説明

金属表面のための残留物不含の膜形成性シランベース水性シーリング系

本発明は、アミノ官能基及びビシナルジヒドロキシアルキル官能基及び/又はエポキシ官能基を有するほぼ完全に加水分解された水溶性のポリシロキサンを含有する、金属表面を被覆するための組成物、その製造方法、金属表面を被覆するための前記組成物の使用、並びに前記組成物で処理された金属部材、特にブレーキキャリパーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属表面を被覆するための組成物に関し、この場合、この組成物は、アミノ官能基及びビシナルのジヒドロキシアルキル官能基及び/又はエポキシ官能基を有する、ほぼ完全に加水分解された水溶性ポリシロキサンを含有するものであり、その製造方法、金属表面を処理するための当該組成物の使用、さらにはこれにより処理された部材、特に、ブレーキキャリパー(Bremssaettel)に関する。
【0002】
金属被覆された、特に亜鉛又は亜鉛合金で被覆された部材はしばしば不動態化され、かつ引き続いてシーリングされる。シーリング材として、水ガラス、有機化合物、たとえばアクリレート、ポリウレタン又はさらにはエポキシド、並びにチタン酸エステル、チタンキレート又はさらにはシランとこれらの混合物を使用することができる。シランは、通常、チタン酸エステルとの混合物の形で、有機溶剤混合物中で使用され、この場合、これは、たとえばDE 41 38 218 A1に記載されている。
【0003】
DE 198 14 605 A1は、コロイダルシリカおよび/またはコロイダルシリケートの存在下で、シラン誘導体をベースとする水性シーリング材に関する。
【0004】
DE 10 2004 037 045 A1では、同様に、グリシジルオキシプロピルアルコキシシラン、水性シリカゾル、有機酸及び架橋剤の反応をベースとする水性組成物が開示されている。
【0005】
前記シーリング材の欠点は、アグレッシブな溶剤、たとえばグリコールに対してのその化学的耐性の欠如であるか、あるいは、シラン系硬化による研磨残留物の形成である。有機溶剤の使用は、種々の理由から望ましくない。溶剤含有シーリング系の加工の際には、VOC基準、増加した燃焼リスク並びに健康上のリスクについて言及され、これは特に、たとえば高められた温度で架橋をおこなう際に、その増加した揮発性によって引き起こされる。
【0006】
有機ベース系の化学的耐性の欠如により、前記のアグレッシブな溶剤中で操作される部材への使用を排除してきた。これに関する例は、グリコールをベースとする系中で操作されるブレーキキャリパーである。
【0007】
しかしながらさらに、水ガラス又はコロイダルシリカ、たとえばシリカゾルベースの系の使用による粉末状残留物は、それにより封止される部材の後の使用において問題が生じるものであり、かつその寿命を短縮させる。さらに、水ガラスをベースとするシーリング材は、いわゆる自浄作用(Selbheilungseffekt)を示さない。
【0008】
これらの課題に基づいて、水性シラン系をベースとする金属表面のためのシーリング系を開発し、この場合、この系は、粒子状残留物を形成することなく、かつ高い化学的耐性を示す。さらに当該系は、有機溶剤不含でなければならない。
【0009】
当該課題は、本願請求項に係る発明により解決された。
【0010】
金属表面を被覆するための本発明によるシーリング系は、アミノ官能基及びビシナルのジヒドロキシアルキル官能基及び/又はエポキシ官能基を有するほぼ完全に加水分解された水溶性ポリシロキサンを含有し、かつ、水、場合によっては酸の含量及び/又は場合によっては助剤を含有し、かつ、その際、当該ポリシロキサン中のそれぞれのケイ素は、少なくとも1個の官能基を有し、特に当該組成物は、ほぼ有機溶剤不含である。特に好ましい組成物は、アミノ官能基及びビシナルのジヒドロキシ官能基及びこれから誘導された基を有するほぼ完全に加水分解されたポリシロキサン、水、場合によっては酸の含量及び/又は少なくとも1種の助剤をベースとし、その際、当該ポリシロキサン中のそれぞれのケイ素は、少なくとも1個の官能基を有し、かつ当該組成物はほぼ有機溶剤不含である。特に、当該組成物は、四官能性シロキサン不含である。好ましくは、本発明による水性組成物のポリシロキサンは、アルコキシ基不含であり、かつシラノール基を有する官能性シロキサンとして存在する。ほぼ有機溶剤不含とは、これに関してさらにアルコールが挙げられるが、有機溶剤の含量が5質量%を下廻り、好ましくは1質量%を下廻り、特に好ましくは0.5質量%を下廻り、それどころか0.1質量%を下廻る場合の組成物であると解される。ジヒドロキシアルキル官能基とは、さらにジヒドロキシアルキルエーテル官能基であると理解される。
【0011】
本発明によるポリシロキサンは、アミノ官能基を介して金属表面あるいは金属不動態層と反応又は架橋することができると考えられ、特にアミノ官能性ポリシロキサンは、酸化クロム(III)化合物と反応することができると考えられる。特に有利には、ジアミノ官能性化合物、特にN−2−アミノエチル−3−アミノプロピル官能性シランを架橋する。さらに、たとえばポリシロキサンは、シラノール官能基を介して、金属表面または不動態層上で相当するヒドロキシ官能基との縮合反応を生じうる。
【0012】
本発明の実施態様によれば、ポリシロキサンは組成物中で、一般式Ia
【化1】

