説明

鉄筋端部の加工方法及び装置

【課題】 鉄筋の端部に目的とする拡径部及びネック部を成形することができる鉄筋端部の加工方法を提供することにある。
【解決手段】 型鍛造可能な温度より常に低い温度の箇所を取り外し可能にクランプ5で保持した鉄筋10の型鍛造可能に加熱された被加工部分を含む端部を、開閉可能に複数に分割される金型6のキャビティ60の鉄筋の外径より若干大きな内径の小径部61から鉄筋10の被加工部分を拡径する大径部62に挿入した状態で鉄筋10に対して金型6を位置決めした後に、ダイス7で大径部62内の鉄筋10の端面を押圧してこの鉄筋10の被加工部分をキャビティ60の大径部62、小径部61と大径部62の間の段部と小径部61の間の境がR状に形成されたR部63及び小径部61の内壁に押し付けて鉄筋10の端部に拡径部を成形するとともにこの拡径部を形成する段部であるネック部と鉄筋10の境をR状に成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリートの主筋として用いられる鉄筋の端部を拡径して拡径部を成形するとともに拡径部のネック部をR状に成形する鉄筋端部の加工方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリートにおいて、限られた標準長さの主筋となる鉄筋を現場において連続な鉄筋とするために、鉄筋継手が用いられている。鉄筋継手としては、本出願人は先に、図8に示すように、2本の鉄筋10を互いに端面を突き合わせた状態で内周面にネジ溝が螺刻された円筒状のカプラ15を用いて連結する鉄筋継手を提案した(特許文献1参照。)。この鉄筋継手を用いて連結する鉄筋10は、鉄筋10の端部の被加工部分を拡径して拡径部を成形しこの拡径部の外周にネジ溝を螺刻してネジ部14を形成してなる。また、ネジ部14を形成する段部であるネック部と鉄筋の間の境をR状に形成して、すなわちネック部12をR状に形成してネック部12に応力が集中することを防止している。
【0003】
ところで、この鉄筋の被加工部分を効率的に拡径する方法およびそのための装置は知られていなかった。棒状部材の端部を拡径する加工装置として例えば特許文献2に記載された2つの加工装置が知られている。第1の加工装置は、棒状部材を挟んで固定して棒状部材の被加工部分を拡径する2つに分割される金型と、金型内に挿入されて棒状部材の端面を押圧するダイスとを備えている。金型は、棒状部材を固定するとともに拡径部を成形するための穴が形成されている。この穴は、棒状部材を固定する箇所の径が棒状部材の外径と略同じ寸法で小径部として形成され、かつ、棒状部材の被加工部分の外周の径が拡径部を形成するための寸法で大径部として形成されている。小径部と大径部との間の段部は、逆円錐台形状に形成されている。この段部と大径部でキャビティが形成されている。棒状部材を金型で挟んでダイスを大径部内に挿入することで、ダイスによって棒状部材の被加工部分が大径部の内壁に押し付けられて拡径部が押し込み成形される。また、逆円錐台形状の段部によって拡径部との間の段部であるネック部が円錐台状に成形されようにしている。
【0004】
第2の加工装置は、拡径部を成形する被加工部分を当接面から突出させた状態で棒状部材を挟持して保持する2つに分割されるクランプと、棒状部材の被加工部分を拡径する内径の円筒状の金型と、金型が当該金型の軸方向に移動可能に設けられ、この金型を先端から突出するように付勢するスプリングを有する移動部材と、移動部材に設けられ、棒状部材の端面を押圧する先端が金型内に配置されたダイスとを備えている。クランプは、棒状部材を固定する穴を有し、この穴が当接面に開口されている。この穴は、棒状部材の外径と略同じ寸法の径で形成され、かつ、当接面側の端部が漸次拡径されるとともに拡径された開口が金型の内径と同じ寸法の径で形成されてなる。すなわち、この穴の当接面側の漸次拡径する箇所が逆円錐台部として形成されている。これにより、棒状部材をクランプに保持させた後に移動部材をクランプ側に移動させると、まず、金型内に棒状部材の被加工部分が挿入されて金型の先端面がクランプの当接面に当接して金型内と逆円錐台部とでキャビティが形成され。金型の当接後、スプリングの弾性力に抗して移動部材がクランプ側に移動しつつ、その当接の直後にダイスが棒状部材の端面を押圧して棒状部材の被加工部分が金型の内壁に押し付けられて拡径部が押し込み成形される。また、逆円錐台部によって拡径部との間の段部であるネック部が円錐台状に成形されようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3160121号公報
【特許文献2】実開昭63−34542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の加工装置は、いずれも冷間用で本出願人が先に提案した鉄筋継手により連結される鉄筋の端部を加工する場合には適さない。すなわち、鉄筋の端部を加工する場合、冷間であると、ダイスの推進力を4倍以上にしなければならず装置が大型化し、拡径部を形成し難く、精密な加工ができず、かつ、残留応力が残り、強度が低くなる等のことから、冷間で鉄筋の端部を拡径することは実際には実施不可能で、鉄筋の拡径部を形成する被加工部分を鍛造可能な温度に加熱して型鍛造により加工を行う加工装置が検討されている。
【0007】
このため、前述の第1の加工装置を用いて熱間で鉄筋の被加工部分を拡径することが考えられるが、例えば、金型で挟んだ鉄筋の端部が金型内に位置されるので、鉄筋を金型で挟んだ後に鉄筋の被加工部分を鍛造可能な温度に加熱することは現実的には実施不可能である。また、鉄筋の被加工部分を鍛造可能な温度に加熱してから金型で挟む場合、被加工部分を鍛造可能な温度に加熱するには、被加工部分の近傍の鉄筋も鍛造可能な温度に加熱するために、鉄筋の被加工部分の近傍すなわちネック部を成形する箇所の近傍を金型で挟むと、被加工部分近傍の鉄筋の熱が金型に奪われてネック部を形成する箇所及びその近傍も鍛造可能な温度より低い温度になる。このため、鉄筋の被加工部分を金型の大径部及び段部の内壁に十分に押し込むことができず、しかも段部は先細りに形成されているので、一層段部に押し込むことができないので、目的とする拡径部及びネック部を成形することができない。なお、鉄筋の被加工部分が冷却されないように金型を加熱することも考えられるが、金型を耐熱材料に形成したり金型を十分に加熱する加熱装置が必要になったりして高価で非常に大型で複雑な装置となり現実的には実施不可能である。
【0008】
また、前述の第2の加工装置に関して、クランプにより鉄筋を保持させてから鉄筋の被加工部分を鍛造可能な温度に加熱する場合、鉄筋が冷たく熱伝導率が大きいから被加工部分だけではなく被加工部分よりも軸方向に長い範囲で鉄筋を加熱するために、ネック部を成形する箇所の鉄筋がクランプの逆円錐台部内で、そのネック部を成形する箇所の近傍からクランプによって挟持して保持させるので、鉄筋をクランプで保持させた後に鉄筋の被加工部分を鍛造可能な温度に加熱することは現実的には実施不可能である。
