説明

金属検知センサ及びこの金属検知センサを備えた紙葉類処理機

【課題】 本発明は、小さい対象物に対してもその相対的な面積比を小さくすることができるとともに、検知するのに十分な出力感度を備えた金属検知センサを提供することを目的とする。
【解決手段】 駆動コイルL1を構成する基板層10−1の表面及び基板層10−1〜10−nの界面それぞれに形成される導線パターン11は、基板層10−1〜10−(n−1)を貫通するスルーホール12を通じて電気的に接続される。同様に、検出コイルL2を構成する基板層10−(2n−1)の表面及び基板層10−n〜10−(2n−1)の界面それぞれに形成される導線パターン11は、基板層10−(n+1)〜10−(2n−1)を貫通するスルーホール12を通じて電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホッチキスやクリップなどの金属物を検出する金属検知センサに関するもので、特に、搬入する紙葉などに挟まれた金属物を検出する金属検知センサに関する。又、本発明は、このような金属検知センサを備え、紙葉類を複写や枚数計数などの各種処理を行う紙葉類処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣その他の紙葉類の計数を行う紙葉類計数機や、紙幣の入出金を行う紙幣入出金機や、記録紙に複製を行う電子複写機などといった紙葉類処理機において、紙葉や原稿が載置されて搬送を行う搬送装置が設置される。又、紙葉類処理機では、紙葉類の間に異物が混入している場合、各処理が異物によって停止させられる場合があるだけでなく、各処理を行うための機器内部の部品や紙葉類自身が混入している異物によって損傷させてしまう原因になることがある。そのため、上述の搬送装置において、紙葉類を載置する収納部などにおいて、コインやクリップやホッチキスなどといった金属物による異物を検出する金属検知センサが設けられる。
【0003】
このような金属検知センサを備える収納部となる紙幣投入口を有することで、紙幣投入口の固定狭持板と可動狭持板とによって紙幣を挟むように投入したとき、投入された紙幣間に挟まれた異物の検出を行う紙葉類処理機が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1による紙葉類処理機によると、発振回路により発振信号が供給される検出コイルに金属物による異物が近づいたとき、検出コイルに渦電流が発生して、そのインピーダンスが増大する。そのため、発振回路による発振信号の発振振幅が小さくなり、その振幅レベルが所定値より下がることがトリガーとなって、金属物による異物が検出される。
【0004】
又、電子複写機においても、複写するための原稿を給紙する自動原稿搬送装置に金属検知センサが設けられ、この金属検知センサでホッチキスやクリップを検出すると、原稿の搬送動作を停止させるものが提案されている(特許文献2参照)。この自動原稿搬送装置に設けられた金属検知センサは、差動トランスを用いて、1次側となる駆動コイルに与えられる発振回路の出力電圧と、2次側となる基準コイル及び検出コイルに発生する電圧との位相差を検知することで、ホッチキスやクリップの有無を検出する。
【特許文献1】特公平7−76993号公報
【特許文献2】特開平8−113387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の自動原稿搬送装置では、金属検知センサが、原稿搬送路上にライン状に設けられている。そのため、搬送路上に原稿が繰り出されて金属検知センサ近傍まで搬送されるまで、金属物による異物の検出が成されない。そのため、異物の存在する位置によっては、原稿の大部分が繰り出されてしまうため、異物が発見された原稿を搬送路上から除去することが煩雑となる場合がある。
【0006】
それに対して、特許文献1に記載の紙葉類処理機によると、固定狭持板と平行に取り付けられたプリント基板の表面に検出コイルが設けられることで、検出コイルが面状に配置されるとともに、搬送路に繰り出される前に異物の検出が行われる。又、複数の検出コイルをプリント基板表面に配置して、金属物による異物との相対的な大きさを小さくすることで、検出精度を高めることができる。
【0007】
しかしながら、この検出コイルによる検出精度を高めるために分割して配置するものとした場合、検出コイルの巻き数が少なくなってしまう。この検出コイルは、巻き数が少なくなることにより発生する電力が小さくなり、金属物を検知するための感度が下がってしまう。よって、特許文献1の紙葉類処理機のように、検出コイルをプリント基板表面に設置する場合、1つの検出コイルによるコイル面積には検出コイルの感度に応じた下限が存在する。そのため、下限となるコイル面積を備える検出コイルとしても、検出対象物となる金属物によっては、検出対象物の大きさに対する検出コイルのコイル面積が大きく、検出不可能である場合がある。
【0008】