[式中、b=0、1または2であり、1≦c≦6であり、d=0または1であり、0≦e≦6、特にe=0または1であり、1≦f≦6であり、かつ、R及び/又はR2*はベンジル基又はビニル基に相当する]のアミノ官能基を有し、特に、当該ポリシロキサンは、他の官能基として、1〜16個の炭素原子を有する直鎖、分枝及び/又は環式のアルキル基又はアルケニル基、特にビニル基を有し、その際、アルキル基としてメチル、エチル、プロピル及び/又はn−オクチルが好ましく、及び/又は当該ポリシロキサンはビシナルのジヒドロキシアルキル官能基又はエポキシ官能基として、グリシドキシプロピル基、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基又は2−(3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)−エチル基を示す。本発明による組成物は、シロキサンとN−2−アミノエチル−3−アミノプロピル−基及びケイ素におけるメチル基との反応、並びに、シロキサンとグリシドキシプロピル基及び/または特に3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基との反応に基づくポリシロキサンを含有する。アミノ官能性シロキサンは、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシランとの、水及び場合によっては酸の存在下での反応及び引き続いてアルコールの除去によって得ることができる。
【0013】
他のアミノ官能性シロキサンは、たとえば3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシランの反応、あるいは、3−アミノプロピルトリエトキシシランとアルキル官能性アルコキシシラン、たとえばメチルトリエトキシシランとの反応、あるいは、アミノプロピルトリエトキシシランとビニル官能性アルコキシシランとの反応、この場合、これは、水及び場合によっては酸の存在下であり、かつ、引き続いてのアルコールの除去によるものをベースとする。
【0014】
相応して、3−グリシジルオキシプロピル基及び/または特に3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基で置換されたシロキサンは、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランを、水/酸−混合物の存在下で加水分解及び縮合し、かつ引き続いてアルコールを除去することによって得ることができる。
【0015】
形成されたアミノ官能性及び3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル官能性及び/または3−グリシドキシプロピル官能性の、水溶性のシロキサンは、互いに反応して、水溶性ポリシロキサンを含有する本発明による組成物を生じる。
【0016】
好ましい組成物は、Hydrosile 2776(ジアミノアルコキシシランとメチルアルコキシシランとの共縮合物)、Hydrosil 2781(アミノアルコキシシランとビニルアルコキシシランとの共縮合物)、Hydrosil 2627(アミノアルコキシシランとアルキルアルコキシシランとの共縮合物)及び/又はHydrosil 1151(アミノプロピルトリアルコキシシランからの生成物)と、Hydrosilen 2926(エポキシアルコキシシラン)及び/又は2759(添加剤としてグリコールを有するエポキシアルコキシシランからの生成物)を反応させることに基づく(すべてDesussa社)。これらの生成物又は縮合物は、適した溶剤中で、水の存在下で、かつ場合によっては酸の存在下で相当するシランと反応させ、かつ引き続いて加水分解アルコール及び場合により存在する有機溶剤を除去することにより製造することができ、例えば、これは、EP 0953591 A1中で例示的に記載されており、かつその開示内容は、すべて本願発明の内容に含まれる。
【0017】
好ましい組成物は、さらに8より大きいpH値、特に8〜10、特に好ましくは8.5〜10を示し、特にpH値の調整は、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の添加により実施されるものではない。したがって組成物は、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物不含である。さらに、当該組成物が、金属表面への使用に関して定められた、特に有利なポリシロキサン含量を有することは好ましい。それというのも、このポリシロキサン含量によってのみ、透明な、ひび割れのない及び/又は粒子不含の被覆の形成を実現することができるからである。組成物中におけるポリシロキサンのこの含量は、0.5〜20質量%、特に1.5〜10質量%、特に好ましくは2.5〜5質量%である。