また、被加工部分を鍛造可能な温度に加熱してから鉄筋をクランプに保持させる場合、第1の加工装置と同様に被加工部分近傍の鉄筋の熱がクランプに奪われてネック部を形成する箇所及びその近傍も鍛造可能な温度より低い温度になる。このため、鉄筋の被加工部分を金型の大径部及びクランプの逆円錐台部の内壁に十分に押し込むことができず、しかも逆円錐台部は先細りに形成されているので、一層段部に押し込むことができないので、目的とする拡径部及びネック部を成形することができない。なお、鉄筋の被加工部分が冷却されないようにクランプを加熱することも考えられるが、クランプを耐熱材料に形成したりクランプを十分に加熱する加熱装置が必要になったりして高価で非常に大型で複雑な装置となり現実的には実施不可能である。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、鉄筋の端部に目的とする拡径部及びネック部を成形することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明に係る鉄筋端部の加工方法は、型鍛造可能な温度にならない箇所を取り外し可能にクランプで保持した鉄筋の型鍛造可能に加熱された被加工部分を含む端部を、開閉可能に複数に分割される金型のキャビティの鉄筋の外径より若干大きな内径の小径部から前記鉄筋の被加工部分を拡径する大径部に挿入した状態で、前記鉄筋に対して前記金型を位置決めした後に、ダイスで前記鉄筋の端面を押圧してこの鉄筋の被加工部分を前記キャビティの大径部、この大径部と前記小径部との間の境の前記小径部側の立ち上がりに形成した断面湾曲状のR部及び小径部の内壁にそれぞれ押し付けて前記鉄筋の端部に拡径部を成形しかつこの拡径部の前記鉄筋の外表面から立ち上がるネック部をR状に成形することを特徴とする。
【0011】
これにより、鉄筋の型鍛造可能に加熱された被加工部分を含む端部を金型のキャビティに挿入したときに、クランプで保持する鉄筋の箇所が型鍛造可能な温度にならない箇所であるから、クランプの保持により被加工部分が冷却されて型鍛造可能な温度より低くなることが防止される。このため、被加工部分をダイスによりキャビティの大径部、R部及び小径部の内壁に十分に押し付けることができるので、鉄筋の端部に目的とする拡径部を成形性よく成形することができる。また、キャビティのR部が鉄筋の拡径部のネック部に確実に転写されてネック部をR状に成形性よく成形することができる。
【0012】
この場合において、ネック部が成形される箇所の温度が一番高く先端側にいくに連れて温度が低くなる型鍛造可能な温度で加熱された被加工部分を含む鉄筋の端部をキャビティに挿入して、キャビティのR部の内壁に最初に被加工部分を押し付けることができる。
【0013】
また、前記課題を解決するため、本発明に係る鉄筋端部の加工装置は、床面に設置される機体と、前記機体に接触可能に移動する移動体と、前記機体に設けられ、前記機体の前記移動体が接触する接触箇所から型鍛造を行う被加工部分を含む端部が突出した状態で鉄筋を型鍛造可能な温度にならない箇所で取り外し可能に保持するクランプと、前記移動体を前記クランプで保持された前記鉄筋の軸方向に移動可能に支持するガイド手段と、前記クランプで保持された前記鉄筋と同軸上に設けられ前記クランプ側から前記鉄筋の外径より若干大きな内径の小径部と前記鉄筋の被加工部分を拡径する大径部とこれら小径部と大径部の間の境の前記小径部側の立ち上がりに形成した断面湾曲状のR部とで形成されかつ前記移動体が前記機体に接触したとき前記鉄筋の型鍛造可能に加熱された被加工部分が前記小径部から前記大径部に挿入される穴状のキャビティを有し、開閉可能に複数に分割された金型と、前記移動体に設けられ、前記複数に分割された金型を開閉可能に移動させる移動装置と、前記移動体の前記クランプと反対側に互いに接触した状態から前記軸方向に互いに離れた状態までの間で移動可能に前記移動体に連結される移動部材と、前記移動体と前記移動部材とを互いに離れる方向に付勢する付勢手段と、前記移動体が前記接触箇所から離れかつ前記キャビティ内に前記鉄筋の端部が未挿入な非加工状態から前記移動部材が前記クランプ側に移動して前記移動体が前記接触箇所に接触し前記鉄筋に対して前記金型が位置決めされた後に前記付勢手段の付勢力に抗して前記移動部材のみが移動してから前記移動体に当接して停止する加工状態までの間で前記移動部材を移動させる駆動装置と、前記移動部材に前記軸方向に延びて取り付けられ、前記キャビティの大径部に軸方向に摺動可能に挿入されて前記鉄筋の端面をその軸方向に押圧し前記鉄筋に対して前記金型が位置決めされた後に前記鉄筋の被加工部分を前記キャビティの大径部、R部及び小径部の内壁に押し付けて前記鉄筋の被加工部分が拡径されて拡径部が成形されかつこの拡径部の前記鉄筋の外表面から立ち上がるネック部がR状に成形されるダイスとを備えたことを特徴とする。
【0014】
これにより、移動部材をクランプ側に移動させると、移動部材とともに移動体がガイド手段によって案内されながら鉄筋側に移動して移動体に取り付けられている金型のキャビティ内にクランプで保持されている鉄筋の型鍛造可能に加熱された被加工部を含む端部が挿入される。そして、ダイスによって鉄筋の端部がキャビティの大径部、R部及び小径部の内壁に押し付けられて、鉄筋の端部に拡径部が成形され、かつ、この拡径部の鉄筋の外表面から立ち上がるネック部がR状に成形される。このように、鉄筋の型鍛造可能に加熱された被加工部分を含む端部を金型のキャビティに挿入したときに、クランプで保持する鉄筋の箇所が型鍛造可能な温度にならない箇所であるから、クランプの保持により被加工部分が冷却されて型鍛造可能な温度より低くなることがない。このため、被加工部分をダイスによりキャビティの大径部、R部及び小径部の内壁に十分に押し付けることができるので、目的とする拡径部を成形性よく成形することができる。また、キャビティのR部が鉄筋の拡径部のネック部に確実に転写されてネック部をR状に成形性よく成形することができる。
【0015】
この場合において、キャビティに挿入された鉄筋の被加工部分を、ネック部が成形される箇所の温度が一番高く先端側にいくに連れて温度が低くなる型鍛造可能な温度で加熱し、キャビティのR部の内壁に被加工部分が最初に押し付けられるようにすることができる。また、この場合において、機体の接触箇所から突出した鉄筋の被加工部分を型鍛造可能に加熱する加熱位置と鉄筋のクランプへの保持及びクランプからの取り出しを行える退避位置に移動可能に設けられている加熱部を有する加熱装置を備えることができる。
【0016】
また、この場合において、ダイスの先端面の中央部を、そのダイスの軸方向に突出して形成することができる。また、この場合において、ダイスの先端面の中央部に、そのダイスと同軸上で円錐台状の凸部を設け、成形される鉄筋の拡径部の端面の中央部に、拡径部の端面を旋盤により切削加工したとき切削加工が行えない箇所が内部空間に位置される凹部が形成されるようにすることができる。
【0017】
