説明

長尺材の集積装置

【課題】小束Bの落下距離を短くすることを可能にし、積載台に衝突することに起因する長尺材の損傷や乱れを抑制することができる長尺材の集積装置を提供する。
【解決手段】本発明の長尺材の集積装置10は、供給機構11から供給された長尺材の小束Bを積載台12上に集積し、その集積した小束B群を搬送機構14に移載して搬送する。積載台12は、供給機構11から供給された小束Bを積載台12上又は既に前記積載台12に載置された小束B上で受け取るときに、積載台12の上面又は既に前記積載台12に載置された小束Bの上面を一定の受け取り高さHに位置づけるように昇降機構13によって昇降される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定本数の長尺材を結束することによって形成された長尺材の小束を集積し、この集積した小束群を大束結束機等に搬送するための長尺材の集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、棒鋼材等の長尺材の出荷に際しては、運搬その他の取り扱いの容易化を図るために、最終の出荷荷姿として、その太さにかかわらず大束単位での出荷が行われている。この大束のうち、大径の長尺材の大束については、結束本数が少なく材自体が太いことから長尺材どうしの絡み合い(いわゆる「綾」)が生じ難く、結束のまとまりが良い。ところが、小径の長尺材(通常直径16mm以下のもの)の大束については、多数本を一度にまとめて結束すると綾が発生し易いために、解束の際に棒材を束から取り出すことが困難であり、また、荷姿も悪くなる。
そこで、小径の長尺材を所定本数ずつ結束することによって小束を形成し、さらに、複数の小束を集積した後に結束することによって大束を形成することが行われている。
【0003】
このような作業を行うための装置として、例えば、特許文献1には、所定本数の長尺材を小結束機にて結束して小束を形成し、この小束の複数を集積して大結束機に搬送する装置が開示されている。この装置は、上方へ突出する複数の櫛歯を有するラックを備えており、小結束機によって結束された小束を、その下方に位置するラックの櫛歯間に縦1列に積載する。そして、ラックを横方向に移動させることによって全ての櫛歯間に小束を積載した後、ラックを垂直に下方移動させることによってラックに積載された全ての列の小束群をローラコンベア上に移載しつつ小束群から櫛歯を引き抜き、この小束群を次工程の大結束機に搬送している。
【0004】
【特許文献1】実公平7−38093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の装置は、ラックを一定の高さに配置した状態で、その上方の小結束機から小束を落下させてラックに積載している。したがって、ラックは、少なくとも小束の積載高さを見越して小結束機から下方に離れた位置に配置されていなければならない。そのため、小結束機からラックまでの小束の最大落下距離が大きくなり、ラックとの衝突によって長尺材に傷が付いて品質が低下したり、長尺材に綾や端面の不揃い等の乱れが生じたりする可能性が高くなる。
【0006】
また、ラックの各櫛歯間に積載された複数列の小束群から櫛歯が引き抜かれると、櫛歯の太さに相当する隙間が各列の小束群の間に生じ、この隙間によって大束を結束した後の荷姿が崩れ易いという問題があった。
さらに、特許文献1に記載の装置は、ラックを垂直に下方移動させて小束群をローラコンベア上に移載しているので、ラックの昇降に要するスペースやラックを昇降させる昇降機構の配置スペースを確保するために深いピットを掘る必要があり、設備の基礎工事費用が高くつくという問題があった。
【0007】
本発明は、小束を供給するための供給機構から積載台までの小束の落下距離を短くすることを可能にし、積載台との衝突に起因する長尺材の損傷や乱れを抑制することができる長尺材の集積装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の長尺材の集積装置は、長尺材を束ねた複数の小束を上下方向複数段に積載可能な積載台と、前記積載台の上方に配置され、当該積載台に小束を落下させて供給する供給機構と、前記供給機構から供給された小束を前記積載台上又は既に前記積載台に載置された小束上で受け取るときに、前記積載台の上面又は既に前記積載台に載置された小束の上面を一定の受け取り高さに位置づけるように前記積載台を昇降させる昇降機構と、前記積載台の下方に配置され、前記昇降機構によって前記積載台を下降させることにより前記積載台上の小束群を受け取って搬送する搬送機構と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の長尺材の集積装置によれば、供給機構から供給された小束を積載台の上面で受け取る場合には、積載台の上面が一定の受け取り高さに位置づけられるように積載台を上昇させ、供給機構から供給された小束を既に積載台に載置された小束の上面で受け取る場合には、当該積載台上の小束の上面が一定の受け取り高さに位置づけられるように積載台を下降させる。