説明

鉄道トンネル作業用軌陸車

【課題】鉄道トンネル天井面に対する作業を完全かつ簡単に行うことのできる鉄道トンネル作業用軌陸車を提案すること。
【解決手段】トンネル100内の作業場所に鉄道トンネル作業用軌陸車1を止め、その作業用足場台4の昇降式足場床20を所定高さまで上昇させ、旋回式足場床40を旋回してそこに搭載されている持ち上げ式足場床50をトンネル天井面101における中央側に向く状態にする。この状態で持ち上げ機構60を操作して持ち上げ式足場床50を持ち上げると、当該持ち上げ式足場床50はトンネル天井面101の中央に向かって移動しながら持ち上げられる。よって、ここに乗っている作業員110はトンネル天井面101の中央部分に手が届く状態で作業を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業用足場台が搭載され、トンネル内周壁の点検作業等を行うのに適した鉄道トンネル作業用軌陸車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄道線路のトンネルにおいて、コンクリート製の内周壁の崩落事故が問題となっており、崩落事故を未然に防止するためにトンネル内壁の点検作業および補修・補強作業が行われている。トンネルの点検作業、補修作業には、例えば、既存の高所作業用軌陸走行車が使用される。高所作業用軌陸走行車は、一般道走行用の走行輪と共にレール上を走行可能な軌動輪が備わった軌陸走行車に油圧昇降式の高所作業用台車が搭載された構造となっている。
【0003】
しかしながら、既存の高所作業用軌陸走行車は、一般的に高価であり、手軽に利用できない。また、作業員を乗せた台車のリフト量、移動範囲に制限があるので、天井高さの異なるトンネルの点検作業を行うには不便であり、また、トンネル内の各部分の点検作業を効率良く行うことができない。さらには、台車に乗ることのできる作業員の人数は1人あるいは2、3人であるので、同時に多数の作業員によってトンネル内壁の点検作業を効率良く行うことができない。
【0004】
このような点に鑑みて、本願出願人は特許文献1において、トンネル作業に適した作業用軌陸ダンプカーを提案している。当該作業用軌陸ダンプカーは、軌陸ダンプカーに搭載されている作業用架台は手動ウインチによって昇降可能な昇降台を備えており、作業箇所に対応した高さ位置に足場を設置できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−356298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、鉄道トンネルは複線用のトンネルが多い。特許文献1において提案している軌陸車をトンネル内の作業場所まで移動させた後に昇降台を上昇させることにより、トンネル内周面における一方の側の内周面部分については上下方向の各部位についての作業を容易に行うことができる。
【0007】
しかしながら、トンネルの天井部分、特に、上下のレール間に位置している最も高い位置にある中央部分は、双方のレールから中央側にずれた位置にある。したがって、一方のレール上に止めた軌陸車から上昇させた昇降台に乗った作業員が、トンネル内周面における中央の天井部分に手が届かず、当該天井部分の作業を安全かつ容易にできない場合がある。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、特許文献1において提案されている軌陸車を改良して、トンネルの天井部分の作業を安全かつ容易に行うことのできるようにした鉄道トンネル作業用軌陸車を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の鉄道トンネル作業用軌陸車は、
軌陸車と、この軌陸車に搭載されている作業用足場台とを有しており、
前記作業用足場台は、本体枠組と、昇降式足場床と、当該昇降式足場床の昇降機構と、旋回式足場床と、持ち上げ式足場床と、当該持ち上げ式足場床の持ち上げ機構とを備えており、
前記本体枠組は、線状の構造部材を連結して直方体形状に組み立てられたものであり、
前記昇降式足場床は、水平状態を維持したまま昇降できるように前記本体枠組に取り付けられており、
前記旋回式足場床は、前記昇降式足場床から上方に突出している垂直支柱によって水平に支持されていると共に当該垂直支柱を中心として旋回可能であり、
