説明

重合可能な化合物の安定剤としてのラジカルスカベンジャー

重合可能な化合物を、精製、貯蔵及び/又は輸送の際に、重合に対して安定化させるために、ラジカルスカベンジャーは、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、トランス‐1,2‐シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CYDTA)及びそのアルカリ金属‐及びアルカリ土類金属塩から選択されないことを条件として、少なくとも2個のグリシン単位を有する少なくとも1種のラジカルスカベンジャーを使用する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合可能な化合物を、重合に対して安定化させるためのラジカルスカベンジャーの使用を記載する。
【0002】
重合可能な化合物を、例えば、熱又は光又は過酸化物の作用によって容易に重合させ得ることは公知である。しかし、製造、精製、貯蔵及び/又は輸送の際に、安全技術的及び経済的理由から、重合は減少又は軽減されるべきであるので、新規で有効な重合抑制剤への恒久的な要求がある。
【0003】
殊に、例えば、蒸留又は精留による精製、及び引続いての貯蔵及び輸送の際の化学的及び/又は物理的操作が問題である。
【0004】
重合可能な化合物、殊にアクリル酸及びメタクリル酸(次から(メタ)アクリル酸と称する)及びそのエステル(次から(メタ)アクリル酸エステルと称する)のための多数の安定剤が公知である。
【0005】
GB‐A1601979に、キレート化剤としてEDTAが存在して、ニトレソフェノレートとの(メタ)アクリレート塩の水溶液の安定化が記載されている。
【0006】
US4929660に、ラジカル性アクリルモノマー及び重合抑制剤、金属キレート化剤及びラジカルスカベンジャーを含有する接着剤組成物が明らかにされている。このラジカルスカベンジャーとは、N,N‐ジアルキル‐又はN,N‐ジアリールアルキルヒドロキシルアミンのことである。
【0007】
金属受容体が存在して、不飽和四級アンモニウム塩を安定化させることは、US5912383に記載されている。この金属受容体は、ジエチレントリアミンペンタ酢酸及びN‐(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸及びそれに属するナトリウム塩であるとのことである。
【0008】
ドイツ国特許公開公報DE‐A19920796号明細書に、同様にキレート化剤が存在して実施される、カンフェンと(メタ)アクリル酸との反応によるイソボルニル(メタ)アクリレートの製法が記載されている。この明細書は、キレート化剤として、ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、N‐(2‐ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸、1,2‐シクロヘキシレンジニトリロテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、3,6‐ジオキサオクタメチレンジニトリロテトラ酢酸及びこれらの酸のアルカリ金属塩が明らかにされている。
【0009】
WO02/26685は、アクリルモノマーを、蒸留中に、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)及びそのNa‐塩(NaDTPA)及びトランス‐1,2‐シクロヘキサンジアミンペンタ酢酸から選択される金属受容体と共に、酸素が存在して、安定剤で安定化させることを記載している。この金属受容体は、遊離鉄の錯化のために使用される。
【0010】
日本国特許公開公報JP05‐295011及びJP05‐320205号明細書は、同様に、EDTA、DTPA、CYDTA及びそのアルカリ金属塩が存在するアクリル酸の安定化を記載している。
【0011】
従って、本発明の課題は、重合可能な化合物を、精製、貯蔵及び/又は輸送の際に、重合に対して安定化させる選択的方法を得ることであった。
【0012】
この課題は、重合可能な化合物を、精製、貯蔵及び/又は輸送の際に、重合に対して安定化させる方法によって解明され、この際、ラジカルスカベンジャーは、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、トランス‐1,2‐シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CYDTA)及びそのアルカリ金属‐及びアルカリ土類金属塩から選択されないことを条件として、少なくとも2個のグリシン単位を有する少なくとも1種のラジカルスカベンジャーを使用する。
【0013】
有利な1実施態様では、ラジカルスカベンジャーが、≧2個の次の構造単位:
【0014】
【化1】

[式中、R、R’は、相互に無関係で、水素又は金属であってよい]を有しないことを条件として、少なくとも2個のグリシン単位を有する少なくとも1種のラジカルスカベンジャーが使用される。この金属は、例えば、アルカリ金属、例えば、ナトリウム又はカリウムである。
【0015】
特に有利な1実施態様では、少なくとも2個のグリシン単位及び少なくとも1個のアミド‐及び/又はエステル単位を有する少なくとも1種のラジカルスカベンジャーを使用する。ラジカルスカベンジャーは、2個のアミド単位を有することが有利である。
【0016】
一般式(I)のラジカルスカベンジャーを使用することが極めて特に有利である:
【0017】
【化2】

