説明

鍵情報配布方法、装置、プログラム、及び媒体

【課題】CD−ROM等で鍵を含むアプリケーション等を配布する場合に従来の配布装置では、同一マスター内にある鍵を制限数により選択するといった概念がなかった。このため、契約等で定められた鍵の共有数の制限を厳守するためにはCD−ROMのマスター変更が必要となり、製造上の負担になっていた。
【解決手段】予め鍵を任意の個数保持しておき、条件に従って複数ある中から鍵を選択し、使用することにより、同一マスターで鍵の共有制限数を超えることなくプログラムのインストール及び使用を可能とする。これによって、契約等で鍵の共有数が制限されている場合などに、鍵の共有数を守りつつ、CD−ROMに鍵を必要数保持することが可能となり、マスターを変更することなく、必要数CD−ROMを製造することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムのインストール及び使用を可能にする鍵情報配布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CD−ROM等でアプリケーションプログラムを配布する場合に、1枚のCD−ROMに複数のプログラムを格納し、特定のパスワード等により使用可能なプログラムを特定するような配布形体がある(例えば、特許文献1参照。)。このような配布装置では特定のアプリケーションを選別し、ユーザに使用させることが可能である。しかしながら、アプリケーション毎のインストール数の制限やインストール数の保証といったこと、すなわち、CD−ROM等に複数の鍵を入れておき、条件に従って、特定の鍵を選択し、かつ、インストール数を制限する方法がなかった。
【特許文献1】特開平9−288576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の配布装置では、同一マスターの複製数を制限するといった概念がないため、複製数の制限を厳守するためにはCD−ROMのマスター変更が必要となり、製造上の負担になってしまうという課題があった。
【0004】
具体的には、契約等で鍵の共有数が制限されている場合などに、CD−ROMに鍵を1つしか保持できない場合は、制限数毎に異なる鍵が入っているCD−ROMを作成し、CD―ROMのマスターを変更する必要がある。例えば鍵の共有数が5000で、CD−ROMを5万枚作成する場合は、異なる鍵が入っているCD−ROMのマスターを10枚作成する必要があり、製造コストが高価になる問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、鍵配布条件に従って鍵を複数個CD−ROMに格納し、プログラムのインストール時に鍵配布条件を満たすように発行したパスワードを用いて、パスワードに格納されている条件より複数個格納されている鍵の中から条件に合った鍵を選択する手段を設ける。
【発明の効果】
【0006】
予め鍵を任意の個数保持しておき、条件に従って複数ある中から鍵を選択し、使用することにより、同一マスターで鍵の共有制限数を超えることなく、プログラムのインストール及び使用を可能とする。すなわち、契約等で定められた鍵の共有数を守りつつ、CD−ROMに鍵を必要数保持することが可能となり、マスターを変更することなく、必要数CD−ROMを製造することが可能となる。上記の場合、鍵を10個CD−ROMに入れることで、1つのマスターで5万枚製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施の形態)
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態における鍵情報配布装置の全体構成を示している。図1において、11は鍵毎の配布可能数を定義している鍵配布条件管理手段、12は配布する鍵束と配布条件を格納する鍵情報格納手段、13は鍵配布条件管理手段11より取り出した配布可能数と配布する鍵を鍵情報格納手段12へ書き込む鍵書込手段、14は鍵配布条件管理手段11より取り出した鍵毎の配布可能数を元にそれぞれ異なりかつ配布可能数を超えない数のパスワードを発行するパスワード発行手段、15はパスワード発行手段14より発行されたパスワードから鍵情報格納手段12に格納されている鍵束より配布する鍵を読み取る鍵情報読込手段を表している。
【0008】
以上のように構成された鍵情報配布装置について、以下、その動きについて図1を用いて説明する。最初にCD−ROMマスター作成時に鍵配布条件管理手段11に格納されている鍵の共有数等の配布条件を鍵書込手段13で取り出し、その情報と鍵を鍵情報格納手段に書き込む。この操作は書き込む鍵の数だけ行う。鍵配布条件管理手段11に記載されている鍵の共有数が1万の場合に、上記作業を10回繰り返した場合には、このマスターは10万枚の複製が可能となる。CD―ROMに格納されたプログラムのインストール時にはパスワード発行手段14で発行されたパスワードを入力する。このパスワードには、鍵情報格納手段12に格納されている鍵束よりどの鍵を使用する可能情報が格納されている。鍵読込手段15はパスワード発行手段14より発行されたパスワードよりどの鍵を使用するかを算出し、鍵情報格納手段12よりインストールすべき鍵を取り出す。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明は、暗号鍵を含むプログラム等をCD−ROMなどで配布する場合に於いて、暗号鍵の共有数が制限されている場合に、制限数毎にマスターを変更することなく、同一マスターでCD−ROMなどを配布することが可能となり、暗号鍵等を含んだアプリケーションソフトなどで利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に於ける鍵情報配布装置の全体構成を示した図
【符号の説明】
【0011】
11 鍵配布条件管理手段
12 鍵情報格納手段
13 鍵書込手段
14 パスワード発行手段
15 鍵読込手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鍵と前記複数の鍵の共有可能数を管理する管理ステップと、共有配布する鍵と前記共有配布する鍵の共有可能数を格納する格納ステップと、前記共有配布する鍵の共有可能数を超えない数のパスワードを発行する発行ステップと、発行されたパスワードを基に前記共有配布する鍵を読み出す読出ステップを有することを特徴とする鍵情報配布方法。
【請求項2】
複数の鍵と前記複数の鍵の共有配布可能数を管理する管理手段と、共有配布する鍵と前記共有配布する鍵の共有配布可能数を格納する格納手段と、前記共有配布する鍵の共有配布可能数を超えない数のパスワードを発行する発行手段と、前記発行手段より発行されたパスワードを基に、前記格納手段から前記共有配布する鍵を読み出す読出手段を備えることを特徴とする鍵情報配布装置。
【請求項3】
請求項1に記載の鍵情報配布方法を動作させるプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムを記録した読み取り可能な媒体。

【図1】
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【公開番号】特開2006−319861(P2006−319861A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−142638(P2005−142638)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】