前記持ち上げ機構は前記旋回式足場床に搭載されており、前記持ち上げ式足場床を、前記旋回式足場床に乗った状態の収納位置および当該旋回式足場床から斜め上方に持ち上げられた上昇位置に移動可能であることを特徴としている。
【0010】
本発明の鉄道トンネル作業用軌陸車に搭載されている作業用足場台では、その昇降式足場床の上に旋回式足場床が搭載され、当該旋回式足場床には斜め上方に持ち上げ可能な持ち上げ式足場床が搭載されている。鉄道トンネル作業用軌陸車をトンネル内の作業場所に止め、昇降式足場床を所定高さ位置まで上昇させることにより、軌陸車を止めたレール側のトンネル内周面部分を下側から上側の各作業位置において、作業員は容易に作業を行うことができる。また、旋回式足場床に乗った作業員は、昇降式作業床の一段上の位置で作業を行うことができる。さらに、旋回式足場床を旋回させて持ち上げ式足場床をトンネル天井面に向け、この状態で持ち上げ式足場床を持ち上げると、当該持ち上げ式足場床は斜め上方に移動して、トンネル天井面の最も高い部位に向けて接近しながら上昇する。よって、当該持ち上げ式足場床に乗っている作業員は、トンネル天井面における最も高い位置にあるトンネル幅方向の中央部分に手が届くので、当該部分に対する作業を安全かつ簡単に行うことが可能である。
【0011】
ここで、持ち上げ機構として、旋回式足場床を構成している下側水平枠、持ち上げ式足場床を構成している上側水平枠、および、これら上側および下側水平枠の間において一定の間隔で平行に架け渡されている一対の連結リンクとを備えた四節の平行リンク機構を用いることができる。
【0012】
また、この場合には、持ち上げ機構を、一対の連結リンクに連結されている水平軸と、手動ハンドルと、この手動ハンドルの回転を水平軸のその中心軸線方向の直線移動に変換する変換機構とを備えた手動式のものとすることができる。手動ハンドルを回すことで、水平軸が移動して、一対の連結リンクが、下側水平枠に対する節点を中心として、水平に倒れた位置から水平に対して所定の角度に立ち上げた立ち上げ位置まで旋回する。この結果、持ち上げ式足場床が水平のまま斜め上方に持ちあがる。
【0013】
一般的には、旋回式足場床は長方形輪郭の足場床であり、当該旋回式足場床を、その長辺方向が軌陸車前後方向を向く旋回位置、および、当該旋回位置から90度旋回した旋回位置に固定できるようにすればよい。
【0014】
また、持ち上げ式足場床の外周縁部に所定高さの手摺枠を取り付けておき、当該手摺枠を持ち上げ式足場床の床面上に折り畳み可能な折り畳み式としておくことが望ましい。
【0015】
さらに、トンネル内周面における低い部分の作業を簡単に行うことができるようにするために、本体枠組に、軌陸車幅方向の両側に水平に張り出し可能な張り出し式足場床を配置しておくことが望ましい。この場合、張り出し式足場床として、異なる高さ位置において張り出し可能な複数段の張り出し式足場床を配置しておくこともできる。
【0016】
さらには、昇降式足場床を昇降させるための昇降機構としては手動ウインチを用いることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の鉄道トンネル作業用軌陸車は、そこに搭載されている作業用足場台が、昇降式足場床と、当該昇降式足場床に搭載した旋回式足場床と、当該旋回式足場床に搭載した持ち上げ式足場床とを備えている。したがって、昇降式足場床を所定高さまで上昇させ、旋回式足場床を旋回することにより、持ち上げ式足場床をトンネル天井面における最も高い部位に向けて持ち上げることができる。よって、そこに乗っている作業員は当該部位に手が届く状態で作業を行うことができるので、トンネル内周面の天井面部分の保守点検、補修作業などを安全かつ容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した鉄道トンネル作業用軌陸車を示す側面図である。
【図2】図1の鉄道トンネル作業用軌陸車の平面図である。
【図3】図1の鉄道トンネル作業用軌陸車の背面図である。
【図4】図1の鉄道トンネル作業用軌陸車の作業状態を示す側面図である。
【図5】図1の鉄道トンネル作業用軌陸車の作業状態を示す平面図である。
【図6】図1の鉄道トンネル作業用軌陸車の作業状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した鉄道トンネル作業用軌陸車の実施の形態を説明する。
