発明は、少なくとも1つの揮発性アルデヒド、及び25℃において約0.01〜約13の蒸気圧を有する酸触媒を含む悪臭抑制組成物に、悪臭を接触させる工程を含む、悪臭を中和する方法を更に包含する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】さまざま酸触媒と組み合わせたチオフェンカルボキシアルデヒドによるブタンチオールの低減を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、少なくとも1つの揮発性アルデヒド及び酸触媒を有する、悪臭中和用悪臭抑制組成物、並びにその方法に関する。
【0010】
排便(すなわち、糞便)又は他の体からの排泄物並びに体液に関連する複雑な臭気などの「悪臭」は、ほとんどの人々にとって、通常、嫌な又は不快な化合物に関係している。
【0011】
「中和する」又は「中和」は、悪臭化合物を低減又は除去する化合物又は製品の能力に関する。臭気の中和は、所定の状況で複数種の悪臭化合物の幾つかのみに作用するか、又は、1種の悪臭化合物の一部のみに作用する、部分的なものであってよい。悪臭化合物は、悪臭化合物をより弱い悪臭若しくは悪臭が全くないようにする、新規化学種をもたらす化学反応により、封鎖により、キレート化により、会合により、又は任意の相互作用により、中和され得る。悪臭化合物の変化による臭気の中和は、悪臭化合物の状態に相応する変化が全くない悪臭認識能力の変化に対比するものとして、臭気被覆又は臭気ブロックと区別され得る。
【0012】
「吸収性物品」は、尿、経血、及び糞便などの体滲出物を吸収し、封じ込める用具を指す。用語「使い捨て」は、本明細書において、一回の使用後、洗濯する、ないしは別の方法で吸収性物品として修復する又は再利用することを意図しない、吸収性物品を記述するために使用される。吸収性物品の例としては、おむつ、幼児トレーニングパンツ、成人失禁用衣類、及び生理用ナプキン、パンティーライナー、陰唇間用具、痔パッドなどの女性用衛生衣類、などが挙げられる。
【0013】
トップシート、バックシート、吸収性コア、及びそれらの構成要素の任意の個々の層を含む吸収性物品及びその構成要素は、身体面と衣類面とを有する。本明細書で使用するとき、「身体面」とは、着用者の身体に向けて又は身体に隣接して着用されることが意図される物品又は構成要素の表面を意味し、「衣類面」はその反対側であり、使い捨て吸収性物品が着用されたときに、着用者の下着に向けて又は下着に隣接して着用されることが意図される。
【0014】
I.吸収性物品
一般的に、本発明の吸収性物品は、典型的に、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コアを含む。
【0015】
吸収性物品のトップシートは、着用者の皮膚及び毛に適合し、柔らかい感触であり、非刺激性であることが好ましい。更にトップシートは液体透過性であり、液体(例えば、経血及び/又は尿)がその厚みを通して容易に浸透可能なものである。好適なトップシートは、織布材料及び不織布材料(例えば、繊維の不織布ウェブ);孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム、及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム等の高分子材料;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;並びに熱可塑性スクリム等の広範囲の材料から製造されてよい。好適な織布及び不織布材料は、天然繊維(例えば木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、若しくはポリエチレン繊維などのポリマー繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせからなるものであってよい。トップシートが、不織布ウェブを含む場合、ウェブは、多くの既知の手法により製造されてよい。例えば、ウェブは、スパンボンド、カード、ウエットレイ、メルトブロー、水流交絡、上記の組み合わせ等によるものであってよい。
【0016】
バックシートは、液体(例えば、経血及び/又は尿)に対して不透過性であり、好ましくは薄いプラスチックフィルムから製造されるが、その他の可撓性の液体不透過性材料を使用することもできる。本明細書で使用するとき、用語「可撓性」は、順応性があり、人間の体の一般的な形状及び輪郭に容易に適合する材料を指す。バックシートは、吸収性コアに吸収保持された排泄物がベッドシーツ、パンツ、パジャマ及び下着といった吸収性用品に接触する用品を濡らすことを防止する。バックシートはまた、液体不浸透性でありながら蒸気浸透性(「呼吸可能」)であることができる。バックシートは、織布材料若しくは不織布材料、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルム等のポリマーフィルム、又はフィルムコーティングされた不織布材などの複合材料を含んでもよい。
【0017】
