説明

金属表面を被覆する方法および被覆された金属表面を有する基板

本発明の目的は金属表面およびガラス質被覆を有する基板を提供することにある。この目的のため、本発明は被覆された基板、あるいは被覆された基板を備えた製品を製造する方法に関し、前記基板はガラスで被覆された少なくとも1つの金属表面を有する。この基板は少なくともその金属表面上が蒸着ガラスで被覆されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に金属表面を被覆する方法に関し、特に、本発明はガラス質層で金属表面を被覆する工程ならびに金属表面を有する基板、および当該方法に従って製造可能なガラス質被覆を有する基板に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス質・コーティングは特に、非常に優れた不動態性および密封性を有する。例えば、ガラスは水、水蒸気、および、特に、酸および塩基などの攻撃的物質に対しても優れた保護を提供する。
【0003】
金属表面を保護するガラス質層は、エナメルの形態で昔から知られてきた。エナメル被覆中は、無機で無溶媒のガラス混合物が金属基板に付着され、次いで溶融される。
【0004】
しかし、このタイプの方法は薄いガラス層および厚さが正確に定められたガラス層を金属基板上に堆積させることができない。さらには、予備被覆を再溶解させるこのタイプの方法は、熱的に十分安定している基板に対してのみ適している。したがって、さらに、正確に構造化されたガラス質層を基板上に製造することは不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、金属表面を有する基板、および特に上記欠点に関して改善された表面上のガラス質被覆を提供し、かつこのタイプの被覆された基板および/または相当する製品を製造する改善された方法を提供する目的に基づくものである。
【0006】
上記目的は独立請求項の主題によって非常に驚くほど簡単な方法で達成される。有利な改善および構成が各従属項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、被覆された基板および/または少なくとも1つの金属表面を有する被覆された基板を有する製品を製造する方法を提供し、この方法において基板は、少なくとも金属表面上に蒸着被覆ガラスで被覆される。
【0008】
したがって、特に本発明の方法によって製造可能である本発明の被覆された基板は、少なくとも1つの金属表面を含み、前記基板は金属表面上に蒸着被覆ガラス層が設けられている。
【0009】
このタイプの製品の蒸着被覆ガラス層は、不動態化層または封止層として機能し得る。さらに、蒸着被覆ガラスは非常に優れた電気的絶縁性により特徴づけられる。
【0010】
コンポーネントおよびその他の基板の封止用の蒸着被覆ガラスの保護特性に関しては、同じ出願人の名義であり、その開示の内容を参照によって明示的に本願明細書に組み入れた、
2002年4月15日に出願された独国特許出願第20205830.1号、
2002年5月23日に出願された独国特許出願10222964.3号、
2002年5月23日に出願された独国特許出願第10222609.1号、
2002年5月23日に出願された独国特許出願第10222958.9号、
2002年11月13日に出願された独国特許出願第10252787.3号、
および2003年1月16日に出願された独国特許出願第10301559.0号
を参照すること。
【0011】
蒸着被覆ガラス層の保護特性に関して、測定では8μm〜18μmの範囲の層厚の蒸着被覆ガラス層を用いたところ、10−7mbarls−1または10−8mbarl/sのヘリウムリークレートが容易に達成されることが明らかとなった。厚さ8μmおよび18μmの層を用いた場合、ヘリウムリークレートは0〜2×10−9mbarl/sの間にあることが測定からさらに明らかとなっており、これらの上限値は、実施された試験の測定の不正確さによって既に実質的に影響を受けている。
【0012】
金属表面が用いられた基板は、例えば、適切な複合材料などの、固い金属基板または一部分のみが金属である基板のいずれかであり得る。このタイプの基板の一例は、プリント基板に用いられるような銅被覆プラスチック基板である。
【0013】
さらに、低温または中程度の温度で行われる本発明の被覆によって、本発明はガラス被覆金属表面を有する製品を製造することが可能である。金属の融点もまた、エナメル被覆に通常使用される温度に比してより低温であり得る。したがって、この方法はまた、低融点合金を含んだ基板に適用され得、故に、本発明に従って製造可能な製品において用いられる材料を新しく組み合わせることを可能にする。
【0014】
また、本発明の方法を実施するためには、基板または被覆される金属表面が平坦であることが必ずしも必要ではない。むしろ、蒸着被覆ガラス層を含んだ被覆が、湾曲したおよび/または段状になった金属表面に問題なく付着され得る。したがって、本発明の方法を用いて、被覆された金属表面が平坦でない、製品または被覆された基板を製造することができる。
【0015】
このタイプの平坦でない表面を被覆するため、または、例えば、大面積基板上に均一の被覆を行うためには、被覆工程中は基板が被覆ソースに対して移動されることがさらに有利であり得る。特に、この移動は回転運動、並進運動、転頭運動、あるいはまたそのような運動の組み合わせを含んでよい。
【0016】
本発明の特に好適な実施形態によれば、ガラスは適切なソースから気化されるガラス材料を用いて蒸着被覆によって堆積される。
【0017】
蒸着被覆の1つの利点は、被覆される基板が高い熱負荷に曝露される必要がないということである。蒸着工程の間、基板が室温〜約150℃の範囲に保持され得る。この温度範囲においては、基板にはほとんど損傷または酸化が生じない。
【0018】
本発明においては、蒸着被覆ガラスとは、蒸着被覆によって表面上に蒸着され得る少なくとも二成分系の材料を含んだガラスであると理解されるべきである。特に、使用される蒸着被覆ガラスは、例えば、Schott Glas社によって製造されたタイプ8329またはG018−189などの、酸化アルミニウムおよびアルカリ金属酸化物を含んだホウケイ酸ガラスであってよい。さらに、このガラスは標準的な金属基板の熱膨張係数に近似する熱膨張係数を有しており、成分を適切に変更することによって基板の熱膨張係数に適合し得る。
【0019】
