説明

開閉カバー及びこれを用いる画像形成装置

【課題】トナーカートリッジの交換作業の利便性の向上を図った開閉カバー及びこれを用いる画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーカートリッジ130を収納する収納部111と、収納部111へトナーカートリッジ130を挿入するための挿入口112と、挿入口112を開閉する開閉カバー200とを備えた画像形成装置100において、下側開閉カバー210と、上側開閉カバー220と、下側開閉カバー210と上側開閉カバー220との折り畳み支点となる連結部とを備え、挿入口112を閉塞する場合は、下側開閉カバー210と上側開閉カバー220とを挿入口112に対向させて略同一平面上に並べて配置し、挿入口112を開放する場合は、下側開閉カバー210と上側開閉カバー220とを挿入口112に対してトナーカートリッジ130を出し入れ可能な位置に折り畳んだ状態で配置することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉カバー及びこれを用いる画像形成装置に係り、特に、トナーカートリッジを収納する収納部の挿入口を開閉する開閉カバーを備えた開閉カバー及びこれを用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において、トナーを収容したトナーカートリッジを用いてトナー供給を行い、トナーが無くなるとトナーカートリッジを交換することで簡単にトナー供給を行うことができるトナー供給装置が搭載されている。
【0003】
そして、画像形成装置には、トナーカートリッジを収納するための収納部と、その収納部を開閉するための開閉カバーが設けられている。
【0004】
従来の開閉カバーの構成として、例えば、画像形成装置本体の外装部に、開放可能なカバー部材が折れを生ずる少なくとも1つの屈曲部を備え、画像形成装置本体に回動可能に装着されて開閉されるカバーを第1カバーとして、他の少なくとも一つのカバーを開放時に、第1カバーを回動される方向と逆方向へ回動するように構成したものが提案されている(特許文献1を参照)。
【0005】
このような構成によれば、開放時のカバー部材の張り出し量を抑え、かつ、ジャム処理等の作業を行う十分な開放空間が得られ、カバー部材を開閉操作する幅を小さくすることができる。
【0006】
また、その他の開閉カバーの構成として、複写機本体の開口部の両側部に形成されてカバー本体の両側部を摺動自在に支持するガイド部と、ガイド部に案内されて開かれるカバー本体を水平位置で複写機本体内に格納する格納部とを備えるものが提案されている(特許文献2を参照)。
【0007】
このような構成によれば、複写ユニットの保守等のために、前面カバーを開いたときに、前面カバーが複写機の前方へ突出することがないので操作性が向上するとともに、複写機の設置スペースを節約することができ、
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−173124号公報
【特許文献2】特開平6−67477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、開放されたカバー部材がその開口部の延長上にあることから、開放されたカバー部材と画像形成装置との間隙にしか作業スペースがないため、開放されたカバー部材に腕を接触するなどして作業性に影響を及ぼすという問題がある。また、重量の重い部材の着脱には、作業者が前のめりとなって腰への負担は免れない。
【0010】
また、特許文献2の構成では、スライドしたカバーを画像形成装置本体に収納するスペースが必要となり、画像形成装置が高さ方向に高くなって、例えば、自動原稿給紙装置(ADF)を備えた画像形成装置では、自動原稿給紙装置(ADF)の位置が高くなって操作性に影響を及ぼすという問題がある。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、トナーカートリッジの交換作業の利便性の向上を図った開閉カバー及びこれを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための本発明に係る開閉カバー及びこれを用いる画像形成装置は、次の通りである。
【0013】
本発明は、画像形成装置におけるトナーカートリッジを収納する収納部の挿入口を開閉する開閉カバーであって、複数のカバー部材と、前記カバー部材を連結するとともに、前記カバー部材の折り畳み支点となる連結部を備え、前記挿入口を閉塞する場合は、前記複数のカバー部材を前記挿入口に対向させて略同一平面上に並べて配置し、前記挿入口を開放する場合は、前記複数のカバー部材を前記挿入口に対して前記トナーカートリッジを出し入れ可能な位置に折り畳んだ状態で配置するように構成することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明は、前記開閉カバーの構成として、少なくとも連結された2つのカバー部材を備え、前記2つのカバー部材を折り畳んだときに、前記2つのカバー部材の前記挿入口と対向する面同士が対向するように、さらには接触するように構成することが好ましい。
【0015】
また、本発明は、前記連結部を、前記画像形成装置に搭載される複数のトナーカートリッジが並設される方向に対して略平行に構成することが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記連結部を、前記画像形成装置に搭載される複数のトナーカートリッジが並設される方向に対して略垂直に構成することが好ましい。
【0017】
また、本発明は、前記開閉カバーの構成として、前記カバー部材の外側面に手動により前記開閉カバーの開閉操作を行うための開閉操作部を備え、前記開閉操作部として、前記開閉カバーを開放する方向に操作者の手指を挿入可能な開口部を備えることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、前記カバー部材として、一端側が前記画像形成装置側に回動可能に支持される第1のカバー部材と、一端側が前記第1のカバー部材の他端側に回動可能に連結された第2のカバー部材とを備えるとともに、連結された前記第2のカバー部材の特定された方向への動きを規制する、すなわち、逆方向へ回動することを規制するストッパー部を備えることが好ましい。
