説明

開閉弁付カップラー

【課題】耐久性に優れ、また液だれが少なく、さらには不用意に開弁することのない開閉弁付カップラーを提供する。
【解決手段】一方のコネクター1は、接続用円筒部4と、その接続用円筒部の中心軸線に沿って配置された固定軸5とを備え、該固定軸の先端部外周に先端側で大径となるテーパー状の弁座10が設けられ、該弁座のテーパー形状と一致するテーパー面12を先端内周部に形成された円筒状の第1弁体8が弾性体14によって押圧された状態で固定軸の外周側に軸線方向に移動可能に嵌合させられ、第1弁体の外周面で軸線方向での中間部には該第1弁体の先端面の外径より大径の係合部が設けられ、他方のコネクター2には、挿入用円筒部22が設けられ、その挿入用円筒部の先端部に前記第1弁体における前記係合部に当接して該第1弁体を軸線方向に押圧する開弁押圧部22Aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、供給側と受容側とのコネクターを連結することにより、少なくとも一方のコネクターに設けられたバルブが開いてそれぞれのコネクターの流路を連通させるように構成されたカップラーに関し、特にメタノール燃料電池のカートリッジ容器と燃料電池本体との間に設けて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機器の運転や使用に伴って減少する燃料などの液体を補充する必要がある場合も多く、機器本体側に設けた容器にカートリッジ容器を連結して燃料などの液体を移すことで供給したり、機器本体側の容器と別の容器を付け替えることで供給することが行われている。
【0003】
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料のみを補給すれば連続して長時間発電することができるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
【0004】
特に、エネルギー密度の高いメタノール燃料を用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC:direct methanol fuel cell)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯機器用の電源として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、液体供給型等のアクティブ方式と、液体浸透型等のパッシブ方式とが知られている。
【0005】
燃料タンクに対しては、燃料カートリッジを用いて液体燃料を供給するいわゆるサテライトタイプ(外部注入式)の燃料カートリッジにおいては、それぞれバルブ機構を内蔵するノズルとソケットとで構成されたカップラーを用いて、液体燃料の遮断並びに注入を行うことが試みられている。その例が特許文献1や特許文献2に記載されている。また、特許文献3には、プラグとこれに嵌合可能なソケットとを有し、ソケットをプラグに嵌合させることにより、バルブを開いて、それぞれに形成されている流路を連通させるように構成された連結装置が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2007−57007号公報
【特許文献2】特開2007−194054号公報
【特許文献3】特開2003−172487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された装置や特許文献2に記載された装置は、ソケットとプラグとのそれぞれに弁体が設けられており、それらの弁体は、その背後(軸線方向での後側)に配置されたスプリングによって弁座に対して押圧されるとともに、その弁座に接触する部分より先端側に突出した操作部などの突出部を備えている。したがって、ソケットとプラグとを嵌合させると、それぞれの弁体における突出部が当接した後、スプリングの弾性力に抗して弁体が後退して弁座から離れ、開弁する。これとは反対に、プラグをソケットから抜き取る場合、両者の嵌合深さが次第に浅くなるのに従って、それぞれの弁体がスプリングに押されてそれぞれの弁座に向けて移動し、弁座に接触して閉弁するのとほぼ同時に各弁体における突出部同士の接触が解除され、かつプラグとソケットとの嵌合が外れる。
【0008】
このように、特許文献1あるいは2に記載された装置では、各弁体をそれぞれの突出部で相互に押圧させる構成であるために、ソケットとプラグとが嵌合している状態でのそれぞれの弁座同士の距離が大きく、ソケットおよびプラグのそれぞれが閉弁した状態で両者の間に残留する液体の量が多くなる。そして、プラグをソケットから抜き取った際に、その残留している液体が外部に漏洩するので、液体が無駄になったり、その処理の手間が面倒になるなどの問題が生じる。また、その液体はメタノールやギ酸等にあたるわけだが、メタノールは99.8%以上で毒物及び劇物に指定されており、人体への危険性も考えられる。
【0009】
