説明

録画再生システム、及びテーブルタップ

【課題】一度の操作により各装置に電源を投入することができ、又、電源を投入しない場合は製品の待機電力も低減させることができるテーブルタップ及び上記テーブルタップを使用した録画再生システムを提供する。
【解決手段】録画再生システムを構成する、再生装置30、記録装置20、及びテーブルタップ10はHDMI規格に順ずるケーブル40により互いに接続されている。また、テーブルタップ10は、接続された装置への電源の供給を切り替える切り替え手段を有し、記録装置20は、制御部により記録装置の主電源を入力する際、ケーブル40を通じて切り替え手段を制御することで記録装置の電源ケーブル60へ電源を供給させ、その後、HDMIケーブルを通じて再生装置30のメイン電源を投入させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグと接続するプラグ差込部を備え、このプラグ差込部に接続した機器に電源を供給するテーブルタップ、及び前記テーブルタップを使用する録画再生システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギーを有効に使用する等の観点から家電製品の省電力化が進んでいる。家電製品は、電源を投入していない場合でも、外部からの制御命令を受け付けるために制御部等が起動しており、このため僅かではあるが待機電力が消費されている。
【0003】
例えば、待機電力を低減するために、タップ内に各コンセント(エレクトリック・アウトレット)への電源の供給を切り替えるスイッチを設け、このスイッチをリモコン装置等により遠隔操作する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、電源ソケットに接続された電源プラグを通じて電源の供給を受ける機器に対して、この電源ソケットに接続された電灯線に重畳される信号によって電源プラグを通じて供給される電源を遮断する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
さらには、テーブルタップの各コンセントから供給する電源のオン/オフをリモコン装置等を用いて遠隔操作する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開2004−336896号公報
【特許文献2】特開2004−30930号公報
【特許文献3】特開2003−133009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び3に係る発明では、家電製品を起動させるためにユーザはリモコン装置等を用いた2度の操作が必要となる。つまり、一度目の操作で商用電源から電源タップ(テーブルタップ)への電源を投入させ家電製品に電源を供給した後、再度家電製品の主電源を投入する必要が生じる。そのため、ユーザは家電製品に電源を投入するために2度の操作を必要とし、煩わしい思いをさせてしまう。
【0007】
また、特許文献2の発明では、電灯線に信号を重畳させるシステムを前提としており、電灯線の改造等を必要とし、安易に採用できるものではない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、簡単な操作により製品に電源を投入することができ、且、電源を投入しない場合は製品の待機電力も低減させることができるテーブルタップ及び上記テーブルタップを使用した録画再生システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一局面では、データを再生する再生装置及び前記データを記録する記録装置の電源ケーブルをテーブルタップに接続して、前記再生装置及び前記記録装置に電源を供給する録画再生システムにおいて、前記再生装置、前記記録装置、及び前記テーブルタップとはHDMI規格に順ずるHDMIケーブルにより互いに接続され、前記テーブルタップは、前記接続された再生装置の電源ケーブルへの電源の供給を切り替える切り替え手段を有し、前記記録装置は、電源を投入した後、前記HDMIケーブルを通じて前記切り替え手段を制御することで前記再生装置の電源ケーブルへ電源を供給させ、その後、前記HDMIケーブルを通じて前記再生装置のメイン電源を投入させる制御部を有する。
【0010】
上記のように構成された発明では、録画再生システムを構成する、再生装置、記録装置、及びテーブルタップはHDMI規格に順ずるHDMIケーブルにより互いに接続されている。また、テーブルタップは、接続された装置への電源の供給を切り替える切り替え手段を有し、記録装置は、電源を投入する際、HDMIケーブルを通じて切り替え手段を制御することで再生装置の電源ケーブルへ電源を供給させ、その後、HDMIケーブルを通じて再生装置のメイン電源を投入させる。
