説明

録画一体型防犯用監視カメラ

【課題】カメラと録画装置をハウジング内に一体化し、昼夜の別なく常態的に撮影録画する機器の構築を図ること。
【解決手段】球形ハウジング内に、高性能・高機能化・小型軽量化を図ったカメラ部材、録画装置部材を効率良くし設置し、高性能・高機能化した録画画像取り込み方式を構築した。これにより、通信線を配線することなく商業用電力の配線がある箇所であれば場所を選ばず設置が可能で、常態的に防犯用監視カメラの設置作動が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラと録画装置を一つのパッケージとし、同一ハウジング内に収納した街頭防犯カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシステムは警察当局と直通していた街頭緊急通報システム(例えば特許公開2004−295200街頭緊急通報システム)、カメラと録画装置の間を同軸ケーブル等で接続していたシステム、暗闇に特化したカメラと録画装置がセットされたもの(登録実用新案第3162347号暗闇撮影防犯カメラと録画装置の組み合わせ)などがある。
【0003】
以下従来の、街頭緊急通報システム、暗闇撮影防犯カメラと録画装置の組み合わせについて説明する。街頭緊急通報システムは、通称:スーパー防犯灯の呼称で、2002年頃から都心部(東京都等)での設置が開始され、2005年に広島県東部への導入が検討されていた。スーパー防犯灯は一つの支柱に○照明、○監視カメラ、○サイレン、○録画装置(警察にある)がセットされた、監視プラスサイレンの鳴動と同時に警察に通報し、警察官と会話が出来るシステムで光ケーブルで通信されている。また、暗闇撮影防犯カメラと録画装置の組み合わせは、赤外線を照射し、その映像を映し、内蔵の録画装置に記録するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許公開2004−295200街頭緊急通報システム
【特許文献2】登録実用新案第3162347号暗闇撮影防犯カメラと録画装置の組み合わせ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術では、緊急通報システムでは、一つの支柱に照明、監視カメラ、サイレン、録画装置(録画装置は警察にある)などがセットされたシステムであったが、配線、録画装置、電線の地中埋設など、の課題があった。
【0006】
また、暗闇撮影防犯カメラと録画装置の組み合わせについては、暗闇に特化した赤外線照射映像を録画装置に記録するものであり、常態的に撮影録画すること、録画画像を取り出すことなどについての課題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の機器が有していた課題を解決しようとするもので、カメラと録画装置をハウジング内に一体化し、昼夜の別なく常態的に撮影録画する機器の構築を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し目的を達成するために、この発明にかかる配線、録画装置の設置が困難な場所・地区への導入については、配線の必要がないカメラと録画装置を一体化し、その装置のみで防犯システムを構築することを特徴とし、電力の地中埋設への対応についても、供給が可能な商用電源AC100V〜240Vで作動する機器を特徴とし、通信線の地中埋設への対応は困難だか、一体型は通信線が必要なく商用電源のみで作動する能力を特徴とし、カメラの機種は、低照度で鮮明画像が取得できる、デイアンドナイトカメラとすることで、照度が高いときはカラー撮影をし、照度の低い夜間は、白黒で撮影し、赤外線対応もしていることを特徴としている。
【0009】
録画装置については、小型・軽量化し、高精密基準を設けこれを特徴とし、録画画像の外部取込については、SDカード式の他、高所作業の不要なUSB・無線LAN方式を特徴とし、ハウジングについては、球形2重構造にし、設置機器の作動環境保護を特徴としている。
【0010】
課題解決手段による各作用は、次の通りである。カメラと録画装置を一体化することにより、設置箇所完結型のシステムが構築でき、配線架設、録画装置の設置工事がなくなり、商用電源のみで機器の作動を可能にしたことで、電力配線があれば設置場所を選ばない利点がある。カメラがデイアンドナイトカメラで、昼夜の別のない映像が取得でき、録画装置は小型軽量化し、SDカード録画方式としており、長時間鮮明画像の録画を可能とした。録画画像の取り出しは、USB端子、無線LANシステムによる取り出しで、高所作業がなくなり、ハウジングを球形2重構造にすることで全天候型になる、など利便性の高い活用が可能になった。