また、特許文献1あるいは2に記載されている装置では、ソケットにおける弁体を押圧するスプリングの弾性力とプラグにおける弁体を押圧するスプリングの弾性力との強弱の関係に応じて、開弁する順序を設定している。具体的には、液体容器側の弁体を押圧しているスプリングの弾性力を相対的に弱くし、先に開弁し、かつ遅れて閉弁するように構成している。そのため、ソケット側のスプリングとプラグ側のスプリングとのいずれか一方の弾性力を調節する場合、弾性力の強弱関係が反転しないように、またその弾性力の差もしくは比が変化しないように他方のスプリングの弾性力をも調整する必要があり、弾性力の調整が面倒であるばかりか、選択の自由度が制限されるなどの課題がある。
【0010】
これに対して引用文献3の発明では、ソケットの非可動部分(あるいは構造部分)でプラグにおける弁体を押圧し、またプラグの非可動部分(あるいは構造部分)でソケットにおける弁体を押圧するように構成され、またソケットおよびプラグにおける弁体には先端側に延びた突出部が特には形成されておらず、弁座同士の距離が短くなっている。しかしながら、各弁体の先端部がソケットやプラグの先端側に露出した構成になっており、特にソケット側の弁体におけるパッキン材が先端側に露出し、ここをプラグで押圧するようになっているので、パッキン材の損傷あるいは劣化が進行しやすく、耐久性が劣る可能性がある。また、ソケットあるいはプラグにおける弁体の先端部が露出しているために、これらを取り付けた容器などを不用意に置いた場合に、その近辺の突起物などが弁体を押圧してしまい、あるいは小児の悪戯などによって開弁してしまうなどの可能性があった。
【0011】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、耐久性に優れ、また液だれが少なく、さらには不用意に開弁することのない開閉弁付カップラーを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、供給側コネクターと受容側コネクターとを相互に嵌合させることにより開弁して供給側コネクターに形成されている供給流路と受容側コネクターに形成されている受容側流路とを連通させる開閉弁付カップラーにおいて、前記供給側コネクターと受容側コネクターとのいずれか一方のコネクターは、接続用円筒部と、該接続用円筒部の中心軸線に沿って配置された固定軸とを備え、該固定軸の先端部外周に先端側で大径となるテーパー状の弁座が設けられ、該弁座のテーパー形状と一致するテーパー面を先端内周部に形成された円筒状の第1弁体が前記固定軸の外周側に軸線方向に移動可能に嵌合させられるとともに、そのテーパー面を前記弁座に押し付けるように前記第1弁体を軸線方向に押圧する弾性体が設けられ、前記固定軸の外周面と前記第1弁体の内周面との間に流路が形成され、前記第1弁体の外周面で軸線方向での中間部には該第1弁体の先端面の外径より大径の係合部が設けられ、前記供給側コネクターと受容側コネクターとの他方のコネクターには、前記接続用円筒部と前記固定軸との間に挿入される挿入用円筒部が設けられ、その挿入用円筒部の先端部に前記第1弁体における前記係合部に当接して該第1弁体を前記弾性体の弾性力に抗して軸線方向に押圧する開弁押圧部が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記挿入用円筒部は、前記弁体を液密状態に嵌合させる開口部を先端部に有しかつその開口部に連通する流路が内部に形成されており、その挿入用円筒部の内部には、該挿入用円筒部の開口部に向けて弾性体によって押圧された第2弁体と、該第2弁体が前記弾性体によって押圧されて接触することにより前記開口部を液密状態に閉じる弁座とが設けられ、前記固定軸の先端部が前記第2弁体の先端部を押圧し、かつ前記挿入用円筒部の先端部が前記第1弁体の形成された前記係合部に係合して第1弁体を押圧するように構成されていることを特徴とする開閉弁付カップラーである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記弁座は、前記固定軸の先端部に嵌合させたパッキンによって形成されるとともに、前記固定軸の先端部には、該パッキンを抜け止めしかつ前記第2弁体に当接させられる平板部が形成され、前記第2弁体は、前記挿入用円筒部の内部に形成された弁座に液密状態に当接する他のパッキンを備えるとともに、前記第2弁体の先端部は、前記他のパッキンを抜け止めしかつ前記固定軸の先端部に形成された前記平板部が当接する平板状に形成されていることを特徴する開閉弁付カップラーである。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2または3の発明において、前記第1弁体の外周部には、前記固定軸の先端部が前記第2弁体を押圧する前に前記挿入用円筒部における開口部に液密状態に嵌合するシール材が設けられていることを特徴とする開閉弁付カップラーである。
【0016】