【0018】
すでに冒頭で挙げているように、被覆中の粒子残留物は、それにより被覆された部材の後の使用における寿命を制限するものである。したがって、アミノ官能基及びビシナルのジヒドロキシアルキル官能基および/またはエポキシ官能基を有するポリシロキサンを含有する組成物がコロイドおよび/またはシリケート不含であることは、特に好ましい。コロイド不含とは、当該組成物が、シリカゾル不含、すなわち、コロイド状の非晶質シリカ不含である場合と判断される。特に、組成物は、400〜1000nmの範囲の粒子を有するコロイド不含であり、特に、組成物中の粒子が35nmを下廻るか、および/または0.5〜35nmであるか、特に好ましくは0.5〜25nmである。粒度分布の測定は、公知の方法を用いて、レーザー回折(Coulter LS 粒度測定装置)により実施することができる。
【0019】
この組成物は、透明な液体として存在している。さらに得られた組成物は、本発明による混合物中で、特に、相当するポリシロキサン含量を用いて、室温で数ヶ月に亘って安定であり、かつ加工可能である。たとえば、アミノ官能基で置換されたシロキサンをベースとする浴組成物中に、通常の金属処理溶液を用いて処理された金属性の部材を浸漬する場合には、数時間内に組成物中に沈澱を形成し、これによりほぼ使用不可能となる。希釈された水性混合物中でのグリシドキシプロピルアルコキシシランの単独使用の場合には、本発明による混合物を使用した場合よりも、顕著に低い腐蝕保護しか達成しえない。
【0020】
本発明による組成物は、金属表面、不動態、特にCr(III)含有不動態、特に好ましくはCr(III)酸化物を有する不動態上の腐蝕保護膜としての、化学的に特に耐性の層を形成するために開発された。化学的耐性は、アグレッシブな溶剤、たとえばブレーキ液中で操作しなければならない部材に関して、部材の寿命を改善するために特に重要である。さらに、強い摩擦又は研磨プロセスにさらされる部材の場合には、被覆はすばやく引き裂かれるか、あるいは、完全に破壊されることが生じる。金属、たとえば鉄含有部材の腐蝕保護は、一般に、卑金属、例えば鉄を、被覆金属、たとえば亜鉛又は亜鉛合金、たとえばZn−Fe、Zn−Co又はZn−Ni合金で被覆し、引き続いて不動態化することにより実施する。不動態化は、一般に、コバルト(Co)含有Cr(III)−酸化物を用いて生じさせ、そこで被覆金属からの亜鉛が溶解されうる。引き続いて、この層系をシーリングするためにさらに本発明による組成物を塗布し、ポリシロキサンをクロムIII含有不動態皮膜、特に好ましくはCr(III)酸化物と化学的に架橋させることによって、ここで、さらにCo化合物及びZn化合物を溶解することができ、化学的及び機械的に最大の耐性を有する層を形成する。
【0021】
本発明による組成物中のポリシロキサンは、縮合されたアミノ官能性シロキサンおよびビシクナルのジヒドロキシアルキル官能性シロキサンをベースとし、場合によってはさらにアミンを有し、ジオールと混合物中で反応させる。これらのポリシロキサンは、ポリシロキサン側で、たとえばアミノ官能基を介して金属表面とおよび/またはシラノール基を介してヒドロキシ基と、縮合反応下で反応または架橋し、かつ強い化学的架橋を形成させ、ならびに金属表面を有する層を形成し、すなわち、本発明によるポリシロキサンは層を形成しながら金属表面と架橋する。これに関して特に好ましくは、ポリシロキサンをCr(III)化合物と架橋させ、特に好ましくはCr(III)酸化物と架橋させる。特に、アミノ官能性シロキサンをベースとする化合物と、酸化クロム(III)化合物とを反応させる。この方法で、化学的および機械的に最大限安定化された被覆が得られ、この場合、これは、持続的な腐蝕保護が認められる。具体的な例において、当該保護機序は、不動態層上にオルガノシリケート様腐蝕保護層を形成することから成る。これに関して、特に好ましくはこの層が粒子状の残留物を有しないことである。粒子状の残留物とは、コロイド状の、すなわちシリカゾル(SiO)および/または無機シリケート、たとえばリチウムポリシリケートであると理解され、特にそれが固体粒子の場合には、400〜1000nm、特に好ましくは40nmを上廻る大きさを示す。
【0022】
さらに当該組成物は、他の添加剤又は助剤を有していてもよい。したがって、染料、耐摩擦剤、架橋剤、消泡剤、緩衝剤又は有機バインダの添加が可能である。
【0023】
さらに本発明の対象は、本発明による組成物を製造する方法である。この方法は、ほぼ完全に加水分解されたアミノ官能性シロキサンと、エポキシ官能性および/またはビシナルのジヒドロキシアルキル官能性シロキサンとの反応を包含し、その際、アミノ官能性シロキサンは、一般式(I)
【化2】

