説明

金属材のかしめ構造及びこのかしめ構造を用いたバスバー

【課題】 金属材同士の接合を安定且つ強固にすると共に、接合する金属材が互いに異種の材料であっても電気抵抗を低減させることのできる金属材のかしめ構造を提供することである。
【解決手段】 孔部14が開設される金属プレート12と、前記孔部14に嵌め入れられたのち、孔部14の周囲にかしめられる円盤状の導電部材13とを備え、前記孔部14の周囲には少なくとも一つの面側に溝部17が設けられる一方、前記導電部材13の外周には少なくとも一つの面側から突出する垂直フランジ21が設けられ、前記孔部14に導電部材13を嵌め入れて金属プレート12に導電部材13をかしめた際には前記導電部材13の垂直フランジ21が潰れ、この潰れた垂直フランジ21によって金属プレート12の溝部17を満たすようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一の金属材に他の金属材を嵌め込んで固定する金属材のかしめ構造及びこのかしめ構造を用いたバスバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金属材同士の結合固定においては、かしめ構造によるものが多い。このかしめ構造では、例えば、一の金属材に設けた孔部に他の金属材からなる嵌合体を嵌め入れた後、この嵌合体に設けられている爪部を前記一の金属材に掛かるように押し潰すことによって行っていた。このようなかしめ構造は、電池等の端子や各種のコネクタ部分に多く用いられている。
【0003】
前記かしめ構造を用いる例として、電池間の端子電極同士を連結するための連結板(バスバー)がある。近年、このバスバーは、従来のガソリン車に代わるハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される組電池(電池モジュール)としての需要が高まっている。このような車載用途には、高出力電圧を得るために、蓄電池の一つであるリチウムイオン電池を複数直列に接続した電池モジュールが用いられている。この電池モジュールを構成するには、組み合わされた複数のリチウムイオン電池(電池セル)の電極端子同士を電気的に接続するバスバーが用いられる。このバスバーは、前記電極端子を挿入する一対の電極端子孔を備えた短冊状の金属プレートによって形成されている(特許文献1,2)。
【0004】
また、前記一対の電極端子は、異種の金属材料で形成されている場合があるので、前記金属プレートに、この金属プレートとは異なる種類の金属材料で形成され、前記一方の電極端子を挿入する端子孔を有する導電部材を嵌め込んで形成することがある。例えば、前記電池セルがリチウムイオン電池であれば、正極がアルミニウム材、負極が銅材となっているので、金属プレートが銅材、前記導電部材が一方の電極端子と同種のアルミニウム材で形成される。
【0005】
前記バスバーは、前記複数の電池セル間に架け渡され、挿入された電極端子をボルトやナット等で金属プレートに締結することで互いの電気的接続を図っている。このように、電池モジュールを構成するには、電池セルの組み合わせ数に応じて多くのバスバーが使用されることから、このバスバー自体の電気抵抗も高くなる。また、前述したように、ハイブリッド自動車や電気自動車等に多く採用されているリチウムイオン電池に使用されるバスバーにあっては、金属プレートに異種の金属材料で形成された導電部材を組み合わせて形成されているため、接合部分における電気抵抗も無視できず、電気変換効率や耐久性に影響を及ぼすものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−82164号公報
【特許文献2】特開2011−60623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
導電性を損なわずに金属材同士を接合するには、接着剤等の接合部材を介さずに行うことのできる前記かしめ構造が多く用いられている。特に、前述したようなバスバーにあっては、金属プレートと導電部材とが異種の金属材料で形成されているので、電気抵抗の低減と接合強度を確保するには、このようなかしめ固定が最も有効な手段である。
【0008】
