説明

錠の閉鎖機構の操作のための装置

本発明は、錠、特に家具用錠の閉鎖機構の操作のための装置(23)であって、取り付けユニット(1)を有し、取り付けユニットを用いて装置(23)が、建築物構成要素、特にドア及び/又は窓障子に取り付けられ、建築物構成要素に、錠も配置され、握り部(27)を有し、握り部が回転軸線を中心として回動可能に取り付けユニットに支承され、握り部の回動により閉鎖機構が手動操作可能となっており、力伝達ユニット(8)を有し、力伝達ユニットが、握り部の回動に際して作用される力を閉鎖機構に伝達するため、握り部と相対回動不能に連結可能となっており、力伝達ユニットは、解除コードの入力及び認証の後に初めて、握り部と相対回動不能に連結され、解除コードの入力が、力伝達ユニットに対する握り部の相対的な少なくとも1つの位置の電子式の検出により行われ、連結機構が設けられ、連結機構を介して力伝達ユニットが、選択的に取り付けユニット又は握り部と相対回動不能に連結可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠、特に家具用錠の閉鎖機構の操作のための装置であって、取り付けユニッを有しており、取り付けユニットを用いて装置が、建築物構成要素、特にドア及び/又は窓障子等に取り付けられるようになっており、建築物構成要素には、錠も配置されており、握り部を有しており、握り部が装置の回転軸線を中心として回動可能に取り付けユニットに支承されており、握り部の回動により閉鎖機構が手動操作可能となっており、力伝達ユニットを有しており、力伝達ユニットが、握り部の回動に際して作用(形成)される力を閉鎖機構に伝達するために、握り部と相対回動不能に連結可能となっており、力伝達ユニットは、解除コードの入力及び認証の後に初めて、握り部と相対回動不能に連結されるようになっている形式のものに関する。
【0002】
前記形式の装置は、ドイツ連邦共和国実用新案登録第202005006957U1号明細書により公知である。該電子式の装置は、力伝達ユニットを有しており、力伝達ユニットは、解除コードの入力及び認証の後に初めて、握り部と相対回動不能に連結されて、握り部の回動により形成される力を閉鎖機構に伝達するために用いられるようになっている。解除コードの入力は、握り部に配置された接触型スイッチの作動により行われるようになっており、接触型スイッチは、接触検知式のバイブレーション信号発信器を備えている。バイブレーション信号発信器において、電子式の閉鎖装置の、利用者の指先による制御及び/又はプログラミングにより、切換電子装置の信号が発信されるようになっている。接触型スイッチを介した解除コードの入力により、力伝達ユニットの電子制御式の切換継手が接続位置へ移され、該接続位置では握り部が錠の閉鎖機構と結合されている。次いで、錠が、握り部の回動により開かれ若しくは閉じられる。閉鎖機構の所望の操作を実施した場合に、電子制御式の切換継手が、接触型スイッチを介した閉鎖コードの入力により、握り部と閉鎖機構との間のトルク伝達結合を中断する遮断位置へ切り換えられる。
【0003】
ドア、戸棚、ロッカー、金庫、郵便私書箱、若しくはその他の器具若しくは機器等に設けられた錠(ロック)の開閉のために電子式の手段を用いることは、周知である。この種の電子式の手段の使用は、利用者の数の多い場合や、アクセスパラメータを変更する場合、或いは出入りの時刻を記録する場合等に、特に有利である。
【0004】
解除コード及び/又は閉鎖コードの入力のための手段は、簡単なキーボードから、携帯電話接続やインターネット接続まである。キーボードは、付加的な手段、例えばアクセスカード等を必要としない点で有利であり、アクセスカード等の付加的な手段は、一般的に、身体にあるキーの代用品と見なされるものである。キーボードの主な欠点は、スペースを必要とすることである。
【0005】
電子式の錠は、エネルギー供給手段としてバッテリーしか用いられない場合に、バッテリーの交換を必要とするので、不完全なものと見なされるものである。エネルギー需要は、一般的に錠の閉鎖機構の操作のためにモータを用いることにより発生している。例えば、アクセスカード式のシステムを用いる場合には、電子式の錠(電子ロック)のエネルギー消費量は、錠が、錠に近づけられるアクセスカードを常に探しつづけなければならないので、つまり、錠へのアクセスカードのアクセスに応働するために常にエネルギーを消費しているので、即ち、エネルギーにより常にランニングされねばならないので、更に増加することになる。これに関する問題を解決するために、電子式の錠の周知の構成によれば、システムの目覚まし(始動)のためのスイッチが押されるようになっているものの、このような構成は、操作性(使い勝手)を著しく低下させるものである。
【0006】
本発明の課題は、錠、特に家具用錠の閉鎖機構の操作のための装置に改良を加えて、該装置がコンパクトで独立式に形成され、少ないエネルギーで作動され、かつ周知のキーボードアクセスのように容易に用いられるようにすることである。
【0007】
本発明の上記課題を解決するために、本発明によれば、冒頭に述べた形式の装置において、解除コードの入力が、力伝達ユニットに対する握り部の相対的な少なくとも1つの位置の電子式の検出により行われるようになっている。
【0008】