[式中、a=0または1であり、b=0、1又は2であり、1≦c≦6であり、dは0又は1であり、0≦e6であり、特にe=0又は1であり、1≦f≦6であり、かつ、R及び/R2*はベンジル基又はビニル基であり、かつR及び/又はR1*はメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基に相当する]のアミノアルキルアルコキシシラン Aモルを、
場合によっては、一般式II
【化3】

[式中、Rは1〜16個の炭素原子を有する直鎖、分枝又は環式アルキル基又はアルケニル基であり、特にビニル基であり、かつRはメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基に相当する]のアルキルアルコキシシラン及び/又はアルケニルアルコキシシラン Bモルと、0<A/B≦2のモル比で、水及び場合によっては酸の存在下で、特に、アルカリで、11を下廻るpH値で、好ましくはpH値8〜11で、特に好ましくは8.5〜10.0及び殊に好ましくは9.0〜10.0で反応させ、かつすでに存在するか又は形成されたアルコールを除去することに基づき、
かつ、ビシナルのジヒドロキシ官能性及び/又はエポキシ官能性シロキサンは、一般式III
【化4】

[式中、g=0又は1であり、かつRは3−グリシジルオキシプロピル基、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基、2−(3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)−エチル基又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基であり、Rはメチル基又はエチル基であり、かつR6*はメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基に相当する]のグリシジルオキシプロピル基、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル−基及び/又は2−(3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)−エチル基で置換されたアルコキシシランを、水/酸混合物の存在下で、特にpH値1〜8で反応させ、かつすでに存在するかまたは形成されたアルコールを除去することに基づく。このアルコールは、前記双方の反応の範囲内において、好ましくは5質量%未満、特に1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%未満それどことか0.1質量%未満の含量になるまで除去する。好ましい実施態様によれば、アミノ官能性シロキサンとビシナルのジヒロキシアルキル官能性および/またはエポキシ官能性シロキサンとの比(モル比)は1:4〜4:1、特に好ましくは1:2〜2:1である。有利には、組成物のpH値は8を上廻り、特に8.5〜10に調整する。
【0024】
本発明の他の対象は、ほぼ完全に加水分解されたアミノ官能性シロキサンと、ビシクナルのジヒドロキシアルキル官能性及び/又はエポキシ官能性シロキサンとを、前記方法にしたがって、特にポリシロキサン含量0.5〜20質量%、好ましくは1.5〜10質量%、特に好ましくは2.5〜5質量%であり、および/または8〜11のpH値、好ましくは8.5〜10のpH値で反応させることによって得られる組成物である。この組成物は、架橋前において透明であり、かつ架橋後に透明な、化学的に耐性の被覆を生じさせるものであって、ひび割れ又は粒子状の残留物を示すものではない。さらに、得られた組成物は、本発明による混合物中で、特に、ポリシロキサンの相当する含量で安定であり、特に金属部材を湿潤させるための浴組成物としての使用中においても安定である。これとは対照的に、本発明による混合物をベースとするものではない通常のアミノ官能性組成物は、一般に、相当する前処理がなされた金属部材との接触後数時間内に早くも、沈殿形成し、かつ組成物を使用できないものとする。この沈殿形成は、金属前処理溶液からの連行された不純物又は残余との反応に基づくものであって、この場合、不純物又は残余は、金属部材により一緒に相当する浴組成物中に不可避に導入されるものである。
【0025】
本発明の他の対象は、ほぼ完全に加水分解された水溶性ポリシロキサンを含有する組成物に関し、その際、一般式IV
【化5】

