説明

金属分散液及びその製造方法並びにそれを用いて形成した電極、配線パターン、塗膜、その塗膜を形成した装飾物品

【課題】トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の表面張力の小さい低極性非水溶媒中で分散安定性に優れた高濃度の金属分散液を提供する。
【解決手段】メルカプトカルボン酸及び/又はその塩を粒子表面に有する金属粒子と4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩等のカチオン系界面活性剤とを低極性非水溶媒を含む溶媒に混合して、金属粒子の表面に付着したメルカプトカルボン酸を静電的に中和することにより、金属粒子を低極性非水溶媒に分散させる。このような金属分散液は、塗装適性に優れており、広範囲の塗装方法に適用でき、電極、配線パターン、塗膜、装飾物品等を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属粒子を配合した金属分散液及びその製造方法、並びに、それを用いて形成した電極、配線パターン、塗膜、更にはその塗膜を形成した装飾物品に関する。
【背景技術】
【0002】
金属粒子を配合した金属分散液は、金属粒子を溶媒に分散し、必要に応じてバインダーや分散剤、粘度調整剤などの添加剤を更に配合した、一般にコーティング剤、塗料、ペースト、インキなどの組成物を含む総称である。このような金属分散液は、その金属粒子の性質を活用して、例えば電気的導通を確保するため、あるいは帯電防止、電磁波遮蔽又は金属光沢を付与するためなどの種々の用途に用いられている。しかも、近年になって、配合する金属粒子として、平均粒子径が1〜100nm程度の金属コロイド粒子が用いられるようになり、その用途は多方面に拡大している。具体的には、金属コロイド粒子の高い導電性を活用して、ブラウン管、液晶ディスプレイ等の透明性部材の電磁波遮蔽に適用されている。また、ナノマテリアルである金属コロイド粒子を用いて、微細な電極、回路配線パターンを形成する技術が提案されている。これは、金属コロイド粒子を配合した金属分散液を、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の手法で基板上に電極や回路配線のパターンを塗布した後、比較的低温で加熱して金属コロイド粒子を融着させるもので、特に、プリント配線基板の製造に応用されつつある。更に、金属コロイド粒子は穏やかな加熱条件下においても容易に粒子の融着が進行し金属光沢が発現するため、簡便な鏡面の作製技術が、意匠・装飾用途において注目されている。
【0003】
このような金属分散液としては、例えば、金属コロイド粒子の表面に低分子量の硫黄化合物を付着させ、分散媒に分散させた金属コロイド粒子分散液(特許文献1参照)や、金属コロイド粒子の水性分散液と非水溶媒とを界面活性剤の存在下で接触させ、水溶性塩類を添加して金属コロイド粒子を非水溶媒中に移動させた後、水性相を分離することで得られる金属コロイド粒子の非水溶媒系分散液(特許文献2参照)等が知られている。
【0004】
【特許文献1】WO2002/13999パンフレット
【特許文献2】特開平5−271718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の金属分散液は、低分子量の硫黄化合物を保護剤として用いているので、水性溶媒中では金属粒子は高度の分散安定性を有するが、トルエン、ベンゼン等の極性の小さい非水溶媒中では十分な分散安定性が得られ難い。水性溶媒では表面張力が大きいため用いることのできる塗装機がスピンコーターなどの一部の機器に限定されてしまい、このため、水性溶媒に表面張力の小さい非水溶媒を添加して塗装性の改良を図っているが十分ではない。また、硬化性樹脂成分等を配合する場合には、水性溶媒に溶解し易い樹脂成分等を用いる必要があるなど種類の制限を生じ易い。一方、特許文献2記載の技術では、分散媒に非水溶媒を、特に低極性非水溶媒を用いることができるが、分散安定性は未だ不十分であるという問題がある。また、高濃度化が難しく、樹脂成分等の配合量などにも制限を受ける。
