説明

陶磁器調色調塗膜形成方法および陶磁器調色調塗装物

【課題】 「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する陶磁器調色調塗膜形成方法および陶磁器調色調塗装物を提供すること。
【解決手段】 基材に対して、(I)形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20であるカラーベース塗膜;(II)ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料含有塗膜を、この順に3コート1ベーク塗装系または3コート2ベーク塗装系で形成する陶磁器調色調塗膜形成方法、およびこの方法により得られる陶磁器調色調塗装物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、青磁や青白磁が有する薄青い磁器調の色である「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する陶磁器調色調塗膜の形成方法および陶磁器調色調塗装物に関する。
本発明における「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」とは、石を砕いて粘土にしたものからつくられた磁器に、灰を原料とした水色に近い透き通った色合いを基調とした釉薬(ゆうやく)をかけた、淡青色、または淡緑色の焼き物である「青磁の質感」や、伊万里焼に代表される白色の素地に透明釉をかけ、高火度に焼成した白磁と青磁の中間のような薄青い磁器である「青白磁の質感」を発現すると同時に、形成された塗膜を角度を変えながら観察したときに「青味感」と「白味感」が微妙に変化しながら交差して視認される、深みのある色調をいう。
【背景技術】
【0002】
塗膜の形成により陶磁器調の意匠を発現する方法として、以下の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、塗料B(クリヤ塗料)に比べて相対的に高い粘度を有している塗料A(着色ベース塗料)と塗料Bとを同時に吹き付けて膜厚が場所によって異なる陶磁器調の外観(構造)の塗膜を得る建築物等の内壁や外壁などに好適な塗装方法が開示されている。
また、特許文献2には、自動車の車体塗装用等に用いられる陶磁器調の色調を有する塗膜構造として、マンセル明度が5以上のカラーベース層と、その上層にガラスもしくはプラスチック製の微小なバルーンを多数混入したクリヤー層とを設けた構造が開示され、バルーン内での内部反射による光の乱反射とカラーベース層の色彩とがあいまって、淡白く光る陶磁器調の色調を発生させることが記載されている。
さらに、特許文献3には、車体の上塗塗装に使用される塗料積層体として、アクリル樹脂45〜50重量%、シンナー40〜45重量%、および表面張力調整剤や沈降防止剤等の添加剤0.5〜1.0重量%が混合された樹脂系に、直径が50〜100μmのガラスビーズ2〜5重量%を混合した塗料であるガラスビーズベース層を、スカイブルーより若干淡い色調に調整されたカラーベース層と光沢感を出すクリヤー層との間に設けたものが開示され、ガラスビーズベース層に含まれるガラスビーズに外側からの入射光が微妙に屈折反射されて、青磁調の外観(色調)が得られることが記載されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1の塗装方法では、陶磁器調の構造的外観を塗膜で形成する方法であり、また使用する塗料の色域が設定されていないので、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」は得られない。特許文献2の塗装方法では、カラーベース塗膜の明度が設定されているが、微小なバルーンを使用しているクリヤー層の色域についての設定がされておらず、また干渉性のない微小なバルーンを使用しているため、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」は得られない。特許文献3の塗装方法では、カラーベース層を淡青色としているもののガラスビーズ2〜5重量%を混合したガラスビーズベース層の色域が設定されておらず、また干渉性のないガラスビーズを使用しているため、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」は得られない。
【0004】
【特許文献1】特開平11−76917号公報
【特許文献2】特開平5−43824号公報
【特許文献3】特開平1−118576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する陶磁器調色調塗膜形成方法および陶磁器調色調塗装物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上述の課題に鑑み鋭意研究した結果、3コート1ベークまたは3コート2ベーク塗装系において、基材に対して、形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20、すなわち、明度が高く、無彩色に近く、青味がかったカラーベース塗膜を形成し、3コート1ベーク塗装系では上記カラーベース塗膜を硬化させることなく、または3コート2ベーク塗装系では上記カラーベース塗膜を硬化させ、次いでマイカフレーク顔料含有塗膜をホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料塗料を用いることにより、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する陶磁器調色調塗膜が得られることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち本発明は、
1.下記(1)〜(4)の工程を順次施す陶磁器調色調塗膜形成方法(以下、A発明(3コート1ベーク塗装系)ともいう。):
(1)基材に対して、形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20であるカラーベース塗膜を形成する工程;
(2)上記カラーベース塗膜に対して、ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料含有塗膜を形成する工程;