[式中、R1*、R及び/又はR6*は水素であり、Rはメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、Rは互いに独立して1〜16個の炭素原子を有する直鎖、分枝又は環式のアルキル基及び/又はアルケニル基、たとえばビニル基であり、Rはメチル基又はエチル基に相当し、RはRから誘導され、その際、Rは3−グリシジルオキシプロピル基、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基又は2−(3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)−エチル基に相当し、かつRは一般式Ia
【化6】

(式中、b=0、1又は2であり、1≦c≦6であり、d=0又は1であり、0≦e≦6であり、1≦f≦6であり、かつその際、R及び/又はR2*はベンジル基又はビニル基に相当する)のアミノ官能基から誘導され、特にアミノ官能基は、3−アミノプロピル基(e=0)又はN−2−アミノエチル−3−アミノプロピル基(e=1)であり、a=0又は1であり、g=0又は1であり、1≦h、0≦i、1≦jであり、かつ0≦kであり、特に1≦iであり、HXは酸を示し、その際、Xは無機酸基又は有機酸基である)のポリシロキサンは、一般式I及びIII及び場合によってはIIのシランから誘導されるものであって、かつ、当該組成物は、ほぼ有機溶剤不含である。有機溶剤、たとえばアルコールほぼ不含とは、溶剤の含量が5質量%未満、好ましくは1質量%未満、特に好ましくは0.5質量%未満またはそれどころか0.1質量%未満である場合の組成物を意味する。酸として、常用の有機酸又は無機酸、たとえばギ酸、酢酸、硝酸、塩酸、リン酸又は硫酸を使用することができる。
【0026】
さらに、シーリング系を含有するキットを請求し、この場合、これは、第1成分及び第2成分から構成され、その際、第1成分は一般式IVa
【化7】

[式中、R1*及び/又はRは水素であり、Rはメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、かつRは互いに独立して1〜16個の炭素原子を有する直鎖、分枝又は環式アルキル基及び/又はアルケニル基、特にビニル基に相当し、かつRはIa
【化8】

(式中、b=0、1又は2であり、1≦c≦6であり、d=0又は1であり、0≦e≦6であり、1≦f≦6であり、かつその際、R及び/又はR2*は、ベンジル基又はビニル基に相当する)のアミノ官能基から誘導され、特にアミノ官能基は、3−アミノプロピル基(e=0)又はN−2−アミノエチル−3−アミノプロピル基(e=1)に相当し、その際、a=0又は1であり、1≦hであり、0≦iであり、好ましくは1≦iであり、かつ0≦kであり、好ましくはk=0である。HXは酸を示し、その際、Xは有機又は無機の酸基である]のほぼ完全に加水分解された水溶性のポリシロキサンを含み、この場合、これは一般式I及び場合によってはIIのシランから誘導されたものであって、かつ、当該組成物はほぼ有機溶剤不含であり、特に好ましくはN−2−アミノエチル−3−アミノプロピル−トリアルコキシシランとメチルトリアルコキシシランとの反応に基づくポリシロキサン共縮合物であって、その際、1≦hかつ1≦iであり、かつ、
第2の成分は、一般式IVb
【化9】

