説明

除湿・脱酸素方法、除湿機能を備えた脱酸素包装体及び脱酸素機能フィルム又は脱酸素樹脂組成物

【課題】除湿・脱酸素方法、除湿機能を備えた脱酸素包装体及び脱酸素機能フィルム又は脱酸素樹脂組成物を提供する。
【解決手段】酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物からなる除湿機能を備えた脱酸素剤12を保存対象物である錠剤10と共にガスバリアフィルム11内に封入することで、雰囲気中の酸素を吸収除去すると共に、雰囲気中の水分を吸収する。また、カルシウム(Ca)等を、前記無機酸化物に固溶させることで酸素及び水分の吸収機能が増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雰囲気中の酸素を吸収除去する機能と水分を吸収除去する機能と兼ね備えた除湿・脱酸素方法、除湿機能を備えた脱酸素包装体及び脱酸素機能フィルム又は脱酸素樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品の安全性や品質維持への強い要求に対して、食品を内包する食品用包装体の内部を無酸素状態にすることにより、食品の酸化劣化を抑制することが行われている。
具体的には、雰囲気中の酸素を吸収除去する脱酸素剤を食品と共に食品用包装体の内部に入れて、食品用包装体の内部の残留酸素を除去して食品用包装体の内部を無酸素状態とすることが行われている。また、酸素を含まない不活性ガス中において、食品を前記脱酸素剤と共に食品用包装体で包装し、前記食品用包装体の内部に酸素を入れないようにすると共に、前記食品用包装体を透過して内部に侵入する僅かな酸素も内包された脱酸素剤により除去すること等が行われている。
【0003】
このように、雰囲気中の酸素を除去する脱酸素剤としては、有機系材料からなるものと無機系材料からなるものとがあるが、コスト的な観点から、無機系材料である鉄系脱酸素剤が主に利用されている。この鉄系脱酸素剤は、下記の式(1)に示すように、雰囲気中の水分と共に、雰囲気中の酸素と鉄とを反応させることにより、雰囲気中から酸素を除去するようになっている(特許文献1)。
【0004】
Fe+1/2H2O+3/4O2→FeOOH ・・・(1)
【0005】
【特許文献1】特開平11−226388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述したような従来の鉄系の脱酸素剤を用いた場合には、以下のような問題がある。
【0007】
(1)前記式(1)のように、鉄系の脱酸素剤は、脱酸素反応においては、水分を必須とするので、鉄と共に水分保持剤を混入する場合があるが、このような脱酸素剤では、前記水分保持剤から水分が発散するので、密封袋内の湿度が上昇することとなる。
この結果、例えば図22に示すように、密封袋である例えばガスバリアフィルム1内の保存対象物である例えば錠剤2等の乾燥状態を保持するために、例えばシリカゲル等の除湿剤3を同封する場合がある。
このような場合には、前記錠剤2をガスバリアフィルム1に封入する際の工程においては、前記脱酸素剤4を投入する手段と、前記除湿剤3を投入する手段とが必要となる、という問題がある。
一方、前記除湿剤3を用いてガスバリアフィルム1内の水分を除去してしまうと、酸化反応に寄与する水分割合が低下して脱酸素機能が低下する、という問題も生じる。
【0008】
(2)また、水分を極度に嫌う医薬品、サプリメント等の錠剤の場合には、水分保持剤を同封することができないので、前記式(1)のような水分による促進ができないので、脱酸素機能を良好に発揮できず、この結果、通常よりも多量の鉄粉量が必要となる、という問題がある。
よって、前記医薬品、サプリメント以外に、例えば乾燥食品や電子部品や半田粉等のように水分を極度に嫌うものを保存する場合には、従来の脱酸素剤の性能を十分に発揮することができないという問題がある。
【0009】
(3)また、包装体で不活性ガスと共に、従来の脱酸素剤を包装した食品中に金属等の異物が混入しているか否かの検査を行う場合には、鉄系脱酸素剤に金属探知機が反応し、簡便な審査を行うことができない、という問題がある。
【0010】
(4)電子レンジ等のマイクロ波によって急加熱されて発火する、という問題がある。
【0011】
このような状況に鑑み、脱酸素剤として脱酸素機能を十分に発揮できると共に、水分除去機能も発揮できるような脱酸素機能と除湿機能とを兼ね備えた新規な脱酸素剤の出現が望まれている。
【0012】
本発明は、前記問題に鑑み、除湿・脱酸素方法、除湿機能を備えた脱酸素包装体及び脱酸素機能フィルム又は脱酸素樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物を用い、雰囲気中の酸素を吸収除去すると共に、雰囲気中の水分を吸収することを特徴とする除湿・脱酸素方法にある。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記無機酸化物に固溶させてなることを特徴とする除湿・脱酸素方法にある。
