説明

関節駆動機構

【課題】低剛性から高剛性まで幅広く関節剛性を調整する。
【解決手段】ベース部材6に対してリンク部5が揺動軸心La回りに揺動可能に連結されている。ベース部材6には駆動プーリ2Aが設けられている。リンク部5には一対の従動プーリ81,82が設けられている。紐状弾性部材1は、その中央部1aが駆動プーリ2Aに架けられ、各端部1b,1cが各従動プーリ81,82に架けられている。紐状弾性部材1の両端部1b,1cは、調整機構31の剛性調整用駆動プーリ2Bに巻き取られて駆動プーリ2A側に引っ張られ、剛性調整用駆動プーリ2Bを回転駆動することで、紐状弾性部材1の駆動プーリ2Aと各従動プーリ81,82との間の有効長さが調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業ロボットや脚式移動ロボット、パワースーツのような人の筋力を補助するパワーアシスト装置等に適用される関節駆動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
マニピュレータの制御方法において、手先が対象物に柔軟に接触できることが重要になってきている。これを産業ロボットに応用すれば、人間との共同作業が実現でき、手先の柔軟性の方向を制御することにより部品の嵌め合い作業等が容易になる。また、これを脚式移動ロボットに応用すれば、地面に柔らかく接地することで胴体に対する衝撃が和らげられ、段差を吸収することで不整地を安定に歩行することが可能となる。また、ペットロボットに応用すれば、生きた本物の動物に近い動作や感触が得られるので心を癒す効果が大きくなると期待できる。
【0003】
人間あるいは動物の筋肉はアクチュエータであると同時に、粘弾性可変の制御機構であることが知られている。一方、McKibben型人工筋肉に代表される空気圧ゴム人工筋肉は、粘弾性特性が筋に類似しているので、マニピュレータに配置して人工筋肉アクチュエータの柔らかさを制御することで、任意の手先の柔軟性で対象物に接触させる技術開発が進められている。
【0004】
この種の関節駆動機構において、2つのリンクの間に配置され、圧縮流体が供給される一対の空気圧ゴム人工筋肉アクチュエータで関節を駆動するものが提案されている(特許文献1参照)。このタイプの空気圧ゴム人工筋肉アクチュエータは内部に供給される空気圧が高いほど剛性が高くなる。従って、空気圧ゴム人工筋肉アクチュエータは空気圧によりその引っ張り剛性を制御できるため、一対の空気圧ゴム人工筋肉アクチュエータで関節剛性を制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−103270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、空気圧ゴム人工筋肉アクチュエータの管状膨張体は高い内部空気圧に耐えるよう所定の剛性を有するゴムでできている。さらに、その外周を包み込む被覆体は膨張体の膨張を抑制できる強度を有する硬い繊維でできている。このように、空気圧ゴム人工筋肉アクチュエータは、膨張体と被覆体による管状構造であるため、内部圧力を最低圧力(大気圧と同等)まで下げても、引っ張り剛性に下限がある。
【0007】
従って、関節剛性の調整できる幅が狭く、マニピュレータが人などに接触したときに、接触に追従して関節を柔らかくする程度の関節剛性に設定することはできるが、ペットロボット等に適用した場合などは体が硬く、優しく癒される柔らかさは得られなかった。また、パワースーツのようなパワーアシスト装置に適用した場合は、筋力補助を必要としないときも人工筋肉アクチュエータの剛性が下がらないため、装着者はこの剛性力に抗して動かなければならず、自由な動作が妨げられていた。
【0008】