そのため、ユーザ等は一度の操作で、録画再生システムを構成する再生装置及び記録装置に電源を投入することができ、且つ、電源を投入しない場合は商用電源からテーブルタップへ供給する電源を遮断するため、再生装置の待機電力をも低減させることができる。
【0011】
好ましくは、前記制御部は、前記HDMIケーブルを通じてCEC規格に順ずる制御命令を送信するHDMI送信手段を有し、前記再生装置は、前記HDMIケーブルを通じて前記HDMI送信手段から送信される前記制御命令を受信して、電源を投入する第一のHDMI受信手段を有し、前記テーブルタップは、前記HDMIケーブルを通じて前記HDMI送信手段から送信される前記制御命令を受信して、前記切り替え手段を切換える第二のHDMI受信手段を有する。
上記のように構成された発明では、既存のHDMI送信手段及び受信部を使用するため、普及品を用いて本願発明を構成することができる。
また、HDMI規格に準じた制御では、複数の装置を数珠繋ぎ(デージー・チェーン)にして、各部を制御することができるため、複数の装置を接続する場合でも、何ら改造を加えることなく本発明を実施することができる。
【0012】
好ましくは、前記切り替え手段は、前記制御命令により接点を切り替えることで前記電源ケーブルへ供給する電源を切り替えるリレースイッチを有する。
上記のように構成された発明では、テーブルタップは、リレースイッチを用いて電源ケーブルへの電源の供給を切り替えるため、テーブルタップ内のノイズに対しても耐性が強く、誤動作を防止することができる。
【0013】
好ましくは、前記テーブルタップは、前記HDMI受信手段を駆動させる駆動電圧を生成するに際し、商用電源を前記HDMI受信手段の駆動電圧に変圧する電源変換手段を有する。
上記のように構成された発明では、テーブルタップに供給される商用電源は、安定化されておらず、HDMI受信手段を駆動させるには安定化電源に変換する必要がある。そこで、電源変換部により商用電源を変換してHDMI受信手段を駆動することでHDMI受信手段を安定的に駆動させることができる。
【0014】
本発明の他の局面として、前記制御部は、前記HDMIケーブルを通じてCEC規格に順ずる制御命令を送信するHDMI送信手段を有し、前記再生装置は、前記HDMIケーブルを通じて前記HDMI送信手段から送信される前記制御命令を受信して、主電源を投入する第一のHDMI受信手段を有し、前記切り替え手段は、前記制御命令により接点を切り替えることで前記電源ケーブルへ供給する電源を切り替えるリレースイッチを有し、前記テーブルタップは、前記HDMIケーブルを通じて、前記HDMI送信手段から送信される前記制御命令を受信して、リレースイッチを切換えて前記プラグへ電源を供給する第二のHDMI受信手段と、前記HDMI受信手段を駆動させる駆動電圧を生成するに際し、商用電源を前記HDMI受信手段の駆動電圧に変圧する電源変換手段とを有する。
【0015】
本発明の他の局面として、プラグと接続するプラグ差込部を備え、このプラグ差込部に接続した機器に電源を供給するテーブルタップであって、前記プラグ差込部に接続された機器への電源の供給を切換える切り替え手段と、HDMI規格に順ずるHDMIケーブルを通じて送信される制御命令を受信し、この制御命令に基づいて前記切り替え手段を切換えるHDMI受信手段とを有する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、一度の操作により各装置を起動させることができ、又、待機電力も低減させることができる
また請求項2にかかる発明によれば、複数の装置を接続する場合でも、何ら改造を加えることなく本発明を実施することができる。
そして請求項3にかかる発明によれば、テーブルタップ内のノイズに対しても耐性が強く、誤動作を防止することができる。
さらに請求項4にかかる発明によれば、制御の安定性を高めることができる。
さらに請求項5のような、より具体的な構成において、上述した請求項2〜請求項4の各発明と同様の作用を奏することはいうまでもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図を参照しつつ下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。なお、同一の符号を付した箇所は同一及び相等の箇所を示し、その説明は繰返さない。
1.第一の実施の形態:
2.その他の実施の形態:
3.まとめ:
【0018】
