開閉部用の検出装置
【課題】 開閉部に近づく人や物を、環境変化や外乱光の入射があった場合でも正確に検出することができる開閉部用の検出装置を提供する。
【解決手段】 開閉部の開放時における進入経路を含む進入検出領域を照明する照明ユニット40と、進入検出領域を撮像する撮像ユニット50とを備え、所定タイミング毎に、撮像手段を用いて輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像し、異なる所定枚数の画像について算出された第1の輝度比率と第2の輝度比率とを比較し、輝度比率の変化に基づいて進入検出領域への物体の侵入を検出する。
【解決手段】 開閉部の開放時における進入経路を含む進入検出領域を照明する照明ユニット40と、進入検出領域を撮像する撮像ユニット50とを備え、所定タイミング毎に、撮像手段を用いて輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像し、異なる所定枚数の画像について算出された第1の輝度比率と第2の輝度比率とを比較し、輝度比率の変化に基づいて進入検出領域への物体の侵入を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター等の開閉装置に近づく人や物を検出する開閉部用の検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シャッター等の開閉装置に近づく人や物を、画像処理を行うことによって検出し、検出結果に応じて開閉装置の開閉動作を制御することが行われている。このような開閉装置付近の人や物を検出する検出装置は、例えば、特開2004−68515号公報では、シャッターカーテンなどの開閉装置の片側全面に渡る所定領域を撮影し、撮影した画像と、装置の設置時にあらかじめ撮影された原画像とを比較し、画像中において相違する部分の面積が所定の閾値以上である場合に、物体が開閉装置の開口部に進入したものとして検出を行っている。また、特開平06−200672号公報では、自動扉の前方を撮影した画像データについて微分処理等を行い、物体の輪郭を強調させることによって移動物体の検出を行っている。さらに、特開平05−113090号公報では、シャッターパネルの上方からシャッターの開口部を撮影し、撮影された画像におけるシャッターパネル近傍の領域について、動体の面積、輝度、形状等の特徴から人体の接近の有無を認識している。また、背景画像との差分を取ることにより、輝度等に変化が無い場合であっても動体を検出する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−068515号公報
【特許文献2】特開平06−200672号公報
【特許文献3】特開平05−113090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の検出装置では、画像の比較や、微分などの画像処理を行って人や物を検出しているものの、環境変化や外乱光(車のヘッドライト等)の入射によって検出領域に輝度変化があった場合、これらを人や物として誤検出してしまうといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、開閉部に近づく人や物を、環境変化や外乱光の影響を受けること無く、正確に検出することができる開閉部用の検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、開閉部の開放時における進入経路を含む進入検出領域を照明する照明手段と、進入検出領域を撮像する撮像手段と、所定タイミング毎に、撮像手段を用いて輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像し、取得する画像取得手段と、所定枚数の画像について輝度比率を算出する輝度比率算出手段と、輝度比率算出手段により、異なる所定枚数の画像について算出された第1の輝度比率と第2の輝度比率とを比較する比較手段と、比較手段の比較結果に基づいて進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段とを備えるものとした。
【0007】
この発明にあっては、異なる複数枚の画像より算出された輝度比率を用いているので、例えば、街灯の照明光が入射している状態で撮像された輝度条件の異なる複数枚の画像の輝度比率と、街灯の照明光が入射していない状態で撮影された輝度条件の異なる複数枚の画像の輝度比率とは、照明光の入射の有無にかかわらず同じとなり、輝度比率に環境変化や外乱光の影響が生じないため、開閉部に近づく物体の検出をより精度良く行うことができる。
【0008】
また、照明手段および撮像手段は、開閉部の下端近傍に配置され、進入検出領域を、開口部の下端から所定高さ以上の領域とすることが好適である。これにより、例えば、進入物体として検出する必要が無いゴミ等が、地面を転がって開口部に進入したとしても、これらを進入物体として検出してしまうことが無くなり、進入物体の検出精度をより向上させることができる。また、地面以外の領域を撮像領域としているので、影等の影響によって撮像画像内に輝度変化が生じることが少なくなり、より精度良く進入物体の検出を行うことができる。
【0009】
また、照明手段によって照明がされているときに撮像手段によって撮像された画像と、照明がされていないときに撮像手段によって撮像された画像との差分画像を算出する差分画像算出手段をさらに備え、輝度比率算出手段は、差分画像に基づいて輝度比率を算出することが好適である。これにより、撮像された画像中のノイズ成分を除去することができ、進入物体の検出精度をより向上させることができる。
【0010】
また、照明手段は、進入検出領域を配光領域とし、撮像手段は、進入検出領域を含む領域を撮像領域とすることが好適である。あるいは、撮像手段は、進入検出領域を撮像領域とし、照明手段は、進入検出領域を含む領域を配光領域とすることが好適である。これにより、配光領域または撮像領域によって進入検出領域を容易に規定することができる。
【0011】
また、画像取得手段は、撮像手段の露光時間を一定時間幅とし、照明手段による照明強度を変更することにより輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像すること、照明手段を常時点灯とし、撮像手段の露光時間を変更することにより輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像すること、撮像手段の露光状態を常時開放とし、照明手段による照明強度を変更することにより輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像することのいずれかを行うことが好適である。これにより、輝度条件の異なる所定枚数の画像を容易に撮像することができる。
【0012】
また、輝度比率算出手段は、画像を2つ以上の領域に区分し、区分毎に輝度比率を算出することが好適である。これにより、進入物体の進行方向を検出することができる。
【0013】
また、照明手段は、赤外光線を用いて照明を行うものであり、撮像手段は、赤外光線の波長近傍の波長のみを通過させるフィルタを備えていることが好適である。この場合には、不要な光線をフィルタによって遮断して、撮像を行うことができるので、移動物体の検出精度をより向上させることができる。
【0014】
本発明は、開閉部の開放時における進入経路を含む進入検出領域を、所定のパターン光によって照明する照明手段と、所定のパターン光の反射光をパターン画像として撮像する撮像手段と、撮像手段により、異なるタイミングで撮像された第1のパターン画像のパターン形状と第2のパターン画像のパターン形状との比較を行う比較手段と、比較手段による比較結果に基づいて進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段とを備えるものとした。
【0015】
この発明にあっては、進入検出領域内に環境変化や外乱光の入射があった場合でも、これらの影響を受けること無く、進入する物体の検出をより正確に行うことができるとともに、パターン形状を比較するだけで進入物体の検出を行うことができるので、検出処理を簡素化することができる。
【0016】
また、所定のパターン光は、可視光が用いられ、さらに、パターン形状は、文字またはマークであることが好適である。これにより、開閉部の作動を、開閉部の周囲にいる人に視覚的に知らせることができる。
【0017】
また、照明手段は、パルス発光を行い、さらに、パルス発光の発光タイミングと同期してパターン光の照射位置を切り替えるものであり、撮像手段は、照明手段の発光と同期してパターン画像を撮像することが好適である。これにより、照射位置が異なる他のパターン光の影響を受けること無く、それぞれのパターン光の形状の変化を正確に検出することができ、進入物をより精度良く検出することができる。
【0018】
本発明は、開閉部の開放時における進入経路を含み、開閉部の開放時における開口部の下端から所定高さ以上の進入検出領域を照明する照明手段と、進入検出領域内において、照明手段による照明の配光領域と重なる撮像領域を有する撮像手段と、撮像手段によって撮像された画像より、照明光の反射光が検出されたか否かを判断する判断手段と、判断手段による判断結果に基づいて進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段とを備えるものとした。
【0019】
この発明にあっては、配光領域と撮像領域とを開口部の下端から所定高さ以上の領域で重なるようにしているので、進入物として検出する必要が無いゴミ等が、地面を転がって開口部に進入したとしても、これらを進入物として誤検出してしまうことが無くなる。さらに、影や天候変化によって地面の状態が変化したとしても、これらの変化に影響されること無く、進入する物体の検出をより正確に行うことができる。
【0020】
また、照明手段は、所定のパターン光によって照明を行うことが好適である。これにより、判断手段が所定のパターン光を検出したときに進入検出領域に物体が侵入したと判断することができるので、より精度良く進入物体の検出を行うことができる。
【0021】
また、照明手段は、パルス発光を行うものであり、撮像手段は、照明手段の発光と同期して、画像を撮像することが好適である。これにより、パルス発光の周期で進入物体を検出することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、開閉部に近づく人や物を、環境変化や外乱光の影響を受けること無く正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態におけるシャッター装置の機能ブロック図である。
【図2】検出部の内部構成を示す一部破断図である。
【図3】検出部の配光領域を示す図である。
【図4】シャッターパネルの開閉動作を停止させる処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】輝度条件の異なる複数枚の画像を取得する工程を示す図である。
【図6】差分データを算出する工程を示す図である。
【図7】特徴データを算出する処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】分割画像データおよび特徴データを示す図である。
【図9】進入物体を検出する処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】特徴データ中の変化エリアの遷移状態を示す図である。
【図11】輝度条件の異なる複数枚の画像を取得する工程を示す図である。
【図12】検出部の配光領域を示す図である。
