説明

陽極酸化処理クラッド銅製の調理用具

調理用具物品が銅のコアを有し、かつ比較的より薄い外側アルミニウム層によって取囲まれている。外側アルミニウム層は、陽極酸化処理が好ましく行なわれて、比較的不活性であり、堅く、かき傷耐性があり、かつ耐久性のある仕上げを提供する。この陽極酸化処理された仕上げは、また、こびりつき防止仕上げにも容易に順応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
この出願は、2009年9月4日に同じ名称において出願された特許文献1を有する米国仮特許出願に対する優先権ならびにそれの恩典を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、銅製の調理用具の構造および製造における改良に関する。
【0003】
銅製の調理用具は、それの有する優れた熱伝達能力から好ましいが、食物への銅および酸化銅の浸出をはじめ、調理表面の汚れを防止する不活性コーティングを用いて食物と接触する部分を覆わなければならない。伝統的に、スズのコーティングが使用されてきた。しかしながら、それらは時間が経つと摩損する。さらにスズは、容易にかき傷ができる軟質金属である。
【0004】
別のアプローチは、形成後に食物接触表面が鋼となるようにステンレス鋼を用いて銅のクラッディングを行なうことである。ステンレス鋼は、比較的耐久性があり、かつ不活性であるが、容易にかき傷ができる。さらに重要なことは、ステンレス鋼は熱伝導性が低く、ステンレス鋼が比較的薄い場合でさえ、調理性能がスズ引きの銅のように良好でない。その種のクラッド金属構造では、銅とステンレス鋼の間にアルミニウムの層がいくつか配置されるが、それでも鋼が熱の伝達を制限する。さらに、その種の積層物は、製造が複雑かつ高価であり、クラッディング・プロセスにおいて冶金学的に固着されなければならない多くの層を有する。この理由のために、シート・クラッディング・プロセスに応じて、銅のコアが必ずしも常に連続でなく、かつ非常に薄いものとなる可能性があり、孔またはパーフォレーションを伴い、それを通ってアルミニウムの層が押し出されて互いに固着して銅をカプセル化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第61/239,869号明細書
【特許文献2】米国特許第3,986,993号明細書
【特許文献3】米国特許第4,118,537号明細書
【特許文献4】米国特許第4,321,177号明細書
【特許文献5】米国特許第5,691,067号明細書
【特許文献6】米国特許第6,133,359号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の第1の目的は、長い寿命のための改良された耐久性を有し、かつ熱的性能を犠牲にすることなく維持が容易な銅製の調理用具を提供することとする。
【0007】
また、調理オイルを殆どまたはまったく必要とせずに食物のこびりつきを防止するだけでなく、消費者が行なうクリーニングおよび維持を容易にする銅製の調理用具を提供することも本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては、この最初の目的が調理用具物品を提供することによって達成され、当該調理用具物品は、上向きに面する第1の表面および反対側の下向きに面する第2の表面を有する底と、底を取囲み、上側リムにおいて終端して流体を入れる容器を提供する実質的に直立の壁とを包含し、それにおいて底および壁が、本質的に、銅金属の内側コア、および銅のコアの両側面を取囲むアルミニウムの外側クラッディング層からなる。
【0009】
本発明の第2の態様は、この調理用容器の外側クラッディング層が陽極酸化処理されてかき傷耐性アルミナ・コーティングを提供することを特徴とする。
【0010】
本発明の別の態様は、流体を入れる容器の内側のその種のかき傷耐性アルミナ・コーティングが、さらにこびりつき防止コーティングによって保護されることを特徴とする。
【0011】
本発明の上記の、およびそのほかの目的、効果、特徴、および利点は、以下に述べる添付図面を参照したそれの実施態様の説明からより明らかなものとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】調理用容器の第1の実施態様の断面立面図である。