バックシート及びトップシートは、それぞれ、吸収性コアの衣類面及び身体面に隣接して置くことができる。吸収性コアは、当該技術分野において周知の取り付け手段などの任意の方法によってトップシート、バックシート、又は双方に接合することが可能である。吸収性コア全体の一部が、トップシート、バックシート、又は両方にくっつけられていない、本発明の実施形態が想像される。
【0018】
吸収性コアは、当業者に周知の任意の材料から形成され得る。こうした材料の例としては、多プライの捲縮セルロース塊、毛羽立てられたセルロース繊維、エアフェルトとしても既知である木材パルプ繊維、織物繊維、繊維の混合物、繊維の塊又は芯、繊維のエアレイドウェブ、ポリマー繊維のウェブ及びポリマー繊維の混合物が挙げられる。
【0019】
幾つかの吸収性物品では吸収性コアは比較的薄く、厚さが約5mm未満、約3mm未満、又は約1mm未満であることができる。厚さは、当該技術分野において既知のいずれかの手段によって、1.72kPaの均一な圧力下にある間に、パッドの長手方向中心線沿いの中間点の厚さを測定することによって、決めることができる。吸収性コアは、当該技術分野において既知の、AGM繊維を含む吸収性ゲル材料(AGM)などの超吸収性材料を含むことができる。
【0020】
吸収性物品は、例えば、トップシートと吸収性コアの間に、第2のトップシート又は捕集層などの、他の追加の構成要素を含むことができる。第2トップシート又は捕集層は、カード法レジンボンド不織布、エンボスされたカード法レジンボンド不織布、嵩高カード法レジンボンド不織布、カード法エアスルーボンド不織布、カード法サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布などの、薄層又不織布を含むことができる。第2トップシート又は捕集層には、例えば、木材パルプ、木綿、ウールなどの天然繊維の他に、ポリ乳酸繊維などの生分解性繊維、及びポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース(例えば、RAYON(登録商標)、Lyocell)、酢酸セルロース、バイコンポーネントファイバーなどの合成繊維、及びこれらの混合物も含む、さまざまな繊維が使用され得る。第2トップシート又は捕集層の坪量は、所望の用途により変えることができる。
【0021】
吸収性物品は、典型的におむつに見られるサイドカフ、典型的に生理用ナプキンに見られるサイドウイング又はサイドフラップなどの、構成要素を更に含むことができる。
【0022】
本明細書における吸収性物品は、好ましくは1回使用の使い捨てである。
【0023】
本発明の悪臭抑制組成物は、吸収性物品のさまざまな場所に配置することができる。悪臭抑制組成物は、トップシート又は吸収性コアの衣類面側の上、若しくは身体面側の上、又はバックシートの身体面側の上に配置することができる。好ましくは、悪臭抑制組成物は吸収性コアの上で、好ましくは吸収性コアの衣類面側の上に配置される。悪臭抑制組成物は、それが吸収性物品中に存在する場合には、第2トップシート若しくは捕集層の衣類面側又は身体面側などの他の構成要素の上に配置することもできる。
【0024】
II.悪臭抑制組成物
悪臭抑制組成物は揮発性アルデヒドの混合物を含み、本物の悪臭中和を実現するように設計されており、臭気を単に隠す又は被覆することにより機能するものではない。本物の悪臭中和は、感覚及び分析により測定可能(例えば、ガスクロマトグラフ)な悪臭の低減を実現する。したがって、悪臭抑制組成物が本物の悪臭中和を実現する場合には、この組成物は、気相及び/又は液相中の悪臭を低減する。
【0025】
1.揮発性アルデヒド
悪臭抑制組成物は、化学反応を介して気相及び/又は液相中の悪臭を中和する揮発性アルデヒドの混合物を含む。このような揮発性アルデヒドは、反応性アルデヒド(RA)とも呼ばれる。揮発性アルデヒドは、シッフ塩基形成経路に従ってアミン系臭気と反応し得る。揮発性アルデヒドは、イオウ系臭気とも反応し、気相及び/又は液相中にチオールアセタール、へミチオールアセタール及びチオールエステルを形成し得る。実質上、製品の所望の芳香特性に負の影響を全く有さないことが、これらの気相及び/又は液相揮発性アルデヒドにとって望ましいものであり得る。ある程度揮発性であるアルデヒドは、本明細書で使用される揮発性アルデヒドと考えられ得る。
【0026】
好適な揮発性アルデヒドは、約0.0001torr〜100torr(約0.00013kPa〜13.3kPa)、あるいは約0.0001torr〜約10torr(約0.00013kPa〜約1.3kPa)、あるいは約0.00013kPa〜約6.7kPa(約0.001torr〜約50torr)、あるいは約0.001torr〜約50torr(約0.00013kPa〜約2.7kPa)、あるいは約0.00013kPa〜約0.013kPa(約0.001torr〜約0.100torr)、あるいは約0.001torr〜約0.100torr(約0.00013kPa〜0.008kPa)、あるいは0.001torr〜0.03torr(約0.00013kPa〜0.004kPa)、あるいは約0.005torr〜約20torr(約0.0007kPa〜約2.7kPa)、あるいは約0.01torr〜約20torr(約0.0013kPa〜約2.7kPa)、あるいは約0.01torr〜約15torr(約0.0013kPa〜約1.9kPa)、あるいは約0.01torr〜約10torr(約0.0013kPa〜約1.3kPa)、あるいは約0.05torr〜約10torr(約0.007kPa〜約1.3kPa)の範囲の、25℃で測定した蒸気圧(VP)を有し得る。