そこで、本発明は、低剛性から高剛性まで幅広く関節剛性を調整できる関節駆動機構を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、固定部に対して揺動軸心回りに揺動可能に連結されたリンク部を揺動させる関節駆動機構において、前記固定部及び前記リンク部のうちの一方に設けられた駆動プーリと、前記固定部及び前記リンク部のうちの他方に、前記駆動プーリの回転中心線と前記揺動軸心とを含む平面を挟んで設けられた一対の従動プーリと、前記駆動プーリに中央部が架けられ、前記一対の従動プーリのうちの一方の従動プーリに一端部が架けられ、前記一対の従動プーリのうちの他方の従動プーリに他端部が架けられた伸縮自在の紐状弾性部材と、前記紐状弾性部材の両端部を束ねて前記駆動プーリ側に引っ張り、前記紐状弾性部材の前記駆動プーリと前記各従動プーリとの間の有効長さを調整する調整機構と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、調整機構により紐状弾性部材の駆動プーリと従動プーリとの間の有効長さを変えることで低剛性から高剛性まで幅広く関節剛性を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係るロボットの関節駆動機構の概略構成を示す図である。
【図2】調整機構の模式図であり、(a)は回転モータと剛性調整用駆動プーリとの連結状態を示す図、(b)は剛性調整用駆動プーリにより被駆動物体を引っ張っている状態を示す図である。
【図3】紐状弾性部材の巻き取り量との引っ張り剛性との関係の説明するための図であり、(a)は紐状弾性部材の有効長さを説明するための図、(b)は紐状弾性部材の先端に作用させた外力と紐状弾性部材の先端位置との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の別の実施の形態に係るロボットの関節駆動機構の説明図であり、(a)は別の実施の形態の紐状弾性部材を示す斜視図、(b)はさらに別の実施の形態の紐状弾性部材を示す斜視図である。(c)は(b)の紐状弾性部材を適用した関節駆動機構の概略構成を示す図である。
【図5】本発明のさらに別の実施の形態に係るロボットの関節駆動機構の説明図であり、(a)は比較のため図1に示す関節駆動機構でリンク部を傾斜させた状態を示す図、(b)はさらに別の実施の形態の関節駆動機構の概略構成を示す図である。
【図6】さらに別の実施の形態の関節駆動機構に適用される調整機構を示す図である。
【図7】さらに別の実施の形態の関節駆動機構の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るロボットの関節駆動機構の概略構成を示す図である。ロボットは、図1に示すように、固定部としてのベース部材6と、ベース部材6に軸受け7における揺動軸心回りに揺動可能に連結されたリンク部5と、を備えている。この軸受け7における揺動軸心は、図1の紙面に直交する方向に延びる軸線Laである。
【0013】
関節駆動機構100は、ベース部材6とリンク部5との関節に設けられ、ベース部材6に対してリンク部5を揺動させるものである。関節駆動機構100は、ベース部材6及びリンク部5のうちの一方、本実施の形態ではベース部材6に配置され、不図示の回転モータに連結されたトルク調整用の駆動プーリ2Aを備えている。また、関節駆動機構100は、ベース部材6及びリンク部5のうちの他方、本実施の形態ではリンク部5に配置された一対の従動プーリ81,82を備えている。一対の従動プーリ81,82は、駆動プーリ2Aの図1の紙面に直交する回転中心線Lbと、軸受け7の揺動軸心Laとを含む平面Pを挟んで配置されている。軸受け7は、駆動プーリ2Aと一対の従動プーリ81,82との間の略中央に設けられている。
【0014】
これら駆動プーリ2A及び一対の従動プーリ81,82には、紐状弾性部材1が架け渡されている。この紐状弾性部材1は、有端状のものであり、伸縮自在に構成されている。紐状弾性部材1は、例えばゴムベルトやゴムチューブが好適であるが、求められる性能を満たせれば他の材質でも良く、金属のコイルばね、つづら折りになった金属ばねでもよい。