【0018】
詳細には、次のものであってよい:
は、NR又はORであり、かつGはNR又はORであってよい。
【0019】
Xは、C〜C20‐アルキル、NCHCOOR、NR10、O、S、PR11、Se、SiOR1213又はアリールであってよく、この際、前記の置換基は、任意の位置で、1個以上、しかし5個以下、有利に4個以下、特に有利に3個以下のヘテロ原子及び/又はハロゲン原子によって置換されていてよい。Xは、C〜C20‐アルキル基又はNCHCOORであることが有利であり、Xは、C〜C10‐アルキル基又はNCHCOORであることが特に有利である。
【0020】
k、l、m及びnは、相互に無関係で、0〜20である。l及びmは、有利に0〜10、特に有利に0〜5、極めて特に有利に0〜3及び殊に有利に0〜2の範囲である。k及びnは、例えば、0〜10、有利に0〜5、極めて特に有利に1〜3の範囲の値を有し、k及びnは、殊に値1を有する。
【0021】
基R〜Rは、詳細には、次のものである:
〜Rは、相互に無関係で、水素、C〜C20‐アルキル、C〜C20−アルキルカルボニル、C〜C20‐アルケニル、C〜C20‐アルケニルカルボニル、C〜C20‐アルキニル、C〜C20‐アルキニルカルボニル、C〜C15‐シクロアルキル、C〜C15‐シクロアルキルカルボニル、アリール、アリールカルボニル又は複素環であってよい。
【0022】
及びRは、相互に無関係で、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐アルキルカルボニル、C〜C20‐アルケニル、C〜C20−アルケニルカルボニル、C〜C20‐アルキニル、C〜C20‐アルキニルカルボニル、C〜C15‐シクロアルキル、C〜C15‐シクロアルキルカルボニル、アリール、アリールカルボニル又は複素環であってよく、この際、
a)前記の脂肪族置換基の場合には、基R及びR又はR及びRは、相互に結合していてもよく、即ち、共通して、1個の3‐〜8員環、有利に5‐〜7員環及び特に有利に5−〜6員環を形成することができ、
b)前記の脂肪族置換基は、直鎖又は分子鎖であってよく、
c)置換基は、各々任意の位置で1個以上のヘテロ原子によって遮断されていてよく、この際、このヘテロ原子の数は、10個以下、有利に8個以下、特に有利に5個以下、かつ殊に3個以下であり、及び/又は
d)置換基は、各々任意の位置で、しかし、5個以下、有利に4個以下、特に有利に3個以下のアルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、アリールオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、複素環、ヘテロ原子又はハロゲン原子によって置換されていてよく、この際、これらは同様に、最高2個、有利に最高1個の前記の基で置換されていてよい。
【0023】
〜R13は、場合により、相互に無関係で、水素又はC〜C20‐アルキルである。
【0024】
様々な基Rに挙げられる一般名は、詳細には、次のものである:
〜C20‐アルキル:20個までの炭素原子を有する直鎖又は分子鎖の炭化水素基、有利にC〜C10‐アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、s‐ブチル、t‐ブチル、1,1‐ジメチルエチル、ペンチル、2‐メチルブチル、1,1‐ジメチルプロピル、1,2‐ジメチルプロピル、2,2‐ジメチルプロピル、1‐エチルプロピル、ヘキシル、2‐メチルペンチル、3‐メチルペンチル、1,1‐ジメチルブチル、1,2‐ジメチルブチル、1,3‐ジメチルブチル、2,2‐ジメチルブチル、2,3‐ジメチルブチル、3,3‐ジメチルブチル、2‐エチルブチル、1,1,2‐トリメチルプロピル、1,2,2‐トリメチルプロピル、1‐エチル‐1‐メチルプロピル、1‐エチル‐2‐メチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2‐エチルヘキシル、2,4,4‐トリメチルペンチル、1,1,3,3‐テトラメチルブチル、ノニル及びデシル及びその異性体。
【0025】
〜C20‐アルキルカルボニル:カルボニル基(‐CO‐)を介して骨格に結合している、1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分子鎖のアルキル基(前記と同様)、有利にC〜C10‐アルキルカルボニル、例えば、ホルミル、アセチル、n‐又はイソ‐プロピオニル、n‐、イソ‐、s‐又はt‐ブタノイル、n‐、イソ‐、s‐又はt‐ペンタノイル、n‐又はイソ‐ノナノイル、n‐ドデカノイル。
【0026】
〜C20‐アルケニル:2〜20個の炭素原子及び1個の二重結合を任意の位置で有する不飽和の直鎖又は分子鎖の炭化水素基、有利にC〜C10‐アルケニル、例えば、エテニル、1‐プロペニル、2‐プロペニル、1‐メチルエテニル、1‐ブテニル、2‐ブテニル、3‐ブテニル、1‐メチル‐1‐プロペニル、2‐メチル‐1‐プロペニル、1‐メチル‐2‐プロペニル、2‐メチル‐2‐プロペニル、1‐ペンテニル、2‐ペンテニル、3‐ペンテニル、4‐ペンテニル、1‐メチル‐1‐ブテニル、2‐メチル‐1‐ブテニル、3‐メチル‐1‐ブテニル、1‐メチル‐2‐ブテニル、2‐メチル‐2‐ブテニル、3‐メチル‐2‐ブテニル、1‐メチル‐3‐ブテニル、2‐メチル‐3‐ブテニル、3‐メチル‐3‐ブテニル、1,1‐ジメチル‐2‐プロペニル、1,2‐ジメチル‐1‐プロペニル、1,2‐ジメチル‐2‐プロペニル、1‐エチル‐1‐プロペニル、1‐エチル‐2‐プロペニル、1‐ヘキセニル、2‐ヘキセニル、3‐ヘキセニル、4‐ヘキセニル、5‐ヘキセニル、1‐メチル‐1‐ペンテニル、2‐メチル‐1‐ペンテニル、3‐メチル‐1‐ペンテニル、4‐メチル‐1‐ペンテニル、1‐メチル‐2‐ペンテニル、2‐メチル‐2‐ペンテニル、3‐メチル‐2‐ペンテニル、4‐メチル‐2‐ペンテニル、1‐メチル‐3‐ペンテニル、2‐メチル‐3‐ペンテニル、3‐メチル‐3‐ペンテニル、4‐メチル‐3‐ペンテニル、1‐メチル‐4‐ペンテニル、2‐メチル‐4‐ペンテニル、3‐メチル‐4‐ペンテニル、4‐メチル‐4‐ペンテニル、1,1‐ジメチル‐2‐ブテニル、1,1‐ジメチル‐3‐ブテニル、1,2‐ジメチル‐1‐ブテニル、1,2‐ジメチル‐2‐ブテニル、1,2‐ジメチル‐3‐ブテニル、1,3‐ジメチル‐1‐ブテニル、1,3‐ジメチル‐2‐ブテニル、1,3‐ジメチル‐3−ブテニル、2,2‐ジメチル‐3‐ブテニル、2,3‐ジメチル‐1‐ブテニル、2,3‐ジメチル‐2‐ブテニル、2,3‐ジメチル‐3‐ブテニル、3,3‐ジメチル‐1‐ブテニル、3,3‐ジメチル‐2‐ブテニル、1‐エチル‐1‐ブテニル、1‐エチル‐2‐ブテニル、1‐エチル‐3‐ブテニル、2‐エチル‐1‐ブテニル、2‐エチル‐2‐ブテニル、2‐エチル‐3‐ブテニル、1,1,2‐トリメチル‐2‐プロペニル、1‐エチル‐1‐メチル‐2‐プロペニル、1‐エチル‐2‐メチル‐1‐プロペニル及び1‐エチル‐2‐メチル‐2‐プロペニル、及びヘプテニル、オクテニル、ノネニル及びデセニルの異性体。
【0027】
〜C20‐アルケニルカルボニル:カルボニル基(‐CO‐)を介して骨格に結合している、2〜20個の炭素原子及び1個の二重結合を任意の位置で有する不飽和の直鎖又は分子鎖の炭化水素基(前記と同様)、有利にC〜C10‐アルキルカルボニル、例えば、エテノイル、プロペノイル、ブテノイル、ペンテノイル、ノネノイル及びその異性体。
【0028】
