説明

閉ループ構成における認証および追従可能性

本発明は、閉ループ型のレセプタクル構成の認証および追跡可能性を有したシステムに関するものでり、所定位置における部材用レセプタクルの存在または欠如を自動的に検出するのに使用することができる。そのようなレセプタクルは、部材用リールまたは部材用トレーまたは部材用ラックまたは構成部材を搬送し得る他のレセプタクルとされる。構成部材は、処理および/または操作に供される。システムは、さらに、検出されたレセプタクルを自動的に検出し得るとともに、関連づけられた構成部材パラメータに基づいてそれぞれの検出位置において認証することができる。システムは、さらに、検出された位置からのそのレセプタクルの移動を追跡し得るとともに、必要に応じて、構成部材パラメータを更新することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス内における様々な部材を操作するための自動化装置およびシステムに関するものであり、より詳細には、例えばフィーダ上の部材用リールといったような所定位置に対しての部材の到達や出発を自動的に検出するための閉ループシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、異なる機器供給業者が、それらの構成部材配置機器のための認証システムを提供している。これらのシステムは、所与の製品を製造するために、適正な供給位置で適正な部品番号の構成部材が使用されていることを認証し得るよう構成されている。これらの認証システムの大部分は、完全な閉ループではなく、操作者によるある程度のレベルの介在が必要であり、潜在的なミスの原因になっている。例えば、これらのシステムにおいては、典型的には、操作者が、例えばリールやトレーといったような選択された部材を保持するレセプタクルと、それらが取り付けられているフィーダと、の間にわたって関連づけることを必要とする。フィーダが機械に対して取り付けられた後には、フィーダ位置またはフィーダスロットが読み出されあるいは検出され、フィーダスロットをフィーダに対してそして間接的にレセプタクルや構成部材に対してリンクさせることにより、認証プロセスが実施される。
【0003】
Cogiscan Inc.社という名称で2001年11月1日に発行された国際公開第01/82009号には、配置機械上の適正な位置で適正な構成部材が使用されていることを認証することができるだけでなく、アセンブリライン上のすべての機械上で適切なツールや化学薬品やプログラムが使用されていることを認証する方法を提供するライン認証システムが開示されている。このシステムは、開ループ構成で動作している。この国際公開第01/82009号は、Monette 氏他による2003年6月5日に公開された、米国特許出願公開第2003/0102367号に対応している。この文献の記載内容は、参考のため、その全体がここに組み込まれる。
【0004】
Cogiscan Inc.社という名称で2004年8月19日に発行された国際公開第04/70484号には、構成部材配置機械上におけるフィーダスロットまたは位置に対してのフィーダの到着や出発を認証し得るフィーダ検出システムを自動的に提供することが、開示されている。開示されたシステムにおいては、操作者は、部材用リールと、それらが取り付けられたフィーダと、の間にわたって関係付けを行う必要があり、これにより、認証システムを実施する。
【0005】
したがって、閉ループ型で検出や識別や認証を行うシステムが、上記のシステムに関する上記欠点や他の欠点を解決するために、必要とされている。すなわち、構成部材および/または構成部材レセプタクルの識別プロセスや認証プロセスに対しての操作者の介在を低減させることができ、それにより、そのような介在に起因する潜在的なミスを低減させ得るような、閉ループシステムが、要望されている。
【特許文献1】国際公開第01/82009号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0102367号明細書
【特許文献3】国際公開第04/70484号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の目的は、製造プロセス内の所定位置における構成部材の有無を検出し得るような、閉ループ型のレセプタクル検出システムを提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、製造プロセス内の様々な位置において構成部材を観測し得るような、閉ループ型の方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、製造プロセス内において構成部材を閉ループ型で操作し得るような、装置を提供することである。
【0009】
したがって、本発明においては、製造プロセスにおける所定位置においてレセプタクルの存在を観測するのに使用するための閉ループ型のレセプタクル検出システムであって、レセプタクルが、製造プロセスにおいて使用される構成部材を搬送するためのものであるとともに、製造プロセスに対して構成部材を供給するためのものであり、システムが、各レセプタクル上における少なくとも1つの検出可能部材と、各位置において検出可能部材を検出し得るよう構成された少なくとも1つの読取器と、を具備し、読取器が、各位置においてレセプタクルの存在を自動的に検出するようになっているシステムが、提供される。
【0010】
本発明のさらなる一般的な見地においては、製造プロセス内の様々な位置において構成部材を観測するための閉ループ型の方法であって、構成部材が専用のレセプタクルによって搬送される場合に、
a)レセプタクルごとに少なくとも1つの読取可能なタグを設けるとともに、様々な位置からタグを検出して読み取り得るよう構成された少なくとも1つの読取器を設け;
b)所定レセプタクルに関連した各タグに対してレセプタクル識別子を割り当てるとともに、各タグに、レセプタクルによって搬送される構成部材の識別特性を付与し;
c)少なくとも1つの読取器を使用して、様々な位置におけるレセプタクルの存在を検出し;
d)識別子に基づいて各位置における構成部材を識別し、これにより、構成部材を観測する;
という方法が提供される。
【0011】
本発明のさらに他の一般的な見地においては、製造プロセスにおいて構成部材を閉ループ的に操作するために装置であって、様々な構成部材が、製造プロセスのために、それぞれ対応する部材用レセプタクルによって供給され、各レセプタクルが、それぞれタグを備え、装置が、処理ステーションと、少なくとも2つの構成部材導入位置と、観測ステーションと、を具備し、各導入位置が、観測ステーションと通信する少なくとも1つの読取器を備え、各読取器が、タグを検出し得るよう構成され、これにより、所定位置における所定レセプタクルの存在を自動的に検出して、観測ステーションに対してそのレセプタクルの存在を通信する装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上記においては、本発明の特徴に関して一般的に説明したけれども、以下においては、本発明に関し、本発明のいくつかの実施形態を例示している添付図面を参照して、説明する。
【0013】
本発明は、構成部材の追跡プロセスおよび認証プロセスに対して閉ループ型の解決手段を提供するという点において、上記国際公開第01/82009号パンプレットに開示されているライン認証システムを拡張したものであり、また、上記国際公開第04/70484号パンプレットに開示されているフィーダ検出システムを拡張したものである。本発明による解決手段は、本発明の一部をなすとともに利点をもたらし得る様々な独自の特徴点が含まれている。
【0014】