特に、複数の層を別の層の上に形成する場合に異なる成分の蒸着被覆ガラスを使用することも可能であり、この場合、複数のガラスは屈折率、密度、硬度等の点で異なる特性を有し得る。
【0020】
重量百分率において以下の成分を有する2つのガラス層は、本発明の被覆された基板および/または本発明の製品にとって特に適した蒸着被覆ガラスであることが明らかとなっている:
【0021】
【表1】

特に好適に用いられるガラスは、以下の表に記載の特性を有する:
【0022】
【表2】

【0023】
しかし、蒸着被覆ガラスは蒸着被覆によってだけでなく、他の種々の真空被覆法によっても基板上に堆積され得る。一例として、スパッタリングを用いて材料が堆積されてよい。
【0024】
蒸着被覆によるガラス層の堆積は、著しく高い堆積率または蒸着被覆率を達成することのできる他の真空蒸着法よりも有利である。本試験では層厚4μm/分を超える蒸着被覆率が達成され得ることが明らかとなっており、低温接合(LTB)法の場合のように、ボンディング作用をもたらすためにHO含有量を増大させる必要なく、生成されたガラスは基板の表面上に確実に結合されて堆積される。
【0025】
蒸着被覆によって達成され得る堆積速度は、多数の他の方法によって達成される堆積速度を上回る。例えば、酸化シリコンなどの単一成分系では、わずか数ナノメートル/分のスパッタリング率が達成される。
【0026】
蒸着被覆によって蒸着被覆ガラスを用いて被覆する場合、電子ビーム蒸着によって材料を蒸着し堆積させることが特に推奨される。電子ビーム蒸着の多数の利点の1つは、電子ビームによって伝達される出力がビームを集中させることによって比較的狭い領域上に集中され得ることである。これによってエバポレータのターゲット上で局所的に高温を達成することが可能となるので、比較的低い出力を用いて高いフローレートが達成され得る。これはまた同時に基板が曝される熱放射の吸収によって生じる熱負荷を低減させる。
【0027】
本発明の方法を実施するために、例えば、蒸着被覆材料を満たしたるつぼの加熱が用いられてもよい。
【0028】
本発明の方法は均一な蒸着被覆ガラス層を製造するためだけに用いられ得るわけではない。むしろ、本発明の方法の有利な改善においては、蒸着被覆ガラスは構造化された形態で金属表面上に堆積され得るので、基板は製法完了後には構造化された蒸着被覆ガラス層を有する。本発明では、被膜の側方構造化および垂直構造化の両方を形成することが可能である。
【0029】
さらに、構造化されたガラス層の製造法は先行する独国特許出願第10222609.1号および10222964.3号に記載されており、その内容は蒸着被覆ガラス層を有する構造化された被膜に関して、本出願の主題において参照により全体が本願明細書に組み入れられている。
【0030】
特に、基板の金属表面上に側方構造体を作るために、本発明は、
金属表面上に少なくとも1つの凹状に構造化された第1の被膜を形成する工程と、
第1の被膜を用いて提供された金属表面上に蒸着被覆ガラス層を堆積させる工程と、
第1の被膜および前記第1の被膜上の蒸着被覆ガラス層を部分的に除去する工程とから構成される構成を提供する。
【0031】
したがって、上記方法は形成されるべき凹状の構造体を構造化された第1の被膜の形態で付着させることに基づいている。次に、第1の構造化された層によって被覆された基板の表面に蒸着被覆ガラスを堆積させることによって、第2の層内に凸状構造体が形成される。次に、続く工程では、第1の被膜および前記第1の被膜上の蒸着被覆ガラス層が少なくとも部分的に除去されるので、残っている部分が凸状の蒸着被覆ガラス構造体である。本発明の方法では、凸状および凹状構造体とは一般に、相互に対して少なくとも部分的に相補型である構造体を意味する。これはまた、少なくとも1秒の被覆によって、隆起した構造体および凹状の構造体の両方を有し得る。
【0032】
基板の金属表面上に凹状に構造化された第1の被膜を形成する方法は、有利には、被覆される少なくとも1つの表面の領域を露出させる工程を含む。このように、堆積の間、蒸着被覆ガラス層は被覆される基板基板の表面と直接接触し、特に、表面と層との間には密接したダイレクト・ボンディングが形成される。
【0033】
さらに、凹状に構造化された第1の被膜を形成する工程は、有利には、第1の被膜を形成するために、レジスト・コーティング工程、特に、スピンコーティングおよび/または印刷および/または吹付けおよび/または電着を用いたレジスト・コーティング工程を含む。特に、これらの技術によって、厚さが一様な被覆を形成することが可能となる。さらに、特定の構造を形成するために、レジスト・コーティングが2工程以上において用いられてもよい。
【0034】
本発明の方法の有利な改善は、第1の被膜をリソグラフィ構造化する工程を含むために凹状に構造化された第1の被膜を形成する工程を提供する。リソグラフィ構造化は、例えば、半導体製造などの多くの用途において使用される。この構造化技術は、高いスループットと同時に高いレベルの精度で構造体を組み合わせることを可能にする。特に、この方法は、スクリーン印刷またはインク・ジェット印刷などの印刷工程と組み合わされてもよい。例えば、フォトレジスト上に印刷することによって、例えば、ウエハ上のコンポーネントの外形などの比較的広い構造体を構造化することが可能であり、次に、リソグラフィによって微細構造体を形成することが可能である。本発明の方法のこの改善は、フォトリソグラフィの利点とガラス構造化の利点とを組み合わせている。
【0035】
凸状に構造化された蒸着被覆ガラス層を形成するために、第1の被膜を少なくとも部分的に除去する工程は、有利には、第1の被膜を被覆している蒸着被覆ガラス層の領域をリフト・オフする工程を含む。この場合、第1の被膜を被覆している蒸着被覆ガラス層の領域は蒸着被覆ガラス層の下にある第1の被膜を除去することによってリフト・オフされ、これによって除去される。また、被膜を構造化するために用いられるこの技術は、「リフト・オフ」プロセスと呼ばれる。
【0036】
特に、蒸着被覆ガラス層が第1の被膜の厚さより薄い厚さで堆積される場合、この工程は単純な方法で実施され得る。このように、第1の被膜は蒸着被覆ガラス層を堆積させた後に被膜の構造体の両端において接近可能なままであり、次いで、例えば、適切な溶剤を用いて溶解されることによって第1の被膜の構造体を覆う蒸着被覆ガラス層の領域がその溶剤でリフト・オフされた状態で、再度容易に除去され得る。
【0037】
