説明

重合性化合物及び重合性組成物

【課題】重合性組成物を光硬化して得られる重合体に関し、重合体を薄膜化しても均一な膜状態を維持し、耐熱性や配向制御及び光学特性に優れる重合性組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される重合性化合物。


(式(1)中、Aは少なくとも2個以上の6員環からなる環集合であって、該6員環は置換基を有してもよく、X1及びX2は(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、Y1及びY2は各々独立して、単結合、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキレン基、エーテル結合、−COO−、−OCO−、置換基を有してもよい6員環若しくは置換基を有してもよいナフタレン環、又はこれらの組み合わせを表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物、及び該重合性化合物を含有する重合性組成物に関し、かかる重合性組成物を光硬化して得られる重合体は、特に、薄膜化の際、製膜制御、液晶の配向保持及び硬化性の点で優れ、ディスプレイ用の光学フィルム、偏光プリズム等の光学材料として有用なものである。
【背景技術】
【0002】
液晶物質はTN方式(Twisted Nematic)、VA方式(Vertical Aligment)及びIPS方式(In−Place−Switching)に代表されるディスプレイ表示等の液晶分子の可逆的運動を利用した表示媒体への応用以外にも、その配向性と屈折率、誘電率、磁化率、弾性率、熱膨張率等の物理的性質の異方性を利用して、特に重合性官能基を有する化合物は、位相差板、偏光板、光偏光プリズム、輝度向上フィルム、ローパス・フィルター、各種光フィルター及び光ファイバー等の光学異方体への応用が検討されている。重合によって得られる上記の光学異方体(重合体)においては、光学異方性以外の特性が必要である。かかる特性としては、重合速度、重合物の透明性、力学的強度、塗布性、溶解度、結晶化度、収縮性、透水度、吸水性、融点、ガラス転移点、透明点、耐薬品性、耐熱性等が挙げられる。
【0003】
上記光学異方体の製造は、例えば、重合性官能基を有する液晶化合物又はこの液晶化合物を含有する重合性組成物を液晶状態で均一に配向させた後、液晶状態を保持したまま紫外線等のエネルギー線を照射することにより光重合が発生して重合体を製造することができるが、液晶化合物の配向状態を均一にかつ半永久的に固定化することが求められる。
【0004】
この重合体に用いられる重合性組成物において、液晶相発現温度が高い場合、エネルギー線による光重合だけでなく意図しない熱重合も誘起されて液晶分子の均一な配向状態が失われるため、所望する配向の固定が困難である。従って、硬化時の温度管理を容易にするために、室温付近で液晶相を示す重合性組成物が求められる。
【0005】
また、重合体は重合性組成物を基板に塗布して重合することによって得られるが、非重合性化合物が含まれると得られる重合体の強度が不足したり、膜内に応力歪みが残存したりする欠点がある。また非重合性化合物を溶媒などで取り除くと、膜の均質性が保てずムラが生じたりする問題がある。従って、膜厚が均一な重合体を得るためには重合性組成物を溶剤に溶かしたものを塗工する方法が好ましく用いられ、液晶化合物又はそれを含む重合性組成物の溶媒溶解性が良好であることが求められる。
【0006】
また、薄化軽量への観点からディスプレイ表示はより薄いものが求められており、それに伴って構成材料の光学フィルム等も薄膜化が求められている。
【0007】
ところで、重合性官能基がアクリロイルオキシ基である重合性液晶化合物は重合反応性が高く、重合反応が簡便な重合方法(紫外線照射等)で得られ、得られる重合物は高い透明性を有するので、光学異方体としての利用が盛んに検討されている(例えば特許文献1〜4参照)。しかしながら、これらの文献に開示されている重合性組成物では、何れも膜厚を薄くした場合の製膜の制御が困難である問題があった。
【0008】
一般に、重合体の膜厚が厚い場合、重合性組成物中の液晶分子の配向制御が困難で、重合体の透過率が低下したり、着色が現れたりする等の問題がある。一方、膜厚の薄い重合体を作製しようとすると、薄膜化により膜の全範囲にわたって良好な配向制御が得られるものの、膜厚の制御が困難で表面が不均一になったり、結晶化したりする問題があった。また、製膜の際、配向制御した液晶状態の安定性が乏しく、紫外線照射等の硬化前に配向が乱れる場合があり、従来既知の重合性組成物では満足できる重合体は得られなかった。
【0009】
尚、特許文献5において光照射すると硬化するエポキシ化合物が開示されているが、液晶材料としての利用ではなく、製膜制御及び液晶の配向固定化についての効果の記載もなく、示唆すらされていない。
【0010】
【特許文献1】特開2006−193596号公報
【特許文献2】特開2005−196221号公報
【特許文献3】特開平11−148080号公報
【特許文献4】特開平8−231958号公報
【特許文献5】特開2006−84985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、重合性組成物を光硬化して得られる重合体において、該重合体を薄膜化しても均一な膜状態を維持し、耐熱性や配向制御及び光学特性に優れる重合性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、特定の化学構造を有する重合性化合物を含有する重合性組成物により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、下記一般式(1)で表される重合性化合物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0013】
【化1】