請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかの発明において、前記固定軸が前記第2弁体を押圧して前記弁座から離隔させることにより前記他方のコネクターを開弁させた後、前記挿入用円筒部の先端部が前記第1弁体の係合部に係合して該第1弁体を軸線方向に後退させて前記テーパー状の弁座から離隔させることにより前記一方のコネクターを開弁させるように構成されていることを特徴とする開閉弁付カップラーである。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記第1弁体の後端部に、該第1弁体の先端内周面が前記テーパー状の弁座に当接して前記流路を閉じている状態で該流路を閉止する閉止機構が設けられていることを特徴とする開閉弁付カップラーである。
【0018】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記閉止機構は、前記第1弁体の外周側に突出して形成されたフランジ部と、該フランジ部より先端側に前記第1弁体の内周面から外周面に到るように貫通して形成された貫通孔と、前記第1弁体の先端内周面が前記テーパー状の弁座に液密状態に接触している状態では前記フランジ部が液密状態に接触しかつ前記貫通孔の前記第1弁体における外周側の開口部を封止するように前記接続用円筒部の内周部に設けられたリング状のパッキンと、前記第1弁体の内周面と前記固定軸の外周面との間の流路を前記貫通孔が形成されている位置よりも前記第1弁体の後端側で封止する軸封材とを備えていることを特徴とする開閉弁付カップラーである。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかの発明において、前記固定軸の先端部に設けられた平板部は、前記第1弁体の先端面の外径以上の大径でかつ前記係合部の外径より小径の円板状の隠蔽板とされていることを特徴とする開閉弁付カップラーである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、供給側コネクターと受容側コネクターとを相互に嵌合させると、そのいずれか一方に設けられている接続用円筒部の内側に、他方に設けられている挿入用円筒部が入り込み、同時にその挿入用円筒部の内部に固定軸およびこれに嵌合させられている第1弁体が嵌合する。その状態で、より深く嵌合すると、挿入用円筒部の先端部が、第1弁体の外周面に形成されている係合部に当接し、これを軸線方向に押圧する。その結果、第1弁体が後退移動して弁座から離れ、開弁する。このように、開弁のために第1弁体に外力を及ぼす箇所は、第1弁体の外周部に形成された係合部であるから、弁座との間の液密状態を維持する部分の損傷を回避し、耐久性を向上させることができる。また、弁座およびここに接触する第1弁体の先端内周面がテーパー状に構成されているので、いわゆるシール面積が広く、確実に封止することができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、供給側コネクターと受容側コネクターとのそれぞれが弁体を備えており、第1弁体は挿入用円筒部の先端部で押圧し、第2弁体は固定軸の先端部で押圧するので、それぞれの弁体を閉弁方向に付勢する各弾性体の弾性力が相互に干渉することがなく、各弾性力の設定の自由度を高くすることができる。それに伴い、各弁体の開弁の順序は弾性体の弾性力の強弱によらずに設定でき、弾性力の設定の誤りがあった場合などにおいても、所期の順序で開弁させることができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、液密状態とするためのパッキンを保持する平板部同士を当接させて開弁するように構成されているので、それらのパッキン同士の距離が短く、その結果、供給側コネクターと受容側コネクターとを相互に離脱させる際に両者の間に残留する液体の量が僅かになり、液だれを有効に防止もしくは抑制することができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、第1弁体と挿入用円筒部とが嵌合した場合、第1弁体の外周面と挿入用円筒部の内周面との間をシール材が液密状態に封止した後に開弁するので、液漏れあるいは液だれを防止することができる。
【0024】
請求項5の発明によれば、第2弁体が開弁してから第1弁体が開くように構成されているので、第2弁体を受容側コネクターに設け、第1弁体を供給側コネクターに設けることにより、供給側コネクターから送り出された液体が確実に受容側に入り込み、その結果、液漏れや液だれを有効に防止もしくは抑制することができる。
【0025】
請求項6あるいは7の発明によれば、第1弁体は、先端内周面のテーパー面と後端側のフランジ部との少なくとも二箇所で流路を封止するように構成されているので、不用意な液漏れあるいは液だれを確実に防止することができる。
【0026】
請求項8の発明によれば、第1弁体の先端面は遮蔽板で隠蔽されており、またその第1弁体を軸線方向に後退させて開弁するための係合部は、第1弁体の後端側すなわち接続用円筒部の奥側)に設けられているので、第1弁体を不用意に後退移動させて開弁させたり、悪戯によって開弁したりすることを有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。図1はこの発明に係るカップラーの一例を示す断面図であり、ここに示すカップラーは、一対のコネクター1,2を備えている。一方のコネクター1はこの発明における供給側コネクターに相当し、図示しない液体容器に取り付けられ、プラグと称することもできる。他方のコネクター2はこの発明における受容側コネクターに相当し、燃料電池などの図示しない機器本体に取り付けられ、ソケットと称することもできる。
