防振機構付きフォークリフト
第1の構造体上に第2の構造体を取り付ける取付け台が提供される。取付け台(100)は第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体(10)を備える。取付け台(100)は筐体(10)内に位置する第1の端部(62)を有するバイアス部材(60)も含む。カップ形保持部材(22)は保持部材(22)自体を第2の構造体に取り付けるための第2の取付け面(29)を有し、保持部材(22)は、バイアス部材(60)が保持部材(22)と筐体(10)とによって拘束されるように、バイアス部材(60)の第2の端部(64)を受け入れるとともに少なくともその一部分が筐体(10)内に位置するように構成される。カップ(40)は保持部材(22)を取り囲み、保持部材(22)の外部と筐体(10)の内部との間の封止部を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、2009年4月3日に出願されたイタリア国特許出願第M12009A000541号の利益を主張し、その全内容は参照することにより本書に援用される。
【0002】
本発明は、第1の構造体上に第2の構造体を取り付ける取付け台に関する。本発明は、具体的には、車輪式及び軌道式の作業機械及び産業車両や農業車両用に適した、運転者環境を機械又は車両の他の場所の振動から絶縁する取付け台に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
特許文献1及び特許文献2は産業車両の第1の構造体(例えば荷台又はシャーシ)上に車両の第2の構造体(例えば運転室)を取り付ける液体封入式取付け台を開示している。これらの取付け台は第1の構造体からの振動が第2の構造体へ伝達するのを避けるために設けられる。各取付け台は第1の構造体に取り付けられるカップ形のケースを備え、このケースは弾性体で密閉される開口端部を有する。保持部材及び細長いスタッドが筐体内に配置され、スタッドは第2の構造体に取り付けるために弾性体の孔を貫通して延在する。バイアスばねがケース内に配置され、バイアス力を保持部材に与える。よって、保持部材及びスタッドは、バイアスばねの作用又は2つの構造体間の相対運動のいずれかによって弾性体及び筐体に対して軸方向に摺動することができる。保持部材が筐体内を移動する際、筐体内に保持された粘性液が減衰効果を生じる。
【0004】
スタッドが弾性体を貫通するので、保持部材は筐体と弾性体との間に閉じ込められる。その結果、ケース内のバイアスばねは保持部材とケースの端面との間に納まるように十分短い長さにしなければならない。ばねに対するこの寸法要件は可能な静的たわみ量を損なう。これはより高い垂直スチフネス及びその結果高い固有周波数を有するばねの使用を必要とする。これは振動を満足に吸収する能力を妨げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第988610号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0047882号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術に固有のこの欠点及び他の欠点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台が提供され、該取付け台は、前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、前記筐体内に位置する第2の端部を有するバイアス部材と、それ自身を前記第2の構造体に取り付けるための第2の取付け面を有するカップ形の保持部材であって、前記バイアス部材が前記保持部材と前記筐体とにより拘束されるように、前記バイアス部材の第2の端部を受け入れるとともに少なくともその一部分が前記筐体内に位置するように構成されている前記保持部材と、前記保持部材を包囲するとともに前記保持部材の外部と前記筐体の内部との間を封止するカップとを備え、前記カップは前記カップ及び前記筐体に対する記保持部材の半径方向運動を阻止するように構成された十分に剛性の内部スリーブを含む、ことを特徴とする。
【0008】
前記保持部材は内面及び外面を有する閉鎖端部を有し、その内面が前記バイアス部材の第2の端部を拘束し、その外面を前記第2の取付け面であるものとすることができる。
【0009】
前記カップは前記保持部材の相対軸方向運動を第1の方向にて制限するように構成された第1の制御面を有することができ、前記保持部材は前記カップの前記第1の制御面と選択的に接触するように構成された前記筐体に向かって突出する第1の半径方向突出減衰板を含むことができる。
【0010】
前記バイアス部材は圧縮ばねとし得る。
【0011】
前記第1の取付け面は前記筐体から半径方向に突出する第1のフランジとすることができ、前記第1のフランジは機械的固定具を受け入れるように構成された複数の取付け孔を有するものとし得る。
【0012】
前記カップは弾性材料からなるものとし得る。
【0013】
前記内部スリーブは前記カップに接着されたプラスチック材料からなるものとし得る。
【0014】
前記カップは環状補強リングを含むことができる。この補強リングは第2の半径方向突出フランジを有し、該フランジに複数の第2の取付け孔を有することができる。前記第2の半径方向突出フランジは前記筐体の第1のフランジとほぼ同じ形を有し、前記複数の第2の取付け孔は前記第1のフランジの第1の取付け孔と使用時に整列するものとし得る。
【0015】
前記取付け台は、更に、非使用時に前記第1及び第2の取付け面を一緒に固定するように構成された一以上の固定部材を備えることができる。
【0016】
前記取付け台は、更に、前記第2の取付け面から軸方向に突出するねじ付き取付け部材を備えることができる。
【0017】
前記第1の制御面は、前記保持部材の相対軸方向運動を前記筐体から離れる第1の方向にて制限するように構成することができ、前記カップは前記保持部材の相対軸方向運動を前記筐体に向かう第2の方向にて制限するように構成された第2の制御面を含むことができる。前記取付け台は、更に、前記ねじ付き取付け部材に取り付けられ、前記カップの前記第2の制御面に選択的に接触するように構成された第2の減衰板を備えることができる。
【0018】
前記取付け台は、更に、前記保持部材と前記筐体の間で摩擦を発生するように構成された一以上の摩擦部材を備えることができる。前記一以上の摩擦部材は前記第1の減衰板の周縁に設置することができる。或いは、前記摩擦部材は前記カップの内部スリーブ又は前記カップ形保持部材の内面に設置することができる。或いは又、前記摩擦部材は前記保持部材と前記バイアス部材との間に設置することができる。前記バイアス部材がばねである場合には、前記一以上の摩擦部材は前記ばねのコイルと接触してそれらの間で摩擦を発生し得るように前記保持部材の内面に設置することができる。
【0019】
前記取付け台は液体を含むことができ、前記カップは前記液体を前記筐体内に密封するように構成された液体障壁膜を含むことができる。天気カップは前記カップと前記障壁膜との間に形成される第1の液体室と前記カップと前記筐体との間に形成される第2の液体室との間で前記カップを経て前記液体を流すことができる一以上の流路を含むことができる。
【0020】
前記液体は磁気粘性液とすることができ、前記取付け台は、更に、前記筐体内の液体充満ギャップに隣接して設置され、前記液体に磁界を選択的に供給するように構成された電磁石を備えることができる。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、第1の構造体に第2の構造体を取り付けるシステムが提供され、該システムは本発明の第1の態様による少なくとも2つの取付け台を備えることを特徴とする。
【0022】
各取付け台は磁気粘性液体を含むとともに前記液体に磁界を選択的に供給するように構成された電磁石を有し、前記システムは更に前記電磁石を制御するように構成されたコントローラを備えることができる。
【0023】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様による取付け台によって第1の構造体に取り付けられた第2の構造体を備える作業機械が提供される。
【0024】
本明細書においては、「作業機械」は、産業上の利用又は環境において使用される車輪式又は軌道式の任意の機械(オンハイウェイであるかオフハイウェイであるかは問わない)を含むことを意図している。このような利用の非限定的な例として、材料取り扱い運搬、建築及び農業がある。
【0025】
前記第1の構造体は作業機械の荷物運搬構造体とすることができ、前記第2の構造体は作業機械の運転者環境部とすることができる。「運転者環境部」は運転室、運転者が位置するプラットフォーム又は作業機械の操作中運転者が座るシートとすることができる。
【0026】
前記作業機械はフォークリフト車とすることができ、この場合には前記第1の構造体は荷物搬送プラットフォーム、前記第2の構造体は運転室とすることができる。
【0027】
本発明の第4の態様によれば、第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台が提供され、該取付け台は、前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、前記筐体内に位置する第2の端部を有するバイアス部材と、それ自身を前記第2の構造体に取り付けるための第2の取付け面を有するカップ形の保持部材であって、前記バイアス部材が前記保持部材と前記筐体とにより拘束されるように、前記バイアス部材の第2の端部を受け入れるとともに少なくともその一部分が前記筐体内に位置するように構成されている前記保持部材と、前記保持部材を包囲するとともに前記保持部材の外部と前記筐体の内部との間を封止するカップとを備え、前記カップは前記保持部材と前記カップ及び前記筐体との相対運動を抑制するように構成された摩擦界面を含む、ことを特徴とする。
【0028】
本発明の第5の態様によれば、第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台が提供され、該取付け台は、前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、前記筐体内に位置する第1の端部を有するバイアス部材と、前記筐体内に含まれ、前記バイアス部材と接触する磁気粘性液と、液体障壁とを備え、前記磁気粘性液は前記筐体内に封入され、前記保持部材が前記第1及び第2の構造体の間の荷重を支持する、ことを特徴とする。
【0029】
本発明のいくつかの好適な実施形態がほんの一例として図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1(a)−(c)は取付け台の筐体のそれぞれ斜視図、平面図及び垂直断面図である。
【図2】図2(a)及び図2(b)は取付け台のそれぞれ平面図及び垂直断面図である。
【図3】図3(a)−(c)は取付け台の封止部のそれぞれ斜視図、平面図及び垂直断面図である。
【図4】図4(a)−(c)は図1〜図3に示す構成要素を組み込んだ取付け台のそれぞれ斜視図、平面図及び垂直断面図である。
【図5】作業機械に使用中の図4に示す取付け台の概略図である。
【図6】取付け台の第2の実施形態を示す垂直断面図である。
【図7】取付け台の第3の実施形態を示す垂直断面図である。
【図8】取付け台の第4の実施形態を示す垂直断面図である。
【図9】図9aは取付け台の第5の実施形態の垂直断面図であり、 図9b−9dは図9aの取付け台とともに使用する減衰ディスクの上面図である。
【図10】取付け台の第6の実施形態の垂直断面図である。
【図11】取付け台の第7の実施形態の垂直断面図である。
【図12】取付け台の第8の実施形態の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1(a)−(c)を参照すると、本発明による取付け台の筐体10が示されている。筐体10はカップ形が好ましく、カップ部分12とカップ部分12から半径方向に外側に突出するフランジ部分14とからなる。カップ部分12及びフランジ部分14は好ましくは単一の金属片から形成される。しかし、カップ部分12及びフランジ部分14はプラスチック材料からなるものとしてもよい点に留意されたい。筐体10はフランジ部分に隣接した開口端部16及びフランジ部分から遠く離れた閉鎖端部18を有する。図1(b)に示されるような平面図で見たとき、フランジ部分14は好ましくはほぼ正方形である。その結果、フランジ部分14は筐体10の周囲に4つの突耳を形成する。フランジ部分14の各突耳にはねじ孔20が設けられる。図1(b)で見えるフランジ部分14の上面は取付け台の第1の取付け面として作用する。
【0032】