(3)上記マイカフレーク顔料含有塗膜に対して、クリヤー塗膜を形成する工程;
(4)上記カラーベース塗膜、上記マイカフレーク顔料含有塗膜および上記クリヤー塗膜を硬化させる工程;
2.下記(1)〜(4´)の工程を順次施す陶磁器調色調塗膜形成方法(以下、B発明(3コート2ベーク塗装系)ともいう。):
(1)基材に対して、形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20であるカラーベース塗膜を形成する工程;
(1´)上記カラーベース塗膜を硬化させる工程
(2)上記カラーベース塗膜に対して、ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料含有塗膜を形成する工程;
(3)上記マイカフレーク顔料含有塗膜に対して、クリヤー塗膜を形成する工程;
(4´)上記マイカフレーク顔料含有塗膜および上記クリヤー塗膜を硬化させる工程;
3.上記カラーベース塗膜の形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域において、L*値で70〜100、a*値で+1.5〜−1.5およびb*値で−1〜−6である陶磁器調色調塗膜形成方法;
4. 上記の陶磁器調色調塗膜形成方法により塗装された陶磁器調色調塗装物;
を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の陶磁器調色調塗膜形成方法によれば、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する意匠を発現する陶磁器調色調の塗装物を得ることができる。
本発明の陶磁器調色調塗膜は、基材に対して、形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20であるカラーベース塗膜と、ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料含有塗膜とで主に構成されることが特徴である。このゆえに、本発明の陶磁器調色調塗膜を上から見たときに、ホワイトマイカフレーク顔料とブルー干渉マイカフレーク顔料とにより発現されるマイカフレーク顔料含有塗膜の色調とこの塗膜を透かして視認される特定色域のカラーベース塗膜の色調との複合色が発現され、「青磁の質感」や「青白磁の質感」を発現すると同時に、形成された複合塗膜を、角度を変えながら観察したときに「青味感」と「白味感」が微妙に変化しながら交差して視認されて、本発明の効果である「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈するものと考えられる。
本発明により得られる塗膜は上記意匠を呈するため、自動車、二輪車等の乗物外板、容器外面、コイルコーティング、家電業界等の陶磁器調の色調が要求される分野において好ましく使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
<陶磁器調塗膜形成方法>
本発明の陶磁器調塗膜形成方法は、
A発明では、(1)基材に対して、形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20であるカラーベース塗膜を形成する工程(第1の工程);
(2)上記カラーベース塗膜に対して、ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料含有塗膜を形成する工程(第2の工程);
(3)上記マイカフレーク顔料含有塗膜に対して、クリヤー塗膜を形成する工程(第3の工程);
(4)上記カラーベース塗膜、上記マイカフレーク顔料含有塗膜および上記クリヤー塗膜を硬化させる工程(第4の工程);を順次施すものであり、
B発明では、A発明の(1)工程と(2)工程の間の工程として、(1´)上記カラーベース塗膜を硬化させる工程(第1´の工程);およびA発明の(3)工程の次工程として、(4´)上記マイカフレーク顔料含有塗膜および上記クリヤー塗膜を硬化させる工程(第4´の工程);を順次施すものである。
【0010】
[第1の工程]
本発明の陶磁器調色調塗膜形成方法では、まず第1の工程として、基材に対して、形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20であるカラーベース塗膜を形成する。
上記L*、a*およびb*が、上記範囲を外れると「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈することができない。より好ましくは、L*値で70〜100、a*値で+1.5〜−1.5およびb*値で−1〜−6である。
なお、L*値100は、明度表示としての上限値である。ここで、L*値、a*値およびb*値とはJIS Z8729に規定する物体を色に表す指数を意味し、L*値、a*値およびb*値は、測色計(例えば、商品名「SMコンピューター」、スガ試験機社製)によって測定することができる。
【0011】
上記基材としては、限定されるものでなく、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料;木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等が挙げられる。
本発明の陶磁器調色調塗膜形成方法においては、上記基材に直接または下地塗膜を介して特定色域のカラーベース塗膜を形成するが、本発明の陶磁器調色調塗膜形成方法により塗装される基材が自動車車体および部品等の場合は、予め上記基材に化成処理、電着塗装等による下塗り塗装を、必要によっては中塗り塗装等を施しておくのが好ましい。上記中塗り塗装は、下地の隠蔽、耐チッピング性の付与および上塗りとの密着性確保のために行われるものであり、カラーベース塗膜により兼用してもよい。
【0012】
上記基材への形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20であるカラーベース塗膜の形成には、上記色域となるように種類と量を選択した着色顔料を含有するカラーベース塗料が用いられる。
上記基材が下塗り、中塗り塗料等により下地塗装をしたものである場合には、得られた下地塗膜に対してウェットオンウェット(W/W)法、またはウェットオンドライ(W/D)法により上記第1光輝性塗料を塗装することができる。