〜C20‐アルキニル:2〜20個の炭素原子及び1個の三重結合を任意の位置で有する直鎖又は分子鎖の炭化水素基、有利にC〜C10‐アルキニル、例えば、エチニル、1‐プロピニル、2‐プロピニル、1‐ブチニル、2‐ブチニル、3‐ブチニル、1‐メチル‐2‐プロピニル、1‐ペンチニル、2‐ペンチニル、3‐ペンチニル、4‐ペンチニル、1‐メチル‐2‐ブチニル、1‐メチル‐3‐ブチニル、2‐メチル‐3‐ブチニル、3‐メチル‐1‐ブチニル、1,1‐ジメチル‐2‐プロピニル、1‐エチル‐2‐プロピニル、1‐ヘキシニル、2‐ヘキシニル、3‐ヘキシニル、4‐ヘキシニル、5‐ヘキシニル、1‐メチル‐2‐ペンチニル、1‐メチル‐3‐ペンチニル、1‐メチル‐4‐ペンチニル、2‐メチル‐3−ペンチニル、2‐メチル‐4‐ペンチニル、3‐メチル‐1−ペンチニル、3‐メチル‐4‐ペンチニル、4‐メチル‐1−ペンチニル、4‐メチル‐2−ペンチニル、1,1‐ジメチル‐2‐ブチニル、1,1‐ジメチル‐3‐ブチニル、1,2‐ジメチル‐ブチニル、2,2‐ジメチル‐3‐ブチニル、3,3‐ジメチル‐1‐ブチニル、1‐エチル‐2‐ブチニル、1‐エチル‐3‐ブチニル、2‐エチル‐3−ブチニル及び1‐エチル‐1‐メチル‐2‐プロピニル及びヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルの異性体。
【0029】
〜C20‐アルキニルカルボニル:カルボニル基(‐CO‐)を介して骨格に結合している、2〜20個の炭素原子及び1個の三重結合を任意の位置で有する不飽和の直鎖又は分子鎖の炭化水素基(前記と同様)、有利にC〜C10‐アルキニルカルボニル、例えば、プロピノイル、ブチノイル、ペンチノイル、ノニノイル、デシノイル及びその異性体。
【0030】
〜C15‐シクロアルキル:3〜15個までの炭素環員を有する単環飽和炭化水素基、有利にC〜C‐シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル及び飽和又は不飽和環系、例えば、ノルボルニル又はノルベニル。
【0031】
〜C15‐シクロアルキルカルボニル:カルボニル基(‐CO‐)を介して骨格に結合している、3〜15個の炭素環員を有する単環飽和炭化水素基(前記と同様)、有利にC〜C‐シクロアルキルカルボニル。
【0032】
アリール:6〜14個の炭素環員を有する1〜3核の芳香族環系、例えば、フェニル、ナフチル及びアントラセニル、有利に1〜2核の、特に有利に単核の芳香族環系。
【0033】
アリールカルボニル:カルボニル基(‐CO‐)を介して骨格に結合している、有利に1〜3核の芳香族環系(前記と同様)、例えば、ベンゾイル、有利に1〜2核の、特に有利に単核の芳香族環系。
【0034】
複素環:5‐〜12環員、有利に5‐〜9環員、特に有利に5‐〜6環員の酸素‐、窒素‐及び/又は硫黄原子を有し、場合により多環を有する環系、例えば、フリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、インドリル、ベンズオキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル、ジフルオルピリジル、メチルチオフェニル、イソプロピルチオフェニル又はt‐ブチルチオフェニル。
【0035】
詳細に挙げた置換基は、前記のように各々任意の位置で1個以上のヘテロ原子によって遮断されていてよく、この際、これらのヘテロ原子の数は、10個以下、有利に8個以下、極めて特に有利に5個以下及び殊に3個以下であり、及び/又は各々任意の位置で、しかし5個以下、有利に4個以下及び特に有利に3個以下のアルキル、アルコキシ、アルキルオキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、アリールオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、複素環、ヘテロ原子又はハロゲン原子によって置換されていてよく、この際、これらは同様に最高2個、有利に最高1個の前記の基で置換されていてよい。
【0036】
この群に挙げられる化合物群、アルキル、アリール及び複素環は、前記の意味を有する。
【0037】
ヘテロ原子は、酸素、窒素、硫黄又は燐である。
【0038】
アルキルオキシは、酸素原子(‐O‐)を介して骨格に結合している、1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分子鎖のアルキル基(前記と同様)、有利にC〜C10‐アルキルオキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシを表わす。
【0039】
アルコキシカルボニルは、カルボニル基(‐CO‐)を介して骨格に結合している、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基(前記と同様)、例えば、C〜C10‐アルキルオキシカルボニルである。
【0040】
アリールオキシは、酸素原子(‐O‐)を介して骨格に結合している、1〜3核の芳香族環系(前記と同様)、有利に1〜2核の、特に有利に単核の芳香族環系である。
【0041】
アリールオキシカルボニルは、カルボニル基(‐CO‐)を介して骨格に結合している、1〜3核のアリールオキシ基(前記と同様)、有利に1〜2核の、特に有利に単核のアリールオキシカルボニルである。
【0042】
ハロゲン原子は、弗素、塩素、臭素及び沃素である。
【0043】
基R及びRは、同一であり、水素又はC〜C20‐アルキル、特に有利に水素又はC〜C10‐アルキル、極めて特に有利に水素又はC〜C‐アルキルであることが有利である。
【0044】
基R及びRは、同一であり、水素又はC〜C20‐アルキル又はC〜C20‐アルキルカルボニル、特に有利に水素、C〜C10‐アルキル又はC〜C10‐アルキルカルボニル、極めて特に有利に水素、C〜C‐アルキル又はC〜C‐アルキルカルボニルであることが有利である。
【0045】
基R及びR又はR及びRは、同一であり、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐アルキルカルボニル、アリール、C〜C20‐アルケニル、C〜C20‐アルケニルカルボニル、C〜C20‐アルキニル又はC〜C20‐アルキニルカルボニルであることが有利である。前記と同様に、基は各々任意の位置で、1個以上のヘテロ原子によって遮断されていてよく。この際、このヘテロ原子の数は、10個以下、有利に8個以下、極めて特に有利に5個以下及び殊に3個以下であり、及び/又は各々任意の位置で、しかし5個以下、有利に4個以下及び特に有利に3個以下のアルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、アリールオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、複素環、ヘテロ原子又はハロゲン原子によって置換されていてよく、この際、これらは同様に最高2個、有利に最高1個の前記の基で置換されていてよい。
【0046】
特に有利な基R及びR又はR及びRは、フェニル、ベンジル、p‐メトキシフェニル、o‐、m‐又はp‐ヒドロキシフェニル、1‐ヒドロキシヘキシル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、4〜10個のEO‐単位を有するエトキシレート、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びアミノ酸、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、グリシン、セリン、チロシン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン‐又はグルタミン酸、リシン、アルギニン又はヒスチジンから選択される。
【0047】
及びR又はR及びRは、例えば、表1に挙げた基であってよい。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
k、l、m及びnについて前記された数を有する前記の置換基R及びXの全ての組み合わせが当然可能である。
【0052】
表2に、有利な式(I)の個体が総括されている。
【0053】
【表4】

