説明

銀ナノワイヤの製造方法及び銀ナノワイヤ成長制御剤

【課題】 銀ナノワイヤの長軸長を幅広く制御可能な銀ナノワイヤの製造方法及び銀ナノワイヤ成長制御剤を提供することにある。
【解決手段】 N置換(メタ)アクリルアミドを含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体を含有する銀ナノワイヤ成長制御剤と、銀化合物とを、ポリオール中において25〜180℃で反応させることを特徴とする銀ナノワイヤの製造方法及びN置換(メタ)アクリルアミドを重合性モノマーとして有する重合体を含有することを特徴とする銀ナノワイヤ成長制御剤及びN置換(メタ)アクリルアミドを重合性モノマーとして有する重合体を含有することを特徴とする銀ナノワイヤ成長制御剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N置換(メタ)アクリルアミドを含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体を含有する銀ナノワイヤ成長制御剤と、銀化合物とを、ポリオール中において25〜180℃で反応させることを特徴とする銀ナノワイヤの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネセンスディスプレイや電子ペーパーなどの表示デバイス、タッチパネルなどの入力センサー、薄膜型アモルファスSi太陽電池や色素増感太陽電池などの太陽光を利用した太陽電池などの利用が増えており、これらのデバイスに必須の部材である透明導電膜の需要も増えている。
【0003】
中でも透明酸化物であるITO(InとSnとの酸化物)を主成分とした薄膜が主に用いられている。ITOを用いた薄膜は、微粒子分散溶液の塗布法により作製される場合もあるが、高い透明性と高い導電性とを得るために一般的にはスパッタ装置や蒸着装置により気相法により作製されている。しかしながら、これらの作製方法は装置が大掛りかつ複雑なものとなり、また作製に大量のエネルギーを消費するため、製造コストや環境負荷を軽減できる技術の開発が求められている。また、一方で、透明導電材料の大面積化が指向されており、それに伴い透明導電材料の軽量化や柔軟性、低抵抗化に対する要請が高まっている。
【0004】
これに対して、湿式製法により製造することが可能であり、軽量性及び柔軟性の高い、金属元素のナノワイヤを含有する透明導電膜が検討されている。金属元素のナノワイヤの直径は250nm以下と小さいので、可視光領域での光透過性が高く、ITOに代わる透明導電膜としての応用が期待されている。銀ナノワイヤを用いた透明導電膜は高い導電性及び安定性を有するので特に注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
銀ナノワイヤの製造方法として、銀化合物と、銀ナノワイヤ成長制御剤としてポリビニルピロリドンとを、ポリオール中で反応させる製造方法がある。ポリオール中で銀化合物をポリビニルピロリドンとともに加熱する製造方法(例えば、特許文献2、非特許文献1参照)、ポリオール中で銀化合物をポリビニルピロリドンと4級アンモニウムクロリドとともに反応させる製造方法(例えば、特許文献3参照)、ポリオール中で銀化合物をポリビニルピロリドンと鉄イオンと塩化物イオンとともに反応させる製造方法(例えば、特許文献4参照)、ポリオール中で銀化合物をポリビニルピロリドンと銅イオンと塩化物イオンとともに反応させる製造方法(例えば、非特許文献2参照)が提案されている。
【0006】
銀ナノワイヤを含有する透明電導膜は、銀ナノワイヤが互いに接触し合い、3次元的な導電ネットワーク構造が空間的に広く分布して形成されることにより、導電性を発現する。したがって、透明導電膜の用途に応じて最適な銀ナノワイヤの長軸長の銀ナノワイヤを使用することが好ましい。銀ナノワイヤ成長制御剤としてポリビニルピロリドンを用いて銀ナノワイヤを製造する場合、銀原子と塩化物イオンとの質量比を調整することでワイヤの長軸長を制御する製造方法が提案されているが(例えば、特許文献5参照)、制御できるワイヤの長軸長は長くても100μm程度である。また、濃硝酸を用いることで銀ナノワイヤの長軸長を伸長させる製造方法が提案されているが(例えば、特許文献4参照)、制御できる銀ナノワイヤの長軸長は長くても300μm程度であり、さらに、この製造方法では130℃で濃硝酸を添加する必要があり、再現性、安全性に問題がある。銀ナノワイヤ成長制御剤としてポリビニルピロリドンを用いて銀ナノワイヤを製造する場合、長軸長を100μm以上まで幅広く制御して銀ナノワイヤを製造することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0074316号明細書
【特許文献2】米国特許7585349号
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0210052号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0196788号明細書
【特許文献5】特開第2009−215573号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Journal of Solid State Chemistry, 1992, 100. p 272 〜 280
【非特許文献2】Journal of Materials Chemistry, 2008, 437. p 437 〜 441
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、製造条件を変更することにより長軸長の短い銀ナノワイヤから長軸長の長い銀ナノワイヤまでの種々の銀ナノワイヤを任意に製造することのできる銀ナノワイヤの製造方法及び銀ナノワイヤ成長制御剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、N置換(メタ)アクリルアミドを含有する重合性モノマーを重合することにより得られる重合体を含む銀ナノワイヤ成長制御剤と、銀化合物とを、ポリオール中において25〜180℃で反応することを特徴とする銀ナノワイヤの製造方法を用いた場合、銀ナノワイヤの長軸長が従来よりも長いものを作成できることにより、長軸長の短い銀ナノワイヤから長軸長の長い銀ナノワイヤまでの任意の長軸長を有する銀ナノワイヤを製造条件の変更により製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、前記課題を解決するための本発明の手段は、
(1)N置換(メタ)アクリルアミドを含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体を含有する銀ナノワイヤ成長制御剤と、銀化合物とを、ポリオール中において25〜180℃で反応させることを特徴とする銀ナノワイヤの製造方法、
(2)塩化物イオンの存在下において反応させることを特徴とする、前記(1)に記載の銀ナノワイヤの製造方法、
(3)遮光下で銀ナノワイヤを製造することを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の銀ナノワイヤの製造方法、
(4)前記重合体は、N置換(メタ)アクリルアミド60〜100質量%と他の重合性モノマー40〜0質量%とを重合して成る、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤの製造方法、
(5)前記重合体の重量平均分子量が8,000〜4,000,000の範囲内にあることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤの製造方法、
(6)N置換(メタ)アクリルアミドが、下記一般式(1)で示されるモノマー、又はN−アクリロイルモルホリンであることを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤの製造方法、
【0012】
【化1】


(但し、一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、R3は炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。)
(7)銀ナノワイヤの長軸長を0.5〜1000μmまで制御可能である、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤの製造方法、