【図13】変形例におけるシャッター装置の機能ブロック図である。
【図14】第2の実施形態におけるシャッター装置の機能ブロック図である。
【図15】パターン照明を用いて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図16】パターン照明を用いて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図17】照射位置が切り替わるパターン照明を用いて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図18】照射位置が切り替わるパターン照明を用いて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図19】撮像領域と配光領域とを交差させて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図20】撮像領域と配光領域とを交差させて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図21】本発明に係る開閉部用の検出装置を車両のパワーウィンドウに適用した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る開閉部用の検出装置を、自動開閉機能を有するシャッター装置に適用した例について説明する。
【0025】
まず、第1の実施形態について説明する。
【0026】
図1に示すように、シャッター装置1は、開口部を開閉するシャッターパネル2と、シャッターパネル2を駆動するシャッター駆動部3と、開口部周囲の進入検出領域に、人や物が進入したかどうかを検出する検出部4とより構成される。ここで、進入検出領域とは、シャッターパネル2によって開口部が開放された状態で、開口部への進入経路を含む領域を指すものである。
【0027】
シャッター駆動部3は、シャッターパネル2を開閉動作させる駆動機構部31と、検出部4からの停止指示により駆動機構部31を制御してシャッターパネル2の開閉動作を停止させる駆動制御部32と、スイッチ33とを備えている。駆動機構部31には、シャッターパネル2を駆動するための動力源となる駆動電源5が接続されている。スイッチ33は、検出部4からの指示により、駆動電源5から駆動機構部31へ供給される電力を遮断するものである。駆動制御部32は、検出部4からの停止指示があった場合、シャッターパネル2の停止が正常に完了したかどうかを示すチェック信号を検出部4に送信する。
【0028】
検出部4は、進入検出領域を照明する照明ユニット40と、進入検出領域を含む領域を撮像する撮像ユニット50と、照明ユニット40の制御や撮像ユニット50による撮像画像から進入検出領域内に侵入する人や物を検出する制御部60とより構成される。
【0029】
制御部60は、照明ユニット40の照明点灯のオンオフや照明強度などを制御する照明点灯制御部61と、撮像ユニット50の撮像タイミングや露光時間などの制御を行う撮像素子駆動制御部62とを備えている。撮像素子駆動制御部62の制御による撮像ユニット50の撮像タイミングと、照明点灯制御部61の制御による照明ユニット40の照明照射タイミングとは同期している。
【0030】
さらに、制御部60は、撮像ユニット50で撮像された画像データを取得する画像データ取得部63と、取得された画像データより進入検出領域内に侵入する人や物の検出を行う検出処理部64と、検出処理部64による判定結果に基づいてシャッター駆動部3に対してシャッターパネル2の作動停止を要求する判定結果出力部65と、撮像ユニット50から取得された画像データなどを記憶する記憶部66と、進入検出処理を終了するかどうかを判定する終了判定部67と、を備える。
【0031】
検出部4は、具体的には図2に示すように、筐体100の内部に備えられた、光を受光する撮像素子101と、撮像素子101の前面に配置された光学フィルタ102と、光を撮像素子101上に集光させる撮像用レンズ103と、光源104と、光源104からの光を所定領域に配光するための照明用レンズ105と、撮像素子101や光源104などを制御するための制御基板106と、シャッター駆動部3に接続するためのコネクタ109と、より構成される。撮像素子101、光学フィルタ102および撮像用レンズ103より撮像ユニット50が構成され、光源104と照明用レンズ105とより照明ユニット40が構成される。撮像素子101として、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いることができる。
【0032】
筐体100の前面には、照射窓107とセンサ窓108とが設けられている。光源104からの光は、照射窓107を介して進入検出領域に向けて照射される。撮像ユニット50は、センサ窓108を介して進入検出領域を含む領域を撮像する。
【0033】
光源104は、赤外光線を発生させるものである。光学フィルタ102は、バンドパスフィルタであり、赤外光線近傍の波長のみを通過させるものである。制御基板106は、CPUやメモリ(記憶部66)などが搭載されており、図1の制御部60における処理を行う。
【0034】
図3(a)に示すように、検出部4は、シャッター装置1の開口部の上方位置に取り付けられ、開口部への進入経路を含む進入検出領域に向けて照明光を照射するとともに撮像を行う。照明光は、シャッター装置1の両サイドに設けられている横枠6によって、横方向への広がりが規制されている。検出部4は、照明の配光領域を含む領域を撮像する。図3(b)に示すように、検出部4は、シャッターパネル2の両面側に設けられている。
【0035】
次に、図4を用いて、進入検出領域内に進入する人や物を検出し、シャッターを停止させる処理の流れについて説明する。
【0036】
なお、この処理は、シャッター装置1の利用者によってシャッターパネル2の開閉動作の指示があった時に開始される。シャッターパネル2の開閉動作の指示があると、ステップS10において、検出部4に電源が投入される。ステップS11において検出部4は、各部の初期設定を行う。この初期設定として、例えば、撮像画像が飽和することが無い適性な露光条件となるように照明ユニット40や撮像ユニット50を設定することなどがある。
【0037】
ステップS12において撮像素子駆動制御部62は、輝度条件の異なる複数枚の画像を撮像するように、撮像ユニット50の制御、および照明点灯制御部61に対して要求を行う。ステップS13において撮像ユニット50は、進入検出領域を含む領域について、輝度条件の異なる複数枚の画像を撮像し、撮像した画像データを画像データ取得部63へ転送する。ここで、画像データ取得部63へ転送される輝度条件の異なる複数枚の画像とは、例えば、図5に示すように、撮像ユニット50の露光時間を1/1000secとし、照明ユニット40による照明の強度を不点灯、強、中、弱の4段階に変化させて撮像したものである。また、これらの輝度条件の変更を繰り返し行って撮像するものであり、この撮像は、例えば33ms間隔で連続して行うものである。これにより、図6に示すように、照明不点灯時と輝度条件1〜nの画像データを1サイクルとして、輝度条件の異なる複数枚の画像データを繰り返し取得することができる。
【0038】
ステップS14において画像データ取得部63は、撮像ユニット50から転送された画像データから、進入検出に用いる画像領域のみを切り出し、抽出画像データとして記憶部66に保存する。この進入検出に用いる画像領域とは、照明光の反射光が写る領域である。これにより、図6に示すように、照明不点灯時の抽出画像データと、輝度条件1〜nの抽出画像データとを取得することができる。
【0039】
ステップS15において検出処理部64は、記憶部66に保存された抽出画像データから、進入検出判定に用いる特徴データを算出する。この特徴データの算出処理の詳細については後述する。
【0040】
ステップS16において検出処理部64は、記憶部66に保存された時系列の特徴データ間の比較を行い、進入検出領域に人や物が侵入したかどうかの検出を行う。この進入検出処理の詳細については後述する。
【0041】
ステップS17において判定結果出力部65は、検出処理部64によって進入検出領域に人や物が侵入したことが検出されたかどうかを判断し、進入が検出されていない場合(NO)にはステップS18へ進み、進入が検出されている場合(YES)にはステップS19へ進む。
【0042】
ステップS18において終了判定部67は、進入検出処理を終了するかどうかの判断を行う。この判断は、例えば、シャッターパネル2の開閉動作の指示が終了後、一定時間経過後に進入検出処理を終了するものとして判定する。終了判定がされた場合(YES)には、検出部4の電源を切り、本処理を終了する。一方、終了判定がされていない場合(NO)には、ステップS12へ戻り、上述の進入検出処理を繰り返す。
【0043】
ステップS17において進入検出領域へ人や物が侵入したことが検出された場合、ステップS19において判定結果出力部65は、駆動制御部32に対してシャッターパネル2の作動を停止させる指示を行う。ステップS20において判定結果出力部65は、駆動制御部32から送信されるチェック信号を確認し、シャッターパネル2の停止が正常に行われたかどうかを判断する。シャッターパネル2の停止が正常に行われた場合(YES)には、本処理を終了し、正常に行われなかった場合(NO)にはステップS21へ進む。
【0044】
ステップS21において判定結果出力部65は、フェールセーフ機能を作動させ、スイッチ33を制御して駆動電源5から駆動機構部31への電力供給を遮断する。電力供給の遮断後、本処理を終了する。
【0045】
次に、図4のステップS15で行われる特徴データ算出処理の詳細について、図7のフローチャートを用いて説明する。この変換処理は、検出処理部64で行われるものである。
【0046】
特徴データ算出処理が開始されると、ステップS30において、記憶部66から照明不点灯時の抽出画像データを取得する。ステップS31では、図4のステップS12において照明点灯時の輝度条件を何種類としたかを取得し、初期値として設定する。ここでは、照明点灯時の輝度条件をn種類とし、「輝度条件N(Nmin=1、Nmax=n)」を初期値として設定する。
【0047】
ステップS32において、記憶部66より輝度条件Nにおける抽出画像データを取得する。ステップS33において、輝度条件Nの抽出画像データと照明不点灯時の抽出画像データの差分処理を行い、図6に示すように輝度条件Nの差分画像データを算出する。この差分処理により、輝度条件Nの抽出画像データ中のノイズ成分を除去することができる。
【0048】
ステップS34において、輝度条件Nの差分画像データを分割し、各分割エリア毎に輝度情報についての積分処理を行うことによって、輝度条件Nの分割画像データを算出する。この分割画像データは、例えば図8に示すように、差分画像データの縦方向を3分割、横方向を16分割し、各エリアの輝度情報に関する画素データの積分処理を行うことによって算出される。なお、分割画像データは、差分画像データ中においてシャッター装置1の開口部に垂直に進入する方向(図8の分割画像データ中の縦方向)を、2以上に分割することが好ましい。これにより、進入検出領域内の人や物の移動方向を検出することができる。次に、ステップS35において、分割画像データの各エリアの積分データ値を記憶部66に保存する。
【0049】
ステップS36において、輝度条件1〜nの全ての抽出画像データについて、差分画像データおよび分割画像データが算出されたかどうかを判断する。全ての輝度条件について差分画像データおよび分割画像データが算出されている場合(YES)にはステップS37へ進み、算出されていない場合(NO)にはステップS32へ戻り、全ての輝度条件の抽出画像データについての算出処理が終わるまで、上述の処理を繰り返す。