【0015】
第3の発明は、第2の発明において、前記固溶元素の総添加量が1〜20mol%であることを特徴とする除湿・脱酸素方法にある。
【0016】
第4の発明は、酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物からなり、雰囲気中の酸素を吸収除去すると共に、雰囲気中の水分を吸収してなる除湿機能を備えた脱酸素剤と、該脱酸素剤を内包する包装体とからなる脱酸素包装体であって、前記包装体が酸素易透過性を有すると共に、水分易透過性を有してなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素包装体にある。
【0017】
第5の発明は、第4の発明において、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記無機酸化物に固溶させてなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素包装体にある。
【0018】
第6の発明は、第5の発明において、前記固溶元素の総添加量が1〜20mol%であることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素包装体にある。
【0019】
第7の発明は、酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物からなり、雰囲気中の酸素を吸収除去すると共に、雰囲気中の水分を吸収してなる除湿機能を備えた脱酸素剤からなる脱酸素・水分吸収層を有することを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルムにある。
【0020】
第8の発明は、第7の発明において、該脱酸素・水分吸収層の一方の面に設けられ、ガスバリア性を有するガスバリア層と、前記脱酸素・水分吸収層の他方の面に設けられ、酸素及び水分易透過性を有してなる酸素及び水分易透過層とを有することを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルムにある。
【0021】
第9の発明は、第7又は8の発明において、ガスバリア層と外層との間に高度ガスバリア層を設けてなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルムにある。
【0022】
第10の発明は、第7乃至9のいずれか一つの発明において、前記脱酸素・水分吸収層とガスバリア層との間に、緩衝層を設けてなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルムにある。
【0023】
第11の発明は、第7乃至10のいずれか一つの発明において、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記無機酸化物に固溶させてなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルムにある。
【0024】
第12の発明は、第11の発明において、前記固溶元素の総添加量が1〜20mol%であることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルムにある。
【0025】
第13の発明は、酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物からなり、雰囲気中の酸素を吸収除去すると共に、雰囲気中の水分を吸収してなる除湿機能を備えた脱酸素剤を、酸素及び水分易透過性を有してなる樹脂に分散又は練込んでなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素樹脂組成物にある。
【0026】
第14の発明は、第13の発明において、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記無機酸化物に固溶させてなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素樹脂組成物にある。
【0027】
第15の発明は、第14の発明において、前記固溶元素の総添加量が1〜20mol%であることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素樹脂組成物にある。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、一つの脱酸素剤で酸素吸収機能と共に水分除去機能を発揮することができるので、従来のような水分除去のための例えばシリカゲルのような除湿剤を不要とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態及び実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0030】