解除コードは、握り部と力伝達ユニットとの間の少なくとも2つの異なる相対位置のインフォメーションにより形成される。本発明に基づく装置を備える錠の不正な開放に対する保護は、解除コードにおける相対的特徴のインフォメーションの数の増加に伴って向上される。本発明においては、コード入力のために、比較的大きなスペースを占めて装置をコンパクトに形成するための妨げになるような付加的なキーボードは不要である。つまり、本発明においては付加的なキーボードを必要としないので、キーボードへの別個のエネルギー供給部も不要であり、結果として、装置のエネルギー消費量は著しく小さくなっている。通常キーボードを介して入力されるコードが、本発明に基づく装置の握り部の操作により容易に入力されるようになっている。
【0009】
本発明の形態は、解除コードの代わりに、閉鎖コードの入力のためにも同様に用いられるものである。更に、コード化された情報の本発明に基づく入力部を介して、別の操作、例えば所望される利用者固有の個別のコード等の最初の入力も行われ得るものである。
【0010】
握り部と力伝達ユニットとの間の少なくとも1つの相対位置の電子的な検出は、適切な任意の手段を用いて行われるものである。力伝達ユニットに対する握り部の選択された現在の位置は、有利な形態によれば、握り部のその回転軸線に沿った、第1の終端位置への運動(軸線方向の運動又は移動)に基づき検出され、つまり、第1の終端位置では、力伝達ユニットと握り部との間の相対位置に対応して配置されたスイッチが作動されるようになっている。スイッチは、任意の種々の構造で形成されるものである。選ばれた相対位置に対応して配置されたスイッチの作動により発生される信号は、入力すべき解除コードの構成部分である。握り部の、選ばれた別の相対位置への次の回動の後に、握り部の前述の軸線方向の運動により、選ばれた別の相対位置に対応する新たな信号が形成される。このような操作が、予めプログラムされた所定の解除コードの量に応じて、所定の解除コードの入力のために繰り返される。有利な形態によれば、握り部は、力の作用なしには、自動的に軸線方向で第2の終端位置へ運動させられるように、ばね負荷され、即ちばねにより押圧されており、第2の終端位置では、握り部の回動運動が行われるようになっている。順次に形成された全てのスイッチ信号が、その入力の順序及び種類に関して、予めプログラムされた所定の解除コードと一致していると、握り部への力伝達ユニットの連結が行われ、握り部と力伝達ユニットとは共通の1つの回転軸線を中心として回転可能となっている。連結が行われると、握り部の手動で行われる回転運動が、錠の閉鎖機構の操作のために力伝達ユニットを介して閉鎖機構に伝達されるようになる。
【0011】
解除コードのプログラミングのために、例えば、握り部が、任意の相対位置で比較的長い時間にわたって、握り部によりスイッチの操作を可能とする第1の終端位置に維持されて、時間的に比較的長い信号がスイッチにより形成され、その結果、対応する1つのコードのプログラミングが行われる。このようなプログラミング過程は、第1の終端位置における握り部の比較的長い維持により、かつ/又は第1の終端位置における握り部の比較的短い維持と比較的長い維持の所定の繰り返しにより制御して終了されてよいものである。両方の終端位置は、例えば、取り付けユニット1に対する握り部の軸線方向の運動量の機械的な制限により画定されており、この場合に有利には、握り部によりスイッチの操作を可能とする第1の終端位置が、錠の近傍に設けられた位置である。このような構成により、コード入力が、回動及び押圧に基づき便利に行われるようになっている。
【0012】
本発明の有利な別の形態によれば、錠の閉鎖機構の操作のための装置(操作装置)は、力伝達ユニットを選択的に取り付けユニット若しくは握り部に相対回動不能に連結するための連結機構を有している。力伝達ユニットと取り付けユニットとの間の連結機構を介した相対回動不能な連結は、操作装置の閉鎖位置に対応するものであり、該閉鎖位置では、錠の閉鎖機構の、操作装置を介した操作は行われなくなっている。操作装置の閉鎖位置では、力伝達ユニットは、握り部には相対回動不能には連結されておらず、その結果、握り部が、操作装置のほかの構成部分に対してその回転軸線を中心として自由に回転可能となっていて、錠の閉鎖機構への力伝達を行うことはない。これにより、錠の閉鎖機構への不正なアクセス、つまり錠の閉鎖機構の不正な操作が防止される。操作装置の閉鎖位置では、解除コードを本発明に基づく前述の方法で形成することも、入力することも可能である。力伝達ユニットを握り部に相対回動不能に連結してある場合には、握り部の回転又は回動により、錠の閉鎖機構の操作が行われるようになっている。このために、力伝達ユニットが、力伝達ユニットの少なくとも一部分を握り部と一緒に回転させ得るように、取り付けユニットから同時に連結解除されるようになっている。連結機構は、力伝達ユニットと取り付けユニット若しくは握り部との間の前述の選択的な連結を可能にするために適した任意の適切な構造により形成されてよいものである。
【0013】
本発明の有利な形態によれば、操作装置は、電子式の制御ユニットを有しており、電子式の制御ユニットが、力伝達ユニットを選択的に取り付けユニット若しくは握り部に連結するために、連結機構を電子制御するようになっている。電子式の制御ユニットは、有利には、入力された解除コードの認証のためにも用いられるようになっており、このために、この種のコードが、予め制御ユニットでプログラミングされて、そこに記憶されており、この場合に認証が、入力された解除コードと記憶されたコードとの間の比較により行われる。入力された解除コードが認証されると、制御ユニットにより、連結機構が、取り付けユニット若しくは握り部への力伝達ユニットの選択的な相対回動不能な連結の実施のために、制御される。