1.第一の実施の形態:
1.1.録画再生システムの構成:
図1は、本発明に係る録画再生システムを説明するブロック図である。録画再生システム100は、データを記録する機能を備える記録装置20と、データを再生する機能を備える再生装置30と、記録装置20及び再生装置30の電源ケーブル60,61に電源を供給する機能を備えるテーブルタップ10とを備えている。記録装置20、再生装置30、及びテーブルタップ10との間はHDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に順ずるケーブル(HDMIケーブル)40により互いに接続されており、このケーブル40を通じてデータ及び制御信号の受け渡しを行なう。
【0019】
具体的には、録画再生システム100は、データの伝送をTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)、データの暗号化をHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)、機器間認証をEDID(Extended display identification data)、系全体の制御系接続をCEC(Consumer Electronics Control)でそれぞれ実行する。
【0020】
記録装置20は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)若しくは所定の記録メディアにデータを記憶する機能を備える録画装置や、音声データを記録するレコーダ等である。また、再生装置30は、例えば、ディスプレイ、又はテレビジョン受信機である。
【0021】
本録画再生システム100では、ユーザ等がリモコン装置50を操作して電源の投入を操作すると、まず、記録装置20はリモコン装置50からの制御コマンドを受信して自己の主電源を投入する。次に、記録装置20は、CEC規格に準じてケーブル40を通じて送信される制御命令によりテーブルタップ10に商用電源400から再生装置30の電源ケーブル61への電源を供給させる。次に、記録装置20は、ケーブル40を通じて送信される制御命令により再生装置30にメイン電源を投入させる。
【0022】
このため、ユーザ等はリモコン装置50を操作することで、記録装置20及び再生装置30の主電源の投入を制御することができるとともに、この主電源の投入に準じて電源(商用電源から供給される電源)のオン/オフを切り替えることができ、再生装置30の待機電力を低減し、録画再生システム100全体での消費電力を低減させることができる。
【0023】
以下に、録画再生システム100を構成する各装置をより詳細に説明する。
図2は、記録装置20の構成を説明するブロック図である。記録装置20は、ケーブル40を通じて送受信されるHDMI規格に準じたデータ及び制御命令を送信するHDMI送信部(HDMI送信手段)21と、記録装置20の駆動を制御する機能を備えるマイクロコンピュータ22と、リモコン装置50から送信された制御コマンドを受信して、マイクロコンピュータ22に上記制御コマンドに基づく制御命令を出力する機能を備えるリモコン受信部23と、電源ケーブル60を通じて供給される電源を安定化電源に変換して各部に供給する機能を備える電源部24と、データを記録する機能を備えるメモリ25と、メモリ25へのアクセスを制御するメモリ制御部26とを備えている。
【0024】
マイクロコンピュータ22は、記録装置20の駆動を制御する機能を備えている。マイクロコンピュータ22と、HDMI送信部21及び電源部24との間には制御バス27,28が備えられ、この制御バス27を通じてマイクロコンピュータ22からの制御命令をHDMI送信部21及び電源部23に送信する。また、マイクロコンピュータ22は、リモコン受信部23から送信される制御コマンドを受信して、この制御コマンドを解析する機能を備える受信コマンド解析部22aと、前記解析結果に基づいて、HDMI送信部21に制御バス27を通じて制御命令を送信する機能を備える送信部制御部22bと、計時機能を備えるタイマー部22cとを備えている。
【0025】
HDMI送信部21は、HDMI規格により規定されたプロトコルに従ってデータ及び制御命令をケーブル40を通じて再生装置30又はテーブルタップに送信する。HDMI送信部21はデータをTMDSによりケーブル40におけるデータチャンネル41から送信する機能の他、ケーブル40を通じて接続された各装置に対して、CEC規格に基づく制御命令を制御チャンネル42,43から送信する機能を備えている。