【0015】
紐状弾性部材1はその中央部1aがトルク調整用の駆動プーリ2Aに架けられ、一端部1bが一対の従動プーリ81,82のうちの一方の従動プーリ81に架けられ、他端部1cが他方の従動プーリ82に架けられて、両端部1b,1cが束ねられている。この紐状弾性部材1の中央部1aは、駆動プーリ2Aに一重以上に巻き付けられて、駆動プーリ2Aにおける紐状弾性部材1のすべりが抑制されている。この紐状弾性部材1の両端部1b,1cは、駆動プーリ2Aと一対の従動プーリ81,82との間に配置された剛性調整用駆動プーリ2Bに巻き取られている。駆動プーリ2Bは、回転モータ3によって回転駆動される。これら駆動プーリ2B及び回転モータ3により、紐状弾性部材1の両端部1b,1cを束ねて駆動プーリ側に引っ張り、紐状弾性部材1の駆動プーリ2Aと各従動プーリ81,82との間の弾性部分11,12の有効長さを調整する調整機構31が構成されている。
【0016】
ここで、駆動プーリ2Bは、紐状弾性部材1の各従動プーリ81,82と駆動プーリ2Bとの間の長さが同一となるように配置されている。具体的には駆動プーリ2Bは、平面Pを基準に従動プーリ82側にずらして配置されている。
【0017】
以上の構成で、駆動プーリ2Aを矢印A方向に回転させると、紐状弾性部材1の駆動プーリ2Aと一方の従動プーリ81との間の弾性部分11は、駆動プーリ2Aに巻き取られ、引っ張り力が強まる。これに対し、紐状弾性部材1の駆動プーリ2Aと他方の従動プーリ82との間の弾性部分12は、駆動プーリ2Aによる巻き取りが解かれ、引っ張り力が弱まる。従って、リンク部5は矢印B方向に揺動する。
【0018】
一方、剛性調整用駆動プーリ2Bを矢印C方向に回転させると、紐状弾性部材1の端部1b,1cが共に巻き取られる。従って、紐状弾性部材1が引き伸ばされて、駆動プーリ2Aと従動プーリ81,82との間に張られた弾性部分11,12の有効長さ(自然長)が短くなる。したがって、紐状弾性部材1の引っ張り剛性が高くなり、関節剛性が高くなる。
【0019】
また、剛性調整用駆動プーリ2Bを矢印C方向とは逆方向に回転させると、紐状弾性部材1の端部1b,1cが共に巻き取りが解放され、各弾性部分11,12の有効長さ(自然長)が長くなる。したがって、紐状弾性部材1の引っ張り剛性が低くなり、関節剛性が低くなる。
【0020】
紐状弾性部材1を巻き取る調整機構31の構造と、それにより引っ張り剛性が変化することを次の図2及び図3を参照しながら説明する。ただし図1の関節駆動機構100では2本の弾性部分11,12を巻き取っていたが、ここでは説明上、いずれか1本に着目して説明する。
【0021】
図2(a)では、回転モータ3と剛性調整用駆動プーリ2Bとが連結されている。ここで、図2(b)で示すような紐状弾性部材1を剛性調整用駆動プーリ2Bに巻き取ることにより、その先端に結合された被駆動物体4を矢印方向に駆動する場合を考えてみる。
【0022】
単位長さ当たりの引っ張り剛性がKuである紐状弾性部材1の有効長さ(引っ張り力=0の時の長さ、即ち自然長)が図3(a)で示すようにLnであるとする(n=1,2,3)。この紐状弾性部材1の先端に外力Fが掛かり引き伸ばされると、その外力Fと紐状弾性部材1の先端位置Xとの関係は図3(b)に示すような特性となる。これは次式のように表され、引っ張り剛性K(U)はその発生力Uによって変えることができることがわかる。
【0023】
【数1】

【0024】
従って、図1に示した剛性調整用駆動プーリ2Bで紐状弾性部材1の弾性部分11と弾性部分12を巻き取ると、弾性部分11と弾性部分12の引っ張り剛性が高くなるため、ベース部材6とリンク部5との関節剛性が高くなる。駆動プーリ2Aを固定したままであれば、関節を動かさず固定したままで剛性のみを変えることができる。
【0025】
なお、回転モータ3は出力軸が回転するものであればよく、電磁力を利用した回転型モータや減速器を介して回転軸に出力するものであっても良い。また、超音波モータ、静電モータなど電磁力を利用するタイプでなくても良い。