そのため、積載台上の小束の積載高さに関わらず、供給機構からの小束の落下距離が短くなるように小束の受け取り高さを高く設定することが可能となり、積載台との衝突に起因する長尺材の損傷や乱れを抑制することができる。
【0010】
上記構成において、前記積載台は、複数の小束をその長手方向に直交する方向に並列させた状態で上下方向複数段に積載可能であり、前記供給機構は、小束をその長手方向に直交する方向に搬送する搬送部と、この搬送部から受け取った小束を、前記積載台上における小束の並列方向の各載置位置の上方に位置づけた後、当該小束を前記積載台に落下させる供給位置設定部とを備えていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、供給機構の供給位置設定部が、積載台上における小束の並列方向の各載置位置の上方に小束を位置づけて当該小束を落下させるため、特許文献1のように、小束群を各列毎に区画する櫛歯を備えていなくても、小束を並列した状態で上下複数段に積載することができる。したがって、小束群の各列の間に大きな隙間が生じることなく小束を並列させることができ、小束群を結束した後の大束の荷姿の崩れが生じることも少なくなる。
【0012】
前記供給位置設定部は、前記搬送部の搬送終端から搬送方向に進退移動可能であり、且つ、進出したときに搬送装置から搬送された小束を受け取って支持し、後退したときに支持した小束を落下させることが可能な支持台と、前記搬送部の搬送終端から搬送方向に進退移動可能であり、且つ、進出したときに前記支持台によって支持された小束を搬送方向に移動させ、前記積載台上における小束の並列方向の各載置位置に小束を位置づける位置設定具とを備えた構成とすることができる。これにより、簡単な構成によって小束を積載台上の各載置位置の上方に位置づけて落下させることが可能となる。
【0013】
前記昇降機構は、水平な支軸回りに揺動自在に設けられ、先端部に前記積載台を備えた揺動フレームと、この揺動フレームを揺動させる駆動部とを備えていることが好ましい。
この構成によれば、揺動フレームの揺動によって積載台を上下に昇降させることができ、積載台の昇降に要するスペースや昇降機構の配置スペースを上下方向に小さくすることができる。したがって、集積装置を設置するためのピットを浅く形成することが可能となり、設備の基礎工事費用等を低減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、供給機構から積載台までの小束の落下距離を短くすることができ、積載台との衝突に起因する長尺材の損傷や乱れを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明の実施の形態に係る長尺材の集積装置の側面図、図2は、集積装置の平面図である。
この集積装置10は、所定本数の長尺材を結束することによって形成された長尺材の小束Bを所定数集積し、集積された複数の小束Bを図示しない大結束機へ搬送するために用いられる。この集積装置10は、長尺材の小束Bを供給する供給機構11と、この供給機構11から供給された小束Bを積載する積載台12と、この積載台12を上下に昇降させる昇降機構13と、積載された小束B群を積載台12から受け取って次工程の大結束機に搬送する搬送機構14と、積載台12上における小束Bの積載姿勢と、搬送機構14上における小束Bの積載姿勢とを規制する規制機構15と、これらの各機構等を支持する支持フレーム16と、を備えている。
【0016】
供給機構11は、図示しない小結束機によって形成された長尺材の小束Bを搬送する搬送部18と、搬送部18によって搬送された小束Bの積載台12に対する供給位置を設定する供給位置設定部19とを有している。搬送部18は、複数本の無端状のチェーンを並列に配置したチェーンコンベア(搬送コンベア)により構成されており、各チェーンに直交させた状態で長尺材の小束Bを矢印X方向に搬送するように構成されている。