本実施の形態に係る脱酸素剤は、雰囲気中の酸素を吸収除去すると共に水分を除去するものであり、その構成材料は、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等のいずれか一種又はこれらの混合物である。
これらの内でも、特に単独での酸素吸収能力が大きい、酸化セリウムを無機酸化物として用いるのが好ましい。
【0031】
ここで、以下の本実施の形態の説明においては、前記無機酸化物として酸化セリウムを用いる場合について以下に説明する。
前記酸素欠陥を有する高温還元処理した酸化セリウム(CeOx:但し、xは2未満の正数である。)は、還元処理により結晶格子中から酸素が引き抜かれて酸素欠陥状態となり、雰囲気中の酸素と下記式(2)に示すようにして反応するので脱酸素剤としての効果が発揮される。
CeOx+((2−X)/2)O2→CeO2 ・・・(2)
【0032】
また、定かではないが、前記酸化セリウムと雰囲気中の水分とが反応して水和物(CeOx・nH2O)を形成するためにより、密封雰囲気中の水分を除去する機能が発揮される。
【0033】
よって、一つの酸化セリウムからなる脱酸素剤を用いることで、密封雰囲気中の酸素を除去する脱酸素機能と、密封雰囲気中の水分を除去する除湿機能とを兼ね備えた脱酸素剤を提供することができる。
【0034】
さらに、本発明では、前記酸素欠陥を有する酸化セリウムに対して、酸化物を調整する際に、特定の添加元素を添加して置換固溶させて複合酸化物とし、酸素吸収量を大幅に増大させるようにしている。
この特定の添加元素としては、例えばマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物とするのが望ましい。
【0035】
また、これらの内で前記イットリウム(Y)、カルシウム(Ca)及びプラセオジム(Pr)は、酸素吸収量が増大するので特に好ましい。
これらの添加元素を酸化セリウム粉末製造の際に、添加して酸化セリウムと共に固溶させて複合酸化物を形成するようにしている。
【0036】
この特定の添加元素を添加することで酸素吸収量が増大するのは次の通りである。
先ず、酸化セリウムは通常は4+であるが、高温で還元処理すると3+へと価数が変化する。この価数の変化に伴い、酸化セリウムのイオン半径が膨張し、結晶格子自体も膨張し、構造が不安定になるが、前記イットリウム(Y)、カルシウム(Ca)及びプラセオジム(Pr)は、膨張した3+のセリウムイオンよりもイオン半径が小さく、これらのいずれかを添加したことで格子の膨張を抑制できることとなる。この結果、より多くの酸素欠陥を保持することができるものとなる。
【0037】
また、前記添加元素の総添加量としては、1〜20mol%とするのが好ましい。これは、1mol%未満ではその添加効果の発現量が小さいからである。
【0038】
また、一般に価数変化が無い又は少ないものを酸化セリウムに添加する場合には、酸素の吸収量の増大効果は発現されないが、前記添加元素のような特定のイオン半径を有する元素(Y、Ca、Pr)であれば、総添加量として20mol%程度迄の添加で、酸化セリウムの蛍石型の格子の膨張が抑制され、酸素欠陥が多く保持され、この結果、酸素吸収量の増加を図ることができるからである。
【0039】
ここで、図1を参照して特定の添加元素が無機酸化物と固溶して複合酸化物を形成していることについて説明する。図1は、添加元素の添加量と、格子定数との関係図である。図1に示すように、添加元素の添加量が増大すると、酸化物中への添加元素が固溶し複合酸化物を形成するが、固溶限界までは格子定数はベガード則に従い、単調に直線的に増加(減少する場合もある)する。そして、所定の変極点を超えた以降は、固溶限界を超え、単独酸化物として生成する。
【0040】
図2〜図7は各添加元素について添加量と格子定数との関係を示す。
図2はカルシウム(Ca)、図3はストロンチウム(Sr)、図4はマグネシウム(Mg)、図5はランタン(La)、図6はプラセオジム(Pr)及び図7はイットリウム(Y)である。
これらの図面に示すように、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、及びマグネシウム(Mg)は添加量が約20mol%で変極点が存在し、ランタン(La)は約40mol%、プラセオジム(Pr)は約50mol%及びイットリウム(Y)は約60mol%近傍が固溶限界であることが確認された。この結果を表1に示す。よって、添加量として1〜20mol%程度迄の添加であれば、いずれの元素も確実に固溶状態となることが確認された。