【0026】
以上、本実施の形態によれば、調整機構31により紐状弾性部材1の駆動プーリ2Aと従動プーリ81,82との間の有効長さを変えることで低剛性から高剛性まで幅広く関節剛性を調整することができる。したがって、ペットロボットに関節駆動機構100を適用すれば、ペットロボット本体が柔軟となり、ペットロボットによる癒しの効果が向上する。また、パワースーツなどのパワーアシスト装置に適用すれば、筋力補助を必要としない時には有効長さを充分長くして引っ張り剛性をほぼゼロにしておくことができ(例えば少し弛むくらい長くしておくことができ)るので、装着者は自由に動作できる。
【0027】
次に、別の実施の形態に係る関節駆動機構について説明する。図4は、別の実施の形態に係る関節駆動機構の説明図であり、図4(a)は、別の実施の形態の紐状弾性部材を示す斜視図、図4(b)は、さらに別の実施の形態の紐状弾性部材を示す斜視図である。図4(c)は、図4(b)の紐状弾性部材を適用した関節駆動機構の概略構成を示す図である。
【0028】
図4(a)に示す紐状弾性部材1Aは、中央部1aと両端部1b,1cとで太さが異なるように形成されている。図4(b)では、紐状弾性部材1Aが帯状の弾性ベルトであるので、中央部1aと両端部1b,1cとで厚さが異なるように形成されている。具体的には、中央部1aから各端部1b,1cに向かうに連れて、厚さが薄くなるように形成されている。このように、中央部1aから各端部1b,1cに向かうほど厚さが薄くなるので、紐状弾性部材1Aにおける引っ張り剛性の制御範囲をより広くすることができる。逆に中央部から各端部に向かうほど厚さを厚くすると、紐状弾性部材における引っ張り剛性の制御範囲が狭くなるが、剛性変化が緩やかとなり、制御分解能が向上する。
【0029】
また、図4(b)に示す紐状弾性部材1Bは、中央部と両端部とが弾性係数の異なる材質で形成されている。具体的には、紐状弾性部材1Bの中央部は、両端部の弾性部材1s(例えばゴムベルト)よりも弾性係数の高い弾性部材1h(例えばスチールベルト)で形成されている。そして、弾性部材1sと弾性部材1hとが繋ぎ合わされて、1本の紐状弾性部材1Bが形成されている。
【0030】
図4(c)には、この紐状弾性部材1Bを適用した関節駆動機構100Bが示されている。この紐状弾性部材1Bは、弾性係数の高い中央部の弾性部材1hが、駆動プーリ2Aに巻き回され、各端部の弾性部材1sが各従動プーリ81,82に架けられている。これにより、非常に高い剛性まで制御できるようになる。
【0031】
このように、紐状弾性部材1A,1Bを部分的に単位長さ当たりの引っ張り剛性が異なるものにする、即ち単位長さ当たりの引っ張り剛性分布を適度に設計することによりさらに広い範囲で引っ張り剛性を制御できる。そうすることにより、例えば布、紙、スポンジ、豆腐など柔らかいものを扱うマニピュレータに適した柔らかい関節剛性にもでき、重いものを支えるマニピュレータに適した硬い関節剛性にもできる。ペットロボットでは適度な柔らかさにすることで癒し効果を大きくできる。
【0032】
ここで、図5(a)は図1で示した実施の形態の関節駆動機構100でリンク部5を傾斜させた状態を示している。この状態で駆動プーリ2Aを固定したまま、駆動プーリ2Bを回転させて紐状弾性部材1を巻き取る場合について考える。この場合、軸受け7から弾性部分11までの距離R1と軸受け7から弾性部分12までの距離R2が等しくないため、弾性部分11と弾性部分12の引っ張り剛性が同時に同量だけ変化しても関節トルクは変化してしまう。
【0033】
図5(b)はさらに別の実施の形態の関節駆動機構の概略構成を示す図である。図5(b)に示す関節駆動機構100Cは、軸受け7の位置が異なる以外は、図1に示す関節駆動機構100と同様の構成である。関節駆動機構100Cでは、軸受け7は、一対の従動プーリ81,82の中心を結ぶ直線の中心に配置されている。従って、関節角度が変更されても、常に軸受け7から弾性部分11までの距離R1と軸受け7から弾性部分12までの距離R2とが等しく保たれるので、常に関節の位置を固定したまま剛性を制御できる。