しかしながら、従来の一般的なかしめ構造では、前述したように、一の金属材に設けた孔部に他の金属材からなる嵌合体を嵌め入れた後、この嵌合体に設けられている爪部を前記一の金属材に掛かるように押し潰していたため、接合部分の密着性が十分でない場合があった。また、接合部分の表面に凹凸が生じることがある。このようなかしめ構造を電気接点部分に用いると、導電性が悪くなる他、接合部分の腐食等によって接合強度が低下するといった問題がある。特に、車載用の電池モジュールに用いる場合は、電源を安定的に供給できなくなると共に、電池寿命も短くなるといった問題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、金属材同士の接合を安定且つ強固にすると共に、接合する金属材が互いに異種の材料であっても電気抵抗を低減させることのできる金属材のかしめ構造及びこのかしめ構造を用いたバスバーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の金属材のかしめ構造は、孔部が開設される平板状の第1金属材と、前記孔部に嵌め入れられたのち、孔部の周囲にかしめられる円盤状の第2金属材とを備え、前記第1金属材の孔部の周囲には少なくとも一つの面側に溝部が設けられる一方、前記第2金属材の外周には少なくとも一つの面側から突出する垂直フランジが設けられ、前記第1金属材の孔部に第2金属材を嵌め入れて第1金属材に第2金属材をかしめた際には前記第2金属材の垂直フランジが潰れ、この潰れた垂直フランジによって第1金属材の溝部が満たされることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のバスバーは、少なくとも一対の孔部が開設される金属プレートと、前記一対の孔部の一方に嵌め入れられてかしめられる導電部材とを備え、前記金属プレートと導電部材とが本発明のかしめ構造により固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の金属材のかしめ構造によれば、第1金属材の孔部の周囲に溝部、第2金属材の外周に前記溝部に嵌合する変形可能なフランジを有しており、前記フランジを押し潰すようにして溝部を満たすことで、隙間のない強固なかしめ固定を行うことができる。これによって、前記第1及び第2金属材との接合部分が隙間なく密接すると共に、接合部分の表面が凹凸のない面一で連続したものとなり、電気抵抗のバラツキを抑えると共に、全体の電気抵抗の低減化を図ることができる。また、前記溝部をフランジで満たすことによって、第1金属材と第2金属材の接合断面を広くすることができるので、接合内部における導電性も向上させることができる。
【0013】
また、前記第1金属材が銅板、第2金属材がアルミニウム板のように異種の金属材同士であっても、上記かしめ構造とすることによって、電気抵抗の低減化及び導電性の向上効果を得ることができる。
【0014】
本発明のバスバーによれば、第1金属材からなる金属プレートに対して、第2金属材からなる導電部材が上記かしめ構造によって密接且つ強固に固定されているので、低電気抵抗による高い導電性を得ることができる。これによって、複数の電池の電極端子同士を接続した際、損失なく安定した状態で電源供給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るかしめ構造によって形成されたバスバーの斜視図である。
【図2】上記バスバーの組立斜視図である。
【図3】上記バスバーのA−A断面図である。
【図4】金属プレート及びかしめ前の導電部材の断面図である。
【図5】導電部材を金属プレートに嵌め入れたときの断面図である。
【図6】導電部材を金属プレートにかしめたときの断面図である。
【図7】導電部材のかしめ前(a)及びかしめ後(b)の状態を示す斜視図である。
【図8】本発明のバスバーを用いた電池モジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る金属材のかしめ構造及びこのかしめ構造を用いたバスバーの実施形態を詳細に説明する。図1は本発明のかしめ構造を用いて形成されたバスバー11の外観形状、図2乃至図7は前記バスバー11におけるかしめ構造部分の形態を示したものである。本発明のかしめ構造は、第1金属材からなる平板状の金属プレート12に、第2金属材からなる円盤状の導電部材13を嵌め入れて固定したものとなっている。
【0017】