なお、後述するHDMI受信部31,11も実質的には、HDMI送信部21と同様の機能を備えており、同一機能についてはその説明を省略する。また、HDMI規格に準じた各プロトコルは公知技術であるためここでは説明を省略する。
【0026】
図3は、再生装置30の構成を説明するブロック図である。再生装置30は、ケーブル40を通じて制御命令及びデータを受信し、上記受信した制御命令及びデータを各部に送信する機能を備えるHDMI受信部(HDMI受信手段)31と、再生装置30の駆動を制御する機能を備えるマイクロコンピュータ32と、電源ケーブル61を通じて供給される電源を安定化電源に変換して各部に供給する機能を備える電源部33と、取得したデータに画像処理等の信号処理を施す機能を備える信号処理部34と、データに基づいて画像を表示する機能を備えるディスプレイモジュール39とを備えてる。
【0027】
HDMI受信部31とマイクロコンピュータ32との間には、制御バス35が備えられている。また、HDMI受信部31と信号処理部34との間には、データバス36が備えられている。さらに、HDMI受信部31は、ケーブル40におけるデータチャンネル41を介して送信されるデータをデータバス36を通じて信号処理部34に送信する機能を備えるデータ送受信部31aと、ケーブル40における制御チャンネル42を介して送信される制御命令を受信して、この制御命令に基づいて再生装置30へ制御バス35を通じての制御命令を送信する機能、及び前記データ送受信部31aを制御する機能を備える命令受信部31bとを備えている。
【0028】
マイクロコンピュータ32と電源部33及び信号処理部34との間には、制御バス37,38が備えられている。また、マイクロコンピュータ32は、HDMI受信部31から制御バス35を通じて送信される制御命令を解析する機能を付与する制御命令解析部32aを備えている。マイクロコンピュータ32は、この制御命令により制御バス37を介して電源部33の制御及び制御バス38を介して信号処理部34の制御を実行する。
【0029】
図4は、テーブルタップ10の構成を説明するブロック図である。テーブルタップ10は、ケーブル40における制御チャンネル43を通じて送信される制御命令を受信し、この制御命令に基づいて制御信号を出力する機能を備えるHDMI受信部11と、再生装置30の電源部33と接続した電源ケーブル61と接続する第一コンセント12と、記録装置20の電源部24と接続した電源ケーブル60と接続する第二コンセント13と、商用電源400から第一コンセント12への電源の供給を切り替える機能を備えるリレースイッチ(切り替え手段)14と、HDMI受信部11から出力される制御信号に基づいてリレースイッチ14のオン/オフを切り替える機能を備えるマイクロコンピュータ15と、商用電源400から供給された交流電源を整流し、この整流した電源をHDMI受信部11とマイクロコンピュータ15とへ供給する機能を備える整流変換部(電源変換手段)16とを備えている。
【0030】
HDMI受信部11とマイクロコンピュータ15との間には、制御バス17が設けられている。また、HDMI受信部11は、ケーブル40における制御チャンネル43から送信された制御コマンドを受信し、この制御コマンドに基づいてマイクロコンピュータ15に制切り替え制御命令を送信する制御命令解析部11aを備えている。
【0031】
マイクロコンピュータ15とリレースイッチ14との間には、制御バス18が設けられている。また、マイクロコンピュータ15は、制御バス17を通じて入力された切り替え制御命令を受信して、制御バス18を通じてリレースイッチ14のオン・オフを切り替える切り替え信号を出力する切り替え信号送信部15aを備えている。
【0032】
リレースイッチ14は、入力端子14aで商用電源400と電源ライン19を介して接続され、出力端子14bで第一コンセント12の各プラグ差込部に接続されている。また、リレースイッチ14のコイル14cは制御バス18と接続されている。そのため、マイクロコンピュータ15から制御バス18を通じて切り替え信号がリレースイッチ14のコイル14cに入力すると、入力端子14aと出力端子14bとを導通し、電源ライン19から供給される電源を第一コンセント12に供給する。
【0033】
1.2.録画再生システムの作用・効果
以下に本録画再生システム100の作用・効果を説明する。図5は、リモコン装置50を操作して記録装置20の電源を投入する際、各装置が実行する処理を説明する流れ図である。ユーザ等が記録装置20のリモコン装置50における電源投入キーを操作すると、記録装置20のリモコン受信部23は、リモコン装置50から送信される制御コマンドを受信する。リモコン受信部23は、マイクロコンピュータ22に電源投入を命令する(ステップS200)。
