除塵装置
【課題】除塵対象の片側のみ除塵する除塵装置において、除塵ヘッドに対向する簡易な構成の受け部を追加し、隣接する除塵対象間の隙間を通過する噴射室からの洗浄ガスの流れ方向を変えた後に吸引室で吸引するようにして、不要な塵埃の飛散を低減する除塵装置を提供する。
【解決手段】除塵ヘッド100に対向するように配置され、噴射室111の噴射口111aから噴射された洗浄ガスを受けて方向を転換させる受け部200を備え、隣接する二個の除塵対象10間の隙間に向けて噴射室111の噴射口111aから洗浄ガスを噴射し、受け部200で方向を転換させた洗浄ガスを上流側吸引室112の吸引口112aおよび下流側吸引室113の吸引口113aから吸引する除塵装置1とした。
【解決手段】除塵ヘッド100に対向するように配置され、噴射室111の噴射口111aから噴射された洗浄ガスを受けて方向を転換させる受け部200を備え、隣接する二個の除塵対象10間の隙間に向けて噴射室111の噴射口111aから洗浄ガスを噴射し、受け部200で方向を転換させた洗浄ガスを上流側吸引室112の吸引口112aおよび下流側吸引室113の吸引口113aから吸引する除塵装置1とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除塵対象に対し、エアや希ガスなどの単なる清浄ガス、超音波周波数で振動する超音波を含むガス、プラス・マイナスイオンを含むガス、または、超音波とイオンとを共に含むガス(以下、これらを総称して洗浄ガスという)を噴射して除塵を行う除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
TFT(薄膜トランジスタ)液晶パネル、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、LCD(液晶ディスプレイ)等に用いられるガラス基板、太陽電池パネル、または、長尺の紙、フィルム等のシートなどの除塵対象(以下、単に除塵対象という)に対して、除塵装置により除塵が行われている。
【0003】
このような除塵装置に関する従来技術例として、例えば、特許文献1(特開2004−41851号公報,発明の名称「除塵ヘッド」)に記載された発明が知られている。
特許文献1に記載の従来技術では、中央の噴射室と、この噴射室の両側の吸引室と、を有する除塵ヘッドに関するものである。
【0004】
【特許文献1】特開2004−41851号公報(段落番号[0003],図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常の除塵装置では除塵ヘッドが上下に配置されることが多い。このような除塵装置では、コンベア上を搬送される複数枚のガラス基板を連続して除塵する場合に隣接するガラス基板など除塵対象の間の隙間を洗浄ガスで噴射しても、上下の除塵ヘッドに洗浄ガスが噴射されることとなり、除塵ヘッド以外の箇所に洗浄ガスが吹き付けられて塵埃等が巻き上げられるおそれは極めて少ない。
しかしながら、特許文献1の図5(b)に示すように、下側に除塵ヘッドがない場合もある。このような除塵装置が、隣接するガラス基板など除塵対象の間の隙間に洗浄ガスを噴射したとき、下方まで(極端な場合には装置載置床まで)洗浄ガスが到達する。除塵装置はクリーンルームに設置されているが、若干の塵埃を巻き上げることとなって除塵環境を悪くするおそれがある。
【0006】
また、隣接するガラス基板など除塵対象の隙間と噴射孔とが対向している間は洗浄ガスの噴射を停止することも考えられるが、この場合、洗浄ガスの流路に切換バルブを設ける必要が生じる。切換バルブの切換時にはシール用のパッキンから離脱した微小な異物等が洗浄ガスに混入することがあり、除塵能力を低下させるおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、除塵対象の片側のみ除塵する除塵装置において、除塵ヘッドに対向する簡易な構成の受け部を追加し、隣接する除塵対象間の隙間を通過する噴射室からの洗浄ガスの流れ方向を変えた後に吸引室で吸引するようにして、不要な塵埃の飛散を低減する除塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る除塵装置は、
吸引口を有する吸引室、および、噴射口を有する噴射室、をそれぞれ少なくとも各1個有する除塵ヘッドと、
除塵ヘッド内へ複数の除塵対象を順次搬送する搬送部と、
除塵ヘッドに対向するように配置され、噴射室の噴射口から噴射された洗浄ガスを受けて方向を転換させる受け部と、
を備え、
除塵対象に向けて噴射室の噴射口から洗浄ガスを噴射するときの吸引室は、除塵対象から跳ね返る洗浄ガスをその吸引口から吸引し、また、
隣接する二個の除塵対象間の隙間に向けて噴射室の噴射口から洗浄ガスを噴射するときの吸引室は、受け部で方向を転換させた洗浄ガスをその吸引口から吸引することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る除塵装置は、
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、洗浄ガスが通過する通過孔と、平面と曲面とにより仕切られて通過孔と連通する断面弓形空間であって曲面が吸引口や噴射口と対向するとともに平面が除塵対象の搬送方向と略平行に位置する受け空間と、を含み、
噴射室の噴射口から噴射されて通過孔を通過した洗浄ガスを受け空間の曲面で受けた後に受け空間の平面で方向を転換させ、吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に係る除塵装置は、
請求項1に記載の除塵装置において、
除塵対象の搬送方向と略平行の表面を有する対向板と、
対向板に形成され、噴射口と吸引口とが面する通過孔と、
対向板に固定される半円筒体と、
対向板の平面と半円筒体の曲面とにより仕切られ、半円筒体の曲面が吸引口や噴射口と対向するとともに対向板の平面が除塵対象の搬送方向と略平行に位置する断面弓形空間であって通過孔と連通する受け空間と、
を備え、
噴射室の噴射口から噴射されて通過孔を通過した洗浄ガスを受け空間の曲面で受けた後に受け空間の平面で方向を転換させ、吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に係る除塵装置は、
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、
噴射口と吸引口とが面する曲面状の受け面を有する円弧体を備え、円弧体の受け面で方向を転換させた洗浄ガスを吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に係る除塵装置は、
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、
噴射口と吸引口とが面する平面状の受け面を有する箱体を備え、箱体の受け面で方向を転換させた洗浄ガスを吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6に係る除塵装置は、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、噴射室とこれを挟む上流、下流の吸引室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項7に係る除塵装置は、
前記除塵ヘッドは、吸引室とこれを挟む上流、下流の噴射室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項8に係る除塵装置は、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、上流の噴射室と下流の吸引室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項9に係る除塵装置は、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、上流の吸引室と下流の噴射室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項10に係る除塵装置は、
請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の除塵装置において、
噴射室内に配置されており、高電圧が印加されたエミッタ近傍でイオンを生成するイオナイザを備え、噴射室の噴射口からイオンを含む洗浄ガスを噴射することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項11に係る除塵装置は、
請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記受け部を除塵ヘッドに対して離接させる移動部を備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項12に係る除塵装置は、
請求項11に記載の除塵装置において、
前記受け部および前記移動部を一組とし、複数の噴射部と同数組の前記受け部および前記移動部を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上のような本発明によれば、除塵対象の片側のみ除塵する除塵装置において、除塵ヘッドに対向する簡易な構成の受け部を追加し、隣接する除塵対象間の隙間を通過する噴射室からの洗浄ガスの流れ方向を変えた後に吸引室で吸引するようにして、不要な塵埃の飛散を低減する除塵装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
続いて、本発明を実施するための最良の形態について図に基づいて説明する。図1は本形態の除塵装置の側面図、図2は本形態の除塵装置の断面図、図3は本形態の除塵装置の斜視外観図である。なお、図3では側壁部を取り去って図示している。除塵装置1は、除塵ヘッド100、受け部200、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置1は除塵対象10に対して除塵を行う。
【0022】
除塵ヘッド100は、詳しくは図2,図3で示すような除塵ヘッド本体110の内部にイオナイザ120が配置され、さらに除塵ヘッド本体110の両側面に、図1で示すような側壁部130が固定されたものである。
【0023】
除塵ヘッド100について図を参照しつつさらに説明する。図4は除塵ヘッドの内外構造を示す図であって図4(a)はA矢視図、図4(b)はB−B線断面図、図4(c)はC−C線断面図である。図5はC−C線断面の斜視図である。図6は除塵ヘッドの内部構造を示す図であって図6(a)はD−D線断面図、図6(b)はE−E線断面図である。図7は受け部の構成図である。
除塵ヘッド本体110は、図4(a)で示すように、噴射室111、上側吸引室112、下側吸引室113、天板114、側壁115a,115b、内壁116a,116b、噴射室底部111c、吸引室底部112c,113cを備えている。
【0024】
噴射室111は、図2〜図6で示すように、天板114、内壁116a,116b、噴射室底部111cにより仕切られる空間であって、内壁116a,116bには隔壁116cが渡されて機械的に補強されている。この噴射室111は、図4(c)で示すように、流入口111b、通過孔116e、噴射口111aにより空間が内外で連通している。なお、イオナイザ120の突出部121と溝部116dとの間に図6(a)で示すような通過孔124が形成されており、イオナイザ120の組み付け時ではこの通過孔124を通じても空間が連通する。
【0025】
噴射口111aは、図5でも明らかなように長尺のスリットである。図5で示す噴射口111aの長手方向に対して略垂直方向から除塵対象10が進入してくるため、除塵対象10の全領域に洗浄ガスを噴射することができる。
【0026】
隔壁116cは、図4(c)で示すように、噴射口111aと流入口111bとの間に設けられ、好ましくは噴射口111a側に近接して配置される。これは、隔壁116cの配置が噴射口111a側に近づくにつれて、洗浄ガスが噴射口111aを通過することに伴う噴射口111aの拡開が発生しづらくなるためである。
【0027】
通過孔116eは、図4(c),図6(b)で示すように、隔壁116cに複数個設けられ、流入口111bから流入する洗浄ガスを噴射口111aまで導通させる。
溝部116dは、図4(a)のa部拡大図で示すように噴射室111に設けられ、この溝部116dにイオナイザ120の突出部121を摺動させつつ挿入し、噴射室111内に取り付けることとなる。
