説明

鋼矢板の結合構造

【課題】 先端沓、結合部材を地中に埋設後、後施行をすることなく、容易に、確実に分離できる鋼矢板の結合構造の提供。
【解決手段】 可撓性止水部材4を挟んで所定間隔に分割されて配置された一対の鋼矢板1a,1bを生分解性部材からなる先端沓9又は結合部材15で結合する。地中に打設して埋設した後は、微生物により生分解性部材からなる先端沓9あるいは結合部材15を分解し、鋼矢板1a,1bと、先端沓9又は結合部材15との結合を解除する。生分解性部材は、生分解性プラスチック部材であるとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋め立て工事、護岸工事、堤防構築工事等の建設土木工事に使用される鋼矢板の結合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼矢板は、複数個相互に連結し地中に打設されるものである。鋼矢板で壁を構成することで、前後の地盤を分割保持し、地盤の崩壊等を防ぐ。この打設工事は海岸等の岸壁、護岸、又河川、水路、堰等の止水壁として、あるいは堤防等に広く使用されている。この鋼矢板は地中に埋設後、時間の経過で地震等の地盤ずれ等により鋼矢板はもとより継手部分が外れ、大きな変形、破壊をもたらすおそれが生じる。
このため、鋼矢板を2分割して一対の構成にし、その分割した鋼矢板間にゴムあるいは合成樹脂等の可撓性止水部材を設け、鋼矢板の相互間の変位があっても鋼矢板の損傷、破壊を防ぎ止水を行う構成のものが使用されている。この構成の鋼矢板を打設して地中に打ち込むために、一対の鋼矢板の下部に打設時の可撓性止水部材の保護と埋設を容易にするため略V字状の傾斜面を有する先端沓を設けている。分割された鋼矢板は先端沓で接続されている。
【0003】
この鋼矢板を地中に打ち込むには、鋼矢板の上部をハンマー等で打撃して埋設する。鋼矢板には可撓性止水部材を設けているので、前述のように打ち込みの際の保護のため先端沓を装着している。この先端沓は埋設された後は、分離される。この先端沓を分離可能に埋設する構成については種々の方法が知られている。その例として、本出願人も矢板壁用可撓伸縮止水性矢板を提案している(特許文献1参照)。
【0004】
この装置は、図22、図23に示すように、分割された各々の鋼矢板50a、50bに取り付けられた各先端金具51a,51bを仮固定する状態で、各先端金具51a,51bを跨って固定板52を低強度の仮溶接をしている。鋼矢板50a,50bの上部は頭部固定板8(図1参照)で連結されている。この状態の鋼矢板50a,50bをバイブロハンマーで頭部固定板8を挟み、所定深さまで打ち込んだ後、頭部固定板8を切断分離し、この一対の鋼矢板50a,50bの一方をハンマーにより打撃し、先端金具51a,51bの仮溶接の固定板52を分離し、その後他方の鋼矢板を打設して一対の鋼矢板50a,50bをそろえる。一対の鋼矢板50a,50bを埋設した後は頭部固定板8を除去する。このようにして一対の鋼矢板50a,50bは先端金具51a,51bが分離離脱した状態で地中に埋設されることになり、地盤変動等の変位に対応できる構成となる。
【0005】
他の例として、鋼矢板の先端に差込の状態で先端沓を取り付け、この状態の鋼矢板を所定深さまで打ち込んだ後、鋼矢板をワイヤーで上方にやや引き抜き先端沓を分離する方法(例えば、特許文献2、3)、あるいは、間隔を有して取り付けられた先端沓を固定プレートで弱強度の仮溶接をし、この状態で地中に埋設し先端沓の固定プレートを地盤変動等に追随して、固定プレートの仮溶接部が破壊するのを期待させる構成のもの(例えば、特許文献4)等が知られている。
【特許文献1】実公昭64−4915号公報
【特許文献2】特公昭63−58973号公報
【特許文献3】特開2003−49421号公報
【特許文献4】特開2004−52306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の従来構成は種々の問題点を含んでいて、確実性に欠ける。地中に打設後一対の鋼矢板の一方を打ち込むのは、切断や打ち込みのための作業を余分に要することである。又先端沓を分割の構成にしなければならないことである。他方、地中に打設後一対の鋼矢板を引き上げるのは、引き上げの工程が余分に必要であり、仮溶接の状態で埋設したままの状態のものは、確実に地盤変動に追随して仮溶接が解除できているかどうかは確認できない。