また、この場合において、移動部材の前記移動体と接触する箇所に、厚さの異なる複数のスペーサが着脱可能に取り付けることができる。また、この場合において、ダイスが、移動部材に嵌合されて金型のキャビティと同軸に位置決めする凸部を有し、かつ、軸方向の長さが異なる複数の種類を着脱可能に取り付けるようにすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、鉄筋の端部に目的とする拡径部及びネック部を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る一例の実施形態の鉄筋端部の加工装置を示す正面断面図である。
【図2】本実施形態の一例の鉄筋端部の加工装置を示す右側面図である。
【図3】本実施形態の一例の鉄筋端部の加工装置を示す平面図である。
【図4】本実施形態の一例の鉄筋端部の加工装置を用いて鉄筋の端部に拡径部を成形する工程を示す概略正面断面図で、(a)は第1クランプ部上に鉄筋を載置した状態を示す図、(b)はクランプで保持した鉄筋の端部を加熱する状態を示す図、(c)はダイスが鉄筋の端面を押圧する初期の状態を示す図、(d)は鉄筋の端部に拡径部を成形した状態を示す図、(e)は拡径部を成形後に金型を開いた状態を示す図、(f)は拡径部を成形した鉄筋を取り出せる状態を示す図である。
【図5】本実施形態の一例の鉄筋端部の加工装置に用いられるダイスの先端の形状を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図6】本実施形態の一例の鉄筋端部の加工装置で加工する鉄筋の端部を高周波誘導加熱コイルを用いて加熱する際の高周波誘導加熱コイルの配置状態と鉄筋の端部の温度分布を示す図である。
【図7】本実施形態の一例の鉄筋端部の加工装置で拡径部を成形した鉄筋の一例を示す側面図である。
【図8】本出願人が先に提案した鉄筋継手により2本の鉄筋を連結するための説明図で、(a)は一方の鉄筋のネジ部にカプラを螺合した状態を示す一部側断面図、(b)は(a)に示す鉄筋のネジ部の端面に他方の鉄筋のネジ部の端面を当接させた状態を示す一部側断面図、(c)は2本の鉄筋をカプラによって連結した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る鉄筋端部の加工装置の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の一例の鉄筋端部の加工装置(以下、単に「加工装置1」という。)は、本出願人が先に提案した鉄筋継手によって連結される鉄筋の端部に拡径部を成形するものである。その鉄筋継手は、図8に示すように、2本の鉄筋10をカプラ15で連結するものである。2本の鉄筋10の端部には、拡径されて外周にネジ溝が螺刻されたネジ部14がそれぞれ設けられている。ネジ部14のネジ谷径は、鉄筋10の外形の最大径より大きな寸法で形成されている。2本の鉄筋10を連結するには、内周面にネジ溝が螺刻された円筒状のカプラ15を一方の鉄筋10のネジ部14に螺合させて、カプラ15が鉄筋10の端面から突出しないように位置決めしておく(図8(a)参照。)。例えば、カプラ15の一方の端面(鉄筋10のネジ部14に螺合させる際に鉄筋10の端面と反対側の端面)を鉄筋10の端面に面一にする。このとき、カプラ15の他方の端面側を鉄筋10の外周面の外側に位置させる。この鉄筋10の端面に他方の鉄筋10の端面を突き合わせかつ軸合わせした後(図8(b)参照。)、この状態のままカプラ15を一方の鉄筋10に対して回転させて一方の鉄筋10の端面から突出させつつ他方の鉄筋10のネジ部14に螺合させることで、2本の鉄筋10がカプラ15で連結される(図8(c)参照。)。
【0021】
このように連結する鉄筋10の端部にネジ部14を形成するには、まず、鉄筋10の端部を拡径して拡径部11(図4及び図7参照。)を形成し、次にこの拡径部11の端面等を切削加工し、かつ、拡径部11の外周にネジ溝を切削加工することで、ネジ部14が形成される。本実施形態の加工装置1は、ネジ部14のネジ谷径が鉄筋10の径より大きくできる径で、かつ、カプラ15との接触面積が鉄筋10の断面積より大きくなるようなネジ溝を形成し得る長手方向の長さを有する拡径部11を鉄筋10の端部に成形するためのものである。また、本実施形態の加工装置1は、ネジ部14の鉄筋10の外表面(ネジ部14が成形されていない鉄筋10のネジ部14近傍の外表面)から立ち上がるネック部12をR状に形成するもので、これによりネック部12に応力が集中することを防止している。なお、加工装置1により拡径部11を成形する鉄筋10としては、鉄筋コンクリートに用いられるものであれば特に限定されず、例えば、図1及び図7に示すように、半円状突条及び軸方向突条等の突出部分を有する異形鉄筋等が用いられる。
【0022】
加工装置1は、図1〜図3に示すように、床面に設置される機体2と、機体2に接触可能に移動する移動体3と、鉄筋10を取り外し可能に保持するクランプ5と、移動体3をクランプ5で保持された鉄筋10の軸方向に移動可能に支持するガイド手段8と、鉄筋10の端部を拡径する金型6と、移動体3に連結され、鉄筋10の軸方向に移動する移動部材4と、移動部材4に取り付けられ、金型6のキャビティに軸方向に摺動可能に挿入されて鉄筋10の端面をその軸方向に押圧するダイス7とを備えてなる。
【0023】
機体2は、床面に固定して設置される。機体2は、平面視、略コ字状に形成され、両側部21bの先端部の高さ方向の略中央部に水平方向に延びるU字状に切り欠いて形成された通し部22を有する機枠21と、機枠21の両側部21bの先端の通し部22より下方を覆うように機枠21に取り付けられたクランプ台23と、機枠21の両側部21bの先端の通し部22の上縁に掛け渡されたように取り付けられている第2のクランプ台でもある支持体24とを備えている。クランプ台23の上方の機枠基部21aと対向する面と支持体24の機枠基部21aと対向する面とが、機枠基部21aと平行で垂直方向に延びて形成されるとともに、移動体3が接触する接触箇所である接触面25として形成されている。また、機枠基部21aと対向するクランプ台23の下方の機枠21の両側部寄りの2箇所とこの2箇所と対向する機枠基部21aの下方とには、機枠基部21aに対して直交する方向に延びるガイドレール81がそれぞれ掛け渡された状態で取り付けられている。
【0024】
クランプ5は、接触面25から型鍛造を行う被加工部分を含む端部が突出した状態で鉄筋10を型鍛造可能な温度にならない箇所で取り外し可能に保持するものである。クランプ5としては、鉄筋10を取り外し可能に保持することができれば特に限定されず、例えば、クランプ台23上に取り付けられる第1クランプ部51aと、支持体24に移動可能に取り付けられる第2クランプ部51bとで形成するようにしてもよい。第1クランプ部51aは、上方が開口された断面略凹状の細長に形成されている。第1クランプ部51aの両側部の先端面は、鉄筋10を同じ同軸上に位置決めした状態で保持するように内側にそれぞれ傾斜されている。第1クランプ部51aは、機枠基部21aに対して直交する方向に延びた状態でネジ部材等によりクランプ台23上に着脱可能に取り付けられている。