【0027】
揮発性アルデヒドはまた、一定の沸点(B.P.)及びオクタノール/水分配係数(P)を有し得る。本明細書において言及される沸点は、0.10MPa(760mmHg)である通常の標準気圧のもとで測定される。多くの揮発性アルデヒドの標準の0.10MPa(760mmHg)における沸点は、例えば、Steffen Arctanderにより書かれ1969年に出版された「Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)」に与えられている。
【0028】
揮発性アルデヒドのオクタノール/水分配係数は、オクタノール中と水中におけるその平衡濃度の比である。悪臭抑制組成物に使用される揮発性アルデヒドの分配係数は、基底10に対するそれらの対数、logP、としてより簡便に与えられることがある。多くの揮発性アルデヒドのlogP値は報告されている。例えば、Daylight Chemical Information Systems,Inc.(Daylight CIS)(Irvine,California)から入手可能なPomona92データベースを参照されたい。しかしながら、logP値は、やはりDaylight CISから入手可能な「CLOGP」プログラムによって最も便宜よく計算される。このプログラムはまた、それらがPomona92データベースで入手可能な場合には、実験的なlogPの値も載せている。「LogP計算値」(ClogP)は、HanschとLeoのフラグメント法により決定される(参考A.Leo、Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4、C.Hansch、P.G.Sammens、J.B.Taylor及びC.A.Ramsden編、p.295,Pergamon Press,1990)。フラグメント法は、各揮発性アルデヒドの化学構造に基づいたものであり、原子の数と種類、原子の結合性及び化学結合を考慮したものである。ClogP値は、最も信頼でき、またこの物理化学的特性の評価に広く用いられており、好ましくは悪臭抑制組成物のための揮発性アルデヒドの選択において実験的なlogP値の代わりに用いられる。
【0029】
ClogP値は、4つの群により定義することができ、揮発性アルデヒドはこれらの群のうちの1つ以上から選択され得る。第一群は、約250℃以下のB.P.と約3以下のClogPとを有する揮発性アルデヒドを含む。第二群は、250℃以下のB.P.と3.0以上のClogPとを有する揮発性アルデヒドを含む。第三群は、250℃以上のB.P.と3.0以下のClogPとを有する揮発性アルデヒドを含む。第四群は、250℃以上のB.P.と3.0以上のClogPとを有する揮発性アルデヒドを含む。悪臭抑制組成物は、1つ以上のClogP群からの揮発性アルデヒドの任意の組み合わせを含み得る。
【0030】
幾つかの実施形態では、本発明の悪臭抑制組成物は、悪臭抑制組成物の全体重量に対して、第一群からの揮発性アルデヒドを約0%〜約30%あるいは約25%、及び/又は第二群からの揮発性アルデヒドを約0%〜約10%あるいは約10%、及び/又は第三群からの揮発性アルデヒドを約10%〜約30%あるいは約30%、及び/又は第四群からの揮発性アルデヒドを約35%〜約60%あるいは約35%を含み得る。
【0031】
悪臭抑制組成物に使用することができる代表的な揮発性アルデヒドとして、これらに限定されないが、アドキサール(2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール)、ブルゲオナール(4−t−ブチルベンゼンプロピオンアルデヒド)、リレストラリス33(2−メチル−4−t−ブチルフェニル)プロパナール)、シンナミックアルデヒド、シンナムアルデヒド(フェニルプロペナール、3−フェニル−2−プロペナール)、シトラール、ゲラニアール、ネラール(ジメチルオクタジエナ−ル,3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アール)、シクラルC(2,4−ジメチル−3−オクタヘキセン−1−カルバルデヒド)、フロールヒドラル(3−(3−イソプロピル−フェニル)−ブチルアルデヒド)、シトロネラール(3,7−ジメチル6−オクテナール)、サイマール、シクラメンアルデヒド、シクロサール、ライムアルデヒド(アルファー−メチル−p−イソプロピルフェニルプロピルアルデヒド)、メチルノニルアセトアルデヒド、アルデヒドC12 MNA(2−メチル−1−ウンデカナール)、ヒドロキシシトロネラール、シトロネラール水和物(7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタン−1−アール)、ヘリオナール(アルファ−メチル−3,4−(ジメチレンジオキシ)−ヒドロシンナムアルデヒド、ヒドロシンナムアルデヒド(3−フェニルプロパナール,3−フェニルプロピオンアルデヒド)、イントレレベンアルデヒド(ウンデカ−10−エン−1−アール)、リグストラール、トリバータル(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、Jasmorange、サチンアルデヒド(2−メチル−3−トリルプロピオンアルデヒド、4−ジメチルベンゼンプロパナール)、リラール(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、メロナール(2,6−ジメチル−5−ヘプテナール)、メトキシメロナール(6−メトキシ−2,6−ジメチルへプタナール)、メトキシシンナムアルデヒド(トランス−4−メトキシシンナムアルデヒド)、マイラックアルデヒド(イソヘキセニルシクロヘキセニル−カルボキシアルデヒド)、トリフェルナール((3−メチル−4−フェニルプロパナール、3−フェニルブタナール)、リリアール、P.T.