【0028】
通過孔124はイオナイザ120の配置と同時に形成される。図6(a)で示すようにイオナイザ120の突出部121に切り欠き部123が設けられており、図4(a)のa部拡大図で示すように突出部121を溝部116dに摺動させつつイオナイザ120を挿入して噴射室111内に取り付けた場合に、図6(a)で示すように、切り欠き部123が溝部116dで覆われて通過孔124となるものである。
流入口111bは、図3,図4(c),図5で示すように、除塵ヘッド100の上面の天板114に設けられる。
【0029】
イオナイザ120は、図4(b),(c)で示すように噴射室111内であって隔壁116cよりも上流側に配置され、洗浄ガスにプラスイオン・マイナスイオンを放出する機能を有している。
このイオナイザ120にはエミッタ122が取り付けられており、エミッタ122は直流電流または交流電流が印加されてプラスイオン・マイナスイオンをコロナ放電により放出する。
【0030】
上流側吸引室112は、図3〜図6で示すように、天板114、側壁115a、内壁116a、吸引室底部112cにより仕切られる空間である。この上流側吸引室112は、図4(c)で示すように、排気口112b、吸引口112aにより空間が連通している。
【0031】
吸引口112aは、図5,図6で示すように長尺のスリットであり、噴射口111aから噴射された洗浄ガスにより飛散した塵埃を周辺エアとともに吸引する。
排気口112bは、図3,図4(c),図5で示すように、吸引口112aから吸引された気体を排気するための開口である。
【0032】
下流側吸引室113は、図3〜図6で示すように、天板114、側壁115b、内壁116b、吸引室底部113cにより仕切られる空間である。この下流側吸引室113は、図4(c)で示すように、排気口113b、吸引口113aにより空間が連通している。
【0033】
吸引口113aは、図5,図6で示すように長尺のスリットであり、噴射口111aから噴射された洗浄ガスにより飛散した塵埃を周辺エアとともに吸引する。
排気口113bは、図3,図4(c),図5で示すように、吸引口113aから吸引された気体を排気するための開口である。
除塵ヘッド100の構成はこのようなものである。
【0034】
ここで除塵ヘッド本体110の製造方法について説明する。
この除塵ヘッド本体110は、押し出し成形により製造される。例えば、アルミなどの金属材料を型に押し込んで、噴射室111、上流側吸引室112、下流側吸引室113、側壁115a,115b、内壁116a,116b、隔壁116c、噴射室底部111c、吸引室底部112c,113c、天板114が一体になった除塵ヘッド本体110を成形し、端部等の末端処理を行って完成する。なお、押し出し成形終了直後は、流入口111b、排気口112b,113b(図3,図4(c),図5参照)、隔壁116cの通過孔116e(図4(c),図6(b)参照)、噴射口111aおよび吸引口112a,113aはまだ形成されていない。
【0035】
このように押し出し成形された除塵ヘッド100に対して矢印F方向(図3参照)からドリルを進入させ、流入口111b・通過孔116eの孔開けを一度で行う。流入口111b・通過孔116eは同径となる。このような孔開けを他の箇所で多数回行い、図3,図6(b)のように多数の流入口111b・通過孔116eを形成する。
同様に、除塵ヘッド100に対して矢印F方向からドリルを進入させ、排気口112b,113bの孔開けを行う。このような孔開けを他の箇所で多数回行い、図3のように多数の排気口112b,113bを形成する。
【0036】
その後に長尺のスリットである噴射口111a、吸引口112a,113aをフライス盤等で切削加工して図3〜図6で示す除塵ヘッド本体110を完成させ、さらに噴射室111の側部開口からイオナイザ120を挿入し、側壁部130で両側を塞いで除塵ヘッド100を完成させる。この除塵ヘッド100では、噴射室111、上流側吸引室112、下流側吸引室113が一体構造として形成されている。
【0037】
このような除塵ヘッド100は、図8で示すように、除塵対象の搬送方向(本形態では例示的に図面右から左へ向かう矢印方向とした)に向かって、上流側吸引室112(V1)、噴射室111(P)、下流側吸引室113(V2)となるように並べられて構成されており、搬送部300の上側に配置されている。噴射室111(P)は図示しない送風ポンプへ、また、上流側吸引室112(V1)、下流側吸引室113(V2)は図示しない吸気ポンプへ接続されるものとする。噴射室111の噴射口111aから噴射された洗浄ガスや吹き上げられた塵埃は周囲のエアとともに、吸引口112a,113aを通じて上流側吸引室112,下流側吸引室113へ吸引される。この塵埃を含むエアは、除塵ヘッド100の排気口112b,113b(図3参照)、排気流路、および、排気配管を介して、外部へ排気される。除塵ヘッド100はこのようなものである。
【0038】
次に受け部200は、図2,図7で示すように、半円筒体210、対向板220、受け空間230、通過孔240、支持部250、側壁260を備えている。受け部200は、図1〜図3で示すように配置される。
【0039】
半円筒体210は、図7に示すように両側が側壁260で塞がれた円筒体を軸方向に半分に切断した形状である。内側は半円状の曲面を有することとなる。
対向板220は、通常の板体であってその中央に通過孔240が形成される。この対向板220は、除塵対象10の搬送方向と略平行であって平面状の表面・裏面を有する。
受け空間230は、対向板220の裏面と半円筒体210の曲面とにより仕切られ、半円筒体210の曲面が、通過孔240を介して、噴射口111aおよび吸引口112a,113aに対向するとともに、対向板220の裏面・表面が何れも除塵対象10の搬送方向と略平行に位置する断面弓形空間である。この受け空間230は通過孔240と連通する。
【0040】
通過孔240は、対向板220の中央に設けられ、少なくとも除塵ヘッド100の噴射口111aと吸引口112a,113aとよりも縦横の長さを大きくしている。これにより、噴射口111aから噴射された全ての洗浄ガスは、対向板220に吹き付けられることなく通過孔240を通過する。
支持部250は、半円筒体210の下側に固定される。
側壁260は、半円筒体210の両側面に固定される。
受け部200はこのようなものである。
【0041】
搬送部300は、例えば除塵対象10を支持・搬送する長棒のローラである。搬送部300は、除塵対象10を搬送する駆動力を与えるように構成されるか、または、他の駆動源により搬送される除塵対象10に従動するように回動自在に構成されている。
【0042】
移動部400は、図1で示すように、支持部250を矢印a方向(上下方向)であって除塵ヘッド100に対して受け部200を近づけたり、または、離すように移動させる装置、例えば、昇降ステージのような装置である。予め移動部400により上下位置を調整して、受け部200を移動させて洗浄ガスが確実に緩衝される位置に設定固定される。
【0043】
このような除塵装置1の除塵対象10は、例えば、TFT(薄膜トランジスタ)液晶パネル、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、LCD(液晶ディスプレイ)等に用いられるガラス基板、太陽電池パネル、または、長尺の紙、フィルム等のシートなどである。除塵装置1はこのようなものである。
【0044】
続いて、除塵装置1による除塵動作について図を参照しつつ説明する。図8は本形態の除塵装置の除塵時の動作説明図、図9は本形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。
流入口111bから洗浄ガスを流入させると、イオナイザ120の通過孔124を通過する。この洗浄ガスにはイオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンが混入される。さらに、このような洗浄ガスが隔壁116cの通過孔116eを通過し、噴射口111aまで到達し、洗浄ガスが噴射口111aから噴射される。この場合、噴射室111内は高圧となるが、図4(c)で示すように隔壁116cが噴射室111内で一体に張り渡されて補強されているため、噴射口111aの拡開の発生を抑制する。さらに、隔壁116cを噴射口111a側に近接した位置に配置したため、噴射口111aの拡開の発生をさらに抑制している。
【0045】
複数の除塵対象10が、所定の間隔を隔てて搬送部300上を順次搬送され、逐次除塵が行われるものとする。この場合除塵ヘッド100は、噴射室111(P)による洗浄ガスの噴射、および、上流側吸引室112,下流側吸引室113による塵埃の吸引を常時行っているものとする。
【0046】
まず、図8に示すように、除塵される除塵対象10が、除塵ヘッド100の直下を、搬送方向に搬送される。この場合、除塵対象10の上面が除塵対象面となる。除塵ヘッド100では、噴射室111(P)から洗浄ガスが除塵対象10の除塵対象面に噴射され、飛散した塵埃が上流側吸引室112(V1),下流側吸引室113(V2)にて吸引されることにより、除塵対象10の除塵対象面の除塵が行われることになる。
【0047】
そしてそのまま搬入が続いて、図9に示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド100の直下に到達したとき、除塵ヘッド100の噴射室111(P)からの洗浄ガスが通過孔240を通過し、受け部200の受け空間230の曲面(半円筒体210の内側の半円状の曲面)で受ける。このような洗浄ガスは曲面に沿って移動して対向板220の裏面に到達して方向を転換させて通過孔240へ向けて移動する。この対向板220の裏面に沿って移動する洗浄ガスは搬送方向と平行であるため、受け空間230内を移動するものであり、通過孔240を越えて上側へ到達しにくくなる。すると、上流側吸引室112(V1),下流側吸引室113(V2)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。これにより、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置1はこのようなものである。
【0048】
続いて、本発明の他の形態について図に基づいて説明する。図10は他の形態の除塵装置の側面図、図11は他の形態の除塵装置の断面図、図12は円弧体の製造を説明する説明図、図13は他の形態の除塵装置の動作説明図である。なお、図10では側壁部を取り去って図示している。除塵装置2は、除塵ヘッド100、受け部500、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置2は除塵対象10に対して除塵を行う。先に図1〜図9を用いて説明した除塵装置1と比較すると、本形態の除塵装置2は、受け部500の構成のみが相違する以外は他の構成は同じであり、同じ構成については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略し、受け部500についてのみ説明する。
【0049】
受け部500は、図10,図11で示すように、円弧体510、支持部520を備えている。
円弧体510は、円弧状の部材であり、曲面状の受け面を有する。なお、図示しないが両側面(図10で正面にある面と裏側の面)に側壁部を取り付けて両側部で洗浄ガスが流れないようにしても良い。円弧体510は、図面の垂直方向に長く形成され、特に噴射口111a、吸引口112a,113aよりも長くなるように配慮され、洗浄ガスを確実に受けるようになされている。円弧体510は図12に示すように円筒体を3分割して形成する。
支持部520は、図10に示すように、円弧体510の下側に固定されて、移動部400により矢印a方向(除塵ヘッド本体110に近づいたり、または、遠ざかる方向)に円弧体510を移動させる。受け部500はこのようなものである。
【0050】
続いて、除塵装置2による除塵動作について説明する。
イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを含む洗浄ガスが、除塵ヘッド本体110から除塵対象10へ噴射される。除塵対象10の除塵は図8を用いて説明した同様の処理であり、重複する説明を省略する。
【0051】