本発明において開示されるシステムにおいては、供給領域におけるフィーダに対しての対象物の到着および出発を識別するための認証する自動化手段を使用する。これら対象物は、限定するものではないけれども、例えば、選択された構成部材を内部にあるいは上部に保持するために使用されるような、部材用リールやトレーやラックといったようなレセプタクルとすることができる。レセプタクルは、供給領域においては、フィーダによる構成部材に対するアクセスを可能とする。供給領域は、複数の位置と、これら位置に対して選択的に結合された複数のフィーダと、を備えることができる。本発明を利用することにより、どの位置においてフィーダが使用されているがということや、検出可能なレセプタクルに関連づけられて保持されたどの構成部材が各フィーダによって供給されているかということを、自動的に識別する認証することができる。
【0015】
さらに、本発明において開示されるシステムにおいては、材料やツールや処理用化学薬品のための任意の貯蔵領域または処理領域に対しての対象物の到着および出発を識別し得る同様の自動化手段を使用することができる。
【0016】
より詳細には、典型的な構成部材配置機械は、1つまたは複数の供給領域を備えている。各供給領域は、機械の供給業者に応じて、それぞれの位置において、いくつかのフィーダやフィーダバンクを保持することができる。各フィーダは、典型的には、1つまたは複数の構成部材用のテープおよびリール、または、構成部材用の1つまたは複数のトレー、または、内部または上部に構成部材を保持し得るような他の任意のタイプのレセプタクル、を保持している。システムについての以下の説明は、構成部材がテープおよびリールという形態でパッケージされた構成部材を含有したフィーダが設けられている構成部材配置機械に関する特定の場合についてなされているけれども、同じシステムを使用して、トレーやラックや類似物内にパッケージされた構成部材を取扱い得ることは、容易に理解されるであろう。
【0017】
システムに対して自動的な検出手段および識別手段を提供し得るよう、例示された実施形態においては、無線周波数識別(RFID)技術を使用する。実際、RFID技術は、レセプタクルの識別や構成部材の自動化認証に関して例えばレセプタクル交換時やレセプタクル変更時といったような場合に操作者の介在を排除する優れた方法を提供するという点において、特に興味深いものでありシステムを効率化する。
【0018】
バーコードラベルや他のそのような識別システムとは異なり、RFID技術は、操作者による介在を行うことなく、自動的に実施することができ、様々なデータ読取操作や書込操作や変更操作や他の操作を行うことができる。一般に、RFIDシステムは、2つの構成部材を具備している。すなわち、中継器と、インタロゲータあるいは読取器と、を具備している。中継器は、認識すべき対象物上に配置される。読取器は、構成に応じてまた使用されている技術に応じて、読取デバイスとすることも、また、書込/読取デバイスとすることも、できる(ここで、通常的な語法と同じく、データ取得デバイスが、読取だけを行う場合であってもまた読取と書込との双方を行う場合であっても、常に、読取器と称されることに注意されたい。)。
【0019】
中継器は、RFIDシステムの実際のデータ搬送デバイスを構成するものであって、通常は、結合部材(例えばアンテナ)と、電子マイクロチップと、を備えている。長距離にわたってのRF通信が通常は必要とはされないこのタイプのシステムにおいては、中継器は、通常、受動的なものである(直接的な電圧供給/バッテリは、必要ではない)。言い換えれば、中継器は、読取器の読取領域の中にあるときにだけ、駆動される。中継器を駆動するのに必要な電力は、結合ユニットを通して読取器によって中継器に対して伝達される実際のタイミングパルスとデータとによって、中継器に対して供給される。このシステムにおいては、また、能動的な中継器を使用することもできる。
【0020】
中継器は、さらに、電子デバイスおよび関連結合素子のための保護パッケージを備えている。識別すべき対象物に対しての中継器の取付を容易なものとし得るよう、中継器を機械的構造に対して一体化し得ることは、理解されるであろう。取付方法は、各用途に関しての実用性とコスト面とを考慮して、一時的なものともまた恒久的なものとも、することができる。
【0021】
インタロゲータすなわち読取器は、構成に応じておよび使用されている技術に応じて、読取デバイスとすることも、また、読取/書込デバイスとすることも、できる。読取器は、典型的には、無線周波数モジュール(送信器および受信器)と、制御ユニットと、結合素子(例えば、アンテナ)と、を備えている。これにより、中継器に対しての無線通信を行うことができる。読取器は、各中継器に対して設けることができる。あるいは、単一の読取器カードを使用することによって、この読取器カードに対して接続された複数の読取器アンテナに対しての複数の通信を行い得るとともに、複数の中継器に対しての通信を行うことができる。多重式のカードを使用する場合には、複数の中継器と単一の読取器とが通信を行うことができ、これにより、与えられたシステムにおいて必要とされるハードウェア部材の数を減らすことができる。最後に、複数の読取器、および/または、複数の読取器カードは、追加的な通信インタフェース(例えば、パラレルポートまたはシリアルポート)を有することができる。これにより、他のシステムやネットワークステーション(例えば、PC、ロボット制御システム、ローカルデータベース、グローバルデータベース、ローカル観測ステーション、遠隔観測ステーション、その他)に対してデータを伝送することができる。
【0022】
上述したように、RFID技術は、対象物の認識および認証プロセスを実施するに際しての、効果的な手段を提供する。当業者には明らかなように、本発明の一般的範囲および特性を逸脱することなく、開示されたシステムにおいて同様の結果をもたらし得るような他の技術を使用することもできる。
【0023】
さて、図1を参照して、本発明の例示としての一実施形態に基づく、全体的に符号10によって示されているような、構成部材の検出と識別と認証のための閉ループシステムについて、説明する。
【0024】
図1においては、複数のステージまたはステーションS,S,S,S,S,Sを備えている製造プラントが、例示されている。この実施形態においては、ステージ S,S,S,S,S,S の各々は、例えば原材料および/または構成部材(例えば、部品、製品の一部、例えばPCB構成部材)といったような入力座のための導入部分と、処理操作部分(例えば、PCB製造)と、出力材料(例えば、組み立てられたCB)のための導出部分と、を備えている。観測制御データシステム12が、ステージ S,S,S,S,S,S の各々に対して一体化されたものとして、例示されている。これにより、各ステージにおいて処理すべき構成部材および入力材料を識別することができる。上述したように、構成部材および入力材料は、様々な識別情報を含有しているRFIDタグを有することができる。これらタグは、処理操作時にフィーダおよび/またはフィーダバンクを介してステーションに対して構成部材を保持して供給するためのレセプタクルに対して、付設することができる。
【0025】
システム12のいくつかは、共通の中央コントローラ14および関連データベース16を介して、互いにリンクすることができる。これに対し、例えばS といったような他のステーションは、独立型のステーションとして動作することができ、付加的には、専用のローカルネットワークまたはグローバルネットワークを介して、他のステーションとのデータ通信を行うことができる。これにより、互いにリンクした複数のシステム12は、局所的にステージS,S,S,S,S において収集されたデータと、専用のネットワークを使用してステージS において収集されたデータと、を共有することができる。しかしながら、当業者であれば、RFIDタグ内にデータ修正を書き込み得ることのために、そのような通信をネットワークを介して自動的に伝送する必要がないこと、および、プロセス時にはレセプタクルがステージからステージへと移動することのために、その後のステージへとデータを伝送する必要がないこと、を理解されるであろう。