図2(a)及び2(b)は本発明による取付け台のカップ形保持部材22を示す。保持部材22はカップ部分24と、カップ部分から半径方向に外側に突出する減衰板26を有する。保持部材22は減衰板26から遠くはなれた閉鎖端部28及び減衰板26に隣接した開口端部30を有する。閉鎖端部28は内面27及び外面29を有し、中心孔32を含む。取付け台を組み立てるとき、外面29は取付け台の第2の取付け面として作用する。カップ部分24及び減衰板26は単一の金属片から形成するのが好ましい。
【0033】
図3(a)−3(c)は本発明による取付け台の封止部又はカップ40を示す。封止部40は好ましくは弾性エラストマ材料からなり、第1(又は下部)の制御面44及び第2(又は上部)の制御面46を有する環状本体42を有する。第1及び第2の制御面44、46は反対方向に向いている。環状封止部本体42は封止部40を貫通する中心孔を画定する内面47を有する。封止部本体42は、好ましくは、金属補強リング48の周囲に通常の方法でゴムをモールドすることによって形成される。好ましくは同じモールドプロセス中に、十分に剛性のスリーブ50が封止部本体42の内面47に接着される。スリーブ50は好ましくは適切なプラスチック材料からなる。しかし、スリーブ50は他の任意の適切な材料、例えば青銅などの金属又は複合焼結材料からなるものとし得る。
【0034】
図3(a)及び3(b)に最も良く示されるように、補強リング48はリング本体48a及びリング本体48aから半径方向に突出するフランジ48bを備える。図3(b)に示されるような平面図で見たとき、フランジ48bは好ましくはほぼ正方形である。その結果、フランジ48bは封止部40の周囲に4つの突耳を形成する。フランジ部分48bの各突耳にはねじ孔49が設けられる。フランジ48bのサイズ及び形状及び孔49の位置は筐体10のフランジ部分14のサイズ及び形状及び孔20の位置にほぼ合致する。従って、筐体10のフランジ部分14と封止部40のリングフランジ部分48bは、組み立て中に一緒に設置されるとき、互いに重なり、それぞれの孔20,49が互いに整列する。
【0035】
図4(a)−4(c)は、本発明による組み立てられた取付け台を示す。この取付け台100は図1−3に示す構成要素を用いてどのように組み立てられるかを特に図4(c)の断面図を参照して以下に説明する。
【0036】
最初に、第1及び第2の端部62,64を有するバイアス部材60を筐体10のカップ部分12内に、バイアス部材60の第1の端部62が筐体10の閉鎖端部18に対接するように置く。バイアス部材60は好ましくは圧縮ばねであり、好ましくはスチール製である。次に、保持部材22が筐体10のカップ部分12内に少なくとも部分的に位置するように、カップ形保持部材22を逆さまにしてバイアス部材60の露出している第2の端部64の上にかぶせて置く。バイアス部材60の露出端部を覆うように置く前に、例えばねじボルトのような機械的固定具70を保持部材22の閉鎖端部28の穴32内に挿入する。固定具70は保持部材22の内部から孔32内に挿入され、固定具70のヘッド部72は固定具70が孔32を完全に貫通するのを防止する。それゆえ、固定具70は保持部材22により支持されるが閉鎖端部28の外面29から突出する。
【0037】
保持部材22がバイアス部材60を覆うように置かれた状態で、バイアス部材60の第2の端部64が保持部材22の閉鎖端部28の内部表面27に対接する。従って、バイアス部材60は筐体10と保持部材22とによって拘束される。
【0038】
組み立ての次の段階において、封止部40が保持部材22と筐体10との間の円周方向ギャップに位置するように、封止部40を筐体10内で保持部材22の周囲に設置する。保持部材22のカップ部分24の少なくとも一部分が封止部40の中心スリーブ50内に位置する。封止部40を保持部材22に沿って押し下げると、第1の制御面44が保持部材22の減衰板26と接触する。それゆえ、封止部40は保持部材22を押し下げ、次いで保持部材22がその中のバイアス部材60を少なくとも部分的に圧縮する。封止部40を筐体10内に更に押し下げると、封止部補強リング48のフランジ48bが筐体10のフランジ部分14と接触する。上述したように、リング28のフランジ48b及び筐体のフランジ部分14はほぼ同じ形状を有するとともに整列した孔20,49を有するように形成されている。封止部40及び保持部材22の組み合わせはバイアス部材60を部分的に圧縮するので、次に複数の一時的な固定クリップ80でそれらの複数個所を固定してフランジ48b及びフランジ部分14をバイアス部材60の力に対向して一緒に保持する。これらのクリップ80は運搬及び保管のためのみに使用され、取付け台が第1及び第2の構造体の両方に安全に取り付けられたら、除去される。上述の組み立て工程後、バイアス手段に予備圧縮力が加えられた状態になる。
【0039】
筐体内への保持部材22の挿入前又は上述した行程後に、第2の減衰板90を保持部材22の外面29で与えられる第2の取付け面の上に機械的固定具70で設置することができる。図4(c)に明示されるように、第2の減衰板90は保持部材22のカップ部分24より大きな直径を有する。減衰板90は作業機械(以下に示す)の一部分とすることもできる。
【0040】
組み立て後、取付け台100は、図5に示すように、作業機械などの第1及び第2の構造体1,2に固定される。取付け台100は、第1の構造体1、典型的には荷台枠又は本体に、筐体10及び封止部40の孔20,49を経て第1の構造体1に設けられたブラケット3の対応する孔内にねじ込まれる機械的固定具92によって固定される。この機械的固定具として通常のナット及びボルト固定具を使用できる。その後、保持部材22から突出する固定具70を、第2の構造体2、典型的には機械の運転室の一部を構成する支持体、の取付け孔4に通す。その結果、第2の減衰板90は第2の構造体2の表面6に対接する。上述したように、第2の減衰板90は作業機械の一部分として形成することができ、必ずしも別個の板として形成する必要はない。取付け台100を第2の構造体2に固定するためには、同様に通常の固定ナット74を固定具70の端部に螺合することができる。第1及び第2の構造体1,2に満足に固定したら、固定クリップ80は除去することができる。
【0041】
図4(c)に戻り説明すると、取付け台100の使用中、第1の構造体の相対運動又は振動は保持部材22を筐体10に近づく又は筐体10から離れるように軸方向に摺動させる。この摺動は次にバイアス部材60を圧縮又は膨張してこの運動を吸収する。第1の構造体が第2の構造体に対して大きな運動又は増幅された振動を受けると、バイアス部材60は第2の減衰板90を封止部40の第2(又は上部)の制御面46と接触させるのに十分な量の圧縮を生じ得る。これはシステムのスチフネスを増大する。この状態では、保持部材22が筐体10内を更に運動するとき、第2の制御面46が保持部材22に利用可能な相対軸方向運動の量を制限する。さもなければ、第1の減衰板26が筐体10の閉鎖端部18と接触することが起こり得る。
【0042】
第2の構造体から離れる第1の構造体の相対運動又は振動中、あるいは、上述した圧縮運動に続く跳ね返り運動中、バイアス部材60が膨張する際に、バイアス部材60の選択された垂直スチフネスによって、筐体10から保持部材22の制御された外向き運動が得られる。バイアス部材60が十分に膨張して第1の減衰板26を封止部40と接触させる場合、封止部40の第1(又は下部)の制御面44が膨張するバイアス部材60によりもたらされる保持部材22に利用可能な外向き運動を制限する。
【0043】
これらのいずれの相対運動中も、封止部40の剛性スリーブ50による保持部材22の案内によって、垂直運動及び力を前後又は横方向の回転運動又は力から減結合することができる。
【0044】
図6及び図7は全体を200及び300で示す取付け台の代替実施形態の垂直断面図を示す。これらは図4(c)と同じ点における断面図であり、減衰効果を追加するために取付け台に追加することができるいくつかのオプション特徴を示す。第2及び第3の実施形態に示されるオプション特徴は取付け台に表面効果減衰及び/又は粘性減衰の形の減衰を与えるものである。これらのオプション特徴は別々の実施形態に示されるが、複合表面効果及び粘性減衰を提供するために単一の取付け台に一緒に組み込むこともできる点に注意されたい。更に、特に明記しない限り、記載の特徴は第1の実施形態と同じであり、それゆえ同じ参照番号を使用している。
【0045】
図6に示す取付け台200の第2の実施形態は表面効果減衰を追加するように構成されている。この実施形態では、筐体10及び封止部40に対する保持部材22の相対運動に対する抵抗を増大するために、一以上の摩擦ディスク又はパッド110が設けられる。摩擦ディスク110は、それが筐体10の内部表面に接触するように、好ましくは第1の減衰板26の周縁に取り付けられる。好適実施形態では、摩擦ディスク110は減衰板26に接着された接着弾性摩擦本体からなる。取付け台は第1の実施形態とほぼ同様に動作する。しかし、保持部材22が筐体10内を軸方向に運動するとき、筐体の内面に接触する摩擦ディスクによって発生される摩擦が減衰効果をもたらす。減衰板に取り付けるのに加えて又はその代わりに、摩擦ディスク又はパッドはスリーブ50と保持部材22の外面との間に設置することもできる。この場合には、ディスク又はパッドはスリーブ50又は保持部材22のいずれかに取り付けることができる。また、スリーブのために特別の材料を使用するか、スリーブの内面を処理することによって、スリーブ50自体を、それが摺動する保持部材に対して摩擦力を発生するように形成することもできる。減衰の度合は摩擦ディスク又はパッドのサイズ及び/又は数を変えることによって調整することができる。
【0046】
図7に示される取付け台300の第3の実施形態は、粘性減衰を単独でもしくは磁気粘性(MR)流体減衰効果と組み合わせて含むように構成されている。取付け台300の組み立て中に、封止部40”を筐体10内の保持部材22の周囲に位置させる前に、粘性減衰液を筐体10内に注入する。好適実施形態では、取付け台300は高い粘度の液体、好ましくは10,000センチストークより大きい高い粘度の液体(好ましくは>20,000;>20,000;>30,000;>40,000;>50,000;好ましくは50,000〜150,000センチストークスの範囲;好ましくは50,000〜70,000センチストークの範囲)を含む。好適実施形態では、高粘度の液体はシリコーン液からなる。好適実施形態では、取付け台は粘性液中に分散された磁気応答性鉄粒子からなる磁気粘性(MR)液を含む。好適実施形態では、取付け台の磁気粘性(MR)液は、鉄粒子、グリコール及び増粘剤からなり、好ましくは磁気応答性鉄粒子、増粘剤、イオンチキソトロピック添加剤及びグリコール液からなり、より好ましくは少なくとも50重量%のグリコール化合物を含むグリコール水からなる。増粘剤は好ましくはヒュームドシリカであり、イオンチキソトロピック添加剤は好ましくは亜硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウムからなるイオンチキソトロピック添加剤群から選ばれる少なくとも一つの添加剤である。
【0047】
封止部40”の設置後、液体障壁膜120を保持部材22の閉鎖端部28を覆うように設置され、封止部リング48のフランジ48bの周囲に取り付けて取付け台300から液体が漏れるのを防止する。この場合、取付け台300は封止部40”で分離された下部(又は第1)の液体室130及び上部(又は第2)の液体室140を有する。膜120は好ましくは無視し得る垂直スチフネスを有し、よって取付け台300の固有周波数又は総合垂直スチフネスに影響を与えない。
【0048】
粘性減衰を可能にするために、第3の実施形態では封止部40”は第1及び第2の液体室130,140間に粘性液を流す複数の流路122を含むように構成される。このようにすると、保持部材22が軸方向に移動するとき液体が減衰効果をもたらし、バイアス部材60の圧縮運動中に第1の減衰板26が第1の室130内の液体内に没入し、第2の減衰板90が第2の室内の液体を押し下げる。保持部材22及び減衰板26,90が移動するとき、液体は一つの室から他の室へ強制的に移動される。第1の減衰板26は、板26の外周と筐体10の内壁との間に半径方向のギャップ124が残されるような寸法にされる。これは、板26が液体中を移動するときにせん断効果を発生することを可能にし、更に減衰効果を向上する。この実施形態において液体により与えられる減衰は、使用する液体の粘度を変化させることによって及び/又は第1の減衰板26のサイズ、従ってギャップ124のサイズを変化させることによって調整することができる。
【0049】