(式(1)中、Aは少なくとも2個以上の6員環からなる環集合であって、該6員環は置換基を有してもよく、X1及びX2は(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、Y1及びY2は各々独立して、単結合、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキレン基、エーテル結合、−COO−、−OCO−、置換基を有してもよい6員環若しくは置換基を有してもよいナフタレン環、又はこれらの組み合わせを表し、上記置換基は、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基、又は炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基を表し、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の−CH2−は、硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の水素原子は、ハロゲン原子又はニトリル基で置換されていてもよい。)
【0014】
また、本発明は、上記一般式(1)中のX1−Y1−及びX2−Y2−で表される構造が、下記の式(2)〜(5)から選択される何れか一種である請求項1記載の重合性化合物を提供するものである。
【0015】
【化2】

(式(2)〜(5)中のR1は水素原子又はメチル基を表し、lは0〜7の整数、mは0又は1の整数、nは0〜8の整数を表す。)
【0016】
また、本発明は、上記一般式(1)中のAが下記の環集合の群より選択される何れか一種である重合性化合物を提供するものである。
【0017】
【化3】

(上記R2、R3及びR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基、又は炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基を表し、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の−CH2−は、硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の水素原子はハロゲン原子又はニトリル基で置換されていてもよい、p、q及びrは、ベンゼン環又はシクロヘキシル環の取り得る置換基の最大数を表し、複数あるR2、R3及びR4は各々異なるものであってもよい。)
【0018】
また、本発明は、上記一般式(1)中のAが、下記の式(6)で表される重合性化合物
を提供するものである。
【0019】
【化4】

(式(6)中のR2及びR3は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基、又は炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基を表し、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の−CH2−は、硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の水素原子はハロゲン原子又はニトリル基で置換されていてもよい。pは4、qは5を表し、複数あるR2及びR3は各々異なるものであってもよい。)
【0020】
また、本発明は、上記重合性化合物を含有する重合性組成物を提供するものである。
【0021】
また、本発明は、さらに、液晶化合物を含有する重合性組成物を提供するものである。
【0022】
また、本発明は、上記液晶化合物が重合性官能基を有する化合物である重合性組成物を提供するものである。
【0023】
また、本発明は、さらに、光学活性化合物を含有し、コレステリック液晶相を発現する重合性組成物を提供するものである。
【0024】
また、本発明は、さらに、ラジカル重合開始剤を含有する重合性組成物を提供するものである。
【0025】
また、本発明は、上記重合性組成物を、光重合させることにより作製された重合体を提供するものである。
【0026】
また、本発明は、光学異方性を有するものである重合体を提供するものである。
【0027】
また、本発明は上記重合体を使用してなるディスプレイ用光学フィルムを提供するものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明の重合性化合物は新規物質であり、該重合性化合物を含有する重合性組成物を光重合させることにより作製される、本発明の重合体は、均一な膜状態を維持し、耐熱性、耐溶剤性、透明性、光学特性及び液晶配向固定化に優れた材料として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の重合性化合物、該重合性化合物を含有する本発明の重合性組成物及び該重合性組成物を光重合させることにより作製される本発明の重合体について、その好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
【0030】
先ず、本発明の重合性化合物について説明する。
上記一般式(1)中のX1−Y1−及びX2−Y2−で表される(メタ)アクリロイルオキシ基を末端に含む重合性官能基は、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキレン基、エーテル結合、−COO−、−OCO−、置換基を有してもよい6員環若しくは置換基を有してもよいナフタレン環を含むものであってもよい。
また、上記一般式(1)中のY1及びY2で表される炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、2,4−ジメチルブチレン、1,3−ジメチルブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン等が挙げられる。また、Y1及びY2で表される6員環及びナフタレン環の置換基となる炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基、炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基としては、以下の上記一般式(1)中のAの説明で例示するものが挙げられる。
上記重合性官能基としては、例えば、下記の式(2)〜(5)に示す重合性官能基が好ましい。
【0031】
【化5】

(式(2)〜(5)中のR1は水素原子又はメチル基を表し、lは0〜7の整数、mは0又は1の整数、nは0〜8の整数を表す。)
【0032】
上記一般式(1)中のAで表される置換基を有してもよい、2個以上の6員環からなる環集合としては、ベンゼン環及びシクロヘキサン環の組み合わせによって得られるものであればよく、例えば、ビフェニル、テルフェニル、クアテルフェニル、4−フェニル−シクロヘキシル、4−シクロヘキシル−フェニル、ジシクロヘキシル等が挙げられる。また、上記環集合は、アルキレン基、二重結合、三重結合、カルボニル基及びエーテル結合を6員環の連結基として含むものであってもよい。
【0033】
また、上記6員環は、炭素原子が窒素原子又は硫黄原子で置換されたものであってもよく、窒素原子で置換された6員環としては、例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピペリジン又はピペラジン等が挙げられ、硫黄原子で置換された6員環としては、チオピラン又はチオピリリウム等が挙げられる。
【0034】
上記環集合は、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基、炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基又はこれらの組み合わせで置換されていてもよい。
【0035】
上記炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基としては、例えば、メチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、シアノメチル、エチル、ジクロロエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル又は2−エチルヘキシル等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
【0036】
上記炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基としては、例えば、メチルオキシ、エチルオキシ、クロロメチルオキシ、トリフルオロメチルオキシ、シアノメチルオキシ、エチルオキシ、ジクロロエチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ又は2−エチルヘキシルオキシ等の直鎖又は分岐のアルコキシ基が挙げられる。
【0037】
上記炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基としては、例えば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、オクテニル等の直鎖又は分岐のアルケニル基が挙げられる。
【0038】
上記アルキル基、アルコキシ基又はアルケニル基中の−CH2−は、硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、アルコキシ基及びアルケニル基中の水素原子は、ハロゲン原子又はニトリル基で置換されていてもよい。
【0039】
上記一般式(1)において、Aで表される環集合としては、下記の構造のものが好ましい。
【0040】
【化6】