【0041】
【表1】

【0042】
また、前記無機酸化物に添加される添加元素としては、前記無機酸化物のイオン半径近傍の元素を添加することが好ましいが、添加により酸素吸収量が増大するものであれば、これに限定されるものではない。
【0043】
さらに、前記添加元素として例えばカルシウム(Ca)を固溶させたものは水分吸収量を増大することができる。これは、酸化カルシウム(CaO)の結晶の表面近傍のCaが水分と反応して下記式(3)により多くの水分を吸収するためと考えられる。
CaO+H2O→Ca(OH)2 ・・・(3)
【0044】
このような脱酸素剤は、粉体の場合、添加元素を添加した酸化セリウムとの複合酸化物の粉体を1400℃以上の温度で焼成(約1時間程度)した後に、例えば水素等の還元性ガス気流中で1000℃1時間還元焼成することにより、容易に製造することができる。
【0045】
他方、タブレットやフレーク等の成形体の場合には、添加元素を添加した酸化セリウムとの複合酸化物の粉体を、所定圧力(例えば0.5t/cm2以上)で加圧して成形体を製造し、これを1000℃以上の温度で焼結した後に、例えば水素等の還元性ガス気流中で1000℃1時間還元焼成することにより、容易に製造することができる。
【0046】
このように製造された脱酸素剤は、酸素を必要十分に透過させ得る公知の多孔性フィルム等の脱酸素用包装体でラミネート等の処理により封入されることにより、利用される。
【0047】
このような本実施の形態に係る脱酸素剤においては、前記式(1)に示したように雰囲気中の酸素と反応することにより、雰囲気中から酸素を大幅に吸収・除去することができる。
【0048】
ここで、添加元素としてカルシウム(Ca)、プラセオジム(Pr)及びイットリウム(Y)を用いて、酸素吸収性能についての確認を行なった。その結果を図8、図10及び図12において酸素吸収の経過時間と酸素吸収量との関係図として示す。
図8、図10及び図12に示すように、添加量を1mol%、5mol%、10mol%、20mol%、30mol%、40mol%、50mol%、60mol%として、経過時間と酸素吸収量との関係を求めた。
無添加の場合を黒三角印で示す。
【0049】
図8、図10及び図12に示すように、各々の添加量が1mol%、5mol%、10mol%、20mol%と増大するにつれて、無添加の場合に較べて、酸素吸収量が徐々に増大することが確認された。
一方、20mol%以上添加しても酸素吸収の増大機能は発揮されなかった。
【0050】
また、96時間経過時における添加量と酸素吸収量との関係を図9、図11及び図13に示す。
図9、図13に各々示すように、カルシウムとイットリウムの場合には、添加量が20mol%で変極点となり、それ以上の添加は酸素吸収に寄与しないことが判明された。また、図11に各々示すように、プラセオジムの場合には、添加量が15mol%で変極点となり、それ以上の添加は酸素吸収に寄与しないことが判明された。
カルシウムの場合には、固溶状態の複合酸化物以外の単独酸化物の存在量が増大する結果、かえって酸素吸収機能を阻害すると考えられる。イットリウムとプラセオジムの場合には、十分固溶限界内であるが、格子の膨張抑制効果を超えて、格子が小さくなり過ぎたことが原因と考えられる。
【0051】
このため、本実施の形態に係る酸化セリウムを主体とした複合酸化物からなる脱酸素剤では、以下のような作用・効果を奏することとなる。
【0052】
(1)水分を全く必要とすることなく、酸素と反応することができるので、例えば乾燥食品、電子部品、半田粉等のような水分を嫌うものの場合の保存に利用することができる。
【0053】
(2)また、水分除去機能も有するので、密封雰囲気内に、従来のような除湿剤を別途投入する必要がなくなる。この結果、例えば図14に示すように、前記保存対象物である例えば水分を極度に嫌う錠剤10をガスバリアフィルム11に封入する際の工程において、除湿機能を備えた脱酸素剤12を投入する手段のみで足り、従来のような前記除湿剤3を別途投入する手段及び工程を省略することができ、製造ラインの簡略化を図ることができる。
【0054】
(3)また、添加物を添加した酸化セリウムは非金属であるので、金属探知機には検知されることがなく、金属探知機を用いて食品中の異物を発見することができる。
【0055】
(4)耐マイクロ波の特性も優れているので、酸素吸収量を増大する添加元素を添加してなる酸化セリウムからなる脱酸素剤はマイクロ波調理における加熱を防ぐことができる。
【0056】
(5)さらに、酸化セリウムに添加物を添加することにより、酸素吸収量が増大するので、酸化セリウム単独の場合に較べて単位重量当りの酸素吸収量の大幅な増大を図ることができる。
【0057】