【0019】
また、本発明は、トナーカートリッジを収納する収納部と、前記収納部へトナーカートリッジを挿入するための挿入口と、前記挿入口を開閉する開閉カバーとを備えた画像形成装置において、前記開閉カバーとして、請求項1から6のうちの何れか一項に記載の開閉カバーを用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の開閉カバーによれば、画像形成装置におけるトナーカートリッジを収納する収納部の挿入口を開閉する開閉カバーであって、複数のカバー部材と、前記カバー部材を連結するとともに、前記カバー部材の折り畳み支点となる連結部を備え、前記挿入口を閉塞する場合は、前記複数のカバー部材を前記挿入口に対向させて略同一平面上に並べて配置し、前記挿入口を開放する場合は、前記複数のカバー部材を前記挿入口に対して前記トナーカートリッジを出し入れ可能な位置に折り畳んだ状態で配置するように構成することで、前記開閉カバーの開放時の占有面積を小さくして、例えば、重力が重く大きなトナーカートリッジを取り扱う場合でも、トナーカートリッジの収納部の挿入口とユーザの身体(重心の位置)とを近接させることができるので、身体が前のめりになることを防止するとともに、腰への負担を低減でき、トナーカートリッジの交換作業の利便性の向上を図ることができる。
【0021】
また、特に、車椅子を必要とするユーザの場合には、車椅子をトナーカートリッジの収納部の挿入口に近づけることができるので、容易にトナーカートリッジの交換を行うことができる。
【0022】
また、本発明によれば、前記開閉カバーの構成として、少なくとも連結された2つのカバー部材を備え、前記2つのカバー部材を折り畳んだときに、前記2つのカバー部材の前記挿入口と対向する面同士が対向するように、さらには接触するように構成することで、トナーカートリッジの取出し間口を大きく構成できるので、容易にトナーカートリッジを取出して交換することができる。
【0023】
また、本発明によれば、前記連結部を、前記画像形成装置に搭載される複数のトナーカートリッジが並設される方向に対して略平行に構成することで、複数のトナーカートリッジが並列に構成された場合、トナーカートリッジが並ぶ方向に沿って開閉カバーを開放することにより、複数のトナーカートリッジを一度に交換できるので交換操作が容易になる。
【0024】
また、本発明によれば、前記連結部を、前記画像形成装置に搭載される複数のトナーカートリッジが並設される方向に対して略垂直に構成することで、個々のトナーカートリッジに対応して開閉カバーを構成できるので、開閉カバーの開閉に係る力を低減でき、開閉操作を容易にできる。
【0025】
また、本発明によれば、前記開閉カバーの構成として、前記カバー部材の外側面に手動により前記開閉カバーの開閉操作を行うための開閉操作部を備え、前記開閉操作部として、前記開閉カバーを開放する方向に操作者の手指を挿入可能な開口部を備えることで、開閉カバーを開放する方向に手指を挿入できるので、少ない力で容易に開閉カバーを開放することができる。
【0026】
また、本発明によれば、前記カバー部材として、一端側が前記画像形成装置側に回動可能に支持される第1のカバー部材と、一端側が前記第1のカバー部材の他端側に回動可能に連結された第2のカバー部材とを備えるとともに、連結された前記第2のカバー部材の特定された方向への動きを規制するストッパー部を備えることで、開閉カバーの開放動作を容易にできるとともに、確実に開閉カバーを閉じた状態にすることができる。
【0027】
また、本発明の画像形成装置によれば、トナーカートリッジを収納する収納部と、前記収納部へトナーカートリッジを挿入するための挿入口と、前記挿入口を開閉する開閉カバーとを備えた画像形成装置において、前記開閉カバーとして、請求項1から6のうちの何れか一項に記載の開閉カバーを用いることで、トナーカートリッジの収納部の挿入口とユーザの身体(重心の位置)とを近接させることができるので、身体が前のめりになることを防止するとともに、腰への負担を低減でき、トナーカートリッジの交換作業の利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】前記画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は前記画像形成装置に搭載されるトナーカートリッジの構成を示す説明図、(b)は(a)のA矢視図である。
【図4】(a)は第1実施形態の開閉カバーの構成を示す説明図、(b)は(a)のB矢視図、(c)は(a)のC矢視図である。
【図5】前記開閉カバーのロック構造を示す説明図である。
【図6】(a)は図5のA部の詳細図、(b)は(a)のD−D断面矢視図である。
【図7】(a)は前記開閉カバーが閉じた状態を示す説明図、(b)は前記開閉カバーの開放を開始した状態を示す説明図、(c)は前記開閉カバーの開放が終了した状態を示す説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る開閉カバーの構成を示す説明図である。
【図9】(a)は図8のA部の詳細図、(b)は(a)のE−E断面矢視図である。
【図10】(a)は前記開閉カバーが閉じた状態を示す説明図、(b)は前記開閉カバーの開放を開始した状態を示す説明図、(c)は前記開閉カバーの開放が終了した状態を示す説明図である。
【図11】本発明の開閉カバーの構成の変形例1を示す説明図である。
【図12】本発明の開閉カバーの構成の変形例2を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【0030】
本実施形態は、図1に示すように、トナーカートリッジ130を収納する収納部111と、収納部111へトナーカートリッジ130を挿入するための挿入口112と、挿入口112を開閉する開閉カバー200とを備えた画像形成装置100において、開閉カバー200として、本発明に係る特徴的な開閉カバーの構成を採用したものである。
【0031】
まず、本実施形態に係る画像形成装置100の全体構成について説明する。