ブシナール、リスメラール、ベンゼンプロパナール(4−第三級−ブチル−アルファ−メチル−ヒドロシンナムアルデヒド)、Dupical、トリシクロデシリデンブタナール(4−トリシクロ5210−2,6デシリデン−8ブタナール)、メラフルール(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド)、メチルオクチルアセトアルデヒド、アルデヒドC−11 MOA(2−メチルデカ−1−アール)、Onicidal(2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエン−1−アール)、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ミュゲアルデヒド50(3,7−ジメチル−6−オクテニル)オキシアセトアルデヒド)、フェニルアセトアルデヒド、Mefranal(3−メチル−5−フェニルペンタナール)、Triplal、Vertocitralジメチルテトラヒドロベンゼンアルデヒド(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、2−フェニルプロピリオンアルデヒド、ヒドラトロプアルデヒド、カントキサール、アニシルプロパナール4−メトキシ−アルファー−メチルベンゼンプロパナール(2−アニシリデンプロパナール)、Cylcemone A(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフトアルデヒド)、及びPrecylcemone B(1−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)が挙げられる。
【0032】
更に、他の例示的なアルデヒドとして、これらに限定されないが、アセトアルデヒド(エタナール)、ペンタナール、バレルアルデヒド、アミルアルデヒド、センテナール(オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−1H−インデン−2−カルボキシアルデヒド)、プロピオンアルデヒド(プロパナール)、シクロシトラール、ベータ−シクロシトラール、(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−アセトアルデヒド)、イソシクロシトラール(2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、イソブチルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド(3−メチルブチルアルデヒド)、メチルブチルアルデヒド(2−メチルブチルアルデヒド、2−メチルブタナール)、ジヒドロシトロネラール(3,7−ジメチルオクタン−1−アール)、2−エチルブチルアルデヒド、3−メチル−2−ブテナール、2−メチルペンタナール、2−メチルバレルアルデヒド、ヘキセナール(2−ヘキセナール、トランス−2−ヘキセナール)、へプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ラウリン酸アルデヒド、トリデカナール、2−ドデカナール、メチルチオブタナール、グルタルアルデヒド、ペンタンジアール、グルタリックアルデヒド、ヘプテナール、シス又はトランス−ヘプテナール、ウンデセナール(2−,10−)、2,4−オクタジエナール、ノネナール(2−,6−)、デセナール(2−,4−)、2,4−ヘキサジエナール、2,4−デカジエナール、2,6−ノナジエナール、オクテナール、2,6−ジメチル5−ヘプテナール、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、トリフェルナール、ベータメチルベンゼンプロパナール、2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−アセトアルデヒド、フェニルブテナール(2−フェニル2−ブテナール)、2−メチル−3(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド、3−(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド、p−トリルアセトアルデヒド(4−メチルフェニルアセトアルデヒド)、アニスアルデヒド(p−メトキシベンゼンアルデヒド)、ベンズアルデヒド、Vernaldehyde(1−