【0054】
【表5】

【0055】
【表6】

【0056】
【表7】

【0057】
【表8】

【0058】
【表9】

【0059】
【表10】

【0060】
これらの化合物の製造は、例えば、DE‐A10105014及びCH‐A569405に記載された合成法によって行なわれる。そこで明らかにされた化合物は、金属欠乏症状における金属錯体として、又は診断における造影剤として使用される。一般的な合成法は、Bioorganic Medicinal Chemistry Letters 2001, 11, 2573 で明らかにされている。
【0061】
ラジカルスカベンジャーは、通例、単独で又は混合物として使用され、この際、有利に5種類以下、特に有利に4種類以下及び極めて特に有利に3種類以下の前記のラジカルスカベンジャーが使用される。
【0062】
重合可能な化合物への安定化作用を発揮するために、本発明によるラジカルスカベンジャーが使用される量は、専門分野で通常の検査で確認することができる。
【0063】
例えば、重合可能な化合物に対して、ラジカルスカベンジャー又はラジカルスカベンジャー混合物0.1〜1000ppm、有利に1〜900ppm、特に有利に10〜800ppm、極めて特に有利に50〜700ppm及び殊に100〜500ppmが使用される。
【0064】
ラジカルスカベンジャーは、本発明により有利に、安定剤及び/又は助安定剤として公知の少なくとも1種の他の化合物と一緒に使用され得る。これらは、例えば、以前のドイツ国特許出願、文書番号10249507.6及びDE‐A10258329、DE‐A19856565及びEP‐A765856に記載されている。
【0065】
助安定剤として、酸素含有ガス、フェノール性化合物、キノン及びヒドロキノン、N‐オキシル化合物、芳香族アミン及びフェニレンジアミン、イミン、スルホンアミド、オキシム、ヒドロキシルアミン、尿素誘導体、燐含有化合物、硫黄含有化合物、テトラアザアンヌレン(TAA)をベースとする錯化剤及び/又は金属塩、及び場合によりその混合物が重要である。
【0066】
酸素含有ガスは、例えば、酸素含量0.1〜100容量%、有利に0.5〜50容量%及び特に有利に1〜25容量%を有するガスであってよい。これは、例えば、一酸化窒素、二酸化窒素、酸素又は三酸化二窒素又は空気であってよい。これは、単一で、相互に任意の混合物で、又は他のガス、例えば、窒素、希ガス、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素又は低級アルカンと混合して使用することができ、空気又は空気‐窒素‐混合物が有利である。
【0067】
フェノール性化合物は、例えば、次の化合物である:フェノール、アルキルフェノール、例えば、o‐、m‐又はp‐クレゾール(メチルフェノール)、2‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール、6‐t‐ブチル‐2,4‐ジメチルフェノール、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール、2‐t‐ブチルフェノール、4‐t‐ブチルフェノール、2,4‐ジ‐t‐ブチルフェノール、2‐メチル‐4‐t‐ブチルフェノール、4‐t‐ブチル‐2,6‐ジメチルフェノール、又は2,2’‐メチレン‐ビス‐(6‐t‐ブチル‐メチルフェノール)、4,4’‐オキシジフェニル、3,4‐メチレンジオキシジフェノール(ゴマ油)、3,4‐ジメチルフェノール、ベンズカテキン(1,2‐ジヒドロキシベンゾール)、2‐(1’‐メチルシクロヘキシ‐1’‐イル)‐4,6‐ジメチルフェノール、2‐又は4‐(1’‐フェニルエチ‐1’‐イル)フェノール、2‐t‐ブチル‐6‐メチルフェノール、2,4,6‐トリス‐t‐ブチルフェノール、2,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール、ノニルフェノール[CAS‐Nr.11066‐49‐2]、オクチルフェノール[CAS‐Nr.140‐66‐9]、2,6‐ジメチルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールF、ビスフェノールS、3,3’,5,5’‐テトラブロモビスフェノールA、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐p‐クレゾール、BASF Aktiengesellschaft のコレシン(Koresin)(登録商標)、3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシ安息香酸メチルエステル、4‐t‐ブチルベンズカテキン、2‐ヒドロキシベンジルアルコール、2‐メトキシ‐4‐メチルフェノール、2,3,6‐トリメチルフェノール、2,4,5‐トリメチルフェノール、2,4,6‐トリメチルフェノール、2‐イソプロピルフェノール、4‐イソプロピルフェノール、6‐イソプロピル‐m‐クレゾール、n‐オクタデシル‐β‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3‐トリス‐(2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐t‐ブチルフェニル)ブタン、1,3,5‐トリメチル‐2,4,6‐トリス‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)ベンゾール、1,3,5‐トリス‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5‐トリス‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル‐イソシアヌレート、1,3,5‐トリス‐(2,6‐ジメチル‐3−ヒドロキシ‐4‐t‐ブチルベンジル)イソシアヌレート又はペンタエリスリット‐テトラキス‐[β‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ジメチルアミノメチルフェノール、6‐s‐ブチル‐2,4‐ジニトロフェノール、Firma Ciba Spezialitaetenchemie のイルガノックス(Irganox)(登録商標)565、1010、1076、1141、1192、1222及び1425、3‐(3’,5’‐ジ‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシルエステル。3‐(3’,5’‐ジ‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヘキサデシルエステル、3‐(3’,5’‐ジ‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクチルエステル、3‐チア‐1,5‐ペンタンジオール‐ビス‐[3’,5’‐ジ‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,8‐ジオキサ‐1,11‐ウンデカンジオール‐ビス‐[3’,5’‐ジ‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,8‐ジオキサ‐1,11‐ウンデカンジオール‐ビス‐[(3’‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシ‐5’‐メチルフェニル)プロピオネート]、1,9‐ノナンジオール‐ビス‐[(3’,5’‐ジ‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,7‐ヘプタンジアミン‐ビス[3‐(3’,5’‐ジ‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド]、1,1−メタンジアミン‐ビス[3‐(3’,5’‐ジ‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド]、3‐(3’,5’‐ジ‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド、3‐(3’,5’‐ジメチル‐4’‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド、ビス‐(3‐t‐ブチル‐5‐エチル‐2−ヒドロキシフェニ‐1‐イル)メタン、ビス‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニ‐1‐イル)メタン、ビス‐[3‐(1’‐メチルシクロヘキ‐1’‐イル)‐5‐メチル‐2‐ヒドロキシフェニ‐1‐イル]メタン、ビス‐(3‐t‐ブチル‐2‐ヒドロキシ‐5‐メチルフェニ‐1‐イル)メタン、1,1‐ビス‐(5‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシ2‐メチルフェニ‐1‐イル)エタン、ビス‐(5‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシ‐2‐メチルフェニ‐1‐イル)スルフィド、ビス‐(3‐t‐ブチル‐2‐ヒドロキシ‐5‐メチルフェニ‐1‐イル)スルフィド、1,1‐ビス‐(3,4‐ジメチル‐2‐ヒドロキシフェニ‐1−イル)‐2‐メチルプロパン、1,1‐ビス‐(5‐t‐ブチル‐3‐メチル‐2‐ヒドロキシフェニ‐1‐イル)ブタン、1,3,5‐トリス‐[1’‐(3”,5”‐ジ‐t‐ブチル‐4”‐ヒドロキシフェニ‐1”‐イル)メチ‐1’‐イル]‐2,4,6‐トリメチルベンゾール、1,1,4‐トリス‐(5’‐t‐ブチル‐4’‐ヒドロキシ‐2’‐メチルフェニ‐1’‐イル)ブタン及びt‐ブチルカテコール、及びアミノフェノール、例えば、p‐アミノフェノール、ニトロソフェノール、例えば、p‐ニトロソフェノール、p‐ニトロソ‐o‐クレゾール、アルコキシフェノール、例えば、2‐メトキシフェノール(グアヤコール、ベンズカテキンモノメチルエーテル)、2‐エトキシフェノール、2‐イソプロポキシフェノール、4‐メトキシフェノール(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、モノ‐又はジ‐t‐ブチル‐4‐メトキシフェノール、3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシアニソール、3‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンジルアルコール、2,5‐ジメトキシ‐4‐ヒドロキシベンジルアルコール(シリンガアルコール)、4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシベンズアルデヒド(バニリン)、4‐ヒドロキシ‐3‐エトキシベンズアルデヒド(エチルバニリン)、3‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンズアルデヒド(イソバニリン)、1‐((4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシフェニル)エタノン(アセトバニリン)、オイゲノール、ジヒドロオイゲノール、イソオイゲノール、トコフェロール、例えば、α‐、β‐、γ‐、δ‐及びε‐トコフェロール、トコール、α‐トコフェロールヒドロキノン、及び2,3‐ジヒドロ‐2,2‐ジメチル‐7‐ヒドロキシベンゾフラン(2,2‐ジメチル‐7‐ヒドロキシクマラン)。