画像形成装置100は、図1に示すように、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙(例えば、記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。
【0032】
装置本体110は、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、転写部6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0033】
装置本体110の上部に設けられた画像読取り部90の上側には、原稿が載置される透明ガラスからなるプラテンガラス(原稿載置台)92が設けられ、そのプラテンガラス92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。
【0034】
自動原稿処理装置120は、プラテンガラス92の上に自動で原稿を搬送する。
また、自動原稿処理装置120は、矢印M方向に回動自在に構成され、プラテンガラス92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0035】
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。
従って、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0036】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器を用いても良い。
【0037】
露光ユニット1は、外部から入力した画像データまたは原稿から読み取って得られた画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3を露光することにより、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム3の表面に形成する画像書込み装置であり、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたLSU(レーザスキャニングユニット)として構成される。また、露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。
【0038】
また、露光ユニット1としては、上述した構成の他に発光素子をアレイ状に並べた、例えば、ELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0039】
このように構成された露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。
【0040】
現像装置2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。
【0041】
感光体ドラム3は、円筒状を呈し、露光ユニット1の上方に配設され、その表面がクリーナユニット4によりクリーニングされ、クリーニングされた表面が帯電器5により均一に帯電される。
【0042】
クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
【0043】
感光体ドラム3の上方に配置されている転写部6は、無端状の中間転写ベルト(無端ベルト)61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。
【0044】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動するように構成されている。
【0045】
中間転写ベルト61は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成され、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61上に順次重ね合わせて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。
【0046】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。
【0047】
各中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61に対して感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与えるようにされている。詳しくは、中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0048】
中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。尚、第1実施形態では、転写電極としてローラ形状の中間転写ローラ64を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0049】
上述したように、各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は中間転写ベルト61上に積層される。積層された画像情報としてのトナー像は、中間転写ベルト61とともに搬送されて、搬送される用紙と中間転写ベルト61との接触位置(2次転写位置,所定位置)に移動し、この接触位置に配置されている転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0050】
この時、中間転写ベルト61と転写ローラ10とは、所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ10にはトナー像を用紙に転写させるための2次転写バイアスが印加される。この2次転写バイアスは、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
【0051】
さらに、上記所定ニップを定常的に得るために、2次転写位置にて中間転写ベルト61に圧接する転写ローラ10もしくは2次転写位置にて中間転写ベルト61の裏側に圧接する中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0052】