粘性減衰を補足するために、使用する液体を液体中に磁気応答性の粒子を含む磁気粘性(MR)液とすることができる。各取付け台300は第1の室30、第2の室140及び/又は流路122の中及び/又はその近くに置かれた電磁石を含み、この電磁石は磁界発生のための電流を供給するコントローラ、好ましくは外部コントローラ(図示せず)に接続される。電磁石がスイッチオフされている場合、磁界が印加されず、液体は上述したように動作する。しかし、電磁石がスイッチオンされ、磁界が取付け台300内の液体に印加されると、粒子が磁界に整列し、液体の見掛けの粘度が増大する。コントローラには種々のパラメータ及び信号が供給され、コントローラは電磁石を活性化し、液体の降伏強さを増大させる時点を制御することができる。コントローラは一つの構造体を別の構造体に取り付けるために使用される複数の取付け台を制御するシステムの一部分として使用することもできる。
【0050】
本発明の好適実施形態では、磁気粘性液は、ヒュームドシリカ、イオンチキソトロピック添加剤及び少なくとも若干の水を含むグリコールベースの液体を備えるものとする。好ましくは、磁気粘性液は、磁気応答性粒子、増粘剤、イオンチキソトロピック添加剤及びキャリア液を備えるものとし、キャリア液は少なくとも50重量%のグリコール化合物を含むグリコール水混合物を備えるものとする。本発明の一つの実施形態では、キャリア液はエチレン及びプロピレングリコールの混合物を備える。本発明の別の好適実施形態では、水はキャリア液中にキャリア液の重量に基づいて50重量%までの量で存在する。本発明の更に他の実施形態では、水はキャリア液の重量に基づいて約0.01〜10重量%、約0.01〜5重量%、及び少なくとも2.0重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、増粘剤はヒュームドエイリカを備え、好ましくは200m2/g以下のBET表面積を備える。本発明の別の好適実施形態では、増粘剤は磁気粘性液中に磁気粘性液の総重量に基づいて0.01〜5.0重量%、0.5〜3.0重量%及び約1.5重量%で存在する。本発明の別の実施形態では、イオンチキソトロピック化合物は構造AByを備え、ここでAは+yの電荷(電子価)を有する陽イオン及びBは一価の陰イオンである。本発明の好適実施形態では、陽イオンはアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一つを備え、陰イオンはハロゲン化物、無機オキソアニオン、カルボン酸塩及びアルコキシドの少なくとも一つを備える。本発明の一つの実施形態では、陰イオンは次式;
R−CO2−
で表されるものを備え、ここでRはアルキル基又はアニル基を備える。本発明の一つの好適実施形態では、RはCH3又はC6H6を備える。本発明のいくつかの好適実施形態では、イオンチキソトロピック添加剤は亜硝酸ナトリウム及び塩化ナトリウムの少なくとも一つ、及び/又は、有機カルボン酸塩、酢酸ナトリウム及び/又は安息香酸ナトリウムを備える。本発明のいくつかの好適実施形態では、イオンチキソトロピック添加剤は、少なくとも約0.0007モルイオン/グラムのイオン強度のキャリア液を提供し、磁気粘性組成物の総重量に基づいて少なくとも0.7重量%の量で存在する、又は増粘剤に対して過剰なイオン含有量を与えるのに有効な量で存在する、及び/又は磁気粘性液の総重量に基づいて0.05〜5.0重量%の量で存在する。本発明の更に他の実施形態では、磁気応答性粒子は磁気粘性液の総体積に基づいて約15〜45体積%の量で存在する。
【0051】
本発明の取付け台は特に資材運搬作業機械に使用するのに適している。このような機械の一つの好適な例はフォークリフト車である。本発明による取付け台はフォークリフト車の運転室を荷物運搬台からの衝撃及び振動を受ける車体フレームに支持することができる。車は、フレーム又は運転室への垂直荷重に応答して支持及び安定性与えるために少なくとも2つの取付け台のシステムを使用することができる。このシステムは、横方向又は前後方向のいずれかの方向の荷重に応答して支持及び安定性を与えるためにもう1対の取付け台を含むことができる。上部と下部にそれぞれ1対の取付け台を備えるシステムでは、上部の1対の取付け台は本発明による取付け台とする。下部の1対の取付け台は接着ゴムからなる従来のサンドイッチ型取付け台とすることができる。
【0052】
本発明の取付け台はいくつかの利点をもたらす。本発明によれば、筐体と保持部材の間で予め圧縮されるバイアス部材を用いることによって、比較的低い固有周波数(好ましくは3.2〜3.6Hz)を有するが減少した静的たわみを有する取付け台が得られる。その結果として、所要の行程が減少し、取付け台は第1の構造体から第2の構造体への過度の運動及び振動の伝達を防止しながらよりコンパクトなものとなる。比較として、出願人が行った試験によれば、予め圧縮されてない純粋線形ばねを用いて同じ静的たわみの低減を得るためには、純粋線形ばねは大幅に剛くする必要があり、7.3Hzの固有周波数を有することが判った。この増大した垂直スチフネス及び固有周波数は第1及び第2の構造体の間でより大きな運動及び振動を伝達する。本発明の取付け台は、現存するバイアスばねを増大した又は減少した垂直スチフネスの別のばねと交換することによって、種々の荷物を簡単に収納するように調整することができる。
【0053】
本発明の他の利点は、弾性封止部と保持部材との間に剛性スリーブが設けられている点にある。剛性スリーブの使用によって、取付け台は垂直スチフネスを横方向及び/又は前後方向の半径方向スチフネスから減結合することができる。従って、取付け台への垂直荷重は横方向及び/又は前後方向のいずれの方向にも封止部のたわみを生じない。これにより垂直及び半径方向のスチフネス要件を独立に満足させることができ、よって一方の要件を満足させるために他方の要件に対して妥協する必要がなくなる。
【0054】
本発明の別の利点は、筐体内の保持部材の運動を制限するために封止部の上面と底面を使用することにある。上部及び下部制御面を一体に有する封止部の使用は取付け台の製造を簡単化し、製造コストの低下をもたらす。封止部は垂直及び半径の両方向に所望のスチフネス特性を有するエラストマから製造される。このスチフネスは要求に応じ減少又は増大されたスチフネスの別の封止部と交換することによって調整することができる。バイアス部材も封止部も容易に交換できるので、本発明によればそのばねレートを用途に応じて垂直方向、横方向及び前後方向の各方向に極めて簡単に調整することができる取付け台が提供される。
【0055】
上で強調したように、本発明は、減衰レベルの変更が表面効果減衰によって達成されるか、粘性減衰によって達成されるか、又はMR減衰によって達成されるかにかかわらず、減衰効果を取付け台に導入するためにオプション特徴を容易に組み込むこともできる。これらの減衰の形式のいずれも一つ以上のオプション特徴を基本取付け台に追加することによって簡単に組み込むことができ、よって異なる減衰形式を組み込むために別個の製造ライン又は再設計の必要がなくなるので、この点も製造コストに有利である。上で説明したように、これらの変更により提供される減衰レベルは、例えば摩擦ディスクの数を変更すること、異なる粘度を有する液体を用いること、電磁石に供給する電流/電圧を変化させることなどによって調整することもできる。
【0056】
粘性減衰が取付け台に与えられる場合には、液体障壁膜は好ましくは無視し得る垂直スチフネスを有するものとする。その結果、この障壁膜は好ましいことにバイアス部材の垂直スチフネスに影響を与えず、所望の固有周波数及び取付け台の総合吸収性能を妨害しない。
【0057】
第2の減衰板の設置は筐体内への保持部材の軸方向移動の制限を与えるのみならず、取付け台を第2の構造体に取り付けるための剛体面も与える。両方向における保持部材の軸方向移動の絶対的な制限は、保持部材が接触する制御面を有する封止部の深さ及び/又はスチフネスを変化させることによって調整することができる。
【0058】
保持部材の閉鎖端部は、バイアス部材を閉じ込める機能と第2の構造体が取り付けられる表面を提供する機能を達成するのが好ましいが、本発明はこの特定の構成に限定されない。代わりに、例えば、保持部材の内部に、バイアス部材の第2の端部が対接する一つ以上の段部又は突耳を含めることができる。加えて、第2の取付け表面は、保持部材の閉鎖端部の外面に固定される追加の板部材などにより与えることができる。
【0059】
運動制御に関して他の利点を本発明に追加することができるが、減衰板及びカップの制御面は本発明の機能に必須ではない。それゆえ、保持部材にはその開口端部に隣接して第1の減衰板を設ける必要はなく、またその閉鎖端部に隣接して第2の減衰板を設ける必要はない。同様に、カップに上部及び下部制御面を設けなくてもよい。
【0060】
取付け台を第2の構造体に取り付けることを可能にするねじ付き取り付け部材は取付け台の残部と独立に供給することができる。従って、本発明はこのような取り付け部材を備える取付け台にのみ限定されるべきでない。
【0061】
カップの内部スリーブは、好ましくは適切なプラスチック材料からなる。しかし、このスリーブは例えばスチールや銅などの金属からなるものとすることもできる。
【0062】
バイアス部材は、好ましくはスチールからなるコイル型圧縮ばねである。しかし、バイアス部材は別の手段で与えることもできる。例えば、代わりに、エラストマ材料の固体片からなるものとし得る。
【0063】
取付け台200の第2の実施形態の表面効果減衰を、第1の減衰板26と筐体10との間及び/又はスリーブ50と保持部材22の外面との間に一つ以上の摩擦ディスク又はパッドを含むものとして図に示し上で説明したが、保持部材22の内面27とバイアス部材60との間に一つ以上の摩擦ディスク又はパッド、又はエラストマ部分を含めることによって、追加の又は別の表面効果減衰を達成することができることを認識すべきである。即ち、図8に示されるように、保持部材22の内面27とバイアス部材60のコイルとの間に摩擦ディスク又はパッドは、又はエラストマ部分(摩擦界面の一例)を設置することができる。
【0064】
図8は取付け台の代替実施形態の垂直断面図を示し、その全体が400で示されている。この断面は図4(c)と同じ点の断面で、減衰効果を追加するために取付け台に追加できるオプション特徴を示す。図8のオプション特徴は表面効果減衰の形の減衰を取付け台400に与える。特に明記しない限り、記載の特徴は第1の実施形態と同じであり、それゆえ同じ参照番号を使用している。
【0065】
図8に示される取付け台400の第4の実施形態は、保持部材22の内面27とバイアス部材60との間に表面効果減衰を追加する。この場合には、減衰効果はコイルばね60のコイル60aと界面接触するエラストマ110aにより与えられる。エラストマ110aは保持部材22の内面27に接着することができる。ばね60のコイル60aは減衰ディスクとして作用してバイアス手段60に対する保持部材22の相対運動の抵抗を増大する。取付け台400は増大した荷重の下でたわむので、ばね60のコイル60a間の隙間がばね60の長さと一緒に減少する。それゆえ、より多くのコイル60aがエラストマ110aと接触する。この場合には、バイアス部材60が圧縮されるので、エラストマ110aの周囲の領域における保持部材22とバイアス部材60との間の接触量が増大するので、摩擦減衰力の量が増大する。このタイプの減衰は、減衰の量が保持部材22に対するバイアス部材60の変位に依存するので、「変位依存減衰」ということができる。この実施形態では、バイアス部材60は筐体10及び/又は保持部材22の間に溶接ワッシャ13で溶接され、又はリベット15で固定される。
【0066】
更に、図9aに示されるようにカップ部分12の内面12aと第1の減衰板26との間に一以上の摩擦ディスク又はパッドもしくはエラストマ部分(摩擦界面の一例)を含めることによって追加の又は別の表面効果減衰を達成することができることも認識すべきである。
【0067】
図9aは取付け台の代替実施形態の垂直断面図を示し、その全体が500で示されている。この断面は図4(c)と同じ点の断面で、減衰効果を追加するために取付け台に追加できるオプション特徴を示す。図9aのオプション特徴は表面効果減衰の形の減衰を取付け台500に与える。特に明記しない限り、記載の特徴は第1の実施形態と同じであり、それゆえ同じ参照番号を使用している。
【0068】
図9aに示される取付け台500の第5の実施形態は、カップ部分12の内面12aと第1の減衰板26との間に表面効果減衰を追加する。この場合には、減衰効果は第1の減衰板26に取り付けられた減衰ディスク110cと界面接触するエラストマ110b(摩擦界面の一例)により与えられる。減衰ディスク110cは第1の減衰板26にリベット、ねじ又は任意の他の適切な機械的固定具で取り付けることができ、溶接することもできる。減衰ディスク110cは金属、プラスチック(例えばルーロン)又は任意の他の適切な種類の材料からなるものとすることができる。減衰ディスク110cはエラストマ110bと界面接触してカップ部分12に対する保持部材22の相対運動の抵抗を増大する。
【0069】
図9aに示されていないが、エラストマ110bは、バイアス部材60が圧縮するとき、減衰ディスク110cとエラストマ110bとの間の界面接触の量が増大し、よって摩擦減衰力の量を増大するように、テーパ状にすることができることも認識されたい。