【0068】
キノン及びヒドロキノンとして、例えば、ヒドロキノン又はヒドロキノンモノメチルエーテル(4‐メトキシフェノール)、メチルヒドロキノン、2,5‐ジ‐t‐ブチルヒドロキノン、2‐メチル‐p‐ヒドロキノン、2,3‐ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン4‐メチルベンズカテキン、t‐ブチルヒドロキノン、3‐メチルベンズカテキン、ベンゾキノン、2‐メチル‐p‐ヒドロキノン、2,3‐ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、t‐ブチルヒドロキノン、4‐エトキシフェノール、4‐ブトキシフェノール、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、p‐フェノキシフェノール、2‐メチルヒドロキノン、テトラメチル‐p‐ベンゾキノン、ジエチル‐1,4‐シクロヘキサンジオン‐2,5‐ジカルボキシレート、フェニル‐p‐ベンゾキノン、2,5‐ジメチル‐3‐ベンジル‐p‐ベンゾキノン、2‐イソプロピル‐5−メチル−p‐ベンゾキノン(チモキノン)、2,6‐ジイソプロピル‐p−ベンゾキノン、2,5‐ジメチル‐3‐ヒドロキシ‐p‐ベンゾキノン、2,5‐ジヒドロキシ‐p‐ベンゾキノン、エンベリン、テトラヒドロキシ‐p‐ベンゾキノン、2,5‐ジメトキシ‐1,4‐ベンゾキノン、2‐アミノ‐5‐メチル‐p‐ベンゾキノン、2,5‐ビスフェニルアミノ‐1,4‐ベンゾキノン、5,8‐ジヒドロキシ‐1,4‐ナフトキノン、2‐アニリノ‐1,4‐ナフトキノン、アントラキノン、N,N‐ジメチルインドアニリン、N,N‐ジフェニル‐p‐ベンゾキノンジイミン、1,4‐ベンゾキノンジオキシム、セルリグノン、3,3’‐ジ‐t‐ブチル‐5,5’‐ジメチルジフェノキノン、p‐ロゾール酸(オーリン)、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ベンジリデン‐ベンゾキノン、2,5‐ジ‐t‐ブチル‐アミルヒドロキノンが好適である。
【0069】
N‐オキシル(ニトロキシル‐又はN‐オキシル‐基、少なくとも1個の>N‐O・‐基を有する化合物)としては、例えば、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐オキソ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐メトキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐アセトキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、BASF Aktiengesellschaft のウビヌル(Uvinul)(登録商標)4040P、4,4’,4”‐トリス‐(2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル)ホスフィット、3‐オキソ‐2,2,5,5‐テトラメチル‐ピロリジン‐N‐オキシル、1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐メトキシピペリジン、1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐トリメチルシリルオキシピペリジン、1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル‐2‐エチルヘキサノエート、1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル‐セバケート、1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル‐ステアレート、1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル‐ベンゾエート、1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル‐(4‐t‐ブチル)ベンゾエート、ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)スクシネート、ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)アジペート、1,10‐デカンジ酸‐ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)エステル、ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)n‐ブチルマロネート、ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)フタレート、ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)イソフタレート、ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)テレフタレート、ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)ヘキサヒドロテレフタレート、N,N’‐ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)アジピンアミド、N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)カプロラクタム、N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)ドデシルスクシンイミド、2,4,6‐トリス‐[N‐ブチル‐N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル]トリアジン、N,N’‐ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)‐N,N’‐ビス‐ホルミル‐1,6‐ジアミノヘキサン、4,4’‐エチレン‐ビス‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペラジン‐3‐オン)が好適である。
【0070】
芳香族アミン又はフェニレンジアミンとして、例えば、N,N‐ジフェニルアミン、N‐ニトロソ‐ジフェニルアミン、ニトロソジエチルアニリン、p‐フェニレンジアミン、N,N’‐ジアルキル‐p‐フェニレンジアミン(この際、アルキル基は同じ又は異なっていてよく、各々相互に無関係で、1〜4個の炭素原子を含み、直鎖又は分子鎖であってよい)、例えば、N,N’‐ジ‐イソ‐ブチル‐p‐フェニレンジアミン、N,N’‐ジ‐イソ‐プロピル‐p‐フェニレンジアミン、Firma Ciba Spezialitaetenchemie のイルガノックス(登録商標)5057、N‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン、N,N’‐ジフェニル‐p‐フェニレンジアミン、N‐イソプロピル‐N‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン、N,N’‐ジ‐s‐ブチル‐p‐フェニレンジアミン(BASF Aktiengesellschaft のケロビット(Kerobit)(登録商標)BPD)、N‐フェニル‐N’‐イソプロピル‐p‐フェニレンジアミン(Bayer AGのブルカノックス(Vulkanox)(登録商標)4010)、N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N’‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン、N‐フェニル‐2‐ナフチルアミン、イミノジベンジル、N,N’‐ジフェニルベンジジン、N‐フェニルテトラアニリン、アクリドン、3‐ヒドロキシジフェニルアミン、4‐ヒドロキシジフェニルアミンが好適である。
【0071】
イミンは、例えば、メチルエチルイミン、(2‐ヒドロキシフェニル)ベンゾキノンイミン、(2‐ヒドロキシフェニル)ベンゾフェノンイミン、N,N‐ジメチルインドアニリン、チオニン(7‐アミノ‐3‐イミノ‐3H‐フェノチアジン)、メチレンバイオレット(7‐ジメチルアミノ‐3‐フェニチアジノン)である。
【0072】
安定剤として有効なスルホンアミドは、例えば、DE‐A10258329に記載されている、例えば、N‐メチル‐4‐トルオールスルホンアミド、N‐t‐ブチル‐4‐トルオールスルホンアミド、N‐t‐ブチル‐N‐オキシル‐4‐トルオールスルホンアミド、N,N’‐ビス(4‐スルファニルアミド)ピペリジン、3‐{[5‐(4‐アミノベンゾイル)‐2,4‐ジメチルベンゾールスルホニル]エチルアミノ}‐4‐メチルベンゾールスルホン酸である。
【0073】
オキシムは、例えば、DE‐A10139767に記載されている、例えば、アルドキシム、ケトキシム又はアミドキシム、有利にジエチルケトキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンズアルデヒドキシム、ベンジルジオキシム、ジメチルグリオキシム、2‐ピリジンアルドキシム、サリチルアルドキシム、フェニル‐2‐ピリジルケトキシム、1,4‐ベンゾキノンジオキシム、2,3‐ブタンジオンジオキシム、2,3‐ブタンジオンモノオキシム、9‐フルオレノンオキシム、4‐t‐ブチル‐シクロヘキサノンオキシム、N‐エトキシ‐アセチミド酸エチルエステル、2,4‐ジメチル‐3‐ペンタノンオキシム、シクロドデカノンオキシム、4‐ヘプタノンオキシム及びジ‐2‐フラニルエタンジオンジオイキシム又は他の脂肪族又は芳香族オキシム又はアルキル転移剤、例えば、アルキルハロゲニド、‐トリフレート、‐スルホネート、‐トシレート、‐カルボネート、‐スルフェート、‐ホスフェート等とのその反応生成物であってよい。