【発明の効果】
【0011】
上述したように本発明の録画一体型防犯用監視カメラは、架線の配線、録画装置の設置、通信線の地中埋設などの諸課題をカメラと録画装置を一体化することで解決し、昼夜の別なく、かつ自然環境の変化に影響されることもなく、常態的に撮影録画することができる、録画一体型防犯用監視カメラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるハウジング全体図である。
【図2】この発明の実施の形態2にかかるカメラ設置箇所図である。
【図3】この発明の実施の形態3にかかる録画装置設置箇所図である。
【図4】この発明の実施の形態4にかかる録画画像取り込み装置全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、この発明の実施の形態は、支柱上部に設置したハウジング内のカメラと録画装置の作用により、常態的に映像を撮影・録画するものである。
【実施例】
【0014】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる録画一体型防犯用監視カメラの実施形態を説明する。図1、図2、図3、図4において、1はハウジングであり、2は録画装置、3はカメラ、4はファンアンドヒーター、5は無線送信機、6は録画画像取り込み装置である。また、本装置はハウジング部材、カメラ部材、録画装置部材、録画画像取り込み部材の4つの機能的部材を備えている。
【0015】
(ハウジング部材)
ハウジング部材は、本発明にかかる録画一体型防犯用監視カメラの実施形態の全体収納容器であり球形形状にし、上部半球はアルミニューム合金部材、下部半球は半透明強化プラスチック部材の2重構造にした。内部は3層構造で上層部にファンアンドヒーター、中層部に録画装置、下層部にカメラ装置の各部材を取り付けている。
【0016】
ハウジングの球形2重構造は、日照、高温、乾燥、湿気、寒気、雨、風、雪、結露、黄砂塵などの自然環境が機器の作動限界空調を越えないための保護・覆い構造にした。ハウジング部材の上部半球のアルミニューム合金部材は、本発明が支柱上部吊下設置方式であり、自然環境の影響を直接受けることから、自然環境が本発明機器の作動限界空調を越えないための材質とした。下部半球の半透明強化プラスチック部材は、第三者からの破壊行為に対し、カメラ、録画装置等内部機器を保護し、カメラの方向を特定しにくくするための構造にした。
【0017】
内部の3層構造は、上層部には、各精密機器の持つ作動限界空調を越えないための空調環境をコントロールするファンアンドヒーターを設置し、中層部には、重要精密機器装置である映像録画装置を備え、下層部には、映像撮影カメラを備えている。図1参照。
【0018】
(カメラ部材)
カメラ部材は、録画一体型防犯用監視カメラの映像撮影装置でありハウジング下層部に設置し、昼夜連続撮影可能なディアンドナイトカメラ機能を有し、映像出力の連続動作については、周期的にカメラの電源を停止することなく映像出力が連続作動し、映像出力が基準値(同期信号レベル401RE、バースト信号レベル401RE、サブキャリア周波数3,579,545Hz)の性能を持ち、平均故障間隔(MTBF)は40,000時間の性能を持つ。フォーカス調整については、バリフォーカルレンズのレバーによりピント調整を行い、絞り開放機能はNDフイルタを使用し、フランジバック調整機能を有している。
【0019】
画角調整については、光学的に画角を調整する機能を有しており、レンズの焦点距離は、3.6ミリ〜9.0ミリで、焦点距離比は2.5倍を有している。逆光補正機能は、自動映像レベル調整機能の被写体の明るさに応じて映像レベルを自動調整が可能な、アイリス制御機能(ALC)ゲイン制御機能(AGC)を有している。ホワイトバランスについては、カメラ周辺の照明環境の変化にあわせカメラのホワイトバランスを自動で追従させる機能が、画面内に彩度の高い物体が大きく写りこむ場合でも、白い被写体を白色に再現する機能を有しており、自動追従型ホワイトバランス機能、追従範囲制限型機能を有している。
【0020】
シャッタースピードは、100分の1秒のシャッターを有し、SN比最低50DBを確保し、水平解像度を540TVLにし、暗い場所でもカラー動画撮影が可能で、照度が約10ルックス以下になったとき、カラーから白黒へ自動切り替える機能を有している。図2参照。
【0021】
(録画装置部材)