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルバルデヒド)、ヘリオトロピン(ピペロナール)3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、アルファ−アミルシンナミックアルデヒ、2−ペンチル−3−フェニルプロペン酸アルデヒド、バニリン(4−メトキシ3−ヒドロキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3−エトキシ4−ヒドロキシベンズアルデヒド)、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ジャスモナールH(アルファ−n−ヘキシル−シンナムアルデヒド)、フローラルオゾン(パラ−エチル−アルファ、アルファ−ジメチルヒドロシンナムアルデヒド)、Acalea(p−メチル−アルファ−ペンチルシンナムアルデヒド)、メチルシンナムアルデヒド、アルファ−メチルシンナムアルデヒド(2−メチル3−フェニルプロペナール)、アルファ−ヘキシルシンナムアルデヒド(2−ヘキシル3−フェニルプロペナール)、サリチルアルデヒド(2−ヒドロキシベンズアルデヒド)、4−エチルベンズアルデヒド、クミンアルデヒド(4−イソプロピルベンズアルデヒド)、エトキシベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、ベラトルムアルデヒド(3,4−ジメトキシベンズアルデヒド)、シリンガアルデヒド(3,5−ジメトキシ4−ヒドロキシベンズアルデヒド)、カテカアルデヒド(3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド)、サフラナール(2,6,6−トリメチル−1,3−ジエンメタナール)、ミルテナール(ピン−2−エン−1−カルバルデヒド)、ペリルアルデヒドL−4(1−メチルエテニル)−1−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2−メチル−2−ペンテナール、2−メチルペンテナール、ピルブアルデヒド、ホルミルトリシクロデカン、マンダリンアルデヒド、Cyclemax、ピノアセトアルデヒド、Corps Iris、Maceal、及びCorps 4322が挙げられる。
【0033】
1つの実施形態においては、悪臭抑制組成物は、2−エトキシベンズアルデヒド、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、5−メチルフルフラール、5−メチル−チオフェン−カルボキシアルデヒド、アドキサール、p−アニスアルデヒド、ベンジルアルデヒド、ボージュナール、シンナミックアルデヒド、サイマール、デシルアルデヒド、フローラルスーパー、フロールヒドラル、ヘリオナール、ラウリルアルデヒド、リグストラール、リラール、メロナール、o−アニスアルデヒド、ピノアセトアルデヒド、P.T.ブシナール、チオフェンカルボキシアルデヒド、トランス−4−デセナール、トランストランス2,4−ノナジエナール、ウンデシルアルデヒド、及びこれらの混合物からなる群から選択される2つ以上の揮発性アルデヒドの混合物を含む。
【0034】
幾つかの実施形態においては、悪臭抑制組成物は迅速に反応する揮発性アルデヒドを含む。「迅速に反応する揮発性アルデヒド」は、(1)40秒未満で20%以上のアミン臭気を低減する、又は、(2)30分未満で20%以上のチオール臭気を低減する、揮発性アルデヒドを指す。
【0035】
1つの実施形態においては、悪臭抑制組成物は、表1に列挙された本明細書でアコードAと呼ばれる揮発性アルデヒドの混合物を含む。
【表1】

【0036】
別の実施形態では、悪臭抑制組成物は、表2に列挙された本明細書でアコードBと呼ぶ揮発性アルデヒドの混合物を含む。
【表2】

【0037】
別の実施形態では、悪臭抑制組成物は約71.2%の揮発性アルデヒドの混合物を含み、残部は他のエステル及びアルコール芳香剤原材料である。この混合物は表3に列挙され、本明細書ではアコードCと呼ぶ。
【表3】

【0038】
アコードA、B又はCは、例えば、悪臭抑制組成物の約10重量%の量で、他の芳香剤原材料と配合することができる。加えて、個々の揮発性アルデヒド又は複数の揮発性アルデヒドのさまざまな組み合わせを悪臭抑制組成物中に配合することができる。ある実施形態では、揮発性アルデヒドは、悪臭抑制組成物の重量の100%まで、あるいは約0.1%〜約100%、あるいは約1%〜約100%、あるいは約2%〜約100%、あるいは約3%〜約100%、あるいは約50%〜約100%、あるいは約70%〜約100%、あるいは約80%〜約100%、あるいは約1%〜約20%、あるいは約0.1%〜約10%、あるいは約1%〜約10%、あるいは約0.1%〜約5%、あるいは約1%〜約5%、あるいは約1%〜約3%、あるいは約2%〜約20%、あるいは約3%〜約20%、あるいは約4%〜約20%、あるいは約5%〜約20%の量で存在し得る。
【0039】
揮発性が悪臭を中和するのに重要ではない幾つかの実施形態では、本発明は、例えば、ジ−、トリ−、テトラ−アルデヒドといったポリ−アルデヒドを含んでもよい。このような実施形態においては、リーブオン、洗浄中、リンスオフ型の用途のための洗濯洗剤、添加剤、及びこれらに類するものが挙げられる。