上記W/W法とは下地塗装をした後、風乾等により乾燥し、未硬化状態または半硬化状態の下地塗膜に塗り重ねる塗装方法であり、これに対して、上記W/D法とは焼き付けて硬化させた下地塗膜に塗り重ねる塗装方法である。
【0013】
上記カラーベース塗料に含まれる着色顔料として、従来から塗料用として常用されているものが挙げられ、このようなものとして、有機顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、また、無機顔料としては、例えば、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラックが挙げられる。
【0014】
上記カラーベース塗料に含まれる着色顔料としての総含有量は、PWC(Pigment Weight Content)0.01〜70質量%が好ましく、0.01質量%未満では、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」は得られないことがあり、70質量%を超えると塗膜外観が低下するおそれがある。
また本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて従来から塗料用として常用されている体質顔料を用いることができる。このような体質顔料としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
【0015】
上記カラーベース塗料は、ビヒクルにより上記着色顔料および無機顔料、または必要に応じて用いられる体質顔料を分散するものであって、塗膜形成用樹脂と必要に応じて架橋剤とから構成される。
上記ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキッド樹脂、(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が、耐候性の点より好ましく用いられる。これらは、2種以上を組み合わせて使用することができる。また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプとがあるが、通常硬化性を有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイプの場合には、アミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して使用に供され、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないタイプの塗膜形成用樹脂と硬化性を有するタイプの塗膜形成用樹脂とを併用することも可能である。
【0016】
上記(a)アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体が挙げられる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらと共重合可能な上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0017】
上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコールが挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコールが挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンが挙げられる。
【0018】
上記(c)アルキッド樹脂としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂を用いることができる。
上記(d)フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合物およびその他の共重合可能なビニル系化合物からなるモノマー混合物を共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂が挙げられる。
【0019】
上記(e)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等が挙げられる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、Fが挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも商品名、シェルケミカル社製)が挙げられ、またこれらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
【0020】
上記(f)ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂が挙げられる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等が挙げられる。
【0021】
上記(g)ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、またはポリオキシブチレン系ポリエーテル、またはビスフェノールAもしくはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂が挙げられる。また上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、あるいは、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂が挙げられる。
【0022】
上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成用樹脂と架橋剤の割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤が10質量%未満では、塗膜中の架橋が十分でないことがある。一方、架橋剤が50質量%を超えると、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなることがある。
【0023】