そして、図13に示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド100の直下に到達したとき、除塵ヘッド100の噴射室111(P)からの洗浄ガスを、受け部500の円弧体510の受け面(円弧体510の内側の弧状の曲面)で受ける。このような洗浄ガスは曲面状の受け面に沿って移動し、上流側吸引室112(V1),下流側吸引室113(V2)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。これにより、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置2はこのようなものである。
【0052】
続いて、本発明の他の形態について図に基づいて説明する。図14は他の形態の除塵装置の側面図、図15は他の形態の除塵装置の動作説明図である。除塵装置3は、除塵ヘッド100、受け部600、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置3は除塵対象10に対して除塵を行う。先に図1〜図9を用いて説明した除塵装置1と比較すると、本形態の除塵装置3は、受け部600の構成のみが相違する以外は他の構成は同じであり、同じ構成については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略し、受け部600についてのみ説明する。
【0053】
受け部600は、図14,図15で示すように、箱体610、支持部620を備えている。
箱体610は、箱状の部材であり、平面状の受け面を有する。箱体610は側壁部が設けられて横側から洗浄ガスが流れないようにしてある。箱体610は、図面の垂直方向に長く形成され、特に噴射口111a、吸引口112a,113aよりも長くなるように配慮され、洗浄ガスを確実に受けるようになされている。
支持部620は、箱610の下側に固定されて、移動部400により矢印a方向(除塵ヘッド本体110に近づいたり、または、遠ざかる方向)に箱610を移動させる。受け部600はこのようなものである。
【0054】
続いて、除塵装置3による除塵動作について説明する。
イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを含む洗浄ガスが、除塵ヘッド本体110から除塵対象10へ噴射される。除塵対象10の除塵は図8を用いて説明した同様の処理であり、重複する説明を省略する。
【0055】
そして、図15に示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド100の直下に到達したとき、除塵ヘッド100の噴射室111(P)からの洗浄ガスを、受け部600の箱体610の受け面で受ける。このような洗浄ガスは受け面に沿って移動し、最後は側壁に沿って上側へ移動し、上流側吸引室112(V1),下流側吸引室113(V2)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。これにより、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置3はこのようなものである。
【0056】
続いて、本発明の他の形態について図に基づいて説明する。図16は他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図、図17は他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。なお、図16,図17では断面図で図示し、側壁部の図示を省略している。除塵装置4は、除塵ヘッド140、受け部200、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置4は除塵対象10に対して除塵を行う。先に図1〜図9を用いて説明した除塵装置1と比較すると、本形態の除塵装置4は、除塵ヘッド140の構成のみが相違する以外は他の構成は同じであり、同じ構成については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略し、除塵ヘッド140についてのみ説明する。
【0057】
このような除塵ヘッド本体140は、図16で示すように、除塵対象の搬送方向(本形態では例示的に図面右から左へ向かう矢印方向とした)に向かって、上流側噴射室142(P1)、吸引室141(V)、下流側噴射室143(P2)となるように並べられて構成されており、搬送部300の上側に配置されている。吸引室141(V)は図示しない吸気ポンプへ、また、上流側噴射室142(P1)、下流側噴射室143(P2)は図示しない送風ポンプへ接続されるものとする。上流側噴射室142および下流側噴射室143の噴射口142a,143aから噴射された洗浄ガスや吹き上げられた塵埃は周囲のエアとともに、吸引口141aを通じて吸引室141へ吸引される。この塵埃を含むエアは、除塵ヘッド140の排気口、排気流路、および、排気配管を介して、外部へ排気される。除塵ヘッド140はこのようなものである。
【0058】
続いて、除塵装置4による除塵動作について説明する。
上流側噴射室142で流入口から洗浄ガスを流入させ、イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを洗浄ガスに加え、噴射口142aから噴射させる。同様に下流側噴射室143で流入口から洗浄ガスを流入させ、イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを洗浄ガスに加え、噴射口143aから噴射させる。
【0059】
複数の除塵対象10が、所定の間隔を隔てて搬送部300上を順次搬送され、逐次除塵が行われるものとする。この場合除塵ヘッド140は、上流側噴射室142(P1)および下流側噴射室143(P2)による洗浄ガスの噴射、および、吸引室141(V)による塵埃の吸引を常時行っているものとする。
【0060】
まず、除塵される除塵対象10が、図16で示すように、除塵ヘッド140の直下を、搬送方向に搬送される。この場合、除塵対象10の上面が除塵対象面となる。除塵ヘッド140では、上流側噴射室142(P1)および下流側噴射室143(P2)から洗浄ガスが除塵対象10の除塵対象面に噴射され、飛散した塵埃が吸引室141(V)にて吸引されることにより、除塵対象10の除塵対象面の除塵が行われることになる。
【0061】
そしてそのまま搬入が続いて、図17で示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド140の直下に到達したとき、除塵ヘッド140の上流側噴射室142(P1)および下流側噴射室143(P2)からの洗浄ガスが通過孔240を通過し、受け部200の受け空間230の曲面(半円筒体210の内側の半円状の曲面)で受ける。このような洗浄ガスは曲面に沿って移動したり、対向板220の裏面に到達して方向を転換させて通過孔240へ移動したりする。しかしながら、上流側噴射室142(P1)および下流側噴射室143(P2)からの噴射流により流路は一旦降下した後に中央から上昇する経路を取り、吸引室141(V)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。また両側の噴射流も除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減する。これにより、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置4はこのようなものである。
【0062】
続いて、本発明の他の形態について図に基づいて説明する。図18は他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図、図19は他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。なお、図18,図19では断面図で図示し、側壁部の図示を省略している。除塵装置5は、除塵ヘッド150、受け部200、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置5は除塵対象10に対して除塵を行う。先に図1〜図9を用いて説明した除塵装置1と比較すると、本形態の除塵装置5は、除塵ヘッド150の構成のみが相違する以外は他の構成は同じであり、同じ構成については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略し、除塵ヘッド150についてのみ説明する。
【0063】
このような除塵ヘッド150は、図18で示すように、除塵対象の搬送方向(本形態では例示的に図面右から左へ向かう矢印方向とした)に向かって、上流側噴射室151(P)、下流側吸引室152(V)、となるように並べられて構成されており、搬送部300の上側に配置されている。上流側噴射室151(P)は図示しない送風ポンプへ、また、下流側吸引室152(V)は図示しない吸気ポンプへ接続されるものとする。噴射口151aから噴射された洗浄ガスや吹き上げられた塵埃は周囲のエアとともに、吸引口152aを通じて下流側吸引室152へ吸引される。この塵埃を含むエアは、除塵ヘッド150の排気口、排気流路、および、排気配管を介して、外部へ排気される。除塵ヘッド150はこのようなものである。
【0064】
続いて、除塵装置5による除塵動作について説明する。
上流側噴射室151で流入口から洗浄ガスを流入させ、イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを洗浄ガスに加え、噴射口151aから噴射させる。
複数の除塵対象10が、所定の間隔を隔てて搬送部300上を順次搬送され、逐次除塵が行われるものとする。この場合除塵ヘッド150は、上流側噴射室151(P)による洗浄ガスの噴射、および、下流側吸引室152(V)による塵埃の吸引を常時行っているものとする。
【0065】
まず、図18で示すように、除塵される除塵対象10が、除塵ヘッド150の直下を、搬送方向に搬送される。この場合、除塵対象10の上面が除塵対象面となる。除塵ヘッド150では、上流側噴射室151(P)から洗浄ガスが除塵対象10の除塵対象面に噴射され、飛散した塵埃が下流側吸引室152(V)にて吸引されることにより、除塵対象10の除塵対象面の除塵が行われることになる。
【0066】
そしてそのまま搬入が続いて、図19で示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド150の直下に到達したとき、除塵ヘッド150の上流側噴射室151(P)からの洗浄ガスが通過孔240を通過し、受け部200の受け空間230の曲面(半円筒体210の内側の半円状の曲面)で受ける。このような洗浄ガスは曲面に沿って移動したり、対向板220の裏面に到達して方向を転換させて通過孔240へ移動し、下流側吸引室152(V)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置5はこのようなものである。
【0067】
続いて、本発明の他の形態について図に基づいて説明する。図20は他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図、図21は他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。なお、図20,図21では断面図で図示し、側壁部の図示を省略している。除塵装置6は、除塵ヘッド160、受け部200、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置6は除塵対象10に対して除塵を行う。先に図1〜図9を用いて説明した除塵装置1と比較すると、本形態の除塵装置6は、除塵ヘッド160の構成のみが相違する以外は他の構成は同じであり、同じ構成については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略し、除塵ヘッド160についてのみ説明する。
【0068】
このような除塵ヘッド160は、図20で示すように、除塵対象の搬送方向(本形態では例示的に図面右から左へ向かう矢印方向とした)に向かって、上流側吸引室161(V)、下流側噴射室162(P)、となるように並べられて構成されており、搬送部300の上側に配置されている。上流側吸引室161(V)は図示しない吸気ポンプへ、また、下流側噴射室162(P)は図示しない送風ポンプへ接続されるものとする。噴射口162aから噴射された洗浄ガスや吹き上げられた塵埃は周囲のエアとともに、吸引口161aを通じて上流側吸引室161へ吸引される。この塵埃を含むエアは、除塵ヘッド160の排気口、排気流路、および、排気配管を介して、外部へ排気される。除塵ヘッド160はこのようなものである。
【0069】
続いて、除塵装置6による除塵動作について説明する。