(上記R2、R3及びR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基又は炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基を表し、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の−CH2−は、硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の水素原子はハロゲン原子又はニトリル基で置換されていてもよい。p、q及びrは、ベンゼン環又はシクロヘキシル環の取り得る置換基の最大数を表し、複数あるR2、R3及びR4は各々異なるものであってもよい。)
【0041】
上記R2、R3及びR4で表される炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基、及び炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基としては、上記一般式(1)中のAの説明で例示したものが挙げられる。
【0042】
これら環構造の中でも、下記の式(6)で表される構造が特に好ましい。
【0043】
【化7】

(式(6)中のR2及びR3は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基、又は炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基を表し、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の−CH2−は、硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の水素原子はハロゲン原子又はニトリル基で置換されていてもよい。pは4、qは5を表し、複数あるR2及びR3は各々異なるものであってもよい。)
【0044】
上記一般式(1)で表される重合性化合物の具体例としては、下記の構造の化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
【0045】
【化8】

【0046】
上記〔化8〕中のX1−Y1−及びX2−Y2−は、下記〔化9〕に示す構造である化合物が好ましい。
【0047】
【化9】

(lは0〜7の整数を表し、nは0〜8の整数を表す。)
【0048】
上記一般式(1)に表される重合性化合物のより具体的な化合物としては、特に、下記化合物No.1〜No.4の化合物が挙げられる。
【0049】
【化10】

【0050】
【化11】

【0051】
【化12】

【0052】
【化13】

【0053】
上記一般式(1)で表される重合性化合物の好ましい配合割合は、本発明の重合性組成物100質量部に対して、3〜50質量部であり、特に好ましくは5〜30質量部である。上記式(1)で表される重合性化合物の比率が3より小さいと、重合性組成物の配向制御が困難となる場合があり、50を超えると、重合性組成物を硬化させる際、結晶が析出したりして重合体にムラが生じる場合がある。
【0054】
本発明の重合性化合物は、その製造方法については特に限定されず、公知の反応を応用して製造することができるが、例えば、化合物No.1のような化合物では、塩基の存在下、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロへキシルメタンと(メタ)アクリル酸ハロゲン化物をエステル化することによって得られる。また、化合物No.2〜No.4は、(メタ)アクリロイル基を有するカルボン酸化合物をメタンスルホニルクロリドでメシル化した後、塩基存在下で、ビスフェノール(1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロへキシルメタン)とエステル化することによって製造することができる。
【0055】
本発明の重合性化合物は、液晶材料に配合され、耐熱性、耐溶剤性、透明性、光学特性及び液晶配向固定化に優れた光学フィルム作製用材料として好ましく用いられる他、液晶配向膜、液晶配向制御剤、コーティング材、保護板作製材料等に用いることができる。
【0056】
次に、本発明の重合性組成物について説明する。
本発明の重合性組成物は、本発明の重合性化合物、その他の成分として、従来既知の液晶化合物若しくは液晶類似化合物、又はそれらの混合物を配合することによって得られるものであり、該液晶化合物としては、例えば、特願2005−210868号の明細書の段落[0031]〜[0058]、[0063]〜[0086]、及び特開2005−15473号公報明細書[0172]〜[0314]に示されている化合物等が挙げられる。
上記液晶化合物の中でも、重合性官能基を有する液晶化合物が好ましく用いられる。
重合性官能基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、フルオロアクリル基、クロロアクリル基、トリフルオロメチルアクリル基、オキシラン環(エポキシ)、オキセタン環、スチレン化合物(スチリル基)、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルケトン基、マレイミド基、フェニルマレイミド基等が好ましい。
また、液晶化合物の含有量は、特に制限されず、本発明の重合性化合物の効果が損なわれない範囲であれば良い。
【0057】
本発明の重合性組成物には、必要に応じて用いられる他の単量体(エチレン性不飽和結合を有する化合物)をラジカル重合開始剤と共に溶剤に溶解して溶液にすることができる。
【0058】
上記他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、第二ブチル(メタ)アクリレート、第三ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アリルオキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−フェニルエチル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、ジフェニルメチル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ペンタクロルフェニル(メタ)アクリレート、2−クロルエチル(メタ)アクリレート、メチル−α−クロル(メタ)アクリレート、フェニル−α−ブロモ(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0059】
ただし、本発明の重合性組成物を用いて作製される重合体の耐熱性及び光学特性を付与するために、他の単量体の含有量は、本発明の重合性組成物100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、特に30質量部以下がより好ましい。
【0060】
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
【0061】
また、上記ラジカル重合開始剤と増感剤の組合せも好ましく使用することができる。かかる増感剤としては、例えば、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルプレン等が挙げられる。上記ラジカル重合開始剤及び/又は上記増感剤を添加する場合は、本発明の重合性組成物100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下がさらに好ましく、0.1〜3質量部の範囲内がより好ましい。
【0062】
上記溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチレン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が挙げられる。溶剤は単一化合物であってもよいし、または混合物であってもよい。これらの溶剤の中でも、沸点が60〜250℃のものが好ましく、60〜180℃のものが特に好ましい。60℃より低いと塗布工程で溶媒が揮発して膜の厚さにムラが生じやすく、250℃より高いと脱溶媒工程で減圧しても溶媒が残留したり、高温での処理による熱重合を誘起したりして配向性が低下する場合がある。
【0063】
また、本発明の重合性組成物に、さらに光学活性化合物を含有させることによって、液晶骨格のらせん構造を内部に有する高分子を得ることができ、コレステリック液晶相を固定化させることができる。光学活性化合物を含有させる場合、本発明の重合性組成物(但し、溶剤を除く)100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。上記光学活性化合物としては、例えば下記〔化14〕〜〔化32〕の化合物を挙げることができる。
【0064】
【化14】