【図1B】調理用容器の第2の実施態様の断面立面図である。
【図2】図2Aは、調理用容器の第3の実施態様の断面立面図である。図2Bは、図2Aの破線の楕円によって示された第2の実施態様の部分の拡大断面立面図である。
【図3】アルミニウム・クラッド銅シートから図1、2、および3の容器を形成するプロセスにおけるステップを図解した説明図である。
【図4】図1、2、および3の容器の形成に使用できるアルミニウム・クラッド銅シートの代替実施態様の断面立面図である。
【図5】図1、2、および3の容器のリムのための多様なオプションの構成を図解した説明図である。
【図6】ステンレス鋼クラッド銅コアの平鍋と本発明の平鍋の理論的な熱的性能を比較したグラフである。
【図7】2つの異なる時間期間における図6において比較された平鍋にわたる理論的な温度勾配を比較した図式である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至7を参照すると、多様な図における類似の参照番号は類似の構成要素を参照しているが、包括的に100によって示される新しい、改良された陽極酸化処理クラッド銅製の調理用具が図解されている。
【0014】
本発明によれば、調理用具物品100が、アルミニウムもしくはそれの合金のクラッディング層121および122によって両側から実質的に取囲まれた銅もしくはそれの合金の連続するコア110を有し、それにおいてアルミニウムの外側の面の好ましくは少なくとも1つの側、より好ましくは両方の側が陽極酸化処理仕上げを有し、それらのうちの少なくとも食物接触層は、アルミナまたは酸化アルミニウム(Al)131および132(図2Aおよび2Bに示されている)である。その種の外側コーティングには、さらに、有機および無機のこびりつき防止コーティング141等の比較的耐久性のあるこびりつき防止コーティングを用いたコーティングを施すことが可能である。その種のコーティングは、通常、低い表面エネルギの有機高分子をはじめ、補強充填剤を包含し、接着および耐久性を向上させるべく組成がわずかに異なる連続した複数の層として堆積され得る。低い表面エネルギの高分子は、通常、フルオロ炭化水素高分子および/またはシリコン樹脂含有高分子である。多様な米国特許が、調理用具容器に対して有機ベースのこびりつき防止コーティングを適用する方法および物質の組成を教示している。それらの中には、バシリウ(Vassiliou)に対する特許文献2(1976年10月19日発行)、バリィ(Vary)ほかに対する特許文献3(1978年10月3日発行)、ウィルキンソン(Wilkinson)に対する特許文献4(1982年3月23日発行)、パテル(Patel)に対する特許文献5(1997年10月25日発行)、およびベイト(Bate)ほかに対する特許文献6(2000年10月17日発行)が含まれ、これらすべては参照によってこれに援用される。こびりつき防止コーティング141は、酸性食物による劣化からアルミナ層131を保護する。
【0015】
さらにここで認識される必要があるが、ステンレス鋼を用いてクラッディングされた銅製の調理用具とは対照的に、熱伝導率をさらに劣化させる追加の中間層の追加を伴わずにこびりつき防止コーティングを追加することは困難であり、本発明のような堅く陽極酸化処理されたアルミナ層等のこびりつき防止コーティングの耐久性を向上させることはない。
【0016】
図1および2の調理用具物品は、図3A乃至3Fに示されているとおりに形成される。最初に、両面にアルミニウム金属またはアルミニウム合金20および21を用いてクラッド・シート30を作るクラッディングが行なわれた実質的に平板の銅シート10が、深絞り成形に使用される嵌め合いダイのセット内に配置される。シート30を作り出すクラッディング・プロセスは、ある程度の冷間圧延を概して必要とするが、熱間圧延とすることも可能であり、銅とアルミニウム層の間の接着を促進する複数のパスの配置および/または追加の層の配置を行なう。図3Bにおいては、アルミニウム・クラッド銅シート30の深絞り成形が嵌め合いダイの間において行なわれて容器100の全体的な形状が形作られる。
【0017】