【0026】
図2においては、各システム12は、有利には、様々な周辺機器に対してのインターフェースを有することができる。これにより、様々な応用に関連した多数のデータを収集することができる。読取器は、タグに含有されている情報を読み取り、読み取った情報を、コントローラおよび専用ソフトウェアに対して伝送する。これに代えて、読取器は、タグ内に書き込まれているタグシリアル番号を読み取り、読み取ったタグシリアル番号に関連する相互参照情報を、中央データベースまたはローカルデータベースへと伝送することができる。後者の方法を使用した場合には、タグ上に格納すべきデータ量と、読取器に対して伝送すべきデータ量とが、少なくて済む。その後、上記ソフトウェアを使用することにより、観測制御を行うことができ、以下のいずれかを行うことができる。
1)導出経路の決定。
2)各ステージにおいて消費されることとなる材料または構成部材または原材料の在庫管理。
3)各ステージにおける設備によって処理されることとなる入力材料または構成部材のうちの1つまたは複数のものに固有の処理設備構成。
4)構成部材のうちの少なくとも1つに関する品質。
5)環境に対する放出によって品質が変更してしまうような少なくとも1つの構成部材に関しての環境に対する放出。
【0027】
さらに図2に示すように、システム12は、様々なテスト装置に対してのインターフェースを有することができる。例えば、X線テストデバイスや、温度センサや、湿度センサや、経路選択デバイスや、設備構成デバイス、に対してのインターフェースを有することができる。これにより、適用可能なタスクを自動的に実行することができる。品質観測は、与えられた環境に関しての温度および湿度の観測や、環境に対しての構成部材の露出時間の観測、とすることができる。データ収集は、センサによって自動的に行うことができる、あるいは、収集したデータをシステム12内へと手動で入力することによって手動で行うことができる。
【0028】
品質観測は、例えば、湿気に敏感なデバイスや、例えば肉といったような腐敗しやすい製品や、例えばチーズといったような所定期間にわたってある種の環境に曝す必要のある他の食品や、電子部品どうしを組み立てるために使用される様々な接着剤、と関連して使用することができる。例えば、そのような接着剤は、通常はフリーザー内に保存され、所定の寿命を有している。
【0029】
接着剤は、フリーザーから取り出された後の所定期間の間しか使用することができない。接着剤は、限られた期間にわたってしか使用することができない。本発明において開示した構成部材の検出と識別と認証とを自動的に行うシステムと組み合わせつつ、様々なパラメータを観測することにより、プロセス観測の最適化が増強され、操作者の介在を最小とすることができる。さらに、様々な部材用レセプタクル上のRFIDタグは、定期的に品質評価データによって更新することができる。あるいは、様々な部材用レセプタクル上のRFIDタグは、その部材の処理につれてリアルタイムで更新することができる。あるいは、また、データは、与えられたレセプタクルの組または構成部材の組のシリアル番号と関連づけることができ、将来的な参照のために、ローカルデータベースまたはグローバルデータベース内で更新することができる。
【0030】
さらに、追加的なRFIDタグを、自動化を増強し得るよう、システム10内に組み込むことができる。例えば、ステージSで使用するツールを自動的に設定するに際しては、設備を、RFIDタグと一緒にタグとして付すことができる。これにより、コントローラ、および、関連するソフトウェアは、処理対象をなす構成部材を識別している部材用レセプタクル上のタグから得られるデータに基づいて設備を適切に構築することができ、そのような設備やツールを使用することができる。
【0031】
図3に示すように、中央コントローラ14は、さらに、データインテグレータ18と、観測制御プロセッサ20と、ディスプレイデバイス22と、を備えることができる。この場合、データインテグレータ18は、様々なシステム12によって収集された様々なデータを、有効かつ実用的な態様で、統合することができる。ディスプレイデバイス22により、操作者は、システム12によって収集されたデータに基づく所定の情報を容易に得ることができる。
【0032】
加えて、複数のコントローラおよび複数のデータベースは、1つのグローバル観測ネットワークシステムへと統合することができる。このグローバル観測ネットワークシステムは、プロセス内のあらゆるステップに対しての全体的なアクセスを提供するとともに、グローバルな追跡観測データベースに対してのアクセスを提供する。そのようなグローバルシステムを使用することにより、例えば、効率的な実施と、生産性の測定と、様々な在庫追跡および観測、を行うことができる。
【0033】
図4に示す例示としての実施形態においては、システム10は、構成部材配置ステーションSのところにおける構成部材および材料の認証のために使用されている。とりわけ、プリント回路基板(PCB)の製作のための構成部材配置機械30において使用されている。上述したように、また、当業者には明らかなように、システム10は、また、他のタイプの構成部材配置機械に対して使用することができる、または、対象物の識別や追跡や認証を行うことに興味を有した他のタイプのすべての用途において使用することができる。
【0034】
図4においては、構成部材配置機械30を使用することにより、この機械30に対して取り付けられた一組をなす部材用リール32によって機械30に対して供給される一連の構成部材に基づいて、PCBが製造される。図示の例においては、機械30は、供給領域34と、処理ステーション36と、を備えている。処理ステーション36は、例えばLCDスクリーン38などといったような、付加的なプロセス観測用の周辺機器を備えている。ステーションSには、さらに、付加的なローカルシステム観測ステーション40を設けることができる。この観測ステーション40により、全体的な製造プロセスを観測したり、材料やプロセスに関する様々なデータベースに対してアクセスしたり、ネットワーク化された他の観測処理ステーションに対してアクセスしたり、することができる。
【0035】
図5および図6に示すように、部材用リール32は、一般に、それぞれのフィーダ42に対して取り付けられている。各フィーダ42自体は、図示の例においては、互いに異なるフィーダバンク44内に組み込まれている。フィーダバンク44は、選択された機械30の供給領域34に対して組み込まれている。これにより、リール32上の構成部材を、機械30に対して供給することができ、これにより、PCBを順次的に製造することができる。
【0036】
図6に示すように、リール32は、フィーダ42上のそれぞれ対応するリールスピンドル46に対して取り付けることができる。したがって、リール32上に巻回される部材用テープ上に配置された構成部材を、フィーダ42および/またはフィーダバンク44を介して、機械30に対して供給することができる。与えられたリール32上のすべての構成部材を使い終わった際には、新たなリール32を、その代わりに使用することができる。当業者であれば、本発明によるシステム10において、他のリール取付手法や他の供給方法を使用し得ることは、容易に理解されるであろう。また、例えば部材用のトレーやラックやホルダといったような他のタイプの部材用レセプタクルを、使用することができる。
【0037】