【0074】
ヒドロキシルアミンは、例えば、N,N‐ジエチルヒドロキシルアミン及び文書番号PCT/EP/03/03139の国際特許出願で明らかにされているものである。
【0075】
尿素誘導体として、例えば、尿素又はチオ尿素が好適である。
【0076】
燐含有化合物は、例えば、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィット、次亜燐酸、トリノニルホスフィット、トリエチルホスフィット又はジフェニルイソプロピルホスフィンである。
【0077】
硫黄含有化合物として、例えば、ジフェニルスルフィド、フェノチアジン及び硫黄含有天然物質、例えば、システインが好適である。
【0078】
テトラアザアンヌレン(TAA)をベースとする錯化剤は、例えば、Chem. Soc. Rev. 1998, 27, 105-115 に挙げられている、例えば、ジベンゾテトラアザ[14]環及びポルフィリンである。
【0079】
金属塩は、例えば、炭酸‐、塩化‐、ジチオカルバミン酸‐、硫酸‐、サリチル酸‐又は酢酸‐、ステアリン酸‐、エチルヘキサン酸銅、‐マンガン、‐セリウム、‐ニッケル、‐クロムである。
【0080】
有利な助安定剤は、酸素含有ガス、フェノチアジン、o‐、m‐又はp‐クレゾール(メチルフェノール)、2‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール、2‐t‐ブチルフェノール、4‐t‐ブチルフェノール、2,4‐ジ‐t‐ブチルフェノール、ベンズカテキン(1,2‐ジヒドロキシベンゾール)、2,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール、4‐t‐ブチル‐2,6‐ジメチルフェノール、オクチルフェノール[140‐66‐9]、ノニルフェノール[11066‐49‐2]、2,6‐ジメチルフェノール、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐p‐クレゾール、ビスフェノールA、t‐ブチルカテコール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル又はメチルヒドロキノン、2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐オキソ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル及び酢酸マンガン(II)、炭酸セリウム(III)、酢酸セリウム(III)又はエチルヘキサン酸セリウム(III)、ステアリン酸セリウム(III)及び様々な組成でのその混合物である。
【0081】
特に、空気、空気‐窒素‐混合物、フェノチアジン、o‐、m‐又はp‐クレゾール(メチルフェノール)、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール、4‐t‐ブチルフェノール、4‐t‐ブチル‐2,6‐ジメチルフェノール、オクチルフェノール[140‐66‐9]、ノニルフェノール[11066‐49‐2]、2,6‐ジメチルフェノール、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐p‐クレゾール、t‐ブチルカテコール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル又はメチルヒドロキノン、2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐オキソ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル及び酢酸セリウム(III)又はエチルヘキサン酸セリウム(III)及び前記の少なくとも2種類の成分を含む混合物が有利である。
【0082】
殊に、空気、空気‐窒素混合物、フェノチアジン、ヒドロキノン及びヒドロキノンモノメチルエーテル及び2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐オキソ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、N,N’‐ジ‐s‐ブチル‐p‐フェニレンジアミン、酢酸セリウム(III)又はエチルヘキサン酸セリウム(III)及びその混合物が有利である。
【0083】
本発明による安定剤及び場合により使用すべき助安定剤の添加法は限定されない。添加される本発明による安定剤は、各々単一で又は他の本発明による安定剤及び/又は前記の助安定剤との混合物として、好適な溶剤中の液状又は溶解形で添加することができ、この際、この溶剤自体は、例えば、DE‐A10200583に記載されているように、安定剤であってよい。更に、例えば、重合可能な化合物の製造からの物質流が溶剤として好適である。これは、例えば、純粋な生成物、即ち、通例95%以上、有利に98%以上及び特に有利に99%以上の純度の重合可能な化合物であってよいが、重合可能な化合物の製造に使用される、95%以上、有利に98%以上及び特に有利に99%以上の出発物質、又は出発物質及び/又は生成物及び/又は中間生成物及び/又は副生成物を含有する物質流であってもよい。
【0084】
使用される溶液の濃度は、溶剤中での安定剤/安定剤混合物の溶解性によって限定されるだけであり、例えば、それは0.1〜50質量%、有利に0.2〜25質量%、特に有利に0.3〜10質量%及び極めて特に有利に0.5〜5質量%であってよい。
【0085】
本発明によるラジカルスカベンジャー又はラジカルスカベンジャー混合物を、例えば、融点が120℃以下、有利に100℃以下、特に有利に80℃以下及び殊に60℃以下である場合に、溶融物として使用することも当然可能である。
【0086】
もう1つの有利な形態で、本発明によるラジカルスカベンジャー又はラジカルスカベンジャー混合物は、助安定剤として、融点120℃以下、有利に100℃以下、特に有利に80℃以下及び殊に60℃以下を有するフェノールとの溶融物として使用される。このフェノールは、p‐アミノフェノール、p‐ニトロソフェノール、2‐t‐ブチルフェノール、4‐t‐ブチルフェノール、2,4‐ジ‐t‐ブチルフェノール、2‐メチル‐4‐t‐ブチルフェノール、4‐t‐ブチル‐2,6‐ジメチルフェノール、ヒドロキノン及びヒドロキノンモノメチルエーテルから選択されることが特に有利である。
【0087】
前記のように、重合可能な化合物に対して、本発明によるラジカルスカベンジャー又はラジカルスカベンジャーの混合物0.1〜1000ppmが使用される。本発明によるラジカルスカベンジャーと助安定剤との混合物を使用する場合には、重合可能な化合物に対して、0.1〜5000ppm、有利に1〜4000ppm、特に有利に5〜2500ppm、特に有利に10〜1000ppm及び殊に50〜750ppmが使用される。
【0088】
数種類の安定剤又は助安定剤の混合物を使用する場合には、これを相互に無関係で異なる又は同じ配量地点で添加しても、相互に無関係で様々な溶剤中に溶かしてもよい。
【0089】
本発明により、安定剤/安定剤混合物は、有利に、重合可能な化合物が、例えば、高純度、高持続時間及び/又は高温によって重合の危険に曝される場所で使用される。
【0090】
これは、例えば、吸着装置、脱着装置、精留装置、例えば、蒸留装置又は精留カラム、蒸発器、例えば、自然‐又は強制循環蒸発器、凝縮機又は真空装置であってよい。
【0091】
安定剤は、例えば、精留装置の頭部で供給され、例えば、精留装置、採取装置の頭部で、又は分離作用を有する装置、例えば、底板、パッケージ、波除け又は堆積物を介して噴霧され又は噴射され、又は環流と一緒に凝縮機に供給され、例えば、凝縮機頭部及び/又は冷却面を湿潤させるように噴霧され、又は真空装置中で、例えば、EP‐A1057804に記載されているように、又は補充液として液体環状ポンプ中に、例えば、DE‐A10143565に記載されているように供給される。
【0092】
本発明により使用すべきラジカルスカベンジャーは、貯蔵安定剤としても、輸送安定剤としても、即ち、純粋な重合可能な化合物の安定化のために使用され得る。
【0093】
更に、本発明の目的は、
i)ラジカルスカベンジャーは、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、トランス‐1,2‐シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CYDTA)及びそのアルカリ金属‐及びアルカリ土類金属塩から選択されないことを条件として、少なくとも2個のグリシン単位を有する少なくとも1種のラジカルスカベンジャー及び
ii)少なくとももう1種の安定剤又は助安定剤
を含有する安定剤混合物である。
【0094】
この際、少なくとも2個のグリシン単位i)を有するラジカルスカベンジャーは、有利に少なくとも1個のアミド‐及び/又はエステル単位を含有する化合物、特に有利に式(I)のラジカルスカベンジャーである。当然、前記の有利な本発明によるラジカルスカベンジャーを有する安定剤混合物は、同様に本発明の目的である。
【0095】
この際、前記の全成分の組成が可能である。
【0096】
安定剤又は助安定剤は、前記の酸素含有ガス、フェノール性化合物、キノン及びヒドロキノン、N‐オキシル化合物、芳香族アミン及びフェニレンジアミン、イミン、スルホンアミド、オキシム、ヒドロキシルアミン、尿素誘導体、燐含有及び/又は硫黄含有化合物、TAAをベースとする錯化剤及び/又は金属塩である。
【0097】
各々酸素含有ガスが存在して又は不在で、有利に存在して、ラジカルスカベンジャー及びフェノチアジン、ラジカルスカベンジャー/ヒドロキノン、ラジカルスカベンジャー/ヒドロキノンモノメチルエーテル、ラジカルスカベンジャー/4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、ラジカルスカベンジャー/4‐オキソ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、ラジカルスカベンジャー/2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、ラジカルスカベンジャー/フェノチアジン/ヒドロキノンモノメチルエーテル、ラジカルスカベンジャー/フェノチアジン/4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル又はラジカルスカベンジャー/ヒドロキノンモノメチルエーテル/4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル及び場合により各々少なくとも1種の前記のCer‐塩を含む安定剤混合物が有利である。