【0050】
ステップS37において、算出された1サイクル分の輝度条件1〜nの分割画像データについて、分割されたエリア毎の積分データ値の比率(輝度比率)を、特徴データとして算出する。この特徴データは、例えば図8に示すように、輝度条件NをN=1〜3とした場合、分割された全てのエリアにおいて輝度比率は、例えば「1:2:4」となる。なお、図8の特徴データにおいて、輝度比率「1:2:4」を一部の分割エリアについてのみ記載し、他は省略してある。次に、ステップS38において、算出された特徴データを記憶部66に保存する。特徴データの保存後、本処理(図7のフローチャート)を終了し、図4のフローチャートに戻る。
【0051】
次に、図4のステップS16で行われる進入検出処理の詳細について、図9のフローチャート、および図10を用いて説明する。この進入検出処理は、検出処理部64で行われるものである。
【0052】
ステップS40において、記憶部66より、P時の特徴データ(記憶部66に保存された最新の特徴データ)と、P−1時の特徴データ(P時の特徴データよりも1つ前に保存された特徴データ)とを取得する。ステップS41において、P時の特徴データとP−1時の特徴データとを比較する。
【0053】
ステップS42において、P時とP−1時の特徴データ間に、予め設定された閾値を超える変化エリアが所定数以上存在するかどうかを判断する。変化エリアが所定数以上存在する場合には、特徴データに変化があったものとしてステップS43へ進み、変化エリアが所定数以上存在しない場合(NO)には、特徴データに変化が無く、進入検出領域に人や物が侵入していないものとして本処理を終了し、図4のフローチャートへ戻る。具体的には、例えば図10に示すように、P時の特徴データについて、P−1時の特徴データと比較したときに輝度比率が変化した変化エリアX1、X2、X3が存在する場合に、P時とP−1時の特徴データ間に変化があるものとして判断する。なお、図10において、分割エリアが空白の箇所は、輝度比率の記載を省略したものであり、これらの箇所の輝度比率は「1:2:4」である。
【0054】
特徴データ間に変化がある場合、ステップS43において、変化エリアの遷移パターンと所定の遷移パターンとの比較処理を行う。ここではまず、今回算出された変化エリアと、前回の処理において算出された変化エリアとの比較を行い、変化エリアの遷移パターンを算出する。次に、算出した変化エリアの遷移パターンと、予め設定された所定の遷移パターンとの比較を行う。この所定の遷移パターンとは、例えば、変化エリアがどの方向に遷移しているかなどを示すものである。
【0055】
ステップS44において、変化エリアの遷移パターンが所定の遷移パターンと類似しているかどうかを判断し、類似している場合(YES)には、変化エリアに遷移があったものと判断し、ステップS45へ進み、類似していない場合(NO)には、進入検出領域に人や物が侵入していないものとして本処理を終了する。
【0056】
ここで、ステップS43、S44で行われる、遷移パターンの比較および類似判断の具体例について、図10を用いて説明する。また、所定の遷移パターンを、特徴データの上側から下側へ向かって変化エリアの発生位置が遷移する状態とする。さらに、前回の処理において算出された変化エリアとは、図10に示すように、P−1時の特徴データにおいて、P−2時の特徴データと比較することによって得られた変化エリアY1を指す。
【0057】
図10に示すように、P−1時の特徴データについて算出された変化エリアY1(前回算出された変化エリア)と、P時の特徴データについて算出された変化エリアX1〜X3(今回算出された変化エリア)とを比較すると、変化エリアの発生位置が特徴データの下側へ向かって移動している。この場合には、変化エリアの発生位置の遷移と所定の遷移パターンとが一致しているため、変化エリアに遷移があったものと判断する。
【0058】
図9に戻り、ステップS45において、ステップS43の処理と同様に、前回算出された変化エリアと、前々回の処理において算出された変化エリアとを比較することによって変化エリアの遷移パターンを算出し、該算出した遷移パターンと所定の遷移パターンとの比較処理を行う。具体的には、図10に示すように、P−2時の特徴データについて算出された変化エリアZ1〜Z3(前々回の処理において算出された変化エリア)と、P−1時の特徴データについて算出された変化エリアY1(前回算出された変化エリア)とを比較し、変化エリアの遷移パターンを算出するものである。
【0059】
ステップS46において、ステップS44の処理と同様に、前々回の処理で算出された変化エリアと前回の処理で算出された変化エリアの遷移パターンが、所定の遷移パターンと類似しているかどうかを判断する。類似している場合(YES)には、変化エリアに遷移があったものと判断してステップS47へ進み、類似していない場合(NO)には、進入検出領域に人や物が侵入していないものとして本処理を終了する。
【0060】
ステップS47において、進入検出領域内に人や物体が侵入したものと判断し、進入検出信号を判定結果出力部65へ出力する。進入検出信号の出力後、本処理を終了する。
【0061】
以上のように、第1の実施形態では、シャッター装置1の開口部への進入経路を含む進入検出領域について、輝度条件の異なる複数枚の画像を取得し、これらの画像の輝度比率を算出する。移動物体が進入検出領域に侵入してきた場合、時間的に連続する特徴データ(P時、P−1時、P−2時の特徴データ)間において輝度比率が変化した変化エリアが発生する。この変化エリアの遷移パターンと所定の遷移パターンとを比較することによって、進入検出領域に侵入する人や物などの検出を行う。これにより、進入検出領域に環境変化や外乱光の入射があった場合でも、人や物などを正確に検出することができる。
【0062】
なお、第1の実施形態において、輝度条件の異なる複数枚の画像を撮像するために、撮像ユニット50の露光時間を一定とし、照明ユニット40による照明の強度を変更するものとしたが、例えば、図11(a)に示すように、照明点灯時の撮像画像について、照明ユニット40を一定の強度で照射したままの状態とし、露光時間を1/1000sec、1/500sec、1/250secに変化させて撮像を行うことにより、輝度条件の異なる画像を撮像してもよい。この場合には、例えば電子シャッターを用いて露光時間を制御することが好ましい。また、図11(b)に示すように、露光状態を開放状態とし、照明の強度を変化させることによって、輝度条件の異なる画像を撮像するようにしてもよい。
【0063】
また、撮像や照明を行う検出部4を、シャッター装置1の開口部の上方位置に取り付けるものとしたが、例えば図12(a)に示すシャッター装置1Aのように、検出部4Aを開口部の下端から所定高さの位置に取り付け、照明の配光領域を開口部の下端から所定高さ以上としてもよい。この場合には、シャッター装置1Aの両サイドに設けられている横枠6や、開口部の上側に設けられている上枠7に照明を照射し、横枠6や上枠7を撮像する。これにより、例えば、進入物として検出する必要が無いゴミ等が、地面を転がって開口部に進入したとしても、これらを進入物として検出してしまうことが無くなり、進入物の検出精度をより向上させることができる。さらに、横枠6や上枠7を撮像領域としているので、影等による輝度変化が少なくなり、より精度良く進入物の検出を行うことができる。
【0064】
また、図13に示すように、照明ユニットを有していないシャッター装置1Bであっても、上記のように、輝度比率を含む特徴データを算出し、輝度比率が変化する変化エリアの遷移パターンに基づいて進入検出を行うことができる。この場合には、検出部4Bの撮像素子駆動制御部62Bは、図11(a)に示したように、撮像ユニット50Bの露光時間を変化させることによって、照明ユニットが無くとも、輝度条件の異なる複数枚の画像を撮像することができる。
【0065】
また、撮像ユニット50によって撮像された画像において、特徴データを算出する領域(照明光が写っている領域)は細長いライン状となっている。このライン状の領域の中心線と、撮像ユニット50の撮像用レンズ103の光学中心とを整合させて撮像を行うことにより、特徴データを算出する領域について歪みの少ない画像を得ることができる。
【0066】
さらに、第1の実施形態では、進入検出領域のみに照明光を照射し、この進入検出領域を覆うようにして撮像を行うものとしたが、これとは逆に、進入検出領域のみを撮像領域とし、この進入検出領域を覆うように照明光を照射しても良い。
【0067】
次に、第2の実施形態について説明する。
【0068】
本実施形態は、第1の実施形態における照明方法や、進入物の検出処理方法を変更したものである。進入検出結果に基づいてシャッターパネル2を停止させる構成については第1の実施形態と同じであり説明を省略する。また、第1の実施形態と同一構成要素については、同一番号を付して説明を省略する。
【0069】
図14に示すように、シャッター装置1Cは、開口部を開閉するシャッターパネル2と、シャッターパネル2を駆動するシャッター駆動部3と、開口部周囲の進入検出領域に、人や物が進入したかどうかを検出する検出部4Cとより構成される。
【0070】
検出部4Cは、進入検出領域を赤色光によって照明する照明ユニット40Cと、進入検出領域を撮像する撮像ユニット50Cと、撮像ユニット50Cによる撮像画像から進入検出領域内に侵入する人や物を検出する制御部60Cとより構成される。
【0071】
制御部60Cは、照明ユニット40Cの照明点灯のオンオフの制御を行う照明点灯制御部61Cと、撮像ユニット50Cの撮像タイミングなどの制御を行う撮像素子駆動制御部62Cとを備えている。撮像素子駆動制御部62Cの制御による撮像ユニット50Cの撮像タイミングと、照明点灯制御部61Cの制御による照明ユニット40Cの照明照射タイミングとは同期している。
【0072】
さらに、制御部60Cは、撮像ユニット50Cで撮像された画像データを取得する画像データ取得部63Cと、取得された画像データより進入検出領域内に侵入する人や物の検出を行う検出処理部64Cと、判定結果出力部65と、記憶部66と、終了判定部67と、を備える。
【0073】
図15(a)に示すように、検出部4Cは、シャッター装置1Cの開口部の上方位置に取り付けられ、開口部への進入経路を含む進入検出領域に向けて赤色の照明光を照射するとともに、進入検出領域を含む領域を撮像する。ここで、照明ユニット40Cは、濃淡がマトリックス状に配置されたパターン照明M1を照射する。
【0074】
次に、進入検出領域内に進入する人や物を検出する処理について説明する。
【0075】
なお、この検出処理は、シャッター装置1Cの利用者によってシャッターパネル2の開閉動作の指示があった時に開始される。撮像素子駆動制御部62Cは、撮像ユニット50Cおよび照明点灯制御部61Cに指示を出し、照明光が照射されるタイミングで、進入検出領域を含む領域を撮像する。撮像された画像には、図15(b)に示すように、赤色のパターン照明M1が写っている。撮像された画像データは、画像データ取得部63Cにおいて、進入検出に用いる画像領域のみを切り出し、抽出画像データとして記憶部66に保存する。この進入検出に用いる画像領域とは、撮像された画像データ中においてパターン照明M1が写っている領域である。検出処理部64Cは、記憶部66に保存された最新の抽出画像データと、前回保存された抽出画像データとの比較を行い、進入検出領域への人や物の侵入があったかどうかを判断する。
【0076】