図2及び図3に示したように、前記金属プレート12は、第1金属材である銅材によって、平板状に形成され、所定箇所に第1の孔部14が開設される。前記導電部材13は、第2金属材であるアルミニウム材によって前記孔部14に嵌め込み可能な円盤状に形成され、前記孔部14に嵌め入れられる胴部19と、この胴部19の上端に一体に形成される垂直フランジ21と下端に一体に形成される水平フランジ22とを備えている。前記水平フランジ22は、前記胴部19と直交するようなリング状に形成され、前記金属プレート12の孔部14の周囲に設けられた下面側の下溝部18に直接嵌合される。この水平フランジ22は前記下溝部18と形状が略同じで、幅及び厚みも略一致するように形成されており、下溝部18に嵌合したときに金属プレート12の下面12bと略面一となる。
【0018】
図4に示したように、前記垂直フランジ21は、前記胴部19の外周面に沿って垂直に延び、前記金属プレート12に開設されている第1の孔部14に嵌め入れた際に、上面12a側から突出する円形状の外周面23及び下方に向けてテーパ状に傾斜する内周面24とで断面略三角形状に形成されている。図5に示したように、前記胴部19の上面に対する内周面24の仰角αは約60度に設定される。このような仰角αを持たせることで、ポンチ等の押圧冶具で上方から押圧したときに変形が容易となり、垂直フランジ21全体を外周方向に広げやすくなる。このようにして、垂直フランジ21は上方から内周面24に沿うように一定の押圧力を加えることで、外周面23が前記金属プレート12の孔部14の周囲に設けられた上面側の上溝部17に向けて押し広げられて潰される。これによって、前記上溝部17が押し潰された垂直フランジ21によって満たされ、導電部材13を金属プレート12と一体となるように密着した状態でかしめ固定することができる。前記垂直フランジ21は、押し潰された際に金属プレート12の上面12aと面一となり、凹凸のないフラットな面に仕上げることができる。
【0019】
前記導電部材13は、金属プレート12の第1の孔部14の下面側から嵌め入れて、下溝部18に水平フランジ22を嵌合させた後、平坦な作業台に載置する。図7(a)は導電部材13のかしめ前の状態を示したものである。そして、図5に示したように、上溝部17から突出する前記垂直フランジ21の上部をポンチ等の押圧冶具で押し潰すことで、約60度の仰角で傾斜する内周面24が外側に広がり、上溝部17内を前記垂直フランジ21で満たすように密接させることができる。このような一回の押圧工程によって、図7(b)に示すように、導電部材13を金属プレート12の上面12a及び下面12bに対してそれぞれ面一で、且つ、一体化したかしめ固定を行うことができる。
【0020】
また、最初に前記内周面24に沿ってポンチ等の押圧冶具を挿入して押し潰すようにしながら外周面23を外方向に押し広げた後、平面状の押圧冶具を用いて上溝部17に向けてさらに押圧するようにしてもよい。最初の押圧時には、傾斜した内周面24でポンチの先端をガイドしながら押圧することができるので、垂直フランジ21全体を均等に押し広げることができる。
【0021】
次に、上記かしめ構造を用いたバスバーの実施形態について説明する。図1に示したように、本発明のバスバー11は、複数の電池に備わる電極端子間を連結接続することで、出力容量の大きな組電池(電池モジュール)を構成するための導電連結板となっている。このバスバー11は、前述したように、第1金属材からなる金属プレート12と、この金属プレート12にかしめ固定される第2金属材からなる導電部材13とを備えて構成されている。図2に示したように、前記金属プレート12は、導電性の高い銅材によって、短冊型の平板状に形成され、所定箇所に第1の孔部14及び第2の孔部16が開設される。前記第1の孔部14には、前記導電部材13を下方から嵌め入れ、前記金属プレート12の上面12aから突出する部分を潰してかしめることによって固定される。なお、前記第2の孔部16は、連結される電池セル32の電極端子(負極端子)34(図8参照)を直接挿入するための負極端子孔として開設されている。
【0022】
前記導電部材13は、アルミニウム材によって前記孔部14に嵌め込み可能な円盤状に形成され、中心部に前記電池セル32の電極端子(正極端子)33(図8参照)を挿通させるための正極端子孔15が開設されている。この正極端子孔15は、スルーホールになっており、ここに導電部材13と同種のアルミニウム材からなる前記電極端子を挿入することで、銅材からなる金属プレート12との異種金属同士での導通が図られる。前記正極端子孔15は、電池の種類によって異なる電極端子の径に適合させて開設される。また、前記導電部材13の下面には、電極端子の下端部を受けるための端子受部25が前記正極端子孔15を中心として角形状又は円形状に凹設形成されている。なお、前記第2の孔部16は、金属プレート12と同種の金属材からなる電極端子が直接挿入されることで導通が図られる。この第2の孔部16の下面にも、電極端子の下端部を受けるための端子受部26が角形状又は円形状に凹設形成されている。