閉ループでの検出と識別と認証とを行うプロセスを実行するために、システム10内の各リール32は、図示の例においては、識別のためのRFIDタグ48を有している。上述したように、これらRFIDタグまたは中継器48は、通常は受動的なものであり、ローカルデータベースまたはグローバルデータベース内に格納された構成部材情報に対しての相互参照のために使用される様々な構成部材データ(部品番号、ロット番号、供給業者、量、その他)または構成部材シリアル番号を格納するための電子チップと、読取器と無線通信するための電子的結合デバイス(例えば、アンテナ)と、を備えている。タグ48に対するデータ入力は、例えば、キーボードからの手動入力によって、あるいは、リール32上のバーコードフォーマット内の情報を読むことによって、行うことができる。構成部材の製造業者によってタグ48内に導入された情報は、あるいは、PCB製造処理プラントへの導入時にタグ48内に導入された情報は、静的なものすなわち製造プロセスにわたって不変のものとすることも、また、タグに対してインターフェースを介して相互作用している読取器によってプロセス最中に自動的に変更して更新することも、できる。
【0038】
与えられたプロセスの最中にリール32を観測するために、一組をなす複数のアンテナを、選択された機械30内のそれぞれの位置またはフィーダスロットに対して各々が関連づけられたものとして、設けることができる。これにより、リールに付設されたタグ48に対してのインターフェースとして機能し得るとともに、システム10に対して識別および認証のためのデータを提供することができる。例えば、リール32が機械30上の特定のフィーダ42に対して取り付けられている際には、あるいは、少なくとも1つのリール32を保持しているフィーダ42またはフィーダバンク44が特定のフィーダスロット内に取り付けられている際には、関連するアンテナは、リール32の存在を検出するとともに、システム10に対して、リールの存在と、タグ48に格納されたデータと、を通信する。同様に、リール32またはフィーダ42またはフィーダバンク44が、所定の位置から外れた際には、アンテナは、タグ48の存在の検出を中止し、これにより、リール32が所定範囲から移動してしまったことを示す。
【0039】
各アンテナが所定のフィーダスロットに対して関連していることにより、機械30において実施される観測ソフトウェアは、適切なリール32が機械30内の適切な位置で使用されていることを認証することができる。さらに、その観測ソフトウェアは、リールの識別を行うことができ、これにより、追跡可能性データベースを構築することができる。そのようなデータベースは、ローカルなものとすることも、また、ローカルネットワークまたはグローバルネットワークを介して様々な処理ステーションと観測ステーションとの間にわたって共有されたものとすることも、できる。さらに、フィーダ位置ごとに機械から構成部材の消費状況を得ることにより、あるいは、製造したPCBの数と、各位置から要求された構成部材の数と、を知ることにより、そのソフトウェアは、任意の与えられたリール32が機械30から取り外される際にそのリール上の構成部材の量を更新することができる。また、与えられた製品を製造するために使用されたレセプタクルからの製品を追跡して記録することもできる。
【0040】
機械30といったような機械内においてシステム10を実施するために、図4に示すように、RFIDタグ48は、フィーダ42のスピンドル46上にリール32を取り付けるために使用されている穴50の周囲において、各リール32上に配置することができる。加えて、各フィーダ42のスピンドル46は、RFIDタグ48との短距離通信のためのスピンドルアンテナによって代替することができる。ここで開示した範囲および特性を逸脱することなく、タグ/読取器に関しての他の配置および構成が可能であることは、容易に理解されるであろう。
【0041】
リールタグ48と機械30とシステム10との間にわたって通信を行い得るよう、選択されたグループをなす複数のアンテナは、例えばフィーダバンク44を形成しているフィーダ42の複数のアンテナは、フィーダ42の結合後に、機械30内の多重式RF読取器カードに対して電気的に接続することができる。この電気的接続を行うに際しては、ワイヤを、アンテナと読取器カードとの間にわたって手動で接続することができる、あるいは、いくらかの機械的手段によって接続を自動的に行うことができる。例えば、スプリングが付設されたピン、あるいは、ポーゴーピン、を使用することにより、フィーダ42またはフィーダバンク44のアンテナからのコネクタを、機械の読取器カードからの対応コネクタに対して、接続することができる。これに代えて、フィーダ42またはフィーダバンク44に付設された自動調心コネクタと、機械30に対して付設された自動調心コネクタと、によって、読取器回路を完成することができる。さらなる選択肢においては、RF読取器を、各位置ごとに使用することができる。例えば、機械30上の各フィーダの位置ごとに、または、各フィーダ42自体上において、使用することができる。これにより、多重化アンテナの必要性を除去することができる。また、多重式読取器カードを、あらゆるフィーダバンク44に対して、組み合わせることができる。これにより、フィーダバンク上のフィーダ42の様々なアンテナに対する通信を統合することができ、単一のフィーダバンクコネクタを使用することによって通信を機械30全体へと広げることができる。当業者であれば、ここで開示した範囲を逸脱することなく、アンテナやRF読取器や読取器カード構成の数や構成を変更し得ることは、理解されるであろう。
【0042】
例えば、図6および図7に示す実施形態においては、アンテナワイヤ52といったようなアンテナワイヤを、フィーダ42のフィーダアーム64の長さ全体にわたって広げることができ、専用のコネクタ55に対してその端部を連結することができる。フィーダ42またはフィーダバンク44が機械30に対して一体化されている場合には、機械30内における一組をなす対応する複数のコネクタは、自動調芯することができ、機械30内のそれぞれのRF読取器または多重式RF読取器カードと通信することができる。これにより、識別プロセスと認証プロセスとを実行することができる。
【0043】
他の例においては、読取器を、各フィーダ42に対して接続することができ、ローカルバッテリによってまたは電源によって電力を供給することができる。それぞれのフィーダ42上に取り付けられたリール32のタグ48内に格納されたデータは、各読取器のアンテナによって検出され、例えばブルートゥース(登録商標)や無線イーサネット(登録商標)や無線RS−232(登録商標)や他の従来的プロトコルといったような無線通信技術を使用して、システム10に対して通信を行うことができる。このように、所定の読取器42上のリール32の位置は、すべての時刻において、システム10において利用することができる。その場合、フィーダ42の位置を検出することができ、リール32の位置を、様々な検出および/または識別手段を使用して、特定の供給領域または貯蔵領域と関連づけることができる。そのようなフィーダ検出手段は、それぞれ個別のフィーダタグおよびシステム読取器を備えることができる、あるいは、与えられた位置において、フィーダ42を固定するための様々な検出可能なロック機構を備えることができる。この例においては、また、様々なグルーブをなす複数のフィーダ42および/またはフィーダバンク44に関して、アンテナ多重化技術および組合せ技術を適用することができる。
【0044】
図8Aおよび図8Bに示す代替可能な実施形態においては、機械30は、Siemens 社の採取配置供給リール100と一緒に使用されている(後述の原理は、また、採取配置供給トレーおよび他の同様のシステムの使用に関して、適用される)。このシステムにおいては、リール100は、フィーダラック102内に配置されている。リール100のホルダ104は、ホルダ104をフィーダラック102内に保持した状態で、任意の時点で、リール100を新たなリールへと交換することができる。