このように、本実施の形態によれば、無機酸化物である酸化セリウムを用いて脱酸素機能と共に除湿機能も発揮する除湿機能を備えた脱酸素剤及び密封雰囲気中の除湿・脱酸素方法を提供することができる。
よって、水分を極度に嫌う医薬品やサプリメント、化学薬品(例えば色素、香料、脂質、酵素、ビタミン、脂肪酸)又は酸化され易い食品素材並びに食品、精密機械及びその部品、半導体基板等を安定保存できるようにすることが可能となる。
【0058】
また、図15に示すように、除湿機能を備えた脱酸素機能フィルム20Aとしてもよい。この脱酸素機能フィルム20Aは、図15に示すように、前記酸化セリウム等の無機酸化物からなる脱酸素・水分吸収層21と、該脱酸素・水分吸収層21の外層側に設けられ、ガスバリア性を有するガスバリア層22と、前記脱酸素・水分吸収層21の内層側に設けられ、酸素及び水分易透過性を有してなる酸素及び水分易透過層23とから構成されている。ここで、図15中、符号25は酸素、26は水分を各々図示する。
なお、図15においては、前記ガスバリア層22の外側に外層24を設けガスバリア層を保護するようにしている。
そして、前記の水分を極度に嫌う医薬品やサプリメント等では、酸素及び水分易透過性層23を内側(すなわち、除湿及び脱酸素をしたい雰囲気側)とし、ガスバリア層22を外側(例えば大気側)として、除湿機能を備えた脱酸素機能フィルム20Aにより包装、密封され、安定的に保存される。
【0059】
ここで、前記脱酸素・水分吸収層21としては、前記酸化セリウム等の無機酸化物を含有するポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、エラストマー、シリコン樹脂エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエチレン(超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン)、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレンランダム重合体、・エチレン−αオレフィン共重合体等の単層又は多層からなるものを例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0060】
ここで、前記ガスバリア層22としては、アルミ箔、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンコート延伸ナイロン(商品名)、テレフタル酸-トリメチルヘキサメチレンジアミン縮重合体、2,2−ビス(P−アミノシクロヘキシル)プロパン−アジピン酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ナイロンMXD(商品名)、ナイロン6(商品名)、ナイロン6,6(商品名)等の単層又は多層からなるものを例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、ガスと水分とを遮断するもので、好ましくは酸素と水分を遮断するようなものであればいずれでもよい。
【0061】
また、前記酸素及び水分易透過層23としては、例えば不織布、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン)、エチレンプロピレン共重合体、エチレンプロピレンゴム、エチレン-アクリル酸エチル共重合体等の単層又は多層からなるものを例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、ガスと水分とを透過するもので、好ましくは酸素と水分を透過するようなものであればいずれでもよく、例えば紙等の繊維類からなる層も用いることもできる。
また、前記酸素及び水分易透過層23はシーラント層(例えばPP又はPE等のポリオレフィン)の機能を併用するようにしてもよい。
【0062】
また前記外層24としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(商品名)等を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
また、図16の脱酸素機能フィルム20Bに示すように、前記脱酸素・水分吸収層21とガスバリア層22との間に、緩衝層27を設け、接着性及び緩衝性をフィルムに付与するようにしてもよい。
また、ガスバリア層22と外層24との間に高度ガスバリア層28を設け、外部からのガスの侵入防止をより強固にさせるようにしてもよい。
【0064】
ここで、緩衝層27としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の緩衝作用及び接着作用を備えた樹脂を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0065】