(8)N置換(メタ)アクリルアミドを含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体を含有することを特徴とする銀ナノワイヤ成長制御剤、
(9)前記重合体は、N置換(メタ)アクリルアミド60〜100質量%と他の重合性モノマー0〜40質量%とを重合して成ることを特徴とする、前記(8)に記載の銀ナノワイヤ成長制御剤、
(10)前記重合体の重量平均分子量が8,000〜4,000,000の範囲にあることを特徴とする、前記(8)又は(9)に記載の銀ナノワイヤ成長制御剤、
(11)N置換(メタ)アクリルアミドが、下記一般式(2)で示されるモノマー、又はN−アクリロイルモルホリンであることを特徴とする、前記(8)〜(10)のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤ成長制御剤、
【0013】
【化2】

(但し、一般式(2)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、R3は炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。)
である。
なお、「(メタ)アクリルアミド」は「アクリルアミド及びメタクリルアミド」を表し、以下も同様に略することがある。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、従来と同様な長軸長の短い銀ナノワイヤから硝酸のような作業上危険な薬品を用いることなく長軸長の長い銀ナノワイヤまでの様々な長軸長を有する銀ナノワイヤを製造条件の変更により任意に製造することのできる銀ナノワイヤの製造方法及び銀ナノワイヤ成長制御剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
本発明における「銀ナノワイヤ」とは、断面直径が1μm未満であり、アスペクト比(長軸長/直径)が2以上である構造体である。本発明における「微粒子」とは、断面直径が1μm未満であり、かつアスペクト比(長軸長/直径)が2未満である構造体である。
【0017】
[銀ナノワイヤの直径]
銀ナノワイヤを透明導電膜として用いる場合、透明性を高めるためには、銀ナノワイヤの直径は小さい方が有利であり、かつ好ましい。本発明においては、銀ナノワイヤの直径として250nm未満が好ましく、150nm未満であることがより好ましく、100nm未満であることがさらに好ましい。なお、銀ナノワイヤの直径は、走査型電子顕微鏡を用い、100個の銀ナノワイヤを観察し、その算術平均値から求めることができる。
【0018】
[銀ナノワイヤの長軸長]
銀ナノワイヤを含有する透明電導膜は、銀ナノワイヤが互いに接触し合い、3次元的な導電ネットワーク構造が空間的に広く分布して形成されることにより、導電性を発現する。したがって、透明導電膜の用途に応じて最適な長軸長を有する銀ナノワイヤが好ましい。本発明においては、銀ナノワイヤの長軸長として0.5〜1000μmが好ましい。なお、銀ナノワイヤの長軸長は、走査型電子顕微鏡を用い、100個の銀ナノワイヤを観察し、その算術平均値から求めることができる。
【0019】
[ポリオール]
本発明におけるポリオールとしては、銀イオンを還元できる化合物であれば特に制限はなく、2つ以上の水酸基を有する化合物から少なくとも一種類を目的に応じて適宜選択することができる。本発明で好ましく用いることができるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(異性体を含む)、ブタンジオール(異性体を含む)、ペンタンジオール(異性体を含む)、ヘキサンジオール(異性体を含む)、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール(異性体を含む)、トリエチレングリコール(異性体を含む)、トリプロピレングリコール(異性体を含む)、等のジオール類、グリセリン、ブタントリオール(異性体を含む)、ペンタントリオール(異性体を含む)、ヘキサントリオール(異性体を含む)等のトリオール類、ブタンテトラオール(異性体を含む)、ペンタンテトラオール(異性体を含む)、ヘキサンテトラオール(異性体を含む)等のテトラオール類、ペンタンペンタオール(異性体を含む)、ヘキサンペンタオール(異性体を含む)等のペンタオール類、ヘキサンヘキサオール(異性体を含む)等のヘキサオール類等が挙げられる。これらの中でも、常温で液体であることや、銀ナノワイヤ成長制御剤の溶解のし易さ、といった点から、炭素数が1〜5である飽和炭化水素のジオール例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオール等、並びに炭素数が1〜5である飽和炭化水素のトリオール例えばグリセリン等を用いることが好ましい。ポリオールは溶媒としても用いることもできる。
【0020】
[溶媒]
本発明における分散溶媒にはポリオール以外に、銀ナノワイヤ成長制御剤の溶解性や銀ナノワイヤの生成を阻害しない程度にポリオール以外の分散溶媒を加えてもよい。例えば、水、あるいは、メタノール、プロパノール(異性体を含む)、ブタノール(異性体を含む)、ペンタノール(異性体を含む)、ヘキサノール(異性体を含む)、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、あるいはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル、プロピレングリコールジアセテート等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄化合物類が挙げられる。
【0021】
[銀化合物]
本発明における銀化合物としては、ポリオールによって還元される化合物であれば特に制限はなく、少なくとも一種類を目的に応じて適宜選択することができる。具体的な例としては、硝酸銀、塩化銀、硫酸銀、スルファミン酸銀、塩素酸銀、過塩素酸銀等の無機酸塩類、酢酸銀、乳酸銀等の有機酸塩類が挙げられる。これらの中でも無機酸塩類例えば硝酸銀が好ましい。
【0022】
[銀ナノワイヤ成長制御剤]
本発明の銀ナノワイヤ成長制御剤は、少なくとも1種の重合性モノマーを重合することにより得られる重合体を含有し、前記重合性モノマーは少なくともN置換(メタ)アクリルアミドを含有する。ここで使用されるN置換(メタ)アクリルアミドは、(メタ)アクリルアミドのN位の水素原子が1個以上アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、アルコキシアルキル基等の官能基で置換されたものであれば特に限定されない。上記重合体の分子構造は、直鎖構造を有していても、分散溶媒への溶解性を阻害しない程度に架橋構造を有していてもよい。また、銀ナノワイヤ成長制御剤は、ポリオールへの溶解性を阻害しない程度に、また銀ナノワイヤの形成を阻害しない程度に、N置換(メタ)アクリルアミドとN置換(メタ)アクリルアミド以外の他のモノマーとを共重合して得られる共重合体を含んでいてもよく、また、N置換(メタ)アクリルアミドの単独重合体と他の重合体との混合物であってもよい。
【0023】
N置換(メタ)アクリルアミドは、(メタ)アクリルアミドのN位の水素原子が1個だけ置換されたN−モノ置換体、N位の2個の水素原子が同じ基で置換されたN,N−対称ジ置換体、N位の2個の水素原子が異なる基で置換されたN,N-非対称ジ置換体、N位の2個の水素原子が一つの基で置換されて環を形成するN,N−環状置換体などのN,N−ジ置換体に大別される。
【0024】