【0045】
この実施形態においては、RFIDタグは、なおも、リール100のスピンドル穴の周囲に設けられており、対応するアンテナが、個々のホルダ104のスピンドル108を貫通して設けられている。図示の例においては、アンテナワイヤが、アンテナを、ホルダコネクタ106に対して、接続している。これにより、ホルダ104が下位置(図8Bにおける実線)に位置したときには、ホルダコネクタ106と、対応ラックまたは機械コネクタ110と、それらの間のデータ伝送のための読取器と、が接触する。ホルダ104が上位置(図8Bにおける仮想線)にあって、リール100をラック102の外部で交換可能とされた際には、コネクタ106,110間の接続が切断され、通信が途絶える。これにより、選択されたリール100が、プロセスから除去されたことが示される。ホルダ104が再び下げられ、読取器回路が再起動された際には、設けられている場合には、新しいリール100の識別と認証とを、再び実施することができる。
【0046】
当業者であれば、本発明の一般的な範囲および特性を逸脱することなく、システムに対して他の同様の構成を適用し得ることは、理解されるであろう。特に、上記とは異なるような、構成部材配置機械やリール供給機構を使用することができる。とりわけ、様々な設備構成やシステム構成や仕様に対して適合させ得るよう、ワイヤやコネクタや読取器カードや場合によってはマルチプレクサやさらにそれらの間における様々な有線接続スキームおよび無線接続スキームの詳細な位置は、変更することができる。例えば、様々なアンテナやコネクタや読取器の位置および設置は、フィーダ上において、変更することができる。同様に、リール上における対応中継器の位置も、変更することができる。様々なコネクタおよび/またはで通信スキームおよび機構も、また、フィーダと機械とをリンクさせ得るよう、変更することができる。ハードウェアは、適切であるような様々な手段を使用することによって、様々なステーション構成部材内へと埋め込むことができる、あるいは、固定することができる、あるいは、結合することができる。
【0047】
図9に示すように、システム10は、リール32の自動的な識別および自動的な観測と、リール32上の構成部材の自動的な認証とを、連続的に(または、周期的に、または、定期的に)行うことができる。上述したように、第1ステップにおいては、リール32は、RFIDタグ48を有することができ、RFIDタグ48は、構成部材とプロセスとに関する情報であるか、あるいは、ローカルデータベースまたはグローバルデータベース内のプロセス情報および構成部材情報に対して相互参照するために使用されることとなる構成部材シリアル番号であるか、のいずれかを有している。その後、リール32は、それぞれ対応するフィーダ42上に取り付けることができる。各フィーダ42は、タグ48と通信するために使用されるアンテナ46を有している。その後、付加的に、フィーダ42は、フィーダバンク44内に組み込まれ、構成部材配置機械30に対して接続される。
【0048】
フィーダ42を機械30に対して接続した後に、本質的に機械30内における特定の供給位置と関連づけられている各フィーダアンテナが、位置に基づく検出を提供するとともに、リール32の識別を提供する。したがって、リールタグ48上に格納されたデータを、機械30に対して伝送することができ、認証プロセスを実施することができる。認証プロセスは、機械30によって直接的に実施することも、また、機械30と通信関係にある観測ステーションによって実施することも、できる。
【0049】
例えば、機械30または観測ステーションによって実施されるソフトウェアアルゴリズムにより、システム10は、すべてのフィーダ位置がフィーダ42によって占められており、適切な構成部材が供給されていることを、認証することができる。とりわけ、部品番号とロット番号とによって識別された部材用リール32が、特定の製造工程における要求に応じて、構成部材配置機械30内における適切なフィーダ位置にあることを、認証することができる。この認証は、製品切換操作時にあるいは通常製造時に行うことができ、また、空のリール32が交換する必要が生じた際に行うこともできる。所定のツールまたは所定の材料と、所定の位置と、の間におけるこの関連づけは、また、他の多くの応用において使用することもできる。例えば、在庫や、物理的な位置、等、に関して使用することもできる。
【0050】
さらに、フィーダアンテナを使用することにより、(アクセス可能な参照データベース内における情報の更新とは個別的に)関連したリールタグ48上において直接的に、プロセス全体にわたって、部材用リール情報を更新することができる。例えば、構成部材がリール32から使用された際には、構成部材の量が減ることとなる。リールが、空になる前に取り外される場合には、選択されたリール32に関する量の値が、将来における使用のために、取外し時に更新することができる。この値は、リール32が一時的に貯蔵される場合に、有効なものとなる。その場合、その値は、在庫データベースにおいて使用され、同様のリール検出および識別システムを使用している専用の貯蔵位置に潜在的に関連づけられる。
【0051】
さらに、リール32の構成部材が、環境に対して敏感なものである場合には、すなわち、限定するものではないけれども、温度や、湿気や、機械30またはシステム10によって観測される他の同様の要因、によって影響を受けやすいものである場合には、構成部材の寿命および/または品質パラメータを、リール32の上においてリアルタイムで(または定期的にまたは周期的に)更新することができる。これにより、その後の応用において、リール32の使用を認証することができる。
【0052】
また、リールタグ48上における読取操作および書込操作は、フィーダ42の追加時や取外し時にあるいはフィーダバンク44全体の追加時や取外し時に、起動することができる。機械30内において所定のフィーダアンテナと対応するコネクタとの間の接続が失われた際には、システム10は、単一のフィーダ42から単一のリール32が取り外された時点で、更新と識別と認証とを実施することができる。
【0053】
したがって、本発明は、完全に閉ループをなす位置観測システムを提供するものであり、必要に応じて、認証特性をも提供する。本発明によるシステムは、操作者の介在とは無関係なものである(手動での走査や手動でのデータ入力は、不要である)。本発明によるシステムは、機械や設備の供給業者に固有のものではなく、そのため、異なる産業分野における異なるタイプのプロセスに対しても、容易に適用することができる。本発明によるシステムは、また、自動制御を実行する能力を提供しつつ、材料およびツールに関するリアルタイムでの位置を提供する。
【0054】
本発明につき、例示としての様々な実施形態に関して上述したけれども、上記説明は、本発明を何ら制限するものではない。上記説明に基づき、当業者であれば、上記様々な実施形態を様々に修正したり、あるいは、上記様々な実施形態を様々に組み合わせたり、し得ることは、自明である、したがって、本発明は、そのようなすべての任意の変形をも包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の例示としての実施形態に基づく多数の観測制御システムが付設された製造プラントを示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態に基づく観測制御システムを示すブロック図である。
【図3】図1の実施形態において、収集した情報を伝送して処理するための方法を示すブロック図である。
【図4】図1の実施形態に基づく閉ループ型の構成部材位置検出認識システムを具現したPCB製造ステーションの一例を概略的に示す図である。
【図5】図1の実施形態において、フィーダ上に取り付けられた部材用リールを概略的に示す斜視図である。