又、溶接を強すぎないように低溶接にすると打設するときに溶接部がはずれるおそれも生ずる。この方法も先端沓は分割の構成にしている。いずれの方法も固定プレートを溶接しなければならないことと、打設前後に分離のため余分の施工を要する等問題点を有している。従って、通常の打設のみで施工を完了するようにして、確実に先端沓が分離でき、しかも、工事を従来に比し簡素にすることが求められている。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点を解決するために想起されたもので、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、先端沓を分割せず、地中に埋設後は、後施工することなく、容易に、確実に可撓性止水用鋼矢板が分離できるようにした鋼矢板の結合構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の鋼矢板の結合構造は、止水部材を介して所定間隔に分割されて配置された一対の鋼矢板を結合する構造であって、前記構造は、先端沓及びこの先端沓を前記鋼矢板に結合する結合部材とで構成され、前記先端沓又は/及び結合部材は、前記鋼矢板施工後地中で分解する生分解性部材からなる。
【0009】
前記生分解性部材は、生分解性プラスチック、天然又は天然素材で作られる人工木材、天然素材で作られる紙、これらを混合したもの等の部材であることを意味している。
【0010】
本発明2の鋼矢板の結合構造は、本発明1において、
前記先端沓は、前記一対の鋼矢板に跨って一体化されたものであることを特徴とする。
【0011】
本発明3の鋼矢板の結合構造は、本発明1において、
前記結合部材は、前記先端沓を前記鋼矢板に固定するために製作されたねじ部材であることを特徴とする。
【0012】
本発明4の鋼矢板の結合構造は、本発明1において、
前記先端沓には、前記結合部材との結合のため前記生分解性部材の被結合部が部分的に設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明5の鋼矢板の結合構造は、本発明1において、
前記止水部材は、可撓性止水部材であることを特徴とする。
【0014】
本発明6の鋼矢板の結合構造は、本発明2において、
前記先端沓は、地中押圧側端部に保護プレートを有していることを特徴とする。
【0015】
本発明7の鋼矢板の結合構造は、本発明1から6において、
前記生分解性部材は、生分解性プラスチック部材であることを特徴とする。
【0016】
前記生分解性プラスチック部材は、微生物系[バイオポリエステル(PHB/Vなど)、バクテリアセルロース、微生物多糖(プルラン、カードランなど)]、化学合成系[脂肪族ポリエステル(ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸など)、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸(PMLGなど)、その他ポリウレタン、ナイロンオリゴマーなど]、天然物系(キトサン/セルロース、澱粉、酢酸セルロースなど)、複合物(澱粉/脂肪族ポリエステル、澱粉/ポリビニルアルコール、前記したもののブレンドやラミネート)等の種類の部材であることを意味している。
【発明の効果】
【0017】
先端沓又は先端沓の連結部材に生分解性部材(例えば、生分解性プラスチック)を使用したので、打設後は特別の施工なしに自然の力で分解、即ち、微生物により分解され、結合を解除できるようになった。結果的に可撓性止水部材を有する鋼矢板を元の状態を維持して確実に打設でき、打設前の溶接の必要もなく、打設後の先端沓分割の必要もなく、簡素な構成にすることができた。分割等の必要がなくなったことで、施工期間が短縮でき、施工コストの低減になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の対象となる可撓性止水部材を有する鋼矢板の構成で、図2は可撓性止水部材を取り付けた断面図で、従来と同様の構成を示す。鋼矢板1はU形鋼矢板をウェブ2の中央で分割した形状の一対の鋼矢板である。ウェブ2は同一平面で間隔をおき配置されている。中間に複数の屈曲形状3をなす可撓性止水部材としての可撓性伸縮止水部材4が取り付けられている。この可撓性伸縮止水部材4はゴムあるいは合成樹脂の帯状のものである。両側がフランジ5になっていて、押さえ板6を介してボルト7、ナット7aによりウェブ2に固定されている。