【0020】
(構造の説明)
図1ないし図3を参照して説明すると、本実施の形態に係る鉄道トンネル作業用軌陸車1は、既存の軌陸ダンプカーなどをそのまま利用した軌陸車2と、この軌陸車2の荷台3に搭載されている作業用足場台4とを有している。
【0021】
軌陸車2は、公知のように、一般の道路を走行するための走行輪5と、鉄道レール6上を走行するための軌道輪7とを備えている。図に示すように、鉄道レール6を走行する状態では、軌道輪7が走行輪5よりも下方に突出した状態になり、一般道の走行時には軌道輪7が車体内に引き込まれた状態になる。なお、図示を省略してあるが、軌陸車2の車体には前後にアウトリガが取り付けられており、作業位置においてアウトリガを張り出すことにより、軌陸車2を確実に止めると共に転倒することのないようにしている。
【0022】
軌陸車2の荷台3に搭載されている作業用足場台4は、本体枠組10と、昇降式足場床20と、当該昇降式足場床20の昇降機構30と、旋回式足場床40と、持ち上げ式足場床50と、当該持ち上げ式足場床50の持ち上げ機構60とを備えている。
【0023】
本体枠組10は、鋼製パイプなどの線状の構造部材を連結して直方体形状に組み立てられたものであり、前後に長い下側の水平な矩形枠体11および上側の水平な矩形枠体12、これらを連結している複数本の垂直支柱13などから構成されている。
【0024】
昇降式足場床20も鋼製パイプなどの線状の構造部材を連結して直方体状に組み立てたものであり、前後に長い下側の水平な矩形枠体21、上側の水平な矩形枠体22、これらの四隅など連結している複数本の垂直支柱23などを備えている。四隅に配置されている4本の垂直支柱23は、本体枠組10に対して昇降できるように昇降ガイド24を介して連結されている。したがって、昇降式足場床20はその床面が水平状態を維持したまま昇降できるように本体枠組10に取り付けられている。
【0025】
昇降式足場床20の昇降機構30は手動ウインチ31から構成されており、当該手動ウインチ31は上側の矩形枠体22の後端に取り付けられている。手動ウインチ31のハンドル32を回すことにより、昇降式足場床20を図1に示す高さ位置から後述の図4に示す高さ位置までの間を昇降させることができる。
【0026】
昇降式足場床20の上側の矩形枠体22の中央には垂直支柱25が取り付けられており、この垂直支柱25によって旋回式足場床40が水平に支持されている。旋回式足場床40は鋼製パイプなどの線状の構造部材を連結して構成した前後に長い水平な矩形枠体41を備えており、この矩形枠体41の上面は足場床板42(図5参照)が敷かれている。また、矩形枠体41の後端部の両側には一対の折り畳み式の手摺枠43が取り付けられている。垂直支柱25は昇降式足場床20に取り付けた下側の支柱部分と、旋回式足場床40に取り付けた上側の支柱部分とを備えており、上側の支柱部分は下側の支柱部分に対してその垂直中心軸線回りに旋回可能に差し込まれている。また、これらの間を連結固定することにより、旋回式足場床40を所定の旋回位置に固定可能となっている。
【0027】
図4ないし図6には鉄道トンネル作業用軌陸車1の作業状態を示してある。これらの図においては、昇降式足場床20を上昇させ、旋回式足場床40を前後方向を向く状態から90度旋回させて左右方向を向く状態にしてある。
【0028】
これらの図も参照して説明すると、旋回式足場床40に搭載されている持ち上げ式足場床50は、鋼製パイプなどの線状の構造部材を連結して構成した前後方向に長い水平な矩形枠体51を備えている。この上面には、図5に示すように、作業時には足場床板52を敷くことが可能となっている。また、矩形枠体51の四周には折り畳み式の手摺枠53が取付られており、図1〜図3に示す折り畳み状態から図4〜図6に示す起立させた状態にすることが可能となっている。
【0029】
この持ち上げ式足場床50の持ち上げ機構60は四節リンク機構を備えており、この四節リンク機構は、図6から分かるように、旋回式足場床40の上側の矩形枠体41における前後方向に延びる左右の枠材44(下側水平枠)と、持ち上げ式足場床50を構成している矩形枠体51における前後方向に延びる左右の枠材54(上側水平枠)と、これら上側および下側の枠材44、54の間において前後に一定の間隔で平行に架け渡されている左右にそれぞれ配置した一対の連結リンク61、62によって構成されている。