付加的な工程としてこの工程のさらなる変形形態が第1の被膜の少なくとも部分的な除去を提供するので、この第1の層は第2の層によってもはや封止状態で被覆されない。これにより第1の被覆への外部アクセスが可能になる。
【0038】
第1の被膜の次の除去のためのアクセスを形成するために、第1の被膜を少なくとも部分的に除去する工程が、被覆された金属表面を平坦化する工程を含んでいる場合が有利である。この場合、基板の被覆された表面は、第1の構造化された被覆の構造体が見える位置で蒸着被覆ガラス層が除去されるまで平坦化される。
【0039】
蒸着被覆ガラス層の部分的除去は、材料の機械的除去、特に、グラインディングおよび/またはラッピングおよび/またはポリシングによって便宜上もたらされる。
【0040】
さらに、この方法は凸状に構造化された第2の層の後処理工程も含む。後処理工程は、例えば、構造体の角を丸くするために用いられ得る。本発明における適切な後処理は、特に、ウェット・ケミカルおよび/またはドライ・ケミカルおよび/または熱還流である。また、この構造体は、例えば、構造体の光学的または電気的特性を変えるためにドーピングによって後処理されてもよい。
【0041】
当該工程を用いて側方に構造化された蒸着被覆ガラス層が特に簡単な方法で金属表面上に形成することができる本発明の方法のさらなる実施形態は、マスクを介して蒸着被覆することによって付着される蒸着被覆ガラス層を提供する。
【0042】
この目的のために、上記方法の変形形態によれば、マスクは、例えば、接着結合によって基板上に固定的に付着され得る。さらなる変形形態によれば、マスクは被覆ソースと基板との間に配置される。
【0043】
構造化された蒸着被覆ガラス層を形成するために、本発明の方法のさらなる構成が被覆工程の後に構造化される蒸着被覆ガラス層を提供する。これは被覆工程の後に局所的エッチングを用いて構造化することによって達成され得る。
【0044】
局所エッチングは、例えば、ウェットおよび/またはドライエッチングを用いた適切なエッチャントの付着の後に、光学的に構造化可能な被膜をフォトリソグラフィ・パタニングすることによって達成され得る。この場合、エッチャントは有利には金属表面がエッチストップ層として機能するような方法で選択され得る。
【0045】
本発明の方法は単一の構造化された層または均一な蒸着被覆ガラス層を堆積させるためだけに用いら得るわけではない。当然、本発明の範囲内において少なくとも2つの蒸着被覆ガラス層を基板上に堆積させるためにも使用され得る。また、これらの層は同じ成分を有している必要はなく、したがって、被膜を垂直に構造化することも可能である。したがって、このように形成され得る被覆された基板は、異なる成分を有してもよい少なくとも2つの蒸着被覆ガラス層を有する多層構造の被膜を含む。
【0046】
好適には、蒸着被覆ガラス層は0.01μm〜1mmの範囲の厚さを有する基板に付着されてよい。
【0047】
有利な改善によれば、蒸着被覆ガラス層の成分は前記層が付着されている間に変更できるので、被覆された基板表面に対して垂直方向に変化する成分を含んだ蒸着被覆ガラス層を有する被覆された基板が得られる。一例として、このように熱膨張係数を基板表面に対して垂直に変えることが可能である。このように、本発明では互いにより著しく異なる熱膨張係数を有する蒸着被覆ガラスおよび金属基板をも、互いに適合させることが可能である。
【0048】
本発明のさらなる実施形態は、少なくとも2つのソースから共蒸着によって蒸着被覆材料の堆積を含むように、蒸着被覆ガラス層を有する被覆を提供する。この方法のこの改善は、例えば、層内で異なる成分を生成するのにも適しているので、例えば、屈折率または温度係数などの材料特性が、表面に対して垂直方向に連続的にまたは段階的に変化する。
【0049】
当然、層の成分の変化も他の堆積技術を用いて、さらには単一の蒸着被覆ソースを用いて、例えば、加熱力を変えることによって達成され得る。したがって、一般的に有利には、蒸着被覆ガラス層を堆積させる工程は、堆積中に堆積される材料の成分を変化させる工程または表面に対して垂直方向に変化する成分を有する層を堆積させる工程を含む。
【0050】
例えば、共蒸着は2種類以上の成分の蒸着被覆ガラスが異なるソースから気化され、次いで基板表面上に堆積された後に蒸着被覆ガラスを形成するような方法で行われ得る。しかし、単一のソースから蒸着被覆ガラスを堆積させ、次に別のソースを用いて添加剤をその蒸着被覆ガラス層に導入することも可能である。
【0051】
当然、例えば、加熱力または堆積速度を変えることによって、他の堆積工程、さらには単一の蒸着被覆ソースを用いて層の成分を変化させることも可能である。
【0052】
さらに、連続的で封止された蒸着被覆ガラス層を得るためには、被覆された金属表面の表面粗さが50μm以下であることが有利である。
【0053】
被覆される多数の金属基板材料に関して、冷却後の熱応力を低減させるためには、蒸着被覆ガラス層を用いて被覆する間に、例えば、約100℃まで緩やかに基板を加熱することも有利である。
【0054】
また、不純物のレベルが低い緻密な蒸着被覆ガラス層を得るためには、被覆室内の被覆中の圧力が最大で10−4mbar、有利には10−5mbarであることが都合がよい。
【0055】
有利には、蒸着被覆ガラス層を用いた基板の被覆はプラズマ・イオン支援堆積(PIAD=plasma ion assisted deposition)を含んでもよい。この方法では、イオン・ビームが被覆される基板上に付加的に導かれる。このイオン・ビームはプラズマ・ソースを用いて、例えば、適切なガスをイオン化することによって発生され得る。このプラズマが層を付加的に緻密化させ、さらにゆるく接着している層があれば基板表面からの除去も行う。これによって特に緻密で、欠陥の少ない蒸着層が得られる。
【0056】
以下の記載では、本発明を例示的実施形態に基づいて添付図面を参照しながらより詳細に説明し、図面において同一および同様の要素は同一の参照記号を付与し、種々の実施形態の特徴を相互に組み合わすことができる。
【0057】
以下の記載はまず図1A〜図1Eに言及したものであり、これらの図は本発明の第1の実施形態に従ってガラスで被覆されている金属表面を有する、被覆された基板を製造するために用いられるプロセス・ステップを説明するために略断面図を使用している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