【0028】
一方のコネクター(以下、仮にプラグと称す。)1の構成について説明すると、ノズル3の先端部に取り付けられた接続用円筒部4を備えており、この接続用円筒部4は以下に述べるバルブ機構の外装体としても機能している。この接続用円筒部4の中心部には固定軸(以下、仮にバルブシャフトと記す)5が取り付けられており、このバルブシャフト5を保持している隔壁部6には接続用円筒部4の内外(すなわちノズル3の内部と接続用円筒部4の内部と)を連通させる複数の貫通孔7が形成されている。
【0029】
また、バルブシャフト5の先端側の外周には、この発明における第1弁体に相当するスライドバルブ8が、軸線方向に移動できるように嵌合されている。そのスライドバルブ8は円筒状もしくは中空軸状に形成された部材であって、その内径は、バルブシャフト5の外径より大きく、したがってスライドバルブ8の内周面とバルブシャフト5の外周面との間に流路9が形成されている。
【0030】
スライドバルブ8の先端部およびバルブシャフト5の先端部で、上記の流路9を開閉するバルブ機構が構成されている。すなわち、バルブシャフト5の先端部には、外周面が、先端側(図1の上側)で大径となるテーパー面に形成されたパッキン10が嵌合されている。このパッキン10は、バルブシャフト5の先端部に取り付けられた平板部11によって保持されている。言い換えれば、パッキン10は、その平板部11とバルブシャフト5に形成された段差部との間に挟み込まれて保持されている。これに対してスライドバルブ8の先端内周面は、前記パッキン10の外周面に対応したテーパー面12に形成されており、そのテーパー面12がパッキン10の外周面に気密状態に密着する(弁体が弁座に密着する)ことにより、スライドバルブ8の先端開口部すなわち流路9を閉止するようになっている。
【0031】
また、スライドバルブ8の後端側の外周面には、半径方向で外側に突出したフランジ部13が一体に形成されている。このフランジ部13と前述した隔壁部6との間に、スライドバルブ8を先端側(図1の上側)に押圧するこの発明の弾性体に相当するコイルスプリング14が配置されている。
【0032】
また、フランジ部13は、プラグ1における第2のバルブ機構の一部を構成している。すなわち、フランジ部13の上面(コイルスプリング14とは反対側の面)の外周部には環状の突起部15が形成されている。そして、その環状突起部15が液密状態に密着し、かつスライドバルブ8の外周面が液密状態に摺接するリング状のパッキン16が、前述した接続用円筒部4の内部に固定され、弁座を形成している。
【0033】
このパッキン16の取付構造について説明すると、接続用円筒部4の内径は、前記フランジ部13の環状突起部15の先端に対応する位置より後端側(図1の下側)で小さく、それより先端側(図1の上側)で大きくなっていて、このように内径の変化する箇所に段差部17が形成されている。パッキン16はその段差部に17に先端側から接触した状態に接続用円筒部4の内部に挿入されている。また、先端側の内径の大きい部分には、リング状のパッキンプレート18がねじ込まれており、前記パッキン16はこのパッキンプレート18によって前記段差部17との間に挟み込まれて固定されている。
【0034】
そして、フランジ部13より先端側に、スライドバルブ8の内周面から外周面に到る複数の貫通孔19が、スライドバルブ8の中心軸線を中心に放射状に形成されている。 これらの貫通孔19のスライドバルブ8における軸線方向の位置は、スライドバルブ8が最も先端側に移動して前記テーパー状のパッキン10に密着している状態で、リング状のパッキン16に一致してそのパッキン16によって開口端が閉じられる位置である。
【0035】
なお、接続用円筒部4の内部で前記コイルスプリング14を収容している箇所も流路20となっており、この流路20とスライドバルブ8の内周側の流路9とを遮断するために、スライドバルブ8の内周面とバルブシャフト5の外周面との間にシールリング21が配置されている。具体的には、いわゆるOリングがバルブシャフト5に嵌合されている。
【0036】
したがって、ノズル3が設けられている容器の内部とプラグ1の先端側の外部とは、スライドバルブ8の先端内周面とテーパー状のパッキン10とを主体とするバルブ機構と、フランジ部13およびリング状のパッキン16とを主体とするこの発明の閉止機構に相当するバルブ機構との二つのバルブ機構によって遮断され、また連通されるようになっている。
【0037】