可撓性伸縮止水部材4の上方には間隔をおいて鋼製の上部連結部材8が配置されている。その上部連結部材8に分割された鋼矢板1a,1bが一体的に固着している。このように構成される鋼矢板1の下部に先端沓9が設けられる。この鋼矢板1は打設後、上部連結部材8と先端沓9が切り離されるようになっている。本発明はこの先端沓9の結合に関わる構造である。
【0019】
次に実施の形態について具体的に説明するがその前に、本発明の主体をなす生分解性部材について説明する。本発明に適用できる生分解性部材には、生分解性プラスチック、生分解性機能を有する紙や木材等の部材が含まれる。なお、この実施の形態では、生分解性部材を生分解性プラスチック部材として説明を行う。この生分解性プラスチック部材は、例えば主に穀物でんぷんを出発原料として成形されたものであり、使用時は通常のプラスチック機能を有している。しかし、廃棄処理等で土中又は海中などに放棄されると、微生物により分解され本来のプラスチック機能を失い、最終的に水と二酸化炭素になって自然界に還元されるプラスチックである。
【0020】
生分解性プラスチックは、土中などで生分解性を有するものであり、例えば、微生物系、化学合成系、天然物系、複合物などの種類がある。
微生物系には、例えばバイオポリエステル(PHB/Vなど)、バクテリアセルロース、微生物多糖(プルラン、カードランなど)等がある。また、化学合成系には、例えば脂肪族ポリエステル(ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸など)、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸(PMLGなど)、その他ポリウレタン、ナイロンオリゴマー等がある。
さらに、天然物系には、例えばキトサン/セルロース、澱粉、酢酸セルロース等がある。複合物としては、例えば澱粉/脂肪族ポリエステル、澱粉/ポリビニルアルコール、前記した物質のブレンドやラミネート等がある。
【0021】
この生分解性プラスチック部材は、軟質から硬質まで幅広く製作でき、通常に使用する場合は通常のプラスチック強度を有しているが熱に弱い。この生分解性プラスチック部材は、経済産業省の公募した愛称で「グリーンプラ」と称されているものである。使用形態においては、生ごみの袋、園芸用の移植用苗ポット、土木建設関係では断熱材、土木工事の型枠、土留等に幅広く使用されている。本発明はこの生分解性プラスチック部材を含む生分解性部材を鋼矢板の先端沓及びその結合部材に適用させるものである。
【0022】
(実施の形態1)
図3は、先端沓全体を生分解性プラスチック部材とする形態1を模式的に示した正面図、図4は、図3をX−X線で切断した断面図である。先端沓10は断面が略三角形の一体化された生分解性プラスチック部材で、一対の鋼矢板1a,1bに跨って取り付けられている。この取り付けはボルト11によっている。本発明の基本構成をなす生分解性プラスチックは、それなりの強度を有しているものであるが、打設の際の保護のため打ち込み側の端部に略V字状の保護プレート12を取り付けている。
打設後はこの先端沓10を地中にとどめておくことになるが、時間の経過に伴い先端沓10は微生物の分解により急速に強度を低下し、最終的に消滅する。これにより一対の鋼矢板1a,1bとの結合関係を解消する。最終的には先端沓10は水と二酸化炭素になり消滅し、保護プレート12のみが離間して地中に残ることになる。
【0023】
(実施の形態2)
この形態2は結合部材に生分解性プラスチックを適用したものである。図5は、この形態2の外観図、図6〜図8は形態2の具体的な構成を示した図で、図6は正面図、図7は平面図、図8は、図6をA−A線で切断した断面図をそれぞれ示す。鋼矢板1の下部に先端沓14を取り付けるための取り付け部13が設けられている。この取り付け部13は一対の鋼矢板1a,1bにそれぞれ設けられている。この取り付け部13はフレーム構成で内部が空間になっている。
一方、先端沓14は鋼材で一体形状の略V字状のフレーム構成をなし、それぞれの取り付け部13に跨って取り付けられ、内部に空間を有している。取り付け部13に先端沓14を付き合わせたとき内部の空間位置が一致し、この空間部に生分解性プラスチックの結合部材15を各取り付け部13ごとに先端沓14に跨るようにして取り付ける。この取り付けは、結合部材15の一端を取り付け部13に第1のボルト16、ナット16aを介して固定し、結合部材15の他端を先端沓14に第2のボルト17を介して固定することで行われる。
【0024】