また、高度ガスバリア層28としては、例えばアルミ箔をはじめとする各種金属箔、アルミ蒸着フィルム、各種酸化物(シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ)蒸着フィルム等を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0066】
この図16に示すような6層構造の除湿機能を備えた脱酸素機能フィルム20Bとすることで、緩衝作用が向上すると共に外部からのガスの侵入防止が強固となり、より付加価値の高いフィルムを提供することができる。
【0067】
また、図17に示すように、前記酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物からなる脱酸素剤30と、該脱酸素剤30を内包すると共に、酸素及び水分易透過性を有してなる包装体31とから除湿機能を備えた脱酸素包装体32を構成するようにしてもよい。
なお、前記包装体31は、単層又は多層のいずれのものでも使用することができ、さらには意図的にピンホールを設けて、酸素及び水分の透過性を向上させるようにしてもよい。
【0068】
また、図18に示すように、前記酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物からなる脱酸素剤40を樹脂層41内に分散又は練込んで除湿機能を備えた脱酸素樹脂組成物42を構成するようにしてもよい。
【0069】
前記樹脂層41を構成する材料としては、酸素及び水分を透過することができる素材であればよく、例えばポリエチレン(超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、これらのブレンド物などのオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などのスチレン系樹脂などを例示することができる。また、これらの樹脂は単独でもまたはブレンド物としても使用することができる。
【実施例】
【0070】
以下、本発明の効果を確認するための一実施例について説明するが、本発明はこれの実施例に限定されるものではない。
【0071】
<原料の調整>
炭酸水素アンモニウムとアンモニアと炭酸アンモニウムとシュウ酸とを水に溶解した水溶液を攪拌しながら、硝酸セリウム水溶液を滴下し逆中和し、生成した沈殿物をイオン交換水で洗浄(本実施例では2回)してろ過した。その後、ろ過物を乾燥(300℃で2時間)することにより、実施例1の酸化セリウム(CeO2)の粉末(平均粒径:約0.5μm)を得た(酸化セリウム単体の場合の調整)。
【0072】
<添加元素の添加>
実施例2として、前記酸化セリウム単体の粉末を製造するための硝酸セリウム水溶液滴下の過程において、添加元素としてカルシウム(Ca)を用い、10mol%硝酸塩となるように添加した。
【0073】
本実施例の成形体の焼結条件は1100℃で1時間とした。さらに、還元条件は1000℃で1時間、水素100%ガスで400SCCMフローとした。なお、包装体としては、ピンホールが多数ある内袋を用い、フィルムパックした。
【0074】
包装体内に実施例1及び実施例2の脱酸素剤1.5gを密封し、所定時間経過後の包装体内の湿度変化を確認した。また、比較例1としてシリカゲル単体を1g、比較例2として従来一般的に市販されている鉄粉系脱酸素剤を、比較例3として従来の鉄粉系脱酸素剤とシリカゲルをそれぞれ包装体内に封入したものを用いた。この結果を図19に示す。なお、比較例として用いた一般的な鉄粉系脱酸素剤には、酸素を吸収させ続けるため(式(1)参照)の水分保持剤が必要であるので、それを同封している。
【0075】
実施例1の酸化セリウム単体の除湿機能を有する脱酸素剤(図19中●で示す。)、実施例2のカルシウムを固溶させた酸化セリウム複合酸化物からなる除湿機能を有する脱酸素剤(図19中○で示す。)、比較例1のシリカゲル単体(図19中、×で示す。)、比較例2の鉄粉系脱酸素剤と水分保持剤(図19中黒三角印で示す。)、比較例3の鉄粉系脱酸素剤と水分保持剤とシリカゲルとを併せたもの(図19中、△で示す。)の湿度変化能について確認した。
【0076】
図19に示すように、比較例1のシリカゲル単体(図19中、×で示す。)は包装体内の水分変化(約7%程度の減)である。
【0077】
また、比較例2の鉄粉系脱酸素剤と水分保持剤(図19中黒三角印で示す。)は、時間の経過と共に、水分保持剤からの水分量の増加により湿度の増加(約7%程度の増)がみられた。
【0078】
比較例3の鉄粉系脱酸素剤と水分保持剤とシリカゲルとを併せたもの(図19中、△で示す。)は、比較例2においてシリカゲルによる除湿機能が確認された(殆ど変化なし)。
【0079】