上述した転写工程において、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われずに中間転写ベルト61に残存したトナーは、次工程で形成されるトナー像に対してトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように構成されている。
【0053】
中間転写ベルトクリーニングユニット65は、中間転写ベルト61が搬送される経路上で、中間転写ベルト搬送方向において転写ローラ10より下流側で感光体ドラム3よりも上流側に設けられている。
【0054】
中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触して中間転写ベルト61の表面をクリーニングするクリーニング部材としてクリーニングブレード65aが具備されている。クリーニングブレード65aが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0055】
給紙カセット81は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、装置本体110の外側部には、外側より用紙を供給可能な手差し給紙カセット82が設けられている。
この手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する用紙を複数枚積載することができる。装置本体110の上方には、印刷済みの用紙をフェイスダウンで集積するための排紙トレイ91が設けられている。
【0056】
また、装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82の用紙を転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81乃至手差し給紙カセット82から排紙トレイ91に到る用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0057】
搬送ローラ12a〜12dは、用紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って設けられている。尚、搬送ローラ12bは、用紙を排紙トレイ91に排出する排紙ローラとして機能するため、排紙ローラと称する。
【0058】
ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0059】
レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている用紙を一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端と用紙の先端を合わせるタイミングで用紙を転写ローラ10に搬送する機能を有している。すなわち、レジストローラ13によって、搬送される用紙上の所定の位置に中間転写ベルト61上のトナー像が転写されるように整合される。
【0060】
定着ユニット7は、定着ローラ70として1対のヒートローラ71と加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、用紙を挟んで回転搬送するようになっている。
【0061】
ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、対向して配置されて、ヒートローラ71と加圧ローラ72との圧接箇所には、定着ニップ部が形成されている。
【0062】
ヒートローラ71は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって温度制御される。この制御部は、ヒートローラ71の周囲に設けられたヒートローラ71の温度と検出する図示しない温度検出器(非接触式のサーミスタ)からの検出信号に基づいてヒートローラ71の表面温度が160〜200℃の範囲となるように制御する。
【0063】
また、ヒートローラ71は、加圧ローラ72とともにトナーを用紙に熱圧着することにより、用紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、用紙に対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71には、図1に示すように、ヒートローラ71を外部から定着するための外部定着ベルト73が設けられている。
【0064】
一方、加圧ローラ72も、ヒートローラ71と同様に円筒状の金属製の芯金の周面に弾性層が設けられて構成されている。そして、ヒートローラ71に対して所定の圧力で当接されるようになっている。
【0065】
そして、画像形成装置100は、図示しないネットワーク回線(LAN、電話回線等)を介してPC、FAX、およびメーカー、販売先またはリース先等のデータ管理サーバに接続されている。
【0066】
ここで、本実施形態の画像形成装置100の特徴的な構成についてブロック図を参照して説明する。
図2は本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0067】
画像形成装置100は、図2に示すように、電気的構成として、画像形成装置100の動作を制御する制御部501、記憶部(記憶手段)502、判定部(判定手段)503、表示部101、入力部505、ネットワーク回線を介してPC等とLAN接続等を行う通信部506、画像処理を行う画像処理部508、画像形成を行う画像形成部509、トナー像の定着処理を行う定着部510、スキャナにおいて画像の読み取りを行う読取部507、後処理装置500(図2の周辺機器を指す)の動作を制御する制御部511などを備えている。
【0068】
そして、画像形成装置100は、収納されたトナーカートリッジ130の記憶手段または記録手段に格納された情報を検出する検出部509aを備えている。検出部509aは、ユーザが画像形成装置100で使用しているトナーカートリッジ130の情報を検出する。
【0069】
記憶部502は、画像形成装置100に使用されるトナーカートリッジの情報が格納されている。
【0070】