【0014】
本発明の有利な別の形態によれば、握り部が、力伝達ユニットに対して段階的若しくはステップ式に回動可能(ステップ回動可能又はステップ送り可能)となっているのに対して、力伝達ユニットは取り付けユニットに対して連結されており、或いはロック若しくは固定されるようになっている。握り部を段階的若しくはステップ式に回動可能にする有利な形態によれば、握り部の切換部分が、その内周に複数の歯部を有しており、つまり周方向に延びる1つの歯列を有している。操作装置の前述の構成は、操作装置の操作の利便性を高めるために役立っており、つまり、力伝達ユニットと握り部との間の可能な相対位置の数が予め画定されており、相対位置が、例えば握り部に配置された数字により通し番号を付けられていて、従って容易に選ばれるようになっている。上述の構成は、更に、選ばれた相対位置の検出のために必要な電子装置の構造を簡単にするものであり、電子装置は、相対位置の数に相当する数のスイッチ若しくは接点を有しているだけでよい。このような構成により、操作装置は、慣用の数字組合せ錠と同様の機能及び簡単な操作性を有している。
【0015】
本発明の別の有利な形態によれば、連結機構が、アクチュエータを有しており、アクチュエータが、電子式の制御ユニットにより制御可能となっていており、アクチュエータを用いて、取り付けユニット若しくは握り部への力伝達ユニットの選択的な相対回動不能な連結が行われるようになっている。アクチュエータは、連結機構の構成部分を運動させるか、構成部分の運動を阻止するようになっている。
【0016】
更に、操作装置は、エネルギー供給ユニットを備えており、エネルギー供給ユニットから、制御ユニット及びアクチュエータがエネルギーの供給を受けるようになっている。これにより、本発明に基づく操作装置は、自給自足式に作動するようになっている。本発明に基づく操作装の前述の操作機構に基づき、操作装置のエネルギー消費量は、最小限度に減少されており、従って、例えばバッテリー若しくは蓄電池として形成されているエネルギー供給ユニットの有効寿命が、公知技術の装置に比べて著しく改善されている。
【0017】
前記課題を解決するために、更に、建築物構成要素、特にドア及び/又は窓障子等に取り付けられる錠、特に家具用錠を有する施錠システムが、本発明に基づく前述の形態の操作装置を備えている。
【0018】
本発明は、実質的に三部構造で構成され、つまり、取り付けユニット、握り部及び力伝達ユニットを含んでいる。力伝達ユニットは、有利には次のように形成され、つまり、選択的に取り付けユニット若しくは握り部に相対回動不能に連結されるようになっている。力伝達ユニットを取り付けユニットに相対回動不能に連結してある場合には、力伝達ユニットは、有利には切換手段を介して握り部に結合されており、切換手段は、握り部を、力伝達ユニット及び取り付けユニットに対して段階的な所望の数の行程(ステップ)にわたって相対的に回動させることを目的として、わずかに高いトルクを握り部に作用させるために用いられるものである。切換手段には、任意の適切なアクチュエータが、力伝達ユニットに対する握り部の相対回動のために必要なトルクを変更するために作用するようになっていてよい。別の形態によれば、切換部分に係合する別個の機構が設けられており、しかしながら該機構は、本発明の前述の形態に比べて効果が小さく、かつコストが高いものである。切換手段の状態を変更するようになっているアクチュエータが、有利には同じく、取り付けユニットに力伝達ユニットを連結するための手段と結合されており、従って、力伝達ユニットを握り部若しくは取り付けユニットに連結すると同時に、取り付けユニット若しくは握り部からの力伝達ユニットの連結解除が行われるようになっている。
【0019】
本発明の前述の形態によれば、握り部は、力伝達ユニット及び取り付けユニットに対する相対的な回動運動に加えて、軸線方向でも握り部の回転軸線に沿って運動させられるようになっている。握り部の軸線方向の運動は、有利には、握り部と力伝達ユニットとの間の各相対位置に対応して配置されたスイッチが作動される第1の終端位置まで行われる。スイッチは、例えば、握り部と、第1の終端位置への握り部の到達に際して力伝達ユニットに対する握り部の現在の相対位置を検出する電子式の任意の適切なシステムとの間の電気的な接触部として形成されていてよいものである。
【0020】
本発明に基づく構成の前述の組み合わせにより、錠の閉鎖機構の操作のための装置が形成され、この場合に、コードは、握り部の回動と軸線方向の運動との組合せに基づき入力されるようになっており、コードの認証の後に、握り部が力伝達ユニットに連結され、その結果、握り部から錠の閉鎖機構への力伝達が可能になる。取り付けユニット及び握り部への力伝達ユニットの双安定の連結により、操作装置への作用が、例えば握り部の迅速な回動及び押圧の形で可能になっており、錠の不正な開放は行われないようになっている。
【0021】
次に、本発明を図示の実施形態に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に基づく取り付け装置の実施形態の斜視図である。
【図2】本発明に基づく力伝達ユニットの実施形態の斜視図である。
【図3】図2に示す力伝達ユニットを別の方向から見て示す斜視図である。
【図4】本発明に基づく力伝達ユニットの実施形態の一部分の斜視図である。