【0030】
また、持ち上げ機構60は、一方の側の一対の連結リンク61、62に連結されている前後方向に水平に延びている水平軸63と、手動ハンドル64と、手動ハンドル64の回転を水平軸63のその中心軸線方向の直線移動に変換する変換機構65とを備えている。変換機構65としてはボールねじ・ナット式のものなどを用いることができる。これら水平軸63、手動ハンドル64、変換機構65は旋回式足場床40の裏面に取り付けられている。手動ハンドル64を回すと、水平軸63が前後方向に移動して、それに連結されている前後一対の連結リンク61、62は、旋回式足場床40に対する節点を中心として、水平に倒れた位置(図1参照)から水平に対して所定の角度に立ち上げた立ち上げ位置(図6参照)まで旋回する。なお、安全のために、チェーン66によって旋回範囲が制限されている。
【0031】
ここで、本例では、本体枠組10における下側の矩形枠体11における両側には、張り出し式足場床14が取り付けられている。これら左右の張り出し式足場床14は、図1〜3に示すように垂直状態に収納された状態から図4〜図6に示すように水平に左右に張り出された状態にすることができ、水平に張り出された張り出し式足場床14には足場床板15が敷かれて、その上で作業が可能になる。
【0032】
同様に、本体枠組10における上側の矩形枠体12における両側にも張り出し式足場床16が取り付けられている。これら左右の張り出し式足場床16も、図1〜3に示すように垂直状態に収納された状態から図4〜図6に示すように水平に左右に張り出された状態にすることができ、水平に張り出された張り出し式足場床16には足場床板17が敷かれて、その上で作業が可能になる。本例では張り出し式足場床が二段形成されているが、これは一段だけとすることも可能であり、三段以上にすることも可能である。
【0033】
(動作、作用効果の説明)
この構成の鉄道トンネル作業用軌陸車1は、図1〜図3に示す状態でトンネル100内の作業場所まで走行し、作業場所において不図示のアウトリガを張り出して固定される。この後は、手動ウインチ31を回して昇降式足場床20を、図1、3に示す高さ位置から図4、6に示す高さ位置まで上昇させ、その位置に固定する。次に、左右に張り出し式足場床14、16を張り出して足場床板15、17を敷き詰める。
【0034】
また、旋回式足場床40を、その長辺方向が前後方向を向いている図1〜3に示す状態から左右方向を向く図4〜6に示す状態まで旋回して、その旋回位置に固定する。この後に、持ち上げ機構60の手動ハンドル64を回して、持ち上げ式足場床50を図4、6に示す位置まで持ち上げる。旋回式足場床40に搭載されている持ち上げ式足場床50は図4〜図6に示すように、トンネル100の幅方向の中央を向いており、手動ハンドル64を回すと、持ち上げ式足場床50はトンネル100の天井面中央部分に向けて移動しながら上方に持ち上げられて、図6に示すように、トンネル天井面101における最も高い中央の真下に位置決めできる。
【0035】
図6に示すように、持ち上げ式足場床50に乗っている作業員110はトンネル天井面101の最も高い部位に簡単に手が届く状態で作業を行うことができるので、安全であり、作業も容易に行うことができる。また、下側の旋回式足場床40、左右の二段の張り出し式足場床14、16に乗っている作業員111、112、113は、それぞれの高さ位置において、トンネル内周側面102に対する作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0036】
1 鉄道トンネル作業用軌陸車
2 軌陸車
3 荷台
4 作業用足場台
5 走行輪
6 鉄道レール
7 軌道輪
10 本体枠組
11、12 矩形枠体
13 垂直支柱
20 昇降式足場床
21、22 矩形枠体
23 垂直支柱
24 昇降ガイド
25 垂直支柱
30 昇降機構
31 手動ウインチ
40 旋回式足場床
41 矩形枠体
42 足場床板
43 手摺枠
44 枠材
50 持ち上げ式足場床
51 矩形枠体
52 足場床板
53 手摺枠
54 枠材
60 持ち上げ機構
61、62 連結リンク
63 水平軸
64 手動ハンドル
65 変換機構
66 チェーン
100 トンネル
101 トンネル天井面
102 トンネル内周側面
110、111、112、113 作業員