これに対し、実施例1の酸化セリウム単体の除湿機能を有する脱酸素剤(図19中●で示す。)は、所定時間の経過により除湿機能(約16%程度の減)を発揮したことが確認された。
【0080】
また、実施例2のカルシウムを固溶させた酸化セリウム複合酸化物からなる除湿機能を有する脱酸素剤(図19中○で示す。)は、カルシウム添加効果(約18%程度の減)が確認された。
【0081】
これにより、従来のような鉄粉系の脱酸素剤のようなシリカゲルを併用した場合よりも酸化セリウム単体で除湿機能が発現(約23%程度の減)したことが確認された。
また、カルシウムの添加による複合酸化物体もセリウム単体よりも除湿性能が良好であることが確認された。
次に、酸化セリウム単独、酸化セリウムにカルシウムを10mol%、20mol%及び40mol%添加した場合において、所定の間における相対湿度の変化を確認した。
試験は空気量が300ml(酸素量60ml)において、ガスバリアフィルムとして「K−ナイロン(商品名)」を用いて、内部に脱湿及び脱酸素機能を有する脱酸素剤を封入し、所定時間における湿度変化を測定した。
この結果を図20に示す。図20に示すように、カルシウムを添加元素とした場合には、固溶限界の20mol%を超えても析出した単独の酸化カルシウムの吸湿作用により、最終到達湿度の低下が確認された。
【0082】
また、前記試験において、ガスバリアフィルムの内部の湿度雰囲気を高く湿度調整した場合において、脱湿性能の初期湿度依存の有無について確認した。
その結果を図21に示す。計測初期は65RH%、55RH%、45RH%及び30RH%とした場合においても、所定時間経過すれば、いずれの場合においても相対湿度が20RH以下となり、最終的には15RH%前後となることが判明し、初期湿度依存がないことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明によれば、除湿機能を発揮しつつ脱酸素機能を奏するので、従来のようなシリカゲル等の除湿剤を用いることなく、例えば水分を極度に嫌う例えば医薬品等の保存対象物を保存することに用いて適している。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】添加元素の添加量と、格子定数との関係図である。
【図2】添加元素(Ca)の添加量と、格子定数との関係図である。
【図3】添加元素(Sr)の添加量と、格子定数との関係図である。
【図4】添加元素(Mg)の添加量と、格子定数との関係図である。
【図5】添加元素(La)の添加量と、格子定数との関係図である。
【図6】添加元素(Pr)の添加量と、格子定数との関係図である。
【図7】添加元素(Y)の添加量と、格子定数との関係図である。
【図8】添加元素(Ca)の場合の酸素吸収の経過時間と酸素吸収量との関係図である。
【図9】図8の96時間経過時における添加量と酸素吸収量との関係図である。
【図10】添加元素(Pr)の場合の酸素吸収の経過時間と酸素吸収量との関係図である。
【図11】図10の96時間経過時における添加量と酸素吸収量との関係図である。
【図12】添加元素(Y)の場合の酸素吸収の経過時間と酸素吸収量との関係図である。
【図13】図12の96時間経過時における添加量と酸素吸収量との関係図である。
【図14】本実施の形態例にかかるガスバリアフィルム内に錠剤と除湿機能を備えた脱酸素剤とを密封した包装体の概略図である。
【図15】除湿機能を備えた脱酸素機能フィルムの模式図である。
【図16】除湿機能を備えた他の脱酸素機能フィルムの模式図である。
【図17】除湿機能を備えた脱酸素機能包装体の模式図である。
【図18】除湿機能を備えた脱酸素機能樹脂組成物の模式図である。
【図19】実施例にかかる経過時間と湿度変化量との関係図である。
【図20】除湿機能を有する脱酸素剤の脱湿性能に係る経過時間と相対湿度との関係図である。
【図21】除湿機能を有する脱酸素剤の脱湿性能の初期湿度依存性に係る経過時間と相対湿度との関係図である。
【図22】従来例にかかるガスバリアフィルム内に錠剤と除湿機能を備えた脱酸素剤とを密封した包装体の概略図である。
【符号の説明】
【0085】
10 錠剤
11 ガスバリアフィルム
12 除湿機能を備えた脱酸素剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物を用い、雰囲気中の酸素を吸収除去すると共に、雰囲気中の水分を吸収することを特徴とする除湿・脱酸素方法。
【請求項2】
請求項1において、
マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記無機酸化物に固溶させてなることを特徴とする除湿・脱酸素方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記固溶元素の総添加量が1〜20mol%であることを特徴とする除湿・脱酸素方法。