そこで、広範囲の塗装方法に適用できる表面張力の小さい低極性非水溶媒中で分散安定性に優れた金属分散液が求められており、また、樹脂成分等の配合量を任意に設計し易くするためにも、高濃度の金属分散液が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特許文献1記載の金属粒子の表面に付着したメルカプトカルボン酸及び/又はその塩は、解離して電気的に陰性となるので低極性非水溶媒には分散し難くなるが、メルカプトカルボン酸をカチオン系界面活性剤によって静電的に中和することにより、金属粒子を低極性非水溶媒に分散させることができること、このものは塗装適性に優れていることなどを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、(1)少なくとも、メルカプトカルボン酸及び/又はその塩を粒子表面に有する金属粒子、カチオン系界面活性剤及び低極性非水溶媒を含むことを特徴とする金属分散液であり、また、(2)メルカプトカルボン酸及び/又はその塩を粒子表面に有する金属粒子及びカチオン系界面活性剤を低極性非水溶媒を含む溶媒に混合して分散させることを特徴とする金属分散液の製造方法であり、(3)前記の(1)、(2)の金属分散液を用いて形成されることを特徴とする電極、配線パターン又は塗膜であり、(4)前記の(3)の塗膜を形成したことを特徴とする装飾物品である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の金属分散液は従来のものに比べて、低極性非水溶媒中でも金属粒子を高濃度で分散安定化させることができ、使用目的に応じて、樹脂成分等を配合して塗料、インキ、ペースト等の組成を任意に設計できる。また、塗装適性にも優れており、インクジェット塗装、スプレー塗装等広範囲の塗装方法に適用できる。
本発明の金属分散液は、電気的導通を確保する材料、帯電防止、電磁波遮蔽、金属光沢を付与する材料などに用いられ、特に、塗膜の導電性を活用したプリント配線基板等の微細電極及び回路配線パターンの形成、塗膜の鏡面を活用した意匠・装飾用途に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、少なくとも、メルカプトカルボン酸及び/又はその塩を粒子表面に有する金属粒子、カチオン系界面活性剤及び低極性非水溶媒を含むことを特徴とする金属分散液である。金属粒子の粒子表面に有するメルカプトカルボン酸及び/又はその塩は溶媒中で解離して電気的に陰性となっており、そのメルカプトカルボン酸イオンの一部あるいは全部とカチオン系界面活性剤が静電的に結合していると低極性非水溶媒中に金属粒子が分散安定性を保持できるので好ましい。本発明では、金属粒子を低極性非水溶媒に高濃度に分散することができ、具体的には金属粒子の濃度を10重量%以上にすることができ、15重量%以上にも調整することができる。金属粒子の配合量の上限値は、使用目的に応じて適宜設定される。例えば、電極材料用途における金属粒子の配合量の上限値は、90重量%程度が可能であり、85重量%が好ましく、80重量%がより好ましい。装飾用途においてはコストの面から、より低濃度の金属粒子を用いて鏡面を呈する塗膜が得られることが望ましく、その配合量は50重量%以下であれば良く、20重量%以下であればより好ましく、15重量%以下であれば更に好ましい。メルカプトカルボン酸及び/又はその塩は金属粒子100重量部に対し、0.01〜50重量部程度の範囲で存在していれば、所望の効果が得られるので好ましく、更に好ましい範囲は0.05〜20重量部程度である。カチオン系界面活性剤は金属粒子100重量部に対し0.01〜50重量部の範囲であれば所望の効果が得られるので好ましく、この範囲より少なすぎると本発明の効果が得られ難いため好ましくなく、多すぎると電極材料用途では導電性を阻害し、装飾用途では白濁などを生じ仕上り外観が低下する場合があるので好ましくない。より好ましい範囲は、0.05〜20重量部である。本発明の金属分散液は、一般に分散体、コーティング剤、塗料、ペースト、インキ、インクなどと称される組成物を包含する。
【0010】
次に、本発明の金属分散液に配合する各成分について説明する。
(1)金属粒子
本発明で用いる金属粒子は、その構成成分、粒子径等には特に制限はなく、用途に応じて適宜選択することができる。構成成分としては、1種の金属であっても、合金にしたり積層するなど2種以上の金属で構成されても良い。その金属成分としては周期表VIII族(鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金)及びIB族(銅、銀、金)からなる群より選ばれる少なくとも1種であれば、導電性が高いので好ましく、中でも銀、金、白金、パラジウム、銅は特に導電性が高くより好ましく、電極、回路配線パターン形成用の金属分散液に用いるには、導電性とコストのバランスから銀又は銅が特に好ましい。また、金属粒子には、製法上不可避の酸素、異種金属等の不純物を含有していても良く、あるいは、金属粒子の急激な酸化防止のために必要に応じて予め酸素、金属酸化物やメルカプトカルボン酸以外の有機化合物などが含まれていても良い。金属粒子の粒子径は、入手し易いことから1nm〜10μm程度の平均粒子径を有する金属粒子を適宜用いるのが好ましく、1nm〜1μm程度の平均粒子径の金属粒子がより好ましく、多方面の用途に用いることができることから1〜100nm程度の平均粒子径を有する金属コロイド粒子が更に好ましく、より微細な電極、回路配線パターンを得るためには、5〜50nmの範囲の平均粒子径を有する金属コロイド粒子を用いるのが更に好ましい。本発明では1種の金属粒子を用いても良いし、2種以上の金属粒子を混合して用いても良く、例えば平均粒子径が異なる2種以上の金属粒子、構成成分が異なる2種以上の金属粒子を混合して用いても良い。