下流側噴射室162で流入口から洗浄ガスを流入させ、イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを洗浄ガスに加え、噴射口162aから噴射させる。
複数の除塵対象10が、所定の間隔を隔てて搬送部300上を順次搬送され、逐次除塵が行われるものとする。この場合除塵ヘッド160は、下流側噴射室162(P)による洗浄ガスの噴射、および、上流側吸引室161(V)による塵埃の吸引を常時行っているものとする。
【0070】
まず、図20で示すように、除塵される除塵対象10が、除塵ヘッド160の直下を、搬送方向に搬送される。この場合、除塵対象10の上面が除塵対象面となる。除塵ヘッド160では、下流側噴射室162(P)から洗浄ガスが除塵対象10の除塵対象面に噴射され、飛散した塵埃が上流側吸引室161(V)にて吸引されることにより、除塵対象10の除塵対象面の除塵が行われることになる。
【0071】
そしてそのまま搬入が続いて、図21で示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド160の直下に到達したとき、除塵ヘッド160の下流側噴射室162(P)から洗浄ガスが通過孔240を通過し、受け部200の受け空間230の曲面(半円筒体210の内側の半円状の曲面)で受ける。このような洗浄ガスは曲面230に沿って移動したり、対向板220の裏面に到達して方向を転換させて通過孔240へ向けて移動し、上流側吸引室161(V)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置6はこのようなものである。
【0072】
また、更なる変形形態が可能であり、例えば、図16,図17で説明した除塵ヘッド140、図18,図19で説明した除塵ヘッド150、図20,図21で説明した除塵ヘッド160に対して、図10,図11を用いて説明した受け部500を対向させた除塵装置としても良い。一例として、図16,図17で説明した除塵ヘッド140に対して、図10,図11を用いて説明した受け部500を対向させた除塵装置について図を参照しつつ説明する。図22は、他の形態の除塵装置の説明図である。このような円弧体510に噴射口142a,143aから洗浄ガスを噴射しても洗浄ガスを受けて吸引口141aから吸引させることができ、本発明の除塵装置7として機能する。
また、図18,図19で説明した除塵ヘッド150に対して、図10,図11を用いて説明した受け部500を対向させた除塵装置や、図20,図21で説明した除塵ヘッド160に対して、図10,図11を用いて説明した受け部500を対向させた除塵装置でも同様に機能する。このような除塵装置としても良い。
【0073】
また、更なる変形形態が可能であり、例えば、図16,図17で説明した二個の噴射口142a,143aを有する除塵ヘッド140に対して、二個の円弧体による受け部を対向させた除塵装置としても良い。図23は、他の形態の除塵装置の説明図である。第1支持部530、第1円弧体540からなる受け部が第1移動部410により矢印b方向に移動可能に構成されており、第1円弧体540は噴射口142aの下側に配置される。同様に第2支持部550、第2円弧体560からなる受け部が第2移動部420により矢印c方向に移動可能に構成されており、第2円弧体560は噴射口143aの下側に配置される。このような第1円弧体540、第2円弧体560に噴射口142a,143aから洗浄ガスを噴射しても洗浄ガスを受けて吸引口141aから吸引させることができ、本発明の除塵装置8として機能する。このような除塵装置8としても良い。
【0074】
以上説明した本形態の除塵装置1〜8は、さらなる変形形態が可能であり、例えば、受け部200,500,600の下側に吸引ホースを連通させ、受け空間に流れ込む洗浄ガスを吸引ホースを通じて排気ポンプで他の箇所へ排気したり、または、除塵に影響のない箇所に吸引ホースの他端を配置してそのまま放出排気するようにしても良い。
さらには除塵ヘッド110,140,150,160のイオナイザ120を取り去った形態、除塵ヘッド110,140,150,160のイオナイザに代えて超音波発振子を搭載した形態、除塵ヘッド110,140,150,160のイオナイザ120に超音波発振子も加えた形態としても良い。このような形態としても本発明の実施は可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の除塵装置の側面図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態の除塵装置の断面図である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態の除塵装置の斜視外観図である。
【図4】除塵ヘッドの内外構造を示す図であって、図4(a)はA矢視図、図4(b)はB−B線断面図、図4(c)はC−C線断面図である。
【図5】C−C線断面の斜視図である。
【図6】除塵ヘッドの内部構造を示す図であって、図6(a)はD−D線断面図、図6(b)はE−E線断面図である。
【図7】受け部の構成図である。
【図8】本発明を実施するための最良の形態の除塵時の動作説明図である。
【図9】本発明を実施するための最良の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。
【図10】他の形態の除塵装置の側面図である。
【図11】他の形態の除塵装置の断面図である。
【図12】円弧体の製造を説明する説明図である。
【図13】他の形態の除塵装置の動作説明図である。
【図14】他の形態の除塵装置の側面図である。
【図15】他の形態の除塵装置の動作説明図である。
【図16】他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図である。
【図17】他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。
【図18】他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図である。
【図19】他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。
【図20】他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図である。
【図21】他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。
【図22】他の形態の除塵装置の説明図である。
【図23】他の形態の除塵装置の説明図である。
【符号の説明】
【0076】
1,2,3,4,5,6,7,8:除塵装置
10:除塵対象
100:除塵ヘッド
110:除塵ヘッド本体
111:噴射室
111a:噴射口
111b:流入口
111c:噴射室底部
112:上流側吸引室
112a:吸引口
112b:排気口
112c:吸引室底部
113:下流側吸引室
113a:吸引口
113b:排気口
113c:吸引室底部
114:天板
115a,115b:側壁
116a,116b:内壁
116c:隔壁
116d:溝部
116e:通過孔
120:イオナイザ
121:突出部
122:エミッタ
123:切り欠き部
124:通過孔
130:側壁部
140:除塵ヘッド
141:吸引室
141:吸引口
142:上流側噴射室
142a:噴射口
143:下流側噴射室
143a:噴射口
150:除塵ヘッド
151:上流側噴射室
151a:噴射口
152:下流側吸引室
152a:吸引口
160:除塵ヘッド
161:上流側吸引室
161a:吸引口
162:下流側噴射室
162a:噴射口
200:受け部
210:半円筒体
220:対向板
230:受け空間
240:通過孔
250:支持部
260:側壁
300:搬送部
400:移動部
410:第1移動部
420:第2移動部
500:受け部
510:円弧体
520:支持部
530:第1支持部
540:第1円弧体
550:第2支持部
560:第2円弧体
600:受け部
610:箱体
620:支持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、除塵対象に対し、エアや希ガスなどの単なる清浄ガス、超音波周波数で振動する超音波を含むガス、プラス・マイナスイオンを含むガス、または、超音波とイオンとを共に含むガス(以下、これらを総称して洗浄ガスという)を噴射して除塵を行う除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
TFT(薄膜トランジスタ)液晶パネル、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、LCD(液晶ディスプレイ)等に用いられるガラス基板、太陽電池パネル、または、長尺の紙、フィルム等のシートなどの除塵対象(以下、単に除塵対象という)に対して、除塵装置により除塵が行われている。
【0003】
このような除塵装置に関する従来技術例として、例えば、特許文献1(特開2004−41851号公報,発明の名称「除塵ヘッド」)に記載された発明が知られている。
特許文献1に記載の従来技術では、中央の噴射室と、この噴射室の両側の吸引室と、を有する除塵ヘッドに関するものである。
【0004】
【特許文献1】特開2004−41851号公報(段落番号[0003],図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常の除塵装置では除塵ヘッドが上下に配置されることが多い。このような除塵装置では、コンベア上を搬送される複数枚のガラス基板を連続して除塵する場合に隣接するガラス基板など除塵対象の間の隙間を洗浄ガスで噴射しても、上下の除塵ヘッドに洗浄ガスが噴射されることとなり、除塵ヘッド以外の箇所に洗浄ガスが吹き付けられて塵埃等が巻き上げられるおそれは極めて少ない。
しかしながら、特許文献1の図5(b)に示すように、下側に除塵ヘッドがない場合もある。このような除塵装置が、隣接するガラス基板など除塵対象の間の隙間に洗浄ガスを噴射したとき、下方まで(極端な場合には装置載置床まで)洗浄ガスが到達する。除塵装置はクリーンルームに設置されているが、若干の塵埃を巻き上げることとなって除塵環境を悪くするおそれがある。
【0006】
また、隣接するガラス基板など除塵対象の隙間と噴射孔とが対向している間は洗浄ガスの噴射を停止することも考えられるが、この場合、洗浄ガスの流路に切換バルブを設ける必要が生じる。切換バルブの切換時にはシール用のパッキンから離脱した微小な異物等が洗浄ガスに混入することがあり、除塵能力を低下させるおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、除塵対象の片側のみ除塵する除塵装置において、除塵ヘッドに対向する簡易な構成の受け部を追加し、隣接する除塵対象間の隙間を通過する噴射室からの洗浄ガスの流れ方向を変えた後に吸引室で吸引するようにして、不要な塵埃の飛散を低減する除塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る除塵装置は、
吸引口を有する吸引室、および、噴射口を有する噴射室、をそれぞれ少なくとも各1個有する除塵ヘッドと、
除塵ヘッド内へ複数の除塵対象を順次搬送する搬送部と、
除塵ヘッドに対向するように配置され、噴射室の噴射口から噴射された洗浄ガスを受けて方向を転換させる受け部と、
を備え、
除塵対象に向けて噴射室の噴射口から洗浄ガスを噴射するときの吸引室は、除塵対象から跳ね返る洗浄ガスをその吸引口から吸引し、また、
隣接する二個の除塵対象間の隙間に向けて噴射室の噴射口から洗浄ガスを噴射するときの吸引室は、受け部で方向を転換させた洗浄ガスをその吸引口から吸引することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る除塵装置は、
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、洗浄ガスが通過する通過孔と、平面と曲面とにより仕切られて通過孔と連通する断面弓形空間であって曲面が吸引口や噴射口と対向するとともに平面が除塵対象の搬送方向と略平行に位置する受け空間と、を含み、
噴射室の噴射口から噴射されて通過孔を通過した洗浄ガスを受け空間の曲面で受けた後に受け空間の平面で方向を転換させ、吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に係る除塵装置は、
請求項1に記載の除塵装置において、