従来的な鋼/アルミニウム/銅/アルミニウム/鋼の5層クラッディングとは異なり、図3Aの構造は、伝統的な深絞り成形プロセスによる調理用具への成形が困難であることが明らかになった。これは、クラッド構造内のアルミニウムおよび銅の層と一般に等しい厚さの鋼の層の強度に起因して、より柔らかい銅およびアルミニウムの鋼クラッド構造が成形容易になると考えられている。
【0018】
したがって、本発明のもう1つのほかの態様は、図1および図2の調理用具の一貫性のある製造を可能にする材料の選択および層の厚さに関連した絞り成形プロセスにおける改良である。概して言えば、外側のアルミニウム層20および21が、合わせて、シート30内の銅の厚さの約80%から200%の合計の厚さを有することが好ましい。より好ましくは、アルミニウム層20および21が等しい厚さを有するものとする。しかしながらこの範囲における最適値は、冷間および/または熱間圧延および焼きなましの後に配置されルアルミニウム合金の加工性に応じてかなり変動する可能性がある。現在のところ、容器100の形成における加工性からより純度の高いアルミニウム合金がより好ましいと考えられている。
【0019】
最終的な調理用具が良好な表面の外観を有することが重要であるため、図3Bに示されている絞り成形プロセスが作り出すか、または図1Bに示されている容器の成形にアイアニングが使用される場合にはそれが作り出す表面の粗さが、さらなる研磨作業を用いて仕上げることが経済的に可能でない程度に最小限であることが望ましい。その種の研磨作業(図3D)は、容器のリム140を形成するステップ(図3C)におけるトリミングの後に好ましく実行される。図3Cに示されているステップは、後述する図5B乃至Fに示されているほかのリム仕上げプロセスも含むことができる。
【0020】
これもまた重要であるが、絞り成形プロセスは、結果として、低い瑕疵レベルを有し、かつ不合格および再加工を最小化して効率的な製造可能性の提供が必要とされる研磨等の最終表面仕上げの一貫性のあるレベルが要求される一貫性のある製品をもたらす。
【0021】
上記の目的が、図3に示されているクラッド材料が一貫性のある厚さを有し、かつ熱間加工等の絞り成形プロセスの間、またはその後のいずれかをはじめ深絞り成形または絞り成形およびアイアニング・プロセスの組合わせによる調理用具の形成の直前において焼きなましが行なわれるとき、より容易に達成されることが発見された。クラッド・シート30の焼きなましが、前もって行なわれなかった場合には、その種の焼きなましが、約250℃の温度における約15乃至30分から約430℃における約5分というように、より高い温度について相応じて抑えられる時間にわたって生じることが望ましい。しかしながら、過剰な焼きなましが調理用具の形成後に、形成前のアルミニウム内の大きすぎる列理サイズに起因する傾向にある『オレンジ・ピール』状表面の粗い外観を導き得ることから、それが過剰とならないことも重要である。したがって、クラッディング・プロセスおよび調理用具の形成プロセスの性質に応じて、焼きなましプロセスがあるのであれば、それが相応じて調整されて銅のコアおよび外側のアルミニウム層内における機械的特性の正しいバランスが獲得される。
【0022】
形成前にクラッド金属シート30の焼きなましを行なう必要性は、絞り成形条件および平鍋の形状にいくぶん依存し、言換えると、より高いレートまたはより局所的な歪み比において行なわれる絞り成形は、概して、いくらかの焼きなましを行なって、圧延またはクラッディング・プロセスのいずれかにおいて形成されるアルミニウム合金内の列理構造を改質することを必要とする。概して言えば、アルミニウム合金が3003グレードのクラッド材料30については、約260から300℃までの間において約15分にわたる焼きなましが有用であるが、1050グレードのアルミニウムについては、好ましくは焼きなまし温度が少なくとも約280℃になる。
【0023】
現在のところ好ましい容器100の形成に使用されるクラッド材料30のための構造は、厚さが約1mmの銅のコア10、およびそれを取囲む、それぞれの厚さが少なくとも約0.4mmのアルミニウム層20および21を有する。これらのアルミニウム層20および21がわずかに厚く、すなわちクラッド金属の両側面からのアルミニウムの厚さの合計が銅のコアの厚さと概略で同じか、またはそれより厚くなるように、少なくとも厚さが約0.5mmであると好ましいことがある。