【0034】
マイクロコンピュータ22は、記録装置30の起動処理を実行する(ステップS210)。具体的には、マイクロコンピュータ22は、電源部24に対して各部に電源を供給するよう命令する。その後、マイクロコンピュータは、内部に記録されたプログラム等を読み出し所定の起動処理を実行する。
【0035】
マイクロコンピュータ22は、制御バス27を介してHDMI送信部21にテーブルタップ10のリレースイッチ14の切り替えを命令する(ステップS220)。HDMI送信部21は、上記命令を受けて、制御チャンネル43を介してテーブルタップ10に切り替え命令を送信する。
【0036】
テーブルタップ10では、HDMI受信部11が切り替え命令を制御チャンネル43を介して受信する(ステップS100)と、HDMI受信部11はマイクロコンピュータ15にリレースイッチ14を切り替えるよう制御バス17を通じて命令する(ステップS110)。マイクロコンピュータ15はリレースイッチ14に制御バス18を通じて切り替え信号を送信する。リレースイッチ14では上記切り替え信号によりオン状態となり、商用電源400から供給された電源が第一コンセント12に供給される。
【0037】
記録装置20では、ステップS220の処理の後、HDMI送信部21は再生装置30に対して主電源を投入するよう制御チャンネル42を通じて命令する(ステップS240)。このとき、ステップS220での処理とステップS230での処理との間は、タイマー部22cにより計測された時間を用いて遅延するものであってもよい。
記録装置20は、第二コンセント13からすでに電源を供給されており、マイクロコンピュータ22は通常動作に移行するよう制御を行なう(ステップS240)。
【0038】
再生装置30では、HDMI受信部31が制御チャンネル42を通じて主電源を投入する命令を受け付けると、マイクロコンピュータ32に対して主電源投を投入するよう制御バス35を通じて命令する(ステップS300)。マイクロコンピュータ32は電源部24に対して各部へ電源を供給するよう制御バス37を通じて命令を出す。これにより再生装置30は通常動作へ移行する(ステップS320)。
これにより、録画再生装置100を構成する記録装置20、再生装置30とは通常動作移行する。
【0039】
2.その他の実施の形態:
上述した、録画再生システム100では、再生装置30が録画再生システム100の起動を制御したが、これに限定されない。例えば、再生装置30側にHDMI送信部を備え、再生装置30が録画再生システム100の起動を制御してもよい。
【0040】
また、起動を制御させる装置の数は1つに限定されない。図6は、変形例としての録画再生システム100の構成を説明するブロック図である。HDMI規格に順ずる制御は、複数の装置を数珠つなぎ(デージー・チェーン)で接続して、各装置を制御することが可能であり、例えば、記録部の制御に基づいて複数の再生装置の起動制御を行なう構成としてもよい。
【0041】
さらに、テーブルタップ10の切り替え手段の構成はリレースイッチに限定されない。所定の信号に基づいて、第一のコンセントに供給する電源を切り替えるものであればよい。
【0042】
3.まとめ:
以上説明したように、本録画再生システム100では、リモコン装置50等による電源投入命令により、テーブルタップ10による商用電源400から再生装置へ電源を供給し、その後、再生装置30に対して主電源を投入させるため、再生装置等の待機電力をも削減することができ、システム全体での消費電力を低減させることができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る録画再生システムを説明するブロック図である。
【図2】記録装置20の構成を説明するブロック図である。
【図3】再生装置30の構成を説明するブロック図である。
【図4】テーブルタップ10の構成を説明するブロック図である。
【図5】リモコン装置50を操作して記録装置20の電源を投入する際、各装置が実行する処理を説明する流れ図である。
【図6】変形例としての録画再生システム100の構成を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0045】
