説明

重合膜の堆積

重合膜を基板(5)上に堆積する装置及び方法である。装置は、重合材料と少なくとも1つの溶媒とからなる重合相を備えた液体前駆体のエアゾール小滴を含むエアゾールスプレーを基板に配送するための配送ユニット(7,8)と、エアゾール小滴が基板上に堆積する前に、少なくとも環境を加熱して少なくとも部分的に重合相の少なくとも1つの溶媒を蒸発させる加熱ユニット(15)と、配送ユニットと基板との間に静電界を発生すると共に、エアゾール小滴を静電的に帯電させて、エアゾール小滴が静電的に基板に吸着されるようにする静電界発生ユニット(9)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合膜、特に重合薄膜及び重合超薄膜を堆積する装置及び方法に関する。
【0002】
重合超薄膜は、近年、工学技術セクタ及び消費者製品における幅広い応用について増大する関心を受けている。これらは、印刷時の、及び生物医用工学及び電子部品における潤滑剤としての保護膜を含む。
【0003】
良好に制御された化学組成、表面形態、均質性及び厚さを持つ重合超薄膜を製作する必要がある。重合薄膜を製造する種々の処理方法、例えば鋳造法、スピン法、ディップ法、スプレー法、エレクトロスプレー法、及び自己アセンブリ法がある。しかしながら、迅速で良好に制御された方法は、未だ確立されていない。
【0004】
本発明の1つの目的は、重合膜、特に重合薄膜及び重合超薄膜を堆積する装置及び方法を提供することにある。
【0005】
1つの形態において、本発明は、重合膜を基板上に堆積するための装置を提供する。この装置は、重合材料と少なくとも1つの溶媒とからなる重合相を備えた液体前駆体のエアゾール小滴を含むエアゾールスプレーを基板に配送するための配送ユニットと、配送ユニットと基板との間に静電界を発生すると共に、エアゾール小滴を静電的に帯電させてエアゾール小滴が静電的に基板に吸着されるようにするための静電界発生ユニットとを備える。
【0006】
もう1つの実施形態において、この装置は、エアゾール小滴が基板上に堆積する前に、少なくとも環境を加熱して少なくとも部分的に重合相の少なくとも1つの溶媒を蒸発させる加熱ユニットを更に備える。
【0007】
1つの形態において、本発明は、重合膜を基板上に堆積する方法を提供する。この方法は、重合材料と少なくとも1つの溶媒とからなる重合相を備えた液体前駆体のエアゾール小滴を含むエアゾールスプレーを基板に配送する工程と、基板に向かって静電界を発生すると共に、エアゾール小滴を静電的に帯電させてエアゾール小滴が静電的に基板に吸着されるようにする工程とを備える。
【0008】
1つの実施形態において、この方法は、エアゾール小滴が基板上に堆積する前に、少なくとも環境を加熱して少なくとも部分的に重合相の少なくとも1つの溶媒を蒸発させる工程を更に備える。
【0009】
本発明は、良好な厚み制御、均一性及び形態を持つ膜の製作を可能にする点で特に有利であり、またいくつかの実施形態では、環境制御、例えば真空の使用に対する要求を回避する。
【0010】
本発明は、エアゾール支援イオン堆積による重合膜の堆積に及ぶ。これは、後続の熱処理を伴うか、伴わない。
【0011】
この新規なプロセスは柔軟であって、単層又は多層の組成勾配のあるドープされた混成又はナノ複合膜を、密又は粗な膜として製造することができる。
【0012】
この膜は、単相膜又は多相膜であって、例えば重合成分、金属成分、セラミック成分、蛍光成分及び/又は他の天然又は合成成分、例えば、ダイ及び精油を含んでいる。
【0013】
この膜は、単機能膜であるか、その代わりに多機能膜又はスマート機能膜であり得る。スマート機能膜は、そのような機能を与える追加材料を組み入れることによって達成される。
【0014】
本発明によって製作される膜の例には、複合膜、例えばナノ複合膜がある。これらは、例えばセラミック、金属、無機、有機、有機/無機混成、及び/又は重合性の補強材を重合母材中に含む。
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態が、例としてのみ添付の図面を参照して説明される。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係る堆積装置を模式的に示している。
【0017】
この堆積装置は、基板5を保持するための基板ホルダ3を備える。基板は、この実施形態では静止しており、その上に重合薄膜が堆積される。
【0018】
この実施形態では、基板ホルダ3は、基板5が垂直方向下向きに面するように構成されている。
【0019】
他の実施形態では、基板ホルダ3は、基板5を任意の方位に保持して、例えば基板が垂直方向上向きに面したり、水平方向に任意の傾斜角で面するように構成され得る。
【0020】