基板1は2つの反対の表面2および4を有し、少なくとも被覆される表面2の材料は金属である。基板1は、例えば、固い金属体、あるいは、例えばその表面が前記表面2を形成する金属層を有する複合材料であってよい。
【0059】
構造化された蒸着被覆ガラス層を形成するために、図1Aに示すように、第1の被膜3がまず最初に基板1の被覆される表面2に付着される。
【0060】
図1Bはさらなるプロセス・ステップ後の基板1の断面図を示す。このステップでは、構造5が第1の被膜内に導入される。これら構造5が最終的に構造化された被膜と相補型である凹状構造化を形成する。この構造化は基板1の被覆される金属表面2の領域6が除去されたような方法で行われたものである。
【0061】
特に、第1の被膜3が、例えば、露光および現像によって後から導入された構造5内にフォトレジストを含む目的で、上記構造化はフォトリソグラフィによって実施できる。
【0062】
この方法のさらなる変形によれば、被膜3は付着の後ではなく、むしろ直接的に層が付着されるときに構造化される。これは、例えば、スクリーン印刷を用いた適切な印刷工程を用いて、例えば、基板1上に印刷される層によって達成できる。この工程のこの変形形態では、図1Aに示した基板1の処理状態は省略される。しかし、当然ながら、例えば、構造化された形態で基板1の表面2上に印刷されるフォトレジストによって、この工程を次の構造化と組み合わせることも可能であり、例えば、さらなる微細構造を形成するために、印刷された構造は続いてさらに構造化される。図1Bに示した基板の状態は凹状に構造化された被膜を形成する工程を完了したものである。
【0063】
図1Cは第1の被膜3が提供された基板1の表面2を被覆する工程後の基板を示しており、蒸着被覆ガラス層7を有している。蒸着被覆ガラス層7を用いた被覆は電子ビーム蒸着を用いて実施されるのが好ましい。この蒸着被覆ガラス層7は被覆3が被覆されていない領域6および第1の被膜3を被覆する。
【0064】
図1Dは第1の被膜3を露出させる次の工程の後の基板を示している。この工程のこの変形形態では、被膜は被覆された金属表面2を平坦化することによって露出されている。この目的のため、被覆された表面は第1の被膜上の層7が除去されるまで平坦化されている。その結果、層7の真下にある第1の被膜が再び露出されている。
【0065】
図1Eは第1の被膜が除去された後の次のプロセス・ステップを示している。凹状に構造化された第1の被膜3上へ蒸着被覆ガラス層7を蒸着被覆し、かつその蒸着被覆ガラス層7を最終的に露出させた後に第1の被膜3を除去することによって、凸状に構造化された蒸着被覆ガラス層7が基板上に残る。凸状に構造化された層7の構造体9が、露出されたか、あるいは第1の被膜3によって被覆されていない領域6を被覆している。
【0066】
第1の凹状に構造化された被膜の除去は、例えば、その被膜を適切な溶剤を用いて溶解させることによって、またはウェット・ケミカル・エッチングあるいはドライ・ケミカル・エッチングすることによって達成できる。被膜を除去するために、有利には酸素プラズマを用いた灰化または酸化が用いられてもよい。
【0067】
図2Aおよび2Bに関する以下の記載は、図1Cおよび1Eに関して示したプロセス・ステップの好適な変形形態を示している。この工程のこの変形形態では、図1Aおよび1Bに関して示したように、構造化された第1の被膜3を付着することによってまず基板1が用意される。被膜3は第1の基板2のきれいな領域6を残す凹状構造体5を再度有する。再び蒸着被覆ガラス層7が、このように用意された、例えば、蒸着被覆ガラスを含んだガラス・ターゲットから電子ビーム蒸着によって付着された、基板の表面に付着される。しかし、この場合、層7の層厚は層7が連続的でないように選択される。これは本発明に従って蒸着被覆ガラス層7の厚さを第1の被膜よりも薄くすることによって達成される。この工程のこの段階は図2Aに示されている。
【0068】
次に、蒸着被覆ガラス層7は接近が構造体の側端の第1の被膜3に向かって保持される連続的な手段でないという事実があるので、第1の被膜3が、例えば、図1Cに関して示した平坦化により露出させる必要なく直接除去され得る。第1の被膜3上にある層7のそれらの領域が第1の被膜3の除去の間にリフト・オフされ、これにより除去される。
【0069】
図2Bに示すように、結果的に残っている部分は再度凸状構造体9を有する構造化された蒸着被覆ガラス層7である。
【0070】
付加的な工程では、図1Eまたは図2Bに示した本実施形態の構造化された第2の層7の構造体9に、構造体9の基板表面から離れている上部側を被覆している結合層を付着することも可能である。このタイプの結合層は、例えば、次のメタライゼーション用のシード層、あるいは、例えば接着層を含んでよい。
【0071】
図3A〜3Fは本発明の方法のさらなる実施形態を示しており、この実施形態は多層構造化された蒸着被覆ガラス層を形成するように働く。
【0072】
明瞭に示すために、図3A〜3Fは図1A〜1Eならびに/または2Aおよび2Bに関して説明されたいくつかのプロセス・ステップを特定的に例示していない。
【0073】
図3Aは基板1を示しており、この上に構造化された第1の被膜31が金属表面2上に形成されている。したがって、基板1のこの処理段階は実質的には図1Bに示した段階に相当する。
【0074】
図3Bは第1の被膜31が設けられた表面上に蒸着被覆ガラス層71を堆積させる次の工程の結果を示している。
【0075】
次に、層31で被覆された領域内の基板1の被覆された表面をグラインドおよび平坦化することによって、層71が再び除去され、このように露出された層31が除去されるので、残っている領域は構造体91を備えた凸状に構造化された蒸着被覆ガラス層71となる。この処理状態が図3Cに示されている。
【0076】
多層層のさらなる層を付着するために、図3Dに示すように、さらなる第1の構造化された層32がこのように被覆された表面上に形成される。図3Eに関して示したように、さらなる第1の被膜32の凹状構造52が構造化された蒸着被覆ガラス層71の構造体91上に配置される。次に、さらに別の蒸着被覆ガラス層72が付着され、前記層上の層72をグラインドすることによって層32が露出され、次いで層32が除去される。
【0077】
蒸着被覆ガラス層の多層層を付着することは有利には、図2Aおよび2Bに関して例示したプロセス・ステップに従って実現できる。
【0078】