【0025】
第2クランプ部51bは、第1クランプ部51aと同じ形状に形成されているが、開口が下方に向いた状態で第1クランプ部51aと対向するようにネジ部材等により昇降体57の下面に着札可能に取り付けられている。昇降体57は、支持体24に固定されている昇降装置であるクランプ昇降シリンダ55のロッド56に取り付けられており、クランプ昇降シリンダ55の駆動によりロッド56を介して上下方向に移動するようになっている。これにより、第1クランプ部51a上に鉄筋10を載置してから、第1クランプ部51aの近傍から上方に離れた位置に位置させておいた第2クランプ部51をクランプ昇降シリンダ55により昇降体57とともに下方に移動させて第2クランプ部51bと第1クランプ部51aで鉄筋10を把持することで、鉄筋10が機枠基部21aに対して直交する方向に延びた状態で保持されるようになっている。このとき、鉄筋10は、被加工部分を含む端部が接触面25から突出し、かつ、側面から見たとき、端面が機体2の通し部22内に相当する位置に位置されるようにクランプ5つまり第1クランプ部51aと第2クランプ部51bとで保持されるようになっている。この第1クランプ部51aと第2クランプ部51bとで保持する鉄筋10の箇所は、型鍛造可能な温度にならない箇所つまり型鍛造可能な温度より常に低い温度の箇所であり、本実施形態の場合、接触面25から鉄筋10の軸方向の先端とは反対側に離れた内側である。
【0026】
機枠基部21aとクランプ台23との間でかつ2つのガイドレール81の間には、移動体3が設けられている。機枠21の両側部21bと対向する移動体3の両側には、ガイドレール81上を走行する車輪82がガイドレール81の長手方向に間隔をあけて2つ設けられた走行部83がそれぞれ設けられている。このように、2つのガイドレール81と2つの車輪82をそれぞれ有する2つの走行部83とでガイド手段8が構成されている。これにより、車輪82がガイドレール81上を走行することで、移動体3がクランプ5で保持された鉄筋10の軸方向に案内されて移動するようになっている。なお、ガイド手段8を、2つのガイドレール81と4つの車輪82を有する走行部83とで構成したが、移動体3をクランプ5で保持された鉄筋10の軸方向に移動可能に支持できれば、他の手段で構成するようにしてもよい。また、ガイド手段8を1つのガイドレール81と2つの車輪82を有する1つの走行部83とで構成するようにしてもよい。
【0027】
移動体3のクランプ5側には、クランプ台23及び支持体24の接触面25に接触する当接面3aが形成されている。また、移動体3には、金型6が設けられている。金型6は、鉄筋10の端部を拡径するための穴状のキャビティ60がクランプ5で保持された鉄筋10と同軸上に設けられている。キャビティ60は、クランプ5側に位置される鉄筋10の外径より若干大きな径の小径部61と、機枠基部21a側に位置される鉄筋10の端部を拡径する大径部62とで形成されている。小径部61の径は、鉄筋10の端部を挿入し得る寸法で鉄筋10の外径より若干大きな径であれば特に限定されず、できるだけ鉄筋10の径に近い寸法が好ましく、例えば、鉄筋10の径より1mm程度大きな寸法で形成されていることが好ましい。大径部62の径は、鉄筋10の端部に成形する目的の拡径部11に応じて任意に設定される。また、小径部61と大径部62との間の境の小径部61側の立ち上がりが断面湾曲状のR部として形成されている。すなわち、小径部61と大径部62との間がその軸方向に対して直交する方向に延びる段部に形成され、この段部の小径部61側の立ち上がりが断面湾曲状のR部として形成されている。キャビティ60の小径部61及び大径部62の軸方向の長さは、鉄筋10の端部に所望の長さ(軸方向の長さ)の拡径部11及びネック部12が形成し得る範囲から任意にそれぞれ設定される。
【0028】
金型6は、開閉可能にキャビティ60を上半分と下半分に分割するように上金型6aと下金型6bの2つの部材からなる。上金型6aと下金型6bは、移動装置である金型昇降シリンダ65a、65bのロッド66a、66bにそれぞれ取り付けられている。金型昇降シリンダ65a、65bは、移動体3の上方と下方にそれぞれ取り付けられている。各金型昇降シリンダ65a、65bのロッド66a、66bの先端には、取付部材67a、67bがそれぞれ取り付けられ、これら取付部材67a、67bにネジ部材等により上金型6a及び下金型6bがそれぞれ着脱可能に取り付けられている。これにより、上金型6a及び下金型6bは、互いに接触して金型6のキャビティ60を形成する閉じられた状態である閉位置すなわちプレス位置とプレス位置から上下方向に互いに離れて鉄筋10の端部に成形した拡径部11を含む鉄筋10を加工装置1から取り出し可能な開位置とに移動できるようになっている。なお、金型6を移動させる移動装置として金型昇降シリンダ65a、65bを用いたがこれに限定されず、他の移動装置によって上金型6a及び下金型6bを個別に移動するようにしてもよい。また、金型6すなわち上金型6a及び下金型6bは、キャビティ60の径が異なる複数の種類のものを形成しておき、直径の異なる鉄筋10に応じて上金型6a及び下金型6bを使い分けるようにすることが好ましい。
【0029】
移動部材4は、機枠基部21aと移動体3との間に配置されている。移動部材4は、機枠基部21aに設けられた駆動装置によってクランプ5に保持された鉄筋10の軸方向に移動されるようになっている。駆動装置は、特に限定されず、例えば、駆動シリンダ45が用いられ、機枠基部21aのクランプ台23と反対側に突出した状態で取り付けられている。駆動シリンダ45のロッド46は、クランプ5で保持された鉄筋10と同軸上で機枠基部21aの略中央部を貫通して機枠基部21aのクランプ台23側から突出した状態で設けられている。このロッド46の先端部の外周には、円筒状の取付部材47がロッド46の先端から突出するように取り付けられている。取付部材47の先端側の外周には、移動部材4を取り付けるためのフランジ48が設けられている。
【0030】
移動部材4は、例えば、高さ方向の寸法が駆動シリンダ45のロッド46に取り付けられている取付部材47のフランジ48の径より大きい寸法の矩形平板状に形成されている。また、移動部材4の取付部材47側の面には、その高さ方向の中央を中心にフランジ48を含む取付部材47が嵌合される取付凹部41が設けられている。この取付凹部41に取付部材47が嵌合された状態でネジ部材等により取付部材47に移動部材4が着脱可能に取り付けられている。また、移動部材4の移動体3側の面には、駆動シリンダ45のロッド46及びクランプ5で保持された鉄筋10と同軸の円形の嵌合凹部42が設けられている。
【0031】