【0011】
(2)メルカプトカルボン酸及び/又はその塩
メルカプトカルボン酸及び/又はその塩は、分子内に硫黄元素とカルボキシル基とを含む有機化合物である。本発明では、この硫黄元素が金属粒子と化学結合しているものと考えられるが、メルカプトカルボン酸及び/又はその塩が金属粒子表面に吸着又は沈着した状態にあっても良く、一部が化学結合し残部が吸着、沈着した状態でも良い。後述するように、水性溶媒中で金属粒子を生成させるのであれば、低分子量のものを用いると金属粒子の分散性を向上させる効果が高いので好ましく、分子量が200以下であれば好ましく、180以下であればいっそう好ましい。そのようなメルカプトカルボン酸として、例えば、メルカプトプロピオン酸(分子量106)、メルカプト酢酸(同92)、チオジプロピオン酸(同178)、メルカプトコハク酸(同149)、ジメルカプトコハク酸(同180)、チオジグリコール酸(同150)、システイン(同121)等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。中でも、メルカプトプロピオン酸の効果が高く好ましい。また、メルカプトカルボン酸の塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
【0012】
(3)カチオン系界面活性剤
カチオン系界面活性剤は、水性溶媒中で解離して電気的に陽性を示す部分が、界面活性能を有する化合物であり、例えば、(1)4級アンモニウム塩((a)脂肪族4級アンモニウム塩([RN(CH、[RR'N(CH、[RR'R''N(CH)]、[RR'R''R'''N]等:ここでR、R'、R''、R'''は同種又は異種のアルキル基を、XはCl、Br、I等のハロゲン原子を表す、以下同じ)、(b)芳香族4級アンモニウム塩([RN(CHAr)]、[RR'N(CHAr)等:ここでArはアリール基を表す)、(c)複素環4級アンモニウム塩(ピリジニウム塩([CN−R])、イミダゾリニウム塩([R−CN(CNR'R'')C)等)、(2)アルキルアミン塩(RHNY、RR'HNY、RR'R''NY等:ここでYは有機酸、無機酸等を表す)が挙げられ、これらを1種用いても2種以上用いても良い。具体的には、脂肪族4級アンモニウム塩としては、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリステアリルメチルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム等が挙げられる。芳香族4級アンモニウム塩としては、塩化デシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。複素環4級アンモニウム塩としては、塩化セチルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリウム等が挙げられる。アルキルアミン塩としては、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヤシ油アミン、ジオクチルアミン、ジステアリルアミン、トリオクチルアミン、トリステアリルアミン、ジオクチルメチルアミン等を塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸や、酢酸等のカルボン酸等で中和した中和生成物が挙げられる。あるいは、金属粒子表面のメルカプトカルボン酸及び/又はその塩とアルキルアミンを反応させて得られる中和生成物を、アルキルアミン塩として用いても良い。4級アンモニウム塩の中では、特に炭素数が8以上のアルキル基又はベンジル基を少なくとも1個有しているものが好ましく、そのような4級アンモニウム塩としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(アルキル基の炭素数:18)、塩化オクチルトリメチルアンモニウム(同:8)、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(同:12)、塩化セチルトリメチルアンモニウム(同:16)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(同:16)、臭化テトラオクチルアンモニウム(同:8)、塩化ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム(同:14)、塩化ジステアリルジメチルベンジルアンモニウム(同:18)、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム(同:18)、塩化ベンザルコニウム(同:12〜18)が挙げられる。