【0023】
前記金属プレート12は、一例として、厚みが2〜3mmの銅板によって形成され、φ17mm程度の第1の孔部14と、φ6mm程度の第2の孔部16とが所定の間隔をおいて開設されている。また、前記第1の孔部14には、上面側周囲と下面側周囲にそれぞれリング状の上溝部17及び下溝部18が設けられる。前記上溝部17及び下溝部18は、前記第1の孔部14の周囲に約3mmの幅で深さが約0.5mmに形成される。
【0024】
前記導電部材13の胴部19の中心部を貫通する正極端子孔15は、前記第2の孔部16と同じφ6mm程度となっている。前記水平フランジ22は、前記胴部19と直交するような円盤状に形成され、前記金属プレート12に開設されている下溝部18に直接嵌合される。この水平フランジ22は前記下溝部18と形状が同じで、幅及び厚みも一致するように形成されているため、金属プレート12の下面12bと面一となる。
【0025】
図3に示したように、前記金属プレート12の内部における前記導電部材13の接合部分は、上溝部17に係合する垂直フランジ21と、下溝部18に係合する水平フランジ22とによって段差状に入り組んだ構造となっているので、接合面積を広くすることができる。また、垂直フランジ21を押し潰すようにしてかしめ固定されているため、導電部材13の胴部19が第1の孔部14内に隙間なく密接して接合し合う。これによって、金属プレート12と導電部材13との接合部における電気抵抗を大幅に低減することができ、異種金属材同士である金属プレート12と導電部材13との導電性を格段に向上させることができる。さらに、導電部材13が金属プレート12の上面12a及び下面12bにおいて面一となるように一体化した状態で嵌め入れられるため、電気抵抗を変動させるような製造上のバラツキも少なくなり、バスバーとしての品質も安定したものとなる。
【0026】
上記実施形態では、導電部材13の一方が水平フランジ22で、他方が垂直フランジ21となっているが、双方のフランジを垂直フランジとして形成し、金属プレート12の上面及び下面の双方からかしめ固定するように構成することも可能である。
【0027】
図8は本発明のバスバー11を用いた組電池(電池モジュール)31の構成例を示したものである。この電池モジュール31は、単体の電池(電池セル)32を複数個組み合わせて形成されている。前記各電池セル32には、正極端子33及び負極端子34が設けられている。前記電池セル32としてリチウムイオン二次電池を使用する場合は、正極にリチウム金属酸化物を用い、負極にグラファイトなどの炭素材が用いられるため、正極端子33がアルミニウム材によって形成され、負極端子34が銅材によって形成される。これらの電池セル32は、正極端子33と負極端子34とが隣接するように互い違いに配列される。そして、複数の電池セル32が直列接続となるように、隣接する電池セルの正極端子33と負極端子34との間にバスバー11が架け渡される。このとき、正極端子33は導電部材13に設けられている正極端子孔15に挿入され、負極端子34は金属プレート12自体に開設されている第2の孔部16に挿入され、それぞれナット35によって締結される。
【0028】
このように、各電池セル32間を連結するバスバー11が、前記正極端子33及び負極端子34のそれぞれと直接同種の金属材で電気的接続を図ることができる。特に、前記正極端子33にあっては、この正極端子33と同種のアルミニウム材からなる導電部材13が銅材からなる金属プレート12に接地面を多くした本かしめ構造によって組み込まれているため、電気抵抗を大幅に低減した良好な導電性を得ることが可能となった。これによって、高い電気変換効率が要求されるハイブリッド車や電気自動車、あるいは、省電力化が要求される各種の電気製品等の蓄電用動力源に適したものとなる。
【0029】