判定部503は、検出部509aにより検出された検出結果(トナーの残量)に基づき、トナーカートリッジ130内のトナーが無くなったか否かを判定する。
【0071】
次に、本実施形態の画像形成装置100に用いられるトナーカートリッジについて図面を参照して説明する。
図3(a)は本実施形態の画像形成装置に搭載されるトナーカートリッジの構成を示す説明図、(b)は(a)のA矢視図である。
【0072】
トナーカートリッジ130は、図3(a),(b)に示すように、略矩形状断面を有する柱状体で構成され、補給トナーが収容されているトナー収容部132を備えている。
【0073】
トナー収容部132の底部(図中下側)にはトナー補給口133が設けられている。トナーカートリッジ130の画像形成装置100本体に向けて装着される一端部130aには、消耗品情報が記憶された記憶部(記憶手段)131が設けられている。
【0074】
記憶部131は、ICチップ(例えば、無線ICタグ、接点式CRUMなどの不揮発性メモリ)、バーコード、QRコード(登録商標)等の2次元コードの何れかを用いて構成されている。本実施形態では、記憶部131には、トナーカートリッジに関する情報を格納するEEPROM等を内蔵したデバイス等で構成される不揮発性メモリの接触型CRUMが備えられ、このメモリにはトナーカートリッジの型番、製造箇所、トナー残量(逐次更新される)、新品か否か、などの情報が記憶されている。
【0075】
記憶部131には、記憶部位置決めボス134が設けられている。この記憶部位置決めボス134は、トナーカートリッジ130を画像形成装置100に装着する際に、記憶部131を画像形成装置100本体側の記憶部用コネクタ(図示省略)に対して位置決めするための位置決め部材である。図中の符号135は接続端子、136は記憶部131をトナーカートリッジ130に取付けるための取付け穴を示す。
【0076】
次に、第1実施形態に係る特徴的な開閉カバー200の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図4(a)は第1実施形態の開閉カバーの構成を示す説明図、(b)は(a)のB矢視図、(c)は(a)のC矢視図、図5は前記開閉カバーのロック構造を示す説明図、図6(a)は図5のA部の詳細図、(b)は(a)のD−D断面矢視図である。
【0077】
第1実施形態の開閉カバー200は、図4(a)〜(c)に示すように、上下方向で2分割された下側開閉カバー210と上側開閉カバー220とにより、トナーカートリッジ130の収納部111の挿入口112を開閉するように構成されている。
【0078】
収納部111は、画像形成装置100において、トナーカートリッジ130を画像形成装置100の操作側よりトナーカートリッジ130の長手方向一端部から略水平に挿入するように構成されている。
【0079】
下側開閉カバー210と上側開閉カバー220とは、連結されて構成され、その連結部を支点に折り畳むことで収納部111の挿入口112を開閉するようにされている。
【0080】
下側開閉カバー210は、幅方向に長い矩形状を呈し、装置本体110側と連結するとともに下側開閉カバー210の折り畳み支点となる装置側連結部211と、上側開閉カバー220と連結するとともに上側開閉カバー220の折り畳み支点となる第1連結部212と、下側取手213を備えている。
【0081】
上側開閉カバー220は、下側開閉カバー210と同等に幅方向に長い矩形状を呈し、下側開閉カバー210と連結するとともに上側開閉カバー220の折り畳み支点となる第2連結部222と、上側取手223を備えている。
【0082】
本実施形態では、下側開閉カバー210と上側開閉カバー220とは、上下方向の寸法及び幅方向の寸法とが同じような寸法で形成されている。すなわち、開閉カバー200を二つ折り状態にしたときに、挿入口112の上下方向の下側に寄せて、下側開閉カバー210と上側開閉カバー220とが略同形状で重ね合さるように構成されている。
【0083】
装置側連結部211は、下側開閉カバー210の両側端に、トナーカートリッジ130が並設される方向に対して略平行に配置されている。
装置側連結部211には、装置側ピン穴211aが形成されて、図示しない連結ピンにより図示しない装置本体110側の取り付け部に下側開閉カバー210が回動可能に連結される。
【0084】
第1連結部212は、下側開閉カバー210の両側端に、トナーカートリッジ130が並設される方向に対して略平行に配置されている。
第2連結部222は、第1連結部212と対応する位置で、上側開閉カバー220の両側端に、トナーカートリッジ130が並設される方向に対して略平行に配置されている。
第1連結部212と第2連結部222には、それぞれ第1ピン穴212a、第2ピン穴222aが形成されて、連結ピン230により下側開閉カバー210と上側開閉カバー220とが回動可能に連結される。連結ピン230は、固定ナット231により取り付けられている。
【0085】
また、第1連結部212には、下側開閉カバー210に連結された上側開閉カバー220の特定された方向への動きを規制するストッパー部214が設けられている。
【0086】
具体的には、ストッパー部214は、第2連結部222の一部に当接して、上側開閉カバー220の自由端側(上側端部)221が操作側(図4(b)の図中右側へ時計回り方向)に回動しないように構成されている。
【0087】
下側取手213は、下側開閉カバー210の外側面(操作側面)に形成され、上部が開口形成されて上方から作業者の指が挿入できるように構成されている。
また、上側取手223も同様に、上側開閉カバー220の外側面(操作側面)に形成され、上部が開口形成されて上方から作業者の指が挿入できるように構成されている。
【0088】
また、上側開閉カバー220の側面には、図5に示すように、凸状係止部240が外側に向かい突出形成され、この凸状係止部240と、これに対応して上側開閉カバー220に隣接して設けられる本体化粧カバー110Aに設けられた凹状係止部250とにより開閉カバーロックが構造されている。
【0089】
開閉カバーロックの構成の一例として、図6(a),(b)に示すように、凸状係止部240を先細りのくさび状に形成し、凹状係止部250を凸状係止部240が嵌合可能に凹んだ形状で形成するようにしてもよい。