また、アルキルアミン塩のアルキルアミンの中でも、炭素数が8以上のアルキル基を少なくとも1個有しているものが好ましく、そのようなアルキルアミンとしては、オクチルアミン(同:8)、ラウリルアミン(同:12)、ステアリルアミン(同:18)、ジオクチルアミン(同:8)、ジラウリルアミン(同:12)、ジステアリルアミン(同:18)、トリオクチルアミン(同:8)、トリラウリルアミン(同:12)が挙げられる。
【0013】
(4)低極性非水溶媒
低極性非水溶媒とは、誘電率が10以下のものを言い、公知の化合物を用いることができる。具体的には、(1)芳香族化合物(トルエン(誘電率2.2)、ベンゼン(同2.3)、キシレン(同2.3)、エチルベンゼン(同2.4)、クメン(同2.4)等)、(2)炭化水素化合物(ノルマルヘキサン(同2.0)、シクロヘキサン(同2.0))、(3)エステル化合物(酢酸エチル(同6.0)、酢酸プロピル(同6.0)、酢酸ブチル(同5.0)等)、(3)エーテル化合物(ジエチルエーテル(同4.3)、テトラヒドロフラン(同7.5)、ジオキサン(同2.2)、エチレングリコールジエチルエーテル(同5.1)等)(4)ハロゲン化炭化水素化合物(四塩化炭素(同2.2)、クロロホルム(同4.8)、塩化メチレン(同9.1)等)が挙げられる。これらから選ばれる1種を用いても2種以上を用いても良い。低極性非水溶媒の中では、芳香族化合物はより高濃度の金属分散液が得られ易く、塗料、インキ、ペースト等として用いた場合にも汎用性が高く好ましい溶媒であり、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン及びクメンから選ばれる少なくとも一種が好ましい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、アルコール、有機酸、ケトン化合物等の高極性非水溶媒が含まれていても良い。
【0014】
(5)その他の成分
本発明の金属分散液には、前記の金属粒子、低極性非水溶媒、カチオン系界面活性剤の他に、その他の前記溶媒、硬化性樹脂、増粘剤、可塑剤、防カビ剤、非界面活性型分散剤等を、必要に応じて適宜配合することもできる。硬化性樹脂は、塗布物と基材との密着性を一層向上させることができる。硬化性樹脂としては、低極性非水溶媒に対する溶解型、エマルジョン型、コロイダルディスパージョン型等を制限なく用いることができる。また、硬化性樹脂の樹脂種としては、公知のタンパク質系高分子、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、セルロース等を制限無く用いることができる。硬化性樹脂成分の配合量は、金属粒子100重量部に対し0.01〜10重量部程度の範囲が好ましく、より好ましい範囲は0.01〜8重量部程度であり、0.01〜5重量部程度であれば更に好ましい。
【0015】
次に、本発明は、メルカプトカルボン酸及び/又はその塩を粒子表面に有する金属粒子とカチオン系界面活性剤とを低極性非水溶媒を含む溶媒に混合して分散させることを特徴とする金属分散液の製造方法である。金属分散液に分散する金属粒子は公知の方法を用いて製造することができる。具体的には、(1)金属を真空中で蒸発させて、気相中から金属粒子を凝結させる方法、(2)金属化合物溶液に還元剤を添加して、液相中から金属粒子を析出させる方法などを用いることができる。(2)の方法では廉価に金属コロイド粒子が得られるため、より好ましい方法である。(2)の方法において、金属粒子を製造するための原料である金属化合物は、例えば、前記金属の塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩等を用いることができる。金属化合物を溶解する溶媒には、水又はアルコール等の有機溶媒、あるいはこれら2種以上の混合溶媒を用いることができ、取り扱い易さや経済性の点で水を用いるのが特に好ましい。金属化合物の溶媒中の濃度は、金属化合物が溶解する範囲であれば特に制約はないが、工業的には5ミリモル/リットル以上とすることが好ましい。金属化合物が水に難溶のものであれば、金属成分と可溶性の錯体を形成する塩素イオンやアンモニア等を含む化合物を加えて用いることもできる。
【0016】