具体的には、図16(a)、図16(b)に示すように、人Hが進入検出領域に侵入し、照射された照明光に人が干渉した状態となると、撮像される照明パターンM1の形状に変化が生じる。よって、検出処理部64Cは、このパターン照明M1の形状に変化があった場合に、進入検出領域に人や物が侵入したものとして、進入検出信号を判定結果出力部65に出力するものである。
【0077】
以上のように、第2の実施形態では、赤色のパターン照明を照射し、パターン照明の形状が変化した場合に、進入検出領域内に人や物などが進入したものとして検出するので、環境変化や外乱光の入射があった場合でも、人や物などを正確に検出することができる。また、赤色の照明を照射することによって、シャッターパネル2が作動していることを、シャッター装置1Cの周囲にいる人に視覚的に知らせることができる。
【0078】
なお、図15(a)に示すように、パターン照明の形状として、パターン照明M2のように「注意」の文字を用いても良い。この場合には、より確実に、シャッターパネル2が作動していることをシャッター装置1の周囲にいる人に視覚的に知らせることができる。また、パターン照明M3のように複数のライン形状のパターン照明を用いても良い。
【0079】
さらに、パターン照明の他の例として、図17(a)、図17(b)に示すシャッター装置1Dのように、検出部4Dから照射するライン状の照明光の照射位置を順次切り替えて、進入検出領域内の異なる位置に照明光を照射しても良い。ここでは、シャッターパネル2より遠い位置から近い位置に向かって繰り返し、ライン状の照明光を照射するものとする。
【0080】
図18(a)、図18(b)に示すように、進入検出領域内に人Hが侵入すると、撮像された画像において、開口部に遠い位置から近い位置に向けて順にライン状の照明光に変化が生じる。この照明光の形状の変化を検出することによって、進入検出領域に人や物が侵入したことを検出することができる。また、ライン状の照明光の照射位置を変えながら1本ずつ照射し、照明光の形状の変化を検出しているので、照射位置が異なる他の照明光の影響を受けること無く、それぞれの照明光の形状の変化を正確に検出することができ、進入物をより精度良く検出することができる。
【0081】
さらに他の例として、図19(a)に示すシャッター装置1Eのように、検出部4Eから照射される照明の配光領域と、撮像領域とを交差させる構成としても良い。この照明の配光領域と撮像領域とが重なる領域が進入検出領域となる。この進入検出領域は、シャッター装置1Eの開口部から所定の高さ以上となるように、検出部4Eによる照明の配光領域と撮像領域とを設定する。検出部4Eは、濃淡がマトリックス状に配置されたパターン照明M4を照射する。検出部4Eによって撮像される画像は、図19(b)に示すように、進入検出領域内にパターン照明M4が入り込んでいない状態となる。
【0082】
図20(a)、図20(b)に示すように、進入検出領域内に人Hが侵入すると、人Hの頭部や肩等にパターン照明M4が照射され、進入検出領域内でパターン照明M4が検出される。このように進入検出領域内でパターン照明M4が検出されるかどうかによって、シャッター装置1Eの開口部に近づく人や物を検出することができる。また、進入検出領域がシャッター装置1Eの開口部から所定の高さ以上となるように配光領域と撮像領域とを設定しているので、進入物として検出する必要が無いゴミ等が、地面を転がって開口部に進入したとしても、これらを進入物として誤検出してしまうことが無くなる。さらに、影や天候変化によって地面の状態が変化したとしても、これらの変化に影響されること無く、進入物の検出を行うことができる。
【0083】
なお、上記各実施形態および変形例において、シャッター装置のシャッターパネル作動時にのみ撮像を行うものとしたが、シャッターパネルの作動時以外においても、撮像ユニットによってシャッター装置の周囲を撮影することにより、進入検出に加えてシャッター装置の周囲を監視する監視カメラとしての機能を持たせることもできる。
【0084】
また、撮像ユニットの撮像素子の前面にMTF(Modulation Transfer Function)制御用の光学フィルタを配置し、撮像画像にボカシを入れることによって、撮像される人のプライバシー保護を図ることもできる。この場合には、例えば、プライバシー保護を行う必要がある場合のみ、MTF制御用の光学フィルタを撮像素子の前面にスライドさせるようにしても良い。また、電圧を印加することによって透明から光拡散状態に変化する材料で構成されたフィルタを用い、透明状態およびボカシ状態を切り替えるようにしても良い。
【0085】
さらに、上記各実施形態において、シャッター装置の開放時における開口部に進入する人や物を検出するものとしたが、これ以外にも、例えば図21(a)、図21(b)に示すように、車両200に備えられたパワーウィンドウ210の開放時における開口部に侵入する人Hの手などを検出するようにしても良い。この場合には、車両200内部におけるパワーウィンドウ210の上方位置に、照明および撮像を行う検出部4Fを取り付け、パワーウィンドウ210の開放時における開口部への進入経路を含む領域を進入検出領域として、進入検出領域への進入物の検出を行う。なお、進入検出方法は、第1の実施形態および第2の実施形態で説明した方法を用いるものとする。これにより、パワーウィンドウ210の作動時に、窓の開口部に近づく人Hの手などを、環境変化や外乱光の影響を受けること無く、非接触で正確に検出することができる。
【0086】
また、シャッター装置の実施形態と同様に、パワーウィンドウの作動時以外においても、撮像ユニットによってパワーウィンドウの周囲を撮影することにより、進入検出に加えてパワーウィンドウの周囲を監視する監視カメラとしての機能を持たせることもできる。
【符号の説明】
【0087】
1…シャッター装置、2…シャッターパネル、3…シャッター駆動部、4…検出部、40…照明ユニット、50…撮像ユニット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター等の開閉装置に近づく人や物を検出する開閉部用の検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シャッター等の開閉装置に近づく人や物を、画像処理を行うことによって検出し、検出結果に応じて開閉装置の開閉動作を制御することが行われている。このような開閉装置付近の人や物を検出する検出装置は、例えば、特開2004−68515号公報では、シャッターカーテンなどの開閉装置の片側全面に渡る所定領域を撮影し、撮影した画像と、装置の設置時にあらかじめ撮影された原画像とを比較し、画像中において相違する部分の面積が所定の閾値以上である場合に、物体が開閉装置の開口部に進入したものとして検出を行っている。また、特開平06−200672号公報では、自動扉の前方を撮影した画像データについて微分処理等を行い、物体の輪郭を強調させることによって移動物体の検出を行っている。さらに、特開平05−113090号公報では、シャッターパネルの上方からシャッターの開口部を撮影し、撮影された画像におけるシャッターパネル近傍の領域について、動体の面積、輝度、形状等の特徴から人体の接近の有無を認識している。また、背景画像との差分を取ることにより、輝度等に変化が無い場合であっても動体を検出する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−068515号公報
【特許文献2】特開平06−200672号公報
【特許文献3】特開平05−113090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の検出装置では、画像の比較や、微分などの画像処理を行って人や物を検出しているものの、環境変化や外乱光(車のヘッドライト等)の入射によって検出領域に輝度変化があった場合、これらを人や物として誤検出してしまうといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、開閉部に近づく人や物を、環境変化や外乱光の影響を受けること無く、正確に検出することができる開閉部用の検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、開閉部の開放時における進入経路を含む進入検出領域を照明する照明手段と、進入検出領域を撮像する撮像手段と、所定タイミング毎に、撮像手段を用いて輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像し、取得する画像取得手段と、所定枚数の画像について輝度比率を算出する輝度比率算出手段と、輝度比率算出手段により、異なる所定枚数の画像について算出された第1の輝度比率と第2の輝度比率とを比較する比較手段と、比較手段の比較結果に基づいて進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段とを備えるものとした。
【0007】
この発明にあっては、異なる複数枚の画像より算出された輝度比率を用いているので、例えば、街灯の照明光が入射している状態で撮像された輝度条件の異なる複数枚の画像の輝度比率と、街灯の照明光が入射していない状態で撮影された輝度条件の異なる複数枚の画像の輝度比率とは、照明光の入射の有無にかかわらず同じとなり、輝度比率に環境変化や外乱光の影響が生じないため、開閉部に近づく物体の検出をより精度良く行うことができる。
【0008】
また、照明手段および撮像手段は、開閉部の下端近傍に配置され、進入検出領域を、開口部の下端から所定高さ以上の領域とすることが好適である。これにより、例えば、進入物体として検出する必要が無いゴミ等が、地面を転がって開口部に進入したとしても、これらを進入物体として検出してしまうことが無くなり、進入物体の検出精度をより向上させることができる。また、地面以外の領域を撮像領域としているので、影等の影響によって撮像画像内に輝度変化が生じることが少なくなり、より精度良く進入物体の検出を行うことができる。
【0009】
また、照明手段によって照明がされているときに撮像手段によって撮像された画像と、照明がされていないときに撮像手段によって撮像された画像との差分画像を算出する差分画像算出手段をさらに備え、輝度比率算出手段は、差分画像に基づいて輝度比率を算出することが好適である。これにより、撮像された画像中のノイズ成分を除去することができ、進入物体の検出精度をより向上させることができる。
【0010】
また、照明手段は、進入検出領域を配光領域とし、撮像手段は、進入検出領域を含む領域を撮像領域とすることが好適である。あるいは、撮像手段は、進入検出領域を撮像領域とし、照明手段は、進入検出領域を含む領域を配光領域とすることが好適である。これにより、配光領域または撮像領域によって進入検出領域を容易に規定することができる。
【0011】
また、画像取得手段は、撮像手段の露光時間を一定時間幅とし、照明手段による照明強度を変更することにより輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像すること、照明手段を常時点灯とし、撮像手段の露光時間を変更することにより輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像すること、撮像手段の露光状態を常時開放とし、照明手段による照明強度を変更することにより輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像することのいずれかを行うことが好適である。これにより、輝度条件の異なる所定枚数の画像を容易に撮像することができる。
【0012】
また、輝度比率算出手段は、画像を2つ以上の領域に区分し、区分毎に輝度比率を算出することが好適である。これにより、進入物体の進行方向を検出することができる。
【0013】