除塵対象の搬送方向と略平行の表面を有する対向板と、
対向板に形成され、噴射口と吸引口とが面する通過孔と、
対向板に固定される半円筒体と、
対向板の平面と半円筒体の曲面とにより仕切られ、半円筒体の曲面が吸引口や噴射口と対向するとともに対向板の平面が除塵対象の搬送方向と略平行に位置する断面弓形空間であって通過孔と連通する受け空間と、
を備え、
噴射室の噴射口から噴射されて通過孔を通過した洗浄ガスを受け空間の曲面で受けた後に受け空間の平面で方向を転換させ、吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に係る除塵装置は、
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、
噴射口と吸引口とが面する曲面状の受け面を有する円弧体を備え、円弧体の受け面で方向を転換させた洗浄ガスを吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に係る除塵装置は、
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、
噴射口と吸引口とが面する平面状の受け面を有する箱体を備え、箱体の受け面で方向を転換させた洗浄ガスを吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6に係る除塵装置は、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、噴射室とこれを挟む上流、下流の吸引室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項7に係る除塵装置は、
前記除塵ヘッドは、吸引室とこれを挟む上流、下流の噴射室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項8に係る除塵装置は、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、上流の噴射室と下流の吸引室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項9に係る除塵装置は、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、上流の吸引室と下流の噴射室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項10に係る除塵装置は、
請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の除塵装置において、
噴射室内に配置されており、高電圧が印加されたエミッタ近傍でイオンを生成するイオナイザを備え、噴射室の噴射口からイオンを含む洗浄ガスを噴射することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項11に係る除塵装置は、
請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記受け部を除塵ヘッドに対して離接させる移動部を備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項12に係る除塵装置は、
請求項11に記載の除塵装置において、
前記受け部および前記移動部を一組とし、複数の噴射部と同数組の前記受け部および前記移動部を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上のような本発明によれば、除塵対象の片側のみ除塵する除塵装置において、除塵ヘッドに対向する簡易な構成の受け部を追加し、隣接する除塵対象間の隙間を通過する噴射室からの洗浄ガスの流れ方向を変えた後に吸引室で吸引するようにして、不要な塵埃の飛散を低減する除塵装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
続いて、本発明を実施するための最良の形態について図に基づいて説明する。図1は本形態の除塵装置の側面図、図2は本形態の除塵装置の断面図、図3は本形態の除塵装置の斜視外観図である。なお、図3では側壁部を取り去って図示している。除塵装置1は、除塵ヘッド100、受け部200、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置1は除塵対象10に対して除塵を行う。
【0022】
除塵ヘッド100は、詳しくは図2,図3で示すような除塵ヘッド本体110の内部にイオナイザ120が配置され、さらに除塵ヘッド本体110の両側面に、図1で示すような側壁部130が固定されたものである。
【0023】
除塵ヘッド100について図を参照しつつさらに説明する。図4は除塵ヘッドの内外構造を示す図であって図4(a)はA矢視図、図4(b)はB−B線断面図、図4(c)はC−C線断面図である。図5はC−C線断面の斜視図である。図6は除塵ヘッドの内部構造を示す図であって図6(a)はD−D線断面図、図6(b)はE−E線断面図である。図7は受け部の構成図である。
除塵ヘッド本体110は、図4(a)で示すように、噴射室111、上側吸引室112、下側吸引室113、天板114、側壁115a,115b、内壁116a,116b、噴射室底部111c、吸引室底部112c,113cを備えている。
【0024】
噴射室111は、図2〜図6で示すように、天板114、内壁116a,116b、噴射室底部111cにより仕切られる空間であって、内壁116a,116bには隔壁116cが渡されて機械的に補強されている。この噴射室111は、図4(c)で示すように、流入口111b、通過孔116e、噴射口111aにより空間が内外で連通している。なお、イオナイザ120の突出部121と溝部116dとの間に図6(a)で示すような通過孔124が形成されており、イオナイザ120の組み付け時ではこの通過孔124を通じても空間が連通する。
【0025】
噴射口111aは、図5でも明らかなように長尺のスリットである。図5で示す噴射口111aの長手方向に対して略垂直方向から除塵対象10が進入してくるため、除塵対象10の全領域に洗浄ガスを噴射することができる。
【0026】
隔壁116cは、図4(c)で示すように、噴射口111aと流入口111bとの間に設けられ、好ましくは噴射口111a側に近接して配置される。これは、隔壁116cの配置が噴射口111a側に近づくにつれて、洗浄ガスが噴射口111aを通過することに伴う噴射口111aの拡開が発生しづらくなるためである。
【0027】
通過孔116eは、図4(c),図6(b)で示すように、隔壁116cに複数個設けられ、流入口111bから流入する洗浄ガスを噴射口111aまで導通させる。
溝部116dは、図4(a)のa部拡大図で示すように噴射室111に設けられ、この溝部116dにイオナイザ120の突出部121を摺動させつつ挿入し、噴射室111内に取り付けることとなる。
【0028】
通過孔124はイオナイザ120の配置と同時に形成される。図6(a)で示すようにイオナイザ120の突出部121に切り欠き部123が設けられており、図4(a)のa部拡大図で示すように突出部121を溝部116dに摺動させつつイオナイザ120を挿入して噴射室111内に取り付けた場合に、図6(a)で示すように、切り欠き部123が溝部116dで覆われて通過孔124となるものである。
流入口111bは、図3,図4(c),図5で示すように、除塵ヘッド100の上面の天板114に設けられる。
【0029】
イオナイザ120は、図4(b),(c)で示すように噴射室111内であって隔壁116cよりも上流側に配置され、洗浄ガスにプラスイオン・マイナスイオンを放出する機能を有している。
このイオナイザ120にはエミッタ122が取り付けられており、エミッタ122は直流電流または交流電流が印加されてプラスイオン・マイナスイオンをコロナ放電により放出する。
【0030】
上流側吸引室112は、図3〜図6で示すように、天板114、側壁115a、内壁116a、吸引室底部112cにより仕切られる空間である。この上流側吸引室112は、図4(c)で示すように、排気口112b、吸引口112aにより空間が連通している。
【0031】
吸引口112aは、図5,図6で示すように長尺のスリットであり、噴射口111aから噴射された洗浄ガスにより飛散した塵埃を周辺エアとともに吸引する。
排気口112bは、図3,図4(c),図5で示すように、吸引口112aから吸引された気体を排気するための開口である。
【0032】
下流側吸引室113は、図3〜図6で示すように、天板114、側壁115b、内壁116b、吸引室底部113cにより仕切られる空間である。この下流側吸引室113は、図4(c)で示すように、排気口113b、吸引口113aにより空間が連通している。
【0033】
吸引口113aは、図5,図6で示すように長尺のスリットであり、噴射口111aから噴射された洗浄ガスにより飛散した塵埃を周辺エアとともに吸引する。
排気口113bは、図3,図4(c),図5で示すように、吸引口113aから吸引された気体を排気するための開口である。
除塵ヘッド100の構成はこのようなものである。
【0034】
ここで除塵ヘッド本体110の製造方法について説明する。
この除塵ヘッド本体110は、押し出し成形により製造される。例えば、アルミなどの金属材料を型に押し込んで、噴射室111、上流側吸引室112、下流側吸引室113、側壁115a,115b、内壁116a,116b、隔壁116c、噴射室底部111c、吸引室底部112c,113c、天板114が一体になった除塵ヘッド本体110を成形し、端部等の末端処理を行って完成する。なお、押し出し成形終了直後は、流入口111b、排気口112b,113b(図3,図4(c),図5参照)、隔壁116cの通過孔116e(図4(c),図6(b)参照)、噴射口111aおよび吸引口112a,113aはまだ形成されていない。
【0035】
このように押し出し成形された除塵ヘッド100に対して矢印F方向(図3参照)からドリルを進入させ、流入口111b・通過孔116eの孔開けを一度で行う。流入口111b・通過孔116eは同径となる。このような孔開けを他の箇所で多数回行い、図3,図6(b)のように多数の流入口111b・通過孔116eを形成する。
同様に、除塵ヘッド100に対して矢印F方向からドリルを進入させ、排気口112b,113bの孔開けを行う。このような孔開けを他の箇所で多数回行い、図3のように多数の排気口112b,113bを形成する。
【0036】
その後に長尺のスリットである噴射口111a、吸引口112a,113aをフライス盤等で切削加工して図3〜図6で示す除塵ヘッド本体110を完成させ、さらに噴射室111の側部開口からイオナイザ120を挿入し、側壁部130で両側を塞いで除塵ヘッド100を完成させる。この除塵ヘッド100では、噴射室111、上流側吸引室112、下流側吸引室113が一体構造として形成されている。
【0037】
このような除塵ヘッド100は、図8で示すように、除塵対象の搬送方向(本形態では例示的に図面右から左へ向かう矢印方向とした)に向かって、上流側吸引室112(V1)、噴射室111(P)、下流側吸引室113(V2)となるように並べられて構成されており、搬送部300の上側に配置されている。噴射室111(P)は図示しない送風ポンプへ、また、上流側吸引室112(V1)、下流側吸引室113(V2)は図示しない吸気ポンプへ接続されるものとする。噴射室111の噴射口111aから噴射された洗浄ガスや吹き上げられた塵埃は周囲のエアとともに、吸引口112a,113aを通じて上流側吸引室112,下流側吸引室113へ吸引される。この塵埃を含むエアは、除塵ヘッド100の排気口112b,113b(図3参照)、排気流路、および、排気配管を介して、外部へ排気される。除塵ヘッド100はこのようなものである。
【0038】
次に受け部200は、図2,図7で示すように、半円筒体210、対向板220、受け空間230、通過孔240、支持部250、側壁260を備えている。受け部200は、図1〜図3で示すように配置される。
【0039】
半円筒体210は、図7に示すように両側が側壁260で塞がれた円筒体を軸方向に半分に切断した形状である。内側は半円状の曲面を有することとなる。
対向板220は、通常の板体であってその中央に通過孔240が形成される。この対向板220は、除塵対象10の搬送方向と略平行であって平面状の表面・裏面を有する。