上記のスライドバルブ8をコイルスプリング14の弾性力に抗して後退移動させるための構成、すなわちスライドバルブ8を開弁するための構成について説明すると、図1に示す構成では、受容側コネクター(以下、仮にソケットと称す。)2によってスライドバルブ8を押圧するようになっている。すなわち、ソケット2は、上述した接続用円筒部4の内部に挿入される挿入用円筒部22を備えている。この挿入用円筒部22は、前述したバルブシャフト5およびこれに嵌合させたスライドバルブ8の先端部分を挿入する開口部23を先端側(図1の下側)に形成された円筒状の部材であり、前記接続用円筒部4の内部に挿入されるように構成されている。
【0038】
その開口部23の内径より大径でテーパー状の係合部24が、前記スライドバルブ8の軸線方向での中間部における外周面に形成されている。そして、その係合部24よりも先端側に寄った位置の外周面にOリング25が嵌合され、スライドバルブ8を挿入用円筒部22の開口部23に挿入した場合に、そのOリング25が開口部23の内周面に密着して液密状態を維持するように構成されている。したがって、接続用円筒部4と挿入用円筒部22とを嵌合させた場合、バルブシャフト5およびスライドバルブ8の先端部が開口部23の内部に挿入され、かつスライドバルブ8の外周面と開口部23の内周面との間にOリング25が挟み込まれてこの部分の液密状態を維持し、さらにその状態で開口部23の先端部22Aがスライドバルブ8の外周面に形成された係合部24に当接し、挿入用円筒部22がスライドバルブ8を軸線方向に押圧するようになっている。したがって、この先端部22Aがこの発明の開弁押圧部に相当している。
【0039】
さらに、挿入用円筒部22はソケット2におけるバルブ機構の外装体としても機能している。すなわち、挿入用円筒部22の内部には前記開口部23に続けて該開口部23より大径の中空部が形成され、その中空部が流路26となっている。したがって開口部23と大径の中空部との境界部分に段差部が形成されており、ここが弁座27となっている。この弁座27に押し付けられて流路26を閉じる弁体28が設けられている。
【0040】
この弁体28は、流路26の内径程度の外径を有する厚肉の円盤状をなし、あるいは断面が凹形状をなす円形の部材であり、その下面(図1での下側の面)の外周部にシールパッキン29が取り付けられている。また、上面側には、コイルスプリング30が配置され、その弾性力で弁体28を弁座27に向けて押圧するように構成されている。
【0041】
その弁体28に対するシールパッキン29の取付構造について説明すると、弁体28の下端部は、環状をなすシールパッキン29の内径より大きい外径の平板部31となっており、その平板部31と本体部分32との間にシールパッキン29を嵌合させて挟み込むことにより、シールパッキン29を弁体28に保持させるように構成されている。
【0042】
なお、その平板部31と前述したバルブシャフト5の先端部に設けられている平板部11とほぼ同じ外径であり、したがって弁体28は、これらの平板部11,31を対向させて当接され、その状態でバルブシャフト5によって軸線方向に押圧されて開弁するようになっている。
【0043】
また、バルブシャフト5における平板部11の外径は、スライドバルブ8の先端面の外径以上で、かつ挿入用円筒部22の開口部23の内径より小さい径となっている。また、その平板部11は接続用円筒部4の先端部よりも内方側に位置している。これは、可動部材であるスライドバルブ8の先端部を外部に対して隠蔽するための構成であり、平板部11がこの発明における隠蔽板に相当している。したがって、不用意な取り扱いや悪戯などによって、細いピンや軸状の部材が接続用円筒部4の内部に差し込まれたとしても、直ちにスライドバルブ8が軸線方向に押されることが抑制され、更には、係合部24がテーパー状になっているため軸線方向に押されることがより抑制され、プラグ1とソケット2とが接続されていない状態でスライドバルブ8が開弁したり、それに伴って容器の内部から液が漏れ出したりすることを防止することができる。
【0044】
なお、接続用円筒部4の内周面と挿入用円筒部22の外周面とには、これらの円筒部4,22を所期の状態に嵌合させた場合に相互に係合して、両者を少なくとも軸線方向で一体化させる係止部33a,33bが形成されている。
【0045】
さらに、図1に示すように構成されたカップラーは、プラグ1とソケット2とを相互に接続する場合、ソケット2の弁体28が開弁した後に、プラグ1のスライドバルブ8が開弁するように構成されている。具体的には、プラグ1におけるバルブシャフト5に取り付けられている平板部11の先端面とスライドバルブ8の外周部に形成されている係合部24との距離(間隔)L1が、挿入用円筒部22の先端(開口部23の先端部22A)と弁体28の先端部を形成している平板部31の先端面との距離(間隔)L2より大きくなっている。したがって、バルブシャフト5がソケット2の弁体28を押してこれを軸線方向に移動させた後、挿入用円筒部22の先端部22Aがスライドバルブ8の係合部24に係合してこれを押すことにより、スライドバルブ8が開弁するようになっている。なお、弁体28が開弁する時点では、スライドバルブ8の外周面に嵌合させたOリング25が開口部23の内周面に密着してここを封止するようになっている。
【0046】