この実施形態では、基板5は導電性であるが、もう1つの実施形態では、非導電性であり得る。
【0021】
この堆積装置は更に、第1の配送ユニット7、この実施形態では液体前駆体のエアゾールスプレーを発生するためのエアゾール発生器を備える。
【0022】
この実施形態では、液体前駆体は、重合相を含む。この重合相は、重合溶液、コロイド又は懸濁の1つであって、有機又は無機溶媒の一方又は双方からなる溶媒を含む。重合材料には、PLLDAやPTFEがある。
【0023】
1つの実施形態では、液体前駆体は、少なくとも1つの追加相を含むことができる。
【0024】
1つの代替実施形態では、この実施形態と同様に、そして以下で詳細に説明されるように、少なくとも1つの追加相は、第1の配送ユニット7によって発生されたエアゾール小滴の流れ中に別途導入され、重合相と追加相が基板5の表面上に一緒に堆積されるようにする。
【0025】
もう1つの代替実施形態では、少なくとも1つの追加相は、基板5の表面に直接配送され、重合相と追加相が基板5の表面上に一緒に堆積されるようにする。
【0026】
少なくとも1つの追加相は、構造相又は機能相である。
【0027】
少なくとも1つの追加相は、固体相、液体相又は気体相の1以上として配送され得る。
【0028】
1つの実施形態では、少なくとも1つの追加相は、重合材料、金属材料、セラミック材料、ガラス材料又はカーボン材料を含むことができる。
【0029】
1つの実施形態では、少なくとも1つの追加相は、固体の形態、特に粒子、ファイバ又はチューブとして、特に超微細構造体として、そして特に約1nmから約100nmのサイズを有するナノ構造体、例えばナノ粒子、ナノファイバ及びナノチューブとして、更に約1nmの未満サイズを有するサブナノ構造体として配送される。
【0030】
1つの実施形態では、少なくとも1つの追加相は、無機構造体、特に無機フィラメントを含むことができる。
【0031】
もう1つの実施形態では、少なくとも1つの追加相は、有機構造体、特に有機フィラメントを含むことができる。
【0032】
少なくとも1つの追加相が液体又は気体として配送される他の実施形態では、その液体又は気体は変態して、例えばホストの重合相との反応によって、固体相を与える。
【0033】
1つの実施形態では、少なくとも1つの追加相は、ホスト重合相に対する補強材として作用する。
【0034】
1つの実施形態では、少なくとも1つの追加相は、ダイのような着色材料、蛍光材料、及び化粧材料、例えば精油を、天然又は合成形態で含むことができる。
【0035】
この実施形態では、第1の配送ユニット7は、ナノメータサイズの小滴を含む超微細エアゾールを発生して、典型的に約10nmから約10μmの厚さを持つ薄膜の生成を可能にするように構成されている。
【0036】
堆積された膜の厚さは、堆積の時間によって一部決定され、そして必要とされる膜の厚さに依存して、第1の配送ユニット7の出口は、基板5に対して移動される。これは、一層ずつ堆積することによって、より厚い膜を形成するためである。3次元構造も、このようにして製作することができる。
【0037】
1つの実施形態では、エアゾール小滴の流れを基板5の1以上の特定領域に向けることによって、局部的堆積が達成される。
【0038】
この実施形態では、溶媒は、必要とされる蒸発挙動を与えるように注意深く選択される。そして、発生されたエアゾール小滴は、狭い粒子サイズ分布を持ち、表面積の影響によって引き起こされる蒸発の変化を最小化する。
【0039】
この堆積装置は更に、少なくとも1つの追加相を、この実施形態では、第1の配送ユニット7によって発生されたホスト重合相のエアゾール小滴の流れ中に配送するための第2の配送ユニット8を備える。代替実施形態では、第2の配送ユニット8は、少なくとも1つの追加相を基板5の表面に直接配送するように構成され得る。
【0040】
この実施形態では、第2の配送ユニット8は、エアゾールを発生するためのエアゾール発生器を備える。このエアゾールは、1つの実施形態では少なくとも1つの追加相を含んだ超微細エアゾールである。
【0041】
この実施形態では、第2の配送ユニット8は、第1の配送ユニット7を中心として同軸的に配設され、第2の配送ユニット8によって配送される少なくとも1つの追加相が第1の配送ユニット7によって配送されるエアゾール小滴の流れ中に飛沫同伴されるようにする。しかし、第2の配送ユニット8は、任意の構成に配設され得る。例えば、第1の配送ユニット7から遠方に配設され、少なくとも1つの追加相が基板5の表面に直接配送されるようにする。
【0042】