【図6】図1の実施形態において、フィーダバンク内においてそれぞれのフィーダ上に取り付けられた一組をなす複数の部材用リールを概略的に示す斜視図である。
【図7】図1の実施形態において、RFIDタグを有した部材用リールの一部を概略的に示す図である。
【図8A】本発明の代替可能な実施形態を示す図であって、リール供給ラックを示す正面図であり、内部に設置されているリールについては図示されておらず、また、リールホルダが、下位置とされた状態で、図示されている。
【図8B】本発明の代替可能な実施形態を示す図であって、図8Aのリール供給ラックにおける1つのリールホルダを示す側面図であり、リールが図示されているとともに、リールの上位置(仮想線)と、リールの下位置(実線)と、が図示されている。
【図9】図1の実施形態において、部材配置機械の様々な構成部材を示すブロック図であるとともに、内部における検出識別データの通信手法を示している。
【符号の説明】
【0056】
10 システム
12 システム
14 中央コントローラ
16 関連データベース
30 構成部材配置機械
32 部材用リール
34 供給領域
36 処理ステーション
40 観測ステーション
42 フィーダ
44 フィーダバンク
ステージ、ステーション
ステージ、ステーション
ステージ、ステーション
ステージ、ステーション
ステージ、ステーション
ステージ、ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造プロセスにおける所定位置においてレセプタクルの存在を観測するのに使用するための閉ループ型のレセプタクル検出システムであって、
前記レセプタクルが、製造プロセスにおいて使用される構成部材を搬送するためのものであるとともに、製造プロセスに対して前記構成部材を供給するためのものであり、
前記システムが、前記各レセプタクル上における少なくとも1つの検出可能部材と、各位置において前記検出可能部材を検出し得るよう構成された少なくとも1つの読取器と、を具備し、
前記読取器が、各位置において前記レセプタクルの存在を自動的に検出するようになっていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記各レセプタクルには、そのレセプタクルが搬送している構成部材に関連したレセプタクル識別子が割り当てられており、
前記システムが、さらに、識別手段を具備し、
これにより、所定位置において所定の読取器によって検出された所定のレセプタクルが、前記読取器によって識別されるようになっており、
これにより、前記識別子を、前記システム内の前記所定位置に対して関連づけし得るものとされていることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記識別子を使用することによって、認証手順を行うことができ、
この認証手順においては、構成部材が識別済みのレセプタクルによって所定位置へと不適切に供給されたものであるかどうかを決定することを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記システムが、RF技術を使用し、
前記読取器が、少なくとも1つのアンテナを備え、
前記検出可能部材が、少なくとも1つのRFタグを備えていることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムにおいて、
各位置に関して、少なくとも1つの前記アンテナが設けられ、
これにより、各アンテナが、各タグの存在を検出し得るものとされ、
これにより、所定位置にレセプタクルが存在するかどうかを決定し得るものとされていることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5記載のシステムにおいて、
前記RFタグが、各レセプタクルの識別子を格納するための回路を備え、
この回路が、関連する読取器のアンテナに対して前記識別子を伝送し得るものとされていることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6記載のシステムにおいて、
各読取器に関して、専用のデータ伝送回路が設けられ、
この回路が、前記システムに対して、結合したアンテナによって読み取られたデータを伝送することを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項6記載のシステムにおいて、
一群をなす互いに隣接した複数のアンテナに関して、多重化データ伝送回路が設けられ、
この回路が、前記システムに対して、結合した複数のアンテナによって読み取られた位置特定データを伝送することを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項6記載のシステムにおいて、
前記識別子を使用することによって、認証手順を行うことができ、
この認証手順においては、構成部材が識別済みのレセプタクルによって所定位置へと不適切に供給されたものであるかどうかを決定することを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステムにおいて、
各位置に、フィーダが設けられ、
各フィーダが、処理に供するため、それぞれ対応するレセプタクルから、構成部材を受領するものとされ、
各フィーダには、各フィーダに固有のアンテナが設けられ、
これらアンテナが、所定のレセプタクルの存在を自動的に検出することを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項10記載のシステムにおいて、
読取器が、前記各フィーダ上に取り付けられ、
前記読取器が、無線通信リンクを介して、前記システムと通信することを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項10記載のシステムにおいて、
読取器が、前記各フィーダ上に取り付けられ、
前記読取器が、有線通信リンクを介して、前記システムと通信することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項10記載のシステムにおいて、
前記レセプタクルが、部材用リールを備え、
前記フィーダが、前記部材用リールを前記フィーダ上に取り付けるためのスピンドルを備えていることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13記載のシステムにおいて、
前記検出可能部材が、前記リールに対して、スピンドル穴の周囲に取り付けられ、
前記フィーダ固有アンテナが、前記フィーダの前記スピンドルに設けられていることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項10記載のシステムにおいて、
前記各部材用フィーダが、特定のプロセス位置に対して関連づけられ、
所定のレセプタクルが、前記システム内の前記所定フィーダの前記特定位置に対して自動的に関連づけられることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項10記載のシステムにおいて、
前記システムが、さらに、特定の構成部材導入位置を備えた構成部材配置機械を具備し、
前記部材用フィーダが、前記特定の導入位置に結合され、
これにより、前記特定の導入位置の1つのところにおいて前記フィーダ上に取り付けられたレセプタクルが、その特定の導入位置に対して自動的に関連づけられることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16記載のシステムにおいて、
前記フィーダが、前記導入位置に対して着脱可能に結合され、