【0070】
図9b−9dに示されるように、減衰ディスク110c,110c’,110c”は種々の形を取り得る。図9b−9dの減衰ディスク110cは、粘性減衰を用いる場合には、粘性液を貫流させる流路110d,110d’、110d"を含む。
【0071】
また、粘性減衰構造は取付け台300の筐体10内に位置するものとして図に示し上で説明したが、粘性減衰構造は取付け台の外部に置くことができることも認識されたい。この場合には、保持部材が軸方向に移動するとき、液体が2つ以上の外部室の間で流れて減衰効果をもたらす。また、粘性減衰構造は取付け台に少なくとも部分的に外部に置くこともできる。即ち、粘性減衰構造の一部分(例えば第1の室)は取付け台の筐体の外部に置き、粘性減衰構造の他の部分(例えば第2の室)は取付け台の筐体内に置くことができる。この場合には、保持部材は軸方向に移動するとき、液体が2つの室の間で流れる。
【0072】
図10及び図11は図7の取付け台300の代替実施形態の垂直断面図を示す。この断面は図4(c)と同じ点の断面である。特に明記しない限り、記載の特徴は第1の実施形態と同じであり、それゆえ同じ参照番号を使用している。
【0073】
図10に示される取付け台600の第6の実施形態は、第1の減衰板26とカップ部分12の内面12aとの間に配置された磁気粘性(MR)流体弁601を含むように構成されている。保持部材22の開口端部30の底面30aに電磁石602が形成される。電磁石602はコイル603と磁束コア604を含む。従って、電磁路605は磁束コア604と磁束コア604及びカップ部分12の壁12b間の液体ギャップを通る。電磁石602はコイル603に電流を供給する給電線607も含む。給電線607は外部コントローラ(図示せず)に接続することができる。ギャップ606の寸法は、例えば電磁石602、筐体10又は保持部材22のサイズを調整することによって調整することができる。電磁石602、筐体10又は保持部材22は調整可能な寸法、例えば調整ダイ又はクリンプ加工部を有することもでき、また異なる寸法の一以上の段部を含むこともできる。
【0074】
取り付け台600の見掛けの粘度は図7の第3の実施形態に関連して先に説明した方法と同じ方法で制御される。動作中、弁601は保持部材22の変位時に液体を制御された形でギャップ606を通して流すことができる。減衰はギャップを通過する液体の流れにより生成される。
【0075】
図11に示される取付け台700の第7の実施形態は、電磁石702がカップ部分12に固定される点を除いて、上述の第6の実施形態と同じである。磁気粘性(MR)流体弁701は同様に第1の減衰板726とカップ部分712の内面712aとの間に配置される。カップ部分712は上部712b及び下部712cを含み、電磁石702は下部712cに取り付けられる。しかし、電磁石702は上部712b、例えば通路122の近くに取付けることもできることも認識されたい。電磁石702はコイル703及び磁束コア704を含む。電磁路705は電磁コア704と液体ギャップ706と第1の減衰板726の延長部分726aを通る。電磁石702はコイル703に電流を供給する給電線707も含む。給電線707は可変電流源コントローラ、好ましくは外部コントローラ(図示せず)に接続することができる。
【0076】
取付け台700内の液体の見掛けの粘度は図7及び図10の第3及び第6実施形態に関連して先に説明した方法と同じ方法で制御される。動作中、弁701は保持部材722の変位時に液体を制御された形でギャップ706を通して流すことができる。電磁石に供給される増大した電流はMR液の降伏強さを増大する。
【0077】
図12は取付け台の別の実施形態の垂直断面図を示し、その全体は800で示されている。この断面は図4(c)と同じ点の断面で、減衰効果を追加するために追加することができるオプション特徴を示す。図12のオプション特徴は減衰を取付け台に表面効果減衰の形で提供する。特に明記しない限り、記載の特徴は第1の実施形態と同じであり、それゆえ同じ参照番号を使用している。
【0078】
図12に示される取付け台800の第8の実施形態は、封止部又はカップ40の内面47と保持部材22との間に表面効果減衰を追加する。この場合には、減衰効果は保持部材22とすれあう封止部40のエラストマ材料(摩擦界面の一例)により与えられる。
【0079】
更に、図12に示すように、カップ部分12の内面12aと第1の減衰板26との間に一以上の摩擦ディスク又はパッド110又はエラストマ部分(摩擦界面の一例)を含めることによって、追加の又は代わりの表面効果減衰を達成するができることも認識されたい。
【0080】
更に、表面効果減衰を使用する場合には、第1の減衰板26が封止部40と接触する前又は第2の減衰板90が封止部40と接触する前に保持部材22又はバイアス部材60を一以上の摩擦ディスク又はパッドもしくはエラストマと接触させることができることも認識されたい。この場合には、この構成は(1)バイアス部材60、(2)バイアス部材+表面効果減衰、(3)バイアス部材+粘性減衰及び(4)バイアス部材+粘性減衰及びバイアス部材+封止部の4つの区別可能な領域を有するシステムスチフネスレート曲線を生成する。
【0081】
スリーブ50はプラスチック材料からなるものとして図示し説明されているが、スリーブはドライメタルポリマ軸受からなる滑り軸受とすることができ、好ましくはスチールなどのメタルバックを有するもの及び好ましくは充填ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ベースのポリマ軸受ライニング材料で含浸され被覆された接着多孔性青銅焼結層を有するものとすることができる。滑り軸受はメタルバックPTFE軸受とすることができる。滑り軸受は封止部40と別個に形成することができ、その軸受を封止部40内に挿入することによって取り付けることができる。
【0082】
更に、図7に示される取付け台300の第3の実施形態では、取付け台300から液体が漏れるのを防止する液体封止を提供するために、液体障壁膜120が保持部材22の閉鎖端部28を覆うように配置され、封止部リング48のフランジ48bの外周に取り付けられるが、液体障壁膜は筐体10の閉鎖端部18の周囲に設けることができることも認識されたい。この場合には、閉鎖端部18に液体を流す液体流路、例えば孔、穿孔などを設ける。筐体の液体流路によって封止部40に流路122を設ける必要はなくなる。取付け台からの液体の漏れを防止する液体封止を提供するために、液体障壁膜120は筐体10の閉鎖端部18を覆うように配置され、その外周に取り付けられる。この取付け台の動作は取付け台300に類似し、粘性減衰が同じように与えられる。
【0083】
また、上述した実施形態では、スリーブ部材50は第1及び第2の制御面44,46間の距離より短い軸方向長さを有するものとして図示され説明されているが、スリーブ部材50は第1及び第2の制御面44,46間の距離より大きい軸方向長さを有するものとすることができることも認識されたい。この場合には、取付け台の動作中、第1又は第2の減衰板26,90は封止部40の第1又は第2の制御面44,46より前にスリーブ50の上部又は下部と接触する。これはシステムに追加のスチフネスを与える。
【0084】
好適な液体フリー取付け台の実施形態では、取付け台は実質的に液体を含まず、取付け台の減衰作用は粘性減衰液流体の運動により与えられない。このような液体フリー取付け台の実施形態では、取付け台は好ましくは減衰流体又は減衰流体を封入する封止部を含まない。
【0085】
このような液体フリー取付け台の実施形態では減衰は好ましくは表面効果減衰で与えられる。
【0086】
これらの及び他の変更及び改良を本発明の範囲から離れることなく組み込むことができることも留意されたい。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図1(c)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、2009年4月3日に出願されたイタリア国特許出願第M12009A000541号の利益を主張し、その全内容は参照することにより本書に援用される。
【0002】
本発明は、第1の構造体上に第2の構造体を取り付ける取付け台に関する。本発明は、具体的には、車輪式及び軌道式の作業機械及び産業車両や農業車両用に適した、運転者環境を機械又は車両の他の場所の振動から絶縁する取付け台に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
特許文献1及び特許文献2は産業車両の第1の構造体(例えば荷台又はシャーシ)上に車両の第2の構造体(例えば運転室)を取り付ける液体封入式取付け台を開示している。これらの取付け台は第1の構造体からの振動が第2の構造体へ伝達するのを避けるために設けられる。各取付け台は第1の構造体に取り付けられるカップ形のケースを備え、このケースは弾性体で密閉される開口端部を有する。保持部材及び細長いスタッドが筐体内に配置され、スタッドは第2の構造体に取り付けるために弾性体の孔を貫通して延在する。バイアスばねがケース内に配置され、バイアス力を保持部材に与える。よって、保持部材及びスタッドは、バイアスばねの作用又は2つの構造体間の相対運動のいずれかによって弾性体及び筐体に対して軸方向に摺動することができる。保持部材が筐体内を移動する際、筐体内に保持された粘性液が減衰効果を生じる。
【0004】
スタッドが弾性体を貫通するので、保持部材は筐体と弾性体との間に閉じ込められる。その結果、ケース内のバイアスばねは保持部材とケースの端面との間に納まるように十分短い長さにしなければならない。ばねに対するこの寸法要件は可能な静的たわみ量を損なう。これはより高い垂直スチフネス及びその結果高い固有周波数を有するばねの使用を必要とする。これは振動を満足に吸収する能力を妨げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第988610号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0047882号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術に固有のこの欠点及び他の欠点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台が提供され、該取付け台は、前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、前記筐体内に位置する第2の端部を有するバイアス部材と、それ自身を前記第2の構造体に取り付けるための第2の取付け面を有するカップ形の保持部材であって、前記バイアス部材が前記保持部材と前記筐体とにより拘束されるように、前記バイアス部材の第2の端部を受け入れるとともに少なくともその一部分が前記筐体内に位置するように構成されている前記保持部材と、前記保持部材を包囲するとともに前記保持部材の外部と前記筐体の内部との間を封止するカップとを備え、前記カップは前記カップ及び前記筐体に対する記保持部材の半径方向運動を阻止するように構成された十分に剛性の内部スリーブを含む、ことを特徴とする。
【0008】
前記保持部材は内面及び外面を有する閉鎖端部を有し、その内面が前記バイアス部材の第2の端部を拘束し、その外面を前記第2の取付け面であるものとすることができる。
【0009】
前記カップは前記保持部材の相対軸方向運動を第1の方向にて制限するように構成された第1の制御面を有することができ、前記保持部材は前記カップの前記第1の制御面と選択的に接触するように構成された前記筐体に向かって突出する第1の半径方向突出減衰板を含むことができる。
【0010】
前記バイアス部材は圧縮ばねとし得る。
【0011】
前記第1の取付け面は前記筐体から半径方向に突出する第1のフランジとすることができ、前記第1のフランジは機械的固定具を受け入れるように構成された複数の取付け孔を有するものとし得る。
【0012】
前記カップは弾性材料からなるものとし得る。
【0013】
前記内部スリーブは前記カップに接着されたプラスチック材料からなるものとし得る。
【0014】
前記カップは環状補強リングを含むことができる。この補強リングは第2の半径方向突出フランジを有し、該フランジに複数の第2の取付け孔を有することができる。前記第2の半径方向突出フランジは前記筐体の第1のフランジとほぼ同じ形を有し、前記複数の第2の取付け孔は前記第1のフランジの第1の取付け孔と使用時に整列するものとし得る。
【0015】
前記取付け台は、更に、非使用時に前記第1及び第2の取付け面を一緒に固定するように構成された一以上の固定部材を備えることができる。
【0016】
前記取付け台は、更に、前記第2の取付け面から軸方向に突出するねじ付き取付け部材を備えることができる。
【0017】