【0090】
なお、この実施例では、凸状係止部240の突出部の寸法d1を約20.5mmとし、上側開閉カバー220と本体化粧カバー110Aとの隙間の寸法d2を約20mmとしている。
【0091】
これにより、凸状係止部240の寸法d1を隙間の寸法d2よりも僅かに大きくするとともに、凸状係止部240と凹状係止部250とが先細りのくさび状(テーパ形状)で嵌合するように形成したので、上側開閉カバー220のスムーズな開閉操作を実現できる。
【0092】
なお、上側開閉カバー220は、トナーカートリッジ1本につき1箇所でもよいし、K1とK2との黒色トナーカートリッジ2本に対して1箇所でもよい。それらは、適宜、操作性の向上を図る上で適宜設けることができる。
【0093】
次に、第1実施形態の開閉カバー200を開放してトナーカートリッジ130を交換する操作について説明する。
図7(a)は本実施形態の開閉カバーが閉じた状態を示す説明図、(b)は前記開閉カバーの開放を開始した状態を示す説明図、(c)は前記開閉カバーの開放が終了した状態を示す説明図である。
【0094】
開閉カバー200を開放する場合は、ユーザは、図7(a)に示すように、まず、上側開閉カバー220の上側取手223に指を挿入して図中右側(開放側)へ引っ張る。そして、図7(b)に示すように、上側開閉カバー220を下方に移動しながら第1ピン穴212a、第2ピン穴222aを中心に反時計回り方向に回動させて倒す。
【0095】
下側開閉カバー210は、装置側ピン穴211aが画像形成装置100に図示しないピン、若しくはシャフトにより時計回り方向に回動自在に支持されているため、開閉カバー200は、図7(c)のように、上側開閉カバー220と下側開閉カバー210とが2つ折れ状態となって、トナーカートリッジ130の挿入口112を開放状態にできる。
【0096】
このとき、上側開閉カバー220と下側開閉カバー210とは、互いの装置内側面同士を対向させて、略水平に重なりあった状態となっている。
【0097】
開閉カバー200を閉じる場合は、ユーザは、図7(c)に示す状態の上側開閉カバー220の上側取手223に指を挿入して図中上方へ引っ張る。そして、図7(b)に示すように、上側開閉カバー220を上方に移動しながら第1ピン穴212a、第2ピン穴222aを中心に時計回り方向に引き起こす。
【0098】
そして、上側開閉カバー220を、図7(a)に示すように、略垂直状態に配置しながら、本体化粧カバー110Aに設けられた凹状係止部250に凸状係止部240を嵌め込んで、本体化粧カバー110Aに上側開閉カバー220をロックさせて終了する。
【0099】
以上のように構成したので、第1実施形態の開閉カバー200によれば、開閉カバー200を下側開閉カバー210と上側開閉カバー220とにより構成し、開閉カバー200を上下方向で下側開閉カバー210と上側開閉カバー220とが重ね合わさるようにして二つ折りに畳むことによりトナーカートリッジ130の収納部111の挿入口112を開放するようにしたので、開閉カバー200の開放時の占有面積を小さくすることができる。これにより、例えば、重力が重く大きなトナーカートリッジを取り扱う場合でも、トナーカートリッジの収納部の挿入口とユーザの身体(重心の位置)とを近接させることができるので、身体が前のめりになることを防止するとともに、腰への負担を低減でき、トナーカートリッジの交換作業の利便性の向上を図ることができる。
【0100】
また、第1実施形態では、下側開閉カバー210と上側開閉カバー220との形状を上下方向の寸法が同じように構成したので、開閉カバー200を開放するときに、下側開閉カバー210と上側開閉カバー220とを重ね合せて折り畳むことで、開閉カバー200の長さの半分の長さを突出させるだけで、トナーカートリッジ130の収納部111の挿入口112を開放することができる。
【0101】
なお、第1実施形態では、上側開閉カバー220と下側開閉カバー210の両方に上側取手223と下側取手213を設けて、その2箇所とも指の挿入を可能とする構成にして、何れの取手を操作しても開閉カバー200を開放するようにしているが、何れか一方のみを構成するようにしてもよい。
【0102】
また、第1実施形態では、開閉カバー200を上下方向(下向き)に開放するようにしているが、本発明は開閉カバーの開放する方向に限定されるものではなく、開閉カバーを横方向(左右開き)に開閉するようにしたものであっても良い。
【0103】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の開閉カバーについて図面を参照して説明する。
図8は本発明の第2実施形態に係る開閉カバーの構成を示す説明図、図9(a)は図8のA部の詳細図、(b)は(a)のE−E断面矢視図、図10(a)は前記開閉カバーが閉じた状態を示す説明図、(b)は前記開閉カバーの開放を開始した状態を示す説明図、(c)は前記開閉カバーの開放が終了した状態を示す説明図である。
【0104】
第2実施形態の開閉カバー300は、図8に示すように、左右方向(装置幅方向)で2分割された第1開閉カバー310と第2開閉カバー320とにより、トナーカートリッジ130の収納部111の挿入口112を開閉するように構成されている。
【0105】
第1開閉カバー310と第2開閉カバー320とは、連結されて構成され、その連結部を支点に折り畳むことで収納部111の挿入口112を開閉するようにされている。
【0106】
第1開閉カバー310は、図8に示すように、上下方向に長い矩形状を呈し、図10(a)〜(c)に示すように、装置本体110側と連結するとともに第1開閉カバー310の折り畳み支点となる装置側連結部311と、第2開閉カバー320と連結するとともに第2開閉カバー320の折り畳み支点となる第1連結部312と、第1取手313を備えている。
【0107】
第2開閉カバー320は、第1開閉カバー310と同等に上下方向に長い矩形状を呈し、第1開閉カバー310と連結するとともに第2開閉カバー320の折り畳み支点となる第2連結部322と、第2取手323を備えている。
【0108】