【0024】
さらに、図1Bの容器100に見られるとおり、深絞り成形によって形成された容器のアイアニングを行なって壁の高さを増加させる一方、その中の銅および/またはアルミニウムの層を薄くし、より厚い銅の層を底に残すことができる。その種のアイアニングは、オプションであり、図3Cに示されているステップによって表わされる。アイアニングにおいては、漸進的にギャップがより小さくなる一連の内側および外側の嵌め合いダイが容器の壁の周囲に挿入され、上向きに引かれて厚さが減じられる。
【0025】
容器100のトリミングおよび/または仕上げがリム140において行なわれた後、好ましくは、図3Eによって表わされているとおりのステップにおいて、図3Fに示されているステップにおけるオプションの陽極酸化処理の前に表面研磨に掛けられる。陽極酸化処理の後に追加の研磨が配置されることもある。さらに、オプションのこびりつき防止コーティング141を、図3Gによって表わされたステップ内において適用し、それの後に、追加のコーティング(図3H)を外表面132に適用し、図2Bに示されている層142を追加することができる。コーティング142は、外観のため、または追加の耐久性もしくは化学物質耐性をアルミナ層132に提供するためのセラミック、エナメル、またはラッカーのコーティングとすることが可能である。図3Gおよび3Hによって示されているステップの順序は逆にしてもよい。コーティング142は、容器100の外側全体にわたって広げること、または周囲壁101だけとして、外側の底102をアルミニウム層122の陽極酸化処理によって形成された酸化アルミニウム132がコーティングされたまま残すことができる。理想的には、外側の底102のコーティングが比較的薄く、炎または加熱エレメントから銅のコア110への熱の伝達が妨げられることを回避する。
【0026】
図4は、別の実施態様を図解しており、それにおいてはアルミニウム層20および21が、銅の層11の厚さと少なくとも概略で同じであり、当該銅の層は、間隔が離された複数のパーフォレーション12を有して、両側のアルミニウム層が、クラッディング・プロセスの間に領域13において互いに冶金学的に固着することを可能にする。銅の層のパーフォレーション12が、図5Aに示されるとおり、リム140のトリミング時に露出されることがあるため、図5BC乃至Fに示されるとおり、リム140を1回または複数回にわたって折り返し、銅の層11の穿孔されたままの状態を隠すと好ましいことがある。これは、容器100の外側の壁101上にリム140を折り返すこと(図5C乃至5F)をはじめ、リム140において銅の薄いリングをすくい取り、続いて周囲のアルミニウム層121および122を互いに閉じて、図5Bに示されるとおり、銅のコア11を完全に覆うことによって達成することが可能である。それに代えて、単一の折り返しを行い、折り返し部分の端においてアルミニウムを丸め(図5D)、折り返しの端のエッジを容器の壁の中に挿入すること(図5E)によって銅のコア10または11を隠すか、または保護することができる。それに代わる図5Fに示されているリム140の二重折り返しは、リムの厚さを3倍にし、かつ銅の層11内に見ることができたすべてのパーフォレーションを完全に隠す。仕上げられる容器の延性に応じて、同じ処理を使用して、図1乃至3の実施態様に示されているとおり、銅のコア110が連続するリム140において壁の厚さを増加することができる。
【0027】
有限要素モデリングおよび実際のテストの両方から、本発明の平鍋が、300シリーズのグレードのステンレス鋼(SS)(1.0mm)/Al(3003合金)(0.4mm)/Cu(1mm)/Al(0.4mm)/SS(1mm)の層構造を有する合計の厚さが3.8mmの先行技術のステンレス鋼クラッド調理用具を超える予期されていなかった利点を提供することが発見された。
【0028】
これは、0.04mmの陽極酸化処理アルミニウム(アルミナまたは酸化アルミニウム)/0.4mmのアルミニウム(3003合金)/1.0mmのCu(99.99%)/0.4mmのアルミニウム(3003合金)/0.04mmの陽極酸化処理アルミニウム(アルミナまたは酸化アルミニウム)を有する合計の厚さが約1.808mmの本発明の構造と比較された。