前記第1の制御面は、前記保持部材の相対軸方向運動を前記筐体から離れる第1の方向にて制限するように構成することができ、前記カップは前記保持部材の相対軸方向運動を前記筐体に向かう第2の方向にて制限するように構成された第2の制御面を含むことができる。前記取付け台は、更に、前記ねじ付き取付け部材に取り付けられ、前記カップの前記第2の制御面に選択的に接触するように構成された第2の減衰板を備えることができる。
【0018】
前記取付け台は、更に、前記保持部材と前記筐体の間で摩擦を発生するように構成された一以上の摩擦部材を備えることができる。前記一以上の摩擦部材は前記第1の減衰板の周縁に設置することができる。或いは、前記摩擦部材は前記カップの内部スリーブ又は前記カップ形保持部材の内面に設置することができる。或いは又、前記摩擦部材は前記保持部材と前記バイアス部材との間に設置することができる。前記バイアス部材がばねである場合には、前記一以上の摩擦部材は前記ばねのコイルと接触してそれらの間で摩擦を発生し得るように前記保持部材の内面に設置することができる。
【0019】
前記取付け台は液体を含むことができ、前記カップは前記液体を前記筐体内に密封するように構成された液体障壁膜を含むことができる。天気カップは前記カップと前記障壁膜との間に形成される第1の液体室と前記カップと前記筐体との間に形成される第2の液体室との間で前記カップを経て前記液体を流すことができる一以上の流路を含むことができる。
【0020】
前記液体は磁気粘性液とすることができ、前記取付け台は、更に、前記筐体内の液体充満ギャップに隣接して設置され、前記液体に磁界を選択的に供給するように構成された電磁石を備えることができる。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、第1の構造体に第2の構造体を取り付けるシステムが提供され、該システムは本発明の第1の態様による少なくとも2つの取付け台を備えることを特徴とする。
【0022】
各取付け台は磁気粘性液体を含むとともに前記液体に磁界を選択的に供給するように構成された電磁石を有し、前記システムは更に前記電磁石を制御するように構成されたコントローラを備えることができる。
【0023】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様による取付け台によって第1の構造体に取り付けられた第2の構造体を備える作業機械が提供される。
【0024】
本明細書においては、「作業機械」は、産業上の利用又は環境において使用される車輪式又は軌道式の任意の機械(オンハイウェイであるかオフハイウェイであるかは問わない)を含むことを意図している。このような利用の非限定的な例として、材料取り扱い運搬、建築及び農業がある。
【0025】
前記第1の構造体は作業機械の荷物運搬構造体とすることができ、前記第2の構造体は作業機械の運転者環境部とすることができる。「運転者環境部」は運転室、運転者が位置するプラットフォーム又は作業機械の操作中運転者が座るシートとすることができる。
【0026】
前記作業機械はフォークリフト車とすることができ、この場合には前記第1の構造体は荷物搬送プラットフォーム、前記第2の構造体は運転室とすることができる。
【0027】
本発明の第4の態様によれば、第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台が提供され、該取付け台は、前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、前記筐体内に位置する第2の端部を有するバイアス部材と、それ自身を前記第2の構造体に取り付けるための第2の取付け面を有するカップ形の保持部材であって、前記バイアス部材が前記保持部材と前記筐体とにより拘束されるように、前記バイアス部材の第2の端部を受け入れるとともに少なくともその一部分が前記筐体内に位置するように構成されている前記保持部材と、前記保持部材を包囲するとともに前記保持部材の外部と前記筐体の内部との間を封止するカップとを備え、前記カップは前記保持部材と前記カップ及び前記筐体との相対運動を抑制するように構成された摩擦界面を含む、ことを特徴とする。
【0028】
本発明の第5の態様によれば、第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台が提供され、該取付け台は、前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、前記筐体内に位置する第1の端部を有するバイアス部材と、前記筐体内に含まれ、前記バイアス部材と接触する磁気粘性液と、液体障壁とを備え、前記磁気粘性液は前記筐体内に封入され、前記保持部材が前記第1及び第2の構造体の間の荷重を支持する、ことを特徴とする。
【0029】
本発明のいくつかの好適な実施形態がほんの一例として図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1(a)−(c)は取付け台の筐体のそれぞれ斜視図、平面図及び垂直断面図である。
【図2】図2(a)及び図2(b)は取付け台のそれぞれ平面図及び垂直断面図である。
【図3】図3(a)−(c)は取付け台の封止部のそれぞれ斜視図、平面図及び垂直断面図である。
【図4】図4(a)−(c)は図1〜図3に示す構成要素を組み込んだ取付け台のそれぞれ斜視図、平面図及び垂直断面図である。
【図5】作業機械に使用中の図4に示す取付け台の概略図である。
【図6】取付け台の第2の実施形態を示す垂直断面図である。
【図7】取付け台の第3の実施形態を示す垂直断面図である。
【図8】取付け台の第4の実施形態を示す垂直断面図である。
【図9】図9aは取付け台の第5の実施形態の垂直断面図であり、 図9b−9dは図9aの取付け台とともに使用する減衰ディスクの上面図である。
【図10】取付け台の第6の実施形態の垂直断面図である。
【図11】取付け台の第7の実施形態の垂直断面図である。
【図12】取付け台の第8の実施形態の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1(a)−(c)を参照すると、本発明による取付け台の筐体10が示されている。筐体10はカップ形が好ましく、カップ部分12とカップ部分12から半径方向に外側に突出するフランジ部分14とからなる。カップ部分12及びフランジ部分14は好ましくは単一の金属片から形成される。しかし、カップ部分12及びフランジ部分14はプラスチック材料からなるものとしてもよい点に留意されたい。筐体10はフランジ部分に隣接した開口端部16及びフランジ部分から遠く離れた閉鎖端部18を有する。図1(b)に示されるような平面図で見たとき、フランジ部分14は好ましくはほぼ正方形である。その結果、フランジ部分14は筐体10の周囲に4つの突耳を形成する。フランジ部分14の各突耳にはねじ孔20が設けられる。図1(b)で見えるフランジ部分14の上面は取付け台の第1の取付け面として作用する。
【0032】
図2(a)及び2(b)は本発明による取付け台のカップ形保持部材22を示す。保持部材22はカップ部分24と、カップ部分から半径方向に外側に突出する減衰板26を有する。保持部材22は減衰板26から遠くはなれた閉鎖端部28及び減衰板26に隣接した開口端部30を有する。閉鎖端部28は内面27及び外面29を有し、中心孔32を含む。取付け台を組み立てるとき、外面29は取付け台の第2の取付け面として作用する。カップ部分24及び減衰板26は単一の金属片から形成するのが好ましい。
【0033】
図3(a)−3(c)は本発明による取付け台の封止部又はカップ40を示す。封止部40は好ましくは弾性エラストマ材料からなり、第1(又は下部)の制御面44及び第2(又は上部)の制御面46を有する環状本体42を有する。第1及び第2の制御面44、46は反対方向に向いている。環状封止部本体42は封止部40を貫通する中心孔を画定する内面47を有する。封止部本体42は、好ましくは、金属補強リング48の周囲に通常の方法でゴムをモールドすることによって形成される。好ましくは同じモールドプロセス中に、十分に剛性のスリーブ50が封止部本体42の内面47に接着される。スリーブ50は好ましくは適切なプラスチック材料からなる。しかし、スリーブ50は他の任意の適切な材料、例えば青銅などの金属又は複合焼結材料からなるものとし得る。
【0034】
図3(a)及び3(b)に最も良く示されるように、補強リング48はリング本体48a及びリング本体48aから半径方向に突出するフランジ48bを備える。図3(b)に示されるような平面図で見たとき、フランジ48bは好ましくはほぼ正方形である。その結果、フランジ48bは封止部40の周囲に4つの突耳を形成する。フランジ部分48bの各突耳にはねじ孔49が設けられる。フランジ48bのサイズ及び形状及び孔49の位置は筐体10のフランジ部分14のサイズ及び形状及び孔20の位置にほぼ合致する。従って、筐体10のフランジ部分14と封止部40のリングフランジ部分48bは、組み立て中に一緒に設置されるとき、互いに重なり、それぞれの孔20,49が互いに整列する。
【0035】
図4(a)−4(c)は、本発明による組み立てられた取付け台を示す。この取付け台100は図1−3に示す構成要素を用いてどのように組み立てられるかを特に図4(c)の断面図を参照して以下に説明する。
【0036】
最初に、第1及び第2の端部62,64を有するバイアス部材60を筐体10のカップ部分12内に、バイアス部材60の第1の端部62が筐体10の閉鎖端部18に対接するように置く。バイアス部材60は好ましくは圧縮ばねであり、好ましくはスチール製である。次に、保持部材22が筐体10のカップ部分12内に少なくとも部分的に位置するように、カップ形保持部材22を逆さまにしてバイアス部材60の露出している第2の端部64の上にかぶせて置く。バイアス部材60の露出端部を覆うように置く前に、例えばねじボルトのような機械的固定具70を保持部材22の閉鎖端部28の穴32内に挿入する。固定具70は保持部材22の内部から孔32内に挿入され、固定具70のヘッド部72は固定具70が孔32を完全に貫通するのを防止する。それゆえ、固定具70は保持部材22により支持されるが閉鎖端部28の外面29から突出する。
【0037】
保持部材22がバイアス部材60を覆うように置かれた状態で、バイアス部材60の第2の端部64が保持部材22の閉鎖端部28の内部表面27に対接する。従って、バイアス部材60は筐体10と保持部材22とによって拘束される。
【0038】
組み立ての次の段階において、封止部40が保持部材22と筐体10との間の円周方向ギャップに位置するように、封止部40を筐体10内で保持部材22の周囲に設置する。保持部材22のカップ部分24の少なくとも一部分が封止部40の中心スリーブ50内に位置する。封止部40を保持部材22に沿って押し下げると、第1の制御面44が保持部材22の減衰板26と接触する。それゆえ、封止部40は保持部材22を押し下げ、次いで保持部材22がその中のバイアス部材60を少なくとも部分的に圧縮する。封止部40を筐体10内に更に押し下げると、封止部補強リング48のフランジ48bが筐体10のフランジ部分14と接触する。上述したように、リング28のフランジ48b及び筐体のフランジ部分14はほぼ同じ形状を有するとともに整列した孔20,49を有するように形成されている。封止部40及び保持部材22の組み合わせはバイアス部材60を部分的に圧縮するので、次に複数の一時的な固定クリップ80でそれらの複数個所を固定してフランジ48b及びフランジ部分14をバイアス部材60の力に対向して一緒に保持する。これらのクリップ80は運搬及び保管のためのみに使用され、取付け台が第1及び第2の構造体の両方に安全に取り付けられたら、除去される。上述の組み立て工程後、バイアス手段に予備圧縮力が加えられた状態になる。
【0039】
筐体内への保持部材22の挿入前又は上述した行程後に、第2の減衰板90を保持部材22の外面29で与えられる第2の取付け面の上に機械的固定具70で設置することができる。図4(c)に明示されるように、第2の減衰板90は保持部材22のカップ部分24より大きな直径を有する。減衰板90は作業機械(以下に示す)の一部分とすることもできる。
【0040】
組み立て後、取付け台100は、図5に示すように、作業機械などの第1及び第2の構造体1,2に固定される。取付け台100は、第1の構造体1、典型的には荷台枠又は本体に、筐体10及び封止部40の孔20,49を経て第1の構造体1に設けられたブラケット3の対応する孔内にねじ込まれる機械的固定具92によって固定される。この機械的固定具として通常のナット及びボルト固定具を使用できる。その後、保持部材22から突出する固定具70を、第2の構造体2、典型的には機械の運転室の一部を構成する支持体、の取付け孔4に通す。その結果、第2の減衰板90は第2の構造体2の表面6に対接する。上述したように、第2の減衰板90は作業機械の一部分として形成することができ、必ずしも別個の板として形成する必要はない。取付け台100を第2の構造体2に固定するためには、同様に通常の固定ナット74を固定具70の端部に螺合することができる。第1及び第2の構造体1,2に満足に固定したら、固定クリップ80は除去することができる。