液相での反応に用いる還元剤としては公知のものを用いることができ、例えば、(1)ヒドラジン又はその水和物、(2)ヒドラジン系化合物(例えば、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン等)、(3)アルデヒド類((a)脂肪族アルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド等)、(b)芳香族アルデヒド類(例えば、ベンズアルデヒド等)、(c)複素環式アルデヒド類等)、(4)アミン類((a)1級アミン類(例えば、ブチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン等)、(b)2級アミン類(例えば、ジブチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン等)、(c)3級アミン類(例えば、トリブチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等)等)、(5)アミノアルデヒド類(例えば、アミノアセトアルデヒド等)、(6)アルカノールアミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、(7)還元糖(例えば、ショ糖、トレパース、マルトース、ラクトース等)、(8)水素化合物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム等)、(9)低次無機酸素酸(例えば、亜硫酸、亜硝酸、次亜硝酸、亜リン酸、次亜リン酸等)及びその水化物(例えば、亜硫酸水素)又はそれらの塩(例えば、ナトリウム等のアルカリ金属塩)等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いても良い。還元反応は任意の温度で行うことができ、水性溶媒中で行う場合には、5〜90℃の範囲の温度であれば、反応が進み易いので好ましい。還元剤の添加量は金属に還元できる範囲であれば適宜設定することができ、金属化合物1モルに対して、0.2〜50モルであることが好ましい。添加量が0.2モル未満では還元反応が十分に進行し難いため好ましくなく、50モルを超えると生成した金属粒子の分散が不安定になり易いため好ましくない。
【0017】
金属粒子の表面に、メルカプトカルボン酸及び/又はその塩を存在させるには、金属粒子を分散した溶媒中にメルカプトカルボン酸及び/又はその塩を添加し混合するか、あるいは、前記の金属化合物と還元剤とを液相中で反応させる際にメルカプトカルボン酸及び/又はその塩を存在させても製造することができる。後者の方法では還元反応の際にメルカプトカルボン酸及び/又はその塩が存在しており、より高度に分散した金属粒子が得られ、特に微細な金属コロイド粒子が得られるため好ましい方法である。このことから、金属化合物とメルカプトカルボン酸及び/又はその塩とを溶媒に溶解した溶液と、還元剤とを混合して還元する方法、金属化合物とメルカプトカルボン酸及び/又はその塩とを溶媒に溶解した溶液に、還元剤を添加して還元する方法などがより好ましい方法である。本発明では、WO2002/13999パンフレットに開示される方法を用いることが特に好ましい。この方法は、メルカプトカルボン酸及び/又はその塩等の硫黄化合物の存在下、分散媒中で金属化合物を還元して粒子表面に硫黄化合物を有する金属粒子を生成させる第一の工程、溶媒のpHを5以下にし、生成した金属粒子を凝集させてろ別する第二の工程、ろ別した金属粒子をpHが8〜14の分散媒中に再分散させる第三の工程からなるものである。この方法では、ろ別した金属コロイド粒子は常法により洗浄することができ、可溶性塩類や残存する還元剤を十分に除去でき、また、再分散時に分散液の濃度を任意に設定できる。pH調整には、塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩、アンモニア等のアンモニウム化合物、アミン類等を用いることができ、酸性化合物としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸等を用いることができる。
【0018】
このようにしてメルカプトカルボン酸及び/又はその塩を粒子表面に有する金属粒子を製造した後、カチオン系界面活性剤と低極性非水溶媒を含む溶媒と混合し、金属粒子を低極性非水溶媒に分散させて金属分散液を製造する。混合方法としては湿式混合機を用い、例えば、撹拌機、らせん型混合機、リボン型混合機、流動化型混合機等の固定型混合機、円筒型混合機、双子円筒型混合機等の回転型混合機などを用いることができる。また、混合の前に必要に応じて、圧縮粉砕型、衝撃圧縮粉砕型、せん断粉砕型、摩擦粉砕型等の粉砕機を用いて、金属粒子を粉砕しても良く、また、粉砕の際に同時に混合しても良い。粉砕機としては例えば、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、コロイドミル等の湿式粉砕機を好適に用いることができる。分散が不足している場合には、超音波分散機等の分散機を用いても良い。