本実施形態では、第1開閉カバー310と第2開閉カバー320とは、上下方向の寸法及び左右方向(装置幅方向)の寸法とが同じような寸法で形成されている。すなわち、開閉カバー300を二つ折り状態にしたときに、挿入口112の左右方向(幅方向)の片側に寄せて、第1開閉カバー310と第2開閉カバー320とが略同形状で重ね合さるように構成されている。
【0109】
装置側連結部311は、第1開閉カバー310の両側端に、トナーカートリッジ130が並設される方向に対して略垂直に配置されている。
装置側連結部311には、装置側ピン穴311aが形成されて、図示しない連結ピンにより図示しない装置本体110側の取り付け部に第1開閉カバー310が回動可能に連結される。
【0110】
第1連結部312は、第1開閉カバー310の両側端に、トナーカートリッジ130が並設される方向に対して略垂直に配置されている。
第2連結部322は、第1連結部312と対応する位置で、第2開閉カバー320の両側端に、トナーカートリッジ130が並設される方向に対して略垂直に配置されている。
第1連結部312と第2連結部322には、それぞれ第1ピン穴312a、第2ピン穴322aが形成されて、図示しない連結ピンにより第1開閉カバー310と第2開閉カバー320とが回動可能に連結される。
【0111】
また、第1連結部312には、第1開閉カバー310に連結された第2開閉カバー320の特定された方向への動きを規制するストッパー部314が設けられている。
【0112】
具体的には、ストッパー314は、第2連結部322の一部に当接して、第2開閉カバー320の自由端側(他端部)321が操作側へ時計回り方向)に回動しないように構成されている。
【0113】
第1取手313は、第1開閉カバー310の外側面(操作側面)に形成され、側部(図中左側)が開口形成されて上方から作業者の指が挿入できるように構成されている。
また、第2取手323も同様に、第2開閉カバー320の外側面(操作側面)に形成され、側部(図中右側)が開口形成されて側方から作業者の指が挿入できるように構成されている。
【0114】
また、第2開閉カバー320の上面には、図9(a),(b)に示すように、凸状係止部340が外側に向かい突出形成され、この凸状係止部340と、これに対応して第1開閉カバー320に隣接して設けられる本体化粧カバー110Aに設けられた凹状係止部350とにより開閉カバーロックが構造されている。
【0115】
開閉カバーロックの構成の一例として、凸状係止部340を先細りのくさび状に形成し、凹状係止部350を凸状係止部340が嵌合可能に凹んだ形状で形成するようにしてもよい。
【0116】
なお、この実施例では、凸状係止部340の突出部の寸法d3を約20.5mmとし、第2開閉カバー320と本体化粧カバー110Aとの隙間の寸法d4を約20mmとしている。
【0117】
これにより、凸状係止部340の寸法d3を隙間の寸法d4よりも僅かに大きくするとともに、凸状係止部340と凹状係止部350とが先細りのくさび状(テーパ形状)で嵌合するように形成したので、第2開閉カバー320のスムーズな開閉操作を実現できる。
【0118】
次に、本実施形態の開閉カバー300を開放してトナーカートリッジ130を交換する操作について説明する。
【0119】
開閉カバー300を開放する場合は、ユーザは、図10(a)に示すように、まず、第2開閉カバー320の第2取手323に指を挿入して操作側(開放側)へ引っ張る。そして、図10(b)に示すように、第2開閉カバー320を左方向に移動しながら第1ピン穴312a、第2ピン穴322aを中心に反時計回り方向に回動させる。
【0120】
第1開閉カバー310は、装置側ピン穴311aが画像形成装置100に図示しないピン、若しくはシャフトにより時計回り方向に回動自在に支持されているため、開閉カバー300は、図10(c)のように、第2開閉カバー320と第1開閉カバー310とが2つ折れ状態となって、トナーカートリッジ130の挿入口112を開放状態にできる。
【0121】
このとき、第2開閉カバー320と第1開閉カバー310とは、互いの装置内側面同士を対向させて、略垂直に重なりあった状態となっている。
【0122】
開閉カバー300を閉じる場合は、ユーザは、図10(c)に示す状態の第2開閉カバー320の第2取手323に指を挿入して図中右方向へ引っ張る。そして、図10(b)に示すように、第2開閉カバー320を右方向に移動しながら第1ピン穴312a、第2ピン穴322aを中心に時計回り方向に回動させる。
【0123】
そして、第2開閉カバー320を、図10(a)に示すように、幅方向に沿って略垂直状態に配置しながら、本体化粧カバー110Aに設けられた凹状係止部350に凸状係止部340を嵌め込んで、本体化粧カバー110Aに第2開閉カバー320をロックさせて終了する。
【0124】
以上のように構成したので、第2実施形態の開閉カバー300によれば、開閉カバー300を第1開閉カバー310と第2開閉カバー320とにより構成し、開閉カバー300を左右方向で第1開閉カバー310と第2開閉カバー320とが重ね合わさるようにして二つ折りに畳むことによりトナーカートリッジ130の収納部111の挿入口112を開放するようにしたので、開閉カバー300の開放時の占有面積を小さくすることができる。これにより、例えば、重力が重く大きなトナーカートリッジを取り扱う場合でも、トナーカートリッジの収納部の挿入口とユーザの身体(重心の位置)とを近接させることができるので、身体が前のめりになることを防止するとともに、腰への負担を低減でき、トナーカートリッジの交換作業の利便性の向上を図ることができる。
【0125】
また、第2実施形態では、第1開閉カバー310と第2開閉カバー320との形状を左右方向(装置幅方向)の寸法が同じように構成したので、開閉カバー300を開放するときに、第1開閉カバー310と第2開閉カバー320とを重ね合せて折り畳むことで、開閉カバー300の長さの半分の長さを突出させるだけで、トナーカートリッジ130の収納部111の挿入口112を開放することができる。
【0126】
なお、第2実施形態では、第2開閉カバー320と第1開閉カバー310の両方に第2取手323と第1取手313を設けて、その2箇所とも指の挿入を可能とする構成にして、何れの取手を操作しても開閉カバー300を開放するようにしているが、何れか一方のみを構成するようにしてもよい。
【0127】