N−モノ置換体の具体例としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド等のN−モノアルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN−モノ環状アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ナフチル(メタ)アクリルアミド等のN−モノアリール置換(メタ)アクリルアミド類、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−フェニルエチル(メタ)アクリルアミド等のN−モノアリールアルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−ノルボルニル(メタ)アクリルアミド、N−ノルアダマンチル(メタ)アクリルアミド等のN−飽和多環アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド等のN−モノヒドロキシアルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)(メタ)アクリルアミド等のN−モノヒドロキシ環状アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−(4−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド等のN−モノヒドロキシアリール置換(メタ)アクリルアミド類、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシプロピル(メタ)アクリルアミド等のN−モノアルコキシアルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)(メタ)アクリルアミド等のN−ケト基含有基置換(メタ)アクリルアミド類、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のN−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
【0025】
N,N−対称ジ置換体の具体例としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアクリルアミド等のN,N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジ環状アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジフェニル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアリール置換(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジベンジル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアリールアルキル置換(メタ)アクリルアミド類、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等のN,N−ビス(ヒドロキシアルキル)置換(メタ)アクリルアミド類、N,N−ビス(メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド等のN,N−ビス(アルコキシアルキル)置換(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
これらの中でもN,N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド類が好ましく、特にN,N−対称ジアルキル(メタ)アクリルアミド(ただし、前記アルキルは、炭素数が1〜3のアルキル基が好適である。)が好ましい。
【0026】
N,N−非対称ジ置換体の具体例としては、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N―メチル−N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(シクロヘキシル)−N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル−N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0027】
N,N−環状置換体の具体例としては、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン等が挙げられる。
これらの中でも、重合体のポリオールへの溶解性、銀ナノワイヤの形成が良好な点で、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリンが好ましい。これらの中でもN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドがさらに好ましい。
【0028】
これらの中でもN−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N―メチル−N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等の下記一般式(3)で示されるN置換(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0029】
【化3】


(但し、一般式(3)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、R3は炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。)
【0030】
N置換(メタ)アクリルアミドに共重合可能な他のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル(異性体を含む)、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル類、(メタ)アクリルアミド等のN無置換(メタ)アクリルアミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニル、ケイ皮酸ビニル、ソルビン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸等の不飽和カルボン酸類、(メタ)アリルアルコール、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アリルアミン等の(メタ)アリル化合物類、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオン酸アミド等のN−ビニルカルボン酸アミド類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等のビニル基含有複素環類が挙げられる。イオン性を有するモノマーに関しては、それらの塩類を含む。
【0031】
重合体がN置換(メタ)アクリルアミドと他の重合性モノマーとの共重合体である場合には、N置換(メタ)アクリルアミドに由来するモノマーユニットの重合体における含有量は60質量%以上100質量%未満であり、N置換(メタ)アクリルアミドと共重合する他のモノマーに由来するモノマーユニットの重合体における含有量は0質量%を超え40質量%未満であることが、銀ナノワイヤの長軸長をより容易に制御可能となるので、好ましい。この好適な重合体は、N置換(メタ)アクリルアミド60〜100質量%と他の重合性モノマー40〜0質量%とを重合することにより得ることができる。
【0032】
本発明における銀ナノワイヤ成長制御剤に用いる重合体の製造方法としては、従来公知の各種の方法を採用することができる。例えば、撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた反応容器にN置換(メタ)アクリルアミド、その他の共重合可能なモノマー及び溶媒を仕込み、重合開始剤を添加した後、反応温度20〜100℃で0.5〜12時間反応させて得られる。重合形態は溶液重合、懸濁重合、乳化重合、沈殿重合等いずれでもよい。反応操作は回分反応、半回分反応、連続反応のいずれでもよい。反応溶媒は重合反応を行えるものであれば従来公知の溶媒を用いればよく、具体的な例としては、水、エタノール、2−プロパノール、メチルエチルケトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。重合開始剤は従来公知の物質を用いればよく、具体的な例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物類、過硫酸塩類や過酸化物類と亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、ブドウ糖、アスコルビン酸等の還元剤との組み合わせによるレドックス開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物類、ベンゾフェノン等の光重合開始剤、さらにはこれら過硫酸塩類、過酸化物類、レドックス開始剤、アゾ化合物類、光重合開始剤等を組み合わせた重合開始系が挙げられる。重合体の重量平均分子量が8,000〜4,000,000であるのが銀ナノワイヤの長軸長をより容易に制御可能となるため好ましい。重合体の分子量を調整するため、従来公知の連鎖移動剤を用いてもよく、具体的な例としては、メルカプトエタノール、ラウリルメルカプタン、チオグリセリン、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸等のチオール類、2−プロパノール等のアルコール類、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルアルコール等の(メタ)アリル化合物類、ホスフィン酸ナトリウムの様なホスフィン酸塩類が挙げられる。本発明における銀ナノワイヤ成長制御剤に用いる重合体は、重合用溶媒を含んだそのままで使用しても、加熱乾燥、スプレー乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥等により乾燥固形化して使用してもどちらでもよい。