【図5】本発明に基づく連結機構の実施形態の一部分の斜視図である。
【図6】本発明に基づく連結機構の作動装置の実施形態の斜視図である。
【図7】図6に示す作動装置を別の方向から見て示す斜視図である。
【図8】本発明に基づく力伝達ユニットの実施形態の一部分の斜視図である。
【図9】本発明に基づく握り部の切換部分の実施形態の斜視図である。
【図10】連結機構のラッチの実施形態の斜視図である。
【図11】本発明に基づく握り部のスリーブ部分の実施形態の斜視図である。
【図12】本発明に基づく握り部の実施形態の斜視図である。
【図13】本発明に基づく力伝達ユニットのばねを含む実施形態の斜視図である。
【図14】本発明に基づく装置の実施形態の斜視図である。
【図15】本発明に基づく握り部の実施形態の斜視図である。
【図16】本発明に基づく力伝達ユニットのばねを含む実施形態の斜視図である。
【図17】本発明に基づく装置の実施形態の斜視図である。
【図18】本発明に基づく力伝達ユニットのばねを含む実施形態の斜視図である。
【図19】本発明に基づく装置の実施形態の斜視図である。
【0023】
図1は、本発明に基づく取り付けユニット1の実施形態の斜視図である。取り付けユニット1は、図示省略の建築物構成要素に取り付けられるようになっており、建築物構成要素には、操作すべき錠(図示省略)も配置されている。建築物構成要素への取り付けのために、取り付けユニット1は孔35を有しており、孔35にねじが挿入されるようになっている。取り付けユニット1は、カップ形に形成されていて、外径のほぼ同じ2つの区分2,3を有しており、区分2,3は、該区分2,3間に配置された外径の比較的大きな中間区分4により互いに隔てられている。取り付けユニット1の内側には、環状の部分5が設けられており、環状の部分5は1つの切欠き部6を備えており、切欠き部6は、対応して形成されたラッチ11(図2〜図4、図8及び図10に示してある)を受容するようになっている。切欠き部6は、取り付けユニット1に対する相対的な1つの既知の位置(0・位置又は基準位置と称される)を示している。取り付けユニット1には、その中心線に対して同心的に開口支承部7が設けられており、開口支承部7は、操作すべき機械式の錠の操作軸の構成に適合されているものである。
【0024】
図2は、本発明に基づく力伝達ユニット8の実施形態の斜視図である。力伝達ユニット8は、出力手段9を有しており、出力手段9は、取り付けユニット1の開口支承部7内に差し込まれるようになっており、出力手段9の各構成は、周知の簡単な構造で、操作すべき各錠の構成に適合されているものである。出力手段9は、力伝達ユニット8のベース体10に固く結合されている。力伝達ユニット8内には、連結機構の構成部分としての1つのラッチ11が配置されており、ラッチ11は、力伝達ユニット8内に半径方向移動可能に支承されている。図2には、ラッチ11の一方の端部に形成された係止ピン12と他方の端部に配置された信号部分34とのみが見えている。ラッチ11は、ばね(図示省略)を用いて押圧(予荷重)を掛けられており、この場合に、前記ばねは、図10から推測されるように、ラッチ11を、力伝達ユニット8の軸線である回転中心から半径方向外側へ運動させるために、該ばねの一端でラッチ11の図10に示す所定の面Aに支えられている。このような押圧に基づき、ラッチ11は、ラッチ11と力伝達ユニット8とが0・位置で互いに適切に整合させられると、自動的に取り付けユニット1の切欠き部6内に係合することになる。
【0025】
力伝達ユニット8内には、更に切換手段13が配置されており、切換手段13は、図2には、半球状の端部を備える切換ヘッド14しか示されていない。切換ヘッド14の端部は、半球状に限定されることなく、他の任意の適切な形状で形成されていてよいものである。切換ヘッド14は、切換ヘッド14を、力伝達ユニット8の軸線である回転中心から半径方向外側へ運動させるために、図示省略の別のばねを用いて、図4の矢印Bの方向に押圧されており、これにより、切換ヘッド14は、図示のように、力伝達ユニット8の縁部を超えて突出するようになっている。
【0026】
図3は、図2に示す力伝達ユニット8を別の方向から見て示す斜視図である。該斜視図からは、ラッチ11の保持部分33及び信号部分34が見て取れる。
【0027】
図4は、図2及び図3に示す力伝達ユニット8の更に別の方向からの斜視図であり、この場合に、図2及び図3に示してあるカバー15は取り除かれている。これにより、作動装置16を介して互いに結合されているラッチ11と切換手段13とを含む装置23の連結機構が見て取れるようになっている。図4に示す連結機構は、力伝達ユニット8が、図12及び図14に示してある握り部27に相対回動不能に連結される解除位置を占めている。
【0028】