【0034】
図6では、調整機構の別の形態として、剛性調整用駆動プーリ2Bに代えて剛性調整用ローラ対91,92としている。剛性調整用駆動プーリ2Bでは紐状弾性部材1を巻き取っていたが、この図6のように2つのローラ91,92で紐状弾性部材1の両端部1b,1c挟んで引き込み又は引き出しを行うことで、剛性を調整することが可能である。また、調整機構のさらに別の形態として、図7に示す関節駆動機構100Eにおいて、剛性調整用駆動プーリ2Bに代えてMcKibben型人工筋肉のような空気圧ゴム人工筋肉アクチュエータ10としてもよい。空気圧ゴム人工筋肉アクチュエータ10により紐状弾性部材1の両端部を引き込んだり、弛めたりして剛性を調整することが可能である。
【0035】
なお、上記実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記実施の形態では、固定部がベース部材6である場合について説明したが、固定部が他のリンク部であってもよい。また、上記実施の形態では、固定部であるベース部材6に駆動プーリ2Aを設け、リンク部5に従動プーリ81,82を設けた場合について説明したが、駆動プーリと従動プーリの配置関係が逆であってもよい。つまり、固定部であるベース部材6に従動プーリ81,82を設け、リンク部5に駆動プーリ2Aを設けた場合であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1,1A,1B…紐状弾性部材、2A…駆動プーリ、2B…駆動プーリ(剛性調整用駆動プーリ)、3…回転モータ、5…リンク部、6…ベース部材(固定部)、31…調整機構、81,82…従動プーリ、100,100B,100C,100E…関節駆動機構、La…揺動軸心、Lb…回転中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部に対して揺動軸心回りに揺動可能に連結されたリンク部を揺動させる関節駆動機構において、
前記固定部及び前記リンク部のうちの一方に設けられた駆動プーリと、
前記固定部及び前記リンク部のうちの他方に、前記駆動プーリの回転中心線と前記揺動軸心とを含む平面を挟んで設けられた一対の従動プーリと、
前記駆動プーリに中央部が架けられ、前記一対の従動プーリのうちの一方の従動プーリに一端部が架けられ、前記一対の従動プーリのうちの他方の従動プーリに他端部が架けられた伸縮自在の紐状弾性部材と、
前記紐状弾性部材の両端部を束ねて前記駆動プーリ側に引っ張り、前記紐状弾性部材の前記駆動プーリと前記各従動プーリとの間の有効長さを調整する調整機構と、を備えたことを特徴とする関節駆動機構。
【請求項2】
前記調整機構は、前記駆動プーリと前記一対の従動プーリとの間に配置され、前記紐状弾性部材の両端部を巻き取る剛性調整用駆動プーリと、前記剛性調整用駆動プーリを駆動する回転モータと、を有することを特徴とする請求項1に記載の関節駆動機構。
【請求項3】
前記紐状弾性部材は、中央部と両端部とで太さが異なるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の関節駆動機構。
【請求項4】
前記紐状弾性部材は、中央部と両端部とが弾性係数の異なる材質で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の関節駆動機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−106311(P2012−106311A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256815(P2010−256815)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】