[式中、R6*は水素であり、かつRはメチル基又はエチル基に相当し、かつRは3−グリシジルプロピル基、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基又は2−(3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)−エチル基から誘導され、その際、g=0又は1であり、1≦jである]のほぼ完全に加水分解された水溶性ポリシロキサンを含み、この場合、これは一般式IIIのシランから誘導されたものであって、かつ、当該組成物はほぼ有機溶剤不含である。特に好ましくは、3−グリシドキシプロピル基及び/又は3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル−トリアルコキシシランとの反応に基づくポリシロキサンであって、その際、1≦jである。
【0027】
本発明による組成物は、金属表面、特に金属酸化物および/または金属水酸化物を有する表面を処理、改質化又は被覆するのに使用することができる。
【0028】
さらに金属部材、特にブレーキキャリパーを製造するための方法を提供し、この場合、この方法は、これらを本発明による組成物を用いて処理又は改質化することによる。たとえば、この部材又はその一部は、組成物を用いて湿潤させ、かつ引き続いてのポリシロキサンの架橋下で硬化及び部材表面上の層又はフィルムの形成をおこなう。部材又はその一部の湿潤は、常用の塗布方法、例えば浸漬塗り、スプレー塗り、回転塗り(Tauchschleuden)等により実施する。湿潤を実施する際の温度はあまり重要ではなく、室温またはさらに高い温度で実施することができる。好ましくは、5〜100℃、特に好ましくは15〜60℃の範囲で実施する。引き続いての硬化またはポリシロキサンの架橋は、40〜150℃、好ましくは50〜150℃で実施することができる。乾燥および/または硬化のために、常用の循環空気系又は真空系を使用することができる。
【0029】
さらに本発明の対象は、金属表面、特に好ましくはCr(III)化合物、たとえばCr(III)酸化物を含有する表面を有する部材、特にブレーキ部材、たとえばブレーキキャリパー、特にディスクブレーキである。前記ブレーキ部材は、通常、一般的な乗用車(PKWs)中に取り付けられる。好ましくは、これは、上記方法にしたがって得られる。この部材及び特に好ましくはブレーキキャリパー、特にCr(III)化合物、Cr(III)酸化物を含有する表面を有するものは、アミノ官能基及びビシナルのジヒドロキシアルキル官能性および/またはエポキシ官能性基を有するポリシロキサンとの架橋に基づく被覆を有することにより特徴付けられる。この表面はさらにコバルト及び/又は亜鉛を含有することもできる。本発明による部材、特にブレーキキャリパーは、目的に従う使用の際に、アグレッシブなブレーキ液中で操作され、この場合、このブレーキ液は、石油誘導体、シリコーン及び/又はグリコールをベースとするものであって、特に、DOT3又はDOT4(DOT=Department of Transportation、ブレーキ液に関するUS名称)による。DOT4は、たとえば、以下の組成をベースとする:グリコールエーテル、グリコールエーテルボラート、ポリグリコール及び抑制剤、これは特にトリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル及び脂肪族アミンであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】被覆されたブレーキキャリパーの外観図
【図2】Dynasylan(登録商標) HYDROSIL 2776及びDynasylan(登録商標) HYDROSIL 2926からの1:1混合物をベースとするポリシロキサン混合物で被覆された金属薄板の120時間の塩水噴霧試験後を示す図
【図3a】216時間の塩水噴霧試験後の被覆されたブレーキキャリパーを示す図
【図3b】480時間の塩水噴霧試験後の被覆されたブレーキキャリパーを示す図
【図3c】744時間の塩水噴霧試験後の被覆されたブレーキキャリパーを示す図
【0031】
本発明を以下の実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例:
例1
200gの Dynasylan(登録商標)HYDROSIL 2926を装入し、これに3600gの水(蒸留水)を添加した。引き続いて攪拌下で、200gのDynasylan(登録商標)HYDROSIL 2776を添加した。1時間後に得られた生成物は直ぐに使用可能であった。
【0032】
例2
100gのDynasylan(登録商標)HYDROSIL 2627および300gのDynasylan(登録商標)HYDROSIL 2926を混合し、かつ3600gの蒸留水を添加した。1時間後に得られた生成物は、直ぐに使用可能であった。
ブレーキキャリパー上への塗装に関する実施例:
例3
ブレーキキャリパーを、例2に記載された不動態溶液中に浸漬し、かつ約2分後、この浴からさらに浸漬浴中に取り出した。過剰量の不動態溶液を遠心分離により除去した。引き続いて、ブレーキキャリパーを120℃で乾燥させた。不動態溶液から形成された層は、さらに乾燥後であっても透明性を維持し、ブレーキキャリパー上に何ら沈澱又は粒子状残留物は存在しない。
【0033】
例4
ブレーキキャリパーを、例1に記載された不動態溶液中に浸漬し、かつ約2分後、この浴からさらに浸漬浴中に取り出した。過剰量の不動態溶液を水切り(Abstropfen)により除去した。その後に、このキャリパー部材を約60℃で乾燥させた。この不動態溶液からのキャリパー部材上に得られた層は乾燥後であっても透明であり、何ら沈澱は存在しない。
【0034】
図1において、例3及び例4による被覆を有する2個のブレーキキャリパーを表す。この被覆は、部材の金属表面における架橋後にも、何ら粒子状残留物を示すものではない。構成部分の金属表面上での架橋後であっても何ら粒子状の残留物を示すものではない。この被覆は透明であり、突起(Nasen)及びひび割れを有するものではなかった。
【0035】
図2は、120時間の塩水噴霧試験後の金属薄板を示すものであり、これは、DIN EN ISO9227 NSSによるものであって、例1による組成物を用いて被覆した。これらの金属薄板は、落石による予めの傷付け及び引き続いての塩水噴霧試験216時間後、それ自体何ら被覆の腐蝕を示すことはなかった。
【0036】
図3a、図3b及び図3cにおいて、例3及び4による被覆を有するブレーキキャリパーが示され、これ自体は、744時間に亘って続けられたDIN EN ISO 92277 NSSによる塩水噴霧試験後に赤さび(Rotrost)形成を示すことがなかった。
【0037】
本発明は、以下の図面に示される実施例により詳細に説明される。
図面の説明:
図1:被覆されたブレーキキャリパーの外観図
図2:Dynasylan(登録商標) HYDROSIL 2776及びDynasylan(登録商標) HYDROSIL 2926からの1:1混合物をベースとするポリシロキサン混合物で被覆された金属薄板の120時間の塩水噴霧試験後を示す図
図3a:216時間の塩水噴霧試験後の被覆されたブレーキキャリパーを示す図
図3b:480時間の塩水噴霧試験後の被覆されたブレーキキャリパーを示す図
図3c:744時間の塩水噴霧試験後の被覆されたブレーキキャリパーを示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ官能基及びビシナルのジヒドロキシアルキル官能基及び/又はエポキシ官能基を有するほぼ完全に加水分解された水溶性ポリシロキサン、水、場合によっては酸の含量及び/又は場合によっては助剤を含有し、かつほぼ完全に有機溶剤不含であり、かつその際、ポリシロキサン中のそれぞれのケイ素は少なくとも1個の官能基を有している、金属表面を被覆するための組成物。
【請求項2】
ポリシロキサンが、
一般式Ia
【化1】