上記カラーベース塗料中の固形分に対する上記ビヒクル中の固形分の質量比率は、30/100〜90/100であることが好ましい。上記ビヒクル中の固形分/上記カラーベース塗料中の固形分との固形分質量比率が、30/100未満であると耐候性が充分に得られず、またカラーベース塗膜との塗り重ね塗膜であるマイカフレーク顔料含有塗膜との付着性が低下するおそれがあり、90/100を超えると塗膜外観が低下するおそれがある。上記カラーベース塗料中の固形分に対する上記ビヒクル中の固形分の質量比率は、40/100〜80/100であることがより好ましい。
【0024】
上記カラーベース塗料は、上記成分の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックス、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加することができる。これらの添加剤は、通常、上記ビヒクル100質量部(固形分基準)に対して15質量部以下の割合で配合することにより、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0025】
上記カラーベース塗料は、上記構成成分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供される。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するものであればよく、有機溶剤および/または水を使用し得る。有機溶剤としては、塗料分野において通常用いられるものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類を例示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0026】
上記カラーベース塗膜を基材に対して形成する方法は特に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法等が好ましい。上記カラーベース塗料を塗装したカラーベース塗膜の乾燥膜厚は、10〜100μmが好ましく、この範囲の乾燥膜厚を維持することにより、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する陶磁器調色調塗膜を得ることができ、10μm未満では、下地の隠蔽が難しく、100μmを超えると塗膜外観の不良を生じるおそれがあり、より好ましくは、20〜50μmである。
【0027】
[第1´の工程]
本発明の陶磁器調塗膜形成方法では、A発明では本工程を施さないが、B発明において施す工程であり、上記カラーベース塗膜を硬化させる工程である。硬化させるための焼き付け条件は、好ましくは120〜160℃で5〜60分焼き付けである。
【0028】
[第2の工程]
本発明の陶磁器調塗膜形成方法では、次いで第2の工程として、A発明では硬化していないカラーベース塗膜に対してW/W法により、B発明では硬化したカラーベース塗膜に対してW/D法により施す工程であり、上記カラーベース塗膜に対して、ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)、かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料含有塗膜を形成する。
【0029】
上記マイカフレーク顔料含有塗膜の形成には、ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)、かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料含有塗料が用いられる。
【0030】
上記マイカフレーク顔料含有塗料において、ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)との含有比率は、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)であり、この範囲を外れると、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」が得られず、より好ましい含有比率は、(a)/(b)=5/5〜6/4(質量比)である。
【0031】
また、上記マイカフレーク顔料含有塗料においては、上記比率とともにホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)との合計での含有量(固形分)は、(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)である。この合計での含有量が上記範囲を外れると、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」が得られず、より好ましい合計での含有量は、(a)+(b)=5〜25質量%(塗膜固形分中)である。
【0032】
上記マイカフレーク顔料含有塗料に含まれるマイカフレーク顔料としては、天然の雲母や合成雲母の表面に二酸化チタンなどの金属酸化物の薄膜をコーティングして発色効果を付与したパールマイカ顔料であって、粒径は、小粒径のものが好ましく、平均粒子径は、10μm以下である。平均粒子径が10μmを超えると、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」が得られないおそれがある。より好ましい平均粒子径は、5〜10μmの鱗片状粒子が挙げられる。上記パールマイカ顔料の発色または干渉色は、被覆する金属酸化物の種類・量(被覆厚)を変化させることで、調整することができるが、ホワイトマイカフレーク顔料(a)は、天然の雲母に二酸化チタンを60〜140nmの厚みで被覆して得られ、ブルー干渉マイカフレーク顔料(b)は、天然の雲母に二酸化チタンを140〜350nmの厚みで被覆して得られる。
【0033】
さらに、上記マイカフレーク顔料含有塗料には、本発明の効果を損なわない範囲において必要に応じて配合することができる着色顔料についても上記カラーベース塗料に使用する着色顔料を同じように用いることができる。
またビヒクルについても、上記カラーベース塗料に使用するビヒクルを同じように用いることができる。
【0034】
上記マイカフレーク顔料含有塗料は、上記成分の他に、上記カラーベース塗料に使用する添加剤を同じように用いることができる。