これらのプロセス・ステップは場合に応じて2回以上繰り返されてよい。図3Fは構造体92を備えたさらに別の蒸着被覆ガラス層73を付着した後の基板1を示している。概して、個々の層71、72、および73が順に構造体9Aおよび9Bを備えた構造化された蒸着被覆ガラス層7を形成している。必要に応じて、これらの構造体9Aおよび9Bは個々の構造が個々の層71、72、および73の各被覆から蒸着被覆ガラス材料を含まないような方法で形成されてもよい。
【0079】
さらに、個々の層は異なる成分および層厚も含み得る。例えば、ガラス質ではない他の材料を蒸着被覆ガラスの個々の層と組み合わせることも可能である。一例として、例えば、金属、プラスチック、または半導電性物質を含む構造化された個々の層を付着することが可能である。
【0080】
図4は本発明の方法を実施する蒸着被覆装置の略図を示しており、参照番号20によって全体が示されている。この装置20は電子ビーム・エバポレータ26を特定的に備えている。
【0081】
電子ビーム・エバポレータ26は電子ビーム発生器21、ビーム分流加減装置22、および動作中は電子ビーム発生器21によって放出された電子ビーム24が衝突するガラス・ターゲット23を備えている。
【0082】
金属表面を有する被覆される基板1は、上記装置内で被覆される金属表面がガラス・ターゲット23に向き合うように配置されている。
【0083】
ガラスは電子ビームの衝突位置にて気化され、次に、ターゲット上の電子ビームの衝突位置と反対にある、基板1の表面の露出している部分に堆積される。
【0084】
ターゲット23のガラスをできるだけ均一に気化できるようにするために、ターゲット23は回転される。さらに、スウィーピング動作が、例えば、ターゲット23の半径方向でビーム24に与えられ得る。
【0085】
蒸着被覆操作においては、装置20の圧力は被覆中10−4mbar以下に保たれる。欠陥密度が少ない緻密な蒸着被覆ガラス層を製造するためには、これが便宜的であることが証明されている。
【0086】
基板はまた蒸着被覆の間、多くの基板材料のために蒸着被覆工程の後に生じる熱応力を防ぐか、または低減させる適切なデバイスを用いて、例えば、約100℃まで僅かに加熱され得る。
【0087】
さらに、本装置のさらなる実施形態は、例えば、蒸着被覆ガラス層の均一性を高めるためか、あるいは非平面な基板を影効果なく被覆できるようにするために、被覆ソースまたは電子ビーム・エバポレータ26に対して基板を移動させるデバイス(図4には図示せず)を提供する。
【0088】
さらに、プラズマ・イオン支援堆積(PIAD)によってガラス層で基板を被覆するために、蒸着被覆装置20は、動作中に被覆される基板の金属表面上に導かれるイオン・ビームを発生するプラズマ・ソースを備えてもよい。
【0089】
装置20は添加剤または他の蒸着被覆ガラスを共蒸着させるための1つまたは複数のソースを備えてもよい。この目的のために、図4は一例として付加的なソース28を示している.例えば、これは同様に電子ビーム・エバポレータあってよく、あるいは図4に示すように電子衝突によって加熱され、かつ蒸着被覆材料によって充填される、るつぼ30を備えてもよい。
【0090】
蒸着被覆ガラス層の成分または化学量論的成分に影響を及ぼすために、このソース28から共蒸着される材料を用いることができる。特に、被覆中のソース28の蒸着被覆率または堆積速度は、電子ビーム・エバポレータ26の堆積速度に関して変更され得るので、被覆された金属表面2に対して垂直方向に変化する蒸着被覆ガラス層の成分が得られる。
【0091】
被覆された金属表面2を有する基板1を備えたこのタイプの製品の一例を図5に示す。本発明によれば、再び蒸着被覆ガラス層7が基板1の表面2に付着された。この場合、添加剤がさらなるソースから共蒸着され、蒸着被覆中のこのソースからの、蒸着率および/または流量は変動した。この添加剤はそれが蒸着被覆ガラス層の熱膨張係数に影響するような方法で選択される。
【0092】
被覆された基板の略断面図の横に示したグラフは、表面2に対する垂直方向zの関数として熱膨張係数CTEを示している。さらなるソースからの流れはそのように選択され、蒸着被覆の時間経過の間、蒸着被覆ガラス層および金属表面の材料の熱膨張係数が基板1の表面の位置zにおいて実質的に一致するように変動された。これにより、金属表面への蒸着被覆ガラス層の優れた熱膨張的(dila−thermal)な適合を達成することが可能となる。
【0093】
図6は蒸着被覆ガラス層を有する構造化された被膜のための本発明のさらなる実施形態を実行する構成を概略的に示している。この工程のこの実施形態によれば、被覆される基板1の表面2と図6には示していないソースとの間にマスク10が配置されている。このマスク10は蒸着被覆ガラス層7の構造体9の意図される形状および位置に対応する、開口16または切欠きを有しており、一例としてそのうちの1つの開口が示されている。
【0094】
境界が明確に定められた構造体9を得るために、基板1の表面2にできるだけ近接してマスク10を配置することが有利である。次に、蒸着被覆ガラス層を用いた被膜が、マスク10を介して表面2を蒸着被覆することによって行われる。
【0095】
次の記載は図7A〜7Dに言及したものであり、これら図は構造化された蒸着被覆ガラス層を形成するさらに別の実施形態のプロセス・ステップを説明するために断面図を用いている。
【0096】
この工程は均一な構造化されていない蒸着被覆ガラス層で最初に被覆された基板の金属表面に基礎が置かれ、この蒸着被覆ガラス層は次に構造化される。
【0097】
したがって、図7Aに示すように、まず基板1が蒸着被覆ガラス層7を有する金属表面2上に被覆される。次に、図7Bに示すように、光学的に構造化可能な層34、例えば、適切なフォトレジストが蒸着被覆ガラス層7に付着される。
【0098】
次に、層34がさらなるプロセス・ステップにおいてフォトリソグラフィによって構造化されるので、図7Cに示すように、層34の下にある蒸着被覆ガラス層7の領域36が露出される。
【0099】
最終的に、蒸着被覆ガラス層のみを攻撃する適切なエッチャントが使用され得る。従って、被覆の結果、構造化された層36の下にある蒸着被覆ガラス層が露出された領域36内に局所的にエッチングされる。さらに、この場合、金属表面2はエッチストップ層として働く。
【0100】
最終的に、光学的に構造化された層36が適切な溶剤またはエッチャントを用いて除去され得るので、金属表面2および前記表面2に付着された構造化された蒸着被覆ガラス層7を有する基板および構造体9を含んだ製品が得られる。この製品すなわち被覆された基板を図7Dに示す。