[式中、b=0、1または2であり、1≦c≦6であり、d=0または1であり、0≦e≦6であり、1≦f≦6であり、かつ、R及び/又はR2*はベンジル基又はビニル基に相当する]のアミノ官能基を有し、かつ、
ビシナルのジヒドロキシアルキル官能基又はエポキシ官能基として、グリシドキシプロピル基、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基又は2−(3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)−エチル基を有し、かつ、
場合による他の官能基として、1〜16個の炭素原子を有する直鎖、分枝及び/又は環式のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
pH値が8より大きい、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
ポリシロキサン含量が0.5〜20質量%である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
コロイド及び/又はシリケート不含である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
ポリシロキサンが、層を形成しながら金属表面と架橋する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
ポリシロキサンが、Cr(III)化合物と架橋する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
形成された層が、粒子状の残留物不含である、請求項6又は7に記載の組成物。
【請求項9】
ほぼ完全に加水分解されたアミノ官能性シロキサンと、ビシナルのジヒドロキシアルキル官能性及び/又はエポキシ官能性シロキサンを反応することを含み、その際、アミノ官能性シロキサンは、
一般式I
【化2】

[式中、a=0または1であり、b=0、1又は2であり、1≦c≦6であり、dは0又は1であり、0≦e6であり、1≦f≦6であり、かつ、R及び/R2*はベンジル基又はビニル基であり、かつR及び/又はR1*はメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基に相当する]のアミノアルキルアルコキシシラン Aモルを、
場合によっては、一般式II
【化3】

[式中、Rは1〜16個の炭素原子を有する直鎖、分枝又は環式アルキル基又はアルケニル基であり、かつRはメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基に相当する]のアルキルアルコキシシラン及び/又はアルケニルアルコキシシラン Bモルと、0≦A/B≦2のモル比で、水の存在下及び場合によっては酸の存在下で反応させ、かつすでに存在するか又は形成されたアルコールを除去することに基づくものであって、かつ、ビシナルのジヒドロキシ官能性及び/又はエポキシ官能性シロキサンは、一般式III
【化4】

[式中、g=0又は1であり、かつRはグリシジルオキシプロピル基、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基又は2−(3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)−エチル基であり、Rはメチル基又はエチル基であり、かつR6*はメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基に相当する]のグリシジルオキシプロピル基又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基で置換されたアルコキシシランを、水/酸混合物の存在下で反応させ、かつ、すでに存在するか又は形成されたアルコールの除去に基づくものである、請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物の製造方法。
【請求項10】
アミノ官能性シロキサンとビシナルのジヒドロキシアルキル官能性及び/又はエポキシ官能性シロキサンとの比が1:4〜4:1である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
pH値が8より大きい、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
pH値が8.5〜10である、請求項9から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項9から12までのいずれか1項に記載の方法によって得られた組成物。
【請求項14】
ほぼ完全に加水分解された水溶性ポリシロキサンを含有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物において、一般式I及びIII及び場合によってはIIのシランから誘導された、一般式IV
【化5】