【0041】
図4(c)に戻り説明すると、取付け台100の使用中、第1の構造体の相対運動又は振動は保持部材22を筐体10に近づく又は筐体10から離れるように軸方向に摺動させる。この摺動は次にバイアス部材60を圧縮又は膨張してこの運動を吸収する。第1の構造体が第2の構造体に対して大きな運動又は増幅された振動を受けると、バイアス部材60は第2の減衰板90を封止部40の第2(又は上部)の制御面46と接触させるのに十分な量の圧縮を生じ得る。これはシステムのスチフネスを増大する。この状態では、保持部材22が筐体10内を更に運動するとき、第2の制御面46が保持部材22に利用可能な相対軸方向運動の量を制限する。さもなければ、第1の減衰板26が筐体10の閉鎖端部18と接触することが起こり得る。
【0042】
第2の構造体から離れる第1の構造体の相対運動又は振動中、あるいは、上述した圧縮運動に続く跳ね返り運動中、バイアス部材60が膨張する際に、バイアス部材60の選択された垂直スチフネスによって、筐体10から保持部材22の制御された外向き運動が得られる。バイアス部材60が十分に膨張して第1の減衰板26を封止部40と接触させる場合、封止部40の第1(又は下部)の制御面44が膨張するバイアス部材60によりもたらされる保持部材22に利用可能な外向き運動を制限する。
【0043】
これらのいずれの相対運動中も、封止部40の剛性スリーブ50による保持部材22の案内によって、垂直運動及び力を前後又は横方向の回転運動又は力から減結合することができる。
【0044】
図6及び図7は全体を200及び300で示す取付け台の代替実施形態の垂直断面図を示す。これらは図4(c)と同じ点における断面図であり、減衰効果を追加するために取付け台に追加することができるいくつかのオプション特徴を示す。第2及び第3の実施形態に示されるオプション特徴は取付け台に表面効果減衰及び/又は粘性減衰の形の減衰を与えるものである。これらのオプション特徴は別々の実施形態に示されるが、複合表面効果及び粘性減衰を提供するために単一の取付け台に一緒に組み込むこともできる点に注意されたい。更に、特に明記しない限り、記載の特徴は第1の実施形態と同じであり、それゆえ同じ参照番号を使用している。
【0045】
図6に示す取付け台200の第2の実施形態は表面効果減衰を追加するように構成されている。この実施形態では、筐体10及び封止部40に対する保持部材22の相対運動に対する抵抗を増大するために、一以上の摩擦ディスク又はパッド110が設けられる。摩擦ディスク110は、それが筐体10の内部表面に接触するように、好ましくは第1の減衰板26の周縁に取り付けられる。好適実施形態では、摩擦ディスク110は減衰板26に接着された接着弾性摩擦本体からなる。取付け台は第1の実施形態とほぼ同様に動作する。しかし、保持部材22が筐体10内を軸方向に運動するとき、筐体の内面に接触する摩擦ディスクによって発生される摩擦が減衰効果をもたらす。減衰板に取り付けるのに加えて又はその代わりに、摩擦ディスク又はパッドはスリーブ50と保持部材22の外面との間に設置することもできる。この場合には、ディスク又はパッドはスリーブ50又は保持部材22のいずれかに取り付けることができる。また、スリーブのために特別の材料を使用するか、スリーブの内面を処理することによって、スリーブ50自体を、それが摺動する保持部材に対して摩擦力を発生するように形成することもできる。減衰の度合は摩擦ディスク又はパッドのサイズ及び/又は数を変えることによって調整することができる。
【0046】
図7に示される取付け台300の第3の実施形態は、粘性減衰を単独でもしくは磁気粘性(MR)流体減衰効果と組み合わせて含むように構成されている。取付け台300の組み立て中に、封止部40”を筐体10内の保持部材22の周囲に位置させる前に、粘性減衰液を筐体10内に注入する。好適実施形態では、取付け台300は高い粘度の液体、好ましくは10,000センチストークより大きい高い粘度の液体(好ましくは>20,000;>20,000;>30,000;>40,000;>50,000;好ましくは50,000〜150,000センチストークスの範囲;好ましくは50,000〜70,000センチストークの範囲)を含む。好適実施形態では、高粘度の液体はシリコーン液からなる。好適実施形態では、取付け台は粘性液中に分散された磁気応答性鉄粒子からなる磁気粘性(MR)液を含む。好適実施形態では、取付け台の磁気粘性(MR)液は、鉄粒子、グリコール及び増粘剤からなり、好ましくは磁気応答性鉄粒子、増粘剤、イオンチキソトロピック添加剤及びグリコール液からなり、より好ましくは少なくとも50重量%のグリコール化合物を含むグリコール水からなる。増粘剤は好ましくはヒュームドシリカであり、イオンチキソトロピック添加剤は好ましくは亜硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウムからなるイオンチキソトロピック添加剤群から選ばれる少なくとも一つの添加剤である。
【0047】
封止部40”の設置後、液体障壁膜120を保持部材22の閉鎖端部28を覆うように設置され、封止部リング48のフランジ48bの周囲に取り付けて取付け台300から液体が漏れるのを防止する。この場合、取付け台300は封止部40”で分離された下部(又は第1)の液体室130及び上部(又は第2)の液体室140を有する。膜120は好ましくは無視し得る垂直スチフネスを有し、よって取付け台300の固有周波数又は総合垂直スチフネスに影響を与えない。
【0048】
粘性減衰を可能にするために、第3の実施形態では封止部40”は第1及び第2の液体室130,140間に粘性液を流す複数の流路122を含むように構成される。このようにすると、保持部材22が軸方向に移動するとき液体が減衰効果をもたらし、バイアス部材60の圧縮運動中に第1の減衰板26が第1の室130内の液体内に没入し、第2の減衰板90が第2の室内の液体を押し下げる。保持部材22及び減衰板26,90が移動するとき、液体は一つの室から他の室へ強制的に移動される。第1の減衰板26は、板26の外周と筐体10の内壁との間に半径方向のギャップ124が残されるような寸法にされる。これは、板26が液体中を移動するときにせん断効果を発生することを可能にし、更に減衰効果を向上する。この実施形態において液体により与えられる減衰は、使用する液体の粘度を変化させることによって及び/又は第1の減衰板26のサイズ、従ってギャップ124のサイズを変化させることによって調整することができる。
【0049】
粘性減衰を補足するために、使用する液体を液体中に磁気応答性の粒子を含む磁気粘性(MR)液とすることができる。各取付け台300は第1の室30、第2の室140及び/又は流路122の中及び/又はその近くに置かれた電磁石を含み、この電磁石は磁界発生のための電流を供給するコントローラ、好ましくは外部コントローラ(図示せず)に接続される。電磁石がスイッチオフされている場合、磁界が印加されず、液体は上述したように動作する。しかし、電磁石がスイッチオンされ、磁界が取付け台300内の液体に印加されると、粒子が磁界に整列し、液体の見掛けの粘度が増大する。コントローラには種々のパラメータ及び信号が供給され、コントローラは電磁石を活性化し、液体の降伏強さを増大させる時点を制御することができる。コントローラは一つの構造体を別の構造体に取り付けるために使用される複数の取付け台を制御するシステムの一部分として使用することもできる。
【0050】
本発明の好適実施形態では、磁気粘性液は、ヒュームドシリカ、イオンチキソトロピック添加剤及び少なくとも若干の水を含むグリコールベースの液体を備えるものとする。好ましくは、磁気粘性液は、磁気応答性粒子、増粘剤、イオンチキソトロピック添加剤及びキャリア液を備えるものとし、キャリア液は少なくとも50重量%のグリコール化合物を含むグリコール水混合物を備えるものとする。本発明の一つの実施形態では、キャリア液はエチレン及びプロピレングリコールの混合物を備える。本発明の別の好適実施形態では、水はキャリア液中にキャリア液の重量に基づいて50重量%までの量で存在する。本発明の更に他の実施形態では、水はキャリア液の重量に基づいて約0.01〜10重量%、約0.01〜5重量%、及び少なくとも2.0重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、増粘剤はヒュームドエイリカを備え、好ましくは200m2/g以下のBET表面積を備える。本発明の別の好適実施形態では、増粘剤は磁気粘性液中に磁気粘性液の総重量に基づいて0.01〜5.0重量%、0.5〜3.0重量%及び約1.5重量%で存在する。本発明の別の実施形態では、イオンチキソトロピック化合物は構造AByを備え、ここでAは+yの電荷(電子価)を有する陽イオン及びBは一価の陰イオンである。本発明の好適実施形態では、陽イオンはアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一つを備え、陰イオンはハロゲン化物、無機オキソアニオン、カルボン酸塩及びアルコキシドの少なくとも一つを備える。本発明の一つの実施形態では、陰イオンは次式;
R−CO2−
で表されるものを備え、ここでRはアルキル基又はアニル基を備える。本発明の一つの好適実施形態では、RはCH3又はC6H6を備える。本発明のいくつかの好適実施形態では、イオンチキソトロピック添加剤は亜硝酸ナトリウム及び塩化ナトリウムの少なくとも一つ、及び/又は、有機カルボン酸塩、酢酸ナトリウム及び/又は安息香酸ナトリウムを備える。本発明のいくつかの好適実施形態では、イオンチキソトロピック添加剤は、少なくとも約0.0007モルイオン/グラムのイオン強度のキャリア液を提供し、磁気粘性組成物の総重量に基づいて少なくとも0.7重量%の量で存在する、又は増粘剤に対して過剰なイオン含有量を与えるのに有効な量で存在する、及び/又は磁気粘性液の総重量に基づいて0.05〜5.0重量%の量で存在する。本発明の更に他の実施形態では、磁気応答性粒子は磁気粘性液の総体積に基づいて約15〜45体積%の量で存在する。
【0051】
本発明の取付け台は特に資材運搬作業機械に使用するのに適している。このような機械の一つの好適な例はフォークリフト車である。本発明による取付け台はフォークリフト車の運転室を荷物運搬台からの衝撃及び振動を受ける車体フレームに支持することができる。車は、フレーム又は運転室への垂直荷重に応答して支持及び安定性与えるために少なくとも2つの取付け台のシステムを使用することができる。このシステムは、横方向又は前後方向のいずれかの方向の荷重に応答して支持及び安定性を与えるためにもう1対の取付け台を含むことができる。上部と下部にそれぞれ1対の取付け台を備えるシステムでは、上部の1対の取付け台は本発明による取付け台とする。下部の1対の取付け台は接着ゴムからなる従来のサンドイッチ型取付け台とすることができる。
【0052】
本発明の取付け台はいくつかの利点をもたらす。本発明によれば、筐体と保持部材の間で予め圧縮されるバイアス部材を用いることによって、比較的低い固有周波数(好ましくは3.2〜3.6Hz)を有するが減少した静的たわみを有する取付け台が得られる。その結果として、所要の行程が減少し、取付け台は第1の構造体から第2の構造体への過度の運動及び振動の伝達を防止しながらよりコンパクトなものとなる。比較として、出願人が行った試験によれば、予め圧縮されてない純粋線形ばねを用いて同じ静的たわみの低減を得るためには、純粋線形ばねは大幅に剛くする必要があり、7.3Hzの固有周波数を有することが判った。この増大した垂直スチフネス及び固有周波数は第1及び第2の構造体の間でより大きな運動及び振動を伝達する。本発明の取付け台は、現存するバイアスばねを増大した又は減少した垂直スチフネスの別のばねと交換することによって、種々の荷物を簡単に収納するように調整することができる。
【0053】
本発明の他の利点は、弾性封止部と保持部材との間に剛性スリーブが設けられている点にある。剛性スリーブの使用によって、取付け台は垂直スチフネスを横方向及び/又は前後方向の半径方向スチフネスから減結合することができる。従って、取付け台への垂直荷重は横方向及び/又は前後方向のいずれの方向にも封止部のたわみを生じない。これにより垂直及び半径方向のスチフネス要件を独立に満足させることができ、よって一方の要件を満足させるために他方の要件に対して妥協する必要がなくなる。
【0054】