このような問題を鑑みて、本発明は、小さな対象物に対してもその相対的な面積比を小さくすることができるとともに、検知するのに十分な出力感度を備えた金属検知センサを提供することを目的とする。又、本発明は、この金属検知センサを備えることで、小さな異物となる金属物を検出することのできる紙葉類処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の金属検知センサは、磁界を発生する第1コイルと、該第1コイルで発生した磁界により誘起電圧を発生する第2コイルと、前記第1コイルに発振信号を与える発振回路と、前記第2コイルで発生した誘起電圧を電気信号として出力する信号生成回路と、を備え、前前記第2コイルで発生した誘起電圧が金属物の有無によって変化することで値が変化する前記電気信号を前記信号生成回路より出力する金属検知センサにおいて、前記第1及び第2コイルそれぞれが、複数の基板層よりなる多層基板と、該多層基板の表面及び界面それぞれに渦巻形状に形成される複数の導線パターンと、前記基板層を貫通して前記基板層両面の前記導線パターンを電気的に接続するスルーホールと、を備え、前記第1コイルを形成する前記多層基板と前記第2コイルを形成する前記多層基板とを重ねて設置することを特徴とする。
【0010】
このような金属検知センサにおいて、前記スルーホールが前記基板層に1つ設けられるとともに、当該スルーホールによって、前記基板層両面に形成される2つの前記導線パターンそれぞれの一方の端部を互いに電気的に接続することで、前記第1及び第2コイルそれぞれを構成する複数の前記導線パターンが直列に接続されるものとしても構わない。このとき、前記基板層両面に形成される2つの前記導線パターンの巻き線方向が逆となることで、前記第1及び第2コイルそれぞれを構成する複数の前記導線パターンを電流が流れる方向を同一とする。
【0011】
又、前記スルーホールが前記基板層に2つ設けられるとともに、当該スルーホールによって、前記基板層両面に形成される2つの前記導線パターンそれぞれの両端部を互いに電気的に接続することで、前記第1及び第2コイルそれぞれを構成する複数の前記導線パターンが並列に接続されるものとしても構わない。このとき、前記基板層両面に形成される2つの前記導線パターンの巻き線方向が同一となることで、前記第1及び第2コイルそれぞれを構成する複数の前記導線パターンを電流が流れる方向を同一とする。
【0012】
更に、前記基板層の表面及び界面に形成される複数の前記導線パターンが重なるものとしても構わないし、前記基板層の表面及び界面に形成される複数の前記導線パターンのうち少なくとも二つの前記導線パターンが互いにずらした位置に配置されるものとしても構わない。
【0013】
このような金属検知センサにおいて、前記多層基板を、その基板表面の縦横がそれぞれ10〜15mmとなる基板とすることで、ホッチキスやクリップなどの小さな金属物の検出が可能となる。又、前記導線パターンにおいて、パターン幅を0.02〜0.1mmとするとともに、パターン間隔を0.02〜0.1mmとすることで、十分な巻き数を得ることができ、前記多層基板の層数を少なくすることができる。
【0014】
又、本発明の紙葉類処理機は、紙葉類を受入れる受入部と、該受入部に投入された前記紙葉類を1枚ずつ繰り出す繰り出し部と、該繰り出し部により繰り出された前記紙葉類を機内へ搬送する搬送部と、を備える紙葉類処理機において、前記受入部の前記紙葉類の面と接触する部分にマトリクス状に配置される複数の金属検知センサを備え、該複数の金属検知センサの少なくとも一部が、上述のいずれかの金属検知センサであることを特徴とする。
【0015】
このような紙葉類処理機において、前記金属検知センサとして、前記第1及び第2コイルが設置される基板の基板面積の異なる複数種類の金属検知センサを備えるものとしても構わない。このとき、前記搬送装置に繰り出しを行う繰り出し部に近い位置ほど、前記基板面積の狭い基板を備える前記金属検知センサが設置される。
【0016】
又、前記紙葉投入装置において、前記紙葉類の端辺と接触する部分に複数の金属検知センサを備えるものとしても構わない。このとき、前記搬送装置に繰り出しを行う繰り出し部に近い位置ほど、前記基板面積の狭い基板を備える前記金属検知センサが設置されるものとしても構わない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、多層基板の複数の界面及び表面に形成された導体パターンを電気的に接続することでコイルが形成されるため、多層基板の基板面積を小さくしても金属物を検出するのに十分な磁界の発生を行うことができるとともに、金属物により影響を受ける磁界の変化を検出するのに十分な電圧を発生することができる。よって、小さな金属物に対するコイルの相対的な面積比を小さくすることができるため、検知するのに十分な出力感度を備えることができる。又、この金属検出センサを紙葉類処理機にマトリクス状に配置することで、小さな異物となる金属物を高精度で検出でき、紙葉類と共に金属物を繰り出して、紙葉類処理機の部品損傷や紙葉類自体の損傷が発生することを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
<金属検知センサの基本構成>
まず、以下の各実施形態における金属検知センサの基本構成について、図1を参照して説明する。図1は、金属検知センサの構成を示すブロック図である。
【0019】
図1の金属検知センサは、金属検知を行うための磁界を発生する駆動コイルL1と、駆動コイルL1で発生した磁界により電磁誘導されて誘起電圧を発生する検出コイルL2と、駆動コイルL1に磁界を発生させるための発振信号を供給する発振回路1と、検出コイルL2が電磁誘導されることで得られた電気信号を全波整流する全波整流回路2と、全波整流回路2で全波整流することで得られた電圧信号を増幅する増幅回路3と、増幅回路3で増幅された電圧信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路4と、を備え、A/D変換回路4で得られたデジタル信号が外部のCPUに出力される。