【0017】
供給位置設定部19は、搬送コンベア18から搬送された小束Bを受け取って支持するための支持手段21と、この支持手段21によって支持された小束Bを移動させ、所定の供給位置に位置づけるための位置設定手段22とを備えている。
図3は、支持手段21を示す側面図である。支持手段21は、搬送コンベア18(図1参照)の搬送終端から搬送方向Xに進退移動可能に設けられた支持台23と、この支持台23を進退移動可能に支持するガイドレール24と、支持台23を進退移動させる駆動部25とを備えている。支持台23は、搬送方向Xに沿ってほぼ水平に配置された棒状体であり、この棒状体の後部(図3の左側部分)の下側には、ブラケット26を介してガイドローラ27が取り付けられている。
【0018】
ガイドレール24は、溝内部を対向させた一対の溝型鋼によって構成されており、この一対の溝型鋼の間に支持台23のブラケット26が配置され、一対の溝型鋼の溝内に、支持台23のガイドローラ27が転動可能に配置されている。
駆動部25は、ブラケット26の後端(左端)にリンク30を介して先端部が接続された作動アーム31と、この作動アーム31の基端部が取り付けられた作動軸32と、この作動軸32に基端部が取り付けられた作動アーム33と、この作動アーム33の先端部にシリンダロッドの先端部が連結された駆動シリンダ34とを備え、駆動シリンダ34のシリンダチューブは支持フレーム16に揺動自在に支持されている。
【0019】
この駆動シリンダ34は、作動アーム33を介して作動軸32を回動させ、この作動軸32に取り付けられた作動アーム31及びリンク30を介して支持台23を搬送方向Xに進退移動させる。そして、支持台23は、図1に示すように、搬送方向Xの下流側(右側)へ進出したときに積載台12の上方に配置される。また、支持台23は、搬送方向Xの上流側(左側)へ後退したときに、その先端が搬送コンベア18の搬送終端よりも搬送方向Xの上流側に配置される。
【0020】
図2に示すように、支持台23、ガイドレール24、及び駆動部25の作動アーム31は、1つの支持台ユニット37を構成し、この支持台ユニット37は、搬送方向Xに直交する横方向に複数組並設されている。また、駆動部25の作動軸32は、複数組の支持台ユニット37に亘る範囲で設けられ、作動アーム33及び駆動シリンダ34は、1本の作動軸32に対して1組又は複数組設けられている。
【0021】
図4は、位置設定手段22を示す側面図である。位置設定手段22は、搬送コンベア18(図1参照)の搬送終端から搬送方向Xに進退移動可能なプッシャー部材(位置設定具)38と、このプッシャー部材38を進退移動可能に支持するガイド体39と、プッシャー部材38を進退移動させる駆動部40とを備えている。
プッシャー部材38は、搬送方向Xに沿ってほぼ水平に配置された棒状体であり、先端部(右端部)には小束Bに当接する当接板41が設けられている。ガイド体39は、支持フレーム16に固定されており、プッシャー部材38を搬送方向Xに摺動可能に貫通させる筒形状又はそれに類する形状に形成されている。
【0022】
駆動部40は、プッシャー部材38の後端部(左端部)にリンク43を介して連結された作動アーム44と、この作動アーム44の基端部が取り付けられた作動軸45と、この作動軸45に基端部が取り付けられた作動アーム46と、この作動アーム46の先端部にシリンダロッドが連結された駆動シリンダ47とを備え、駆動シリンダ47のシリンダチューブは、支持フレーム16に固定された支持ブラケット48に揺動自在に支持されている。
【0023】
駆動シリンダ47は、作動アーム46を介して作動軸45を回動させ、この作動軸45に取り付けられた作動アーム44及びリンク43を介してプッシャー部材38を搬送方向Xに進退移動させる。そして、プッシャー部材38は、図1に示すように、搬送方向Xに進出したときに支持台23上に支持された小束Bを押動し、当該小束Bを積載台12上方の所定位置に位置づける。なお、プッシャー部材38は、図4に2点鎖線で示すように、支持台23上における小束Bの載置位置に応じて3段階に進出するように構成されている。
【0024】