また、移動部材4の取付凹部41より上方及び下方には、厚さ方向すなわちクランプ5で保持された鉄筋10の軸と平行に延びる通し穴43が設けられている。通し穴43は、例えば、移動部材4の上方及び下方の幅方向の両側寄りと中央との3箇所にそれぞれ設けられている。これら通し穴43の移動体3側の第1開口から反対側の第2開口の近くまでは、拡径されて受け部44として形成されている。また、これら6つの通し穴43と対向する移動体3の6つの箇所には、略同径の取付穴33がそれぞれ設けられている。これら取付穴33の移動部材4側の開口は、移動部材4の受け部44と同じ径に拡径されて受け部34としてそれぞれ形成されている。
【0032】
各取付穴33には、それぞれ支持ロッド35の一端が受け部34を介して挿入されて固定された状態で取り付けられている。支持ロッド35は、クランプ5で保持された鉄筋10の軸と平行で移動部材4側に移動部材4の通し穴43を通って延び、他端が通し穴43の第2開口から突出している。支持ロッド35は、外周にネジ溝が設けられているとともに、外径が通し穴43の径より若干小さな寸法で形成されてなる。支持ロッド35の通し穴43から突出する他端には、例えば、ナット36が2つ螺合されている。これにより、移動部材4と移動体3とは、互いに支持ロッド35を介してクランプ5で保持された鉄筋10の軸方向に移動部材4と移動体3とが接触した状態から移動体3が移動部材4から離れて移動部材4のクランプ台23とは反対側がナット36に接触する状態の間で移動可能に連結されている。
【0033】
各支持ロッド35の外周には、付勢手段としてのスプリング37が巻き付けられるようにそれぞれ装着されている。スプリング37は、一端が移動部材4の通し穴43の受け部44を形成する段部に当接されているとともに、他端が移動体3の取付穴33の受け部34を形成する段部に当接されており、移動部材4と移動体3とを互いに離れる方向に付勢するものである。つまり、スプリング37の付勢力により移動部材4がナット36に接触して移動体3と移動部材4とが離れた状態になっている。なお、付勢手段としてスプリング37を用いたが、これに限定されず、他の付勢手段を用いてもよい。また、支持ロッド35及びスプリング37を上下3つずつ合計6つ用いて移動部材4と移動体3とを互いに連結しかつ付勢したが、支持ロッド35及びスプリング37の個数及び連結方法はこれに限定されない。
【0034】
また、移動部材4は、非加工状態と加工状態となるように駆動シリンダ45によって移動されるようになっている。非加工状態は、図1及び図4(a)に示すように、移動体3の当接面3aがクランプ台23及び支持体24の接触面25から離れ、かつ、金型6のキャビティ60内にクランプ5で保持された鉄筋10の端部が未挿入な状態である。この非加工状態のときには、駆動シリンダ45のロッド46は縮んだ状態である。非加工状態から駆動シリンダ45のロッド46が伸びると、移動部材4がクランプ5側に移動して移動体3の当接面3aが接触面25に接触して鉄筋10に対して金型6のキャビティ60が位置決めされた後にスプリング37の付勢力に抗して移動部材4のみが移動してから移動体3に当接して停止し、図4(d)に示すような加工状態となる。
【0035】
ダイス7は、金型6のキャビティ60の大径部62に軸方向に摺動可能に挿入されて鉄筋10の端面をその軸方向に押圧するもので、略円柱状に形成されている。ダイス7の一端部である基部7aの外周の近傍には、フランジ7bが設けられている。ダイス7の基部7aは、移動部材4の嵌合凹部42に嵌合される径に形成され、金型6のキャビティ60と同軸上に位置決めされる凸部として形成されている。このダイス7の基部7aが嵌合凹部42に嵌合された状態でネジ部材等により着脱可能にフランジ7bを介して取り付けられている。すなわち、ダイス7が、クランプ5により保持された鉄筋10と同軸上に移動部材4に着脱可能に取り付けられている。
【0036】
ダイス7の径(フランジより他端である先端側の径)は、金型6の大径部62の径より若干小さな寸法で形成されている。ダイス7の長さ(軸方向の長さ)は、先端部が大径部62に挿入されて鉄筋10の端面をその軸方向に押圧し、移動体3の当接面3aが接触面25に接触して鉄筋10に対して金型6のキャビティ60が位置決めされた後に鉄筋10の被加工部分が大径部62、R部63及び小径部61の内壁に押し付けられて鉄筋10の端部に拡径部11及びネック部をR状に成形し得る寸法から任意に設定される。
【0037】
ダイス7の先端面は、例えば図4に示すように球面状に凹ませた曲面状、平面状等に形成してもよいが、中央部がダイス7の軸方向に突出した形状に形成されていることが好ましい。ダイス7の先端面の中央部が突出した形状としては、特に限定されず、球面状に突出させた曲面状でもよいが、中央部のみを突出させた凸部を形成することが好ましい。この凸部は、円柱状、円錐状等その形状は特に限定されないが、図5に示すように、先端の径が小さい円錐台状に形成することが好ましい。この凸部71によって、成形される鉄筋10の拡径部11の端面の中央部に、図7に示すように、拡径部11の端面を旋盤により切削加工する際に切削加工が行えない箇所が内部空間に位置される凹部13が形成されるようになっている。また、ダイス7は、長さの異なる複数の種類のものを形成し、成形する鉄筋10の拡径部11の長さや鉄筋10の材質等に応じて複数の種類のダイス7を使い分けるようにすることが好ましい。
【0038】
ダイス7のフランジ7bの移動体3側の面は、スプリング37の付勢力に抗して移動部材4が移動体3側に移動して移動体3に当接して移動部材4の移動を停止させる当接部として形成されている。ダイス7のフランジ7bの当接部には、厚さの異なる複数のスペーサ75がネジ部材等により着脱可能に取り付けられるようになっている。スペーサ75の形状は、特に限定されないが、リング状に形成されているものが好ましい。なお、図1では、ダイス7のフランジ7bを移動部材4に取り付けるためのネジ部材とスペーサ75をダイス7のフランジ7bに取り付けるためのネジ部材の位置が図示されるように同じにしているが、実際はダイス7のフランジ7bを取り付けるネジ部材の位置とスペーサ75を取り付けるネジ部材の位置とは周方向にずれている。
【0039】
また、鉄筋10の被加工部分を型鍛造可能な温度に加熱する加熱装置を備えてもよい。型鍛造可能な温度は、鉄筋10により異なるが、例えば、約800〜約1250℃である。加熱装置としては、鉄筋10の端部を加熱することができれば特に限定されず、ガスを利用する加熱装置等でも良いが、高周波誘導加熱を行う高周波加熱装置であることが好ましい。高周波加熱装置は、高周波誘導加熱を行う一対の加熱部91を高さ方向である上下方向や水平方向である左右方向に移動可能に設けて、すなわち、接触面25から突出した鉄筋10の被加工部分を型鍛造可能に加熱する加熱位置と鉄筋10のクランプ5への保持及びクランプ5からの取り出しを行える退避位置に移動可能に加熱部91を設けて、クランプ5により保持された鉄筋10の被加工部分を含む端部を高周波誘導加熱するように構成してもよい。なお、クランプ5により保持する前に被加工部分を型鍛造可能な温度に加熱するように構成してもよい。また、高周波加熱装置として高周波誘導加熱コイル92(図6参照)を用いて加熱を行う装置を用いてもよい。
【0040】