この堆積装置は更に、第1の配送ユニット7の出口と基板ホルダ3との間に電圧を印加するための電圧供給源9を備えて、第1の配送ユニット7と基板ホルダ3とによって発生されたエアゾールの小滴を相対して帯電させるようにする。これにより、静電界が第1の配送ユニット7と基板ホルダ3との間に発生され、そしてエアゾール小滴が基板5の露出面に吸着される。基板5の露出面上にエアゾール小滴が堆積するに従い、堆積された小滴は、後続の小滴が、依然として露出状態にあり且つ堆積された小滴が最小密度である基板5中の領域に対して選択的に向けられるように作用する。このようにして、均一な厚みの薄膜が迅速に完成される。
【0043】
この堆積装置は更に、第1の基板ヒータ11を備える。このヒータは、この実施形態では、基板ホルダ3の後部に配設されて基板5を加熱するように作用し、基板5が高温に維持されるようにする。基板5の温度は、室温から重合材料の融点よりも高い温度まで任意の温度に維持され得る。
【0044】
代替実施形態では、基板5は、予熱され得る。
【0045】
基板5が重合材料の融点よりも高い温度にある場合、重合膜は、溶融物延伸によってその場所に形成される。代替実施形態では、基板5は、堆積中には重合材料の融点よりも低い温度にあり、そして後に熱処理され得る。図2(a)及び(b)は、本発明の小滴堆積及び溶融物延伸のメカニズムを説明するものである。
【0046】
この堆積装置は更に、第1の配送ユニット7の出口と基板ホルダ3との間の環境を少なくとも加熱するための第2の環境ヒータ15を備えて、少なくとも部分的に液体前駆体の溶媒を蒸発させる。
【0047】
この実施形態では、ヒータ11,15は、UV、プラズマ、抵抗又は誘導ヒータのいずれかであり得る。
【0048】
1つの実施形態では、環境は、エアゾール小滴が、基板5の表面に達する(この状態では溶媒の実質的に全てが蒸発されている)前に、半乾燥状態にされる温度に維持される。
【0049】
もう1つの実施形態では、環境は、エアゾール小滴が、基板5の表面に達する前に、完全に乾燥される温度に維持される。
【0050】
1つの実施形態では、環境は、小滴の重合材料が半溶解される温度に維持される。この温度は、基板5の表面への小滴の衝突時に、ある程度の延伸を許容するものである。
【0051】
もう1つの実施形態では、環境は、小滴が溶解される温度に維持される。この温度は、基板5の表面への小滴の衝突時に、有意な延伸を許容するものである。
【0052】
典型的に、温度は、室温から約300℃までの温度に維持される。
【0053】
この実施形態では、堆積装置は、開放された環境にある。
【0054】
もう1つの実施形態では、堆積装置は、閉じられたチャンバ内に収容され得る。これは、制御された環境内、例えば不活性ガス内での動作を可能にするためである。
【0055】
1つの実施形態では、堆積装置は、大気圧に維持される。
【0056】
もう1つの実施形態では、堆積装置は、大気圧に対して減少又は増加された圧力に維持される。
【0057】
以下、本発明は、例としてのみ、以下の非制限的実施例を参照して説明される。
【実施例1】
【0058】
ポリ(D,L−乳酸)膜の堆積
この実施例では、図3(a)及び(b)に示すように、高度に均一で円滑なポリ(D,L−乳酸)膜が得られた。
【0059】
【表1】

【実施例2】
【0060】
ポリテトラフロロエチレン(PTFE)膜の堆積
この実施例では、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)膜が、更なる熱処理なしに直接的に、並びに更なる熱処理を伴って間接的に得られた。図4(a)及び(b)は、小滴堆積後及び後続の熱処理後のSEM顕微鏡写真をそれぞれ示す。
【0061】
【表2】

【0062】
図5は、本発明の第2実施形態に係る堆積装置を模式的に示している。
【0063】
この実施形態の堆積装置は、上述した第1実施形態の堆積装置と非常に似ている。かくして、説明の不要な重複を避けるために、同様の符号で同様の部分を示しながら、違いだけが詳細に説明される。
【0064】
この実施形態の堆積装置が上述した第1実施形態の堆積装置と異なるのは、基板5が第1の配送ユニット7に対して移動させられる点であり、この実施形態では第1の配送ユニット7の前方に進められる。好ましい実施形態では、基板5は、シート、例えば金属シート又はプラスチックシート、あるいはファイバ、例えば光ファイバからなる。
【0065】
最後に、本発明は、その好ましい実施形態について説明されたが、添付された請求の範囲によって規定される発明の範囲から逸脱することなく、多くの異なる手法で変形され得る点は理解されるであろう。
【0066】
例えば、1つの実施形態では、堆積装置は、集束加熱ユニット、例えばレーザを有することができる。これは、基板5の表面の領域を選択的に加熱し、これにより基板5上に堆積された膜のパターニングを可能にするためである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1実施形態に係る堆積装置を模式的に示す。