前記フィーダが、前記特定の導入位置に結合した時にだけ、前記システムに対して、前記レセプタクルの検出を通信することを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項17記載のシステムにおいて、
前記フィーダが、フィーダバンクとフィーダラックと採取配置フィーダラックとのうちの少なくとも1つを使用して、前記導入位置に対して着脱可能に結合されることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記レセプタクルが、部材用リールと、部材用トレーと、部材用ラックと、部材用ホルダと、のうちの少なくとも1つを備えていることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記位置が、構成部材処理機械内の構成部材供給領域と、構成部材貯蔵領域と、構成部材調整領域と、のうちの少なくとも1つとされていることを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項2または18記載のシステムにおいて、
前記識別子を使用することにより、追跡手順を行うことがで、
この追跡手順においては、各識別済みレセプタクルに関する追跡ログを編集することを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項21記載のシステムにおいて、
前記各追跡ログが、現在のレセプタクル位置と、以前のレセプタクル位置と、前記レセプタクルによって搬送されている構成部材の量と、前記レセプタクルによって搬送されている構成部材の品質と、前記レセプタクルによって搬送されている構成部材の予想寿命と、前記識別済みレセプタクルから抽出された構成部材を備えた導出製品に関するリストと、のうちの少なくとも1つを備えていることを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項21記載のシステムにおいて、
前記追跡ログを使用することにより、システムに関する構成部材の在庫が更新されるようになっていることを特徴とするシステム。
【請求項24】
製造プロセス内の様々な位置において構成部材を観測するための閉ループ型の方法であって、
構成部材が専用のレセプタクルによって搬送される場合に、
a)レセプタクルごとに少なくとも1つの読取可能なタグを設けるとともに、様々な位置から前記タグを検出して読み取り得るよう構成された少なくとも1つの読取器を設け;
b)所定レセプタクルに関連した各タグに対してレセプタクル識別子を割り当てるとともに、各タグに、レセプタクルによって搬送される構成部材の識別特性を付与し;
c)前記少なくとも1つの読取器を使用して、前記様々な位置における前記レセプタクルの存在を検出し;
d)前記識別子に基づいて各位置における構成部材を識別し、これにより、構成部材を観測する;
ことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法において、
RF技術を使用し、
前記少なくとも1つの読取器を、少なくとも1つのアンテナを備えたものとし、
前記タグを、RFタグを備えたものとすることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法において、
各位置に関して、少なくとも1つの前記アンテナを設け、
これにより、所定の位置において、各アンテナによって、その位置におけるタグの存在を検出可能とし、
これにより、その位置にレセプタクルが存在するかどうかを決定可能とすることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法において、
前記RFタグを、前記識別子を格納するための回路を備えたものとし、
この回路によって、関連する読取器のアンテナに対して前記識別子を伝送することを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27記載の方法において、
各読取器に関して、専用のデータ伝送回路を設け、
この回路によって、前記データ伝送回路が通信しているデータ観測ステーションに対して、結合したアンテナによって読み取られたデータを伝送することを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項26記載の方法において、
一群をなす互いに隣接した複数のアンテナに関して、多重化データ伝送回路を設け、
この回路によって、前記データ伝送回路が通信しているデータ観測ステーションに対して、結合した複数のアンテナによって読み取られた位置特定データを伝送することを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項24〜29のいずれか1項に記載の方法において、
各位置に、部材用フィーダを設け、
各部材用フィーダを、処理に供するため、それぞれ対応するレセプタクルから、構成部材を受領するものとし、
各フィーダに、読取器を関連づけ、これにより、レセプタクルの存在を自動的に検出することを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項30記載の方法において、
前記レセプタクルを、部材用リールを備えたものとし、
前記フィーダを、前記部材用リールを前記フィーダ上に取り付けるためのスピンドルを備えたものとし、
前記タグを、前記リールに対して、スピンドル穴の周囲に取り付け、
フィーダ固有アンテナを、前記フィーダの前記スピンドルに設けることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項31記載の方法において、
前記各部材用フィーダに対して、特定のプロセス位置を関連づけし、
前記ステップd)において、レセプタクルを、前記システム内の前記所定フィーダの前記特定位置に対して自動的に関連づけすることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32記載の方法において、
前記特定プロセス位置を、構成部材配置機械の供給領域内の位置を備えたものとし、
前記ステップc)において、前記フィーダによって、レセプタクルが内部に取り付けられた時にだけ、前記機械に対して、そのレセプタクルの検出を通信することを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法において、
前記フィーダを、フィーダバンクとフィーダラックと採取配置フィーダラックとのうちの少なくとも1つを使用して、前記供給領域内において選択的に取り付けられたものとすることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項24記載の方法において、
前記レセプタクルを、部材用リールと、部材用トレーと、部材用ラックと、部材用ホルダと、のうちの少なくとも1つを備えたものとすることを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項24記載の方法において、
さらに、e)構成部材の認証ステップを行い、
この認証ステップにおいては、構成部材が識別済みのレセプタクルによって所定位置へと不適切に供給されたものであるかどうかを決定することを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項24記載の方法において、
前記位置を、構成部材処理機械内の構成部材供給領域と、構成部材貯蔵領域と、構成部材調整領域と、のうちの少なくとも1つとすることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項24または37記載の方法において、
さらに、e)追跡ステップを行い、
この追跡ステップにおいては、各識別済みレセプタクルに関する追跡ログと各レセプタクルによって搬送されている構成部材に関する追跡ログとを編集し、