受け空間230は、対向板220の裏面と半円筒体210の曲面とにより仕切られ、半円筒体210の曲面が、通過孔240を介して、噴射口111aおよび吸引口112a,113aに対向するとともに、対向板220の裏面・表面が何れも除塵対象10の搬送方向と略平行に位置する断面弓形空間である。この受け空間230は通過孔240と連通する。
【0040】
通過孔240は、対向板220の中央に設けられ、少なくとも除塵ヘッド100の噴射口111aと吸引口112a,113aとよりも縦横の長さを大きくしている。これにより、噴射口111aから噴射された全ての洗浄ガスは、対向板220に吹き付けられることなく通過孔240を通過する。
支持部250は、半円筒体210の下側に固定される。
側壁260は、半円筒体210の両側面に固定される。
受け部200はこのようなものである。
【0041】
搬送部300は、例えば除塵対象10を支持・搬送する長棒のローラである。搬送部300は、除塵対象10を搬送する駆動力を与えるように構成されるか、または、他の駆動源により搬送される除塵対象10に従動するように回動自在に構成されている。
【0042】
移動部400は、図1で示すように、支持部250を矢印a方向(上下方向)であって除塵ヘッド100に対して受け部200を近づけたり、または、離すように移動させる装置、例えば、昇降ステージのような装置である。予め移動部400により上下位置を調整して、受け部200を移動させて洗浄ガスが確実に緩衝される位置に設定固定される。
【0043】
このような除塵装置1の除塵対象10は、例えば、TFT(薄膜トランジスタ)液晶パネル、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、LCD(液晶ディスプレイ)等に用いられるガラス基板、太陽電池パネル、または、長尺の紙、フィルム等のシートなどである。除塵装置1はこのようなものである。
【0044】
続いて、除塵装置1による除塵動作について図を参照しつつ説明する。図8は本形態の除塵装置の除塵時の動作説明図、図9は本形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。
流入口111bから洗浄ガスを流入させると、イオナイザ120の通過孔124を通過する。この洗浄ガスにはイオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンが混入される。さらに、このような洗浄ガスが隔壁116cの通過孔116eを通過し、噴射口111aまで到達し、洗浄ガスが噴射口111aから噴射される。この場合、噴射室111内は高圧となるが、図4(c)で示すように隔壁116cが噴射室111内で一体に張り渡されて補強されているため、噴射口111aの拡開の発生を抑制する。さらに、隔壁116cを噴射口111a側に近接した位置に配置したため、噴射口111aの拡開の発生をさらに抑制している。
【0045】
複数の除塵対象10が、所定の間隔を隔てて搬送部300上を順次搬送され、逐次除塵が行われるものとする。この場合除塵ヘッド100は、噴射室111(P)による洗浄ガスの噴射、および、上流側吸引室112,下流側吸引室113による塵埃の吸引を常時行っているものとする。
【0046】
まず、図8に示すように、除塵される除塵対象10が、除塵ヘッド100の直下を、搬送方向に搬送される。この場合、除塵対象10の上面が除塵対象面となる。除塵ヘッド100では、噴射室111(P)から洗浄ガスが除塵対象10の除塵対象面に噴射され、飛散した塵埃が上流側吸引室112(V1),下流側吸引室113(V2)にて吸引されることにより、除塵対象10の除塵対象面の除塵が行われることになる。
【0047】
そしてそのまま搬入が続いて、図9に示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド100の直下に到達したとき、除塵ヘッド100の噴射室111(P)からの洗浄ガスが通過孔240を通過し、受け部200の受け空間230の曲面(半円筒体210の内側の半円状の曲面)で受ける。このような洗浄ガスは曲面に沿って移動して対向板220の裏面に到達して方向を転換させて通過孔240へ向けて移動する。この対向板220の裏面に沿って移動する洗浄ガスは搬送方向と平行であるため、受け空間230内を移動するものであり、通過孔240を越えて上側へ到達しにくくなる。すると、上流側吸引室112(V1),下流側吸引室113(V2)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。これにより、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置1はこのようなものである。
【0048】
続いて、本発明の他の形態について図に基づいて説明する。図10は他の形態の除塵装置の側面図、図11は他の形態の除塵装置の断面図、図12は円弧体の製造を説明する説明図、図13は他の形態の除塵装置の動作説明図である。なお、図10では側壁部を取り去って図示している。除塵装置2は、除塵ヘッド100、受け部500、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置2は除塵対象10に対して除塵を行う。先に図1〜図9を用いて説明した除塵装置1と比較すると、本形態の除塵装置2は、受け部500の構成のみが相違する以外は他の構成は同じであり、同じ構成については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略し、受け部500についてのみ説明する。
【0049】
受け部500は、図10,図11で示すように、円弧体510、支持部520を備えている。
円弧体510は、円弧状の部材であり、曲面状の受け面を有する。なお、図示しないが両側面(図10で正面にある面と裏側の面)に側壁部を取り付けて両側部で洗浄ガスが流れないようにしても良い。円弧体510は、図面の垂直方向に長く形成され、特に噴射口111a、吸引口112a,113aよりも長くなるように配慮され、洗浄ガスを確実に受けるようになされている。円弧体510は図12に示すように円筒体を3分割して形成する。
支持部520は、図10に示すように、円弧体510の下側に固定されて、移動部400により矢印a方向(除塵ヘッド本体110に近づいたり、または、遠ざかる方向)に円弧体510を移動させる。受け部500はこのようなものである。
【0050】
続いて、除塵装置2による除塵動作について説明する。
イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを含む洗浄ガスが、除塵ヘッド本体110から除塵対象10へ噴射される。除塵対象10の除塵は図8を用いて説明した同様の処理であり、重複する説明を省略する。
【0051】
そして、図13に示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド100の直下に到達したとき、除塵ヘッド100の噴射室111(P)からの洗浄ガスを、受け部500の円弧体510の受け面(円弧体510の内側の弧状の曲面)で受ける。このような洗浄ガスは曲面状の受け面に沿って移動し、上流側吸引室112(V1),下流側吸引室113(V2)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。これにより、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置2はこのようなものである。
【0052】
続いて、本発明の他の形態について図に基づいて説明する。図14は他の形態の除塵装置の側面図、図15は他の形態の除塵装置の動作説明図である。除塵装置3は、除塵ヘッド100、受け部600、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置3は除塵対象10に対して除塵を行う。先に図1〜図9を用いて説明した除塵装置1と比較すると、本形態の除塵装置3は、受け部600の構成のみが相違する以外は他の構成は同じであり、同じ構成については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略し、受け部600についてのみ説明する。
【0053】
受け部600は、図14,図15で示すように、箱体610、支持部620を備えている。
箱体610は、箱状の部材であり、平面状の受け面を有する。箱体610は側壁部が設けられて横側から洗浄ガスが流れないようにしてある。箱体610は、図面の垂直方向に長く形成され、特に噴射口111a、吸引口112a,113aよりも長くなるように配慮され、洗浄ガスを確実に受けるようになされている。
支持部620は、箱610の下側に固定されて、移動部400により矢印a方向(除塵ヘッド本体110に近づいたり、または、遠ざかる方向)に箱610を移動させる。受け部600はこのようなものである。
【0054】
続いて、除塵装置3による除塵動作について説明する。
イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを含む洗浄ガスが、除塵ヘッド本体110から除塵対象10へ噴射される。除塵対象10の除塵は図8を用いて説明した同様の処理であり、重複する説明を省略する。
【0055】
そして、図15に示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド100の直下に到達したとき、除塵ヘッド100の噴射室111(P)からの洗浄ガスを、受け部600の箱体610の受け面で受ける。このような洗浄ガスは受け面に沿って移動し、最後は側壁に沿って上側へ移動し、上流側吸引室112(V1),下流側吸引室113(V2)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。これにより、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置3はこのようなものである。
【0056】
続いて、本発明の他の形態について図に基づいて説明する。図16は他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図、図17は他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。なお、図16,図17では断面図で図示し、側壁部の図示を省略している。除塵装置4は、除塵ヘッド140、受け部200、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置4は除塵対象10に対して除塵を行う。先に図1〜図9を用いて説明した除塵装置1と比較すると、本形態の除塵装置4は、除塵ヘッド140の構成のみが相違する以外は他の構成は同じであり、同じ構成については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略し、除塵ヘッド140についてのみ説明する。
【0057】
このような除塵ヘッド本体140は、図16で示すように、除塵対象の搬送方向(本形態では例示的に図面右から左へ向かう矢印方向とした)に向かって、上流側噴射室142(P1)、吸引室141(V)、下流側噴射室143(P2)となるように並べられて構成されており、搬送部300の上側に配置されている。吸引室141(V)は図示しない吸気ポンプへ、また、上流側噴射室142(P1)、下流側噴射室143(P2)は図示しない送風ポンプへ接続されるものとする。上流側噴射室142および下流側噴射室143の噴射口142a,143aから噴射された洗浄ガスや吹き上げられた塵埃は周囲のエアとともに、吸引口141aを通じて吸引室141へ吸引される。この塵埃を含むエアは、除塵ヘッド140の排気口、排気流路、および、排気配管を介して、外部へ排気される。除塵ヘッド140はこのようなものである。
【0058】
続いて、除塵装置4による除塵動作について説明する。
上流側噴射室142で流入口から洗浄ガスを流入させ、イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを洗浄ガスに加え、噴射口142aから噴射させる。同様に下流側噴射室143で流入口から洗浄ガスを流入させ、イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを洗浄ガスに加え、噴射口143aから噴射させる。
【0059】
複数の除塵対象10が、所定の間隔を隔てて搬送部300上を順次搬送され、逐次除塵が行われるものとする。この場合除塵ヘッド140は、上流側噴射室142(P1)および下流側噴射室143(P2)による洗浄ガスの噴射、および、吸引室141(V)による塵埃の吸引を常時行っているものとする。