上記マイカフレーク顔料含有塗料は、上記構成成分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供される。溶剤としては、上記カラーベース塗料に使用する溶剤を同じように用いることができる。
【0035】
上記マイカフレーク顔料含有塗膜を形成する方法は特に限定されないが、スプレー法、ロールコーター法等が好ましい。上記マイカフレーク顔料含有塗料を塗装したマイカフレーク顔料含有塗膜の乾燥膜厚は、5〜50μmが好ましく、この範囲の乾燥膜厚を維持することにより、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する陶磁器調色調塗膜を得ることができる。5μm未満では、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する陶磁器調色調塗膜を得ることができず、100μmを超えると塗膜外観の不良を生じるおそれがあり、より好ましくは10〜30μmである。
【0036】
[第3の工程]
本発明の陶磁器調色調塗膜形成方法では、次いで第3の工程として、上記マイカフレーク顔料含有塗膜に対して、W/W法によりクリヤー塗料を塗装しクリヤー塗膜を形成する。上記クリヤー塗料をスプレー法、ロールコーター法等のよく知られた方法によりW/W法で塗装することにより、上記クリヤー塗膜が形成される。
上記クリヤー塗料としては、クリヤートップ塗料として一般に使用されているものを用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの変性樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂と前述の架橋剤とを混合したものを用いることができる。また特公平8−19315号公報に記載された、カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを組み合わせたものが、耐酸性雨対策という観点から好ましく用いられる。
上記クリヤー塗料は、溶剤型、水性、または粉体型等の種々の形態をとることができる。溶剤型塗料または水性塗料としては、一液型塗料を用いてもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型樹脂を用いてもよい。
また、上記クリヤー塗料には、必要に応じて、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能である。
なお、上記クリヤー塗膜の乾燥膜厚は、20〜50μmであることが好ましく、この範囲を外れると塗膜外観の不良を生じるおそれがあり、より好ましくは、25〜45μmである。
【0037】
[第4の工程]
本発明の陶磁器調色調塗膜形成方法では、次いでA発明における第4の工程として、上記カラーベース塗膜、上記マイカフレーク顔料含有塗膜および上記クリヤー塗膜を同時に硬化させる工程により、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する塗膜を得ることができる。硬化させるための焼き付け条件は、好ましくは120〜160℃で5〜60分焼き付けである。
【0038】
[第4´の工程]
本発明の陶磁器調色調塗膜形成方法では、次いでB発明における第4´の工程として、上記マイカフレーク顔料含有塗膜および上記クリヤー塗膜を同時に硬化させる工程により、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する塗膜を得ることができる。硬化させるための焼き付け条件は、好ましくは120〜160℃で5〜60分焼き付けである。
【0039】
<塗装物>
本発明の塗装物は、上記陶磁器調色調塗膜形成方法により3コート1ベーク塗装系(A発明)または3コート2ベーク塗装系(B発明)で塗装されたものであって、基材に対して、(I)形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20であるカラーベース塗膜;(II)ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)、かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料含有塗膜が、この順に形成されている。
【実施例】
【0040】
次に、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量部を表す。また原材料、塗料、機器の名称は、特に断りのない限り商品名を表す。
【0041】
実施例1〜15、比較例1〜12
基材の調製
ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付け、基材とした。
【0042】
カラーベース塗料の調製
ポリエステル/メラミン樹脂系カラーベース塗料ホワイトをベースに、黒・青・黄・赤・緑色の原色ベースを用いて、乾燥塗膜の色域が以下に示す11種類となるように11種類のカラーベース塗料を調製した。
(以下、実施例用)
・L* :85 a* :+1 b* :−5
・L* :65 a* :+1 b* :−5
・L* :90 a* :+1 b* :−5
・L* :85 a* :−1 b* :−5
・L* :85 a* :+1 b* :−2
・L* :85 a* :+1 b* :−15
(以下、比較例用)
・L* :50 a* :+1 b* :−5
・L* :85 a* :+5 b* :−5
・L* :85 a* :−5 b* :−5
・L* :85 a* :+1 b* :+5
・L* :85 a* :+1 b* :+25
【0043】
マイカフレーク顔料含有塗料の調製
アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、水酸基価45、酸価15、固形分50質量%)と、メラミン樹脂(「ユーバン20SE」、三井化学社製、固形分60質量%)とを80:20の固形分質量比で配合して得たビヒクルに対し、下記の種類の顔料を表1に示す量(PWC)で配合した。次いで、有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの質量比=70/15/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるように攪拌混合し、マイカフレーク顔料含有塗料として調製した。