具体的には、メルカプトカルボン酸及び/又はその塩を存在した金属粒子を得た後、(A)溶媒中から金属粒子を固液分離し、必要に応じて洗浄し、カチオン系界面活性剤と低極性非水溶媒を含む溶媒に混合する方法、(B)メルカプトカルボン酸及び/又はその塩を存在した金属粒子の溶媒中にカチオン系界面活性剤を添加し、次いで、固液分離し、必要に応じて洗浄した後、低極性非水溶媒を含む溶媒に前記の金属粒子を混合する方法、(C)溶媒中から固液分離した金属粒子とカチオン系界面活性剤を水性溶媒に混合させた後、再度固液分離し、必要に応じて洗浄し、次いで、低極性非水溶媒を含む溶媒に前記の金属粒子を混合する方法、あるいは、(D)前記金属粒子を生成させた溶媒と、この溶媒と相溶性を有さない低極性非水溶媒とを接触させ溶媒交換し、カチオン系界面活性剤は前記金属粒子を含む溶媒及び/又は低極性非水溶媒中に添加する方法などにより、所望の金属分散液を得る。特に、(A)〜(C)の方法は、大量生産に適するので工業的に好ましい。(A)〜(C)の方法を用いる場合、それぞれの固液分離には、吸引ろ過、限外ろ過、遠心分離等を適宜選択して用い、混合の際には、必要に応じてサンドミル、コロイドミル等の湿式粉砕機や超音波分散機等の分散機を用いても良い。混合の前には、金属粒子を乾燥して残留した水分を除去することが好ましく、酸化され易い金属種によっては、比較的低い温度で時間をかけて真空乾燥するか、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気中で加熱するのが好ましい。固液分離した金属粒子は(A)のように、直ちに低極性非水溶媒を含む溶媒に分散させても良く、カチオン系界面活性剤は、分散時に添加しても、予め低極性非水溶媒を含む溶媒に混合しておいても良い。また、(B)、(C)の方法では、固液分離によりカチオン系界面活性剤に含まれている塩化物イオン、臭化物イオン、硝酸イオン等の水溶性の夾雑陰イオンを除去することができるためより好ましい。このようにして、本発明の金属分散液が得られる。
【0019】
次に、本発明の金属分散液を用いた電極等について説明する。
電極、回路配線パターンは、本発明の金属分散液を、例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の方法により、基板に塗布した後、塗布物を適当な温度で加熱焼成して得られる。また、塗膜は、前記金属分散液を、例えば、スピンコート、ロールコート、スプレーコート、刷毛塗り等の方法により、基材に塗布し乾燥して得られる。あるいは、スクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷方法や転写方法を用いて塗膜を形成することもできる。
【0020】
本発明の装飾物品は、基材の表面の少なくとも一部に、前記の塗膜を形成したものであって、金属粒子の金属色や光沢を基材表面に付与したものである。基材表面の全面にわたって着色し光沢を付与することができるほか、基材表面の一部分に意匠、標章、ロゴマークを形成したり、その他の文字、図形、記号を形成したりすることもできる。基材としては、金属、ガラス、セラミック、コンクリートなどの無機質材料、ゴム、プラスチック、紙、木、皮革、布、繊維などの有機質材料、無機質材料と有機質材料とを併用あるいは複合した材料を用いることができる。それらの材質の基材を使用物品に加工する前の原料基材に塗膜を形成して装飾を施すこともでき、あるいは、基材を加工した後のあらゆる物品に装飾を施すこともできる。また、それらの基材表面に予め塗装したものの表面に装飾を施すことも含まれる。
装飾を施す物品の具体例としては、(1)自動車、トラック、バスなどの輸送機器の外装、内装、バンパー、ドアノブ、サイドミラー、フロントグリル、ランプの反射板、表示機器等、
(2)テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、パーソナルコンピューター、携帯電話、カメラなどの電化製品の外装、リモートコントロール、タッチパネル、フロントパネル等、
(3)家屋、ビル、デパート、ストアー、ショッピングモール、パチンコ店、結婚式場、葬儀場、神社仏閣などの建築物の外装、窓ガラス、玄関、表札、門扉、ドア、ドアノブ、ショーウインド、内装等、
(4)照明器具、家具、調度品、トイレ機器、仏壇仏具、仏像などの家屋設備、
(5)金物、食器などの什器、
(6)飲料水、タバコなどの自動販売機、