【0101】
当然、本発明の方法を用いて、非平面な基板、例えば、非平面な金属表面を有する基板を蒸着被覆ガラス層で被覆することも可能である。
【0102】
このタイプの例示的実施形態を図8に示す。図8に示した実施形態の基板1は、例えば、円柱形の形態であり、金属表面2は基板1の側方の円柱面を形成する蒸着被覆ガラス層7で被覆されている。蒸着被覆ガラス層7は円柱面2を完全に被覆する。例えば、このタイプの被覆は、被覆中に例えば、図4に示した電子ビーム・エバポレータ26などの被覆ソースに対して基板を移動させることによって形成されてよい。特に、円柱状基板1は、図8に示したような連続した蒸着被覆ガラス層7を用いてその円柱軸周囲に回転させられることによってその円柱面上に被覆され得る。
【0103】
上記実施形態は例示として解釈されるべきであり、かつ本発明はそれら実施形態に限定されるものでなく、むしろ本発明の範囲から逸脱することなく多数の様式で変形されてよいことが当業者には明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1A】本発明の方法の一実施形態の基板の構造化された被膜に関連するプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図1B】本発明の方法の一実施形態の基板の構造化された被膜に関連するプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図1C】本発明の方法の一実施形態の基板の構造化された被膜に関連するプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図1D】本発明の方法の一実施形態の基板の構造化された被膜に関連するプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図1E】本発明の方法の一実施形態の基板の構造化された被膜に関連するプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図2A】図1C〜1Eで示したプロセス・ステップの一変形形態を示す略断面図である。
【図2B】図1C〜1Eで示したプロセス・ステップの一変形形態を示す略断面図である。
【図3A】基板の被膜を多層構造化するための本発明の一実施形態のプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図3B】基板の被膜を多層構造化するための本発明の一実施形態のプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図3C】基板の被膜を多層構造化するための本発明の一実施形態のプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図3D】基板の被膜を多層構造化するための本発明の一実施形態のプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図3E】基板の被膜を多層構造化するための本発明の一実施形態のプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図3F】基板の被膜を多層構造化するための本発明の一実施形態のプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図4】本発明の方法を実行するデバイスを示す略図である。
【図5】蒸着被覆ガラス層の垂直に変動する成分を示すグラフとともに本発明の被覆された基板を示す断面図である。
【図6】蒸着被覆ガラス層で構造化被覆する本発明の方法のさらなる実施形態を実行するための構成を示す構成図である。
【図7A】構造化された蒸着被覆ガラス層を形成するさらに別の実施形態のプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図7B】構造化された蒸着被覆ガラス層を形成するさらに別の実施形態のプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図7C】構造化された蒸着被覆ガラス層を形成するさらに別の実施形態のプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図7D】構造化された蒸着被覆ガラス層を形成するさらに別の実施形態のプロセス・ステップを示す略断面図である。
【図8】被覆された金属表面を有する基板を備えた本発明の製品の一実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの金属表面を有する被覆された基板を製造する方法であって、前記基板の少なくとも前記金属表面上が蒸着被覆ガラスで被覆される方法。
【請求項2】
前記蒸着被覆ガラスが電子ビーム蒸着を用いた蒸着被覆によって付着される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記蒸着被覆ガラスが前記金属表面上に構造化された形態で堆積される請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記金属表面上に少なくとも1つの凹状に構造化された第1の被膜を形成する工程と、
前記第1の被膜を用いて提供された前記金属表面上に、特に、封止性のある蒸着被覆ガラス層を堆積させる工程、および
第1の被膜および前記第1の被膜上の蒸着被覆ガラス層を少なくとも部分的に除去する工程とを含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記金属表面上に少なくとも1つの凹状に構造化された第1の被膜を形成する工程が、被覆される前記少なくとも1つの表面の領域を露出させる工程を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