【0020】
このように構成される金属検知センサは、発振回路1から供給される発振信号の電気振動によって磁界を発生すると、この磁界によって検出コイルL2が電磁誘導して、検出コイルL2の両端が電圧振動する。この検出コイルL2における電圧振動による電気信号が全波整流回路2で全波整流されることで平滑化されて、直流となる電圧信号に変換されると、この電圧信号が増幅回路3で増幅された後、A/D変換回路4でデジタル信号に変換されて外部に出力される。
【0021】
このように動作する金属検知センサにおいて、駆動コイルL1及び検出コイルL2の近傍に金属物が存在する場合、金属物に発生する渦電流によって検出コイルL2のインピーダンスが増大する。これにより、検出コイルL2による電圧振動の振幅が小さくなることから、振幅が小さくなった電気信号が全波整流回路2で全波整流される。よって、その値が低くなった電圧信号が増幅回路3で増幅された後に、A/D変換回路4でデジタル信号に変換された外部に出力される。
【0022】
よって、外部のCPUでは、金属検知センサから入力されたデジタル信号の値が所定値より低くなったことが検知されると、金属物による異物が検出される。この金属物の異物が検出されることで、後述する紙葉類処理機などにおいて紙葉類の繰り出し動作の停止などが行われる。この金属検知センサの構成については、以下の各実施形態において共通の構成となる。よって、以下の各実施形態では、その構造の異なる駆動コイルL1及び検出コイルL2について、詳細に説明する。
【0023】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態となる金属検知センサについて、図面を参照して説明する。尚、図2及び図3は、本実施形態における金属検知センサに用いる駆動コイル及び検出コイルの構成を示す図である。
【0024】
駆動コイルL1及び検出コイルL2はそれぞれ、図2の断面図に示すように、多層基板10の表面及び界面に形成された渦巻状の導線パターン11によって形成される。ここで、多層基板10は、2n−1層(nは2以上の自然数)となる基板層10−1〜10−(2n−1)によって構成される。そして、基板層10−1の表面及び基板層10−1〜10−nそれぞれの間に形成される界面に形成される導線パターン11によって、駆動コイルL1が構成される。同様に、基板層10−(2n−1)の表面及び基板層10−n〜10−(2n−1)それぞれの間に形成される界面に形成される導線パターン11によって、検出コイルL2が構成される。
【0025】
又、駆動コイルL1を構成する基板層10−1の表面及び基板層10−1〜10−nの界面それぞれに形成される導線パターン11は、基板層10−1〜10−(n−1)を貫通するスルーホール12を通じて電気的に接続される。同様に、検出コイルL2を構成する基板層10−(2n−1)の表面及び基板層10−n〜10−(2n−1)の界面それぞれに形成される導線パターン11は、基板層10−(n+1)〜10−(2n−1)を貫通するスルーホール12を通じて電気的に接続される。
【0026】
このとき、スルーホール12は、各基板層10−1〜10−(n−1),10−(n+1)〜10−(2n−1)に対して1つずつ形成される。よって、駆動コイルL1を構成する基板層10−1の表面及び基板層10−1〜10−nの界面それぞれに形成される導線パターン11が、スルーホール12によって直列に接続される。同様に、検出コイルL2を構成する基板層10−(2n−1)の表面及び基板層10−n〜10−(2n−1)の界面それぞれに形成される導線パターン11が、スルーホール12によって直列に接続される。
【0027】
このように駆動コイルL1及び検出コイルL2それぞれを形成する導線パターン11の多層基板10の表面上及び界面上におけるパターン形状について、図3を参照して説明する。尚、駆動コイルL1及び検出コイルL2それぞれにおいて各層における導線パターン11は同様であるため、駆動コイルL1を形成する基板層10−1〜10−3それぞれによる表面及び界面における導線パターン11を代表して図3に示し、この図3に示したパターン形状に基づいて説明する。尚、図3においては、基板層10−1〜10−3それぞれの表面に対して形成される導線パターン形状を示す。
【0028】
図3に示すように、基板層10−1の表面には、反時計回りの方向に中心に向かうような渦巻形状となる導線パターン11aが形成される。そして、導線パターン11aの最外周の端部111に発振回路1と電気的に接続されるためのコンタクト層13が設けられるとともに、導線パターン11aの中心位置の端部112に基板層10−1を貫通するスルーホール12aが接続される。
【0029】
又、基板層10−1,10−2の界面、即ち、基板層10−2の表面には、導線パターン11aと逆側となる(時計回りの方向に中心に向かう)渦巻形状の導線パターン11bが形成される。そして、導線パターン11bの中心位置の端部113に導線パターン11aと接続されたスルーホール12aが接続されるとともに、導線パターン11bの最外周の端部114に基板層10−2を貫通するスルーホール12bが接続される。
【0030】