(7)合成洗剤、スキンケア、清涼飲料水、酒類、菓子類、食品、たばこ、医薬品などの容器、
(8)表装紙、ダンボール箱などの梱包用具、
(9)衣服、靴、鞄、メガネ、人口爪、人口毛、宝飾品などの衣装・装飾品、
(10)野球のバット、ゴルフのクラブなどのスポーツ用品、つり具などの趣味用品、
(11)鉛筆、色紙、ノート、年賀はがきなどの事務用品、机、椅子などの事務機器、
(12)書籍類のカバーやオビ等、人形、ミニカーなどのおもちゃ、定期券などのカード類、CD、DVDなどの記録媒体、などが挙げられる。また、人間の爪、皮膚、眉毛、髪の毛などを基材とすることができる。
【実施例】
【0021】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
【0022】
実施例1〜9
(金属コロイド粒子の調製)
金属化合物として硝酸銀50gと3−メルカプトプロピオン酸1.6gを純水220ミリリットルに溶解し、28%アンモニア水70ミリリットルを加え、pHを11.6に調整した。一方、28%アンモニア水4ミリリットルを加えた295ミリリットルの純水に、還元剤として水素化ホウ素ナトリウム2.1gを溶解した。両者を30分間かけて600ミリリットルの純水中に撹拌しながら同時に滴下し、硝酸銀を還元して、3−メルカプトプロピオン酸が表面に存在する銀コロイド粒子を溶媒中に生成させた。次いで、得られた銀コロイド粒子の溶媒を、硝酸(30%)を用いて溶媒のpHを2.5に調整し、銀コロイド粒子を沈降させ、真空ろ過機で銀コロイド粒子(銀コロイド粒子1000重量部に対し、メルカプトプロピオン酸を3重量部含む。銀コロイド粒子の平均粒子径は約10nm)をろ別し、ろ液の比導電率が10μS/cm以下になるまで水洗した後、真空乾燥機にて水分を除去し、銀コロイド粉末(X)を得た。
【0023】
(金属分散液の調製)
前記の銀コロイド粉末(X)と表1に示したカチオン系界面活性剤とを、表1の低極性非水溶媒中に添加し撹拌して、次いで、超音波分散機を用いて10分かけて、再分散させ、本発明の金属分散液(銀コロイド粒子濃度:30重量%)を得た。それぞれを試料A〜Iとする。
【0024】
実施例10〜17
(金属分散液の調製)
実施例1で得られた銀コロイド粉末(X)を、水中に再分散して、水性銀コロイド溶液(Y)(銀コロイド粒子を70重量%含有)を得た。この銀コロイド溶液(Y)に、表1に示したカチオン系界面活性剤を、室温下で撹拌しながら10分かけて添加し、引き続き30分間撹拌した後、98000m/sで10分間遠心分離して固液分離し、銀コロイド粒子の脱水ケーキを得た。この脱水ケーキを25℃で1晩真空乾燥した後、表1の低極性非水溶媒中に添加し撹拌して、次いで、超音波分散機を用い10分かけて再分散させ、本発明の金属分散液(銀コロイド粒子濃度:30重量%)を得た。それぞれを試料J〜Qとする。
【0025】
比較例1〜4
(金属分散液の調製)
実施例1〜4(試料A〜D)において、分散媒をトルエンに代えて、極性溶媒であるエタノール(誘電率24.6)としたこと以外は同様に調製し、比較対象の金属分散液を得た。それぞれを試料R〜Uとする。
【0026】
比較例5
(金属コロイド粒子の調製)
金属化合物として硝酸銀39.4gを純水に溶解した水溶液60ミリリットルを、表面保護剤としてクエン酸3ナトリウム2水和物262.8g、還元剤として硫酸第一鉄7水和物129.2gを、純水800ミリリットルに溶解した水溶液に、撹拌しながら20分間かけて滴下し、硝酸銀を還元して、クエン酸3ナトリウムが表面に存在する銀コロイド粒子を溶媒中に生成させた。次いで、得られた銀コロイド粒子の溶媒を、遠心分離機を用いて98000m/sで30分間遠心分離を行い、沈降分を回収して800ミリリットルの純水に再分散させ、更に、98000m/sで30分間遠心分離を行い沈降分を除去し、水性銀コロイド溶液を得た。この水性銀コロイド溶液の比導電率を測定したところ、10μS/cm以下であった。得られた水性銀コロイド溶液にアセトン800ミリリットルを添加し、銀コロイド粒子を凝集させ、再度、29400m/sで30分間遠心分離して沈降分を回収し、真空乾燥機にて水分を除去し、銀コロイド粉末を得た。得られた銀コロイド粉末を、水中に再分散して、水性銀コロイド溶液(Z)(銀コロイド粒子を40重量%含有)を得た。
【0027】
(金属分散液の調製)
前記の銀コロイド溶液(Z)に、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムを表1に示した量を、室温下で撹拌しながら10分かけて添加し、引き続き30分間撹拌した後、98000m/sで10分間遠心分離して固液分離し、銀コロイド粒子の脱水ケーキを得た。この脱水ケーキを25℃で1晩真空乾燥した後、超音波分散機を用い10分かけてトルエン中に再分散させ、比較対象の金属分散液(銀コロイド粒子濃度:30重量%)を得た。得られた試料をVとする。