以上説明したように、本発明の金属材のかしめ構造によれば、嵌合し合う金属材同士の一方に設けた溝部に、他方に設けたフランジを押し潰すようにして密接した状態となるので、より強固に接合し合うと共に、接合表面が凹凸のないフラット面となる。このため、平面性が要求される部分のかしめ構造に最適である。特に、このかしめ構造をバスバーに適用することで、接合させる金属材が異種の金属材同士であっても、一方の金属材に設けた溝部に他方の金属材に設けたフランジが押し潰されるようにして密接した状態となるので、接合部分が隙間なく電気抵抗を低減させることができる。また、前記溝部とフランジとの組み合わせによって接合面が段差状に広くなるので、導電性も向上させることができるといった効果が得られる。
【0030】
本実施形態では、電池モジュールを構成するための連結部材であるバスバーを例にして金属材のかしめ構造について説明したが、このようなバスバーに限らず、各種のコネクタ類にも応用できる。また、同種の金属材同士はもとより、各種の異種金属同士の接合にも最適なかしめ構造となる。したがって、本実施形態のように、アルミニウム材と銅材との組み合わせに限定はされない。
【符号の説明】
【0031】
11 バスバー
12 金属プレート
12a 上面
12b 下面
13 導電部材
14 第1の孔部
15 正極端子孔
16 第2の孔部
17 上溝部
18 下溝部
19 胴部
21 垂直フランジ
22 水平フランジ
23 外周面
24 内周面
25 端子受部
26 端子受部
31 電池モジュール
32 電池セル
33 正極端子
34 負極端子
35 ナット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔部が開設される平板状の第1金属材と、前記孔部に嵌め入れられたのち、孔部の周囲にかしめられる円盤状の第2金属材とを備え、
前記第1金属材の孔部の周囲には少なくとも一つの面側に溝部が設けられる一方、前記第2金属材の外周には少なくとも一つの面側から突出する垂直フランジが設けられ、
前記第1金属材の孔部に第2金属材を嵌め入れて第1金属材に第2金属材をかしめた際には前記第2金属材の垂直フランジが潰れ、この潰れた垂直フランジによって第1金属材の溝部が満たされることを特徴とする金属材のかしめ構造。
【請求項2】
孔部が開設される平板状の第1金属材と、前記孔部に嵌め入れられたのち、孔部の周囲にかしめられる円盤状の第2金属材とを備え、
前記第1金属材の孔部の周囲には両面側に溝部が設けられる一方、前記第2金属材の外周には一つの面側から突出する垂直フランジと、他の面側から突出する水平フランジとが設けられ、
前記第1金属材の孔部に第2金属材を嵌め入れて第1金属材に第2金属材をかしめた際には、第1金属材の一の溝部に第2金属材の水平フランジが嵌合すると共に、前記第2金属材の垂直フランジが潰れ、この潰れた垂直フランジによって第1金属材の他の溝部が満たされることを特徴とする金属材のかしめ構造。
【請求項3】
前記第1金属材に前記第2金属材をかしめた際に、第1金属材の一つの面と第2金属材の潰れた垂直フランジとが面一になる請求項1又は2に記載の金属材のかしめ構造。
【請求項4】
前記第1金属材の孔部に第2金属材を嵌め入れたときに、第2金属材の垂直フランジは第1金属材の一つの面から突出している請求項1又は2に記載の金属材のかしめ構造。
【請求項5】
前記第2金属材の一つの面側の全外周には、少なくとも内周面が傾斜する断面略三角形状の垂直フランジが設けられ、かしめた際には垂直フランジが外側に向かって押し潰される請求項1又は2に記載の金属材のかしめ構造。
【請求項6】
前記第1金属材は銅板によって形成され、前記第2金属材はアルミニウム板によって形成される請求項1又は2に記載の金属材のかしめ構造。
【請求項7】
少なくとも一対の孔部が開設される金属プレートと、前記一対の孔部の一方に嵌め入れられてかしめられる導電部材とを備え、
前記金属プレートと導電部材とが請求項1又は2に記載の金属材のかしめ構造により固定されていることを特徴とするバスバー。
【請求項8】
前記金属プレートは銅材によって形成され、前記導電部材はアルミニウム材によって形成される請求項7に記載のバスバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−62045(P2013−62045A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198068(P2011−198068)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(398069182)株式会社貴匠技研 (3)
【Fターム(参考)】