更に、基板層10−2,10−3の界面、即ち、基板層10−3の表面には、導線パターン11aが形成され、導線パターン11aの最外周の端部111に導線パターン11bと接続されたスルーホール12bが接続されるとともに、導線パターン11aの中心位置の端部112に基板層10−3を貫通するスルーホール12aが接続される。このように、導線パターン11a,11bが基板層10−3〜10−nにおける各界面毎に交互に形成されることで、駆動コイルL1を形成する直列に接続された導線パターン11a,11bを渦巻き状に流れる電流の方向を同一の方向とすることができる。
【0031】
そして、基板層10−(n−1),10−nの界面、即ち、基板層10−nの表面に形成される導線パターンが導線パターン11aとなる場合は、端部112に発振回路1に接続されるコンタクト13が設けられ、逆に、導線パターン11bとなる場合は、端部111に発振回路1に接続されるコンタクト13が設けられる。尚、基板層10−1の表面に設けられるものが導線パターン11aとしたが、導線パターン11bが設けられるものとしても構わない。この場合、基板層10−1,10−2の界面に導線パターン11aが設けられ、基板層10−2,10−3の界面に導線パターン11bが設けられることとなる。
【0032】
検出コイルL2についても、基板層10−n〜10−(2n−1)における界面及び基板層10−(2n−1)の表面それぞれに対して、導線パターン11a,11bを形成するとともに、導線パターン11a,11bそれぞれをスルーホール12a,12bで電気的に接続することで形成する。そして、基板層10−n,10−(n+1)の界面及び基板層10−(2n−1)の表面に形成される導線パターン11(導線パターン11a,11bのいずれかに相当する)に設けられたコンタクト13に、全波整流回路2が接続される。
【0033】
このように駆動コイルL1及び検出コイルL2が形成されるとき、図4(a)のように導線パターン11a,11bそれぞれが重なり合うように形成されるものとしても構わないが、図4(b)のように、導線パターン11aを形成するパターンの間に導線パターン11bのパターンが配置されるようにして、導線パターン11a,11bの重なる部分が小さくなるように、お互いにずらした位置に配置しても構わない。
【0034】
導線パターン11a,11bの配置関係を図4(b)のような配置関係とすることで、図4(a)のような配置関係としたときと比べて、導線パターン11a,11bそれぞれによって検出する部分を互いに補間することができるため、金属検知センサの感度を高めることができる。尚、図4(b)では、導線パターン11a,11bの重なる部分が小さくなるように配置したが、異なる層の導線パターン11a同士、又は、異なる層の導線パターン11a同士について、その重なる部分が小さくなるようにずらして配置するものとしても構わない。即ち、駆動コイルL1及び検出コイルL2それぞれにおいて、少なくとも2つの導線パターン11の重なる部分が小さくなるように、ずらして配置するものとしても構わない。
【0035】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態となる金属検知センサについて、図面を参照して説明する。尚、図5及び図6は、本実施形態における金属検知センサに用いる駆動コイル及び検出コイルの構成を示す図である。又、図5及び図6において、図2及び図3と同一となる構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0036】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様、駆動コイルL1及び検出コイルL2はそれぞれ、図5の断面図に示すように、2n−1層の基板層10−1〜10−(2n−1)によって構成される多層基板10の表面及び界面に形成された渦巻状の導線パターン11によって形成される。そして、基板層10−1の表面及び基板層10−1〜10−nそれぞれの間に形成される界面に形成される導線パターン11が、基板層10−1〜10−(n−1)を貫通するスルーホール12によって接続されて、駆動コイルL1が構成される。又、基板層10−(2n−1)の表面及び基板層10−n〜10−(2n−1)それぞれの間に形成される界面に形成される導線パターン11が、基板層10−(n+1)〜10−(2n−1)を貫通するスルーホール12によって接続されて、検出コイルL2が構成される。
【0037】
このとき、スルーホール12は、各基板層10−1〜10−(n−1),10−(n+1)〜10−(2n−1)に対して2つずつ形成される。よって、駆動コイルL1を構成する基板層10−1の表面及び基板層10−1〜10−nの界面それぞれに形成される導線パターン11が、2つのスルーホール12によって並列に接続される。同様に、検出コイルL2を構成する基板層10−(2n−1)の表面及び基板層10−n〜10−(2n−1)の界面それぞれに形成される導線パターン11が、2つのスルーホール12によって並列に接続される。
【0038】
図6に示すように、基板層10−1の表面には、反時計回りの方向に中心に向かうような渦巻形状となる導線パターン11aが形成される。そして、導線パターン11aの中心位置及び最外周の端部112,111それぞれに、発振回路1と電気的に接続されるためのコンタクト層13a,13bが設けられるとともに、基板層10−1を貫通するスルーホール12a,12bが接続される。
【0039】