また、照明手段は、赤外光線を用いて照明を行うものであり、撮像手段は、赤外光線の波長近傍の波長のみを通過させるフィルタを備えていることが好適である。この場合には、不要な光線をフィルタによって遮断して、撮像を行うことができるので、移動物体の検出精度をより向上させることができる。
【0014】
本発明は、開閉部の開放時における進入経路を含む進入検出領域を、所定のパターン光によって照明する照明手段と、所定のパターン光の反射光をパターン画像として撮像する撮像手段と、撮像手段により、異なるタイミングで撮像された第1のパターン画像のパターン形状と第2のパターン画像のパターン形状との比較を行う比較手段と、比較手段による比較結果に基づいて進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段とを備えるものとした。
【0015】
この発明にあっては、進入検出領域内に環境変化や外乱光の入射があった場合でも、これらの影響を受けること無く、進入する物体の検出をより正確に行うことができるとともに、パターン形状を比較するだけで進入物体の検出を行うことができるので、検出処理を簡素化することができる。
【0016】
また、所定のパターン光は、可視光が用いられ、さらに、パターン形状は、文字またはマークであることが好適である。これにより、開閉部の作動を、開閉部の周囲にいる人に視覚的に知らせることができる。
【0017】
また、照明手段は、パルス発光を行い、さらに、パルス発光の発光タイミングと同期してパターン光の照射位置を切り替えるものであり、撮像手段は、照明手段の発光と同期してパターン画像を撮像することが好適である。これにより、照射位置が異なる他のパターン光の影響を受けること無く、それぞれのパターン光の形状の変化を正確に検出することができ、進入物をより精度良く検出することができる。
【0018】
本発明は、開閉部の開放時における進入経路を含み、開閉部の開放時における開口部の下端から所定高さ以上の進入検出領域を照明する照明手段と、進入検出領域内において、照明手段による照明の配光領域と重なる撮像領域を有する撮像手段と、撮像手段によって撮像された画像より、照明光の反射光が検出されたか否かを判断する判断手段と、判断手段による判断結果に基づいて進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段とを備えるものとした。
【0019】
この発明にあっては、配光領域と撮像領域とを開口部の下端から所定高さ以上の領域で重なるようにしているので、進入物として検出する必要が無いゴミ等が、地面を転がって開口部に進入したとしても、これらを進入物として誤検出してしまうことが無くなる。さらに、影や天候変化によって地面の状態が変化したとしても、これらの変化に影響されること無く、進入する物体の検出をより正確に行うことができる。
【0020】
また、照明手段は、所定のパターン光によって照明を行うことが好適である。これにより、判断手段が所定のパターン光を検出したときに進入検出領域に物体が侵入したと判断することができるので、より精度良く進入物体の検出を行うことができる。
【0021】
また、照明手段は、パルス発光を行うものであり、撮像手段は、照明手段の発光と同期して、画像を撮像することが好適である。これにより、パルス発光の周期で進入物体を検出することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、開閉部に近づく人や物を、環境変化や外乱光の影響を受けること無く正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態におけるシャッター装置の機能ブロック図である。
【図2】検出部の内部構成を示す一部破断図である。
【図3】検出部の配光領域を示す図である。
【図4】シャッターパネルの開閉動作を停止させる処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】輝度条件の異なる複数枚の画像を取得する工程を示す図である。
【図6】差分データを算出する工程を示す図である。
【図7】特徴データを算出する処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】分割画像データおよび特徴データを示す図である。
【図9】進入物体を検出する処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】特徴データ中の変化エリアの遷移状態を示す図である。
【図11】輝度条件の異なる複数枚の画像を取得する工程を示す図である。
【図12】検出部の配光領域を示す図である。
【図13】変形例におけるシャッター装置の機能ブロック図である。
【図14】第2の実施形態におけるシャッター装置の機能ブロック図である。
【図15】パターン照明を用いて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図16】パターン照明を用いて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図17】照射位置が切り替わるパターン照明を用いて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図18】照射位置が切り替わるパターン照明を用いて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図19】撮像領域と配光領域とを交差させて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図20】撮像領域と配光領域とを交差させて進入物体を検出する様子を示す図である。
【図21】本発明に係る開閉部用の検出装置を車両のパワーウィンドウに適用した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る開閉部用の検出装置を、自動開閉機能を有するシャッター装置に適用した例について説明する。
【0025】
まず、第1の実施形態について説明する。
【0026】
図1に示すように、シャッター装置1は、開口部を開閉するシャッターパネル2と、シャッターパネル2を駆動するシャッター駆動部3と、開口部周囲の進入検出領域に、人や物が進入したかどうかを検出する検出部4とより構成される。ここで、進入検出領域とは、シャッターパネル2によって開口部が開放された状態で、開口部への進入経路を含む領域を指すものである。
【0027】
シャッター駆動部3は、シャッターパネル2を開閉動作させる駆動機構部31と、検出部4からの停止指示により駆動機構部31を制御してシャッターパネル2の開閉動作を停止させる駆動制御部32と、スイッチ33とを備えている。駆動機構部31には、シャッターパネル2を駆動するための動力源となる駆動電源5が接続されている。スイッチ33は、検出部4からの指示により、駆動電源5から駆動機構部31へ供給される電力を遮断するものである。駆動制御部32は、検出部4からの停止指示があった場合、シャッターパネル2の停止が正常に完了したかどうかを示すチェック信号を検出部4に送信する。
【0028】
検出部4は、進入検出領域を照明する照明ユニット40と、進入検出領域を含む領域を撮像する撮像ユニット50と、照明ユニット40の制御や撮像ユニット50による撮像画像から進入検出領域内に侵入する人や物を検出する制御部60とより構成される。
【0029】
制御部60は、照明ユニット40の照明点灯のオンオフや照明強度などを制御する照明点灯制御部61と、撮像ユニット50の撮像タイミングや露光時間などの制御を行う撮像素子駆動制御部62とを備えている。撮像素子駆動制御部62の制御による撮像ユニット50の撮像タイミングと、照明点灯制御部61の制御による照明ユニット40の照明照射タイミングとは同期している。
【0030】
さらに、制御部60は、撮像ユニット50で撮像された画像データを取得する画像データ取得部63と、取得された画像データより進入検出領域内に侵入する人や物の検出を行う検出処理部64と、検出処理部64による判定結果に基づいてシャッター駆動部3に対してシャッターパネル2の作動停止を要求する判定結果出力部65と、撮像ユニット50から取得された画像データなどを記憶する記憶部66と、進入検出処理を終了するかどうかを判定する終了判定部67と、を備える。
【0031】
検出部4は、具体的には図2に示すように、筐体100の内部に備えられた、光を受光する撮像素子101と、撮像素子101の前面に配置された光学フィルタ102と、光を撮像素子101上に集光させる撮像用レンズ103と、光源104と、光源104からの光を所定領域に配光するための照明用レンズ105と、撮像素子101や光源104などを制御するための制御基板106と、シャッター駆動部3に接続するためのコネクタ109と、より構成される。撮像素子101、光学フィルタ102および撮像用レンズ103より撮像ユニット50が構成され、光源104と照明用レンズ105とより照明ユニット40が構成される。撮像素子101として、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いることができる。
【0032】
筐体100の前面には、照射窓107とセンサ窓108とが設けられている。光源104からの光は、照射窓107を介して進入検出領域に向けて照射される。撮像ユニット50は、センサ窓108を介して進入検出領域を含む領域を撮像する。
【0033】
光源104は、赤外光線を発生させるものである。光学フィルタ102は、バンドパスフィルタであり、赤外光線近傍の波長のみを通過させるものである。制御基板106は、CPUやメモリ(記憶部66)などが搭載されており、図1の制御部60における処理を行う。
【0034】
図3(a)に示すように、検出部4は、シャッター装置1の開口部の上方位置に取り付けられ、開口部への進入経路を含む進入検出領域に向けて照明光を照射するとともに撮像を行う。照明光は、シャッター装置1の両サイドに設けられている横枠6によって、横方向への広がりが規制されている。検出部4は、照明の配光領域を含む領域を撮像する。図3(b)に示すように、検出部4は、シャッターパネル2の両面側に設けられている。
【0035】
次に、図4を用いて、進入検出領域内に進入する人や物を検出し、シャッターを停止させる処理の流れについて説明する。
【0036】
なお、この処理は、シャッター装置1の利用者によってシャッターパネル2の開閉動作の指示があった時に開始される。シャッターパネル2の開閉動作の指示があると、ステップS10において、検出部4に電源が投入される。ステップS11において検出部4は、各部の初期設定を行う。この初期設定として、例えば、撮像画像が飽和することが無い適性な露光条件となるように照明ユニット40や撮像ユニット50を設定することなどがある。
【0037】
ステップS12において撮像素子駆動制御部62は、輝度条件の異なる複数枚の画像を撮像するように、撮像ユニット50の制御、および照明点灯制御部61に対して要求を行う。ステップS13において撮像ユニット50は、進入検出領域を含む領域について、輝度条件の異なる複数枚の画像を撮像し、撮像した画像データを画像データ取得部63へ転送する。ここで、画像データ取得部63へ転送される輝度条件の異なる複数枚の画像とは、例えば、図5に示すように、撮像ユニット50の露光時間を1/1000secとし、照明ユニット40による照明の強度を不点灯、強、中、弱の4段階に変化させて撮像したものである。また、これらの輝度条件の変更を繰り返し行って撮像するものであり、この撮像は、例えば33ms間隔で連続して行うものである。これにより、図6に示すように、照明不点灯時と輝度条件1〜nの画像データを1サイクルとして、輝度条件の異なる複数枚の画像データを繰り返し取得することができる。