【0040】
2.酸触媒
本発明の悪臭抑制組成物は、イオウ系悪臭を中和するために有効量の酸触媒を含んでもよい。特定の弱酸は、液相及び気相中のチオールとのアルデヒドの反応性に影響を有することが判明している。チオールとアルデヒドとの間の反応は、ヘミアセタール及びアセタール形成経路の機構に従う触媒反応であることが判明している。本悪臭抑制組成物が酸触媒を含有し、イオウ系悪臭と接触すると、揮発性アルデヒドはチオールと反応する。この反応は、チオールアセタール化合物を形成し、したがって、イオウ系臭気を中和し得る。酸触媒がないと、へミチオールアセタールのみが形成される。
【0041】
好適な酸触媒は、約0.001torr〜約38torr(約0.00013kPa〜約5.07kPa)、あるいは約0.001torr〜約14torr(約0.00013kPa〜約1.87kPa)、あるいは約0.001〜約1(約0.00013kPa〜約0.13kPa)、あるいは約0.001〜約0.020(約0.00013kPa〜約0.003kPa)、あるいは約0.005〜約0.020(約0.0007kPa〜約0.003kPa)、あるいは約0.010〜約0.020(約0.0013kPa〜約0.003kPa)の範囲の、25℃で測定された、Scifinderにより報告されたVPを有する。
【0042】
酸触媒は、弱酸であり得る。弱酸は弱酸の解離平衡定数である、酸解離定数、K、により特徴付けられ、pKaはKの常用対数のマイナスである。酸触媒は、約4.0〜約6.0、あるいは約4.3〜5.7、あるいは約4.5〜約5、あるいは約4.7〜約4.9のpKaを有し得る。好適な酸触媒としては、表4に記載されたものが挙げられる。
【表4】

【0043】
悪臭抑制組成物の所望の用途に応じて酸触媒を選択する際に、悪臭抑制組成物の香り特性又は香りへの影響を考慮してもよい。悪臭抑制組成物の幾つかの実施形態においては、中立〜好ましい香りを供給する酸触媒を選択することが望ましいことがあり得る。このような酸触媒は、25℃で測定される約0.001torr〜約0.020torr(約0.13Pa〜約2.67Pa)、あるいは約0.005torr〜約0.020torr(約0.67Pa〜約2.67Pa)、あるいは約0.010torr〜約0.020torr(約1.33Pa〜約2.67Pa)のVPを有してもよい。このような酸触媒の非限定例としては、カルボン酸不純物を有する5−メチルチオフェンカルボキシアルデヒド、コハク酸、又は安息香酸が挙げられる。
【0044】
悪臭抑制組成物は、悪臭抑制組成物の重量に対して、約0.01%〜約5%、あるいは約0.04%〜約1.5%、あるいは約0.1%〜約1.0%、あるいは約0.1%〜約0.5%、あるいは約0.01%〜約0.4%、あるいは約0.1%〜約0.4%、あるいは0.04%〜約1.5%、あるいは約0.4%の酸触媒を、含んでもよい。
【0045】
酢酸系中では、本悪臭抑制組成物は約0.4%の酢酸を含み得る(50:50のTC:DPM、0.4%の酢酸)。
【表5】

【0046】
酸触媒が揮発性アルデヒド(又はRA)と共に存在する場合には、酸触媒は、揮発性アルデヒドのみの悪臭有効性と比較して、悪臭への揮発性アルデヒドの有効性を増加し得る。例えば、1%の揮発性アルデヒドと1.5%の安息香酸は、5%の単独の揮発性アルデヒド以上の悪臭除去効果を提供する。
【0047】
悪臭抑制組成物は、約3〜約8、あるいは約4〜約7、あるいは約4〜約6のpHを有し得る。
【0048】
3.任意成分
悪臭抑制組成物は、所望により、臭気マスキング剤、臭気ブロック剤及び/又は希釈剤を含んでもよい。例えば、悪臭抑制組成物は、悪臭を中和するための揮発性アルデヒド、芳香剤イオノン、及び希釈剤の混合物を含み得る。あるいは、悪臭抑制組成物は100%揮発性アルデヒドを含んでもよい。
【0049】
「臭気マスキング剤」は、悪臭化合物を被覆する又は隠す既知の化合物(例えば、芳香剤原材料)を指す。臭気マスキングは、悪臭化合物を感知する能力を制限するように投与される不快ではない又は好ましい匂いを有する化合物を含み得る。臭気マスキングは、予想される悪臭と一緒になって、臭気化合物の組み合わせにより提供される全体の匂いの知覚を変化させる化合物の選択を伴い得る。
【0050】
「臭気ブロック剤」は、ヒトの嗅覚を鈍らせる既知の化合物を指す。
【0051】
例示的な希釈剤としては、ジプロピレングリコールメチルエーテル及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
悪臭抑制組成物はまた、所望により、快楽効果を供給するだけの(すなわち、悪臭を中和しないが、快い香りは供給する)芳香剤原材料を含み得る。好適な芳香剤は、米国特許第6,248,135号に開示されており、これは参照によりその全体が組み込まれる。
【0053】
III.使用方法
本発明の悪臭抑制組成物は、気相及び/又は液相中の悪臭を中和する、広いさまざまな用途に使用され得る。悪臭抑制組成物はまた、プラスチック、織布又は不織布(例えば、紙製品用セルロース繊維)などの基材における使用のために配合され得る。このような基材は、ペットフード包装、ペーパータオル、ティッシュ、ゴミ袋、おむつ、幼児トレーニングパンツ、乳児用拭き取り用品、成人用失禁製品、生理用ナプキン及びタンポンなどの女性用衛生製品に使用され得る。