【0033】
[塩化物イオン]
本発明における塩化物イオンは、無機塩化物あるいは有機塩化物を極性溶媒中に溶解することによって生成される。塩化物イオンとすることができる塩の具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属塩化物、塩化アルミニウム等の土類金属塩化物、塩化亜鉛等の亜鉛族金属塩化物、塩化スズ等の炭素族金属塩化物、塩化マンガン、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、オキシ塩化ジルコニウム等の遷移金属塩化物、アンモニア塩酸塩(以下、塩化アンモニウムと略する場合がある)、ヒドラジン塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、プロピルアミン塩酸塩、ジプロピルアミン塩酸塩、トリプロピルアミン塩酸塩、ブチルアミン塩酸塩、ジブチルアミン塩酸塩、トリブチルアミン塩酸塩、ペンチルアミン塩酸塩、ヘキシルアミン塩酸塩、エタノールアミン塩酸塩、ジエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミン塩酸塩、ジメチルエタノールアミン塩酸塩、メチルジエタノールアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、エチレンジアミン塩酸塩、ジエチレンテトラミン塩酸塩、トリエチレンペンタミン塩酸塩、アニリン塩酸塩、トルイジン塩酸塩、グルコサミン塩酸塩、アセトアミジン塩酸塩等のアミン塩酸塩、アラニン塩酸塩、アルギニン塩酸塩、リシン塩酸塩、システイン塩酸塩、グルタミン酸塩酸塩、オルニチン塩酸塩、シスチン二塩酸塩等のアミノ酸塩酸塩、塩化テトラブチルホスホニウム、塩化メトキシメチルトリフェニルホスホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホスホニウム等の塩化ホスホニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、塩化リチウム、塩化ナトリウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化メトキシメチルトリフェニルホスホニウム、塩化アンモニウムが好ましい。さらにこれらの中でも、残留塩の除去のし易さ、銀ナノワイヤ形成の良好さから、塩化アンモニウムがより好ましい。
【0034】
[その他の添加物]
その他の添加物として、銀ナノワイヤの分散性を補助するための界面活性剤や高分子系増粘剤、銀ナノワイヤの酸化を防止するための酸化防止剤、銀ナノワイヤの硫化を防止するための硫化防止剤、系内の水素イオン濃度を調整するための無機酸あるいは有機酸といった酸成分及びアンモニア、アミン類、金属水酸化物といったアルカリ成分等を銀ナノワイヤの生成を阻害しない程度に適宜添加することができる。
【0035】
[銀ナノワイヤの製造方法]
銀ナノワイヤの製造方法としては、少量の銀イオンを還元剤で金属銀ナノ粒子に変換し、これを結晶核粒子とし、銀イオン、還元剤を逐次添加することで前記結晶核粒子を銀ナノワイヤに成長させる方法(以下、逐次添加成長法と略する)、全銀イオンを還元剤により一旦金属銀ナノ粒子とした後オストワルド熟成によってワイヤ化する方法(以下、熟成成長法と略する)等が一般に用いられる。本発明においては逐次添加成長法、熟成成長法どちらの製造方法を採用してもよい。また、反応操作としては、回分反応、半回分反応、連続反応のいずれを採用してもよい。なお、この発明に係る製造方法においては、濃硝酸等の危険物を使用しないので、安全に銀ナノワイヤを製造することができる。
【0036】
[遮光条件]
本発明の銀ナノワイヤの製造方法においては、銀ナノワイヤが形成可能であれば遮光下でも遮光なしでもよいが、遮光下であることが好ましい。遮光なしであると、銀ナノワイヤの直径が太くなりやすい。
【0037】
[反応温度]
本発明の銀ナノワイヤの製造方法における反応温度は、銀ナノワイヤが形成可能な温度であればどのような温度でもよいが、25〜180℃であることが好ましい。25℃よりも低いと銀ナノワイヤ形成に時間がかかりすぎ、180℃を超えると銀ナノワイヤ成長制御剤の変質の可能性がある。
【0038】
[反応時間]
本発明の銀ナノワイヤの製造方法における反応時間は、銀ナノワイヤが形成可能な時間であれば任意に設定できるが、製造コストの観点から72時間以内が好ましい。
【0039】
[各原料の仕込み方法]
本発明の銀ナノワイヤの製造方法における各原料の仕込み方法は、あらかじめ使用溶媒で溶解した後反応容器に仕込んでも、反応容器に使用溶媒を仕込んでから各原料を仕込んでもどちらでもよいが、均一混合のし易さから、あらかじめ使用溶媒に溶解してから仕込むことが好ましく、あらかじめ使用溶媒に溶解してから仕込む場合は滴下仕込みでも一括仕込みでもどちらでもよい。各原料の仕込み順序は特に指定はないが、反応初期段階でより良好な銀ナノ粒子を生成しやすくするため、銀ナノワイヤ成長制御剤、塩化物イオンを含む塩、その他の添加物を仕込んだ後、銀化合物を最後に仕込むことが好ましい。
【0040】
[銀化合物の反応濃度]
本発明の銀ナノワイヤの製造方法における反応系中の銀化合物の濃度は、良好な銀ナノワイヤを形成するという観点から、0.0006〜2mol/kgが好ましく、0.006〜0.8mol/kgがさらに好ましい。銀化合物の濃度が0.0006mol/kgを下回ると銀ナノワイヤの生成量が少なくなって製造コストがかかりすぎ、2mol/kgを上回ると良好な形態の銀ナノワイヤが得られにくくなる。
【0041】
[銀ナノワイヤ成長制御剤の反応濃度]
本発明の銀ナノワイヤの製造方法における銀ナノワイヤ成長制御剤の濃度は、良好な銀ナノワイヤの形成の点から、銀ナノワイヤ成長制御剤を構成する重合体の単量体単位換算で、0.001〜2.5mol/kgが好ましく、0.01〜1.0mol/kgがさらに好ましい。銀ナノワイヤ成長制御剤の濃度が0.0006mol/kgを下回ると良好な形態の銀ナノワイヤが得られにくくなる。また、2mol/kgを上回ると良好な形態の銀ナノワイヤが得られにくくなるうえに、銀ナノワイヤを単離する際に銀ナノワイヤ成長制御剤の除去操作が煩雑になることから製造コストの上昇を招く。
【0042】
[塩化物イオンの反応濃度]
本発明の銀ナノワイヤの製造方法における塩化物イオンの反応濃度は、良好な銀ナノワイヤの形成の点から0.01〜50mmol/kgが好ましく、0.05〜10mmol/kgがさらに好ましく、0.05〜0.15mmol/kgが特に好ましい。塩化物イオンの濃度が50mmol/kgを上回る場合には、良好な形態の銀ナノワイヤが得られにくくなる。
【0043】
本発明の銀ナノワイヤの製造方法は、銀ナノワイヤの長軸長を任意に制御可能であるので、本発明の銀ナノワイヤの製造方法により得られた銀ナノワイヤは、例えば、透明導電膜を形成し、液晶ディスプレイ用電極材、プラズマディスプレイ用電極材、有機エレクトロルミネセンスディスプレイ用電極材、電子ペーパー用電極材、タッチパネル用電極材、薄膜型アモルファスSi太陽電池用電極材、色素増感太陽電池用電極材、電磁波シールド材、帯電防止材等の各種デバイスなどに幅広く適用される。
【実施例】
【0044】
以下、本発明の実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は特に断らない限り質量基準である。以下の例において、銀ナノワイヤの直径、銀ナノワイヤの長軸長、銀ナノワイヤ成長制御剤の重量平均分子量は、以下のようにして測定した。
【0045】
[銀ナノワイヤの精製]
反応液にイオン交換水を加えて静置し、銀ナノワイヤを沈降させ、上澄みを捨てた後、イオン交換水を加えて銀ナノワイヤを再分散する処理を繰り返すことで銀ナノワイヤを単離し、これを精製した。