【0065】
【化15】

【0066】
【化16】

【0067】
【化17】

【0068】
【化18】

【0069】
【化19】

【0070】
【化20】

【0071】
【化21】

【0072】
【化22】

【0073】
【化23】

【0074】
【化24】

【0075】
【化25】

【0076】
【化26】

【0077】
【化27】

【0078】
【化28】

【0079】
【化29】

【0080】
【化30】

【0081】
【化31】

【0082】
【化32】

【0083】
また、本発明の重合性組成物は、空気界面側に分布する排除体積効果を有する界面活性剤をさらに含有させることができる。界面活性剤は重合性組成物を支持基板などに塗布することを容易にしたり、液晶相の配向を制御したりする等の効果を得るものが好ましい。かかる界面活性剤としては、例えば、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコール及びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩、ペルフルオロアルキルカルボン酸塩、ペルフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、ペルフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。界面活性剤の好ましい使用割合は、界面活性剤の種類、組成物の成分比などに依存するが、本発明の重合性組成物100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.05〜1質量部の範囲内がより好ましい。
【0084】
また、本発明の重合性組成物には、必要に応じて添加物をさらに含有してもよい。重合性組成物の特性を調製するための添加物としては、例えば、保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、無機物、有機物等の微粒子化物及びポリマー等の機能性化合物等が挙げられる。
【0085】
上記保存安定剤は、重合性組成物の保存安定性を向上させる効果を付与することができる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、2−ナフチルアミン類、2−ヒドロキシナフタレン類等が挙げられる。これらを添加する場合は、本発明の重合性組成物100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。
【0086】
上記酸化防止剤としては、特に制限がなく公知の化合物を使用することができ、例えば、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルホスファイト、トリアルキルホスファイト等が挙げられる。
【0087】
上記紫外線吸収剤としては、特に制限がなく公知の化合物を使用することができ、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物又はニッケル錯塩系化合物等によって紫外線吸収能をもたせたものであってもよい。
【0088】
上記微粒子化物は光学(屈折率)異方性(Δn)を調整したり、重合体の強度を上げたりするために用いることができる。微粒子化物の材質としては無機物、有機物、金属などが挙げられ、凝集防止のため、微粒子化物は0.001〜0.1μmの粒子径が好ましく利用することができ、さらに好ましくは0.001〜0.05μmの粒子径である。粒子径の分布はシャープであるものが好ましい。本発明の重合性組成物100質量部に対して、微粒子化物は、0.1〜30質量部の範囲内で好ましく使用することができる。
【0089】
上記無機物としては、例えば、セラミックス、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、テニオライト、フッ素バーミキュライト、フッ素ヘクトライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、カオリナイト、フライポンタイト、ZnO、TiO2、CeO2、Al23、Fe23、ZrO2、MgF2、SiO2、SrCO3、Ba(OH)2、Ca(OH)2、Ga(OH)3、Al(OH)3、Mg(OH)2、Zr(OH)4等が挙げられる。尚、炭酸カルシウムの針状結晶などの微粒子は光学異方性を有し、このような微粒子によって重合体の光学異方性を調節できる。上記有機物としては、例えばカーボンナノチューブ、フラーレン、デンドリマー、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポリイミド等が挙げられる。
【0090】
上記ポリマーは、重合体の電気特性や配向性を制御することができ、上記溶剤に可溶性の高分子化合物が好ましく使用することができる。かかる高分子化合物としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエポキサイド、ポリエステル、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0091】
次に、本発明の重合体について説明する。
本発明の重合体は、上記重合性組成物を溶媒に溶解した後、支持基板に塗布して、重合性組成物中の液晶分子を配向させた状態で脱溶媒し、次いでエネルギー線を照射して重合することにより得ることができる。
【0092】
上記支持基板としては、特に限定されないが、好ましい例としてはガラス板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリカーボネート板、ポリイミド板、ポリアミド板、ポリメタクリル酸メチル板、ポリスチレン板、ポリ塩化ビニル板、ポリテトラフルオロエチレン板、セルロース板、シリコン板、反射板、シクロオレフィンポリマー、方解石板等が挙げられる。このような支持基板上にポリイミド配向膜、又はポリビニルアルコール配向膜を施したものが特に好ましく使用することができる。
【0093】
上記支持基板に塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法及び流延成膜法等を用いることができる。尚、上記重合体の膜厚は用途等に応じて適宜選択されるが、0.001〜30μm、より好ましくは、0.001〜10μm、特に好ましくは、0.005〜8μmの範囲から選択される。
【0094】