【0038】
ステップS14において画像データ取得部63は、撮像ユニット50から転送された画像データから、進入検出に用いる画像領域のみを切り出し、抽出画像データとして記憶部66に保存する。この進入検出に用いる画像領域とは、照明光の反射光が写る領域である。これにより、図6に示すように、照明不点灯時の抽出画像データと、輝度条件1〜nの抽出画像データとを取得することができる。
【0039】
ステップS15において検出処理部64は、記憶部66に保存された抽出画像データから、進入検出判定に用いる特徴データを算出する。この特徴データの算出処理の詳細については後述する。
【0040】
ステップS16において検出処理部64は、記憶部66に保存された時系列の特徴データ間の比較を行い、進入検出領域に人や物が侵入したかどうかの検出を行う。この進入検出処理の詳細については後述する。
【0041】
ステップS17において判定結果出力部65は、検出処理部64によって進入検出領域に人や物が侵入したことが検出されたかどうかを判断し、進入が検出されていない場合(NO)にはステップS18へ進み、進入が検出されている場合(YES)にはステップS19へ進む。
【0042】
ステップS18において終了判定部67は、進入検出処理を終了するかどうかの判断を行う。この判断は、例えば、シャッターパネル2の開閉動作の指示が終了後、一定時間経過後に進入検出処理を終了するものとして判定する。終了判定がされた場合(YES)には、検出部4の電源を切り、本処理を終了する。一方、終了判定がされていない場合(NO)には、ステップS12へ戻り、上述の進入検出処理を繰り返す。
【0043】
ステップS17において進入検出領域へ人や物が侵入したことが検出された場合、ステップS19において判定結果出力部65は、駆動制御部32に対してシャッターパネル2の作動を停止させる指示を行う。ステップS20において判定結果出力部65は、駆動制御部32から送信されるチェック信号を確認し、シャッターパネル2の停止が正常に行われたかどうかを判断する。シャッターパネル2の停止が正常に行われた場合(YES)には、本処理を終了し、正常に行われなかった場合(NO)にはステップS21へ進む。
【0044】
ステップS21において判定結果出力部65は、フェールセーフ機能を作動させ、スイッチ33を制御して駆動電源5から駆動機構部31への電力供給を遮断する。電力供給の遮断後、本処理を終了する。
【0045】
次に、図4のステップS15で行われる特徴データ算出処理の詳細について、図7のフローチャートを用いて説明する。この変換処理は、検出処理部64で行われるものである。
【0046】
特徴データ算出処理が開始されると、ステップS30において、記憶部66から照明不点灯時の抽出画像データを取得する。ステップS31では、図4のステップS12において照明点灯時の輝度条件を何種類としたかを取得し、初期値として設定する。ここでは、照明点灯時の輝度条件をn種類とし、「輝度条件N(Nmin=1、Nmax=n)」を初期値として設定する。
【0047】
ステップS32において、記憶部66より輝度条件Nにおける抽出画像データを取得する。ステップS33において、輝度条件Nの抽出画像データと照明不点灯時の抽出画像データの差分処理を行い、図6に示すように輝度条件Nの差分画像データを算出する。この差分処理により、輝度条件Nの抽出画像データ中のノイズ成分を除去することができる。
【0048】
ステップS34において、輝度条件Nの差分画像データを分割し、各分割エリア毎に輝度情報についての積分処理を行うことによって、輝度条件Nの分割画像データを算出する。この分割画像データは、例えば図8に示すように、差分画像データの縦方向を3分割、横方向を16分割し、各エリアの輝度情報に関する画素データの積分処理を行うことによって算出される。なお、分割画像データは、差分画像データ中においてシャッター装置1の開口部に垂直に進入する方向(図8の分割画像データ中の縦方向)を、2以上に分割することが好ましい。これにより、進入検出領域内の人や物の移動方向を検出することができる。次に、ステップS35において、分割画像データの各エリアの積分データ値を記憶部66に保存する。
【0049】
ステップS36において、輝度条件1〜nの全ての抽出画像データについて、差分画像データおよび分割画像データが算出されたかどうかを判断する。全ての輝度条件について差分画像データおよび分割画像データが算出されている場合(YES)にはステップS37へ進み、算出されていない場合(NO)にはステップS32へ戻り、全ての輝度条件の抽出画像データについての算出処理が終わるまで、上述の処理を繰り返す。
【0050】
ステップS37において、算出された1サイクル分の輝度条件1〜nの分割画像データについて、分割されたエリア毎の積分データ値の比率(輝度比率)を、特徴データとして算出する。この特徴データは、例えば図8に示すように、輝度条件NをN=1〜3とした場合、分割された全てのエリアにおいて輝度比率は、例えば「1:2:4」となる。なお、図8の特徴データにおいて、輝度比率「1:2:4」を一部の分割エリアについてのみ記載し、他は省略してある。次に、ステップS38において、算出された特徴データを記憶部66に保存する。特徴データの保存後、本処理(図7のフローチャート)を終了し、図4のフローチャートに戻る。
【0051】
次に、図4のステップS16で行われる進入検出処理の詳細について、図9のフローチャート、および図10を用いて説明する。この進入検出処理は、検出処理部64で行われるものである。
【0052】
ステップS40において、記憶部66より、P時の特徴データ(記憶部66に保存された最新の特徴データ)と、P−1時の特徴データ(P時の特徴データよりも1つ前に保存された特徴データ)とを取得する。ステップS41において、P時の特徴データとP−1時の特徴データとを比較する。
【0053】
ステップS42において、P時とP−1時の特徴データ間に、予め設定された閾値を超える変化エリアが所定数以上存在するかどうかを判断する。変化エリアが所定数以上存在する場合には、特徴データに変化があったものとしてステップS43へ進み、変化エリアが所定数以上存在しない場合(NO)には、特徴データに変化が無く、進入検出領域に人や物が侵入していないものとして本処理を終了し、図4のフローチャートへ戻る。具体的には、例えば図10に示すように、P時の特徴データについて、P−1時の特徴データと比較したときに輝度比率が変化した変化エリアX1、X2、X3が存在する場合に、P時とP−1時の特徴データ間に変化があるものとして判断する。なお、図10において、分割エリアが空白の箇所は、輝度比率の記載を省略したものであり、これらの箇所の輝度比率は「1:2:4」である。
【0054】
特徴データ間に変化がある場合、ステップS43において、変化エリアの遷移パターンと所定の遷移パターンとの比較処理を行う。ここではまず、今回算出された変化エリアと、前回の処理において算出された変化エリアとの比較を行い、変化エリアの遷移パターンを算出する。次に、算出した変化エリアの遷移パターンと、予め設定された所定の遷移パターンとの比較を行う。この所定の遷移パターンとは、例えば、変化エリアがどの方向に遷移しているかなどを示すものである。
【0055】
ステップS44において、変化エリアの遷移パターンが所定の遷移パターンと類似しているかどうかを判断し、類似している場合(YES)には、変化エリアに遷移があったものと判断し、ステップS45へ進み、類似していない場合(NO)には、進入検出領域に人や物が侵入していないものとして本処理を終了する。
【0056】
ここで、ステップS43、S44で行われる、遷移パターンの比較および類似判断の具体例について、図10を用いて説明する。また、所定の遷移パターンを、特徴データの上側から下側へ向かって変化エリアの発生位置が遷移する状態とする。さらに、前回の処理において算出された変化エリアとは、図10に示すように、P−1時の特徴データにおいて、P−2時の特徴データと比較することによって得られた変化エリアY1を指す。
【0057】
図10に示すように、P−1時の特徴データについて算出された変化エリアY1(前回算出された変化エリア)と、P時の特徴データについて算出された変化エリアX1〜X3(今回算出された変化エリア)とを比較すると、変化エリアの発生位置が特徴データの下側へ向かって移動している。この場合には、変化エリアの発生位置の遷移と所定の遷移パターンとが一致しているため、変化エリアに遷移があったものと判断する。
【0058】
図9に戻り、ステップS45において、ステップS43の処理と同様に、前回算出された変化エリアと、前々回の処理において算出された変化エリアとを比較することによって変化エリアの遷移パターンを算出し、該算出した遷移パターンと所定の遷移パターンとの比較処理を行う。具体的には、図10に示すように、P−2時の特徴データについて算出された変化エリアZ1〜Z3(前々回の処理において算出された変化エリア)と、P−1時の特徴データについて算出された変化エリアY1(前回算出された変化エリア)とを比較し、変化エリアの遷移パターンを算出するものである。
【0059】
ステップS46において、ステップS44の処理と同様に、前々回の処理で算出された変化エリアと前回の処理で算出された変化エリアの遷移パターンが、所定の遷移パターンと類似しているかどうかを判断する。類似している場合(YES)には、変化エリアに遷移があったものと判断してステップS47へ進み、類似していない場合(NO)には、進入検出領域に人や物が侵入していないものとして本処理を終了する。
【0060】
ステップS47において、進入検出領域内に人や物体が侵入したものと判断し、進入検出信号を判定結果出力部65へ出力する。進入検出信号の出力後、本処理を終了する。
【0061】
以上のように、第1の実施形態では、シャッター装置1の開口部への進入経路を含む進入検出領域について、輝度条件の異なる複数枚の画像を取得し、これらの画像の輝度比率を算出する。移動物体が進入検出領域に侵入してきた場合、時間的に連続する特徴データ(P時、P−1時、P−2時の特徴データ)間において輝度比率が変化した変化エリアが発生する。この変化エリアの遷移パターンと所定の遷移パターンとを比較することによって、進入検出領域に侵入する人や物などの検出を行う。これにより、進入検出領域に環境変化や外乱光の入射があった場合でも、人や物などを正確に検出することができる。
【0062】
なお、第1の実施形態において、輝度条件の異なる複数枚の画像を撮像するために、撮像ユニット50の露光時間を一定とし、照明ユニット40による照明の強度を変更するものとしたが、例えば、図11(a)に示すように、照明点灯時の撮像画像について、照明ユニット40を一定の強度で照射したままの状態とし、露光時間を1/1000sec、1/500sec、1/250secに変化させて撮像を行うことにより、輝度条件の異なる画像を撮像してもよい。この場合には、例えば電子シャッターを用いて露光時間を制御することが好ましい。また、図11(b)に示すように、露光状態を開放状態とし、照明の強度を変化させることによって、輝度条件の異なる画像を撮像するようにしてもよい。
【0063】
また、撮像や照明を行う検出部4を、シャッター装置1の開口部の上方位置に取り付けるものとしたが、例えば図12(a)に示すシャッター装置1Aのように、検出部4Aを開口部の下端から所定高さの位置に取り付け、照明の配光領域を開口部の下端から所定高さ以上としてもよい。この場合には、シャッター装置1Aの両サイドに設けられている横枠6や、開口部の上側に設けられている上枠7に照明を照射し、横枠6や上枠7を撮像する。これにより、例えば、進入物として検出する必要が無いゴミ等が、地面を転がって開口部に進入したとしても、これらを進入物として検出してしまうことが無くなり、進入物の検出精度をより向上させることができる。さらに、横枠6や上枠7を撮像領域としているので、影等による輝度変化が少なくなり、より精度良く進入物の検出を行うことができる。