図5は、図4の連結機構の部分拡大図である。作動装置16は、3つの構成要素17,18,19を有しており、これらの構成要素17,18,19は、共通の1つの軸20に回転可能に支承されていて、それぞれ、後で説明する機能的な表面を備えている。作動装置16は、図示省略のアクチュエータ、例えばステップモータによって、図示の解除位置から閉鎖位置へ、かつ逆に閉鎖位置から解除位置へ運動可能となっている。作動装置16の図4及び図5に示す解除位置においては、構成要素19が、切換手段13の、作動装置16に向いている側の部分で以て、切換手段13に接触して、解除位置を固定しており、これにより、切換手段13の半径方向の運動が阻止されるようになっている。ラッチ11は、図10に示すロック面21を有しており、ロック面21は、面取り部を備える円板として形成された構成要素18と協働(係合)するようになっている。このことは、構成要素18若しくは作動装置16が、図4及び図5に示す解除位置から軸20を中心として90°にわたって回動させられることに基づき行われ、つまり、前記回動により、構成要素18の面取りされていない部分が、ロック面21に係合するようになっている。しかしながら、作動装置16の図4及び図5に示す解除位置において、ラッチ11のロック面21と構成要素18との係合は、ラッチ11が力伝達ユニット8内に半径方向運動可能に配置されていることにより解除される。このために、力伝達ユニット8が、その回転軸線を中心として取り付けユニット1に対して相対的に回転又は回動させられるようになっている。連結機構の解除位置では、力伝達ユニット8が握り部27に相対回動不能に連結されていてかつ取り付けユニット1に対して回動可能となっており、握り部27の回動により、錠の閉鎖機構の操作が行われるようになっている。作動装置16を、図4及び図5に示す解除位置からその閉鎖位置へ回動させるために、任意の構造の適切なアクチュエータが用いられ、該アクチュエータは、図14に示す制御ユニット29によって電気的に制御されるようになっている。作動装置16の回動量を制限するために、構成要素17が、その周囲の約90°にわたって延びる1つの切欠き部を有しており、該切欠き部が、力伝達ユニット8のベース本体10に設けられたロック部分36と協働するようになっている。作動装置16の構造を明確にするために、作動装置16が、図6及び図7に異なる方向からの斜視図で示してある。
【0029】
図8は、力伝達ユニット8及び連結機構の構成部分をその閉鎖位置において斜視図で示している。該閉鎖位置は、作動装置16が、図4及び図5に示す位置に対して90°回動させられることにより達成され、その結果、ラッチ11のロック面21が、構成要素18の面取りされていない部分と協働するようになっている。これにより、ラッチ11の図8に示す位置が固定される。この場合に、ラッチ11若しくはその係止ピン12が、取り付けユニット1の切欠き部6内に位置しており、その結果、力伝達ユニット8が取り付けユニット1に相対回動不能に連結されている。該相対回動不能な連結は、取り付けユニット1に対する力伝達ユニット8の相対回動を阻止し、ひいては錠の閉鎖機構の操作を防止している。同時に、構成要素19の、図4及び図5において切換手段13の運動をロックするために切換手段13のフォーク部の後に位置する部分が、構成要素19の回動により、図4及び図5の位置から移動させられ、その結果、切換手段13、ひいては切換ヘッド14が、半径方向で力伝達ユニット8に対して運動可能となっている。連結機構のこのような閉鎖位置において、解除コードの入力が行われ、その結果、解除コードの認証の後に、制御ユニット29により作動装置16の回動運動が行われるようになっている。
【0030】
図9は、握り部27の切換部分22の斜視図である。握り部27は、更に、図11に示すスリーブ部分24を有しており、スリーブ部分24は、握り部27の形成のために切換部分22に取り付けられるようになっている。切換部分22は、力伝達ユニット8の外径と取り付けユニット1の内径との間の寸法に設定されていて、力伝達ユニット8と取り付けユニット1との間に、それも力伝達ユニット8及び取り付けユニット1に対して相対的に回動可能及び軸線方向移動可能に配置されている。切換部分22は、実質的にシリンダー状に形成されていて、内周に複数の歯部25を有している。切換部分22の内径は、切換部分22が力伝達ユニット8の外周に沿って回動可能であるように選ばれている。切換部分22の回動又は回転に際して、切換部分22は、切換手段13の切換ヘッド14を、力伝達ユニット8のベース本体10内へ押すようになっている。切換部分22の内周の歯部25は、切換手段13と切換部分22とが互いに相対的に適切に運動させられた場合に、切換ヘッド14の通過が可能である程度に、深く又は高く形成されている。装置23のこのような構成により、切換部分22は、段階的に運動させられ、つまり、段階的に回動させられ、即ちステップ運動(ステップ送り)されるようになっている。図示の実施形態では、それぞれ15°である24のステップ(行程)が設けられている。歯部25の形は、歯部25間の中間位置でのシステムの留まりが起こらないように選ばれている。
【0031】
切換部分22は、スリーブ部分24に対して同軸に配置されかつスリーブ部分24に固く結合され、つまり固着されている。スリーブ部分24は、シリンダー状の構成部分として形成されており、該構成部分の一方の端部は、図12から見て取れるように、内径が縮小(縮径)された端部26として形成されている。縮径されてつばを成す端部26の開口部は、取り付けユニット1の区分2,3の外径よりも大きくなっており、しかしながら、取り付けユニット1の中間区分4の外径よりも小さくなっている。互いに固く結合されたスリーブ部分24と切換部分22とから成る握り部27は、自由に回転可能となっているものの、軸線方向では制限された運動量、典型的には1〜2mmの運動量しか有していない。図13に示されているばね28は、取り付けユニット1と握り部27との間で、それも、握り部27に荷重(押圧)を与えていて、握り部27に作用する外力が消滅した場合に、例えば取り付けユニット1の組み付け面から離間させるために作用している。組み付け面は、例えばドアの表面であり、或いは装置23が取り付けられる構成要素の外側の表面である。