また、画像形成装置を使用するユーザに右利きの人が多ければ、右側の開閉カバー(第2開閉カバー320)に取手を備えたほうが便利である場合がある。一方、左利きの人が多ければ、左側の開閉カバー(第1開閉カバー310)に取手を備える方が便利である場合がある。それらは、ユーザの希望によって、逐次配置すればよい。
【0128】
なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、開閉カバーは、トナーカートリッジ1個につき1枚を設ける構成で説明したが、本発明は、特にこれに限定されるものではない。
【0129】
例えば、変形例1として、図11に示すように、画像形成装置100に収納される全てのトナーカートリッジ130の収納部を1つの開閉カバー400により同時に開閉するように構成したものであってもよい。
【0130】
変形例1の開閉カバー400は、装置幅方向に沿って全てのトナーカートリッジ130の収納部にわたり形成され、第1実施形態の開閉カバー200のように上下方向に回動させて折り畳むように構成されている。図中の110Bは作像部カバーを示す。
【0131】
このように構成することで、1つの開閉カバー400を開放することで、同時すべてのトナーカートリッジ130の交換作業が可能になる。
【0132】
また、変形例2として、図12に示すように、画像形成装置100に収納されるトナーカートリッジ130のうちのイエロー、マゼンタ、シアンのトナーカートリッジ130に対応した開閉カバー500と、ブラック(2本)のトナーカートリッジ130に対応した開閉カバー600とを備えて、特定したトナーカートリッジ130の収納部を開閉するように構成したものであってもよい。
【0133】
変形例2の開閉カバー500,600は、装置幅方向に沿って特定したトナーカートリッジ130の収納部に対応して形成され、第2実施形態の開閉カバー300のように装置幅方向に回動させて折り畳むように構成されている。
【0134】
このように構成することで、特定したトナーカートリッジ130の収納部を開放することができるので、間違えることなくトナーカートリッジ130の交換を行うことができる。
【0135】
なお、変形例1、変形例2では、開閉カバー400,500,600は、作像部カバー110Bとは別体で構成しているが、開閉カバーと作像部カバーとを一体的に構成したものであってもよい。
【0136】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0137】
100 画像形成装置
110 装置本体
110A 本体化粧カバー
111 収納部
112 挿入口
130 トナーカートリッジ
200,300,400,500,600 開閉カバー
210 下側開閉カバー(カバー部材)
211,311 装置側連結部(連結部)
211a,311a 装置側ピン穴
212,312 第1連結部(連結部)
212a,312a 第1ピン穴
213 下側取手
214,314 ストッパー部
220 上側開閉カバー
221,321 自由端側
222,322 第2連結部(連結部)
222a,322a 第2ピン穴
223 上側取手
230 連結ピン
240,340 凸状係止部
250,350 凹状係止部
310 第1開閉カバー
313 第1取手
320 第2開閉カバー
323 第2取手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置におけるトナーカートリッジを収納する収納部の挿入口を開閉する開閉カバーであって、
複数のカバー部材と、前記カバー部材を連結するとともに前記カバー部材の折り畳み支点となる連結部とを備え、
前記挿入口を閉塞する場合は、前記複数のカバー部材を前記挿入口に対向させて略同一平面上に並べて配置し、前記挿入口を開放する場合は、前記複数のカバー部材を前記挿入口に対して前記トナーカートリッジを出し入れ可能な位置に折り畳んだ状態で配置するように構成されることを特徴とする開閉カバー。
【請求項2】
前記開閉カバーの構成として、少なくとも連結された2つのカバー部材を備え、
前記2つのカバー部材を折り畳んだときに、前記2つのカバー部材の前記挿入口と対向する面同士が対向するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の開閉カバー。
【請求項3】
前記連結部は、前記画像形成装置に搭載される複数のトナーカートリッジが並設される方向に対して略平行に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の開閉カバー。
【請求項4】
前記連結部は、前記画像形成装置に搭載される複数のトナーカートリッジが並設される方向に対して略垂直に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の開閉カバー。
【請求項5】
前記開閉カバーの構成として、前記カバー部材の外側面に手動により開閉操作を行うための開閉操作部を備え、
前記開閉操作部は、前記開閉カバーを開放する方向に操作者の手指を挿入可能な開口部を備えることを特徴とする請求項1から4のうちの何れか一項に記載の開閉カバー。
【請求項6】
前記カバー部材として、一端側が前記画像形成装置側に回動可能に支持される第1のカバー部材と、一端側が前記第1のカバー部材の他端側に回動可能に連結された第2のカバー部材とを備えるとともに、連結された前記第2のカバー部材の特定された方向への動きを規制するストッパー部を備えることを特徴とする請求項1から5のうちの何れか一項に記載の開閉カバー。
【請求項7】
トナーカートリッジを収納する収納部と、前記収納部へトナーカートリッジを挿入するための挿入口と、前記挿入口を開閉する開閉カバーとを備えた画像形成装置において、
前記開閉カバーとして、請求項1から6のうちの何れか一項に記載の開閉カバーを用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−37112(P2013−37112A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171859(P2011−171859)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】