【0060】
まず、除塵される除塵対象10が、図16で示すように、除塵ヘッド140の直下を、搬送方向に搬送される。この場合、除塵対象10の上面が除塵対象面となる。除塵ヘッド140では、上流側噴射室142(P1)および下流側噴射室143(P2)から洗浄ガスが除塵対象10の除塵対象面に噴射され、飛散した塵埃が吸引室141(V)にて吸引されることにより、除塵対象10の除塵対象面の除塵が行われることになる。
【0061】
そしてそのまま搬入が続いて、図17で示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド140の直下に到達したとき、除塵ヘッド140の上流側噴射室142(P1)および下流側噴射室143(P2)からの洗浄ガスが通過孔240を通過し、受け部200の受け空間230の曲面(半円筒体210の内側の半円状の曲面)で受ける。このような洗浄ガスは曲面に沿って移動したり、対向板220の裏面に到達して方向を転換させて通過孔240へ移動したりする。しかしながら、上流側噴射室142(P1)および下流側噴射室143(P2)からの噴射流により流路は一旦降下した後に中央から上昇する経路を取り、吸引室141(V)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。また両側の噴射流も除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減する。これにより、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置4はこのようなものである。
【0062】
続いて、本発明の他の形態について図に基づいて説明する。図18は他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図、図19は他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。なお、図18,図19では断面図で図示し、側壁部の図示を省略している。除塵装置5は、除塵ヘッド150、受け部200、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置5は除塵対象10に対して除塵を行う。先に図1〜図9を用いて説明した除塵装置1と比較すると、本形態の除塵装置5は、除塵ヘッド150の構成のみが相違する以外は他の構成は同じであり、同じ構成については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略し、除塵ヘッド150についてのみ説明する。
【0063】
このような除塵ヘッド150は、図18で示すように、除塵対象の搬送方向(本形態では例示的に図面右から左へ向かう矢印方向とした)に向かって、上流側噴射室151(P)、下流側吸引室152(V)、となるように並べられて構成されており、搬送部300の上側に配置されている。上流側噴射室151(P)は図示しない送風ポンプへ、また、下流側吸引室152(V)は図示しない吸気ポンプへ接続されるものとする。噴射口151aから噴射された洗浄ガスや吹き上げられた塵埃は周囲のエアとともに、吸引口152aを通じて下流側吸引室152へ吸引される。この塵埃を含むエアは、除塵ヘッド150の排気口、排気流路、および、排気配管を介して、外部へ排気される。除塵ヘッド150はこのようなものである。
【0064】
続いて、除塵装置5による除塵動作について説明する。
上流側噴射室151で流入口から洗浄ガスを流入させ、イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを洗浄ガスに加え、噴射口151aから噴射させる。
複数の除塵対象10が、所定の間隔を隔てて搬送部300上を順次搬送され、逐次除塵が行われるものとする。この場合除塵ヘッド150は、上流側噴射室151(P)による洗浄ガスの噴射、および、下流側吸引室152(V)による塵埃の吸引を常時行っているものとする。
【0065】
まず、図18で示すように、除塵される除塵対象10が、除塵ヘッド150の直下を、搬送方向に搬送される。この場合、除塵対象10の上面が除塵対象面となる。除塵ヘッド150では、上流側噴射室151(P)から洗浄ガスが除塵対象10の除塵対象面に噴射され、飛散した塵埃が下流側吸引室152(V)にて吸引されることにより、除塵対象10の除塵対象面の除塵が行われることになる。
【0066】
そしてそのまま搬入が続いて、図19で示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド150の直下に到達したとき、除塵ヘッド150の上流側噴射室151(P)からの洗浄ガスが通過孔240を通過し、受け部200の受け空間230の曲面(半円筒体210の内側の半円状の曲面)で受ける。このような洗浄ガスは曲面に沿って移動したり、対向板220の裏面に到達して方向を転換させて通過孔240へ移動し、下流側吸引室152(V)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置5はこのようなものである。
【0067】
続いて、本発明の他の形態について図に基づいて説明する。図20は他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図、図21は他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。なお、図20,図21では断面図で図示し、側壁部の図示を省略している。除塵装置6は、除塵ヘッド160、受け部200、搬送部300、移動部400を備える。除塵装置6は除塵対象10に対して除塵を行う。先に図1〜図9を用いて説明した除塵装置1と比較すると、本形態の除塵装置6は、除塵ヘッド160の構成のみが相違する以外は他の構成は同じであり、同じ構成については同じ符号を付すとともに重複する説明を省略し、除塵ヘッド160についてのみ説明する。
【0068】
このような除塵ヘッド160は、図20で示すように、除塵対象の搬送方向(本形態では例示的に図面右から左へ向かう矢印方向とした)に向かって、上流側吸引室161(V)、下流側噴射室162(P)、となるように並べられて構成されており、搬送部300の上側に配置されている。上流側吸引室161(V)は図示しない吸気ポンプへ、また、下流側噴射室162(P)は図示しない送風ポンプへ接続されるものとする。噴射口162aから噴射された洗浄ガスや吹き上げられた塵埃は周囲のエアとともに、吸引口161aを通じて上流側吸引室161へ吸引される。この塵埃を含むエアは、除塵ヘッド160の排気口、排気流路、および、排気配管を介して、外部へ排気される。除塵ヘッド160はこのようなものである。
【0069】
続いて、除塵装置6による除塵動作について説明する。
下流側噴射室162で流入口から洗浄ガスを流入させ、イオナイザ120から放出されたプラスイオン・マイナスイオンを洗浄ガスに加え、噴射口162aから噴射させる。
複数の除塵対象10が、所定の間隔を隔てて搬送部300上を順次搬送され、逐次除塵が行われるものとする。この場合除塵ヘッド160は、下流側噴射室162(P)による洗浄ガスの噴射、および、上流側吸引室161(V)による塵埃の吸引を常時行っているものとする。
【0070】
まず、図20で示すように、除塵される除塵対象10が、除塵ヘッド160の直下を、搬送方向に搬送される。この場合、除塵対象10の上面が除塵対象面となる。除塵ヘッド160では、下流側噴射室162(P)から洗浄ガスが除塵対象10の除塵対象面に噴射され、飛散した塵埃が上流側吸引室161(V)にて吸引されることにより、除塵対象10の除塵対象面の除塵が行われることになる。
【0071】
そしてそのまま搬入が続いて、図21で示すように、隣接する二個の除塵対象10の間の隙間が除塵ヘッド160の直下に到達したとき、除塵ヘッド160の下流側噴射室162(P)から洗浄ガスが通過孔240を通過し、受け部200の受け空間230の曲面(半円筒体210の内側の半円状の曲面)で受ける。このような洗浄ガスは曲面230に沿って移動したり、対向板220の裏面に到達して方向を転換させて通過孔240へ向けて移動し、上流側吸引室161(V)にて洗浄ガスが上側に吸引される。噴射量よりも吸引量を多くすることで、除塵対象方向へ吹き漏れるおそれを低減することができる。隣接する二個の除塵対象10の間の隙間を通過した洗浄ガスが無用な塵埃を飛散させるということがなくなり、除塵環境を良好に保つ。さらに洗浄ガスを噴出させた状態での連続除塵を可能とし、設備の簡素化や不要な異物混入のおそれの低減も実現している。本形態の除塵装置6はこのようなものである。
【0072】
また、更なる変形形態が可能であり、例えば、図16,図17で説明した除塵ヘッド140、図18,図19で説明した除塵ヘッド150、図20,図21で説明した除塵ヘッド160に対して、図10,図11を用いて説明した受け部500を対向させた除塵装置としても良い。一例として、図16,図17で説明した除塵ヘッド140に対して、図10,図11を用いて説明した受け部500を対向させた除塵装置について図を参照しつつ説明する。図22は、他の形態の除塵装置の説明図である。このような円弧体510に噴射口142a,143aから洗浄ガスを噴射しても洗浄ガスを受けて吸引口141aから吸引させることができ、本発明の除塵装置7として機能する。
また、図18,図19で説明した除塵ヘッド150に対して、図10,図11を用いて説明した受け部500を対向させた除塵装置や、図20,図21で説明した除塵ヘッド160に対して、図10,図11を用いて説明した受け部500を対向させた除塵装置でも同様に機能する。このような除塵装置としても良い。
【0073】
また、更なる変形形態が可能であり、例えば、図16,図17で説明した二個の噴射口142a,143aを有する除塵ヘッド140に対して、二個の円弧体による受け部を対向させた除塵装置としても良い。図23は、他の形態の除塵装置の説明図である。第1支持部530、第1円弧体540からなる受け部が第1移動部410により矢印b方向に移動可能に構成されており、第1円弧体540は噴射口142aの下側に配置される。同様に第2支持部550、第2円弧体560からなる受け部が第2移動部420により矢印c方向に移動可能に構成されており、第2円弧体560は噴射口143aの下側に配置される。このような第1円弧体540、第2円弧体560に噴射口142a,143aから洗浄ガスを噴射しても洗浄ガスを受けて吸引口141aから吸引させることができ、本発明の除塵装置8として機能する。このような除塵装置8としても良い。
【0074】
以上説明した本形態の除塵装置1〜8は、さらなる変形形態が可能であり、例えば、受け部200,500,600の下側に吸引ホースを連通させ、受け空間に流れ込む洗浄ガスを吸引ホースを通じて排気ポンプで他の箇所へ排気したり、または、除塵に影響のない箇所に吸引ホースの他端を配置してそのまま放出排気するようにしても良い。
さらには除塵ヘッド110,140,150,160のイオナイザ120を取り去った形態、除塵ヘッド110,140,150,160のイオナイザに代えて超音波発振子を搭載した形態、除塵ヘッド110,140,150,160のイオナイザ120に超音波発振子も加えた形態としても良い。このような形態としても本発明の実施は可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の除塵装置の側面図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態の除塵装置の断面図である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態の除塵装置の斜視外観図である。
【図4】除塵ヘッドの内外構造を示す図であって、図4(a)はA矢視図、図4(b)はB−B線断面図、図4(c)はC−C線断面図である。
【図5】C−C線断面の斜視図である。
【図6】除塵ヘッドの内部構造を示す図であって、図6(a)はD−D線断面図、図6(b)はE−E線断面図である。
【図7】受け部の構成図である。
【図8】本発明を実施するための最良の形態の除塵時の動作説明図である。
【図9】本発明を実施するための最良の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。
【図10】他の形態の除塵装置の側面図である。
【図11】他の形態の除塵装置の断面図である。
【図12】円弧体の製造を説明する説明図である。
【図13】他の形態の除塵装置の動作説明図である。