本発明の別の利点は、筐体内の保持部材の運動を制限するために封止部の上面と底面を使用することにある。上部及び下部制御面を一体に有する封止部の使用は取付け台の製造を簡単化し、製造コストの低下をもたらす。封止部は垂直及び半径の両方向に所望のスチフネス特性を有するエラストマから製造される。このスチフネスは要求に応じ減少又は増大されたスチフネスの別の封止部と交換することによって調整することができる。バイアス部材も封止部も容易に交換できるので、本発明によればそのばねレートを用途に応じて垂直方向、横方向及び前後方向の各方向に極めて簡単に調整することができる取付け台が提供される。
【0055】
上で強調したように、本発明は、減衰レベルの変更が表面効果減衰によって達成されるか、粘性減衰によって達成されるか、又はMR減衰によって達成されるかにかかわらず、減衰効果を取付け台に導入するためにオプション特徴を容易に組み込むこともできる。これらの減衰の形式のいずれも一つ以上のオプション特徴を基本取付け台に追加することによって簡単に組み込むことができ、よって異なる減衰形式を組み込むために別個の製造ライン又は再設計の必要がなくなるので、この点も製造コストに有利である。上で説明したように、これらの変更により提供される減衰レベルは、例えば摩擦ディスクの数を変更すること、異なる粘度を有する液体を用いること、電磁石に供給する電流/電圧を変化させることなどによって調整することもできる。
【0056】
粘性減衰が取付け台に与えられる場合には、液体障壁膜は好ましくは無視し得る垂直スチフネスを有するものとする。その結果、この障壁膜は好ましいことにバイアス部材の垂直スチフネスに影響を与えず、所望の固有周波数及び取付け台の総合吸収性能を妨害しない。
【0057】
第2の減衰板の設置は筐体内への保持部材の軸方向移動の制限を与えるのみならず、取付け台を第2の構造体に取り付けるための剛体面も与える。両方向における保持部材の軸方向移動の絶対的な制限は、保持部材が接触する制御面を有する封止部の深さ及び/又はスチフネスを変化させることによって調整することができる。
【0058】
保持部材の閉鎖端部は、バイアス部材を閉じ込める機能と第2の構造体が取り付けられる表面を提供する機能を達成するのが好ましいが、本発明はこの特定の構成に限定されない。代わりに、例えば、保持部材の内部に、バイアス部材の第2の端部が対接する一つ以上の段部又は突耳を含めることができる。加えて、第2の取付け表面は、保持部材の閉鎖端部の外面に固定される追加の板部材などにより与えることができる。
【0059】
運動制御に関して他の利点を本発明に追加することができるが、減衰板及びカップの制御面は本発明の機能に必須ではない。それゆえ、保持部材にはその開口端部に隣接して第1の減衰板を設ける必要はなく、またその閉鎖端部に隣接して第2の減衰板を設ける必要はない。同様に、カップに上部及び下部制御面を設けなくてもよい。
【0060】
取付け台を第2の構造体に取り付けることを可能にするねじ付き取り付け部材は取付け台の残部と独立に供給することができる。従って、本発明はこのような取り付け部材を備える取付け台にのみ限定されるべきでない。
【0061】
カップの内部スリーブは、好ましくは適切なプラスチック材料からなる。しかし、このスリーブは例えばスチールや銅などの金属からなるものとすることもできる。
【0062】
バイアス部材は、好ましくはスチールからなるコイル型圧縮ばねである。しかし、バイアス部材は別の手段で与えることもできる。例えば、代わりに、エラストマ材料の固体片からなるものとし得る。
【0063】
取付け台200の第2の実施形態の表面効果減衰を、第1の減衰板26と筐体10との間及び/又はスリーブ50と保持部材22の外面との間に一つ以上の摩擦ディスク又はパッドを含むものとして図に示し上で説明したが、保持部材22の内面27とバイアス部材60との間に一つ以上の摩擦ディスク又はパッド、又はエラストマ部分を含めることによって、追加の又は別の表面効果減衰を達成することができることを認識すべきである。即ち、図8に示されるように、保持部材22の内面27とバイアス部材60のコイルとの間に摩擦ディスク又はパッドは、又はエラストマ部分(摩擦界面の一例)を設置することができる。
【0064】
図8は取付け台の代替実施形態の垂直断面図を示し、その全体が400で示されている。この断面は図4(c)と同じ点の断面で、減衰効果を追加するために取付け台に追加できるオプション特徴を示す。図8のオプション特徴は表面効果減衰の形の減衰を取付け台400に与える。特に明記しない限り、記載の特徴は第1の実施形態と同じであり、それゆえ同じ参照番号を使用している。
【0065】
図8に示される取付け台400の第4の実施形態は、保持部材22の内面27とバイアス部材60との間に表面効果減衰を追加する。この場合には、減衰効果はコイルばね60のコイル60aと界面接触するエラストマ110aにより与えられる。エラストマ110aは保持部材22の内面27に接着することができる。ばね60のコイル60aは減衰ディスクとして作用してバイアス手段60に対する保持部材22の相対運動の抵抗を増大する。取付け台400は増大した荷重の下でたわむので、ばね60のコイル60a間の隙間がばね60の長さと一緒に減少する。それゆえ、より多くのコイル60aがエラストマ110aと接触する。この場合には、バイアス部材60が圧縮されるので、エラストマ110aの周囲の領域における保持部材22とバイアス部材60との間の接触量が増大するので、摩擦減衰力の量が増大する。このタイプの減衰は、減衰の量が保持部材22に対するバイアス部材60の変位に依存するので、「変位依存減衰」ということができる。この実施形態では、バイアス部材60は筐体10及び/又は保持部材22の間に溶接ワッシャ13で溶接され、又はリベット15で固定される。
【0066】
更に、図9aに示されるようにカップ部分12の内面12aと第1の減衰板26との間に一以上の摩擦ディスク又はパッドもしくはエラストマ部分(摩擦界面の一例)を含めることによって追加の又は別の表面効果減衰を達成することができることも認識すべきである。
【0067】
図9aは取付け台の代替実施形態の垂直断面図を示し、その全体が500で示されている。この断面は図4(c)と同じ点の断面で、減衰効果を追加するために取付け台に追加できるオプション特徴を示す。図9aのオプション特徴は表面効果減衰の形の減衰を取付け台500に与える。特に明記しない限り、記載の特徴は第1の実施形態と同じであり、それゆえ同じ参照番号を使用している。
【0068】
図9aに示される取付け台500の第5の実施形態は、カップ部分12の内面12aと第1の減衰板26との間に表面効果減衰を追加する。この場合には、減衰効果は第1の減衰板26に取り付けられた減衰ディスク110cと界面接触するエラストマ110b(摩擦界面の一例)により与えられる。減衰ディスク110cは第1の減衰板26にリベット、ねじ又は任意の他の適切な機械的固定具で取り付けることができ、溶接することもできる。減衰ディスク110cは金属、プラスチック(例えばルーロン)又は任意の他の適切な種類の材料からなるものとすることができる。減衰ディスク110cはエラストマ110bと界面接触してカップ部分12に対する保持部材22の相対運動の抵抗を増大する。
【0069】
図9aに示されていないが、エラストマ110bは、バイアス部材60が圧縮するとき、減衰ディスク110cとエラストマ110bとの間の界面接触の量が増大し、よって摩擦減衰力の量を増大するように、テーパ状にすることができることも認識されたい。
【0070】
図9b−9dに示されるように、減衰ディスク110c,110c’,110c”は種々の形を取り得る。図9b−9dの減衰ディスク110cは、粘性減衰を用いる場合には、粘性液を貫流させる流路110d,110d’、110d"を含む。
【0071】
また、粘性減衰構造は取付け台300の筐体10内に位置するものとして図に示し上で説明したが、粘性減衰構造は取付け台の外部に置くことができることも認識されたい。この場合には、保持部材が軸方向に移動するとき、液体が2つ以上の外部室の間で流れて減衰効果をもたらす。また、粘性減衰構造は取付け台に少なくとも部分的に外部に置くこともできる。即ち、粘性減衰構造の一部分(例えば第1の室)は取付け台の筐体の外部に置き、粘性減衰構造の他の部分(例えば第2の室)は取付け台の筐体内に置くことができる。この場合には、保持部材は軸方向に移動するとき、液体が2つの室の間で流れる。
【0072】
図10及び図11は図7の取付け台300の代替実施形態の垂直断面図を示す。この断面は図4(c)と同じ点の断面である。特に明記しない限り、記載の特徴は第1の実施形態と同じであり、それゆえ同じ参照番号を使用している。
【0073】
図10に示される取付け台600の第6の実施形態は、第1の減衰板26とカップ部分12の内面12aとの間に配置された磁気粘性(MR)流体弁601を含むように構成されている。保持部材22の開口端部30の底面30aに電磁石602が形成される。電磁石602はコイル603と磁束コア604を含む。従って、電磁路605は磁束コア604と磁束コア604及びカップ部分12の壁12b間の液体ギャップを通る。電磁石602はコイル603に電流を供給する給電線607も含む。給電線607は外部コントローラ(図示せず)に接続することができる。ギャップ606の寸法は、例えば電磁石602、筐体10又は保持部材22のサイズを調整することによって調整することができる。電磁石602、筐体10又は保持部材22は調整可能な寸法、例えば調整ダイ又はクリンプ加工部を有することもでき、また異なる寸法の一以上の段部を含むこともできる。
【0074】
取り付け台600の見掛けの粘度は図7の第3の実施形態に関連して先に説明した方法と同じ方法で制御される。動作中、弁601は保持部材22の変位時に液体を制御された形でギャップ606を通して流すことができる。減衰はギャップを通過する液体の流れにより生成される。
【0075】
図11に示される取付け台700の第7の実施形態は、電磁石702がカップ部分12に固定される点を除いて、上述の第6の実施形態と同じである。磁気粘性(MR)流体弁701は同様に第1の減衰板726とカップ部分712の内面712aとの間に配置される。カップ部分712は上部712b及び下部712cを含み、電磁石702は下部712cに取り付けられる。しかし、電磁石702は上部712b、例えば通路122の近くに取付けることもできることも認識されたい。電磁石702はコイル703及び磁束コア704を含む。電磁路705は電磁コア704と液体ギャップ706と第1の減衰板726の延長部分726aを通る。電磁石702はコイル703に電流を供給する給電線707も含む。給電線707は可変電流源コントローラ、好ましくは外部コントローラ(図示せず)に接続することができる。
【0076】
取付け台700内の液体の見掛けの粘度は図7及び図10の第3及び第6実施形態に関連して先に説明した方法と同じ方法で制御される。動作中、弁701は保持部材722の変位時に液体を制御された形でギャップ706を通して流すことができる。電磁石に供給される増大した電流はMR液の降伏強さを増大する。
【0077】
図12は取付け台の別の実施形態の垂直断面図を示し、その全体は800で示されている。この断面は図4(c)と同じ点の断面で、減衰効果を追加するために追加することができるオプション特徴を示す。図12のオプション特徴は減衰を取付け台に表面効果減衰の形で提供する。特に明記しない限り、記載の特徴は第1の実施形態と同じであり、それゆえ同じ参照番号を使用している。
【0078】
図12に示される取付け台800の第8の実施形態は、封止部又はカップ40の内面47と保持部材22との間に表面効果減衰を追加する。この場合には、減衰効果は保持部材22とすれあう封止部40のエラストマ材料(摩擦界面の一例)により与えられる。
【0079】
更に、図12に示すように、カップ部分12の内面12aと第1の減衰板26との間に一以上の摩擦ディスク又はパッド110又はエラストマ部分(摩擦界面の一例)を含めることによって、追加の又は代わりの表面効果減衰を達成するができることも認識されたい。
【0080】
更に、表面効果減衰を使用する場合には、第1の減衰板26が封止部40と接触する前又は第2の減衰板90が封止部40と接触する前に保持部材22又はバイアス部材60を一以上の摩擦ディスク又はパッドもしくはエラストマと接触させることができることも認識されたい。この場合には、この構成は(1)バイアス部材60、(2)バイアス部材+表面効果減衰、(3)バイアス部材+粘性減衰及び(4)バイアス部材+粘性減衰及びバイアス部材+封止部の4つの区別可能な領域を有するシステムスチフネスレート曲線を生成する。
【0081】
スリーブ50はプラスチック材料からなるものとして図示し説明されているが、スリーブはドライメタルポリマ軸受からなる滑り軸受とすることができ、好ましくはスチールなどのメタルバックを有するもの及び好ましくは充填ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ベースのポリマ軸受ライニング材料で含浸され被覆された接着多孔性青銅焼結層を有するものとすることができる。滑り軸受はメタルバックPTFE軸受とすることができる。滑り軸受は封止部40と別個に形成することができ、その軸受を封止部40内に挿入することによって取り付けることができる。