【0054】
特に、本発明は、尿、経血、及び/又は糞便に関連する悪臭を本発明の悪臭抑制組成物を含む吸収性物品と接触させることを含む、中和方法を包含する。好適な吸収性物品の例としては、おむつ、幼児トレーニングパンツ、成人失禁用衣類、生理用ナプキン、パンティーライナー、陰唇間用具、痔パッドなどが挙げられる。
【実施例】
【0055】
分析試験−アミン系及びイオウ系悪臭における揮発性アルデヒドの効果
1mLのブチルアミン(アミン系悪臭)及びブタンチオール(イオウ系悪臭)を1.2リットルのガスサンプリングバッグの中にピペットで加えることにより、悪臭標準を調製する。次に、このバッグに窒素を容量まで充填し、少なくとも12時間にわたって静置して、平衡状態にする。
【0056】
表6に列挙したそれぞれの揮発性アルデヒドと表1〜3に列挙したそれぞれのアコード(A、B及びC)の試料1μLを、個々のシラン処理済みの10mLヘッドスペースバイアル瓶の中にピペットで加える。バイアル瓶を密封し、少なくとも12時間にわたって平衡化させる。各試料について4回繰り返す(ブチルアミン分析のために2回、ブタンチオール分析のために2回)。
【0057】
平衡化期間後、1.5mLの標的悪臭標準物質を各10mLバイアル瓶の中に注入する。チオール分析のために、試料と悪臭標準物質とを含有するバイアル瓶を30分間室温で保持する。次に、1mLヘッドスペース注射器を使用して、各試料/悪臭物質250μLをGC/MSの、スプリット/スプリットレスインレットに注入する。アミン分析のために、1mLヘッドスペース注射器を使用して、各試料/悪臭物質500μLをGC/MSの、スプリット/スプリットレスインレットに直ちに注入する。アミン分析のためにGCピローを使用して、測定時間を短縮する。
【0058】
次に、静的ヘッドスペース機能を持つMPS−2オートサンプラー装置を用い、20mで1μmのフィルム厚さのDB−5のカラムを備えたGC/MSを使用して、試料を分析する。各全イオン電流についてイオン抽出によりデータを分析し(チオールについては56、アミンについては30)、面積を用いて、各試料について悪臭標準物質から低減パーセントを計算する。
【0059】
表6は、それぞれ40秒及び30分の時点のアミン系及びイオウ系悪臭の中和における、特定の揮発性アルデヒドの効果を示す。
【表6】

【0060】
表7は、それぞれアコードA、B及びCの、40秒及び30分の時点でのブチルアミン及びブタンチオールの低減パーセントを示す。
【表7】

【0061】
分析試験−イオウ系悪臭における酸触媒の効果
イオウ系悪臭における酸触媒の効果を試験するために、上記分析試験を、酸触媒を含有する試料を用いて繰り返す。特に、以下の対照及び酸触媒試料の各々の1μLアリコートを、二通り用意した個々の10mLシラン処理済みヘッドスペースバイアル瓶にピペットを用いて加える:対照としてのチオフェンカルボキシアルデヒド;チオフェンカルボキシアルデヒドとDPM中0.04%、DPM中0.10%、DPM中0.43%、DPM中1.02%及びDPM中2.04%での以下の酸触媒各々との50/50混合物:フェノール、メシチレン酸、カプリル酸、コハク酸、ピバル酸、チグリン酸及び安息香酸。
【0062】
図1は、低蒸気圧酸触媒が、対照と比較して最大で3倍まで良好なイオウ系悪臭の除去を提供することを示す。
【0063】
分析試験−アミン系及びイオウ系悪臭における揮発性アルデヒド及び酸触媒の効果
表8及び9の概要の通りに揮発性アルデヒド(又はRA)と酸触媒とを含有する試料配合物を用いて、上記分析試験を繰り返す。
【0064】
表8及び9は、1.5%の酸触媒と共に最小1%の揮発性アルデヒドを有する芳香剤混合物が、5%の揮発性アルデヒドを有する同一の芳香剤混合物よりもブチルアミン及びブタンチオールを良好に低減することを示す。
【表8】

【表9】

【0065】
本明細書に開示した寸法及び値は、記述された正確な数値に厳しく限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に言及しない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記述された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0066】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体が参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であることを認めるものではなく、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、この文書の用語のいかなる意味又は定義が、援用された文献の同一の用語のいかなる意味又は定義と一致しない範囲において、この文書においてその用語に与えられた意味又は定義が支配するものとする。