図2に示すように、プッシャー部材38、ガイド体39、及び作動アーム44は、1組のプッシャーユニット51を構成し、このプッシャーユニット51の複数が搬送方向Xに直交する横方向に複数並設されている。駆動部40の作動軸45は、複数のプッシャーユニット51に亘る範囲で設けられ、作動アーム46及び駆動シリンダ47は、1本の作動軸45に対して1組又は複数組設けられている。
【0025】
図1に示すように、昇降機構13は、搬送方向Xに直交するように水平に配置された支軸53と、この支軸53に揺動自在に支持された揺動フレーム54と、この揺動フレーム54を支軸53回りに揺動させる駆動部55とを備えている。揺動フレーム54は、互いに溝内部を対向させた一対の溝型鋼からなり、搬送方向Xの下流側端部(右端部)が支軸53に支持されている。
【0026】
駆動部55は、支持フレーム16に回動可能に支持された作動軸57と、この作動軸57に基端部が取り付けられた作動アーム58と、作動アーム58の先端に一端が枢結されたリンク部材59とを備え、リンク部材59の他端は、揺動フレーム54の先端側(左側)の下部に枢結されている。
図2に示すように、揺動フレーム54は、搬送方向Xに直交する横方向に複数並設されており、駆動部55の作動軸57は、複数の揺動フレーム54に亘って設けられている。作動軸57の端部には、減速機61を介して駆動モータ62が連結されており、この駆動モータ62によって作動軸57を回動させ、作動アーム58及びリンク部材59(図1参照)を介して揺動フレーム54を上下に揺動させるようになっている。
【0027】
図1に示すように、積載台12は、昇降機構13を構成する揺動フレーム54の先端から突出する棒状体であり、搬送機構14の上方で供給機構11の下方に配置されている。積載台12は、搬送方向Xに3つの小束Bを並列して載置可能であり、更に、上下方向に3段又は4段に小束Bを積み重ねて載置可能である。
積載台12の基端側(右端側)は、揺動フレーム54内に挿入されており、この挿入された部分の両側にはガイドローラ64が取り付けられている。ガイドローラ64は、揺動フレーム54を構成する一対の溝型鋼の溝内に転動可能に配置されており、積載台12は、揺動フレーム54にガイドされて揺動フレーム54の長手方向に移動可能とされている。
【0028】
積載台12の上部には架設バー65が取り付けられている。この架設バー65は、図2に示すように、複数組の積載台12に亘って架設され、いずれかの揺動フレーム54の上部に搭載された駆動シリンダ66のシリンダロッドが連結されている。この駆動シリンダ66を作動することによって、架設バー65を介して全ての積載台12が揺動フレーム54から進退移動する。
【0029】
図2に示すように、搬送機構14は、小束Bの長手方向に間隔をあけて配置された複数の搬送ローラ68と、複数の搬送ローラ68を回転駆動する駆動部69とから構成されている。複数の搬送ローラ68は、支持フレーム16上に回転自在に支持されている。駆動部69は、駆動モータ70と、この駆動モータ70の回転を各搬送ローラ68に伝達する伝動機構71とからなり、伝動機構71は、各搬送ローラ68の軸端及び駆動モータ70の出力軸端に設けられたスプロケットと、スプロケットに巻き掛けられたチェーンとからなる。この搬送機構14を作動することによって、搬送ローラ68上に載置した小束B群を、搬送方向Xに直交する矢印Y方向に搬送し、図示しない大結束機に供給する。
【0030】
図1に示すように、規制機構15は、積載台12上及び搬送機構14上に載置された3列の小束B群の搬送方向X上流側と、同方向X下流側との位置を規制する一対の規制部材79,80を備えている。この一対の規制部材79,80は、図2に示すように、搬送方向Xに直交する横方向、つまり搬送方向Yに間隔をあけて複数並設されている。一対の規制部材79,80は、図1に示すように、供給機構11の搬送コンベア18の上面よりもやや低い位置から、搬送機構14の搬送ローラ68上面に到るまでの上下方向の範囲に亘って設けられている。一方の規制部材80は、手動で又はモータ等によって自動で搬送方向Xに移動可能に設けられており、これによって一対の規制部材79,80の間隔が拡縮可能に構成されている。
【0031】
以下、上述の構成を有する集積装置10の動作について説明する。
まず、図5(a)に示すように、集積装置10の搬送コンベア18には、小結束機によって結束された長尺材の小束Bが供給され、この搬送コンベア18によって矢印X方向に小束Bが搬送される。積載台12は、昇降機構13によって所定の受け取り高さHにまで上昇されており、支持手段21の支持台23は、搬送コンベア18の搬送終端から進出した状態とされ、位置設定手段22のプッシャー部材38は後退した状態とされる。搬送コンベア18によって搬送された長尺材の小束Bは、搬送終端において進出状態の支持台23上に移載される。
