説明

金型およびその製造方法

【課題】加飾部を有する金型の製造に要する時間や費用を低減できる金型の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】成形材料にレーザ光15を照射して成形材料を焼結させた焼結体30を金型本体13の表面に部分的に形成して、高さと表面粗さが金型本体13の表面とは異なる加飾部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形品に装飾効果を与える金型およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金型表面を加飾する金型およびその製造方法としては、文字、記号類や化粧線を入れたり、レーザ、布目模様や木目模様などの特殊な表面状態を施すしぼ加工などがある。
【0003】
一般に文字、化粧線や記号類などは、金型面に彫り込んで成形品面で突出させるのが普通である。また、しぼ加工を施す方法は、サンドブラストや化学エッチング法が一般的で、最近では写真製版技術を応用したフォトエッチング法、電鋳法や放電加工も行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図10は、前記特許文献1に記載された食器洗い乾燥機における加飾部の拡大図を示すものである。
内装用樹脂材の天面には、粗い第1凹凸部22が形成され、その粗い第1凹凸部22の表面に第1凹凸部22よりも細かい第2凹凸部23が形成されている。更に、その凹凸部23の表面に第2凹凸部23よりも細かい第3凹凸部24が形成されている。
【0005】
このような内装部材を製造するための金型の製造工程としては、金型のキャビティ内面で内装部材の天面に相当する面にエッチング処理を施すことで、上記第1凹凸部22に対応した第1凹凸を形成する。この第1段階のエッチング処理による凹形状の目標は、穴の径がΦ0.4〜0.7mm程度、深さが0.065〜0.075mm、穴の密度が約200±100個/cmとしている。
【0006】
続いて、上記第1凹凸を形成した面に対し、再度エッチング処理を施すことによって第2凹凸部23に対応した第2凹凸を形成する。この第2段階での凹形状の目標は、穴の径がΦ0.1〜0.2mm程度、深さが0.02〜0.03mm、穴の密度が約1500±500個/cmとしている。
【0007】
そのあと、上記第1,第2凹凸を形成した面に対しサンドブラスト加工を行い、第3凹凸部24に対応した第3凹凸を形成する。この第3段階での凹形状の目標は、穴の深さが0.008±0.003mm程度としている。
【特許文献1】特開2002−165743号公報(第6頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の金型の加飾部の製造方法では、しぼ等の微細な凹凸はエッチングやサンドブラストで行うため工程数が多く、特にエッチングでは廃液処理などの環境面の対応も必要になる。また、文字や記号の形成は機械彫刻で行うなど、目的によって加工方法が異なるため、加工装置も増えることになる。その結果、製造に要する時間や費用が大きくなるという課題を有していた。
【0009】
また、予め金型表面に所望の精度を機械加工にて形成した後に、金型表面をエッチングやサンドブラスト等の加工後に精密な表面精度を保つのが困難な加工方法で削るため、特に金型表面に凸形状の加飾部を形成するときは、加飾部を形成した金型の表面を高精度な平面度にすることは困難である。
【0010】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、加工工程や加工装置の台数を少なくし、また特別な環境対策も不要にすることで、製造に要する時間や費用を小さくし、表面精度の良い金型およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1記載の金型の製造方法は、成型品を加飾する加飾部を表面に有する金型を製造するに際し、金型本体の表面の成形材料の層にレーザ光を照射して前記成形材料を焼結させた焼結体を金型本体の表面に形成して高さと表面粗さが前記金型本体の表面とは異なる加飾部を形成することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2記載の金型の製造方法は、請求項1において、前記成形材料は金属粉末であり、その金属粉末の主成分は前記金型本体の材料の主成分を含有していることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3記載の金型の製造方法は、請求項1において、前記焼結体の金型界面部の焼結密度よりも表面側の焼結密度を小さくすることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の金型の製造方法は、請求項1において、前記焼結体の平面上の端部の形状を、前記レーザ光のスポット径に対応した円弧の一部を形状とすることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5記載の金型の製造方法は、請求項1において、前記焼結体を形成後にレーザ加工でその表面に凹凸を形成することを特徴とする。
本発明の請求項6記載の金型は、成型品を加飾する加飾部を表面に有する金型であって、金型本体の表面に部分的に、高さと表面粗さが前記金型本体の表面とは異なる焼結体が形成され、加飾部としての前記焼結体の表面の焼結密度が、前記金型表面の材料密度以下であることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項7記載の金型は、請求項6において、前記焼結体の焼結密度が85.0〜99.5%であることを特徴とする。
本発明の請求項8記載の金型は、請求項6において、前記加飾部表面の空隙の大きさが0.001〜1.0mmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この構成によると、加飾部の形成が金属粉末の塗布とレーザ焼結の2つの工程で済むだけでなく、しぼ加工や文字形成など異なる加飾を同じ加工装置で行え、また特別な環境対策も必要としないので、金型の製造に要する時間や費用を小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の金型の製造方法を具体的な実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は金型本体を光造形で形成する基本工程の模式図を示し、図2は金型本体に加飾部を形成する工程を示している。
【0018】
まず、金型本体の形成を説明する。
図1(a)に示すように昇降テーブル1の上に成形材料としての金属粉末2をスキージー3で所定の厚みに被覆する。昇降テーブル1は基準テーブル4の側面に沿って昇降するものであり、スキージー3は基準テーブル4の上面と同じレベルで水平方向に往復運動するようにしてある。従って、昇降テーブル1の上面と基準テーブル4の上面との間のΔtの段差に相当する厚みで金属粉末2の層を昇降テーブル1の上に形成できる。金属粉末2は、一例としては、鉄系のクロムモリブデン鋼とニッケルの2種類の粒子からなっている。
【0019】
この後、図1(b)に示すように、集光レンズ5で集光したレーザ光8を走査して、金属粉末2の層の必要な部分にのみにレーザ光8を照射することによって焼結して焼結体6aとする。
【0020】
次に、昇降テーブル1を、レーザ光8を照射した部分の金属粉末2の層Δtの寸法だけ下降させ、図1(c)に示すように、焼結体6aの上にスキージー3によって金属粉末2を供給する。
【0021】
次いで図1(d)に示すように、この金属粉末2の層の必要な部分にのみレーザ光8を照射して焼結し、焼結体6aの上に焼結体6bを一体に積層させる。この作業を繰り返すことで、一例として、図1(e)に示すような所定の厚さと形状の金型本体13を構成できる。なお、焼結体に高精度な寸法形状が求められる場合には、外周部を機械加工で仕上げても良い。
【0022】
このようにして形成された金型本体13が、図2では昇降テーブル1に、ボルト7で締結されている。昇降テーブル1は基準テーブル4の開口4aに向かって昇降できるように昇降機構11bによって駆動される。基準テーブル4には、金型本体13が配置されている開口4aに隣接して開口4bが設けられており、昇降テーブル12は昇降機構11aによって開口4bに向かって昇降駆動できる。
【0023】
昇降テーブル12の上には、成形材料である金属粉末2が充填されており、昇降機構11aによって昇降テーブル12を所定の高さに持ち上げることによって、開口4bから基準テーブル4の上面に適量の金属粉末2が押し出される。基準テーブル4の上面に押し出された適量の金属粉末2は、基準テーブル4の開口4bから開口4aに向かって移動するスキージー3によって掻きとって基準テーブル4の開口4bから開口4aに移送させる。