被加工部分の温度は、型鍛造可能な温度であれば特に限定されず、被加工部分の軸方向の全体が略同じ温度でもよいが、ダイス7により被加工部分をキャビティ60の大径部62、R部63及び小径部61の内壁に押し付けて拡径部11及びネック部12を成形するときに被加工部分が最初に押し付けられるキャビティ60の内壁がR部63になるように温度を異ならせることが好ましい。例えば、ネック部12が成形される箇所(ネック部成形箇所)の温度が一番高く先端側にいくに連れて温度が低くなるように、例えば、ネック部成形箇所の温度が約1250℃で先端側にいくに連れて温度が低くなって先端の温度が約800℃となるように被加工部分を加熱するようにすることが好ましい。
【0041】
この場合、ネック部成形箇所の温度が一番高く、例えば、約1250℃にするには、鉄筋10の温度が低くかつ鉄筋10の熱伝導率が高いので、ネック部成形箇所から先端とは反対側に離れた箇所までも加熱する必要がある。このように加熱してネック部成形箇所の温度が一番高く約1250℃で先端の温度が約800℃にすると、ネック部成形箇所より先端とは反対側に離れた箇所(鉄筋により異なるが例えばネック部成形箇所から先端までの長さの約1/3の長さの箇所(離間箇所))の温度が約700℃となる。よって、例えば、クランプ5に保持させた後に鉄筋10の加熱を行う場合には、鉄筋10の加熱を行う箇所が接触面25から突出するようにクランプ5で鉄筋10を保持するようにすることが好ましい。また、クランプ5で鉄筋10を保持する箇所は、離間箇所より先端とは反対側に離れた箇所でできるだけ温度が低い箇所例えば加熱されていない箇所であることが好ましい。具体的には例えば、ネック部成形箇所より先端とは反対側に例えばネック部成形箇所から先端までの長さの約2/3の長さ離れた箇所で約100℃となるのでその箇所よりさらに離れた箇所であることが好ましい。
【0042】
また、鉄筋10の軸方向の温度が異なるように加熱するには、例えば、高周波加熱装置の一対の加熱部91を、先端との間隔を広くするとともにネック部成形箇所側の間隔が狭くなるように鉄筋10に対して傾斜させ、かつ、ネック部成形箇所より先端とは反対側に所定の長さ離れた箇所まで加熱する長さの加熱部を用いる。また、高周波加熱装置において、図6に示すように、高周波誘導加熱コイル92を用いて鉄筋10の端部を加熱する場合、高周波誘導加熱コイル92を鉄筋10の端部の外周にその端部表面から離れた位置で端部を巻回するように配置するが、この高周波誘導加熱コイル92を鉄筋10に対して傾斜させ、かつ、ネック部成形箇所より先端とは反対側に所定の長さ離した箇所まで加熱する長さの高周波誘導加熱コイル92を用いる。尚、図6中のAはネック部成形箇所を基準とする線を示している。これにより、ネック部成形箇所の温度が一番高く先端側にいくに連れて温度が低くなるようになり、かつ、ネック部成形箇所から離間箇所までの温度が、離間箇所にいくに連れて温度が低くなるようになる。なお、被加工部分の軸方向の温度が異なるように加熱する手段としては、加熱部や高周波誘導加熱コイルを傾斜させる以外の手段や他の加熱装置を用いるようにしても勿論よい。
【0043】
さて、このような加工装置1を用いて本発明に係る鉄筋端部の加工方法をもとに鉄筋10の端部を拡径して拡径部11及びネック部12を成形する場合について説明する。まず、第2クランプ部51が予め第1クランプ部51aの近傍から上方に離れた位置に位置させておき、鉄筋10を第1クランプ部51a上に載置する(図4(a)参照。)。このとき、鉄筋10の端部が、クランプ台23及び支持体24の接触面25から被加工部分の長さを含む所定の長さ突出した状態となるようにする。載置後、クランプ昇降シリンダ55を駆動させてロッド56を介して第2クランプ部51bを下降させ、第1クランプ部51aと第2クランプ部51bとで鉄筋10を挟持して保持させる。この第1クランプ部51aと第2クランプ部51bとで鉄筋10を保持する箇所は型鍛造可能な温度にならない箇所、例えば、加熱されない箇所である。
【0044】
クランプ5で保持された鉄筋10の端部の外側の加熱位置に高周波加熱装置の加熱部91を移動させ、この加熱部91により被加工部分を型鍛造可能な温度に鉄筋10の端部を高周波誘導加熱する(図4(b)参照。)。このとき、ネック部成形箇所の温度が一番高く先端側にいくに連れて温度が低くなるように、例えば、ネック部成形箇所の温度が約1250℃で先端側にいくに連れて温度が低くなって先端の温度が約800℃となるように被加工部分を加熱する。
【0045】
加熱後、加熱部91を加熱位置から退避位置に移動させてから、鉄筋10の被加工部分が型鍛造可能な温度状態のまま駆動シリンダ45を駆動させてそのロッド46を伸ばす。これにより、移動部材4がクランプ台23側に移動して非加工状態から加工状態になる。すなわち、移動部材4の移動に伴ってスプリング37を介して移動体3がクランプ台23側に移動する。移動体3は、車輪82がガイドレール81上を走行してクランプ5に保持されている鉄筋10の軸方向に案内されて移動する。この移動の途中で、鉄筋10の先端が金型6のキャビティ60の小径部61から大径部62に挿入される。このとき、上金型6a及び下金型6bが互いに接触して金型6のキャビティ60が形成される閉じられた状態に予め設定しておく。
【0046】
そして、ダイス7が鉄筋10の端面に当接して鉄筋10が軸方向に押圧される。この押圧の直後に、移動体3がクランプ台23及び支持体24の接触面25に接触して停止する(図4(c)参照。)。この移動体3の接触面25への接触により、キャビティ60と鉄筋10の端部の軸とが互いに同軸上に位置決めされた状態となる。このため、移動体3のクランプ台23及び支持体24の接触面25への接触は、ダイス7による鉄筋10の被加工部分をキャビティ60の内壁に押し付ける前であれば、特に限定されず、前述のようにダイス7で鉄筋10を押圧する前でもよいし直後でもよい。
【0047】
移動体3が停止して金型6のキャビティ60と鉄筋10の軸とが互いに同軸上に位置決めされた後に、移動部材4は、スプリング37の弾性力に抗してスプリング37が縮みながらクランプ台23側に移動し続ける。この移動部材4の移動とともにダイス7も金型6の大径部62の奥へとつまり小径部61方向に移動し続けるので、鉄筋10の端面がダイス7によって押圧され被加工部分が潰れて広がりキャビティ60の内壁に押し付けられる。
【0048】
このとき、被加工部分は、ネック部成形箇所の温度が約1250℃で先端側にいくに連れて温度が低くなって先端の温度が約800℃の温度であると、温度が一番高いネック部成形箇所の被加工部分が最初に潰れて徐々に広がりキャビティ60のR部63の内壁に押し付けられる。さらに、ダイス7が移動し続けると、キャビティ60の内壁に押し付けられる被加工部分は、ダイス7の移動とともにネック部成形箇所から軸方向の両方向特に先端側の方向に広がり、被加工部分が押し付けられる箇所もR部63を起点とするように大径部62及び小径部61の内壁、特に大径部62の内壁へと広がる。そして、移動部材4の当接部であるスペーサ75が移動体3に接触して移動部材4が停止する(図4(d)参照。)と、鉄筋10の被加工部分が潰れて広がり金型6のキャビティ60の大径部62、R部63及び小径部61に押し付けられる。これにより、図7に示すように、鉄筋10の端部に拡径部11が成形され、かつ、この拡径部11の鉄筋10の外表面から立ち上がるネック部12がR状に成形される。