又、基板層10−1,10−2の界面、即ち、基板層10−2の表面においても、導線パターン11aが形成され、導線パターン11aの中心位置及び最外周の端部112,111それぞれに、基板層10−1,10−2を貫通するスルーホール12a,12bが接続される。このように、導線パターン11aが基板層10−2〜10−nにおける各界面に形成されることで、駆動コイルL1を形成する並列に接続された導線パターン11aを渦巻き状に流れる電流の方向を同一の方向とすることができる。
【0040】
検出コイルL2についても、基板層10−n〜10−(2n−1)における界面及び基板層10−(2n−1)の表面それぞれに対して、導線パターン11aを形成するとともに、導線パターン11aそれぞれをスルーホール12a,12bで電気的に接続することで形成する。そして、基板層10−(2n−1)の表面に形成される導線パターン11aに設けられたコンタクト13a,13bに、全波整流回路2が接続される。
【0041】
尚、本実施形態において、基板層10−1,10−(2n−1)の表面及び基板層10−n〜10−(2n−1)それぞれの間に形成される界面に形成される導線パターン11を、図5のように、反時計回りの方向に中心に向かうような渦巻形状となる導線パターン11aとしたが、導線パターン11aと逆側となる(時計回りの方向に中心に向かう)渦巻形状の導線パターン11bとしても構わない。
【0042】
又、基板層10−1,10−(2n−1)の表面に形成される導線パターン11にコンタクト13a,13bを設けて、発振回路1及び全波整流回路2に接続するものとしたが、基板層10−nの両面に形成される導線パターン11にコンタクト13a,13bを設けて、発振回路1及び全波整流回路2に接続するものとしても構わない。更に、基板層10−1,10−(2n−1)の表面に形成される導線パターン11にコンタクト13a,13bの一方を設けるとともに、基板層10−nの両面に形成される導線パターン11にコンタクト13a,13bの他方を設けるものとしても構わない。
【0043】
更に、第1の実施形態と同様、多層基板10の基板層の表面及び界面に形成される導線パターン11が、図7(a)のように重なり合うように形成されるものとしても構わない。又、駆動コイルL1及び検出コイルL2それぞれに対して、図7(b)のように、異なる層に形成される少なくとも2つの導線パターン11の重なる部分が小さくなるように、ずらして配置しても構わない。
【0044】
上述の第1及び第2の実施形態のように駆動コイルL1及び検出コイルL2が構成されるとき、基板10の基板面積を広くすることで導線パターン11の巻き数を多くすることができるとき、多層基板10を構成する基板層の層数を少なくすることができる。同様に、導線パターン11のパターン幅及びパターン間隔を短くすることで導線パターン11の巻き数を多くすることができるときも、多層基板10を構成する基板層の層数を少なくすることができる。
【0045】
このとき、例えば、多層基板10の基板層それぞれの表面及び界面に形成される導線パターン11は、そのパターン幅を0.02〜0.1mmとするとともに、パターン間隔を0.02〜0.1mmとすることで、基板10の基板面積が小さい場合においても、多くの巻き数を形成できる。そして、例えば、基板10が縦10〜15mm×横10〜15mmの基板面を備えるとき、基板10を11層の基板層10−1〜10−11で形成することで、金属物の検出に十分な電力を取得することができる。即ち、このとき、駆動コイルL1及び検出コイルL2がそれぞれ、6つの渦巻形状パターンの導線パターン11によって構成される。
【0046】
尚、上述の第1及び第2の実施形態において、基板10の基板層を奇数層で形成したが、偶数層として、一方の表面に導線パターン11が形成された基板層を重ね合わせることで基板10を形成するものとしても構わない。又、駆動コイルL1及び検出コイルL2それぞれを形成する導線パターンの数を同じものとしたが、異なるものとしても構わない。又、第1及び第2の実施形態における導線パターン11が、略矩形状の渦巻形状としたが、略円状又は楕円状などのように他の形状による渦巻形状であっても構わない。
【0047】
<金属検知センサの配置関係の第1例>
上述のように構成される金属検知センサが複数配置されるときの配置関係の第1例について、図面を参照して説明する。図8は、本例における紙葉類処理機に設置される、紙葉類を投入するための紙葉類投入装置の構成を示す概略構成図である。又、図9は、紙葉類が載置される載置台における金属検知センサの配置関係を示す図である。尚、移送ローラ32は、本来は、載置台31より突出して紙葉類30と接触した構成であるが、図9では、説明の便宜上、載置台31を模式的に表示し、又、載置台31の端辺側に設置された移送ローラ32のみを表示する。
【0048】
図8に示す紙葉類投入装置は、紙葉類30が載置される載置台31と、載置台31に載置された紙葉類30を不図示の搬送装置に繰り出す移送ローラ32と、載置台31を底面としたときに紙葉類30を保持する側面となる紙葉類保持用の壁部33と、を備える。このような紙葉類投入装置は、紙葉類30が載置台31と平行となるように載置される。そして、載置台31に載置された複数枚の紙葉類30のうち載置台31に接した紙葉類30が、移送ローラ32によって搬送装置に繰り出されることによって、1枚ずつ紙葉類30が搬送装置に繰り出される。
【0049】