つぎに上述した図1に示す構成のカップラーの作用について説明する。図1は、プラグ1とソケット2とが離れていて両者が連結されていない状態であり、この状態では、プラグ1における接続用円筒部4の先端部が解放状態になっている。しかしながら、可動部材であるスライドバルブ8の先端面は、バルブシャフト5に取り付けられている平板部11によって隠蔽されているから、プラグ1あるいはこれが取り付けられている容器を不用意に取り扱ったり、小児の悪戯などによって細いピンや軸状の部材が接続用円筒部4の内部に差し込まれても、スライドバルブ8が直ちに押されることがない。そのため、不用意に液が漏れ出すことが防止もしくは抑制される。また、スライドバルブ8の先端内周部に形成されているテーパー面12が、テーパー状のパッキン10に密着して流路9を封止し、またフランジ部13が環状のパッキン16に密着して流路20を液密状態に封止しているので、プラグ1が取り付けられている容器は、二重のバルブ機構によって閉じられている。そのため、容器からの液漏れが確実に防止される。
【0047】
カップラーを連結するためには、プラグ1とソケット2とを相互に軸線方向に接近させて嵌合させる。図2にその初期状態を示してあり、挿入用円筒部22が接続用円筒部4とスライドバルブ8との間に差し込まれ、またバルブシャフト5およびこれに嵌合させてあるスライドバルブ8が、挿入用円筒部22における開口部23に差し込まれる。そして、先ず、バルブシャフト5と弁体28との各平板部11,31が互いに当接する。この状態では、スライドバルブ8の外周面に嵌合させたOリング25が開口部23の内周面に密着していて開口部23を液密状態に閉じている。
【0048】
この状態における各パッキン10,29の間に形成される中空部分が、閉弁後に液体が残留する空間になるが、図1に示す構成では、各平板部11,31の背後にパッキン10,29を保持させているので、パッキン10,29同士が互いに接近していて液体の残留する中空部分の容積が小さくなっている。そのため、カップラーの連結を解く場合にプラグ1側およびソケット2側いずれにも回収されない残液量が少なく、いわゆる液だれあるいは液漏れを回避もしくは抑制することができる。更には、スライドバルブ8が閉弁後に弁体28が閉弁するたことでより確実に抑制することができる。
【0049】
図2の状態からプラグ1およびソケット2を更に深く嵌合させると、プラグ1に設けられているバルブシャフト5が、ソケット2側の弁体28をコイルスプリング30を圧縮しつつ押圧して弁体28を軸線方向に後退移動させる。その状態を図3に示してある。
【0050】
すなわち、弁体28が弁座27から離れて開弁状態となる。弁体28をこのように開弁させるための荷重は、弁体28の先端部に設けられている平板部31にバルブシャフト5の先端部に設けられている平板部11が当接することにより作用し、弁体28のパッキン29には荷重が作用しないので、そのパッキン29の損傷や早期劣化などの不都合を回避することができる。またその荷重は、プラグ1とソケット2とを嵌合させることによる荷重であって、プラグ1におけるコイルスプリング14の弾性力によるものではない。なお、その場合、ソケット2における挿入用円筒部22の先端部22Aは、スライドバルブ8の係合部24に到達していないか、もしくは単に接触する程度で係合部24を押圧していないので、スライドバルブ8は閉じたままの状態を維持する。
【0051】
図4は、プラグ1とソケット2とを更に深く嵌合させて、接続用円筒部4と挿入用円筒部22との係止部33a,33b同士を互いに係合させることにより、プラグ1とソケット2とを完全に連結した状態を示している。この状態では、スライドバルブ8が挿入用円筒部22における開口部23に更に深く入り込むので、挿入用円筒部22の先端部22Aがスライドバルブ8の外周面に形成されている係合部24に係合し、その結果、スライドバルブ8が軸線方向に後退移動するように押圧される。こうしてスライドバルブ8がバルブシャフト5に設けられているテーパー状のパッキン10から離れて開弁する。したがって、この場合も、スライドバルブ8を開弁させる荷重は、パッキン10に掛からずに係合部24に掛かるので、パッキン10の損傷や早期劣化などの不都合を回避することができる。そして、スライドバルブ8を開弁させる荷重は、ソケット2におけるいわゆる構造部分である挿入用円筒部22から作用するので、ソケット2におけるコイルスプリング30の弾性力には依存しない。
【0052】
スライドバルブ8が上記のようにして軸線方向に後退移動すると(図1ないし図4の下方向に移動すると)、その先端部のテーパー面12がパッキン10から離れ、また軸線方向の中間部に形成されているフランジ部13がパッキン16から離れ、さらに貫通孔19が接続用円筒部4における後端側の流路20に開口するので、プラグ1における各流路20,9が連通し、かつその流路9がソケット2における流路26に連通する。すなわち、カップラーの連結が完了する。なお、この連結状態は、上記の各係止部33a,33bが互いに係合していることにより維持される。こうして容器が機器本体に接続されることにより、容器からエタノールなどの液体が機器本体に供給される。その液体の供給は、容器側で液体を加圧して行ってもよく、あるいは機器本体側で吸引して行ってもよい。
【0053】