【図14】他の形態の除塵装置の側面図である。
【図15】他の形態の除塵装置の動作説明図である。
【図16】他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図である。
【図17】他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。
【図18】他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図である。
【図19】他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。
【図20】他の形態の除塵装置の除塵時の動作説明図である。
【図21】他の形態の除塵装置の除塵対象間の噴射時の動作説明図である。
【図22】他の形態の除塵装置の説明図である。
【図23】他の形態の除塵装置の説明図である。
【符号の説明】
【0076】
1,2,3,4,5,6,7,8:除塵装置
10:除塵対象
100:除塵ヘッド
110:除塵ヘッド本体
111:噴射室
111a:噴射口
111b:流入口
111c:噴射室底部
112:上流側吸引室
112a:吸引口
112b:排気口
112c:吸引室底部
113:下流側吸引室
113a:吸引口
113b:排気口
113c:吸引室底部
114:天板
115a,115b:側壁
116a,116b:内壁
116c:隔壁
116d:溝部
116e:通過孔
120:イオナイザ
121:突出部
122:エミッタ
123:切り欠き部
124:通過孔
130:側壁部
140:除塵ヘッド
141:吸引室
141:吸引口
142:上流側噴射室
142a:噴射口
143:下流側噴射室
143a:噴射口
150:除塵ヘッド
151:上流側噴射室
151a:噴射口
152:下流側吸引室
152a:吸引口
160:除塵ヘッド
161:上流側吸引室
161a:吸引口
162:下流側噴射室
162a:噴射口
200:受け部
210:半円筒体
220:対向板
230:受け空間
240:通過孔
250:支持部
260:側壁
300:搬送部
400:移動部
410:第1移動部
420:第2移動部
500:受け部
510:円弧体
520:支持部
530:第1支持部
540:第1円弧体
550:第2支持部
560:第2円弧体
600:受け部
610:箱体
620:支持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引口を有する吸引室、および、噴射口を有する噴射室、をそれぞれ少なくとも各1個有する除塵ヘッドと、
除塵ヘッド内へ複数の除塵対象を順次搬送する搬送部と、
除塵ヘッドに対向するように配置され、噴射室の噴射口から噴射された洗浄ガスを受けて方向を転換させる受け部と、
を備え、
除塵対象に向けて噴射室の噴射口から洗浄ガスを噴射するときの吸引室は、除塵対象から跳ね返る洗浄ガスをその吸引口から吸引し、また、
隣接する二個の除塵対象間の隙間に向けて噴射室の噴射口から洗浄ガスを噴射するときの吸引室は、受け部で方向を転換させた洗浄ガスをその吸引口から吸引することを特徴とする除塵装置。
【請求項2】
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、洗浄ガスが通過する通過孔と、平面と曲面とにより仕切られて通過孔と連通する断面弓形空間であって曲面が吸引口や噴射口と対向するとともに平面が除塵対象の搬送方向と略平行に位置する受け空間と、を含み、
噴射室の噴射口から噴射されて通過孔を通過した洗浄ガスを受け空間の曲面で受けた後に受け空間の平面で方向を転換させ、吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする除塵装置。
【請求項3】
請求項1に記載の除塵装置において、
除塵対象の搬送方向と略平行の表面を有する対向板と、
対向板に形成され、噴射口と吸引口とが面する通過孔と、
対向板に固定される半円筒体と、
対向板の平面と半円筒体の曲面とにより仕切られ、半円筒体の曲面が吸引口や噴射口と対向するとともに対向板の平面が除塵対象の搬送方向と略平行に位置する断面弓形空間であって通過孔と連通する受け空間と、
を備え、
噴射室の噴射口から噴射されて通過孔を通過した洗浄ガスを受け空間の曲面で受けた後に受け空間の平面で方向を転換させ、吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする除塵装置。
【請求項4】
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、
噴射口と吸引口とが面する曲面状の受け面を有する円弧体を備え、円弧体の受け面で方向を転換させた洗浄ガスを吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする除塵装置。
【請求項5】
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、
噴射口と吸引口とが面する平面状の受け面を有する箱体を備え、箱体の受け面で方向を転換させた洗浄ガスを吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする除塵装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、噴射室とこれを挟む上流、下流の吸引室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする除塵装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、吸引室とこれを挟む上流、下流の噴射室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする除塵装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、上流の噴射室と下流の吸引室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする除塵装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、上流の吸引室と下流の噴射室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする除塵装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の除塵装置において、
噴射室内に配置されており、高電圧が印加されたエミッタ近傍でイオンを生成するイオナイザを備え、噴射室の噴射口からイオンを含む洗浄ガスを噴射することを特徴とする除塵装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記受け部を除塵ヘッドに対して離接させる移動部を備えることを特徴とする除塵装置。
【請求項12】
請求項11に記載の除塵装置において、
前記受け部および前記移動部を一組とし、複数の噴射部と同数組の前記受け部および前記移動部を設けることを特徴とする除塵装置。
【請求項1】
吸引口を有する吸引室、および、噴射口を有する噴射室、をそれぞれ少なくとも各1個有する除塵ヘッドと、
除塵ヘッド内へ複数の除塵対象を順次搬送する搬送部と、
除塵ヘッドに対向するように配置され、噴射室の噴射口から噴射された洗浄ガスを受けて方向を転換させる受け部と、
を備え、
除塵対象に向けて噴射室の噴射口から洗浄ガスを噴射するときの吸引室は、除塵対象から跳ね返る洗浄ガスをその吸引口から吸引し、また、
隣接する二個の除塵対象間の隙間に向けて噴射室の噴射口から洗浄ガスを噴射するときの吸引室は、受け部で方向を転換させた洗浄ガスをその吸引口から吸引することを特徴とする除塵装置。
【請求項2】
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、洗浄ガスが通過する通過孔と、平面と曲面とにより仕切られて通過孔と連通する断面弓形空間であって曲面が吸引口や噴射口と対向するとともに平面が除塵対象の搬送方向と略平行に位置する受け空間と、を含み、
噴射室の噴射口から噴射されて通過孔を通過した洗浄ガスを受け空間の曲面で受けた後に受け空間の平面で方向を転換させ、吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする除塵装置。
【請求項3】
請求項1に記載の除塵装置において、
除塵対象の搬送方向と略平行の表面を有する対向板と、
対向板に形成され、噴射口と吸引口とが面する通過孔と、
対向板に固定される半円筒体と、
対向板の平面と半円筒体の曲面とにより仕切られ、半円筒体の曲面が吸引口や噴射口と対向するとともに対向板の平面が除塵対象の搬送方向と略平行に位置する断面弓形空間であって通過孔と連通する受け空間と、
を備え、
噴射室の噴射口から噴射されて通過孔を通過した洗浄ガスを受け空間の曲面で受けた後に受け空間の平面で方向を転換させ、吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする除塵装置。
【請求項4】
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、
噴射口と吸引口とが面する曲面状の受け面を有する円弧体を備え、円弧体の受け面で方向を転換させた洗浄ガスを吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする除塵装置。
【請求項5】
請求項1に記載の除塵装置において、
前記受け部は、
噴射口と吸引口とが面する平面状の受け面を有する箱体を備え、箱体の受け面で方向を転換させた洗浄ガスを吸引室の吸引口から吸引することを特徴とする除塵装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、噴射室とこれを挟む上流、下流の吸引室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする除塵装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、吸引室とこれを挟む上流、下流の噴射室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする除塵装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、上流の噴射室と下流の吸引室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする除塵装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記除塵ヘッドは、上流の吸引室と下流の噴射室とが除塵対象の搬送方向に沿って並べて配置されることを特徴とする除塵装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の除塵装置において、
噴射室内に配置されており、高電圧が印加されたエミッタ近傍でイオンを生成するイオナイザを備え、噴射室の噴射口からイオンを含む洗浄ガスを噴射することを特徴とする除塵装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の除塵装置において、
前記受け部を除塵ヘッドに対して離接させる移動部を備えることを特徴とする除塵装置。
【請求項12】
請求項11に記載の除塵装置において、
前記受け部および前記移動部を一組とし、複数の噴射部と同数組の前記受け部および前記移動部を設けることを特徴とする除塵装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−58057(P2010−58057A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226780(P2008−226780)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(591252781)ヒューグルエレクトロニクス株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(591252781)ヒューグルエレクトロニクス株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
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