【0029】
従来的なステンレス鋼クラッド調理用具と比較した場合に、酸化物であり、かつ全体的に多孔質材料であることから、外側のアルミナ層がステンレス鋼より比較的低い熱伝導率を有することが期待されるとしても、実際の性能が、むしろ以下に述べる有限要素モデルに好ましく匹敵することに注意を要する。
【0030】
FEMモデルは、平鍋の中心線から2インチのところに配置されたそれぞれが幅1/2インチの2つの熱源(すなわち、平鍋の中心線に関して対称であり、4インチの距離が離された熱源)を伴う、熱源/炎の温度が2,200Kであり、熱流束が80,000W/mの炎をシミュレーションした。認識されるものとするが、これらの理論的なモデルにおいては、単純に正確なモデリングを行なうために平鍋を乾燥状態とした。また、平鍋の上面が周囲雰囲気に対する熱の放射において0.85の放射率を有し、炎に面する底表面が、平均1400°Kの周囲に対して10W/mの伝達率を有することも仮定された。
【0031】
図6に、Al/Al/Cu/Al/Alの構造を有する本発明の平鍋の中心およびエッジにおいて演繹された温度と、ステンレス鋼Al/Cu/Al/ステンレス鋼の構造を有する平鍋の温度を、平鍋の幾何中心周りの狭い環状領域に入射する炎に等価であるとしてモデリングされた熱源を用いた加熱開始から7分間にわたって比較している。
【0032】
ここで、本発明の構造は、約103秒内に中心が約200℃の調理温度に到達しているが、先行技術の平鍋については、2倍を超える時間(250秒)を要したことが認識されるものとする。
【0033】
さらに、本発明の平鍋の中心が200Cに到達したときの中心とエッジの間の温度差は、わずかに88℃である。これに対して先行技術の平鍋は、中心が200℃に到達したとき、まだ113℃の温度勾配を有する。
【0034】
図7は、同一の傾向を示しており、それにおいてはハッチングを施した帯が、50秒および250秒における厚さを通じた平均温度を表わしている。
【0035】
したがって、本発明は、多様な好ましい実施態様との関連において説明されてきたが、ここに示した特定の形式に本発明の範囲を限定することは意図されてなく、むしろその逆にそれらの代替、修正、および均等が付随する特許請求の範囲によって定義されるとおりの本発明の精神ならびに範囲内となることが意図されている。
【符号の説明】
【0036】
10 銅シート、コア
11 銅の層
12 パーフォレーション
13 領域
20 アルミニウム金属またはアルミニウム合金、アルミニウム層
21 アルミニウム金属またはアルミニウム合金、アルミニウム層
30 クラッド・シート、アルミニウム・クラッド銅シート、シート、クラッド金属シート、クラッド材料
100 調理用具物品、容器
101 周囲壁
102 底
110 コア
121 クラッディング層
122 クラッディング層、アルミニウム層
131 酸化アルミニウム、アルミナ層
132 酸化アルミニウム、外表面、アルミナ層
140 リム
141 こびりつき防止コーティング
142 コーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理用具物品であって、
a)下向きに面する第2の表面の反対側の上向きに面する第1の表面を有する底と、
b)前記底を取囲み、上側リムにおいて終端して流体を入れる容器を提供する実質的に直立の壁とを包含し、
c)それにおいて前記底および直立の壁が、本質的に、銅金属の内側コア、および前記銅金属の内側コアの両側面を取囲むアルミニウムおよびアルミニウム合金のうちの少なくとも1つの外側クラッディングからなる、調理用具物品。
【請求項2】
前記外側クラッディング層のうちの少なくとも1つが、陽極酸化処理されてかき傷耐性アルミナ・コーティングを提供する、請求項1に記載の調理用具物品。
【請求項3】
前記かき傷耐性アルミナ・コーティングは、前記流体を入れる容器の内部側の上である、請求項1に記載の調理用具物品。
【請求項4】
前記流体を入れる容器の内部側の上の前記かき傷耐性アルミナ・コーティングは、さらにこびりつき防止コーティングによって保護される、請求項3に記載の調理用具物品。