【0098】
本発明による安定剤混合物は、成分i)及びii)を、質量比i):ii)1:100〜100:1、有利に1:50〜50:1、特に有利に1:10〜10:1及び殊に1:5〜5:1で含有する。
【0099】
更に本発明の目的は、前記の本発明による安定剤混合物及び少なくとも1種の重合可能な化合物を含有する物質混合物である。この際、本発明による安定剤混合物と重合可能な化合物との全ての組み合わせが可能である。
【0100】
重合可能な化合物を、精製、貯蔵及び/又は輸送において、重合に対して安定化させるために、前記の安定剤混合物を含有する物質混合物を使用することは、同様に本発明の目的である。
【0101】
本発明の意における重合可能な化合物は、少なくとも1個のエチレン系不飽和基を有する化合物である。これは、モノ‐、ジ‐又はトリエチレン系不飽和C〜C‐カルボン酸、このモノ‐、ジ‐又はトリエチレン系不飽和C〜C‐カルボン酸のC〜C20‐エステル、‐アミド、‐ニトリル及び‐無水物、20個までのC‐原子を有するカルボン酸のビニルエステル、1〜10個のC‐原子を有するアルコールのビニルエーテル、20個までのC‐原子を有するビニル芳香族体及び‐複素芳香族体、環中に3〜10個のC‐原子を有するビニルラクタム、開鎖のN‐ビニルアミド化合物及びN‐ビニルアミン化合物、ビニルハロゲニド、2〜8個のC‐原子及び1又は2個の二重結合を有し、場合によりハロゲン化された脂肪族炭化水素、ビニリデン又はこれらのモノマーの混合物から選択される。
【0102】
有利なモノ‐、ジ‐又はトリエチレン系不飽和C〜C‐カルボン酸は、例えば、(メタ)アクリル酸、ジメチルアクリル酸、エタクリル酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、クロトン酸、フマル酸、メサコン酸、イタコン酸、マレイン酸及びそのC〜C20‐アルキルエステル、‐アミド、‐二トリル、‐アルデヒド及び‐アンヒドリド、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸‐n‐ブチルエステル、(メタ)アクリル酸‐n‐プロピルエステル、(メタ)アクリル酸‐イソ‐プロピルエステル、(メタ)アクリル酸‐2‐エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N‐ジメチル(メタ)アクリルアミド、N‐t‐ブチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル、(メタ)アクロレイン、無水(メタ)アクリル酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸及びその半エステルである。これらの群の陽イオンモノマーは、例えば、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、例えば、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及び最後に挙げたモノマーとカルボン酸又は鉱酸との塩及び四級化生成物である。
【0103】
この群の他のモノマーは、例えば、同様にヒドロキシル基含有のモノマー、殊にC〜C10‐ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリレートである。
【0104】
この群の他のモノマーは、フェニルオキシエチルグリコール‐モノ‐(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ウレイドメチルメタクリレート、アミノ(メタ)アクリレート、例えば、2‐アミノエチル(メタ)アクリレートである。
【0105】
1〜20個のC‐原子を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えば、ビニルラウレート、ビニルステアレート、ビニルプロピオネート、バーサチック酸ビニルエステル及びビニルアセテートである。
【0106】
1〜10個のC‐原子を含有するアルコールのビニルエーテルとして、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、4‐ヒドロキシブチルビニルエーテル、ビニルイソブチルエーテル又はドデシルビニルエーテルが挙げられる。
【0107】
ビニル芳香族及び‐ヘテロ芳香族化合物として、例えば、ビニルトルオール、α‐及びp‐メチルスチロール、α‐ブチルスチロール、4‐n‐ブチルスチロール、4‐n‐デシルスチロール、スチロール、ジビニルベンゾール、2‐ビニルピリジン、N‐ビニルイミダゾール、N‐ビニルピペリジン、N‐ビニル‐2‐メチルイミダゾール及びN‐ビニル‐4‐メチルイミダゾールがこれに該当する。
【0108】
環中に3〜10個のC‐原子を有するビニルラクタムは、例えば、N‐ビニルカプロラクタム、N‐ビニルピロリドン、ラウロラクタム、酸素化プリン、例えば、キサンチン又はその誘導体、例えば、3‐メチルキサンチン、ハイポキサンチン、グアニン、テオフィリン、カフェイン、アデニン又はテオブロミンである。
【0109】
更に、開鎖のN‐ビニルアミド化合物及びN‐ビニルアミン化合物、例えば、N‐ビニルホルムアミド、N‐ビニル‐N‐メチルホルムアミド、N‐ビニルアセトアミド、N‐ビニル‐N‐メチルアセトアミド、N‐ビニル‐N‐エチルアセトアミド、N‐ビニルプロピオンアミド、N‐ビニル‐N‐メチルプロピオンアミド及びN‐ビニルブチルアミド及びN‐ビニル‐N‐ジメチルアミン、N‐ビニル‐N‐メチルエチルアミン、N‐ビニル‐N‐ジエチルアミンは、本発明による方法によって安定化され得る。
【0110】
ビニルハロゲニドは、塩素、弗素又は臭素で置換されたエチレン系不飽和化合物、例えば、塩化ビニル、弗化ビニル及び塩化ビニリデンである。
【0111】
脂肪族体として、2〜8個のC‐原子及び1又は2個のオレフィン系二重結合を有し、場合によりハロゲン化された炭化水素、例えば、エチレン、プロピレン、1‐ブテン、2‐ブテン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン及びクロロプレンが挙げられる。
【0112】
ビニリデンとして、例えば、ビニリデンシアニドが挙げられる。
【0113】
他の重合可能な化合物は、N‐ビニルカプロラクタム、ビニル燐酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、N‐ビニルカルバゾール、ヒドロキシメチルビニルケトン、N,N‐ジビニルエチレン尿素、ビニレンカルボネート、テトラフルオルエチレン、ヘキサフルオルプロペン、ニトロエチレン、α‐クロルアクリルエステル、α‐シアノアクリルエステル、メチレンマロンエステル、α‐シアンソルビン酸エステル、シクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロヘキセン及びシクロドデセンである。
【0114】
本発明による方法の有利な1実施態様では、ラジカルスカベンジャーは、モノ‐、ジ‐又はトリエチレン系不飽和C〜C‐カルボン酸、及びそのC〜C20‐アルキルエステル又はN‐ビニルカプロラクタム、N‐ビニルホルムアミド、N‐ビニルイミダゾール、N‐ビニルピロリドン、ビニル燐酸、N‐ビニルカルバゾール、N,N‐ジビニルエチレン尿素、トリメチロールプロパンアクリレート、ウレイドメチルメタクリレート、スチロール、ブタジエン又はイソプレンの安定化のために使用される。
【0115】
有利な不飽和C〜C‐カルボン酸は、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸及びそのC〜C‐アルキルエステル、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n‐ブチル(メタ)アクリレート、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0116】
有利な1実施態様において、本発明によるラジカルスカベンジャーは、例えば、DE‐A10064642に記載されている方法で使用される。そのために、少なくとも1種の安定剤が存在する(メタ)アクリル酸の精製法において、精製から由来する、実際に(メタ)アクリル酸を含まず、安定剤を含有する物質混合物を、蒸留装置に導き、これから得られる安定剤含有の易沸騰物質流を環流させる。
【0117】
そのような方法には、その蒸気圧が、141℃(アクリル酸の沸点)、標準圧で、少なくとも15hPa、有利に20〜800hPa、特に有利に25〜500hPa、極めて特に有利に25〜250hPa及び殊に25〜160hPaである本発明によるラジカルスカベンジャー及びその混合物が特に好適である。
【0118】
もう1つの有利な実施態様において、本発明によるラジカルスカベンジャーを、N‐ビニルモノマー、例えば、前記のビニルエステル、ビニルエーテル、ビニル芳香族体及び‐複素芳香族体及び開鎖のN‐ビニルアミド化合物及びN‐ビニルアミン化合物の精製法で使用される。
【0119】
当然、本発明による方法の適用範囲は、この重合可能な化合物の貯蔵及び輸送にも関係する。
【0120】
本明細書中で使用されるppm‐及びパーセント率は、他の記載のない限り、質量%及び‐ppmに関係する。
【0121】
次の実施例につき本発明を説明するが、これに限定されるものではない。
【0122】
実施例
例1
新たに融解させ、貯蔵安定剤の除去のために2回蒸留させたアクリル酸0.5mlを、空気雰囲気下に1.8ml入りアンプルに充填させた。
【0123】
試料を全て循環空気乾燥箱中120℃で貯蔵した。
【0124】
各試験列において、各アクリル酸試料から各々3個のアンプルに充填し、試験し、完全な重合までの平均時間を視覚的に測定した。
【0125】
試験列内の平均的標準偏差は、約2〜4%であった。
【0126】
濃度は、他の記載のない限り、ラジカルスカベンジャー25ppm+フェノチアジン(PTZ)10ppmであった。
【0127】
相対的有効性は、ラジカルスカベンジャー及びPTZを含む試料の重合までの時間及び対照試料の重合までの時間からの商から計算される。対照試料として、純粋なPTZを使用し、従って、対照試料の相対的有効性は1.0である。
【0128】
その結果を表3に総括する。
【0129】
【表11】