この発明に係る上記のカップラーでは、ソケット2側の弁体28が開弁した後にプラグ1におけるスライドバルブ8が開弁するので、プラグ1が取り付けられている容器から送り出された液体は、途中で滞ることなくソケット2側に供給され、したがって液漏れや液だれを確実に防止することができる。しかも、上述した構成では、開弁の順序をコイルスプリング14,30の弾性力の強弱によって決めずに、プラグ1およびソケット2の構造もしくは寸法によって決めるようになっているので、開弁の順序やタイミングに異常を来すことを容易かつ確実に防止することができる。
【0054】
つぎに、この発明の他の具体例を説明する。上述した具体例では、バルブシャフト5の先端部に嵌合させたパッキン10によって弁座が形成され、またソケット2側の弁体28にシールパッキン29が嵌合させられ、これが弁座27に押し付けられて液密性を確保するように構成されているが、この発明ではこの種のパッキン10やシールパッキン29などを使用せずに液密性を確保するように構成してもよい。図5はその例を示しており、バルブシャフト5の先端部には、前述したパッキン10の外周面の同様のテーパー面をなす弁座35が形成されている。したがって、この弁座35はバルブシャフト5と同一の材質であり、前述したパッキン10よりも硬度が高くなっている。そして、このテーパー面をなす弁座35にスライドバルブ8における前記テーパー面12が接触することにより、流路9を閉じるように構成されている。
【0055】
また一方、前記ソケット2の一部を構成している前記挿入用円筒部22における弁座27は、挿入用円筒部22の先端側(図5の下側)で次第に径が大きくなるテーパー状に形成されている。より具体的に説明すると、挿入用円筒部22には先端部側から弁体28に向けて延びる円筒部36が形成され、その円筒部36の外周面が上記のテーパー状の弁座27となっている。これに対して、弁体28における前記平板部31の外周側には、環状の溝が形成されており、その溝を構成している外周側の周壁面が前記弁座27と同一形状のテーパー面37となっている。そして、そのテーパー面36が上記のテーパー状の弁座27に接触することにより流路26を液密状態に閉じるように構成されている。
【0056】
図5に示す他の構成は、前述した図1に示す構成とほぼ同様であり、したがって図5に示す構成のうち前述した図1と同様の構成の部分には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。なお、図5に示す具体例において、隔壁部6はノズル3に形成され、したがってバルブシャフト5はノズル3に取り付けられている。また、スライドバルブ8における前記突起部15を当接させるパッキン16は、ノズル3の先端部と接続用円筒部4の内周側に突出させた形成したフランジ部との間に挟み込まれて保持されている。
【0057】
上述した図5に示す構成であっても、前述した図1に示す構成のカップラーと同様の作用・効果を得ることができ、これに加えて、開閉弁機構を構成するパッキン材の使用数を少なくすることができるので、構成を簡素化し、またコストの低廉化を図ることができる。
【0058】
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、前述した各部分の構成の一部を省略し、また変更してもよい。例えば、対象とする液体はエタノール以外の液体であってもよく、また機器本体は燃料電池に限られず、さらに、弾性体をコイルスプリング以外のものに変更するなど、設計上の各種の変更を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】この発明に係る開閉弁付カップラーの一例を示す断面図である。
【図2】そのプラグとソケットとの連結初期の状態を示す断面図である。
【図3】そのプラグとソケットとを更に深く嵌合させた状態の断面図である。
【図4】プラグとソケットとの連結が完了した状態の断面図である。
【図5】この発明に掛かる開閉弁付カップラーの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1…コネクター(プラグ)、 2…コネクター(ソケット)、 3…ノズル、 4…接続用円筒部、 5…バルブシャフト(固定軸)、 6…隔壁部、 7…貫通孔、 8…スライドバルブ(第1弁体)、 9…流路、 10…パッキン(弁座)、 11…平板部、 12…テーパー面、 13…フランジ部、 14…コイルスプリング(弾性体)、 15…環状突起部、 16…パッキン、 17…段差部、 18…パッキンプレート、 19…貫通孔、 20…流路、 21…シールリング、 22…挿入用円筒部、 22A…先端部(開弁押圧部)、 23…開口部、 24…係合部、 25…Oリング、 26…流路、 27…弁座、 28…弁体(第2弁体)、 29…シールパッキン、 30…コイルスプリング(弾性体)、 31…平板部、 32…本体部分、 33a,33b…係止部、 35…弁座、 37…テーパー面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給側コネクターと受容側コネクターとを相互に嵌合させることにより開弁して供給側コネクターに形成されている供給流路と受容側コネクターに形成されている受容側流路とを連通させる開閉弁付カップラーにおいて、