【図2a】重合薄膜の制作時に図1の装置によって堆積された小滴の溶融物延伸を模式的に表す。
【図2b】重合薄膜の制作時に図1の装置によって堆積された小滴の溶融物延伸を模式的に表す。
【図3a】図1の装置によって堆積された実施例#1に係るPDLLA膜のSEM顕微鏡写真を示す。
【図3b】図1の装置によって堆積された実施例#1に係るPDLLA膜のSEM顕微鏡写真を示す。
【図4a】図1の装置によって堆積され更に熱処理された実施例#2に係るPTFE膜のSEM顕微鏡写真を示す。
【図4b】図1の装置によって堆積され更に熱処理された実施例#2に係るPTFE膜のSEM顕微鏡写真を示す。
【図5】本発明の第2実施形態に係る堆積装置を模式的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合膜を基板上に堆積するための装置であって、
重合材料と少なくとも1つの溶媒とからなる重合相を備えた液体前駆体のエアゾール小滴を含むエアゾールスプレーを基板に配送するための配送ユニットと、
エアゾール小滴が基板上に堆積する前に、少なくとも環境を加熱して少なくとも部分的に重合相の少なくとも1つの溶媒を蒸発させる加熱ユニットと、
配送ユニットと基板との間に静電界を発生すると共に、エアゾール小滴を静電的に帯電させてエアゾール小滴が静電的に基板に吸着されるようにするための静電界発生ユニットと
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
基板は、静止している請求項1に記載の装置。
【請求項3】
基板は、配送ユニットに対して移動される請求項1に記載の装置。
【請求項4】
基板は、配送ユニットの前方に進められる請求項3に記載の装置。
【請求項5】
基板は、ファイバ又はシートの1つである請求項4に記載の装置。
【請求項6】
基板は、導電性である請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
基板は、非導電性である請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
配送ユニットは、エアゾールスプレーを上に向けるように構成されている請求項1〜7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
配送ユニットは、少なくとも1つのエアゾール発生器を備える請求項1〜8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
重合相は、重合溶液を含む請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
重合相は、重合コロイドを含む請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
重合相は、重合懸濁を含む請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
液体前駆体は、少なくとも1つの追加相を更に備える請求項1〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記1つの配送ユニットによって配送される液体前駆体のエアゾールスプレー中に少なくとも1つの追加相を配送するための別の配送ユニットを更に備える請求項1〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記基板に少なくとも1つの追加相を配送するための別の配送ユニットを更に備える請求項1〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
別の配送ユニットは、エアゾール発生器を備える請求項14又は15に記載の装置。
【請求項17】
配送ユニット同士は、同軸関係に配設されている請求項14〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
追加相は、固体相である請求項13〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
固体相は、粒子、ファイバ又はチューブの少なくとも1つを含む請求項18に記載の装置。
【請求項20】
固体相は、ナノ構造である請求項18又は19に記載の装置。
【請求項21】
固体相は、サブナノ構造である請求項18又は19に記載の装置。
【請求項22】
追加相は、液体相として配送される請求項13〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
追加相は、気体相として配送される請求項13〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