【0024】
基準テーブル4の開口4aから金属粉末2の供給を受ける側の昇降テーブル1は、基準テーブル4の上面よりも焼結層の1層の厚み分として0.05mmだけ下がった位置で停止することで、基準テーブル4の開口4bの上面より上に出た金属粉末2が、スキージー3の右側への移動によって基準テーブル4の上面に一致するように昇降テーブル1の上に供給される。
【0025】
ここで用いる金属粉末2は、金型本体13の材料として用いられる鉄系のクロムモリブデン鋼とニッケルの2種類の粒子から成り、粒径は0.02〜0.04mmで、平均粒径は約0.03mmである。金属粉末2の主成分は、金型本体13の主成分を含有した方が、金型本体13と焼結体が界面部で溶け合って接合強度が強くなり好ましい。
【0026】
このようにして昇降テーブル1の上に供給された金属粉末2のうちで、さらに、金型本体13の上に位置している金属粉末2の層のうちの、必要な部分にのみレーザ光15を照射して焼結する。
【0027】
パルスYAGレーザ発振器14から出射したパルス発振のレーザ光15は、コリメータ16によってビーム径などを調整され、さらにガルバノ走査装置17および集光レンズ5によって所定の場所に誘導して照射され、金属粉末2を焼結させる。レーザ発振器は、炭酸ガスレーザ発振器でも良い。
【0028】
金属粉末2が焼結体の最表面に被覆された状態を、図3に拡大した模式図として示す。金型本体13の表面に厚さ0.05mmの焼結体18が1層形成され、その上に金属粉末2の構成粒子であるクロムモリブデン鋼粒子19とニッケル粒子20が被覆されている。被覆の厚さが0.05mmで、粒子の平均粒径は0.03mmなので、粒子はおよそ2個ずつ並んでいる。これにレーザ光15を照射して焼結し、焼結体18を形成する。そして、この工程を必要な回数だけ繰り返すことによって、所定数の焼結体18を積層一体化し、加飾部を形成する。金属粉末2の塗布厚さは更に大きくても良いが、実用的なレーザ出力の限界から0.06mmよりも厚くすると十分な強度の焼結体18を形成することが困難になる。
【0029】
図4は、図3のようにして焼結体18の形成を繰り返して積層することで金型本体13の表面に部分的に焼結体30を形成している焼結時の模式図である。
各レーザ照射条件では、焼結体18がその下の焼結体18あるいは金型本体13の表面と十分な強度で接合されていることが必要である。焼結状態はレーザ照射条件により変化させることができ、その因子には、レーザ光パルスの照射エネルギーとスポット径から決まるエネルギー密度、パルス幅、そして走査位置の送り量あるいは走査速度と発振周波数から決まるレーザ・スポットのオーバーラッピング率がある。ビームスポット径0.5mm、パルス幅3.0ms、走査速度18mm/s、発振周波数90Hzとし、加工点のエネルギー密度が9J/mmで焼結密度99%、2J/mmで焼結密度96%、0.9J/mmで焼結密度92%がそれぞれ得られた。エネルギー密度を更に小さくすれば焼結密度も小さくなり、加工点のエネルギー密度が0.5J/mmで焼結密度85.0%が得られたが、あまりエネルギー密度が小さいと焼結個所の結合強度が小さくなり、成形条件によっても異なるが金型として使用に耐えなくなる。また、エネルギー密度9J/mmで走査速度を15mm/sにすると焼結密度は99.5%が得られた。
【0030】
ここまでの説明では金型本体13を光造形で形成するものだけを説明したが、金型本体13を切削などで形成した場合も同様に実施できる。
図5(a)は通常の鋼材から製作した金型本体13に加飾用の焼結体を形成した場合の界面状態を示す断面の模式図である。図5(b)は金属光造形で製作した金型本体13に加飾用の焼結体を形成した場合の界面状態を示す断面の模式図である。
【0031】
図5(a)において、密度100%の鋼材40から製作された金型本体13と焼結体との十分な接合力を確保するために、界面の焼結体41の焼結密度は99%とした。また、焼結体41の上には更に焼結体42,43が形成されているが、加飾の仕様により表面を荒らしたければ焼結体43の焼結密度を小さくすれば良い。
【0032】
また図5(b)において、金属光造形で製作された金型本体13は、表面強度を上げるために表面の焼結体44の焼結密度が99%、内部側では反り変形を軽減するために焼結体45,46の焼結密度はそれぞれ96%と92%で順に小さく製作されている。この一体化された焼結体30の製作過程は図5(a)と同じである。
【0033】