【0032】
次に、図5(b)に示すように、位置設定手段22のプッシャー部材38が進出し、支持台23上に支持された小束Bを右方向に押して右側の規制部材80に当接する位置に配置する。そして、図5(c)に示すように、支持台23が左方向に後退し、当該支持台23上に支持されていた小束Bを下方に落下させ、積載台12上に供給する。
【0033】
次に、図6(a)に示すように、搬送コンベア18によって搬送された次の小束Bが支持台23上に移載される。そして、図6(b)に示すように、プッシャー部材38が進出し、支持台23上に支持された小束Bを右方向に押して一対の規制部材79,80の中間位置に配置する。そして、図6(c)に示すように、支持台23が左方向に後退することによって、当該支持台23に支持されていた小束Bを下方に落下させ、積載台12上に供給する。これによって積載台12上には、2つの小束Bが並列して載置される。
【0034】
次に、上記と同様の動作を行うことによって、図7(a)〜(c)に示すように、積載台12上の左端にも小束Bを載置する。これによって、積載台12上には3つの小束Bが並んだ状態で載置される。なお、積載台12の左端に小束Bを供給する場合、左側の規制部材79によって小束Bの供給位置を設定することができるため、必ずしもプッシャー部材38は動作させなくてもよい。
【0035】
次に、図8(a)に示すように、積載台12上に3つの小束Bが並列して載置されると、この小束Bの上面が所定の受取高さHに位置づけられるように、昇降機構13によって積載台12が1段階下降される(図8(b)参照)。そして、図8(c)に示すように、既に載置された小束Bの上面に対して新たな小束Bを供給する動作を続けて行い、2段目以降の小束Bを積載する。
【0036】
図9(a)に示すように、積載台12上に所定数の小束Bが積載されると、積載台12が下降することによって小束B群が搬送機構14の搬送ローラ68上に移載される(図9(b)参照)。これにより、搬送機構14によって図2の矢印Y方向へ小束群を搬送することが可能となる。一方、搬送ローラ68上に小束B群が移載された後、積載台12は、図9(c)に示すように、揺動フレーム54に対して右方向に後退し、小束B群の下方から退避する。そのため、小束B群に干渉することなく積載台12を上昇させ、再び2点鎖線で示すように積載台12を受け取り高さHに配置することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態の集積装置10は、積載台12上に小束Bが載置されていない状態(図5(a)参照)では、積載台12の上面が一定の受け取り高さHに位置づけられるように昇降機構13によって積載台12を上昇させ、積載台12に小束Bが載置されている状態では、積載台12上の小束Bの上面が一定の受け取り高さHに位置づけられるように昇降機構13によって積載台12を下降させているので、積載台12上に積載する小束Bの積載高さに関わらず、小束Bの受け取り高さHを高く設定して供給機構11からの小束Bの落下距離を短くすることが可能となる。したがって、供給機構11からの小束Bの落下距離を短くすることが可能となり、積載台12との衝突に起因する長尺材の損傷や乱れを抑制することができる。
【0038】
また、供給機構11の供給位置設定部19によって、搬送コンベア18から受け取った小束Bを、積載台12上における小束Bの並列方向の各載置位置の上方に位置づけた後、当該小束Bを前記積載台12に落下させているので、特許文献1の技術のように、小束Bを各列毎に区画する櫛歯を備えていなくても小束Bを並列した状態で複数段に積載することができる。したがって、積載台12上で大きな隙間をあけることなく小束Bを並列させることができ、大束を結束した後の荷姿の崩れが生じることも少なくなる。
【0039】
また、昇降機構13は、支軸53回りに揺動自在に設けられた揺動フレーム54を備え、この揺動フレーム54の先端部に積載台12を備えているので、積載台12の昇降に要するスペースや昇降機構13の配置スペースを上下方向に小さくすることが可能となり、工場内で集積装置10を設置するためのピットを浅く形成することを可能にし、設備の基礎工事費用等を低減することができる。