このように構成されるとき、載置台31に複数の金属検知センサがマトリクス状に設置される。この金属検知センサは、第1及び第2の実施形態のいずれかに示す構成の駆動用コイルL1及び検出用コイルL2が形成される多層基板10を備える。即ち、複数の多層基板10が、図9に示すように、お互いに隣接して配置されることによって、複数の金属検知センサの駆動用コイルL1及び検出用コイルL2がマトリクス状に載置台31一面に敷き詰められることとなる。
【0050】
これにより、例えば、図10(a)のように、載置台31に設置された3行3列に並んだ金属検知センサS11〜S33を例に挙げて、その出力動作について、図11を参照して説明する。尚、図11において、黒塗りの円が金属物を検出した金属検知センサであることを示し、白塗りの円が金属物の検出を行っていない金属検知センサであることを示す。
【0051】
まず、図10(b)のように、金属検知センサS11〜S33の駆動用コイルL1及び検出用コイルL2全てを覆うコインなどの大きな金属物が載置台31上に設置された場合、図11(a)のように、金属検知センサS11〜S33全てから金属物を検出したデジタル信号がA/D変換回路4より出力される。又、図10(c)のように、金属検知センサS23の駆動用コイルL1及び検出用コイルL2のみを覆うホッチキスやクリップなどの小さな金属物が載置台31上に設置された場合、図11(b)のように、金属検知センサS23から金属物を検出したデジタル信号がA/D変換回路4より出力される。
【0052】
<金属検知センサの配置関係の第2例>
本例においても、第1例と同様、図8に示す紙葉類投入装置に対して金属検知センサが設けられる。図12は、本例における載置台での金属検知センサの配置関係を示す図である。よって、以下では、載置台における金属検知センサの配置関係について説明する。尚、移送ローラ32は、本来は、載置台31より突出して紙葉類30と接触した構成であるが、図12では、説明の便宜上、載置台31を模式的に表示し、又、載置台31の端辺側に設置された移送ローラ32のみを表示する。
【0053】
本例においては、図12に示すように、基板面積の狭い多層基板10に駆動用コイルL1及び検出用コイルL2が形成された複数の金属検知センサが、載置台31の外周側に沿って配置される。そして、この多層基板10を備えた金属検知センサの内側に、基板面積の広い多層基板100に駆動用コイルL1及び検出用コイルL2が形成された複数の金属検知センサがマトリクス状に設置される。このように、面積の異なる多層基板10,100それぞれを備えた金属検知センサが配置されるとき、第1及び第2の実施形態で説明したように、多層基板10の方が多層基板100に比べて基板面積が狭く、コイルを形成する導線パターンの巻き数が少ないため、その層数が多くなり、基板の板厚が厚くなる。
【0054】
このとき、載置台31の外周側に配置される多層基板10を備えた金属検知センサは、1列で配置されるものとしても構わないし、2列以上の複数列で配置されるものとしても構わない。即ち、クリップやホッチキスなどは、紙葉類30を綴じるために紙葉類30の縁に付着していることが多い。よって、多層基板10を備えた金属検知センサを載置台31の外周側に配置することによって、ホッチキスやクリップなどの小さな金属物が高精度に検出されるようにしている。又、載置台31の中心側には、面積の大きい多層基板100を備えた金属検知センサにより、コインなどの大きな金属物が検出できるようにする。
【0055】
尚、本例において、載置台31の外周側に配置される多層基板10を備えた金属検知センサが、図13(a)に示すように、載置台31の端辺側に設置された移送ローラ32に近い側において、移送ローラ32に遠い側よりも多くの列で配置されるようにしても構わない。このようにすることで、移送ローラ32で紙葉類30が移送されるとき、移送される紙葉類30と共に移送されようとする金属物を、載置台31の端辺側に設置された移送ローラ32に近い側に配置された金属検知センサで高精度に検知することができる。更に、図13(b)に示すように、移送ローラ32に遠い側には、多層基板10を備えた金属検知センサでなく、多層基板100を備えた金属検知センサが備えるようにしても構わない。尚、図13についても、図9及び図12と同様、説明の便宜上、載置台31を模式的に表示し、又、載置台31の端辺側に設置された移送ローラ32のみを表示する。
【0056】
又、本例では、載置台31の外周側に配置される駆動コイルL1及び検出コイルL2が形成される多層基板の基板面積が最も狭いものであり、載置台31の中心側に配置される駆動コイルL1及び検出コイルL2が形成される多層基板ほど、その基板面積が広くなるものとしている。しかしながら、本例の構成に限らず、3種類以上の広さとなる基板面積の多層基板により駆動コイルL1及び検出コイルL2が形成された複数の金属検知センサが設置されるものとしても構わない。このとき、載置台31の中心側に近づくほど基板面積の広い多層基板が配置されるとともに、載置台31の外周側に近づくほど基板面積の狭い多層基板が配置される。
【0057】
上述の第1例及び第2例において、載置台31の外周端辺に接するように設置された3面の壁部33の各面に、複数の多層基板10を備えた金属検知センサが設置されるものとしても構わない。以下では、壁部33の1面を図14に示すが、壁部33の他の3面についても同様である。
【0058】