この状態で一対の鋼矢板1a,1bと先端沓14は生分解性プラスチックの結合部材15を介して一体的に固定されている。この状態で土中に打設し、時間の経過とともに結合部材15は図9のように変化する。図9は模式的に経過を示したものである。図9(a)の打設時の状態から打設して時間が経過すると微生物により分解し、生分解性プラスチックである結合部材15は図9(b)に示すように消滅する。即ち、取り付け部13と先端沓14はフレーム構成とボルト16,17のみが形骸化した状態で残り、地盤変動等が生じたときは図9(c)に示すように先端沓14は取り付け部13から完全に分離し、鋼矢板1a,1bは歪等の不具合は生じないのである。
【0025】
図10〜図13は前述の構成に準じた他の形態を示したものである。図10は正面図、図11は平面図、図12は図10をB−B線で切断した断面図である。この形態は生分解性プラスチックの結合部材18を筒状の形状としたものである。強度を確保される場合、あるいは軟弱な土壌の場合には、この結合部材18を前述の場合に比し薄い構成にすることができる。生分解性プラスチック部材の材料軽減に効果がある。取り付け部13と先端沓14との取り付けはボルト16、17、ナット16aによるが、ねじ部のみの固定強度が弱い部分、本形態の場合は先端沓14に対する部分はナット19を介在させて固定している。図13は前述同様に打設後の鋼矢板1a,1bの結合状態の変化を図13(a)、図13(b)、図13(c)に従って示した図である。基本的には図9に示す経過と同様である。
【0026】
(実施の形態3)
この形態3は結合部材のボルト20を生分解性プラスチック部材で製作したものである。前述同様に図14〜図17にその形態3を具体的に示す。図14は正面図、図15は平面図、図16は図14をC−C線で切断した断面図をそれぞれ示す。鋼矢板1a,1bの下部に先端沓22を取り付けるための取り付け部21が設けられている。この取り付け部21はフレーム構成で一対の鋼矢板1a,1bにそれぞれ設けられている。
一方、先端沓22は鋼材で一体形状の略V字状のフレーム構成をなし、それぞれの取り付け部21に跨って取り付けられている。取り付け部21に先端沓22を付き合わせたとき、それぞれの取り付け部21と先端沓22を生分解性プラスチック部材で製作されたボルト20で取り付ける。先端沓22側にはナット体23が固定されていて、ボルト20は取り付け部21のフレームを挟む状態でナット体23に締結されることになる。図17は前述同様に打設後の鋼矢板1の結合状態の変化を図17(a)、図17(b)、図17(c)に従って示した図である。ボルト20は消滅するので結合状態は解消され、鋼矢板1a,1bの取り付け部21は先端沓22を分離しフリーの状態となる。
【0027】
図18、図19は、この実施の形態3の変形例で、中実の先端沓24にボルト20を直接締結させた形態である。この形態では、取り付け部21と先端沓24とをボルト20で直接締結している。先端沓24は鋳物であってもよく、鋼材又は鋼材以外の材質で打設に耐えられる強度を有したものであればよく、その材質の種類は問わない。
【0028】
図20、図21は前述の構成に準じた他の形態を示したもので、被結合部材としてナット体に生分解性プラスチック部材を適用したものである。図20は、正面図、図21は図20をD−D線で切断した断面図である。この形態は、ボルト25を通常の鋼材のものとし、先端沓26の結合部材であるナット体27あるいはナット保持体に生分解性プラスチック部材を適用したものである。この場合も前述同様で、ボルトとナットが入れ替わったのみで、ボルト25が取り付け部28を介して先端沓26のナット体27を締結して固定する形態において、実質的な機能は前述と変わらない。しかし、ボルト、ナットの場合は、結合面積が小さく結合剛性に欠けるので本数を多くして対応する場合もある。打設後は図示していないがナット体27が消滅し結合状態は解消され、鋼矢板1a,1bの取り付け部28は先端沓26を分離しフリーの状態となる。
【0029】
以上、種々の形態について説明したが、本発明は、本実施の形態に限定されないことはいうまでもない。例えば、鋼矢板に先端沓を挟んだままで打設する方法でもよく、挟んだ先端沓を鋼矢板に直接結合する方法でもよい。
なお、生分解性部材を生分解性プラスチック部材として説明を行ったが、生分解性機能を有するものであればよいことはいうまでもない。例えば、天然又は人工素材で作られる人工木材、木材、天然素材で作られた紙、さらにこれらを混合して作られたもの等であってもよい。これらの部材は圧縮したプレス状態であればそれなりの強度を有する部材であり、打設された後は微生物で分解可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、可撓性伸縮止水部材を有する鋼矢板の全体を示す正面図である。