前記供給側コネクターと受容側コネクターとのいずれか一方のコネクターは、接続用円筒部と、該接続用円筒部の中心軸線に沿って配置された固定軸とを備え、
該固定軸の先端部外周に先端側で大径となるテーパー状の弁座が設けられ、
該弁座のテーパー形状と一致するテーパー面を先端内周部に形成された円筒状の第1弁体が前記固定軸の外周側に軸線方向に移動可能に嵌合させられるとともに、そのテーパー面を前記弁座に押し付けるように前記第1弁体を軸線方向に押圧する弾性体が設けられ、
前記固定軸の外周面と前記第1弁体の内周面との間に流路が形成され、
前記第1弁体の外周面で軸線方向での中間部には該第1弁体の先端面の外径より大径の係合部が設けられ、
前記供給側コネクターと受容側コネクターとの他方のコネクターには、前記接続用円筒部と前記固定軸との間に挿入される挿入用円筒部が設けられ、
その挿入用円筒部の先端部に前記第1弁体における前記係合部に当接して該第1弁体を前記弾性体の弾性力に抗して軸線方向に押圧する開弁押圧部が形成されている
ことを特徴とする開閉弁付カップラー。
【請求項2】
前記挿入用円筒部は、前記弁体を液密状態に嵌合させる開口部を先端部に有しかつその開口部に連通する流路が内部に形成されており、
その挿入用円筒部の内部には、該挿入用円筒部の開口部に向けて弾性体によって押圧された第2弁体と、該第2弁体が前記弾性体によって押圧されて接触することにより前記開口部を液密状態に閉じる弁座とが設けられ、
前記固定軸の先端部が前記第2弁体の先端部を押圧し、かつ前記挿入用円筒部の先端部が前記第1弁体の形成された前記係合部に係合して第1弁体を押圧するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉弁付カップラー。
【請求項3】
前記弁座は、前記固定軸の先端部に嵌合させたパッキンによって形成されるとともに、
前記固定軸の先端部には、該パッキンを抜け止めしかつ前記第2弁体に当接させられる平板部が形成され、
前記第2弁体は、前記挿入用円筒部の内部に形成された弁座に液密状態に当接する他のパッキンを備えるとともに、
前記第2弁体の先端部は、前記他のパッキンを抜け止めしかつ前記固定軸の先端部に形成された前記平板部が当接する平板状に形成されている
ことを特徴する請求項2に記載の開閉弁付カップラー。
【請求項4】
前記第1弁体の外周部には、前記固定軸の先端部が前記第2弁体を押圧する前に前記挿入用円筒部における開口部に液密状態に嵌合するシール材が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の開閉弁付カップラー。
【請求項5】
前記固定軸が前記第2弁体を押圧して前記弁座から離隔させることにより前記他方のコネクターを開弁させた後、前記挿入用円筒部の先端部が前記第1弁体の係合部に係合して該第1弁体を軸線方向に後退させて前記テーパー状の弁座から離隔させることにより前記一方のコネクターを開弁させるように構成されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の開閉弁付カップラー。
【請求項6】
前記第1弁体の後端部に、該第1弁体の先端内周面が前記テーパー状の弁座に当接して前記流路を閉じている状態で該流路を閉止する閉止機構が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の開閉弁付カップラー。
【請求項7】
前記閉止機構は、前記第1弁体の外周側に突出して形成されたフランジ部と、該フランジ部より先端側に前記第1弁体の外周面から内周面に到るように貫通して形成された貫通孔と、前記第1弁体の先端内周面が前記テーパー状の弁座に液密状態に接触している状態では前記フランジ部が液密状態に接触しかつ前記貫通孔の前記第1弁体における外周側の開口部を封止するように前記接続用円筒部の内周部に設けられたリング状のパッキンと、前記第1弁体の内周面と前記固定軸の外周面との間の流路を前記貫通孔が形成されている位置よりも前記第1弁体の後端側で封止する軸封材とを備えていることを特徴とする請求項6に記載の開閉弁付カップラー。
【請求項8】
前記固定軸の先端部に設けられた平板部は、前記第1弁体の先端面の外径以上の大径でかつ前記係合部の外径より小径の円板状の隠蔽板とされていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の開閉弁付カップラー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−133416(P2009−133416A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310370(P2007−310370)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000208455)大和製罐株式会社 (309)
【Fターム(参考)】