【0046】
[銀ナノワイヤの直径]
精製した銀ナノワイヤに対して、走査型電子顕微鏡(SEM;日本電子株式会社製、JSM−5610LV)を用い、100個の銀ナノワイヤを観察し、その算術平均値から銀ナノワイヤの直径を求めた。
【0047】
[銀ナノワイヤの長軸長]
精製した銀ナノワイヤに対して、走査型電子顕微鏡(SEM;日本電子株式会社製、JSM−5610LV)を用い、100個の銀ナノワイヤを観察し、その算術平均値から銀ナノワイヤの長軸長を求めた。
【0048】
[銀ナノワイヤ成長制御剤の重量平均分子量]
GPC−MALS法より、Agilent1100HPLCシステム(Agilent Technologies,Inc.製)を用い、銀ナノワイヤ成長制御剤の重量平均分子量を求めた。
【0049】
<銀ナノワイヤ成長制御剤に関する合成例>
(合成例1 : 銀ナノワイヤ成長制御剤となる重合体の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を具備した四つ口フラスコにN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド150質量部、イオン交換水840質量部を仕込んだ後、窒素ガスを通しながら50℃に昇温し、5質量%過硫酸アンモニウム水溶液5質量部、5質量%重亜硫酸ナトリウム水溶液5質量部を添加し、80℃で3時間反応させ、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体を調製した。表1に重量平均分子量を記載した。
【0050】
(合成例2〜13 : 銀ナノワイヤ成長制御剤となる重合体の合成)
表1に記載のように変更した以外は合成例1と同様にして銀ナノワイヤ成長制御剤を合成した。また、得られた重合体の重量平均分子量を表1に記載した。
【0051】
【表1】

【0052】
(合成例14 : 銀ナノワイヤ成長制御剤となる重合体の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を具備した四つ口フラスコにN,N−ジメチルアクリルアミド90質量部、メタクリル酸メチル60質量部、メチルエチルケトン824質量部を仕込んだ後、窒素ガスを通しながら50℃に昇温し、5質量%2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル水分散液20質量部、5質量%メルカプトエタノール水溶液6質量部を添加し、80℃で3時間反応させ、N,N−ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル共重合体を調製した。また、得られた重合体の重量平均分子量を表2に記載した。
【0053】
(合成例15 : 銀ナノワイヤ成長制御剤となる重合体の合成)
表1に記載のように変更した以外は合成例1と同様にして銀ナノワイヤ成長制御剤を合成した。また、得られた重合体の重量平均分子量を表2に記載した。
【0054】
【表2】

【0055】
<銀ナノワイヤの製造に関する実施例>
(実施例1 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体(合成例1)0.52質量部と1,2−プロパンジオール98.5質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0056】
(実施例2 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体(合成例1)1.04部と1,2−プロパンジオール97.9質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0016質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに、1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0057】
(実施例3 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体(合成例1)1.04質量部とエチレングリコール97.9質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0058】
(実施例4 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体(合成例1)2.07質量部とエチレングリコール97.4質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。25℃に降温し、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀0.51質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した後、5分間で140℃まで昇温し、さらに45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0059】
(実施例5 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体(合成例1)1.04質量部とエチレングリコール97.9質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。25℃に降温し、エチレングリコール50.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した後、5分間で140℃まで昇温し、さらに45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0060】
(実施例6 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体(合成例2)0.48質量部と1,2−プロパンジオール98.5質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0061】
(実施例7 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド/N−アクリロイルモルホリン共重合体(合成例3)1.15質量部と1,2−プロパンジオール97.8質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0016質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0062】
(実施例8 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド/メタクリル酸メチル共重合体(合成例4)1.02質量部とエチレングリコール98.0質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0063】
(実施例9 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体(合成例1、重量平均分子量 500,000)1.04質量部とN,N−ジメチルアクリルアミド重合体(合成例5)0.89質量部とエチレングリコール97.6質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。25℃に降温し、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀0.51質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した後、5分間で140℃まで昇温し、さらに45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0064】
(実施例10 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体(合成例1)1.04質量部と1,2−プロパンジオール97.9質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化リチウム0.0013質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0065】