凹状に構造化された第1の被膜を形成する前記工程が、第1の被膜を形成するために、レジスト・コーティング工程または印刷工程、特に、スピンコーティングおよび/または吹付けおよび/または電着を用いたレジスト・コーティング工程、およびスクリーン印刷および/またはインク・ジェット印刷を用いた印刷工程を含む請求項4乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1の被膜を少なくとも部分的に除去する前記工程が、前記第1の被膜を被覆する前記少なくとも1つの蒸着被覆ガラス層の領域をリフト・オフする工程を含む請求項4乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記蒸着被覆ガラス層が前記第1の被膜の厚さよりも薄く堆積される請求項4乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の被膜を少なくとも部分的に露出させる工程を含む請求項4乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の被膜を少なくとも部分的に露出させる工程が、前記被覆された金属表面を平坦化する工程を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の被膜を部分的に露出させる前記工程が、特に、グラインディングおよび/またはラッピングおよび/またはポリシングを用いた機械的な材料除去工程を含む請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記蒸着被覆ガラスがマスクを介した蒸着被覆によって付着される請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも2つの蒸着被覆ガラス層が前記基板上に堆積される請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
成分が異なる少なくとも2つの蒸着被覆ガラス層が付着される請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記蒸着被覆ガラス層が0.01μm〜1mmの範囲の厚さで付着される請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記蒸着被覆ガラス層が付着される間に前記蒸着被覆ガラス層の成分が変えられる請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
蒸着被覆ガラス層を有する前記被膜が、共蒸着を用いた少なくとも2つのソースからの蒸着被覆材料の堆積物を含む請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記蒸着被覆ガラス層を用いた被覆中に、前記基板が加熱される請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
被覆中の圧力が最大で10−4mbarである請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記蒸着被覆ガラス層が前記被覆操作の後に構造化される請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記蒸着被覆ガラス層が前記被覆操作の後に局所的エッチングによって構造化される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記基板が前記被覆操作中に前記被覆ソースに対して移動される請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
蒸着被覆ガラスで被覆する前記工程がプラズマ・イオン支援堆積(PIAD)を含む請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つの金属表面を含む、特に、請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法に従って製造可能な被覆された基板であって、前記金属表面上に少なくとも1つの蒸着被覆ガラス層が設けられた被覆された基板。
【請求項25】
前記蒸着被覆ガラス層が構造化された被膜を含む請求項24に記載の被覆された基板。
【請求項26】
前記基板が少なくとも2つの蒸着被覆ガラス層を含む多層被膜を有する請求項24乃至25のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【請求項27】
前記少なくとも2つの蒸着被覆ガラス層が異なる成分を有する請求項26に記載の被覆された基板。
【請求項28】
前記蒸着被覆ガラス層が0.01μm〜1mmの範囲の厚さを有する請求項24乃至27のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【請求項29】
前記被覆された金属表面の表面粗さが50μm以下である請求項24乃至28のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【請求項30】
前記基板が固い金属物質または複合材料を含む請求項24乃至29のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【請求項31】
前記蒸着被覆ガラス層が前記被覆された表面に対して垂直方向に変化する成分を有する請求項24乃至30のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【請求項32】
前記金属表面が平坦でない、例えば湾曲状または段状である請求項24乃至31のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの金属表面を有する被覆された基板を製造する方法であって、前記蒸着被覆ガラスが前記金属表面上に構造化された形態で堆積され、かつ前記基板が少なくとも前記金属表面上で蒸着被覆ガラスで被覆される方法。
【請求項2】
前記蒸着被覆ガラスが電子ビーム蒸着を用いた蒸着被覆によって付着される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属表面上に少なくとも1つの凹状に構造化された第1の被膜を形成する工程、
前記第1の被膜を用いて提供された前記金属表面上に、特に、封止性のある蒸着被覆ガラス層を堆積させる工程、および
第1の被膜および前記第1の被膜上の蒸着被覆ガラス層を少なくとも部分的に除去する工程を含む請求項1乃至2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記金属表面上に少なくとも1つの凹状に構造化された第1の被膜を形成する工程が、被覆される前記少なくとも1つの表面の領域を露出させる工程を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