【0032】
前述の装置23を介して、コード入力が、作動装置16のない場合には、取り付けユニット1の切欠き部6内でラッチ11を保持するための著しく強いばねを用いて行われることになる。このような機能にとって十分に強いばねは、開放運動を極めて困難にして、錠が、実際には開放位置にあるのに、まだ閉鎖位置にあるのではないかと使用者に思われるほどに高い力を、開放運動のために必要とすることになる。強いばねのばね力を克服することは、装置23の内部の構成要素に作用する力を、装置23の操作の度に増大させることにつながっている。
【0033】
図14から見て取れるように、力伝達ユニット8と握り部27との間に、プリント回路板の形の制御ユニット29が配置されている。制御ユニット29は、公知の錠制御回路の標準機能を有し、該標準機能のために必要な電子式の構成要素を保持している。制御ユニット29は、本発明の形態では、各コードの入力を電子的に検出するための追加的な機能を有している。入力機能は、適切な数の接触域30の配置により形成されており、接触域30は、共通の1つの接触域31に沿ってプリント回路板の周囲に配列されている。接触域30は、該各接触域30が、それぞれ1つの切換位置、ひいては握り部27と力伝達ユニット8との間の1つの相対位置に対応するように、位置決めされている。24のステップの場合には、接触域30は、相互の間の十分な電気絶縁を可能にするために、約10°の角度にわたって延びている。
【0034】
本発明の有利な別の実施形態によれば、プリント回路板上の接触域30の数は、ステップの数の半分である。この場合に有利には、それぞれ1つの相対位置に対応する各番号が、図11及び図14に示してあるように、スリーブ部分24上で再び繰り返されており、これにより、選ばれた入力値が、握り部27の上方からも下方からも読み取られるようになっている。該実施形態の利点は、錠がドア等の上方の領域にも下方の領域にも配置され得るようになっており、いずれの配置においても、装置23の操作が厄介にならないようになっていることにある。前記構成を実施するために、切換部分22は、直径方向で相対して位置しかつ切換部分22の内周に配置された2つの接続接点32を有しており、2つの接続接点32は、共通の1つの接触域31と所定の数の接触域30のうちの1つの接触域30との間の接続を行うようになっている。図示の実施形態では、各接触域30は、それぞれ1つのステップ(相対位置)に対応する角度(周方向距離)を有しており、接触域30は、プリント回路板の周囲の円周の180°にわたって配列されており、各相対位置においては、1つの接続接点32のみが、接触域30,31と接触するようになっている。
【0035】
力伝達ユニット8上へのプリント回路板の取り付けは、力伝達ユニット8を握り部27に連結している場合に、取り付けユニット1に対する接触域30の相対的な位置が変化されるように行われている。操作装置又はシステムが、取り付けユニット1と正確に整合しなくなるほどにひとりでに緩んでしまうと、記録された番号のずれが発生することになる。このようなことを避けるために、ラッチ11が保持部分33を備えており、保持部分33の先端は、ラッチ11が取り付けユニット1の切欠き部6内に係合している場合には、力伝達ユニット8のベース本体10内に位置している。ラッチ11が作動装置16の回動により解除位置へ自由に移動可能となっており、力伝達ユニット8の回動が使用者により行われると、ラッチ11のアクチュエータが作動されて、切換ヘッド14及び作動装置16の状態に左右されることなく、保持部分33を切換部分22の歯部25の1つに係合させ、ひいては力伝達ユニット8を握り部27に機械的に連結するようになっている。これにより、力伝達ユニット8と握り部27との間の連結の質が高められ、その結果、耐摩耗性が改善されるようになっている。
【0036】
ラッチ11が取り付けユニット1の切欠き部6内にない場合に、作動装置16を回動させても、作動装置16は、ロック面21に対して正確には位置決めされないものである。従って、ラッチ11には更に信号部分34が設けられており、該信号部分34は、制御ユニット29により、装置23がその0・位置へ回動させられており、作動装置16が位置の調節のために回動させられ得ることを認識するために、任意の適切なセンサー、例えばばね線材製接点と協働するようになっている。
【0037】
図14に示してある装置23は、更に、図示省略のカバーを備えていてよく、該カバーは、握り部27に取り付けられて、制御ユニット29をその保護のために覆うようになっている。カバーは任意の構造や形状で形成されてよいものである。
【0038】
作動検出機能付きのマスターコードやマルチユーザーコードの使用は、電子式の錠にとって有利であることが知られており、電子式の錠の1つの構成部分若しくは全ての構成部分が、本発明と関連して用いられ得るものである。例えばコードの入力の方法が、種々の記憶カード、例えば磁気カード等や無線通信機能付きの携帯電話や生体データ等を用いて、無線式のインターフェース若しくは接触式のインターフェースを介して行われてよい。更に、任意の適切なプロトコル、例えばインターネットプロトコル又は802.11を用いてネットワークに接続することも可能であり、これらの全ての技術は周知であり、自由に得られるものである。これらの各システムは、適切なエネルギー供給部を設けてある場合には、前述のコード入力方法と共に用いられるものである。
【0039】