【請求項5】
前記こびりつき防止コーティングは、低い表面エネルギの有機高分子を包含する、請求項4に記載の調理用具物品。
【請求項6】
前記銅のコアの両側面の前記アルミニウムが陽極酸化処理される、請求項5に記載の調理用具物品。
【請求項7】
前記銅のコアが前記容器の前記リムにおいて露出される、請求項1に記載の調理用具物品。
【請求項8】
前記銅のコアが、前記容器の前記リムにおいて前記アルミニウム・クラッディングによって覆われる、請求項1に記載の調理用具物品。
【請求項9】
調理用具物品であって、
a)下向きに面する第2の表面の反対側の上向きに面する第1の表面を有する底と、
b)前記底を取囲み、上側リムにおいて終端して流体を入れる容器を提供する実質的に直立の壁とを包含し、
c)それにおいて前記底および直立の壁が、
i)銅金属アウターの内側コアと
ii)前記銅金属の内側コアの両側面を取囲むアルミニウムのクラッディングと、
iii)前記アルミニウム・クラッディングの両側面を取囲む酸化アルミニウムのコーティングを包含する、調理用具物品。
【請求項10】
さらに、上向きに面する第1の表面上の前記酸化アルミニウムのコーティング上にこびりつき防止コーティングを包含する、請求項9に記載の調理用具物品。
【請求項11】
前記銅のコアが前記容器の前記リムにおいて露出される、請求項9に記載の調理用具物品。
【請求項12】
前記銅のコアが、前記容器の前記リムにおいて前記アルミニウム・クラッディングによって覆われる、請求項9に記載の調理用具物品。
【請求項13】
前記銅のコアが、前記容器の前記リムにおいて前記アルミニウム・クラッディングによって覆われる、請求項10に記載の調理用具物品。
【請求項14】
前記銅のコアが前記容器の前記リムにおいて露出される、請求項10に記載の調理用具物品。
【請求項15】
前記銅のコアは、少なくとも約1mmの厚さを有し、前記銅のコアの各側面の前記アルミニウム・クラッディングは、少なくとも約0.4mmの厚さを有する、請求項10に記載の調理用具物品。
【請求項16】
前記銅のコアの両側面の前記アルミニウム・クラッディングの合わせた厚さは、前記銅のコアの厚さの少なくとも80%である、請求項10に記載の調理用具物品。
【請求項17】
前記銅のコアは、少なくとも約1mmの厚さを有し、前記銅のコアの各側面の前記アルミニウム・クラッディングは、少なくとも約0.4mmの厚さを有する、請求項16に記載の調理用具物品。
【請求項18】
調理用具物品を形成する方法であって、
a)両方の表面がアルミニウムおよびアルミニウム合金のうちの少なくとも1つを用いてクラッディングされた少なくとも約1mmの厚さを有する、本質的に銅からなる金属のシートを提供するステップと、
b)前記アルミニウム・クラッド銅シートの深絞り成形を行なって流体を保持することができる容器を形成するステップと、
c)前記容器の両側面の露出されたアルミニウム・クラッディングの陽極酸化処理を行なって、酸化アルミニウムの薄い層を形成するステップとを包含する、調理用具物品を形成する方法。
【請求項19】
さらに、前記容器の前記流体を保持する内側表面上の前記酸化アルミニウム上にこびりつき防止コーティングの堆積を行なうステップを包含する、請求項18に記載の調理用具物品を形成する方法。
【請求項20】
前記こびりつき防止コーティングは、低い表面エネルギの有機高分子を包含する、請求項18に記載の調理用具物品を形成する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−503695(P2013−503695A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527897(P2012−527897)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/045833
【国際公開番号】WO2011/028417
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(512054182)マイヤー インテレクチュアル プロパティーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】