【0044】
マイカフレーク顔料(a−1):ホワイトマイカフレーク顔料(平均粒子径5.4μm;「EXTERIOR CFS MEARLIN MAGNAPEARL 3103」、ENGELHARD社製)
マイカフレーク顔料(a−2):ホワイトマイカフレーク顔料(平均粒子径18μm;「EXTERIOR CFS MEARLIN MAGNAPEARL 1103」、ENGEqLHARD社製)
マイカフレーク顔料(b−1):ブルー干渉マイカフレーク顔料(平均粒子7.9μm;「EXTERIOR CFS MEARLIN MICRO BLUE」、ENGELHARD社製)
マイカフレーク顔料(b−2):ブルー干渉マイカフレーク顔料(平均粒子22μm;「EXTERIOR CFS MEARLIN LUMINA AQUA−BLUE」、ENGELHARD社製)
マイカフレーク顔料(c):グリーン干渉マイカフレーク顔料(平均粒子径7.7μm;「EXTERIOR CFS MEARLIN MICRO GREEN」ENGELHARD社製)…比較例用
必要に応じ、
着色顔料(P):フタロシアニンブルー顔料(「シアニンブルーG314」、山陽化成社製)
【0045】
【表1】

【0046】
クリヤー塗料の調製
使用したクリヤー塗料は、アクリル/メラミン樹脂系クリヤー塗料1(「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント社製)または、カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料2(「マックフローO−520クリヤー」、日本ペイント社製)の2種類である。各々、攪拌機により塗装適正粘度になるように粘度調整用溶剤と攪拌混合し、第1クリヤー塗料および第2クリヤー塗料として調製した。
【0047】
陶磁器調色調塗膜の形成
表2に示す組合せにて、基材の被塗面に、表2に示す色域に上記で調製した各ポリエステル/メラミン樹脂系カラーベース塗料を乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー塗装し、A発明では塗装後3分間セッティングし、またはB発明では140℃の温度で30分間焼き付けてカラーベース塗膜を形成し、次いで先に得たマイカフレーク顔料含有塗料を乾燥膜厚が15μmとなるように塗装した。マイカフレーク顔料含有塗料の塗装は静電塗装機(「Auto REA」、ABBインダストリー社製)を用い、霧化圧2.8kg/cm2で行った。塗装後3分間セッティングし表2に示す種類のクリヤー塗料を乾燥膜厚が35μmとなるように塗装し、室温で10分間セッティングし、140℃の温度で30分間焼き付けた。
得られた塗膜を試験板とし意匠性を評価した。結果を表2に示す。
【0048】
評価方法
意匠性:試験板を目視で評価した。
3…「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」として顕著に認められる
2…「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」として認められる
1…「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」として認められない
【0049】
【表2】

【0050】
表2の結果から明らかなように、本実施例は、本発明の陶磁器調色調塗膜形成方法により陶磁器調色調塗膜を形成したもので、「質感のある光輝感」である「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈する意匠を発現した。一方、比較例は、「深み感と淡青感のある陶磁器調の色調」を呈することができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)〜(4)の工程を順次施す陶磁器調色調塗膜形成方法:
(1)基材に対して、形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20であるカラーベース塗膜を形成する工程;
(2)前記カラーベース塗膜に対して、ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料含有塗膜を形成する工程;
(3)前記マイカフレーク顔料含有塗膜に対して、クリヤー塗膜を形成する工程;
(4)前記カラーベース塗膜、前記マイカフレーク顔料含有塗膜および前記クリヤー塗膜を硬化させる工程。
【請求項2】
下記(1)〜(4´)の工程を順次施す陶磁器調色調塗膜形成方法:
(1)基材に対して、形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域においてL*値が60〜100、a*値が+1.5〜−1.5およびb*値が−1〜−20であるカラーベース塗膜を形成する工程;
(1´)前記カラーベース塗膜を硬化させる工程
(2)前記カラーベース塗膜に対して、ホワイトマイカフレーク顔料(a)とブルー干渉マイカフレーク顔料(b)とを、(a)/(b)=4/6〜7/3(質量比)かつ(a)+(b)=1〜30質量%(塗膜固形分中)含有するマイカフレーク顔料含有塗膜を形成する工程;
(3)前記マイカフレーク顔料含有塗膜に対して、クリヤー塗膜を形成する工程;
(4´)前記マイカフレーク顔料含有塗膜および前記クリヤー塗膜を硬化させる工程。
【請求項3】
前記カラーベース塗膜の形成される乾燥塗膜のL***表示系における色域において、L*値で70〜100、a*値で+1.5〜−1.5およびb*値で−1〜−6である請求項1または2記載の陶磁器調色調塗膜形成方法。
【請求項4】
請求項1から3いずれか1項記載の陶磁器調色調塗膜形成方法により塗装された陶磁器調色調塗装物。

【公開番号】特開2006−297225(P2006−297225A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120078(P2005−120078)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(000230054)日本ペイント株式会社 (626)
【Fターム(参考)】