したがって、図5(a)と図5(b)では、加飾部表面の焼結密度は加飾部以外の金型本体13の表面の材料密度以下となる。
図6は金型本体13の表面上に形成された文字の模式図で、図6(a)と図6(b)はそれぞれ上面図と側面図である。ここではスポット径0.5mm、エネルギー密度9J/mmのレーザ光を一筆書きで走査して「N」という焼結体文字31を形成した。焼結体文字31の表面に空隙が形成されにくいように、レーザ強度を高くし焼結密度が高くなる条件を選択した。また、焼結体文字31の金型中央側では、スポット径に対応した半円部31aが残る。焼結部の幅が大きい場合は、文字の角にスポット径に対応した円弧の一部が残る。円弧の一部を残したくなければ、除去するための代となる部分を形成し、後から機械加工で形状を仕上げれば良い。金型上で凸の文字、すなわち成形品側が凹の文字になるような加工をする場合、焼結体18を積み上げる工法であれば少ない加工量で済むが、従来のように削り込む工法であれば加工量はかなり多くなり費用や時間を要する。
【0034】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2を示す。
図7(a)と図7(b)は加飾部としてのしぼ加工部が形成された金型本体13の上面図と側面図で、金型本体13の表面に塗布した金属粉末2の所定の位置に、スポット径0.5mm、エネルギー密度9J/mmのレーザ光を照射した。その結果、径が同じ円形焼結体32を任意の位置や分布で形成できる。加工用のレーザ光は波長や光学系の構成を選定することで、工業的にはスポット径を最小径0.03mm程度まで絞ることができ、最大径は1mm程度までの焼結体32の形成が可能である。円形以外や更に大きな形状が必要なら面状にレーザ走査をし、高さを高くしたければ金属粉末2の塗布とレーザ焼結を繰り返せば良い。
【0035】
(実施の形態3)
図8は本発明の実施の形態3を示す。
図8(a)と図8(b)は加飾部としてのしぼ加工部が形成された金型本体13の上面図と側面図で、この実施の形態では、各照射位置に応じてレーザ発振器の出力を電気的に不規則に変更させ、これによってレーザ光15のエネルギー密度は照射位置に応じて変化する。
【0036】
これによって、結果的に金型本体13上に形成された面状の焼結体33の焼結密度を変えることができる。つまり、形、大きさや分布の異なる空隙34を形成することで、焼結体33の表面の凹凸形状を変化させることができる。焼結密度が低いほど、空隙は大きく、数も多くなる。
【0037】
また、図8に模式的に示したように空隙の形は矩形や細長いものなど一つ一つが異なり、大きさはエネルギー密度9J/mmでは0.001mmから0.08mm程度、エネルギー密度0.9J/mmでは0.3〜0.6mm程度である。すなわち、焼結密度の違いによって0.001〜1.0mmの大きさの空隙が形成される。
【0038】
この金型を使用して樹脂成形することによって、成型品に0.001mm以下の凹凸の転写も可能であり、金型の表面に形成されている焼結体33の表面のさまざまな凹凸形状が、成型品に転写される。
【0039】
なお、すでに図4で述べたように、表面の凹凸を大きくするために、しぼ加工面の焼結密度を小さくすると結合強度も小さくなるため、しぼ加工面の使用寿命は短くなるが、面状の焼結体33を形成後に焼鈍すると焼結層内の結合力が高くなる。例えば、Fe原子の拡散が盛んになる600〜800℃で1時間以上焼鈍すれば、結合力も上がる。また、窒化など表面硬化処理を行えば、表面硬度が高くなって寿命は一層長くなる。
【0040】
なお、上記の各実施の形態において、図1の工程で使用するエネルギー源としてのレーザー光と図2以降で図8までの工程で使用するエネルギー源としてのレーザー光は、単一のレーザ発振器の出力を調整して使用でき、焼結と加飾を同一の装置で金型の表面に施すことができる。
【0041】
(実施の形態4)
図9は本発明の実施の形態4を示す。
ここでは、面状の前記焼結体33にパルス・レーザ光をパルス幅0.1ms、エネルギー密度10J/mmで再照射している。
【0042】
これによると、焼結時よりもパワー密度が高いため除去加工が起こり、レーザ光15のスポット径の大きさに対応して表面に半球状の凹部35を形成できる。図7でも述べたように、加工用のレーザ光は最小径0.03mm程度まで絞ることが出来、最大径は1mm程度までの穴形状の形成が可能である。空隙やレーザ・スポット径に依存して形成される凹部35の最大径は1mmであるが、より大きな径や深い凹部を形成したければ、レーザ光を走査したり、深さ方向の照射時間を長くすれば良い。