【0067】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他のさまざまな変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるこのような変更及び修正の全てを、添付の「特許請求の範囲」に含めることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品であって、前記吸収性物品中に配置された悪臭抑制組成物を含み、前記悪臭抑制組成物が、
少なくとも1つの揮発性アルデヒド、
25℃において約0.01〜約13の蒸気圧を有する酸触媒を含む、吸収性物品。
【請求項2】
前記少なくとも1つの揮発性アルデヒドが、約0.01〜約50torr(約0.00013〜約6.7kPa)、好ましくは約0.001torr〜約15torr(約0.00013kPa〜約1.9kPa)の蒸気圧を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記少なくとも1つの揮発性アルデヒドが、2−エトキシベンジルアルデヒド、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、5−メチルフルフラール、5−メチル−チオフェン−カルボキシアルデヒド、アドキサール、p−アニスアルデヒド、ベンジルアルデヒド、ブルゲナール、シンナミックアルデヒド、サイマール、デシルアルデヒド、フローラルスーパー、フロールヒドラル、ヘリオナール、ラウリルアルデヒド、リグストラール、リラール、メロナール、o−アニスアルデヒド、ピノアセトアルデヒド、P.T.ブシナール、チオフェンカルボキシアルデヒド、トランス−4−デセナール、トランストランス2,4−ノナジエナール、ウンデシルアルデヒド及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1および2のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記少なくとも1つの揮発性アルデヒドが、フローラルスーパー、o−アニスアルデヒド及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記少なくとも1つの揮発性アルデヒドが、重量で前記悪臭抑制組成物の約0.1%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約5%の量存在し、かつ前記酸触媒が重量で前記悪臭抑制組成物の約0.04%〜約1.5%存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記少なくとも1つの揮発性アルデヒドが、アコードA、アコードB、アコードC、及びこれらの混合物からなる群から選択される揮発性アルデヒドの混合物を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記少なくとも1つの揮発性アルデヒドが、揮発性アルデヒドの混合物を含み、前記混合物が重量で前記悪臭抑制組成物の約0.1%〜約10%のアコードAを含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記酸触媒が、25℃において約0.01〜約2torr(約0.0013〜約0.27kPa)の蒸気圧を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記酸触媒が、カルボン酸である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記酸触媒が、5−メチルチオフェンカルボン酸である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記組成物が、約4〜約6.5のpHを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記吸収性物品が、おむつ、成人失禁用衣類、生理用ナプキン、パンティーライナー、陰唇間用具、痔パッドからなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記吸収性物品が、トップシート、バックシート、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収性コアを更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記吸収性コアが、衣類面側及び身体面側を有し、前記悪臭抑制組成物が前記吸収性コアの前記衣類面側に配置される、請求項13に記載の吸収性物品。
【請求項15】
尿、経血、及び/又は糞便に関連する悪臭の中和方法であって、前記悪臭を請求項1〜14のいずれか一項の吸収性物品と接触させることを含む、中和方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−513445(P2013−513445A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543345(P2012−543345)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/060693
【国際公開番号】WO2011/084568
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】