図15は、別の力伝達ユニット8の斜視図である。該力伝達ユニット8内に配置されている切換手段13は、端部が半球状である切換ヘッド14を有していて、U字形に形成されており、該U字形の切換手段13の各脚部は、ばね102を介してベース本体10に支持されている。切換ヘッド14の端部は、ほかの適切な形状で形成されていてよいものである。切換ヘッド14は、該切換ヘッド14を、力伝達ユニット8の軸線である回転中心から半径方向外側へ運動させて、図示のように、力伝達ユニット8の縁部から外側へ突出させるために、ばね102により、図4にも示してある矢印Bの方向に押圧されている。
【0040】
同じく図15で見えている作動装置16を介して、ラッチ11と切換手段13との運動量が調節されるようになっている。作動装置16は、アクチュエータ100、例えばステッピングモータを用いて、解除位置から閉鎖位置へ運動させられ、或いは逆に閉鎖位置から解除位置へ運動させられるようになっている。
【0041】
図16は、図15の力伝達ユニット8を破断して示す斜視図である。明瞭に見て取れるように、作動装置16は、構成要素110,112,114を有しており、該構成要素110,112,114は、共通の1つの軸20に回転可能に支承されている。構成要素112,114は、回転方向Rでの作動装置16の回転を制限するために終端ストッパーを成している。構成要素110は、回転方向Rで連続的に変化する外周面を有しており、このような構成により、ラッチ11が、作動装置16の回転に際してZ方向で、つまり、軸20の半径方向で半径方向外側若しくは半径方向内側へ運動させられるようになっている。ラッチ11の前記運動(半径方向外側への運動若しくは半径方向内側への運動)により、ラッチ11は解除位置と閉鎖位置との間を移動させられることになる。このような運動過程を、次に図17及び図18に基づき説明する。
【0042】
図17は、図15の力伝達ユニット8を、異なる角度位置から見て示す斜視図である。図示の閉鎖位置では、作動装置16は、ラッチ11の端部に形成された係止ピン12が、取り付けユニット1の対応する切欠き部6内に係合した状態で、つまり係合解除されない程度に、モータ100によって回動させられている。閉鎖位置では、切換ヘッド14はB方向で運動可能であり、従って、図17には示されていない握り部27の運動は、ベース本体10、ひいては力伝達ユニット8に対する相対的な回動のみである。この(握り部の運動が回動のみである)理由は、握り部27(図示省略)に設けられた例えば歯状の切欠き部(図9の歯部25)が、該切欠き部内への切換ヘッド14の係合(入り込み)を可能にすると共に、取り付けユニット1に対する力伝達ユニット8の、ラッチ11を介した固定(ロック)並びに切換ヘッド14のB方向での運動可能性に基づき、握り部27の回動に際して、歯状の切欠き部の表面に沿った切換ヘッド14の滑り移動(周方向の相対滑動)を可能としており、力伝達ユニット8への力伝達、ひいては力伝達ユニット8に配置された出力手段9(図示省略)への力伝達が行われないことによるものである。
【0043】
図18は、作動装置16の解除位置を示しており、該解除位置は、モータ100を用いて作動装置16を回動させることにより達成される。作動装置16の該回動により、ラッチ11がZ方向に持ち上げられており、その結果、ラッチ11の端部に形成された係止ピン12は、取り付けユニット1の対応する切欠き部6内にはもはや係合していない。同時に、切換手段13のロックが行われ、つまり、切換手段13の、図17に示すB方向での運動が阻止され、即ち、切換手段13の切換ヘッド14が、図18に示す位置(半径方向の位置)に持続的に維持され、結果として、図18には図示されていない握り部27の歯状の複数の切欠き部の1つの切欠き部内に常時係合している。つまり、連結機構の前述の解除位置(解除状態)においては、力伝達ユニット8が、握り部27に相対回動不能に連結されると共に、取り付けユニット1に対して相対的に回動可能となっている。その結果、握り部27の回動又は回転により、錠の閉鎖機構の操作が行われるようになっている。
【0044】
図19は、錠の閉鎖機構の操作のための装置を破断して示す斜視図である。該装置は、図15に示す力伝達ユニット8及び取り付けユニット1を有している。既に図14に示してあるように、力伝達ユニット8と握り部27(図19では図示省略)との間に、プリント回路板の形の制御ユニット29が配置されている。入力機能は、同じく、所定の数の接触域30により形成されており、該接触域30は、共通の1つの接触域31に沿ってプリント回路板の周囲に配置されている。図19から、更に、回路板のための、バッテリー受容部130の形で形成されたカバーが見て取れ、該カバーを貫いて、回路板のための電気的な接続部132が案内されており、該接続部132は、バッテリー受容部130内に装着されるバッテリー(図示省略)から回路板への電流供給のために用いられるものである。
【符号の説明】
【0045】