本発明の重合性組成物中の液晶分子を配向させる方法としては、例えば支持基板上に事前に配向処理を施す方法が挙げられる。配向処理を施す好ましい方法としては、各種ポリイミド系配向膜又はポリビニルアルコール系配向膜からなる液晶配向層を支持基板上に設け、ラビング等の処理を行う方法が挙げられる。また、支持基板上の組成物に磁場や電場等を印加する方法等も挙げられる。
【0095】
本発明の重合性組成物を重合させる方法は熱又は電磁波を用いる公知の方法を適用できる。電磁波による重合反応としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合、リビング重合等があげられる。重合性組成物が液晶相を示す条件下で、重合を行なわせることが容易だからである。また磁場や電場を印加しながら架橋させることも好ましい。支持基板上に形成した液晶(共)重合体は、そのまま使用しても良いが、必要に応じて、支持基板から剥離したり、他の支持基板に転写したりして使用してもよい。
【0096】
上記光の好ましい種類は、紫外線、可視光線、赤外線等である。電子線、X線などの電磁波を用いてもよい。通常は、紫外線または可視光線が好ましい。好ましい波長の範囲は150〜500nmである。さらに好ましい範囲は250〜450nmであり、最も好ましい範囲は300〜400nmである。光源は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、またはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが挙げられるが、超高圧水銀ランプが好ましく使用することができる。光源からの光はそのまま重合性組成物に照射してもよく、フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を重合性組成物に照射してもよい。好ましい照射エネルギー密度は、2〜5000mJ/cm2であり、さらに好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2であり、特に好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。好ましい照度は0.1〜5000mW/cm2であり、さらに好ましい照度は1〜2000mW/cm2である。重合性組成物が液晶相を有するように、光を照射するときの温度を設定できるが、好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以上の温度では熱による重合が起こりうるので良好な配向が得られないときがある。
【0097】
本発明の重合体は、光学異方性を有する成形体として利用することができる。この成形体の用途としては、例えば、位相差板(1/2波長板、1/4波長板など)、偏光素子、二色性偏光板、液晶配向膜、配向制御材、反射防止膜、選択反射膜、視野角補償膜等の光学補償に用いることができる。その他にも、液晶レンズ、マイクロレンズ等の光学レンズ、高分子分散型液晶(PDLC)電子ペーパー、デジタルペーパー等の情報記録材料にも利用することができる。
【0098】
以下合成例及び実施例をもって本発明を更に説明する。しかしながら、本発明は以下の合成例及び実施例によって制限を受けるものではない。尚、下記合成例1〜4は、本発明に係る化合物の製造例を示すものであり、下記製造例1は、本発明の重合性組成物の調製及び、該重合性組成物を用いた本発明の重合体の製造例を示すものであり、下記実施例1〜2は、本発明の重合体の製造例及び評価例を示すものである。
【0099】
〔合成例1〕(化合物No.1の製造)
化合物No.1を〔化33〕に示す反応式に従い、以下の手順で合成した。
【0100】
【化33】

【0101】
窒素雰囲気下において、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン2.0g(4.6mmol)、トリエチルアミン(TEA)1.11g(11.0mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)8.4mlを反応フラスコに仕込み、氷冷下で冷却後、アクリロイルクロリド1.0g(11.1mmol)を25℃以下で滴下した。滴下終了後、室温(25〜30℃)で2時間30分間撹拌後、リン酸水(1wt%水溶液)、酢酸エチルを加えて油水分離を行い、有機層を抽出して、イオン交換水にて2回、飽和食塩水にて1回水洗した。洗浄後、有機層に硫酸マグネシウム塩を加えて脱水し、ろ過、減圧濃縮を行い、淡黄色油状物質を得た。この淡黄色油状物質についてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)による精製を行い、白色結晶2.0gを得た(収率80%、純度99.6%)。得られた白色結晶について分析を行ったところ、該白色結晶は目的物である化合物No.1と同定した。これらの分析結果について下記に示す。
【0102】
(1)1H−NMR[400MHz,CDCl3](ppm)
1.26(3H,br)、1.52−1.63(5H,m)、2.23(2H,d)、4.00(1H,s)、5.98(2H,d)、6.29(2H,dd)、6.57(2H,d)、6.95(4H,d)、7.01(2H,d)、7.09(4H,d)、7.34(1H,t)、7.45(2H,t)、7.50(2H,d)、7.66(2H,d)
【0103】
(2)13C−NMR[400MHz,CDCl3](ppm)
22.16、26.30、36.59、46.12、120.40、125.71、126.87、127.10、127.96、128.72、129.0、130.42、131.29、132.42、138.36、138.79,140.37、140.59、149.02、164.44
【0104】
(3)IR[KBr錠剤法](cm-1
697、741、762、800、846、870、902、983、1018、1067、1147、1250、1295、1403、1452、1469、1504、1602、1634、1740、1949、2858、2933、3031、3464
【0105】
(4)熱分析
示差走査熱量分析装置(DSC−6200、セイコーインスツル(株)製)にて、窒素雰囲気下(50ml/min)、5℃/minの速度で室温から230℃まで測定した結果、149.4℃、196.2℃において発熱ピークを確認した。
【0106】
〔合成例2〕(化合物No.2の製造)
化合物No.2を〔化34〕に示す反応に従い、下記の手順で合成した。
【0107】
【化34】