前記各追跡ログを、現在のレセプタクル位置と、以前のレセプタクル位置と、前記レセプタクルによって搬送されている構成部材の量と、前記レセプタクルによって搬送されている構成部材の品質と、前記レセプタクルによって搬送されている構成部材の予想寿命と、前記識別済みレセプタクルから抽出された構成部材を備えた導出製品に関するリストと、のうちの少なくとも1つを備えたものとすることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項38記載の方法において、
さらに、f)前記追跡ログを使用することにより、構成部材の在庫を更新することを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項24記載の方法において、
前記タグの前記識別特性を、少なくとも1つの特性が変更された際に、通信を行っている読取器によって、更新することを特徴とする方法。
【請求項41】
製造プロセスにおいて構成部材を閉ループ的に操作するために装置であって、
様々な構成部材が、製造プロセスのために、それぞれ対応する部材用レセプタクルによって供給され、
各レセプタクルが、それぞれタグを備え、
前記装置が、処理ステーションと、少なくとも2つの構成部材導入位置と、観測ステーションと、を具備し、
各導入位置が、前記観測ステーションと通信する少なくとも1つの読取器を備え、
各読取器が、前記タグを検出し得るよう構成され、これにより、所定位置における所定レセプタクルの存在を自動的に検出して、前記観測ステーションに対してそのレセプタクルの存在を通信することを特徴とする装置。
【請求項42】
請求項41記載の装置において、
レセプタクルに関連する各タグには、レセプタクル識別子が割り当てられ、
レセプタクル識別子には、レセプタクルによって搬送されている構成部材の識別特性が付与されており、
前記読取器が、前記レセプタクルの存在を検出した際には、前記観測ステーションに対して、前記レセプタクルの存在と、そのレセプタクルに関する前記識別子と、の双方を自動的に通信することを特徴とする装置。
【請求項43】
請求項42記載の装置において、
前記観測ステーションが、受領した前記識別子を使用することにより、認証プロトコルを実施し、
この認証プロトコルにおいては、構成部材が識別済みのレセプタクルによって所定位置へと不適切に供給されたものであるかどうかを決定することを特徴とする装置。
【請求項44】
請求項43記載の装置において、
前記読取器が、少なくとも1つのRFアンテナを備え、
前記検出可能部材が、少なくとも1つのRFタグを備えていることを特徴とする装置。
【請求項45】
請求項44記載の装置において、
各位置に関して、少なくとも1つの前記アンテナが設けられ、
これにより、各アンテナが、対応する位置において、各タグの存在を検出し得るものとされ、
これにより、所定位置にレセプタクルが存在するかどうかを決定し得るものとされていることを特徴とする装置。
【請求項46】
請求項45記載の装置において、
前記RFタグが、各レセプタクルの識別子を格納するための回路を備え、
この回路が、関連する読取器のアンテナに対して前記識別子を伝送し得るものとされていることを特徴とする装置。
【請求項47】
請求項46記載の装置において、
各読取器に関して、専用のデータ伝送回路が設けられ、
この回路が、前記観測ステーションに対して、結合したアンテナによって読み取られたデータを伝送することを特徴とする装置。
【請求項48】
請求項47記載の装置において、
一群をなす互いに隣接した複数のアンテナに関して、多重化データ伝送回路が設けられ、
この回路が、前記観測ステーションに対して、結合した複数のアンテナによって読み取られた位置特定データを伝送することを特徴とする装置。
【請求項49】
請求項48記載の装置において、
前記識別子を使用することにより、前記観測ステーションが、認証プロトコルを行い、
この認証プロトコルにおいては、構成部材が識別済みのレセプタクルによって所定位置へと不適切に供給されたものであるかどうかを決定することを特徴とする装置。
【請求項50】
請求項43〜49のいずれか1項に記載の装置において、
各位置に、部材用フィーダが設けられ、
各部材用フィーダが、各部材用フィーダ上に取り付けられたそれぞれのレセプタクルから、処理ステーションへと、構成部材を搬送し、
各フィーダには、各フィーダに固有のアンテナが設けられ、
これらアンテナが、所定のレセプタクルの存在を自動的に検出することを特徴とする装置。
【請求項51】
請求項50記載の装置において、
前記レセプタクルが、部材用リールを備え、
前記フィーダが、前記部材用リールを前記フィーダ上に取り付けるためのスピンドルを備えていることを特徴とする装置。
【請求項52】
請求項51記載の装置において、
前記タグが、前記リールに対して、スピンドル穴の周囲に取り付けられ、
前記アンテナが、前記フィーダの前記スピンドルに設けられていることを特徴とする装置。
【請求項53】
請求項52記載の装置において、
前記各部材用フィーダが、特定のプロセス位置に対して関連づけられ、
所定のレセプタクルが、前記システム内の前記所定フィーダの前記特定位置に対して自動的に関連づけられることを特徴とする装置。
【請求項54】
請求項41記載の装置において、
前記レセプタクルが、部材用リールと、部材用トレーと、部材用ラックと、部材用ホルダと、のうちの少なくとも1つを備えていることを特徴とする装置。
【請求項55】
請求項42記載の装置において、
前記装置が、製造プラント内の互いに連携している複数の処理ステーションからなるネットワークの一部であり、
前記装置が、互いに連携している前記複数の処理ステージどうしの間にわたって、前記識別子に関するデータを通信するためのネットワーク通信手段を備えていることを特徴とする装置。
【請求項56】
請求項55記載の装置において、
前記識別子を使用することにより、前記装置と通信を行っている追跡ステーションが、追跡プロトコルを行い、
この追跡プロトコルにおいては、各識別済みレセプタクルに関する追跡ログを編集することを特徴とする装置。
【請求項57】
請求項56記載の装置において、
前記各追跡ログが、現在のレセプタクル位置と、以前のレセプタクル位置と、前記レセプタクルによって搬送されている構成部材の量と、前記レセプタクルによって搬送されている構成部材の品質と、前記レセプタクルによって搬送されている構成部材の予想寿命と、前記識別済みレセプタクルから抽出された構成部材を備えた導出製品に関するリストと、のうちの少なくとも1つを備えていることを特徴とする装置。
【請求項58】
請求項56記載の装置において、
前記追跡ログを使用することにより、構成部材の在庫が更新されるようになっていることを特徴とする装置。
【請求項59】
請求項42記載の装置において、
前記タグの前記識別特性が、少なくとも1つの特性が変更された際に、通信を行っている読取器によって、更新されることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−532991(P2007−532991A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506629(P2007−506629)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000552
【国際公開番号】WO2005/098558
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(505287070)コギスキャン・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】