追加相は、固体相に変態するものである請求項13〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
追加相は、重合材料、金属材料、セラミック材料、ガラス材料及びカーボン材料の少なくとも1つを含む請求項13〜24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
重合膜内で、追加相は、重合相に対する補強材として存在する請求項13〜25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
追加相は、着色又は蛍光材料の一方又は双方を含む請求項13〜26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
追加相は、化粧材料を含む請求項13〜27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
化粧材料は、1以上の精油を含む請求項28に記載の装置。
【請求項30】
加熱ユニットは、環境を加熱するように動作して、エアゾール小滴が基板上に堆積する前に、実質的に完全に重合相の少なくとも1つの溶媒を蒸発させる請求項1〜29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
加熱ユニットは、エアゾール小滴中の重合材料を少なくとも部分的に溶解する温度へ環境を加熱するように動作する請求項1〜30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
加熱ユニットは、エアゾール小滴中の重合材料が溶解される温度へ環境を加熱するように動作する請求項31に記載の装置。
【請求項33】
基板を加熱するための別の加熱ユニット更に備える請求項1〜32のいずれかに記載の装置。
【請求項34】
基板は、予熱される請求項1〜33のいずれかに記載の装置。
【請求項35】
基板は、エアゾール小滴中の重合材料の融点より低い温度へ加熱される請求項33又は34に記載の装置。
【請求項36】
基板は、エアゾール小滴中の重合材料の融点より高い温度へ加熱されて、重合膜が溶融物延伸によって得られるようにする請求項33又は34に記載の装置。
【請求項37】
重合膜は、約10μm未満の厚さを有する請求項1〜36のいずれかに記載の装置。
【請求項38】
重合膜は、約100nm未満の厚さを有する請求項37に記載の装置。
【請求項39】
基板に対し横方向に静電界を発生するための別の静電界発生ユニットを更に備えて、エアゾール小滴を基板の表面に静電的に案内する請求項1〜38のいずれかに記載の装置。
【請求項40】
重合膜を基板上に堆積する方法であって、
重合材料と少なくとも1つの溶媒とからなる重合相を備えた液体前駆体のエアゾール小滴を含むエアゾールスプレーを基板に配送する工程と、
エアゾール小滴が基板上に堆積する前に、少なくとも環境を加熱して少なくとも部分的に重合相の少なくとも1つの溶媒を蒸発させる工程と、
基板に向かって静電界を発生すると共に、エアゾール小滴を静電的に帯電させてエアゾール小滴が静電的に基板に吸着されるようにする工程と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項41】
基板は、静止している請求項40に記載の方法。
【請求項42】
基板は、配送ユニットに対して移動される請求項40に記載の方法。
【請求項43】
基板は、配送ユニットの前方に進められる請求項42に記載の方法。
【請求項44】
基板は、ファイバ又はシートの1つである請求項43に記載の方法。
【請求項45】
基板は、導電性である請求項40〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
基板は、非導電性である請求項40〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
エアゾールスプレーは、上に向けられている請求項40〜46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
重合相は、重合溶液を含む請求項40〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
重合相は、重合コロイドを含む請求項40〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
重合相は、重合懸濁を含む請求項40〜47のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