【0049】
拡径部11の成形後、2つの金型昇降シリンダ65a、65bを駆動させてロッド66a、66bを介して上金型6a及び下金型6bをそれぞれ個別に鉄筋10の端部に対して上方及び下方の開位置に移動させる(図4(e)参照。)。すなわち、金型6を開く。次に、駆動シリンダ45を駆動させてロッド46を縮め、移動部材4をクランプ台23側と反対方向に移動させて加工状態から非加工状態にする。これにより、始めはダイス7を含む移動部材4がクランプ台23から離れる方向に移動し、この移動中はスプリング37が伸びながら移動体3がスプリング37の付勢力により接触面25に当接された状態である。そして、移動部材4が支持ロッド35のナット36に当接すると、移動部材4の移動に伴って移動体3がクランプ台23から離れるとともに離れる方向に移動する。また、クランプ昇降シリンダ55を駆動させてロッド56を介して第2クランプ部51bを上昇させる(図4(f)参照。)。これにより、拡径部11が形成された鉄筋10を加工装置1から取り出し、他の加工工程に搬送することができる。
【0050】
したがって、本実施形態の加工装置1及び加工方法によれば、鉄筋10の型鍛造可能に加熱された被加工部分を含む端部を金型6のキャビティ60に挿入したときに、クランプ5で保持する鉄筋10の箇所が型鍛造可能な温度にならない箇所であるから、クランプ5の保持により被加工部分が冷却されて型鍛造可能な温度より低くなることがない。このため、被加工部分をダイス7によりキャビティ60の大径部62、R部63及び小径部61の内壁に十分に押し付けることができるので、鉄筋10の端部に目的とする拡径部11を成形性よく成形することができる。すなわち、図7に示すように、鉄筋10のネジ部14のネジ谷径が鉄筋10の径より大きくできる径で、かつ、カプラ15との接触面積が鉄筋10の断面積より大きくなるようなネジ溝を形成し得る長手方向の長さを有する拡径部11を鉄筋10の端部に成形性よく成形することができる。その結果、鉄筋10の端部にネジ部14を精度よく形成することができ、この鉄筋10を本出願人が先に提案した鉄筋継手で他の鉄筋と連結することができる。また、キャビティ60のR部63が鉄筋10の拡径部11のネック部12に確実に転写されてネック部12をR状に成形性よく成形することができる。その結果、別の工程でネック部12をR状に切削加工する必要がない。
【0051】
鉄筋10の端面がダイス7によって押圧されて被加工部分が潰れて広がりキャビティ60の内壁に押し付けられて拡径部11及びネック部12を成形するとき、被加工部分のネック部成形箇所の温度が約1250℃で先端側にいくに連れて温度が低くなって先端の温度が約800℃の温度であると、温度が一番高いネック部成形箇所の被加工部分が最初に潰れて徐々に広がりキャビティ60のR部63の内壁に押し付けられる。そして、キャビティ60の内壁に押し付けられる被加工部分は、ダイス7の移動とともにネック部成形箇所から軸方向の両方向特に先端側の方向に広がり、被加工部分が押し付けられる箇所もR部63を起点とするように大径部62及び小径部61の内壁へと広がる。このように、被加工部分は、R部63が起点となるようにキャビティ60の内壁に押し付けられるので、キャビティ60のR部63が鉄筋10の拡径部11のネック部12に一層確実に転写されて、ネック部12のR形状を一層成形性よく成形することができる。
【0052】
このように被加工部分の温度を異ならせることにより、拡径部11も一層成形性よく成形することができる。すなわち、鉄筋10の端面をダイス7によって軸方向に押圧して被加工部分をキャビティ60の内壁に押し付けるとき、被加工部分の長手方向の温度が略同じ温度であると、まず、先端及び先端近傍が最初に潰れて広がりキャビティ60の内壁つまり大径部62の内壁に押し付けられる。この広がって大径部62の内壁に押し付けられた部分は、ダイス7の移動により大径部62内を小径部61側へ押し込まれるために、大径部62の内壁との間に摩擦が生じ、この摩擦力はダイス7の移動とともに大きくなるので、小径部61側へ押し込み難い。これに対して、被加工部分の温度を異ならせた場合、被加工部分はR部63を起点とするようにR部63から大径部62の内壁へと広がるために、ダイス7の移動により被加工部分が接触する大径部62の内壁箇所が少なくなるので、被加工部分を大径部62の内壁に十分に押し付けることができ、拡径部11を一層成形性よく成形することができる。
【0053】
また、ダイス7の先端面を中央部がダイス7の軸方向に突出した形状、特にダイス7の先端面に図5に示すように円錐台状の凸部71を形成することで、ダイス7の先端面で鉄筋10の端面を押圧するときに凸部71が鉄筋10の端面の中心に食い込むために、鉄筋10の被加工部分が径方向にずれることなくすなわちブレルことなくキャビティ60内に押し込まれるので、略均等に被加工部分をキャビティ60の周方向に押し込むことができ、拡径部11及びネック部12を一層成形性よく成形することができる。
【0054】
また、ダイス7の先端面に凸部71を形成することで、図7に示すように、成形される鉄筋10の拡径部11の端面の中央部に、拡径部11の端面を旋盤により切削加工する際に切削加工が行えない箇所が内部空間に位置される凹部13が形成される。その結果、拡径部11の端面を旋盤により切削加工する際に切削加工が行えずに拡径部11の端面から突出する削り残りが出ることもなくなり、拡径部11の端面を平坦な加工面に仕上げることができる。
【0055】
また、ダイス7のフランジ7bの当接部に厚さの異なる複数のスペーサ75がネジ部材等により着脱可能に取り付けられることで、ダイス7による鉄筋10の端部を押圧する範囲を調節することができ、所望の拡径部11を確実に成形することができる。
また、支持ロッド35に対するナット36の位置を変えることでも、移動部材4に対する移動体3の移動範囲を調節することができ、すなわち、ダイス7による鉄筋10の端部を押圧する範囲を調節することができ、所望の拡径部11を確実に成形することができる。
【0056】
また、ダイス7は、基部7aが移動部材4の嵌合凹部42に嵌合された状態で移動部材4に取り付けられて金型6のキャビティ60と同軸上に位置決めされていることで、ダイス7が金型6のキャビティ60の大径部62にずれることなく同軸上に挿入されるので、鉄筋10の端部に拡径部11を確実に成形することができる。
また、ダイス7は、長さの異なる複数の種類のものを形成しておくことで、成形する鉄筋10の拡径部11の長さや鉄筋10の材質等に応じて複数の種類のダイス7を使い分けられるので、ダイス7による鉄筋10の端部を押圧する範囲を調節することができ、所望の拡径部11を確実に成形することができる。
【0057】