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌陸車(2)と、この軌陸車(2)に搭載されている作業用足場台(4)とを有しており、
前記作業用足場台(4)は、本体枠組(10)と、昇降式足場床(20)と、当該昇降式足場床(20)の昇降機構(30)と、旋回式足場床(40)と、持ち上げ式足場床(50)と、当該持ち上げ式足場床(50)の持ち上げ機構(60)とを備えており、
前記本体枠組(10)は、線状の構造部材を連結して直方体形状に組み立てられたものであり、
前記昇降式足場床(20)は、水平状態を維持したまま昇降できるように前記本体枠組(10)に取り付けられており、
前記旋回式足場床(40)は、前記昇降式足場床(20)から上方に突出している垂直支柱(25)によって水平に支持されていると共に当該垂直支柱(25)を中心として旋回可能であり、
前記持ち上げ機構(60)は前記旋回式足場床(40)に搭載されており、前記持ち上げ式足場床(50)を、前記旋回式足場床(40)に乗っている状態から斜め上方に持ち上げられた状態に移動可能であることを特徴とする鉄道トンネル作業用軌陸車(1)。
【請求項2】
前記持ち上げ機構(60)は、前記旋回式足場床(40)を構成している下側水平枠(44)、前記持ち上げ式足場床(50)を構成している上側水平枠(54)、および、これら上側および下側水平枠(44、54)の間において一定の間隔で平行に架け渡されている一対の連結リンク(61、62)とを備えた四節の平行リンク機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道トンネル作業用軌陸車(1)。
【請求項3】
前記持ち上げ機構(60)は、
前記一対の連結リンク(61、62)に連結されている水平軸(63)と、
手動ハンドル(64)と、
前記手動ハンドル(64)の回転を、前記水平軸(63)のその中心軸線方向の直線移動に変換する変換機構(65)とを備えた手動式のものであり、
前記水平軸(63)の移動によって、前記一対の連結リンク(61、62)は、前記下側水平枠(44)に対する節点を中心として、水平に倒れた位置から水平に対して所定の角度に立ち上げた立ち上げ位置まで旋回することを特徴とする請求項2に記載の鉄道トンネル作業用軌陸車(1)。
【請求項4】
前記旋回式足場床(40)は長方形輪郭の足場床であり、
当該旋回式足場床(40)は、その長辺方向が軌陸車前後方向を向く旋回位置、および、当該旋回位置から90度旋回した旋回位置に固定可能となっていることを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載の鉄道トンネル作業用軌陸車(1)。
【請求項5】
前記持ち上げ式足場床(50)の外周縁部には、所定高さの手摺枠(53)が取り付けられており、
当該手摺枠(53)は、前記持ち上げ式足場床の床面上に折り畳み可能な折り畳み式の手摺枠であることを特徴とする請求項1ないし4のうちのいずれかの項に記載の鉄道トンネル作業用軌陸車(1)。
【請求項6】
前記本体枠組(10)は、
軌陸車幅方向の両側に水平に張り出し可能な張り出し式足場床(14、16)を備えていることを特徴とする請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記載の鉄道トンネル作業用軌陸車(1)。
【請求項7】
前記本体枠組(10)は、前記張り出し式足場床として、異なる高さ位置において張り出し可能な複数段の張り出し式足場床(14、16)を備えていることを特徴とする請求項6に記載の鉄道トンネル作業用軌陸車(1)。
【請求項8】
前記昇降式足場床(20)を昇降させるための前記昇降機構(30)は手動ウインチ(31)であることを特徴とする請求項1ないし7のうちのいずれかの項に記載の鉄道トンネル作業用軌陸車(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−280496(P2010−280496A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137477(P2009−137477)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(500085873)株式会社中部エンジニアリング (7)
【Fターム(参考)】