(実施例11 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体(合成例1)1.04質量部とエチレングリコール97.9質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、エチレングリコール10.0質量部と塩化ナトリウム0.0070質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0066】
(実施例12 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体(合成例1)2.07質量部とエチレングリコール97.4質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。25℃に降温し、エチレングリコール10.0質量部とオキシ塩化ジルコニウム八水和物0.0387質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した。さらに、エチレングリコール40.0質量部と硝酸銀0.51質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した後、5分間で140℃まで昇温し、さらに45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0067】
(実施例13 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド重合体(合成例5)0.45質量部と1,2−プロパンジオール98.5質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0068】
(実施例14 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド重合体(合成例5)0.89質量部とエチレングリコール98.1質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0016質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0069】
(実施例15 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド重合体(合成例5)0.89質量部とエチレングリコール98.1質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0070】
(実施例16 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド重合体(合成例5)1.79質量部とエチレングリコール97.7質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。25℃に降温し、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀0.51質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した後、5分間で140℃まで昇温し、さらに45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0071】
(実施例17 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/N−アクリロイルモルホリン共重合体(合成例6)1.08質量部と1,2−プロパンジオール97.9質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0016質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0072】
(実施例18 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−アクリロイルモルホリン重合体(合成例7)1.27質量部とエチレングリコール97.7質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0073】
(実施例19 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジエチルアクリルアミド重合体(合成例8)2.29質量部とエチレングリコール97.2質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。25℃に降温し、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀0.51質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した後、5分間で140℃まで昇温し、さらに45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0074】
(実施例20 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド重合体(合成例9)0.45質量部と1,2−プロパンジオール98.5質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0075】
(実施例21 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル共重合体(合成例14)0.45質量部と1,2−プロパンジオール98.5質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0076】
(実施例22 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド重合体(合成例10)0.45質量部と1,2−プロパンジオール98.5質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0077】
(実施例23 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/アクリル酸共重合体(合成例11)0.40質量部と1,2−プロパンジオール98.6質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0078】
(実施例24 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル共重合体(合成例15)0.45質量部と1,2−プロパンジオール98.5質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0079】
(実施例25 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/アクリル酸共重合体(合成例12)0.39質量部と1,2−プロパンジオール98.6質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0080】
(実施例26 : 銀ナノワイヤの作製)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル共重合体(合成例15)0.45質量部と1,2−プロパンジオール98.5質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0081】
(実施例27 : 銀ナノワイヤの作製)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル共重合体(合成例15)0.90質量部と1,2−プロパンジオール98.1質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0016質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに、1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0082】
(実施例28 : 銀ナノワイヤの作製)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル共重合体(合成例15)0.90質量部とエチレングリコール98.1質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0083】