規制機構15は、一対の規制部材79,80の間隔が拡縮可能に構成されているので、積載台12上に並列させる小束Bの数や大きさを変更することが可能となる。
【0040】
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。例えば、図5〜図7に示した供給位置設定部19の動作において、支持台23は、搬送コンベア18から小束Bを受け取るときに、最大にまで進出する場合(図5(a)参照)と、途中まで進出する場合(図6(a)、図7(a)参照)との複数の形態をとっているが、常に最大にまで進出するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施の形態である長尺材の集積装置の側面図である。
【図2】図1に示される集積装置の平面図である。
【図3】図1に示される集積装置の支持手段を示す側面図である。
【図4】図1に示される集積装置の位置設定手段を示す側面図である。
【図5】図1に示される集積装置の動作を説明するための側面図である。
【図6】図1に示される集積装置の動作を説明するための側面図である。
【図7】図1に示される集積装置の動作を説明するための側面図である。
【図8】図1に示される集積装置の動作を説明するための側面図である。
【図9】図1に示される集積装置の動作を説明するための側面図である。
【符号の説明】
【0042】
10 集積装置
11 供給機構
12 積載台
13 昇降機構
14 搬送機構
18 搬送部
19 供給位置設定部
21 支持手段
22 位置設定手段
23 支持台
38 プッシャー部材(位置設定具)
54 揺動フレーム
55 駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺材を束ねた複数の小束を上下方向複数段に積載可能な積載台と、
前記積載台の上方に配置され、当該積載台に小束を落下させて供給する供給機構と、
前記供給機構から供給された小束を前記積載台上又は既に前記積載台に載置された小束上で受け取るときに、前記積載台の上面又は既に前記積載台に載置された小束の上面を一定の受け取り高さに位置づけるように前記積載台を昇降させる昇降機構と、
前記積載台の下方に配置され、前記昇降機構によって前記積載台を下降させることにより前記積載台上の小束群を受け取って搬送する搬送機構と、を備えていることを特徴とする長尺材の集積装置。
【請求項2】
前記積載台は、複数の小束をその長手方向に直交する方向に並列させた状態で上下方向複数段に積載可能であり、
前記供給機構は、小束をその長手方向に直交する方向に搬送する搬送部と、この搬送部から受け取った小束を、前記積載台上における小束の並列方向の各載置位置の上方に位置づけた後、当該小束を前記積載台に落下させる供給位置設定部とを備えている請求項1に記載の長尺材の集積装置。
【請求項3】
前記供給位置設定部は、前記搬送部の搬送終端から搬送方向に進退移動可能であり、且つ、進出したときに搬送装置から搬送された小束を受け取って支持し、後退したときに支持した小束を落下させることが可能な支持台と、
搬送部の搬送終端から搬送方向に進退移動可能であり、且つ、進出したときに前記支持台によって支持された小束を搬送方向に移動させ、前記積載台上における小束の並列方向の各載置位置に小束を位置づける位置設定具とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の長尺材の集積装置。
【請求項4】
前記昇降機構は、水平な支軸回りに揺動自在に設けられ、先端部に前記積載台を備えた揺動フレームと、この揺動フレームを揺動させる駆動部とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の長尺材の集積装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−298540(P2009−298540A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154231(P2008−154231)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(391029624)滝川工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】