【0064】
また、図13に示すように、照明ユニットを有していないシャッター装置1Bであっても、上記のように、輝度比率を含む特徴データを算出し、輝度比率が変化する変化エリアの遷移パターンに基づいて進入検出を行うことができる。この場合には、検出部4Bの撮像素子駆動制御部62Bは、図11(a)に示したように、撮像ユニット50Bの露光時間を変化させることによって、照明ユニットが無くとも、輝度条件の異なる複数枚の画像を撮像することができる。
【0065】
また、撮像ユニット50によって撮像された画像において、特徴データを算出する領域(照明光が写っている領域)は細長いライン状となっている。このライン状の領域の中心線と、撮像ユニット50の撮像用レンズ103の光学中心とを整合させて撮像を行うことにより、特徴データを算出する領域について歪みの少ない画像を得ることができる。
【0066】
さらに、第1の実施形態では、進入検出領域のみに照明光を照射し、この進入検出領域を覆うようにして撮像を行うものとしたが、これとは逆に、進入検出領域のみを撮像領域とし、この進入検出領域を覆うように照明光を照射しても良い。
【0067】
次に、第2の実施形態について説明する。
【0068】
本実施形態は、第1の実施形態における照明方法や、進入物の検出処理方法を変更したものである。進入検出結果に基づいてシャッターパネル2を停止させる構成については第1の実施形態と同じであり説明を省略する。また、第1の実施形態と同一構成要素については、同一番号を付して説明を省略する。
【0069】
図14に示すように、シャッター装置1Cは、開口部を開閉するシャッターパネル2と、シャッターパネル2を駆動するシャッター駆動部3と、開口部周囲の進入検出領域に、人や物が進入したかどうかを検出する検出部4Cとより構成される。
【0070】
検出部4Cは、進入検出領域を赤色光によって照明する照明ユニット40Cと、進入検出領域を撮像する撮像ユニット50Cと、撮像ユニット50Cによる撮像画像から進入検出領域内に侵入する人や物を検出する制御部60Cとより構成される。
【0071】
制御部60Cは、照明ユニット40Cの照明点灯のオンオフの制御を行う照明点灯制御部61Cと、撮像ユニット50Cの撮像タイミングなどの制御を行う撮像素子駆動制御部62Cとを備えている。撮像素子駆動制御部62Cの制御による撮像ユニット50Cの撮像タイミングと、照明点灯制御部61Cの制御による照明ユニット40Cの照明照射タイミングとは同期している。
【0072】
さらに、制御部60Cは、撮像ユニット50Cで撮像された画像データを取得する画像データ取得部63Cと、取得された画像データより進入検出領域内に侵入する人や物の検出を行う検出処理部64Cと、判定結果出力部65と、記憶部66と、終了判定部67と、を備える。
【0073】
図15(a)に示すように、検出部4Cは、シャッター装置1Cの開口部の上方位置に取り付けられ、開口部への進入経路を含む進入検出領域に向けて赤色の照明光を照射するとともに、進入検出領域を含む領域を撮像する。ここで、照明ユニット40Cは、濃淡がマトリックス状に配置されたパターン照明M1を照射する。
【0074】
次に、進入検出領域内に進入する人や物を検出する処理について説明する。
【0075】
なお、この検出処理は、シャッター装置1Cの利用者によってシャッターパネル2の開閉動作の指示があった時に開始される。撮像素子駆動制御部62Cは、撮像ユニット50Cおよび照明点灯制御部61Cに指示を出し、照明光が照射されるタイミングで、進入検出領域を含む領域を撮像する。撮像された画像には、図15(b)に示すように、赤色のパターン照明M1が写っている。撮像された画像データは、画像データ取得部63Cにおいて、進入検出に用いる画像領域のみを切り出し、抽出画像データとして記憶部66に保存する。この進入検出に用いる画像領域とは、撮像された画像データ中においてパターン照明M1が写っている領域である。検出処理部64Cは、記憶部66に保存された最新の抽出画像データと、前回保存された抽出画像データとの比較を行い、進入検出領域への人や物の侵入があったかどうかを判断する。
【0076】
具体的には、図16(a)、図16(b)に示すように、人Hが進入検出領域に侵入し、照射された照明光に人が干渉した状態となると、撮像される照明パターンM1の形状に変化が生じる。よって、検出処理部64Cは、このパターン照明M1の形状に変化があった場合に、進入検出領域に人や物が侵入したものとして、進入検出信号を判定結果出力部65に出力するものである。
【0077】
以上のように、第2の実施形態では、赤色のパターン照明を照射し、パターン照明の形状が変化した場合に、進入検出領域内に人や物などが進入したものとして検出するので、環境変化や外乱光の入射があった場合でも、人や物などを正確に検出することができる。また、赤色の照明を照射することによって、シャッターパネル2が作動していることを、シャッター装置1Cの周囲にいる人に視覚的に知らせることができる。
【0078】
なお、図15(a)に示すように、パターン照明の形状として、パターン照明M2のように「注意」の文字を用いても良い。この場合には、より確実に、シャッターパネル2が作動していることをシャッター装置1の周囲にいる人に視覚的に知らせることができる。また、パターン照明M3のように複数のライン形状のパターン照明を用いても良い。
【0079】
さらに、パターン照明の他の例として、図17(a)、図17(b)に示すシャッター装置1Dのように、検出部4Dから照射するライン状の照明光の照射位置を順次切り替えて、進入検出領域内の異なる位置に照明光を照射しても良い。ここでは、シャッターパネル2より遠い位置から近い位置に向かって繰り返し、ライン状の照明光を照射するものとする。
【0080】
図18(a)、図18(b)に示すように、進入検出領域内に人Hが侵入すると、撮像された画像において、開口部に遠い位置から近い位置に向けて順にライン状の照明光に変化が生じる。この照明光の形状の変化を検出することによって、進入検出領域に人や物が侵入したことを検出することができる。また、ライン状の照明光の照射位置を変えながら1本ずつ照射し、照明光の形状の変化を検出しているので、照射位置が異なる他の照明光の影響を受けること無く、それぞれの照明光の形状の変化を正確に検出することができ、進入物をより精度良く検出することができる。
【0081】
さらに他の例として、図19(a)に示すシャッター装置1Eのように、検出部4Eから照射される照明の配光領域と、撮像領域とを交差させる構成としても良い。この照明の配光領域と撮像領域とが重なる領域が進入検出領域となる。この進入検出領域は、シャッター装置1Eの開口部から所定の高さ以上となるように、検出部4Eによる照明の配光領域と撮像領域とを設定する。検出部4Eは、濃淡がマトリックス状に配置されたパターン照明M4を照射する。検出部4Eによって撮像される画像は、図19(b)に示すように、進入検出領域内にパターン照明M4が入り込んでいない状態となる。
【0082】
図20(a)、図20(b)に示すように、進入検出領域内に人Hが侵入すると、人Hの頭部や肩等にパターン照明M4が照射され、進入検出領域内でパターン照明M4が検出される。このように進入検出領域内でパターン照明M4が検出されるかどうかによって、シャッター装置1Eの開口部に近づく人や物を検出することができる。また、進入検出領域がシャッター装置1Eの開口部から所定の高さ以上となるように配光領域と撮像領域とを設定しているので、進入物として検出する必要が無いゴミ等が、地面を転がって開口部に進入したとしても、これらを進入物として誤検出してしまうことが無くなる。さらに、影や天候変化によって地面の状態が変化したとしても、これらの変化に影響されること無く、進入物の検出を行うことができる。
【0083】
なお、上記各実施形態および変形例において、シャッター装置のシャッターパネル作動時にのみ撮像を行うものとしたが、シャッターパネルの作動時以外においても、撮像ユニットによってシャッター装置の周囲を撮影することにより、進入検出に加えてシャッター装置の周囲を監視する監視カメラとしての機能を持たせることもできる。
【0084】
また、撮像ユニットの撮像素子の前面にMTF(Modulation Transfer Function)制御用の光学フィルタを配置し、撮像画像にボカシを入れることによって、撮像される人のプライバシー保護を図ることもできる。この場合には、例えば、プライバシー保護を行う必要がある場合のみ、MTF制御用の光学フィルタを撮像素子の前面にスライドさせるようにしても良い。また、電圧を印加することによって透明から光拡散状態に変化する材料で構成されたフィルタを用い、透明状態およびボカシ状態を切り替えるようにしても良い。
【0085】
さらに、上記各実施形態において、シャッター装置の開放時における開口部に進入する人や物を検出するものとしたが、これ以外にも、例えば図21(a)、図21(b)に示すように、車両200に備えられたパワーウィンドウ210の開放時における開口部に侵入する人Hの手などを検出するようにしても良い。この場合には、車両200内部におけるパワーウィンドウ210の上方位置に、照明および撮像を行う検出部4Fを取り付け、パワーウィンドウ210の開放時における開口部への進入経路を含む領域を進入検出領域として、進入検出領域への進入物の検出を行う。なお、進入検出方法は、第1の実施形態および第2の実施形態で説明した方法を用いるものとする。これにより、パワーウィンドウ210の作動時に、窓の開口部に近づく人Hの手などを、環境変化や外乱光の影響を受けること無く、非接触で正確に検出することができる。
【0086】
また、シャッター装置の実施形態と同様に、パワーウィンドウの作動時以外においても、撮像ユニットによってパワーウィンドウの周囲を撮影することにより、進入検出に加えてパワーウィンドウの周囲を監視する監視カメラとしての機能を持たせることもできる。
【符号の説明】
【0087】
1…シャッター装置、2…シャッターパネル、3…シャッター駆動部、4…検出部、40…照明ユニット、50…撮像ユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉部の開放時における進入経路を含む進入検出領域を照明する照明手段と、
前記進入検出領域を撮像する撮像手段と、
所定タイミング毎に、前記撮像手段を用いて輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像し、取得する画像取得手段と、
前記所定枚数の画像について輝度比率を算出する輝度比率算出手段と、
前記輝度比率算出手段により、異なる前記所定枚数の画像について算出された第1の輝度比率と第2の輝度比率とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて前記進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段と
を備えることを特徴とする開閉部用の検出装置。
【請求項2】
前記照明手段および前記撮像手段は、前記開閉部の下端近傍に配置され、
前記進入検出領域は、前記開閉部の開放時における開口部の下端から所定高さ以上の領域であることを特徴とする請求項1に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項3】
前記照明手段によって照明がされているときに前記撮像手段によって撮像された画像と、照明がされていないときに前記撮像手段によって撮像された画像との差分画像を算出する差分画像算出手段をさらに備え、