[式中、R1*、R及び/又はR6*は水素であり、Rはメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、Rは互いに独立して1〜16個の炭素原子を有する、直鎖、分枝又は環式のアルキル基及び/又はアルケニル基であり、Rはメチル又はエチルであり、
はRから誘導され、その際、Rはグリシジルオキシプロピル基、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル基又は2−(3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)−エチル基に相当し、かつRはアミノ官能基
【化6】

(式中、b=0、1又は2であり、1≦c≦6であり、d=0又は1であり、0≦e≦6、1≦f≦6であり、かつR及び/又はR2*はベンジル基又はビニル基に相当する)であり、a=0又は1であり、g=0又は1であり、1≦hであり、0≦iであり、1≦jであり、かつ0≦kであり、HXは酸を示し、Xは無機又は有機の酸基である]のポリシロキサンを含み、かつ当該組成物はほぼ有機溶剤不含である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
第1成分及び第2成分から成るシーリング系を含有するキットにおいて、第1成分が、一般式I及び場合によっては一般式IIのシランから誘導された、一般式IVa
【化7】

[式中、R1*及びRが水素であり、Rがメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であり、かつRは互いに独立して1〜16個の炭素原子を有する直鎖、分枝又は環式のアルキル基及び/又はアルケニル基に相当し、かつRが一般式Ia
【化8】

(式中、b=0、1又は2であり、1≦c≦6であり、d=0又は1であり、0≦e≦6であり、1≦f≦6であり、かつ、R及び/又はR2*はベンジル基又はビニル基に相当する)のアミノ官能基から誘導され、a=0または1であり、1≦hであり、0≦iであり、かつ0≦kであり、HXは酸を示し、その際、Xは無機又は有機の酸基である]のほぼ完全に加水分解された水溶性ポリシロキサンを含み、かつ当該組成物は、ほぼ有機溶剤不含であり、かつ、第2成分は、一般式IIIのシランから誘導された、一般式IVb
【化9】

[式中、R6*は水素であり、かつRはメチル又はエチルに相当し、かつRはグリシジルオキシプロピル基、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−プロピル基、2−(3,4−エポキシ−シクロヘキシル)−エチル基又は2−(3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)−エチル基から誘導され、g=0又は1であり、j≧1である]のほぼ完全に加水分解された水溶性ポリシロキサンを含み、かつ当該組成物は、ほぼ有機溶剤不含である、第1成分及び第2成分から成るシーリング系を含有するキット。
【請求項16】
金属表面の処理、改質化又は被覆のための、請求項1から8又は13又は14のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項17】
金属表面が、Cr(III)化合物を含有する、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1から8又は13又は14までのいずれか1項に記載の組成物で金属部材を処理又は改質化することによる、金属部材の製造方法。
【請求項19】
部材が、Cr(III)化合物をその表面に有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
部材が、ブレーキキャリパーである、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
請求項18から20までのいずれか1項に記載の方法によって得られたブレーキキャリパー。
【請求項22】
ポリシロキサンとアミノ官能基及び/又はビシナルのジヒドロキシアルキル官能基及び/又はエポキシ官能基との架橋に基づく被覆を有する、金属表面を有する部材。
【請求項23】
被覆が、Cr(III)化合物を含有する表面と架橋されている、請求項22に記載の構成部材。
【請求項24】
アグレッシブな液体中で操作される、請求項22又は23に記載の構成部材。
【請求項25】
液体が、石油誘導体、シリコーン、グリコール、DOT3、DOT4及び/又はこれら液体の混合物を含む、請求項24に記載の構成部材。
【請求項26】
ポリシロキサンとアミノ官能基及びビシナルのジヒドロキシアルキル官能基及び/又はエポキシ官能基との架橋に基づく被覆を有する、ブレーキキャリパー。
【請求項27】
被覆が、Cr(III)化合物を含有する表面と架橋されている、請求項26のブレーキキャリパー。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【公表番号】特表2010−539311(P2010−539311A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525336(P2010−525336)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062361
【国際公開番号】WO2009/040281
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】