【0082】
更に、図7に示される取付け台300の第3の実施形態では、取付け台300から液体が漏れるのを防止する液体封止を提供するために、液体障壁膜120が保持部材22の閉鎖端部28を覆うように配置され、封止部リング48のフランジ48bの外周に取り付けられるが、液体障壁膜は筐体10の閉鎖端部18の周囲に設けることができることも認識されたい。この場合には、閉鎖端部18に液体を流す液体流路、例えば孔、穿孔などを設ける。筐体の液体流路によって封止部40に流路122を設ける必要はなくなる。取付け台からの液体の漏れを防止する液体封止を提供するために、液体障壁膜120は筐体10の閉鎖端部18を覆うように配置され、その外周に取り付けられる。この取付け台の動作は取付け台300に類似し、粘性減衰が同じように与えられる。
【0083】
また、上述した実施形態では、スリーブ部材50は第1及び第2の制御面44,46間の距離より短い軸方向長さを有するものとして図示され説明されているが、スリーブ部材50は第1及び第2の制御面44,46間の距離より大きい軸方向長さを有するものとすることができることも認識されたい。この場合には、取付け台の動作中、第1又は第2の減衰板26,90は封止部40の第1又は第2の制御面44,46より前にスリーブ50の上部又は下部と接触する。これはシステムに追加のスチフネスを与える。
【0084】
好適な液体フリー取付け台の実施形態では、取付け台は実質的に液体を含まず、取付け台の減衰作用は粘性減衰液流体の運動により与えられない。このような液体フリー取付け台の実施形態では、取付け台は好ましくは減衰流体又は減衰流体を封入する封止部を含まない。
【0085】
このような液体フリー取付け台の実施形態では減衰は好ましくは表面効果減衰で与えられる。
【0086】
これらの及び他の変更及び改良を本発明の範囲から離れることなく組み込むことができることも留意されたい。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図1(c)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台であって、該取付け台は、
前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、
前記筐体内に位置する第2の端部を有するバイアス部材と、
それ自身を前記第2の構造体に取り付けるための第2の取付け面を有するカップ形の保持部材であって、前記バイアス部材が前記保持部材と前記筐体とにより拘束されるように、前記バイアス部材の第2の端部を受け入れるとともに少なくともその一部分が前記筐体内に位置するように構成されている前記保持部材と、
前記保持部材を包囲するとともに前記保持部材の外部と前記筐体の内部との間を封止するカップとを備え、
前記カップは前記カップ及び前記筐体に対する記保持部材の半径方向運動を阻止するように構成された十分に剛性の内部スリーブを含む、
ことを特徴とする取付け台。
【請求項2】
前記保持部材は内面及び外面を有する閉鎖端部を有し、その内面が前記バイアス部材の第2の端部を拘束し、その外面が前記第2の取付け面である、請求項1記載の取付け台。
【請求項3】
前記カップは、前記保持部材の相対軸方向運動を第1の方向にて制限するように構成された第1の制御面を有し、前記保持部材は、前記カップの前記第1の制御面と選択的に接触するように構成された前記筐体に向かって突出する第1の半径方向突出減衰板を含む、請求項1又は2記載の取付け台。
【請求項4】
前記第1の制御面は、前記保持部材の相対軸方向運動を前記筐体から離れる第1の方向にて制限するように構成され、前記カップは前記保持部材の相対軸方向運動を前記筐体に向かう第2の方向にて制限するように構成された第2の制御面を含む、請求項3記載の取付け台。
【請求項5】
前記第2の取付け面から軸方向に突出するねじ付き取付け部材及び前記ねじ付き取付け部材に設置され、前記カップの前記第2の制御面に選択的に接触するように構成された第2の減衰板を更に備える、請求項4記載の取付け台。
【請求項6】
前記保持部材と前記筐体との間及び/又は前記保持部材と前記バイアス部材との間で摩擦を発生するように構成された一以上の摩擦部材を更に備える、請求項3−5のいずれかに記載の取付け台。
【請求項7】
前記一以上の摩擦部材は、前記第1の減衰板の周縁に及び/又は前記カップ形保持部材内面に及び/又は前記バイアス部材のばねのコイルと接触可能な前記保持部材の内面に設置される、請求項6記載の取付け台。
【請求項8】
前記取付け台は流体を含み、前記カップは、
前記流体を前記筐体内に密封するように構成された膜、及び
前記カップと前記膜との間に形成される第1の流体室と前記カップと前記筐体との間に形成される第2の流体室との間で前記カップを通して前記流体を流すことができる一以上の流路、
を含む、請求項1−7のいずれかに記載の取付け台。
【請求項9】
前記流体は磁気粘性流体であり、前記取付け台は、更に、前記筐体内に設置され、前記流体に磁界を選択的に供給するように構成された電磁石を備える、請求項8記載の取付け台。
【請求項10】
前記取付け台は実質的に液体フリーである、請求項1−9のいずれかに記載の取付け台。
【請求項11】
第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台であって、該取付け台は、
前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、
前記筐体内に位置する第2の端部を有するバイアス部材と、
それ自身を前記第2の構造体に取り付けるための第2の取付け面を有するカップ形の保持部材であって、前記バイアス部材が前記保持部材と前記筐体とにより拘束されるように、前記バイアス部材の第2の端部を受け入れるとともに少なくともその一部分が前記筐体内に位置するように構成されている前記保持部材と、
前記保持部材を包囲するとともに前記保持部材の外部と前記筐体の内部との間を封止するカップとを備え、
前記カップは前記カップ及び前記筐体に対する前記保持部材の相対運動を抑制するように構成された摩擦界面を含む、
ことを特徴とする取付け台。
【請求項12】
第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台であって、該取付け台は、
前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、
前記筐体内に位置する第1の端部を有するバイアス部材と、
前記筐体内に含まれ、前記バイアス部材と接触する磁気粘性流体と、
液体障壁とを備え、前記磁気粘性流体は前記筐体内に封入され、前記保持部材が前記第1及び第2の構造体の間の荷重を支持する、
ことを特徴とする取付け台。
【請求項1】
第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台であって、該取付け台は、
前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、
前記筐体内に位置する第2の端部を有するバイアス部材と、
それ自身を前記第2の構造体に取り付けるための第2の取付け面を有するカップ形の保持部材であって、前記バイアス部材が前記保持部材と前記筐体とにより拘束されるように、前記バイアス部材の第2の端部を受け入れるとともに少なくともその一部分が前記筐体内に位置するように構成されている前記保持部材と、
前記保持部材を包囲するとともに前記保持部材の外部と前記筐体の内部との間を封止するカップとを備え、
前記カップは前記カップ及び前記筐体に対する記保持部材の半径方向運動を阻止するように構成された十分に剛性の内部スリーブを含む、
ことを特徴とする取付け台。
【請求項2】
前記保持部材は内面及び外面を有する閉鎖端部を有し、その内面が前記バイアス部材の第2の端部を拘束し、その外面が前記第2の取付け面である、請求項1記載の取付け台。
【請求項3】
前記カップは、前記保持部材の相対軸方向運動を第1の方向にて制限するように構成された第1の制御面を有し、前記保持部材は、前記カップの前記第1の制御面と選択的に接触するように構成された前記筐体に向かって突出する第1の半径方向突出減衰板を含む、請求項1又は2記載の取付け台。
【請求項4】
前記第1の制御面は、前記保持部材の相対軸方向運動を前記筐体から離れる第1の方向にて制限するように構成され、前記カップは前記保持部材の相対軸方向運動を前記筐体に向かう第2の方向にて制限するように構成された第2の制御面を含む、請求項3記載の取付け台。
【請求項5】
前記第2の取付け面から軸方向に突出するねじ付き取付け部材及び前記ねじ付き取付け部材に設置され、前記カップの前記第2の制御面に選択的に接触するように構成された第2の減衰板を更に備える、請求項4記載の取付け台。
【請求項6】
前記保持部材と前記筐体との間及び/又は前記保持部材と前記バイアス部材との間で摩擦を発生するように構成された一以上の摩擦部材を更に備える、請求項3−5のいずれかに記載の取付け台。
【請求項7】
前記一以上の摩擦部材は、前記第1の減衰板の周縁に及び/又は前記カップ形保持部材内面に及び/又は前記バイアス部材のばねのコイルと接触可能な前記保持部材の内面に設置される、請求項6記載の取付け台。
【請求項8】
前記取付け台は流体を含み、前記カップは、
前記流体を前記筐体内に密封するように構成された膜、及び
前記カップと前記膜との間に形成される第1の流体室と前記カップと前記筐体との間に形成される第2の流体室との間で前記カップを通して前記流体を流すことができる一以上の流路、
を含む、請求項1−7のいずれかに記載の取付け台。
【請求項9】
前記流体は磁気粘性流体であり、前記取付け台は、更に、前記筐体内に設置され、前記流体に磁界を選択的に供給するように構成された電磁石を備える、請求項8記載の取付け台。
【請求項10】
前記取付け台は実質的に液体フリーである、請求項1−9のいずれかに記載の取付け台。
【請求項11】
第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台であって、該取付け台は、
前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、
前記筐体内に位置する第2の端部を有するバイアス部材と、
それ自身を前記第2の構造体に取り付けるための第2の取付け面を有するカップ形の保持部材であって、前記バイアス部材が前記保持部材と前記筐体とにより拘束されるように、前記バイアス部材の第2の端部を受け入れるとともに少なくともその一部分が前記筐体内に位置するように構成されている前記保持部材と、
前記保持部材を包囲するとともに前記保持部材の外部と前記筐体の内部との間を封止するカップとを備え、
前記カップは前記カップ及び前記筐体に対する前記保持部材の相対運動を抑制するように構成された摩擦界面を含む、
ことを特徴とする取付け台。
【請求項12】
第1の構造体に第2の構造体を取り付ける取付け台であって、該取付け台は、
前記第1の構造体に取り付けるための第1の取付け面を有する筐体と、
前記筐体内に位置する第1の端部を有するバイアス部材と、
前記筐体内に含まれ、前記バイアス部材と接触する磁気粘性流体と、
液体障壁とを備え、前記磁気粘性流体は前記筐体内に封入され、前記保持部材が前記第1及び第2の構造体の間の荷重を支持する、
ことを特徴とする取付け台。
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図9(d)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図9(d)】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−524872(P2012−524872A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503434(P2012−503434)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/001024
【国際公開番号】WO2010/114630
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(507381329)ロード コーポレーション (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/001024
【国際公開番号】WO2010/114630
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(507381329)ロード コーポレーション (8)
【Fターム(参考)】
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