10…テーブルタップ、11…HDMI受信部、11a…制御命令解析部、12…第一コンセント、13…第二コンセント、14…リレースイッチ、14a…入力端子、14b…出力端子、14c…コイル、15…マイクロコンピュータ、15a…切り替え信号送信部、16…整流変換部、17,18…制御バス、19…電源ライン、20…記録装置、21…HDMI送信部、22…マイクロコンピュータ、22a…受信コマンド解析部、22b…送信部制御部、22c…タイマー部、23…リモコン受信部、24…電源部、25…メモリ、26…メモリ制御部、27…制御バス、30…再生装置、31…HDMI受信部、31a…データ送受信部、31b…命令受信部、32…マイクロコンピュータ、32a…制御命令解析部、33…電源部、34…信号処理部、35…制御バス、36…データバス、37…制御バス、38…制御バス、40…ケーブル、41…データチャンネル、42,43…制御チャンネル、50…リモコン装置、100…録画再生システム、400…商用電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを再生する再生装置及び前記データを記録する記録装置の電源ケーブルをテーブルタップに接続して、前記再生装置及び前記記録装置に電源を供給する録画再生システムにおいて、
前記再生装置、前記記録装置、及び前記テーブルタップとはHDMI規格に順ずるHDMIケーブルにより互いに接続され、
前記テーブルタップは、前記接続された再生装置の電源ケーブルへの電源の供給を切り替える切り替え手段を有し、
前記記録装置は、電源を投入した後、前記HDMIケーブルを通じて前記切り替え手段を制御することで前記再生装置の電源ケーブルへ電源を供給させ、その後、前記HDMIケーブルを通じて前記再生装置のメイン電源を投入させる制御部を有することを特徴とする録画再生システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記HDMIケーブルを通じてCEC規格に順ずる制御命令を送信するHDMI送信手段を有し、
前記再生装置は、前記HDMIケーブルを通じて前記HDMI送信手段から送信される前記制御命令を受信して、電源を投入する第一のHDMI受信手段を有し、
前記テーブルタップは、前記HDMIケーブルを通じて前記HDMI送信手段から送信される前記制御命令を受信して、前記切り替え手段を切換える第二のHDMI受信手段を有することを特徴とする請求項1に記載の録画再生システム。
【請求項3】
前記切り替え手段は、前記制御命令により接点を切り替えることで前記電源ケーブルへ供給する電源を切り替えるリレースイッチを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の録画再生システム。
【請求項4】
前記テーブルタップは、前記HDMI受信手段を駆動させる駆動電圧を生成するに際し、商用電源を前記HDMI受信手段の駆動電圧に変圧する電源変換手段を有することを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の録画再生システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記HDMIケーブルを通じてCEC規格に順ずる制御命令を送信するHDMI送信手段を有し、
前記再生装置は、前記HDMIケーブルを通じて前記HDMI送信手段から送信される前記制御命令を受信して、主電源を投入する第一のHDMI受信手段を有し、
前記切り替え手段は、前記制御命令により接点を切り替えることで前記電源ケーブルへ供給する電源を切り替えるリレースイッチを有し、
前記テーブルタップは、
前記HDMIケーブルを通じて、前記HDMI送信手段から送信される前記制御命令を受信して、リレースイッチを切換えて前記プラグへ電源を供給する第二のHDMI受信手段と、
前記HDMI受信手段を駆動させる駆動電圧を生成するに際し、商用電源を前記HDMI受信手段の駆動電圧に変圧する電源変換手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の録画再生システム。
【請求項6】
プラグと接続するプラグ差込部を備え、このプラグ差込部を介して接続した機器に電源を供給するテーブルタップであって、
前記プラグ差込部に接続された機器への電源の供給を切換える切り替え手段と、
HDMI規格に順ずるHDMIケーブルを通じて送信される制御命令を受信し、この制御命令に基づいて前記切り替え手段を切換えるHDMI受信手段とを有することを特徴とするテーブルタップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−260730(P2009−260730A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108188(P2008−108188)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】