【0043】
図9の再加熱用のエネルギー源としてのレーザ光は、それまでの加工に登場したレーザ発振器の出力を調整して使用でき、焼結と加飾を同一の装置で金型の表面に施すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の金型およびその製造方法は、表面に加飾するための加飾部を有する金型の製造に要する時間や費用を小さくすることができ、金型以外の金属部品一般の表面装飾等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態1に使用する金型本体を金属光造形で製作する場合の工程図
【図2】同実施の形態において金型本体の表面に加飾用の焼結体を形成する焼結体形成装置の構成図
【図3】同実施の形態において金属粉末が焼結体の最表面に被覆された状態を拡大した模式図
【図4】同実施の形態において金型本体の表面に部分的に加飾用の焼結体を形成して焼結中の模式図
【図5】(a)鋼材から製作した金型本体に加飾用の焼結体を形成した場合の界面状態を示す断面の模式図と、(b)金属光造形で製作した金型本体に加飾用の焼結体を形成した場合の界面状態を示す断面の模式図
【図6】(a)金型本体の表面上に形成された文字の模式図と、(b)その側面図
【図7】本発明の実施の形態2において、(a)しぼ加工部が形成された金型本体の上面図と、(b)その側面図
【図8】本発明の実施の形態3において、(a)しぼ加工部が形成された金型本体の上面図と、(b)その側面図
【図9】本発明の実施の形態4において形成した焼結体の表面にレーザを再照射して凹凸を形成する模式図
【図10】従来の加飾部の拡大図
【符号の説明】
【0046】
1 昇降テーブル
2 金属粉末(成形材料)
3 スキージー
4 基準テーブル
4a,4b 基準テーブル4の開口
5 集光レンズ
8 レーザ光
6a,6b 焼結体
7 ボルト
11a,11b 昇降機構
12 昇降テーブル
13 金型本体
14 パルスYAGレーザ発振器
15 レーザ光
16 コリメータ
17 ガルバノ走査装置
18 焼結体
19 クロムモリブデン鋼粒子
20 ニッケル粒子
30 焼結体
31 焼結体文字
31a 半円部
32 円形焼結体
33 面状の焼結体
34 空隙
35 半球状の凹部
40 鋼材
41,42,43 焼結体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成型品を加飾する加飾部を表面に有する金型を製造するに際し、
金型本体の表面の成形材料の層にレーザ光を照射して前記成形材料を焼結させた焼結体を金型本体の表面に形成して高さと表面粗さが前記金型本体の表面とは異なる加飾部を形成する
金型の製造方法。
【請求項2】
前記成形材料は金属粉末であり、その金属粉末の主成分は前記金型本体の材料の主成分を含有していることを特徴とする
請求項1記載の金型の製造方法。
【請求項3】
前記焼結体の金型界面部の焼結密度よりも表面側の焼結密度を小さくすることを特徴とする
請求項1記載の金型の製造方法。
【請求項4】
前記焼結体の平面上の端部の形状を、前記レーザ光のスポット径に対応した円弧の一部を形状とすることを特徴とする
請求項1記載の金型の製造方法。
【請求項5】
前記焼結体を形成後にレーザ加工でその表面に凹凸を形成することを特徴とする
請求項1記載の金型の製造方法。
【請求項6】
成型品を加飾する加飾部を表面に有する金型であって、
金型本体の表面に部分的に、高さと表面粗さが前記金型本体の表面とは異なる焼結体が形成され、加飾部としての前記焼結体の表面の焼結密度が、前記金型表面の材料密度以下であることを特徴とする
金型。
【請求項7】
前記焼結体の焼結密度が85.0〜99.5%であることを特徴とする
請求項6記載の金型。
【請求項8】
前記加飾部表面の空隙の大きさが0.001〜1.0mmであることを特徴とする
請求項6記載の金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−189956(P2008−189956A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23614(P2007−23614)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】