液体前駆体は、少なくとも1つの追加相を更に備える請求項40〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
液体前駆体のエアゾールスプレー中に少なくとも1つの追加相を配送する工程を更に備える請求項40〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記基板に少なくとも1つの追加相を配送するための工程を更に備える請求項40〜50のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
追加相は、固体相である請求項51〜53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
固体相は、粒子、ファイバ又はチューブの少なくとも1つを含む請求項54に記載の方法。
【請求項56】
固体相は、ナノ構造である請求項54又は55に記載の方法。
【請求項57】
固体相は、サブナノ構造である請求項54又は55に記載の方法。
【請求項58】
追加相は、液体相として配送される請求項51〜53のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
追加相は、気体相として配送される請求項51〜53のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
追加相は、固体相に変態するものである請求項51〜53のいずれかに記載の方法。
【請求項61】
追加相は、重合材料、金属材料、セラミック材料、ガラス材料及びカーボン材料の少なくとも1つを含む請求項51〜60のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
重合膜内で、追加相は、重合相に対する補強材として存在する請求項51〜61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
追加相は、着色又は蛍光材料の一方又は双方を含む請求項51〜62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
追加相は、化粧材料を含む請求項51〜63のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
化粧材料は、1以上の精油を含む請求項64に記載の方法。
【請求項66】
環境は、エアゾール小滴が基板上に堆積する前に、実質的に完全に重合相の少なくとも1つの溶媒を蒸発させるように加熱される請求項40〜65のいずれかに記載の方法。
【請求項67】
環境は、エアゾール小滴中の重合材料を少なくとも部分的に溶解する温度へ加熱される請求項40〜66のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
環境は、エアゾール小滴中の重合材料が溶解される温度へ加熱される請求項67に記載の方法。
【請求項69】
堆積中に基板を加熱する工程を更に備える請求項40〜68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
堆積前に基板を予熱する工程を更に備える請求項40〜68のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
基板は、エアゾール小滴中の重合材料の融点より低い温度へ加熱される請求項69又は70に記載の方法。
【請求項72】
基板は、エアゾール小滴中の重合材料の融点より高い温度へ加熱されて、重合膜が溶融物延伸によって得られるようにする請求項69又は70に記載の方法。
【請求項73】
重合膜は、約10μm未満の厚さを有する請求項40〜72のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
重合膜は、約100nm未満の厚さを有する請求項73に記載の方法。
【請求項75】
基板に対し横方向に静電界を発生する工程を更に備えて、エアゾール小滴を基板の表面に静電的に案内する請求項40〜74のいずれかに記載の方法。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−529772(P2008−529772A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554654(P2007−554654)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000511
【国際公開番号】WO2006/085114
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(500342709)ザ ユニバーシティ オブ ノッティンガム (7)
【Fターム(参考)】