(実施例29 : 銀ナノワイヤの作製)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル共重合体(合成例15、モノマー質量比50/50、重量平均分子量 7,200)1.79質量部とエチレングリコール97.7質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。25℃に降温し、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀0.51質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した後、5分間で140℃まで昇温し、さらに45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0084】
(実施例30 : 銀ナノワイヤの作製)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/アクリル酸共重合体(合成例12)0.39質量部と1,2−プロパンジオール98.6質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0085】
(実施例31 : 銀ナノワイヤの作製)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/アクリル酸共重合体(合成例12)0.77質量部と1,2−プロパンジオール98.2質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0016質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに、1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0086】
(実施例32 : 銀ナノワイヤの作製)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/アクリル酸共重合体(合成例12)0.77質量部とエチレングリコール98.2質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0087】
(実施例33 : 銀ナノワイヤの作製)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N,N−ジメチルアクリルアミド/アクリル酸共重合体(合成例12)1.54質量部とエチレングリコール97.9質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。25℃に降温し、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀0.51質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した後、5分間で140℃まで昇温し、さらに45分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
【0088】
(実施例34 : 銀ナノワイヤの作製)
遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体(合成例1)1.04質量部と1,2−プロパンジオール97.9質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化メトキシメチルトリフェニルホスホニウム0.0411質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表3に示す。
以上に示される実施例1〜34の結果からすると、製造条件により、長軸長が2.2μm(実施例33)から551μm(実施例1)までの銀ナノワイヤを製造することができることが、解かる。特に、実施例1、実施例6、実施例13及び実施例20〜25の結果から、製造条件として、遮光を行い、塩化物イオンの濃度が0.05〜0.15mmol/Kgの範囲内にあり、塩素イオンと銀イオンとのモル比(Cl/Agモル比)が0.001〜0.03の範囲内にあると、長軸長が180μmを超える銀ナノワイヤの得られることが、解かる。例えば、実施例1〜3を参照すると、塩化物イオンの濃度の上昇は、得られる銀ナノワイヤの長軸長を短くするように作用する。例えば、実施例1〜4を参照するとCl/Agモル比が大きくなると、得られる銀ナノワイヤの長軸長が短くなる傾向がある。
【0089】
(比較例1)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、エチレングリコール67.7質量部を加え、160℃まで昇温した。ここに、エチレングリコール40.6質量部に溶かしたビニルピロリドン重合体(関東化学品、製品名 ポリビニルピロリドン K=30 分子量 40,000)0.53質量部と、エチレングリコール40.6質量部に溶かした硝酸銀0.53質量部とを、攪拌しながら15分間かけて滴下し、さらに160℃で40分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表4に示す。特許文献2に記載の方法に含まれるこの比較例1による製造方法で得られる銀ナノワイヤはその長軸長が4.3μm程度である。塩化物イオンの濃度を変化させた他は前記比較例1と同様の方法を試みたが長軸長が180μmを超える銀ナノワイヤを製造することができなかった。よって、特許文献2に記載された製造条件に含まれる製造条件下で実験された比較例1の結果に代表されるように、特許文献2に記載された製造方法では長軸長の長い銀ナノワイヤから長軸長の短い銀ナノワイヤまでの任意の長軸長を有する銀ナノワイヤを作成できないのであるから、本発明は特許文献2に記載の発明より優れることがわかる。
【0090】
(比較例2)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、ビニルピロリドン重合体(関東化学品、製品名 ポリビニルピロリドン K=30 分子量 40,000)1.11質量部とエチレングリコール147.7質量部とを加え、25℃で攪拌し溶解させた。ここに、テトラブチルアンモニウムクロリド0.0186質量部と硝酸銀1.13質量部とを加え、25℃で15分間攪拌した後、5分間で150℃まで昇温し、さらに30分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表4に示す。特許文献3に記載の方法に含まれるこの比較例2による製造方法で得られる銀ナノワイヤはその長軸長が13μm程度である。塩化物イオンの濃度を変化させた他は前記比較例1と同様の方法を試みたが長軸長が180μmを超える銀ナノワイヤを製造することができなかった。よって、特許文献3に記載された製造条件に含まれる製造条件下で実験された比較例2の結果に代表されるように、長軸長の長い銀ナノワイヤから長軸長の短い銀ナノワイヤまでの任意の長軸長を有する銀ナノワイヤを作成できないのであるから、本発明は特許文献3に記載の発明より優れることがわかる。
【0091】
(比較例3)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、ビニルピロリドン重合体(関東化学品、製品名 ポリビニルピロリドン K=30 分子量 40,000)9.34質量部とエチレングリコール124.7質量部とを加え、130℃で攪拌し溶解させた。ここに、エチレングリコール4.8質量部と第一鉄アセチルアセトナート0.0021質量部と塩化ナトリウム0.0033質量部とを加え、5分間攪拌した。さらに、70%濃硝酸0.70質量部を加え、5分間攪拌した後、硝酸銀10.46質量部を加え、130℃で2時間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表4に示す。特許文献4に記載の方法に含まれるこの比較例3による製造方法で得られる銀ナノワイヤはその長軸長が18μm程度である。塩化物イオンの濃度を変化させた他はこの比較例3と同様の方法を試みたが長軸長が180μmを超える銀ナノワイヤを製造することができなかった。よって、特許文献4に記載された製造条件に含まれる製造条件下で実験されたこの比較例3の結果に代表されるように、長軸長の長い銀ナノワイヤから長軸長の短い銀ナノワイヤまでの任意の長軸長を有する銀ナノワイヤを作成できないのであるから、本発明は特許文献4に記載の発明より優れることがわかる。
【0092】