このとき、図14(a)に示すように、壁部33の各面に対して、金属検知センサの駆動コイルL1及び検出コイルL2を構成する多層基板10がマトリクス状に配置され、壁部33の各面全面が複数の多層基板10で敷き詰められるものとしても構わない。又、図14(b)に示すように、壁部33の各面に対して、載置台31に接する端辺側に複数の多層基板10が複数列分に配置されるものとしても構わない。
【0059】
更に、図14(c)に示すように、載置台31に接する端辺側には、図14(b)の場合と同様、複数の多層基板10が複数列分に配置され、残りの領域には、多層基板10よりも基板面積の広い多層基板100が配置されるものとしても構わない。即ち、載置台31近傍において、基板面積の狭い多層基板10に駆動コイルL1及び検出コイルL2が構成された金属検知センサによって、小さな金属物の検出を高精度に行うとともに、載置台31から離れた位置では、基板面積の広い多層基板100に駆動コイルL1及び検出コイルL2が構成された金属検知センサによって、大きな金属物の検出を行う。尚、3種類以上の基板面積の多層基板による金属検知センサが設けられるものとし、載置台31に近い位置ほど、基板面積の狭い多層基板が配置されるようにしても構わない。
【0060】
又、上述の第1例及び第2例では、紙葉類処理機が循環式紙幣入出金機や紙幣計数機であるときの紙葉類投入装置を例に挙げて説明したが、紙葉類処理機が電子複写機としたときにおける自動原稿搬送装置を紙葉投入装置としたときにおいても、載置台31に、上述の第1例及び第2例と同様にして金属検知センサの駆動コイルL1及び検出コイルL2を構成する多層基板を配置すればよい。
【0061】
尚、壁部33に設置される金属検知センサについては、図14(a)のように、駆動コイルL1及び検出コイルL2を構成する多層基板を全面に設置されるものとしても構わない。又、基板面積の狭い多層基板10を壁部33の一部に設置する場合は、図14(b)及び図14(c)とは逆に、基板面積の狭い多層基板10を載置台31から離れた端辺側に設置する。
【0062】
<金属検知センサの配置関係の第3例>
又、上述のように構成される金属検知センサが複数配置されるときの配置関係の第3例について、図面を参照して説明する。図15は、本例における紙葉類処理機に設置される紙葉類投入装置の構成を示す概略構成図である。
【0063】
図15に示す紙葉類投入装置は、紙葉類30が載置される載置台31と、載置台31の1つの端辺側に設けられて紙葉類30を不図示の搬送装置に繰り出す移送ローラ32と、移送ローラ32が設けられる載置台31の端辺に接した位置に載置台31に対して垂直に形成される固定板41と、固定板41に面が対向するように設置され載置台31上のスライドする可動板42と、固定板41及び可動板42に対して垂直となり載置台31の端辺に設置される壁部43と、を備える。
【0064】
このような紙葉類投入装置は、紙葉類30がその面が固定板41に平行となるとともに載置台31と垂直となるように載置されると、不図示の押圧部によって固定板41側に押圧される可動板42と固定板41とによって紙葉類30が狭持される。そして、載置台31に載置された複数枚の紙葉類30のうち固定板41に接した紙葉類30が、移送ローラ32によって搬送装置に繰り出されることによって、1枚ずつ紙葉類30が搬送装置に繰り出される。
【0065】
このように構成されるとき、固定板41の表面に複数の金属検知センサの駆動用コイルL1及び検出用コイルL2を構成する多層基板10又は多層基板100がマトリクス状に設置されることにより、金属物となる異物の検出が行われる。尚、この固定板41の表面への金属検知センサの多層基板10及び多層基板100の配置関係については、上述の第1例及び第2例における載置台31への配置関係(図9、図12、図13参照)と同様にすることで、ホッチキスやクリップなどの小片の金属物の検出も可能となる。
【0066】
又、載置台31及び壁部43においても、少なくとも、固定板41と接する端辺側に複数列の多層基板10が設置されるものとしても構わない。このとき、載置台31及び壁部43に対する多層基板10及び多層基板100の配置関係を、上述の第1例及び第2例における壁部33への配置関係(図14参照)と同様とすることが好ましい。更に、可動板42についても、固定板41と同様に、その表面に複数の金属検知センサの駆動用コイルL1及び検出用コイルL2を構成する多層基板10又は多層基板100がマトリクス状に設置され、図9、図12、又は図13のような配置関係となるようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、コイン、クリップ、ホッチキスなどの金属物の検出を行う金属検知センサとして、紙葉類を1枚ずつ搬送して各種処理を行う紙葉類処理装置に適用される。この紙葉類処理装置として、投入された紙幣の金種や真偽を識別して各金種毎に振り分けて収納する紙幣入金機又は紙幣入出金機や、紙幣の枚数を計数する紙幣計数機や、原稿を記録紙に複製する電子複製機などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】は、金属検知センサの構成を示すブロック図である。
【図2】は、第1の実施形態における金属検知センサに用いる駆動コイル及び検出コイルの構成を示す断面図である。
【図3】は、図2の駆動コイル及び検出コイルを構成する多層基板の各層の構成を示す図である。
【図4】は、図3に示す各層の導線パターンの相関関係を示す図である。