【0108】
窒素雰囲気下、メタンスルホニルクロリド(MsCl)1.3g(11.4mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)9.1mlを反応フラスコに仕込み、−30℃まで冷却して、アクリロイルオキシベンゼン酸2.2g(11.5mmol)及びジイソプロピルエチルアミン((i-Pr)2NEt)3.3g(25.6mmol)をテトラヒドロフラン(THF)16.4mlに溶解させた溶液を滴下した。−10℃まで昇温し、40分間攪拌しながら反応させた後、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン2.0g(4.6mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)56mg(0.46mmg)をテトラヒドロフラン(THF)18.0mlに溶解させた溶液を滴下し、0℃まで昇温して1時間反応させた。反応完結を薄層クロマトグラフィー(TLC)にて確認後、イオン交換水、酢酸エチルを加えて油水分離し、有機層を抽出してさらにイオン交換水で2回、飽和食塩水で1回水洗した。水洗後有機層に硫酸マグネシウム塩を加えて脱水し、ろ過、減圧濃縮を行い、淡黄色油状物質を得た。この淡黄色油状物質についてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)による精製を行い、白色結晶1.57gを得た(収率43%、純度99.9%)。得られた白色結晶について分析を行ったところ、目的化合物である化合物No.2と同定した。これらの分析結果について下記に示す。
【0109】
(1)1H−NMR〔400MHz、CDCl3〕(ppm)
1.25−1.28(3H,m)、1.56−1.65(5H,m)、2.27(2H,d)、4.06(1H,s)、6.07(2H,dd)、6.35(2H,dd)、6.65(2H,dd)、7.03−7.06(6H,m)、7.16(4H,d)、7.29(4H,d)、7.34(1H,t)、7.45(2H,t)、7.54(2H,d)、7.68(2H,dd)、8.22−8.25(4H,m)
【0110】
(2)13C−NMR〔400MHz、CDCl3〕(ppm)
22.19、26.32、36.65、46.17、65.32、120.58、121.76、125.76、126.89、127.11、127.18、127.47、128.72、130.45、131.40、131.76、133.37、138.41、138.93、140.38、140.60、149.31、154.65、163.87、164.27
【0111】
(3)IR[KBr錠剤法](cm-1
697、741、761、798、883、904、1014、1074、1134、1403、1506、1602、1739、2857、2933、3032
【0112】
(4)熱分析
示差走査熱量分析装置(DSC−6200;セイコーインスツル(株)製)にて、窒素雰囲気下(50ml/min)、10℃/minの速度で室温から300℃まで測定した結果、167.2℃及び217.7℃において発熱ピークを確認した。
【0113】
〔合成例3〕(化合物No.3の製造)
化合物No.3を〔化35〕に示す反応に従い、下記の手順で合成した。
【0114】
【化35】