1 取り付けユニット、 2,3 区分、 4 中間区分、 5 部分、 6 切欠き部、 7 開口支承部、 8 力伝達ユニット、 9 出力手段、 10 ベース本体、 11 ラッチ、 12 係止ピン、 13 切換手段、 14 切換ヘッド、 15 カバー、 16 作動装置、 17,18,19 構成要素、 20 軸、 21 ロック面、 22 切換部分、 23 装置、 24 スリーブ部分、 25 歯部、 27 握り部、 28 ばね、 29 制御ユニット、 30,31 接触域、 32 接続接点、 33 保持部分、 34 信号部分、 36 ロック部分、 102 ばね、 110,112,114 構成要素、 130 バッテリー受容部、 132 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠、特に家具用錠の閉鎖機構の操作のための装置(23)であって、取り付けユニット(1)を有しており、該取り付けユニット(1)を用いて前記装置(23)が、建築物構成要素、特にドア及び/又は窓障子に取り付けられるようになっており、前記建築物構成要素には、前記錠も配置されており、握り部(27)を有しており、該握り部(27)が回転軸線を中心として回動可能に前記取り付けユニット(1)に支承されており、該握り部(27)の回動により前記閉鎖機構が手動操作可能となっており、力伝達ユニット(8)を有しており、該力伝達ユニット(8)が、前記握り部(27)の回動に際して作用される力を前記閉鎖機構に伝達するために、前記握り部(27)と相対回動不能に連結可能となっており、前記力伝達ユニット(8)は、解除コードの入力及び認証の後に初めて、前記握り部(27)と相対回動不能に連結されるようになっており、解除コードの入力が、前記力伝達ユニット(8)に対する前記握り部(27)の相対的な少なくとも1つの位置の電子式の検出により行われるようになっている形式のものにおいて、
連結機構が設けられており、該連結機構を介して前記力伝達ユニット(8)が、選択的に前記取り付けユニット(1)若しくは前記握り部(27)と相対回動不能に連結可能となっていることを特徴とする、錠の閉鎖機構の操作のための装置。
【請求項2】
前記力伝達ユニット(8)に対する前記握り部(27)の相対的な少なくとも1つの前記位置の前記電子式の検出が、前記握り部(27)の前記回転軸線に沿った、1つの終端位置への軸線方向の運動に基づき行われ、これによって、前記相対的な位置に対応する1つのスイッチが作動されるようになっている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
電子式の制御ユニット(29)が設けられており、該制御ユニット(29)を用いて、前記連結機構が、前記力伝達ユニット(8)を選択的に前記取り付けユニット(1)若しくは前記握り部(27)に連結するために、電子制御可能となっている請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記力伝達ユニット(8)が、前記制御ユニット(29)への解除コードの入力及び認証の後に初めて、若しくは前記制御ユニット(29)を用いて前記握り部(27)と相対回動不能に連結可能となっている請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記握り部(27)が、前記力伝達ユニット(8)に対して段階的に相対回動可能となっているのに対して、前記力伝達ユニット(8)は前記取り付けユニット(1)に対して連結されている請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記握り部(27)が、切換部分(22)を有しており、該切換部分(22)が、該切換部分(22)の内周に、該切換部分(22)の段階的な運動を可能にするための複数の歯部(25)を有している請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記連結機構が、アクチュエータを有しており、該アクチュエータが、前記制御ユニット(29)により電子的に制御可能となっていており、該アクチュエータを用いて、前記取り付けユニット(1)若しくは前記握り部(27)への前記力伝達ユニット(8)の選択的な相対回動不能な連結が行われるようになっている請求項3から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
エネルギー供給ユニットが設けられており、該エネルギー供給ユニットを用いて、前記制御ユニット(29)及び前記アクチュエータがエネルギーの供給を受けるようになっている請求項7に記載の装置。
【請求項9】
建築物構成要素、特にドア及び/又は窓障子に取り付けられる錠、特に家具用錠を有する施錠システムにおいて、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置(23)が設けられていることを特徴とする施錠システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2012−525514(P2012−525514A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507634(P2012−507634)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002594
【国際公開番号】WO2010/124851
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511264582)ベロックス ニューテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【氏名又は名称原語表記】Beloxx newtec GmbH
【住所又は居所原語表記】Am Broegel 1a, D−42285 Wuppertal, Germany
【Fターム(参考)】