【請求項4】
酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物からなり、雰囲気中の酸素を吸収除去すると共に、雰囲気中の水分を吸収してなる除湿機能を備えた脱酸素剤と、該脱酸素剤を内包する包装体とからなる脱酸素包装体であって、
前記包装体が酸素易透過性を有すると共に、水分易透過性を有してなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素包装体。
【請求項5】
請求項4において、
マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記無機酸化物に固溶させてなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素包装体。
【請求項6】
請求項5において、
前記固溶元素の総添加量が1〜20mol%であることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素包装体。
【請求項7】
酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物からなり、雰囲気中の酸素を吸収除去すると共に、雰囲気中の水分を吸収してなる除湿機能を備えた脱酸素剤からなる脱酸素・水分吸収層を有することを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルム。
【請求項8】
請求項7において、
該脱酸素・水分吸収層の一方の面に設けられ、ガスバリア性を有するガスバリア層と、
前記脱酸素・水分吸収層の他方の面に設けられ、酸素及び水分易透過性を有してなる酸素及び水分易透過層とを有することを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルム。
【請求項9】
請求項7又は8において、
ガスバリア層と外層との間に高度ガスバリア層を設けてなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルム。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか一つにおいて、
前記脱酸素・水分吸収層とガスバリア層との間に、緩衝層を設けてなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルム。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか一つにおいて、
マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記無機酸化物に固溶させてなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルム。
【請求項12】
請求項11において、
前記固溶元素の総添加量が1〜20mol%であることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素機能フィルム。
【請求項13】
酸素欠陥を有する酸化セリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンのいずれか一種又はこれらの混合物の無機酸化物からなり、雰囲気中の酸素を吸収除去すると共に、雰囲気中の水分を吸収してなる除湿機能を備えた脱酸素剤を、酸素及び水分易透過性を有してなる樹脂に分散又は練込んでなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素樹脂組成物。
【請求項14】
請求項13において、
マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記無機酸化物に固溶させてなることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素樹脂組成物。
【請求項15】
請求項14において、
前記固溶元素の総添加量が1〜20mol%であることを特徴とする除湿機能を備えた脱酸素樹脂組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−238170(P2008−238170A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107801(P2008−107801)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【分割の表示】特願2007−166976(P2007−166976)の分割
【原出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】