【0115】
窒素雰囲気下、メチルスルホニルクロリド(MsCl)1.3g(11.4mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)9.1mlを反応フラスコに仕込み、−30℃以下まで冷却して、4−アクリロイルオキシヘキシルオキシベンゼン酸3.0g(9.8mmol)及びジイソプロピルエチルアミン((i−Pr)2NEt)3.3g(25.6mmol)をテトラヒドロフラン(THF)16.4mlに溶解させた溶液を滴下した。−10℃まで昇温し、40分間攪拌しながら反応させた後、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン2.0g(4.6mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)56mg(0.46mmol)をテトラヒドロフラン(THF)18.0mlに溶解させた溶液を滴下し、0℃まで昇温して2時間反応させた。反応完結を薄層クロマトグラフィー(TLC)にて確認後、イオン交換水、酢酸エチルを加えて油水分離し、有機層を抽出してイオン交換水で2回水洗した。水洗後、有機層に硫酸マグネシウム塩を加えて脱水し、ろ過、減圧濃縮を行い、淡黄色油状物質を得た。この淡黄色油状物質についてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)による精製を行い、無色油状物質0.7gを得た(収率14%、純度96.5%)。得られた無色油状物質について分析を行ったところ、目的化合物である化合物No.3と同定した。これらの分析結果について下記に示す。
【0116】
(1)1H−NMR〔400MHz,CDCl3〕(ppm)
1.26−1.28(3H,m)、1.47−1.73(5H,m)、1.47−1.54(8H,m)、1.73(4H,q)、2.26(2H,d)、4.03−4.06(1H,m)、4.04(4H,t)、4.18(4H,t)、5.81(2H,dd)、6.13(2H,dd)、6.41(2H,dd)、6.96(4H,d)、7.30(4H,d)、7.02−7.06(2H,m)、7.32(1H,t)、7.47(2H,t)、7.53(2H,d)、7.68(2H,d)、8.12(2H,d)
【0117】
(2)13C−NMR〔400MHz,CDCl3
22.20、25.67、25.70、26.35、28.51、28.95、30.28、36.65、46.17、64.44、68.02、114.20、120.68、121.70,125.72、126.89、127.08、128.52、128.72、130.49、130.58、131.32、132.22、138.33、138.67、140.46、140.63、149.50、163.32、164.83、166.31
【0118】
(3)IR[KBr錠剤法](cm-1
694、741、763、847、1008、1070、1165、1205、1255、1408、1510、1604、1726、2937
【0119】
〔合成例4〕(化合物No.4の製造)
化合物No.4を〔化36〕に示す反応に従い、下記の手順で合成した。
【0120】
【化36】

【0121】
窒素雰囲気下、メチルスルホニルクロリド(MsCl)1.3g(11.4mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)9.1mlを反応フラスコに仕込み、−30℃まで冷却して、アクリロイルオキシナフタレン酸2.8g(11.6mmol)及びジイソプロピルエチルアミン3.3g(25.6mmol)をテトラヒドロフラン(THF)16.4mlに溶解させた溶液を滴下した。−10℃まで昇温し、40分間攪拌しながら反応させた後、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン2.0g(4.6mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)56mg(0.46mmol)をテトラヒドロフラン(THF)18.0mlに溶解させた溶液を滴下し、0℃まで昇温して1時間反応させた。反応完結を薄層クロマトグラフィー(TLC)にて確認後、イオン交換水、酢酸エチルを加えて油水分離し、有機層を抽出してイオン交換水で2回、飽和食塩水で1回水洗した。水洗後、有機層に硫酸マグネシウム塩を加えて脱水し、ろ過、減圧濃縮を行い、淡黄色油状物質を得た。この淡黄色油状物質についてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)による精製を行い、白色結晶2.2gを得た(収率54%、純度99.2%)。得られた白色結晶について分析を行ったところ、目的化合物である化合物No.4と同定した。これらの分析結果について下記に示す。
【0122】
(1)1H−NMR〔400MHz,CDCl3〕(ppm)
1.25−1.30(3H,m)、1.56−1.65(5H,m)、2.27(2H,d)、4.06(1H,s)、6.07(2H,dd)、6.38(2H,dd)、6.67(2H,dd)、7.07(2H,d)、7.11(4H,d)、7.20(4H,d)、7.33(2H,t)、7.37(2H,dd)、7.45(1H,t)、7.55(2H,d)、7.67−7.69(4H,m)、7.90(2H,d)、8.02(2H,d)、8.20(2H、dd)、8.77(2H,s)
【0123】
(2)13C−NMR〔400MHz,CDCl3〕(ppm)
22.19、26.32、36.65、46.17、65.32、120.58、121.76、126.89、127.11、127.18、127.47、128.72、130.45、131.40、131.76、133.37、138.41、138.93、140.38、140.60、149.31、154.65、163.87、164.27
【0124】
(3)IR[KBr錠剤法](cm-1
696、740、762、802、879、933、982、1017、1063、1182、1275、1338、1402、1473、1504、1631、1736、2857、2933、3031
【0125】
(4)熱分析
示差走査熱量分析装置(DSC−6200、セイコーインスツル(株)製)にて、窒素雰囲気下(50ml/min)、10℃/minの速度で40℃から300℃まで測定した結果、178.5℃において発熱ピークを確認した。
【0126】
〔製造例1〕(重合体の作製)
下記の手順([1]試料の調製、[2]支持基板の製作、[3]支持基板への塗布)に従って重合体を作製した。
【0127】
[1]重合性組成物溶液の調製
表1に記載の重合性組成物1.0gを溶媒(2−ブタノン)4.0gに添加して溶解した後、ラジカル重合開始剤(N−1919;株式会社ADEKA製)0.03gを加えて完全に溶解した後に、0.45μmフィルターでろ過処理を実施して重合性組成物溶液を調製した。
【0128】
[2]支持基板の製作
中性洗剤で洗浄後、純水で洗い流し乾燥したガラス板にポリビニルアルコール5%水溶液をスピンコーターで均一に塗工し、100℃で3分間乾燥させた。乾燥後、ガラス基板に支持されたポリビニルアルコールの表面をレーヨン布で一定方向に擦り、支持基板を製作した。
【0129】
[3]支持基板への塗布
上記[1]で調製した重合性組成物溶液を、上記[2]で製作した支持基板上にスピンコーターで塗工を行った。塗工は膜厚が約1.0μmになるようにスピンコーターの回転数及び時間を調整して実施した。塗工後、ホットプレートを用いて100℃で3分間乾燥して室温下で3分間冷却した後に、高圧水銀灯(120W/cm)で20秒間照射し、膜を硬化させて重合体を得た。
【0130】
〔実施例1、2及び比較例1〜3〕
上記の方法で得られた重合体について、下記の試験を実施し、これらの結果について下記表1に併せて示す。
【0131】
(1)リターデーション(R)
上記製造例1で得た重合体に対して、偏光顕微鏡を用いてセナルモン法に基づく測定法に従い、室温25℃で波長546nmにおけるリターデーション(R)を測定した。
【0132】
(2)膜厚(d)
得られた重合体に対して、触針式表面形状測定器(Dektak6M;(株)アルバック製)を用いて室温25℃で膜厚(d)を測定した。
【0133】
(3)膜表面の状態
得られた重合体の膜表面を目視で観察し、表面が滑らかであれば○、表面の一部にムラがあれば、△、表面に凹凸が生じていれば×とした。
【0134】
(4)製膜の均質性
重合体の均質性について偏光顕微鏡を用いて評価した。試料を、クロスニコル下で重合体を設置したステージを回転させることによって、重合体の配向状態を観察し、膜の均質性について評価した。重合体の配向が均一に得られていれば○、配向が得られても不均一であれば△、重合体に結晶等が発生して配向が全く得られていなければ×とした。
【0135】
【表1】