また、金型6は、2つに分割された上金型6aと下金型6bからなり、それぞれ金型昇降シリンダ65a、65bのロッド66a、66bに取付部材67a、67bを介して着脱可能に取り付けられ、かつ、キャビティ60の径が異なる複数の種類のものを形成しておくことで、直径の異なる鉄筋10に応じて上金型6a及び下金型6bを使い分けられるので、直径が異なっても鉄筋10の端部に拡径部11を成形することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、鉄筋10をクランプ5で保持した後に高周波加熱装置を用いて鉄筋10の端部を加熱する場合について説明したが、クランプ5により保持する前に鉄筋10を加熱してもよい。この場合、例えば、機体2の機枠21の一方の側部21bの近傍に高周波加熱装置を配置してこの高周波加熱装置で加熱した鉄筋10を鉄筋10の軸と直交する水平方向に移動して側部21bの通し部22を鉄筋10の端部を通過させて鉄筋10をクランプ5により保持するように鉄筋10の搬送装置を設けるようにすることが好ましい。これにより、鉄筋10の端部の加熱と押圧による拡径部11の成形を別の位置で行うことができ、生産効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 加工装置
2 機体
3 移動体
4 移動部材
5 クランプ
6 金型
7 ダイス
8 ガイド手段
10 鉄筋
11 拡径部
12 ネック部
13 凹部
25 当接面
37 スプリング
45 駆動シリンダ
60 キャビティ
61 小径部
62 大径部
63 R部
65a、65b 金型昇降シリンダ
71 凸部
75 スペーサ
91 加熱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型鍛造可能な温度にならない箇所を取り外し可能にクランプで保持した鉄筋の型鍛造可能に加熱された被加工部分を含む端部を、開閉可能に複数に分割される金型のキャビティの鉄筋の外径より若干大きな内径の小径部から前記鉄筋の被加工部分を拡径する大径部に挿入した状態で、前記鉄筋に対して前記金型を位置決めした後に、ダイスで前記鉄筋の端面を押圧してこの鉄筋の被加工部分を前記キャビティの大径部、この大径部と前記小径部との間の境の前記小径部側の立ち上がりに形成した断面湾曲状のR部及び小径部の内壁にそれぞれ押し付けて前記鉄筋の端部に拡径部を成形しかつこの拡径部の前記鉄筋の外表面から立ち上がるネック部をR状に成形することを特徴とする鉄筋端部の加工方法。
【請求項2】
前記ネック部が成形される箇所の温度が一番高く先端側にいくに連れて温度が低くなる型鍛造可能な温度で加熱された被加工部分を含む前記鉄筋の端部を前記キャビティに挿入して、前記キャビティのR部の内壁に前記被加工部分を最初に押し付けるようにした請求項1に記載の鉄筋端部の加工方法。
【請求項3】
床面に設置される機体と、
前記機体に接触可能に移動する移動体と、
前記機体に設けられ、前記機体の前記移動体が接触する接触箇所から型鍛造を行う被加工部分を含む端部が突出した状態で鉄筋を型鍛造可能な温度にならない箇所で取り外し可能に保持するクランプと、
前記移動体を前記クランプで保持された前記鉄筋の軸方向に移動可能に支持するガイド手段と、
前記クランプで保持された前記鉄筋と同軸上に設けられ前記クランプ側から前記鉄筋の外径より若干大きな内径の小径部と前記鉄筋の被加工部分を拡径する大径部とこれら小径部と大径部の間の境の前記小径部側の立ち上がりに形成した断面湾曲状のR部とで形成されかつ前記移動体が前記機体に接触したとき前記鉄筋の型鍛造可能に加熱された被加工部分が前記小径部から前記大径部に挿入される穴状のキャビティを有し、開閉可能に複数に分割された金型と、
前記移動体に設けられ、前記複数に分割された金型を開閉可能に移動させる移動装置と、
前記移動体の前記クランプと反対側に互いに接触した状態から前記軸方向に互いに離れた状態までの間で移動可能に前記移動体に連結される移動部材と、
前記移動体と前記移動部材とを互いに離れる方向に付勢する付勢手段と、
前記移動体が前記接触箇所から離れかつ前記キャビティ内に前記鉄筋の端部が未挿入な非加工状態から前記移動部材が前記クランプ側に移動して前記移動体が前記接触箇所に接触し前記鉄筋に対して前記金型が位置決めされた後に前記付勢手段の付勢力に抗して前記移動部材のみが移動してから前記移動体に当接して停止する加工状態までの間で前記移動部材を移動させる駆動装置と、
前記移動部材に前記軸方向に延びて取り付けられ、前記キャビティの大径部に軸方向に摺動可能に挿入されて前記鉄筋の端面をその軸方向に押圧し前記鉄筋に対して前記金型が位置決めされた後に前記鉄筋の被加工部分を前記キャビティの大径部、R部及び小径部の内壁に押し付けて前記鉄筋の被加工部分が拡径されて拡径部が成形されかつこの拡径部の前記鉄筋の外表面から立ち上がるネック部がR状に成形されるダイスとを備えたことを特徴とする鉄筋端部の加工装置。
【請求項4】
前記キャビティに挿入された前記鉄筋の被加工部分は、前記ネック部が成形される箇所の温度が一番高く先端側にいくに連れて温度が低くなる型鍛造可能な温度で加熱され、前記キャビティのR部の内壁に前記被加工部分が最初に押し付けられるようになっている請求項3に記載の鉄筋端部の加工装置。
【請求項5】
前記機体の接触箇所から突出した前記鉄筋の被加工部分を型鍛造可能に加熱する加熱位置と前記鉄筋の前記クランプへの保持及び前記クランプからの取り出しを行える退避位置に移動可能に設けられている加熱部を有する加熱装置を備えた請求項3又は4に記載の鉄筋端部の加工装置。
【請求項6】
前記ダイスの先端面の中央部は、そのダイスの軸方向に突出して形成されている請求項3〜5のいずれか1項に記載の鉄筋端部の加工装置。
【請求項7】
前記ダイスの先端面の中央部には、そのダイスと同軸上で円錐台状の凸部が設けられ、成形される前記鉄筋の拡径部の端面の中央部に、前記拡径部の端面を旋盤により切削加工したとき切削加工が行えない箇所が内部空間に位置される凹部が形成されるようになっている請求項3〜6のいずれか1項に記載の鉄筋端部の加工装置。
【請求項8】
前記移動部材の前記移動体と接触する箇所には、厚さの異なる複数のスペーサが着脱可能に取り付けられる請求項3〜7のいずれか1項に記載の鉄筋端部の加工装置。
【請求項9】
前記ダイスは、前記移動部材に嵌合されて前記金型のキャビティと同軸に位置決めする凸部を有し、かつ、軸方向の長さが異なる複数の種類を着脱可能に取り付けられてなる請求項3〜8のいずれか1項に記載の鉄筋端部の加工装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−30265(P2012−30265A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173406(P2010−173406)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(000208695)第一高周波工業株式会社 (90)
【Fターム(参考)】