【図5】は、第2の実施形態における金属検知センサに用いる駆動コイル及び検出コイルの構成を示す断面図である。
【図6】は、図5の駆動コイル及び検出コイルを構成する多層基板の各層の構成を示す図である。
【図7】は、図6に示す各層の導線パターンの相関関係を示す図である。
【図8】は、紙葉類処理機に設置される紙葉類投入装置の一構成例を示す図である。
【図9】は、紙葉類が載置される載置台における金属検知センサの配置関係の第1例を示す図である。
【図10】は、金属検知センサと金属物との関係を示す図である。
【図11】は、図10による金属物との関係による金属検知センサの反応を示す図である。
【図12】は、紙葉類が載置される載置台における金属検知センサの配置関係の第2例を示す図である。
【図13】は、紙葉類が載置される載置台における金属検知センサの配置関係の別例を示す図である。
【図14】は、紙葉類を保持する壁部における金属検知センサの配置関係の例を示す図である。
【図15】は、紙葉類処理機に設置される紙葉類投入装置の別の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 発振回路
2 全波整流回路
3 増幅回路
4 A/D変換回路
10,100 多層基板
11,11a,11b 導線パターン
12,12a,12b スルーホール
13,13a,13b コンタクト
30 紙葉類
31 載置台
32 移送ローラ
33 壁部
41 固定板
42 可動板
43 壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁界を発生する第1コイルと、該第1コイルで発生した磁界により誘起電圧を発生する第2コイルと、前記第1コイルに発振信号を与える発振回路と、前記第2コイルで発生した誘起電圧を電気信号として出力する信号生成回路と、を備え、前前記第2コイルで発生した誘起電圧が金属物の有無によって変化することで値が変化する前記電気信号を前記信号生成回路より出力する金属検知センサにおいて、
前記第1及び第2コイルそれぞれが、
複数の基板層よりなる多層基板と、
該多層基板の表面及び界面それぞれに渦巻形状に形成される複数の導線パターンと、
前記基板層を貫通して前記基板層両面の前記導線パターンを電気的に接続するスルーホールと、
を備え、
前記第1コイルを形成する前記多層基板と前記第2コイルを形成する前記多層基板とを重ねて設置することを特徴とする金属検知センサ。
【請求項2】
前記スルーホールが前記基板層に1つ設けられるとともに、
当該スルーホールによって、前記基板層両面に形成される2つの前記導線パターンそれぞれの一方の端部を互いに電気的に接続することで、前記第1及び第2コイルそれぞれを構成する複数の前記導線パターンが直列に接続されることを特徴とする請求項1に記載の金属検知センサ。
【請求項3】
前記基板層両面に形成される2つの前記導線パターンの巻き線方向が逆となることで、前記第1及び第2コイルそれぞれを構成する複数の前記導線パターンを電流が流れる方向を同一とすることを特徴とする請求項2に記載の金属検知センサ。
【請求項4】
前記スルーホールが前記基板層に2つ設けられるとともに、
当該スルーホールによって、前記基板層両面に形成される2つの前記導線パターンそれぞれの両端部を互いに電気的に接続することで、前記第1及び第2コイルそれぞれを構成する複数の前記導線パターンが並列に接続されることを特徴とする請求項1に記載の金属検知センサ。
【請求項5】
前記基板層両面に形成される2つの前記導線パターンの巻き線方向が同一となることで、前記第1及び第2コイルそれぞれを構成する複数の前記導線パターンを電流が流れる方向を同一とすることを特徴とする請求項4に記載の金属検知センサ。
【請求項6】
前記基板層の表面及び界面に形成される複数の前記導線パターンが重なることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の金属検知センサ。
【請求項7】
前記基板層の表面及び界面に形成される複数の前記導線パターンのうち少なくとも二つの前記導線パターンが互いにずらした位置に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の金属検知センサ。
【請求項8】
紙葉類を受入れる受入部と、該受入部に投入された前記紙葉類を1枚ずつ繰り出す繰り出し部と、該繰り出し部により繰り出された前記紙葉類を機内へ搬送する搬送部と、を備える紙葉類処理機において、
前記受入部の前記紙葉類の面と接触する部分にマトリクス状に配置される複数の金属検知センサを備え、
該複数の金属検知センサの少なくとも一部が、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の金属検知センサであることを特徴とする紙葉類処理機。
【請求項9】
前記金属検知センサとして、前記第1及び第2コイルが設置される基板の基板面積の異なる複数種類の金属検知センサを備えることを特徴とする請求項8に記載の紙葉類処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−58241(P2008−58241A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237981(P2006−237981)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】