【0130】
【表12】

【0131】
【表13】

【0132】
【表14】

【0133】
【表15】

【0134】
例2
250ml入り丸底フラスコ中で、モノマー90mlに所望量の安定剤を充填し、相応する雰囲気で洗浄した。フラスコを所望の貯蔵温度に加熱した。規則的な間隔で、試料を取り出した。これを、ラーマン分光学的にポリマー含量について検査した。不安定化試料に相対する曲線経過は、使用される安定剤系の有効性を示す。
【0135】
対照として、N‐ビニルピロリドン(NVP)及びピロリドン(1:1)の混合物を使用し、PTZ25ppmを加えた。試料を150℃で空気雰囲気下に検査した。急速なポリマー生成(PVP=ポリビニルピロリドン)が行なわれた。その結果を表4に示す。
【0136】
【表16】

【0137】
各々ラジカルスカベンジャー(例1からの表3)25ppm及びPTZ25ppmの混合物を、N‐ビニルピロリドン及びピロリドン(1:1)を含む混合物に加え、同一条件で加熱した。この際、例1で使用したラジカルスカベンジャーとの間に著しい違いは認められなかった。表5に、ラジカルスカベンジャー(例1からの表3、1.記載事項)の結果を総括する。本発明によるラジカルスカベンジャー及びPTZが存在して、PVPの生成は効果的に抑制され得た。
【0138】
【表17】

【0139】
引続いて、この例に従って、様々な濃度のPTZ及び本発明によるラジカルスカベンジャーの影響を検査した。その結果を表6に示す。これから、各々PTZ及びラジカルスカベンジャー25ppmの量以上では、重合抑制における著しい相違は認められないことが明らかである。
【0140】
【表18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合可能な化合物を、精製、貯蔵及び/又は輸送の際に、重合に対して安定化させるために、ラジカルスカベンジャーは、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、トランス‐1,2‐シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CYDTA)及びそのアルカリ金属‐及びアルカリ土類金属塩から選択されないことを条件として、少なくとも2個のグリシン単位を有する少なくとも1種のラジカルスカベンジャーを使用する方法。
【請求項2】
ラジカルスカベンジャーは、≧2個の次の構造単位:
【化1】

[式中、
R、R’は、相互に無関係で、水素又は金属であってよい]を有しないことを条件として、少なくとも2個のグリシン単位を有する少なくとも1種のラジカルスカベンジャーを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2個のグリシン単位及び少なくとも1個のアミド‐及び/又はエステル単位を有する少なくとも1種のラジカルスカベンジャーを使用する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1種の、式(I):
【化2】

[式中、
は、NR又はORであってよく、
は、NR又はORであってよく、
〜Rは、相互に無関係で、水素、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐アルキルカルボニル、C〜C20‐アルケニル、C〜C20‐アルケニルカルボニル、C〜C20‐アルキニル、C〜C20‐アルキニルカルボニル、C〜C15‐シクロアルキル、C〜C15‐シクロアルキルカルボニル、アリール、アリールカルボニル又は複素環であってよく、
及びRは、相互に無関係で、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐アルキルカルボニル、C〜C20‐アルケニル、C〜C20‐アルケニルカルボニル、C〜C20‐アルキニル、C〜C20‐アルキニルカルボニル、C〜C15‐シクロアルキル、C〜C15‐シクロアルキルカルボニル、アリール、アリールカルボニル又は複素環であってよく、
Xは、C〜C20‐アルキル、NCHCOOR、NR10,O、S、PR11、Se、SiOR1213又はアリールであってよく、この際、R〜R13は、相互に無関係で、水素又はC〜C20‐アルキルであってよく、かつ
k、l、m、nは、相互に無関係で、0〜20の数字であってよい]のラジカルスカベンジャーを使用する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
及びRは、同一で、水素又はC〜C20‐アルキルである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
及びRは、同一で、水素、C〜C20‐アルキル又はC〜C20‐アルキルカルボニルである、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
及びRは、同一で、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐アルキルカルボニル、アリール、C〜C20‐アルケニル、C〜C20‐アルケニルカルボニル、C〜C20‐アルキニル又はC〜C20‐アルキニルカルボニルである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
及びRは水素であり、かつR及びRは、フェニル、ベンジル、p‐メトキシフェニル、o‐、m‐又はp‐ヒドロキシフェニル、1‐ヒドロキシヘキシル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、4〜10個のEO‐単位を有するエトキシレート、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びアミノ酸から選択される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
及びRは、同一で、C〜C20‐アルキル、C〜C20‐アルキルカルボニル、アリール、C〜C20‐アルケニル、C〜C20‐アルケニルカルボニル、C〜C20‐アルキニル又はC〜C20‐アルキニルカルボニルである、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
及びRは、フェニル、ベンジル、p‐メトキシフェニル、o‐、m‐又はp‐ヒドロキシフェニル、1‐ヒドロキシヘキシル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、4〜10個のEO‐単位を有するエトキシレート、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びアミノ酸から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
Xは、C〜C20‐アルキル又はCHNCOORである、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1種の次の化合物:
【表1】

【表2】

を使用する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
重合可能な化合物に対して、ラジカルスカベンジャー又はラジカルスカベンジャー混合物0.1〜1000ppmを使用する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1種の助安定剤を使用する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
助安定剤は、酸素含有ガス、フェノール性化合物、キノン及びヒドロキノン、N‐オキシル化合物、芳香族アミン、フェニレンジアミン、イミン、スルホンアミド、オキシム、ヒドロキシルアミン、尿素誘導体、燐含有化合物、硫黄含有化合物、テトラアザアンヌレンをベースとする錯化剤及び金属塩、及び場合によりその混合物から成る群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
助安定剤として、フェノチアジン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、4‐オキソ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐ピペリジン‐N‐オキシル、N,N’‐ジ‐s‐ブチル‐p‐フェニレンジアミン、酢酸セリウム(III)、エチルヘキサン酸セリウム(III)、酸素含有ガス及び/又はその混合物を使用する、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
重合可能な化合物は、少なくとも1個のエチレン系不飽和基を有する、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
重合可能な化合物は、モノ‐、ジ‐又はトリエチレン系不飽和C〜C‐カルボン酸、このモノ‐、ジ‐又はトリエチレン系不飽和C〜C‐カルボン酸のC〜C20‐エステル、C〜C20‐アミド、C〜C20‐ニトリル及びC〜C20‐無水物、20個までのC‐原子を有するカルボン酸のビニルエステル、1〜10個のC‐原子を有するアルコールのビニルエーテル、20個までのC‐原子を有するビニル芳香族体及びビニル複素芳香族体、環中に3〜10個のC‐原子を有するビニルラクタム、開鎖のN‐ビニルアミド化合物及びN‐ビニルアミン化合物、ビニルハロゲニド、2〜8個のC‐原子及び1又は2個の二重結合を有し、場合によりハロゲン化された脂肪族炭化水素、ビニリデン又はこれらのモノマーの混合物から成る群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
重合可能な化合物として、モノ‐、ジ‐又はトリエチレン系不飽和C〜C‐カルボン酸、このモノ‐、ジ‐又はトリエチレン系不飽和C〜C‐カルボン酸のC〜C20‐エステル、20個までのC‐原子を有するカルボン酸のビニルエステル、1〜10個のC‐原子を有するアルコールのビニルエーテル、20個までのC‐原子を有するビニル芳香族体及びビニル複素芳香族体、環中に3〜10個のC‐原子を有するビニルラクタム、開鎖のN‐ビニルアミド化合物又はN‐ビニルアミン化合物を使用する、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
重合可能な化合物として、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、N‐ビニルカプロラクタム、N‐ビニルホルムアミド、N‐ビニルイミダゾール、N‐ビニルピロリドン、ビニル燐酸、N‐ビニルカルバゾール、N,N‐ジビニルエチレン尿素、トリメチロールプロパントリアクリレート、ウレイドメチルメタクリレート、スチロール、ブタジエン又はイソプレンを使用する、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
i)ラジカルスカベンジャーは、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、トランス‐1,2‐シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CYDTA)及びそのアルカリ金属‐及びアルカリ土類金属塩から選択されないことを条件として、少なくとも2個のグリシン単位を有する少なくとも1種のラジカルスカベンジャー及び
ii)少なくとももう1種の安定剤又は助安定剤
を含有する安定剤混合物。
【請求項22】
請求項21に記載の安定剤混合物及び少なくとも1種の重合可能な化合物を含有する物質混合物。
【請求項23】
重合可能な化合物を、精製、貯蔵及び/又は輸送の際に、重合に対して安定化させるための、請求項21に記載の安定剤混合物の使用。

【公表番号】特表2007−533624(P2007−533624A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527325(P2006−527325)
【出願日】平成16年9月18日(2004.9.18)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010492
【国際公開番号】WO2005/030907
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】