凹状に構造化された第1の被膜を形成する前記工程が、第1の被膜を形成するために、レジスト・コーティング工程または印刷工程、特に、スピンコーティングおよび/または吹付けおよび/または電着を用いたレジスト・コーティング工程、およびスクリーン印刷および/またはインク・ジェット印刷を用いた印刷工程を含む請求項3または4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1の被膜を少なくとも部分的に除去する前記工程が、前記第1の被膜を被覆する前記少なくとも1つの蒸着被覆ガラス層の領域をリフト・オフする工程を含む請求項3乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記蒸着被覆ガラス層が前記第1の被膜の厚さよりも薄く堆積される請求項3乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の被膜を部分的に露出させる工程を含む請求項3乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の被膜を少なくとも部分的に露出させる工程が、前記被覆された金属表面を平坦化する工程を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の被膜を部分的に露出させる前記工程が、特に、グラインディングおよび/またはラッピングおよび/またはポリシングを用いた機械的な材料除去工程を含む請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記蒸着被覆ガラスがマスクを介した蒸着被覆によって付着される請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも2つの蒸着被覆ガラス層が前記基板上に堆積される請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
成分が異なる少なくとも2つの蒸着被覆ガラス層が付着される請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記蒸着被覆ガラス層が厚さ0.01μm〜1mmの範囲で付着される請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記蒸着被覆ガラス層が付着される間に前記蒸着被覆ガラス層の成分が変えられる請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
蒸着被覆ガラス層を有する前記被膜が、共蒸着を用いた少なくとも2つのソースからの蒸着被覆材料の堆積物を含む請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記蒸着被覆ガラス層を用いた被覆中に、前記基板が加熱される請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
被覆中の圧力が最大で10−4mbarである請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記蒸着被覆ガラス層が前記被覆操作の後に構造化される請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記蒸着被覆ガラス層が前記被覆操作の後に局所的エッチングによって構造化される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記基板が前記被覆操作中に前記被覆ソースに対して移動される請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
蒸着被覆ガラスで被覆する前記工程がプラズマ・イオン支援堆積(PIAD)を含む請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの金属表面を含む、特に、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法に従って製造可能な被覆された基板であって、前記基板は前記金属表面上に少なくとも1つの蒸着被覆ガラス層が設けられた被覆された基板。
【請求項24】
前記蒸着被覆ガラス層が構造化された被膜を含む請求項23に記載の被覆された基板。
【請求項25】
前記基板が少なくとも2つの蒸着被覆ガラス層を含む多層被膜を有する請求項23乃至24のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【請求項26】
前記少なくとも2つの蒸着被覆ガラス層が異なる成分を有する請求項25に記載の被覆された基板。
【請求項27】
前記蒸着被覆ガラス層が0.01μm〜1mmの範囲の厚さを有する請求項23乃至26のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【請求項28】
前記被覆された金属表面の表面粗さが50μm以下である請求項23乃至27のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【請求項29】
前記基板が固い金属物質または複合材料を含む請求項23乃至28のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【請求項30】
前記蒸着被覆ガラス層が前記被覆された表面に対して垂直方向に変化する成分を有する請求項23乃至29のいずれか1項に記載の被覆された基板。
【請求項31】
前記金属表面が平坦でない、例えば湾曲状または段状である請求項23乃至30のいずれか1項に記載の被覆された基板。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−503976(P2006−503976A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−584356(P2003−584356)
【出願日】平成15年4月15日(2003.4.15)
【国際出願番号】PCT/EP2003/003872
【国際公開番号】WO2003/087423
【国際公開日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】