【0136】
上記表1より、重合性組成物として、本願発明以外の重合性化合物により作製された重合体(比較例1及び比較例2)は、均質な膜が得られなかったのに対し、本発明の重合性組成物から作製された重合体は、実施例1より、製膜制御及び液晶相の固定化が優れ、均一な光学特性が得られることが確認された。
【0137】
また、実施例2より、本発明重合性化合物を20%に増量して重合体を製作しても、製膜制御及び液晶相の固定化に優れ、均一な光学特性を確保することを確認した。
【0138】
以上より、本発明の重合性組成物を光硬化して得られる重合体は、均一な製膜制御及び均一な光学特性が得られるものであり、ディスプレイ用光学フィルムに好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される重合性化合物。
【化1】

(式(1)中、Aは少なくとも2個以上の6員環からなる環集合であって、該6員環は置換基を有してもよく、X1及びX2は(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、Y1及びY2は各々独立して、単結合、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキレン基、エーテル結合、−COO−、−OCO−、置換基を有してもよい6員環若しくは置換基を有してもよいナフタレン環、又はこれらの組み合わせを表し、上記置換基は、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基、又は炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基を表し、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の−CH2−は、硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の水素原子は、ハロゲン原子又はニトリル基で置換されていてもよい。)
【請求項2】
上記一般式(1)中のX1−Y1−及びX2−Y2−で表される構造が、下記の式(2)〜(5)から選択される何れか一種である請求項1記載の重合性化合物。
【化2】

(式(2)〜(5)中のR1は水素原子又はメチル基を表し、lは0〜7の整数、mは0又は1の整数、nは0〜8の整数を表す。)
【請求項3】
上記一般式(1)中のAが下記の環集合の群より選択される何れか一種である請求項1又は2記載の重合性化合物。
【化3】

(上記R2、R3及びR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基、又は炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基を表し、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の−CH2−は、硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の水素原子はハロゲン原子又はニトリル基で置換されていてもよい。p、q及びrは、ベンゼン環又はシクロヘキシル環の取り得る置換基の最大数を表し、複数あるR2、R3及びR4は各々異なるものであってもよい。)
【請求項4】
上記一般式(1)中のAが、下記の式(6)で表される請求項1〜3の何れかに記載の重合性化合物。
【化4】

(式(6)中のR2及びR3は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜8の分岐を有してもよいアルコキシ基、又は炭素原子数2〜8の分岐を有してもよいアルケニル基を表し、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の−CH2−は、硫黄原子又は酸素原子で置換されていてもよく、該アルキル基、該アルコキシ基又は該アルケニル基中の水素原子はハロゲン原子又はニトリル基で置換されていてもよい。pは4、qは5を表し、複数あるR2及びR3は各々異なるものであってもよい。)
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の重合性化合物を含有する重合性組成物。
【請求項6】
さらに、液晶化合物を含有する請求項5記載の重合性組成物。
【請求項7】
上記液晶化合物が重合性官能基を有する化合物である請求項6記載の重合性組成物。
【請求項8】
さらに、光学活性化合物を含有し、コレステリック液晶相を発現する請求項5〜7の何れかに記載の重合性組成物。
【請求項9】
さらに、ラジカル重合開始剤を含有する請求項5〜8の何れかに記載の重合性組成物。
【請求項10】
請求項5〜9の何れかに記載の重合性組成物を、光重合させることにより作製された重合体。
【請求項11】
光学異方性を有するものである請求項10記載の重合体。
【請求項12】
請求項10又は11記載の重合体を使用してなるディスプレイ用光学フィルム。

【公開番号】特開2008−163052(P2008−163052A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−350470(P2006−350470)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】