録画装置部材は、録画一体型防犯用監視カメラの映像録画装置であり、ハウジング中層部に設置し、入力映像を連続して記録する。商用電源AC100V〜240Vの供給電力で作動し、録画中に停電が発生しても異常電圧が発生しない限り録画したデータは容易に損失せず、既に保存されているデータに影響を及ぼさず、電源復旧の際はシステムキーロック、録画等が自動で立ち上り、平均故障間隔(MTBF)は43,280時間の耐久がある。
【0022】
録画画質と画像サイズについては、RBSS画質(静止画)を満たす画質設定機能を有しており、圧縮方式がH.264、450TVLを確保し、動画像圧縮方式では画崩れがなく、画像サイズが水平720×垂直480で、連続録画レートが秒4コマまたは2コマである。録画時間については、RBSS画質(静止画)の1週間分の映像を暗号化録画させ、録画画像の書き込み寿命は、16GBで16,000GBの書き込み可能であり、録画装置との相性(互換性)を持たせ、録画画像は、SDカード、USB端子、無線LANを介してパソコンで抜き取ることができ、専用のパスワード解除ソフトでのみ再生可能な機能を有している。
【0023】
ライブ映像の表示については、録画中にライブ画像が表示でき、画面上の表示に日時、動作モードが表示され、日時検索は、全ての年月日時分を保存していることで、パソコンでの日時検索、フォルダースクロール検索ができ、2倍速の再生、一時停止再生、一時停止から通常再生などができる。また、通常再生中に画像を一時停止再生ができ、その停止画像記録時刻が表示され確認でき、機器異常通知機能については、録画装置の高輝度LEDにより、映像遮断を感知赤色点灯し異常を通知する。復旧した際は異常発生前の録画を自動開始している。図3参照。
【0024】
(録画画像取り込み部材)
録画画像取り込み部材は、録画一体型防犯用監視カメラの映像録画の外部取り込み装置であり、SDカード取り込み方式部材、USB端子取み込方式部材、無線LAN取り込み方式部材の三方式部材で構成している。SDカード取り込み方式部材は、録画装置内のSDカードに録画された映像を、録画装置からSDカードを介して、パソコンに取り込む部材で、書き込み寿命は、16GBで16,000GBの書き込み可能であり、録画装置とカードの相性(互換性)を持たせている。USB端子取り込み方式部材は、高所に設置されているハウジング内部の録画装置に記録された録画映像を、低位置の箇所までUSB端子ケーブルを延長し、USB端子を介して手軽にパソコンに取り込む方式で、無線LAN取り込み方式部材は、録画装置に録画された録画映像をハウジング内部の無線送信機を経由して無線発信し、無線受信機を介して受信し、パソコンに取り込む方式の構成を有している。図4参照。
【産業上の利用可能性】
【0025】
以上のように、この発明にかかる録画一体型防犯用監視カメラは、街角防犯として有用であり、とくに、犯罪発生箇所に設置することで、犯罪抑止効果が非常に高く、その商業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0026】
1 ハウジング
2 録画装置
3 カメラ
4 ファンアンドヒーター
5 無線送信機
6 録画画像取り込み装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球形ハウジング内に、カメラ、録画装置を一体化することを特徴とする録画一体型防犯用監視カメラ
【請求項2】
前述ハウジングは、上部半球がアルミニューム合金部材、下部半球が半透明強化プラスチック部材の構造で、同ハウジング内にカメラ、録画装置を一体化することを特徴とする録画一体型防犯用監視カメラ
【請求項3】
前述ハウジング内に、ファンアンドヒーターを設置した、カメラ、録画装置を一体化することを特徴とする録画一体型防犯用監視カメラ
【請求項4】
前述ハウジング内の録画装置に録画された録画画像の取り込み方式を、SDカード、USB端子、無線LANでの録画画像の取り込み機能を有している、カメラ、録画装置を一体化することを特徴とする録画一体型防犯用監視カメラ
【請求項5】
前述ハウジング内に、商用電源AC100V〜240Vの供給電力で作動する録画装置を有している、カメラ、録画装置を一体化することを特徴とする録画一体型防犯用監視カメラ

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−90318(P2013−90318A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241656(P2011−241656)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(511267413)
【Fターム(参考)】