【0028】
評価1
実施例1〜17、比較例1〜5で得られた金属分散液(試料A〜V)を、3日間静置した後、溶媒中の固形分濃度を測定した。結果を表1に示す。固形分濃度が高い程、分散安定性に優れていることから、本発明の金属分散液は、分散安定性に優れていることが判る。
【0029】
【表1】

*塩化ベンザルコニウム:アルキル基の炭素数が8〜18個の塩化アルキルベンジルアンモニウムの混合物
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の金属分散液は、低極性非水溶媒を分散媒とし、高濃度で分散安定性に優れているので、塗料、インキ、ペースト等の組成設計を比較的自由に行え、また、塗装適性に優れ、汎用性も高い。この金属分散液は、近年活発に開発が進められている電極、回路配線パターンの形成といったナノテクノロジーの新規用途にも適用でき、また、金属光沢による意匠性、装飾性の付与などのメッキ技術の代替用途にも適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、メルカプトカルボン酸及び/又はその塩を粒子表面に有する金属粒子、カチオン系界面活性剤及び低極性非水溶媒を含むことを特徴とする金属分散液。
【請求項2】
金属粒子の濃度が10重量%以上であることを特徴とする請求項1記載の金属分散液。
【請求項3】
メルカプトカルボン酸がメルカプトプロピオン酸であることを特徴とする請求項1記載の金属分散液。
【請求項4】
金属粒子を構成する金属が鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀及び金から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の金属分散液。
【請求項5】
金属粒子が銀粒子であることを特徴とする請求項4記載の金属分散液。
【請求項6】
低極性非水溶媒が芳香族化合物であることを特徴とする請求項1記載の金属分散液。
【請求項7】
カチオン系界面活性剤が4級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1記載の金属分散液。
【請求項8】
4級アンモニウム塩が、炭素数が8以上のアルキル基及び/又はベンジル基を少なくとも1個有することを特徴とする請求項7記載の金属分散液。
【請求項9】
カチオン系界面活性剤がアルキルアミン塩であることを特徴とする請求項1記載の金属分散液。
【請求項10】
アルキルアミン塩が、炭素数が8以上のアルキル基を少なくとも1個有することを特徴とする請求項9記載の金属分散液。
【請求項11】
低極性非水溶媒が、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン及びクメンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の金属分散液。
【請求項12】
カチオン系界面活性剤が、金属粒子の粒子表面に有するメルカプトカルボン酸と静電的に結合していることを特徴とする請求項1記載の金属分散液。
【請求項13】
メルカプトカルボン酸及び/又はその塩を粒子表面に有する金属粒子及びカチオン系界面活性剤を低極性非水溶媒を含む溶媒に混合して分散させることを特徴とする金属分散液の製造方法。
【請求項14】
メルカプトカルボン酸及び/又はその塩の存在下、溶媒中で金属化合物を還元した後、固液分離した金属粒子を用いることを特徴とする請求項13記載の金属分散液の製造方法。
【請求項15】
メルカプトカルボン酸及び/又はその塩の存在下、溶媒中で金属化合物を還元した後、固液分離し、次いで、得られた金属粒子とカチオン系界面活性剤を水性溶媒に混合させた後、固液分離し、次いで、低極性非水溶媒を含む溶媒に前記の金属粒子を混合して分散させることを特徴とする金属分散液の製造方法。
【請求項16】
請求項1に記載の金属分散液を用いて形成されることを特徴とする電極。
【請求項17】
請求項1に記載の金属分散液を用いて形成されることを特徴とする配線パターン。
【請求項18】
請求項1に記載の金属分散液を用いて形成されることを特徴とする塗膜。
【請求項19】
少なくとも基材の表面の一部に請求項18に記載の塗膜を形成したことを特徴とする装飾物品。

【公開番号】特開2008−127679(P2008−127679A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317725(P2006−317725)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】