前記輝度比率算出手段は、前記差分画像に基づいて輝度比率を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項4】
前記照明手段は、前記進入検出領域を配光領域とし、
前記撮像手段は、前記進入検出領域を含む領域を撮像領域とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の開閉部用の検出装置。
【請求項5】
前記撮像手段は、前記進入検出領域を撮像領域とし、
前記照明手段は、前記進入検出領域を含む領域を配光領域とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の開閉部用の検出装置。
【請求項6】
前記画像取得手段は、
前記撮像手段の露光時間を一定時間幅とし、前記照明手段による照明強度を変更することにより前記輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像すること、
前記照明手段を常時点灯とし、前記撮像手段の露光時間を変更することにより前記輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像すること、
前記撮像手段の露光状態を常時開放とし、前記照明手段による照明強度を変更することにより前記輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像することのいずれかを行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の開閉部用の検出装置。
【請求項7】
前記輝度比率算出手段は、前記画像を2つ以上の領域に区分し、前記区分毎に輝度比率を算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の開閉部用の検出装置。
【請求項8】
前記照明手段は、赤外光線を用いて照明を行うものであり、
前記撮像手段は、前記赤外光線の波長近傍の波長のみを通過させるフィルタを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の開閉部用の検出装置。
【請求項9】
開閉部の開放時における進入経路を含む進入検出領域を、所定のパターン光によって照明する照明手段と、
前記所定のパターン光の反射光をパターン画像として撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により、異なるタイミングで撮像された第1のパターン画像のパターン形状と第2のパターン画像のパターン形状との比較を行う比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて前記進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段と
を備えることを特徴とする開閉部用の検出装置。
【請求項10】
前記所定のパターン光は、可視光が用いられ、さらに、前記パターン形状は、文字またはマークであることを特徴とする請求項9に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項11】
前記照明手段は、パルス発光を行い、さらに、前記パルス発光の発光タイミングと同期して前記パターン光の照射位置を切り替えるものであり、
前記撮像手段は、前記照明手段の発光と同期して前記パターン画像を撮像することを特徴とする請求項9または10に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項12】
開閉部の開放時における進入経路を含み、前記開閉部の開放時における開口部の下端から所定高さ以上の進入検出領域を照明する照明手段と、
前記進入検出領域内において、前記照明手段による照明の配光領域と重なる撮像領域を有する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像より、前記照明光の反射光が検出されたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果に基づいて前記進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段と
を備えることを特徴とする開閉部用の検出装置。
【請求項13】
前記照明手段は、所定のパターン光によって照明を行うものであることを特徴とする請求項12に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項14】
前記照明手段は、パルス発光を行うものであり、
前記撮像手段は、前記照明手段の発光と同期して、前記画像を撮像することを特徴とする請求項12または13に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項1】
開閉部の開放時における進入経路を含む進入検出領域を照明する照明手段と、
前記進入検出領域を撮像する撮像手段と、
所定タイミング毎に、前記撮像手段を用いて輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像し、取得する画像取得手段と、
前記所定枚数の画像について輝度比率を算出する輝度比率算出手段と、
前記輝度比率算出手段により、異なる前記所定枚数の画像について算出された第1の輝度比率と第2の輝度比率とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて前記進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段と
を備えることを特徴とする開閉部用の検出装置。
【請求項2】
前記照明手段および前記撮像手段は、前記開閉部の下端近傍に配置され、
前記進入検出領域は、前記開閉部の開放時における開口部の下端から所定高さ以上の領域であることを特徴とする請求項1に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項3】
前記照明手段によって照明がされているときに前記撮像手段によって撮像された画像と、照明がされていないときに前記撮像手段によって撮像された画像との差分画像を算出する差分画像算出手段をさらに備え、
前記輝度比率算出手段は、前記差分画像に基づいて輝度比率を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項4】
前記照明手段は、前記進入検出領域を配光領域とし、
前記撮像手段は、前記進入検出領域を含む領域を撮像領域とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の開閉部用の検出装置。
【請求項5】
前記撮像手段は、前記進入検出領域を撮像領域とし、
前記照明手段は、前記進入検出領域を含む領域を配光領域とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の開閉部用の検出装置。
【請求項6】
前記画像取得手段は、
前記撮像手段の露光時間を一定時間幅とし、前記照明手段による照明強度を変更することにより前記輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像すること、
前記照明手段を常時点灯とし、前記撮像手段の露光時間を変更することにより前記輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像すること、
前記撮像手段の露光状態を常時開放とし、前記照明手段による照明強度を変更することにより前記輝度条件の異なる所定枚数の画像を撮像することのいずれかを行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の開閉部用の検出装置。
【請求項7】
前記輝度比率算出手段は、前記画像を2つ以上の領域に区分し、前記区分毎に輝度比率を算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の開閉部用の検出装置。
【請求項8】
前記照明手段は、赤外光線を用いて照明を行うものであり、
前記撮像手段は、前記赤外光線の波長近傍の波長のみを通過させるフィルタを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の開閉部用の検出装置。
【請求項9】
開閉部の開放時における進入経路を含む進入検出領域を、所定のパターン光によって照明する照明手段と、
前記所定のパターン光の反射光をパターン画像として撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により、異なるタイミングで撮像された第1のパターン画像のパターン形状と第2のパターン画像のパターン形状との比較を行う比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて前記進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段と
を備えることを特徴とする開閉部用の検出装置。
【請求項10】
前記所定のパターン光は、可視光が用いられ、さらに、前記パターン形状は、文字またはマークであることを特徴とする請求項9に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項11】
前記照明手段は、パルス発光を行い、さらに、前記パルス発光の発光タイミングと同期して前記パターン光の照射位置を切り替えるものであり、
前記撮像手段は、前記照明手段の発光と同期して前記パターン画像を撮像することを特徴とする請求項9または10に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項12】
開閉部の開放時における進入経路を含み、前記開閉部の開放時における開口部の下端から所定高さ以上の進入検出領域を照明する照明手段と、
前記進入検出領域内において、前記照明手段による照明の配光領域と重なる撮像領域を有する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像より、前記照明光の反射光が検出されたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果に基づいて前記進入検出領域への物体の侵入を検出する検出手段と
を備えることを特徴とする開閉部用の検出装置。
【請求項13】
前記照明手段は、所定のパターン光によって照明を行うものであることを特徴とする請求項12に記載の開閉部用の検出装置。
【請求項14】
前記照明手段は、パルス発光を行うものであり、
前記撮像手段は、前記照明手段の発光と同期して、前記画像を撮像することを特徴とする請求項12または13に記載の開閉部用の検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図21】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図21】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−285821(P2010−285821A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141254(P2009−141254)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】
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