(比較例4)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、塩化第一銅0.0004質量部とエチレングリコール93.8質量部とを加え、150℃まで昇温した。ここに、エチレングリコール28.1質量部に溶かしたビニルピロリドン重合体(関東化学品、製品名 ポリビニルピロリドン K=30 分子量 40,000)0.34質量部を加え、続けてエチレングリコール28.1質量部と硝酸銀0.34質量部とを加え、さらに150℃で1.5時間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表4に示す。非特許文献2に記載の方法に含まれるこの比較例4による製造方法で得られる銀ナノワイヤはその長軸長が8.5μm程度である。塩化物イオンの濃度を変化させた他はこの比較例4と同様の方法を試みたが長軸長が180μmを超える銀ナノワイヤを製造することができなかった。よって、非特許文献2に記載された製造条件に含まれる製造条件下で実験されたこの比較例4の結果に代表されるように、長軸長の長い銀ナノワイヤから長軸長の短い銀ナノワイヤまでの任意の長軸長を有する銀ナノワイヤを作成できないのであるから、本発明は非特許文献2に記載の発明より優れることがわかる。
【0093】
(比較例5)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、ビニルピロリドン重合体(関東化学品、製品名 ポリビニルピロリドン K=90 分子量 360,000)0.006質量部とエチレングリコール58.8質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、エチレングリコール10.0質量部と塩化ナトリウム0.0004質量部と硝酸銀0.006質量部とを加え、160℃に昇温し、15分間攪拌した。さらにエチレングリコール80.0質量部とビニルピロリドン重合体(関東化学品、製品名 ポリビニルピロリドン K=90 分子量 360,000)0.594質量部と硝酸銀0.594質量部とを加え、160℃で60分間攪拌し、銀ナノワイヤを製造した。得られた銀ナノワイヤの物性を測定した。結果を表4に示す。特許文献5に記載の方法に含まれるこの比較例5による製造方法で得られる銀ナノワイヤはその長軸長が15μm程度である。塩化物イオンの濃度を変化させた他はこの比較例5と同様の方法を試みたが長軸長が180μmを超える銀ナノワイヤを製造することができなかった。よって、特許文献5に記載された製造条件に含まれる製造条件下で実験されたこの比較例5の結果に代表されるように、長軸長の長い銀ナノワイヤから長軸長の短い銀ナノワイヤまでの任意の長軸長を有する銀ナノワイヤを作成できないのであるから、本発明は特許文献5に記載の発明より優れることがわかる。
【0094】
(比較例6)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、アクリルアミド重合体(合成例13、重量平均分子量 468,000)0.64質量部と1,2−プロパンジオール98.3質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部を加え、130℃で30分間攪拌し、暗褐色の濁液を得た。走査型電子顕微鏡を用いた観察を行ったが、銀ナノワイヤが確認できないので、銀ナノワイヤとしての物性評価を行わなかった。本発明において用いる銀ナノワイヤ成長制御剤がアクリルアミド重合体であると本発明の効果が得られないことがわかる。
【0095】
(比較例7)
非遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコに窒素を送入しながら、1,2−プロパンジオール99.0質量部を加え、120℃で攪拌し溶解させた。ここに、1,2−プロパンジオール10.0質量部と塩化アンモニウム0.00064質量部とを加え、130℃に昇温し、15分間攪拌した。さらに1,2−プロパンジオール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、130℃で30分間攪拌し、銀色の沈殿を得た。走査型電子顕微鏡を用いた観察を行ったが、銀ナノワイヤが確認できないので、銀ナノワイヤとしての物性評価を行わなかった。本発明において用いる銀ナノワイヤ成長制御剤を用いないと本発明の効果が得られないことがわかる。
【0096】
【表3】

【0097】
【表4】

【0098】
表4中の「−」は銀ナノワイヤが確認できないので、銀ナノワイヤとしての物性評価を行わなかったことを示す。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明の製造方法で製造した銀ナノワイヤは、銀ナノワイヤの長軸長を幅広く制御可能であるため、例えば、透明導電膜を形成し、液晶ディスプレイ用電極材、プラズマディスプレイ用電極材、有機エレクトロルミネセンスディスプレイ用電極材、電子ペーパー用電極材、タッチパネル用電極材、薄膜型アモルファスSi太陽電池用電極材、色素増感太陽電池用電極材、電磁波シールド材、帯電防止材等の各種デバイスなどに幅広く適用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N置換(メタ)アクリルアミドを含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体を含有する銀ナノワイヤ成長制御剤と、銀化合物とを、ポリオール中において25〜180℃で反応させることを特徴とする銀ナノワイヤの製造方法。
【請求項2】
塩化物イオンの存在下において反応させることを特徴とする、請求項1に記載の銀ナノワイヤの製造方法。
【請求項3】
遮光下で銀ナノワイヤを製造することを特徴とする、請求項1又は2に記載の銀ナノワイヤの製造方法。
【請求項4】
前記重合体は、N置換(メタ)アクリルアミド60〜100質量%と他の重合性モノマー0〜40質量%とを重合して成る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤの製造方法。
【請求項5】
前記重合体の重量平均分子量が8,000〜4,000,000の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤの製造方法。
【請求項6】
N置換(メタ)アクリルアミドが、下記一般式(1)で示されるモノマー(a)、又はN−アクリロイルモルホリンであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤの製造方法。
(a)〔一般式(1)〕
【化1】


(但し、一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、R3は炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。)
【請求項7】
銀ナノワイヤの長軸長を0.5〜1000μmまで制御可能である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤの製造方法。
【請求項8】
N置換(メタ)アクリルアミド含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体を含有することを特徴とする銀ナノワイヤ成長制御剤。
【請求項9】
前記重合体は、N置換(メタ)アクリルアミド60〜100質量%と他の重合性モノマー0〜40質量%とを重合して成ることを特徴とする請求項8に記載の銀ナノワイヤ成長制御剤。
【請求項10】
前記重合体の重量平均分子量が8,000〜4,000,000の範囲にあることを特徴とする請求項8又は9に記載の銀ナノワイヤ成長制御剤。
【請求項11】
N置換(メタ)アクリルアミドが、下記一般式(2)で示されるモノマー(b)、又はN−アクリロイルモルホリンであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の銀ナノワイヤ成長制御剤。
(b)〔一般式(2)〕
【化2】

(但し、一般式(2)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、R3は炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。)

【公開番号】特開2012−140701(P2012−140701A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254367(P2011−254367)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000109635)星光PMC株式会社 (102)
【Fターム(参考)】