【図2】図2は、可撓性伸縮止水部材を有する鋼矢板の断面図である。
【図3】図3は、先端沓全体を生分解性プラスチック部材とした形態1の構成を模式的に示す正面図である。
【図4】図4は、図3をX−X線で切断した断面図である。
【図5】図5は、生分解性プラスチックを結合部材に適用し鋼矢板と先端沓を結合する形態2の構成を示す外観図である。
【図6】図6は、生分解性プラスチックを結合部材に適用し鋼矢板と先端沓を結合する形態2の構成を示す正面図である。
【図7】図7は、図6の平面図である。
【図8】図8は、図6をA−A線で切断した断面図である。
【図9】図9は、形態2における打設後の先端沓の分離過程を示す説明図である。
【図10】図10は、生分解性プラスチックを結合部材に適用した他の形態を示す正面図である。
【図11】図11は、図10の平面図である。
【図12】図12は、図10をB−B線で切断した断面図である。
【図13】図13は、他の形態における打設後の先端沓の分離過程を示す説明図である。
【図14】図14は、生分解性プラスチックを結合部材であるボルトに適用した形態3を示す正面図である。
【図15】図15は、図14の平面図である。
【図16】図16は、図14をC−C線で切断した断面図である。
【図17】図17は、形態3における打設後の先端沓の分離過程を示す説明図である。
【図18】図18は、形態3の変形例を示す正面図である。
【図19】図19は、図18の側面図である。
【図20】図20は、生分解性プラスチックを結合部材であるナット体に適用した他の形態を示す正面図である。
【図21】図21は、図20をD−D線で切断した断面図である。
【図22】図22は、従来構成の先端沓の結合構成を示す正面図である。
【図23】図23は、従来構成の先端沓の結合構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0031】
1、1a、1b … 鋼矢板
4 … 可撓性伸縮止水部材
9、10、14、22、24、26 … 先端沓
11、16、17、20、25 … ボルト
12 …保護プレート
13、21、28 … 取り付け部
15、18 … 結合部材
23、27 … ナット体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
止水部材を介して所定間隔に分割されて配置された一対の鋼矢板を結合する構造であって、
前記構造は、先端沓及びこの先端沓を前記鋼矢板に結合する結合部材とで構成され、
前記先端沓又は/及び結合部材は、前記鋼矢板施工後地中で分解する生分解性部材からなる鋼矢板の結合構造。
【請求項2】
請求項1に記載された鋼矢板の結合構造において、
前記先端沓は、前記一対の鋼矢板に跨って一体化されたものである
ことを特徴とする鋼矢板の結合構造。
【請求項3】
請求項1に記載された鋼矢板の結合構造において、
前記結合部材は、前記先端沓を前記鋼矢板に固定するために製作されたねじ部材である
ことを特徴とする鋼矢板の結合構造。
【請求項4】
請求項1に記載された鋼矢板の結合構造において、
前記先端沓には、前記結合部材との結合のため前記生分解性部材の被結合部が部分的に設けられている
ことを特徴とする鋼矢板の結合構造。
【請求項5】
請求項1に記載された鋼矢板の結合構造において、
前記止水部材は、可撓性止水部材である
ことを特徴とする鋼矢板の結合構造。
【請求項6】
請求項2に記載された鋼矢板の結合構造において、
前記先端沓は、地中押圧側端部に保護プレートを有している
ことを特徴とする鋼矢板の結合構造。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載された鋼矢板の結合構造において、
前記生分解性部材は、生分解性プラスチックである
ことを特徴とする鋼矢板の結合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−52606(P2006−52606A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236462(P2004−236462)
【出願日】平成16年8月16日(2004.8.16)
【出願人】(000220147)東京ファブリック工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】